JPH07117132B2 - Vベルト式無段変速機 - Google Patents

Vベルト式無段変速機

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JPH07117132B2
JPH07117132B2 JP60298792A JP29879285A JPH07117132B2 JP H07117132 B2 JPH07117132 B2 JP H07117132B2 JP 60298792 A JP60298792 A JP 60298792A JP 29879285 A JP29879285 A JP 29879285A JP H07117132 B2 JPH07117132 B2 JP H07117132B2
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counter shaft
pulley
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lubricating oil
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正広 長谷部
史郎 榊原
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Aisin AW Co Ltd
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Aisin AW Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 (イ)産業上の利用分野 本発明は、Vベルト式無段変速機に係り、特に、自動車
に搭載されて好適なVベルト式無段変速機に関する。
(ロ)従来の技術 一般に、この種Vベルト式無段変速機(CVT)は、それ
ぞれ可動シーブ及び固定シーブからなるプライマリ及び
セカンダリプーリを備え、これら両プーリに金属製ベル
トを巻掛けて構成されており、かつ可動シーブを油圧ピ
ストンにより移動することにより、適宜変速操作してい
る。
従って、該無段変速機は、油圧を用いるため、オイルポ
ンプ及び油圧回路を必要とし、大変複雑な構成になって
大型の装置になっていると共に、必要以上のベルト挾圧
力を作用し、伝達効率及びベルト耐久性の面でも不利に
なっており、更に、油圧が何等かの原因で低下した場
合、ベルト挾圧力が不足して伝達不能になってしまう。
そこで、近時、特開昭60−8558号公報に示されるよう
に、プライマリ及びセカンダリの両プーリの可動シーブ
に、負荷に応じた軸力を作用する調圧カム機構を設け、
更にこれら調圧カム機構により発生する軸力が両プーリ
に作用するようにリンク機構により連結し、そしてプラ
イマリプーリの可動シーブに、比セレクタ機構により、
所定変速比を選択するベルト式無段変速機が案出されて
いる。
(ハ)発明が解決しようとする問題点 ところで、上記無段変速機は、伝達トルクに応じた軸力
を発生して必要以上のベルト挾圧力を作用しない点では
優れているが、プライマリ及びセカンダリの両プーリの
調圧カム機構をリンク機構により連結しているため、構
造が大変複雑になっている。また比セレクタ機構による
ベルト挾圧力としての軸力がケースに作用し、ケースの
剛性を高める必要がある。
そこで、出願人は、特願昭60−153130号(特開昭62−13
853号公報参照)にて、プライマリプーリとセカンダリ
プーリにおける可動シーブを軸方向に移動するアクチュ
エータ機構をカウンタシャフトを介してトルクにより互
に連結・作用せしめ、極めて簡単な構成により、上述欠
点を解消したVベルト式無段変速機を提案した。
ところで、上記Vベルト式無段変速機において、カウン
タシャフトをプライマリ及びセカンダリの両プーリを結
ぶ直結上に配置すると、カウンタシャフトから両プーリ
のアクチュエータ機構に動力伝達する動力伝達装置はコ
ンパクトになるが、両プーリをカウンタシャフトと干渉
しないように配置するため、両プーリの軸間距離は長く
なり、装置全体が大型化してしまう。また、カウンタシ
ャフトをベルト走行路の外側に配置すると、両プーリの
軸間距離は短かくなるが、動力伝達装置は極めて大がか
りなものになり、やはり装置全体が大型化してしまう。
一方、この種金属製ベルトを用いるベルト式無段変速機
は、ベルトを潤滑する必要があるが、従来、該ベルト用
潤滑油はベルト走行路近傍に導出されたパイプにて供給
されるか、又はプーリシャフトに形成した潤滑油路にて
供給されている。しかし、パイプによる場合は、わざわ
ざパイプを配設する必要があり、構造を複雑化してしま
い、またプーリシャフトからの潤滑は、可動シーブの移
動により有効的な潤滑孔があけにくい。
そこで、本発明は、コンパクトで簡単な構成でもって、
確実なベルトの潤滑を達成し、もって上記課題を解決し
たVベルト式無段変速機を提供することを目的とするも
のである。
(ニ)問題を解決するための手段。
本発明は、上述事情に鑑みなされたものであって、それ
ぞれのシャフトに支持されかつ軸方向に相対移動し得る
2個のシーブからなるプライマリ及びセカンダリプーリ
を有し、これら両プーリにベルトを巻掛けてなるVベル
ト式無段変速機において、 2個の相対回転し得る部材からなり、これら部材の一方
を前記プライマリプーリの可動シーブに軸方向一体に移
動するように連結して、前記2個の部材の相対回転に基
づき一方の部材が他方の部材に対して軸方向に移動する
ことにより前記プライマリプーリの可動シーブを軸方向
に移動するプライマリ側アクチュエータ機構と、 2個の相対回転し得る部材からなり、これら部材の一方
を前記セカンダリプーリの可動シーブに軸方向一体に移
動するように連結して、前記2個の部材の相対回転に基
づき一方の部材が他方の部材に対して軸方向に移動する
ことにより前記セカンダリプーリの可動シーブを軸方向
に移動するセカンダリ側アクチュエータ機構と、 前記プライマリ及びセカンダリの両プーリの間に配置さ
れたカウンタシャフトと、 該カウンタシャフトと、前記プライマリ及びセカンダリ
側の両アクチュエータ機構における2個の部材の少なく
とも一方とをそれぞれ連結し、前記カウンタシャフトの
回転に基づき、前記両アクチュエータ機構の前記2個の
部材がそれぞれ相対回転するように連動する動力伝達装
置と、 前記カウンタシャフトに連結する変速操作駆動手段と、
を備え、 前記カウンタシャフトが、前記ベルト潤滑用の潤滑油供
給油路を有し、 かつ該カウンタシャフトを、前記ベルトの走行路内側で
あってかつ前記プライマリプーリ及びセカンダリプーリ
の軸芯を結ぶ直線から前記ベルト走行路に近づく方向に
所定量ずらして配置した、 ことを特徴とする。
望ましくは、前記潤滑油供給油路は、オーバドライブ時
にはベルトに付着する潤滑油量が多くなり、かつアンダ
ードライブ時にはベルトに付着する潤滑油量が少なくな
るように設定された複数の油孔を有してなる。
具体的には、例えば第1図に示すように、それぞれプー
リ5,6を装着したプライマリシャフト2及びセカンダリ
シャフト3との間にカウンタシャフト57を配設し、該カ
ウンタシャフトをプライマリ及びセカンダリ側の両アク
チュエータ機構21,50に動力伝達装置26,27,47,49,61,6
2,63,65を介して連動して、カウンタシャフト57の回転
に基づき、両アクチュエータ機構21,50の一方部22,45及
び他方部23,46を相対回転して両プーリ5,6の可動シーブ
7,33を軸方向に調整するように構成する。
そして、カウンタシャフト57は、第2図に示すように、
ベルトBの走行路内側であってかつプライマリプーリシ
ャフト2及びセカンダリプーリシャフト3を結ぶ直線l
からベルトBの走行路に近づく方向に所定量eずらして
配置する。
更に、該カウンタシャフト57内にベルト潤滑油の潤滑油
供給油路70,70a,70b,70cを形成する。
(ホ)作用 上述構成に基づき、プライマリシャフト2の回転は例え
ば調圧機構11を介してプライマリプーリ5に伝達され、
更にベルトBを介してセカンダリプーリ6に伝達され、
そしてセカンダリシャフト3に伝達される。また、走行
信号に基づき制御されるモータ等の変速操作駆動手段の
駆動により、カウンタシャフト57が回転すると、動力伝
達装置61,27,62,26,63,49,65,47を介して両アクチュエ
ータ機構21,50の両部材22,23及び45,46が相対回転さ
れ、可動シーブ7,33を軸方向に調整して、所定変速比に
ベルト有効径を設定する。
また、カウンタシャフト57は、両プーリ5,6が最も近づ
く中心線lから上方(又は下方)に所定量eずれてお
り、該カウンタシャフト57が両プーリ5,6と干渉するこ
とを防止して、両プーリの軸間距離を近づけて配設され
ている。
更に、潤滑油がカウンタシャフト57内の油路70を通って
供給されており、ベルトに近接した位置からかつ遠心力
によりベルト各部に効率よく浸透するベルト内側から、
ベルトBに連続して所定量の潤滑油を供給する。
(ヘ)実施例 以下、図面に沿って、本発明の実施例について説明す
る。
(ヘ−1)第1実施例 本第1実施例によるベルト式無段変速機11は、第1図に
示すように、エンジン側に連動しているプライマリシャ
フト2及び車輪側に連動しているセカンダリシャフト3
を有しており、プライマリシャフト2にはプライマリプ
ーリ5が装着され、またセカンダリシャフト3にはセカ
ンダリプーリ6が装着されており、かつこれら両プーリ
5,6の間に無端ベルトBが巻掛けられている。そして、
プライマリプーリ5は軸方向に相対移動する可動シーブ
7及び固定シーブ9からなり、可動シーブ7のボス部7a
はシャフト2に回転及び摺動自在に嵌合されていると共
に、固定シーブ9のボス部9aをボールスプライン10を介
して摺動のみ自在に嵌合している。また、該固定シーブ
9のフランジ部9b背面とシャフト2の段付膨径部2aとの
間に調圧カム機構11が介在している。該調圧カム機構11
は可動レース12、固定レース13及び複数のテーパコロ15
からなり、可動レース12が固定シーブ9にスプライン結
合していると共にそのフランジ部9b背面に皿バネ14を介
して圧接しており、かつ固定レース13が膨径部2aに固定
されていると共に、ハウジング(図示せず)にベアリン
グ16を介して回転自在に支持されている。更に、両レー
ス12,13の対向する端面は波状に凹凸形成されており、
該端面間にテーパコロ15が挾持され、従って両レース1
2,13間の正・負伝達トルクに基づき、シーブ9に作用す
る軸力Fpを発生する。
また、シャフト2の先端部分にはナット17により段付カ
ラー19が抜止め、固定されて支持されており、該カラー
19従ってシャフト先端部はベアリング20により支持され
ている。そして、該カラー19と一方のシーブ7のフラン
ジ部7b背面との間にトルク比変更用アクチュエータ機構
を構成するボールネジ機構21が介在している。ボールネ
ジ機構21は雌ネジ部22、雄ネジ部23及び多数のボール25
を有すると共に、歯数の相違する2枚のギヤ26,27を有
している。そして、歯数の多い一方のギヤ26は雌ネジ部
22に一体に固定されており、歯数の少ない他方のギヤ27
はそのボス部27aがシャフト2にニードルを介して嵌挿
していると共に、その外周がボールスプライン29を介し
て雄ネジ部23に摺動のみ自在に連結している。更に、雄
ネジ部23の一端面はスラストベアリング30を介してフラ
ンジ部7b背面に当接しており、また他方のギヤ27の端側
面にはスラストベアリング31を介してカラー19の端側面
に当接しており、また両ギヤ26,27の対向する側面の間
にはスラストベアリング32が介在している。
一方、セカンダリプーリ6も2個のシーブ33,35からな
り、可動シーブ33のボス部33aはシャフト3に回転及び
摺動自在に嵌合されていると共に、固定のシーブ35のボ
ス部35aをボールスプライン36を介して摺動のみ自在に
嵌合している。そして、プライマリプーリ5と同様に、
固定シーブ35のフランジ部35b背面と、シャフト3先端
にナット38で固定されているカラー37との間には固定レ
ース39、可動レース40、テーパコロ41及び皿バネ42から
なる調圧カム機構43が介在している。また同様に、可動
シーブ33のフランジ部33b背面と、シャフト3の段付膨
径部3aとの間に、雌ネジ部45,雄ネジ部46、ボール、大
径ギヤ47、小径ギヤ49及びボールスプライン48からなる
ボールネジ機構50が介在している。なお、51,52はシャ
フト3を支持するベアリング、53,55,56はシーブ33から
の軸力Fsを受けるスラストベアリングである。
そして、プライマリ及びセカンダリシャフト2,3の間に
はカウンタシャフト57が配置されており、かつその両端
部がベアリング59,60により回転自在に支持されている
が、該カウンタシャフト57は、第2図に示すように、両
プーリシャフト2,3から等距離におけるベルトBの走行
路内側であって、かつ両プーリシャフト2,3の軸芯を結
ぶ線lから所定量eベルト走行路に近づく方向にずれて
配置されており、従って両プーリ5,6はカウンタシャフ
ト57に干渉されることなく、両プーリシャフト2,3はそ
の軸間距離を近づけて配置されている。更に、該シャフ
ト57の一(先)端部分には大径ギヤ61及び小径ギヤ62が
スプライン結合されており、これらギヤ61,62はそれぞ
れプライマリ側ボールネジ機構21の小径ギヤ27及び大径
ギヤ26に噛合している。また、該シャフト57の他(基)
端部分にも大径ギヤ63及び小径ギヤ65がスプライン結合
されており、これらギヤ63,65はそれぞれセカンダリ側
ボールネジ機構50の小径ギヤ49及び大径ギヤ47に噛合し
ている。更に、該シャフト57にはウォームホイール66が
スプライン結合されており、該ホイール66にはモータ等
の変速操作手段に連動しているウォームギヤ67が噛合し
ている。また、該カウンタシャフト57には一端からベル
ト潤滑用の潤滑油路70が形成されており、該油路70はベ
ルトBに臨む部分にて多数の油孔70a,70b,70cに連通し
て、第1図に実線で示すアンダードライブ(U/D)時か
ら破線で示すオーバドライブ(O/D)時に亘って万遍な
くベルトに潤滑油を供給する。
本実施例は、以上のような構成からなるので、エンジン
出力に基づくプライマリシャフト2の回転は、その膨径
部2aから調圧カム機構11の固定レース13に伝達され、更
にテーパコロ15及び可動レース12を介してプライマリプ
ーリ5のシーブ9に伝達される。この際、調圧カム機構
11の固定レース14と可動レース12との間の伝達トルクす
なわち、シャフト2に作用する入力トルクに対応した軸
力Fpが皿バネ14を介してシーブ9の背面に作用し、一
方、他方のシーブ7は所定変速比に対応してボールネジ
機構21がその長さ方向に固定された状態にあり、従って
スラストベアリング30を介してシーブ7の背面に同等の
反力Fpが作用し、これにより、プライマリプーリ5は入
力トルクに対応した挾持力FpにてベルトBを挾持し、ま
たこれによるシーブ9の軸反力は調圧カム機構11を介し
てシャフト2の膨径部2aにて担持され、かつシーブ7の
軸反力はスラストベアリング30、ボールネジ機構21及び
スラストベアリング31を介してシャフト2に固定されて
いるカラー32にて担持される。そして、ボールスプライ
ン10を介して一体に回転するプーリ5のトルクはベルト
Bを介してセカンダリプーリ6に伝達され、更に、調圧
カム機構43を介してセカンダリシャフト3に伝達され
る。この際、調圧カム機構43に基づき、セカンダリシャ
フト3へ伝達する出力トルクに対応した軸力Fsが皿バネ
42を介してシーブ35に作用し、一方、他方のシーブ33の
背面にも固定状態にあるボールネジ機構50から反力Fsが
作用し、これにより、セカンダリプーリ6も出力トルク
に対応した挾持力FsにてベルトBを挾持し、またこれに
よるシーブ35の軸反力は調圧カム機構43を介してシャフ
ト3に固定されているナット38にて担持され、かつシー
ブ33の軸反力はスラストベアリング53、ボールネジ機構
50及びスラストベアリング55を介してシャフト3の膨径
部3aにて担持される。ただし、上述説明のトルク伝達状
態においては、調圧カム機構11,43の発生軸力Fp,Fsによ
り両皿バネ14,42はともにそれぞれ可動レース12とシー
ブ9、可動レース40とシーブ35とに密着している。
なお、上述説明は、エンジンから車輪方向へトルクを伝
達する正トルク伝達時について説明したが、エンジンブ
レーキ時等の車輪からエンジン方向へトルクを伝達する
負トルク伝達時においても、セカンダリ側が入力側とな
りかつプライマリ側が出力側となって、同様に伝達トル
クに対応した軸力にて動力伝達を行い得る。そして、正
トルクから負トルク伝達時へ又はその逆の切換えに際し
て、トルク伝達方向が異なるため、調圧カム機構11,43
が逆転により瞬間的に発生軸力Fp,Fsが零近くになり遊
び状態を生ずるが、皿バネ14,42の存在により、入力ト
ルクが零近くになったときにも必要なベルト挾圧力を常
に維持することができる。
そして、本Vベルト式無段変速機11を変速操作するに
は、車速、スロットル開度、エンジン回転数等の各走行
信号に基づきウォームギヤ67に連動したモータの回転を
制御する。例えば、該ウォームギヤ67を時計方向即ちオ
ーバドライブ方向に回転すると、ウォームホイール66は
図面右方向からみて(以下同様)時計方向に回転し、カ
ウンタシャフト57を介して各ギヤ61,62,63,65も同方向
に回転する。すると、プライマリ側ボールネジ機構21の
ギヤ26,27は反時計方向に回転するが、その歯数差に基
づき、小径ギヤ27の回転数は大径ギヤ26の回転数に比し
て大となる。これにより、ボールスプライン29を介して
ギヤ27と一体に回転する雄ネジ部23はギヤ26と一体に回
転する雌ネジ部22の回転に比して大となり、右ネジから
なるボールネジは右方向に伸長し、スラストベアリング
31を介して可動シーブを固定シーブ9との間隔が小さく
なるように移動して、ベルトBの有効径が大きくなるよ
うに変更する。同様に、ギヤ63,65によるセカンダリ側
ボールネジ機構50のギヤ49,47の反時計方向の相対回転
に基づき、ギヤ49と一体に回転する雄ネジ46はギヤ47と
一体に回転する雌ネジ部45の回転に比して大となり、右
ネジからなるボールネジは右方向に縮小し、可動シーブ
33を固定シーブ35との間隔が大きくなるように移動し
て、ベルトBの有効径が小さくなるように変更する。な
おこの際、ボールネジ機構21,50の雄ネジ部23,46及び雌
ネジ部22,45が相対移動するが、ボールスプライン29,48
を介して雄ネジ部23,46とギヤ27,49と連結しているの
で、幅広のギヤを用いなくとも、常時確実に噛合関係を
維持することができる。
また、ウォオームギヤ67を反時計方向即ちアンダードラ
イブ方向に回転すると、上述オーバドライブ時とは逆方
向に回転し、プライマリ側ボールネジ機構21が左方向に
縮小し、かつセカンダリ側ボールネジ機構50が左方向に
伸長し、両プーリ5,6は、ベルトBを減速方向に変更移
動する。
そして、該変速機による動力伝達時、調圧カム機構11,4
3による軸力Fp,Fs(以下単にFとする)は可動レース1
2,40を介してシーブ9,35に作用すると同時に,固定レー
ス13,39を介してシャフト2,3に作用する。更に、シーブ
9,35に作用する軸力FはベルトB及び他方のシーブ7,33
更にスラストベアリング30,53を介してボールネジ機構2
1,50の雄ネジ部分23,46を押圧する方向に作用し、また
シャフト2,3に作用する軸力Fはカラー19又は膨径部3a,
スラストベアリング31,55、ギヤ27,49及びスラストベア
リング32,56を介して雌ネジ部22,45を押圧する方向に作
する。従って、動力伝達時は、常に、プライマリ及びセ
カンダリの両ボールネジ機構21,50は、縮小する方向の
力を受けており、該力に基づきボールネジ機構はトルク
を発生している。即ち、プライマリ側大径ギヤ26が反時
計方向、小径ギヤ27が時計方向のトルクTp1,Tp2を生
じ、セカンダリ側大径ギヤ47が時計方向、小径ギヤ49が
反時計方向のトルクTs1,Ts2を生ずる。そして、これら
トルクはそれぞれカウンタシャフト57のギヤ62,61,65,6
3に伝達されるが(Tp1′,Tp2′,Ts1′,Ts2′)、歯数比
の関係で、シャフト57の左端部には(Tp2′−Tp1′)の
反時計方向のトルクが作用し、かつ右端部には(Ts2′
−Ts1′)の時計方向のトルクが作用する。即ち、変速
機11の動力伝達時には、常に、カウンタシャフト57に逆
方向のトルクが作用しており、従って、変速操作をする
際、該シャフト57を回転するにはこれら逆方向のトルク
の差に対しての駆動力で足り、僅かな力で素早くかつ滑
らかに対応し得る。なお、定トルク比状態においてはウ
ォームギヤによりボールネジ機構は機械的に固定されて
いる。
一方、潤滑油が、カウンタシャフト57内の潤滑油路70及
び多数の油孔70a,70b,70cを通ってベルトBに連続的に
供給されるが、この際、第2図に示すように、カウンタ
シャフト57はベルトBの走行路に近接してかつその内側
に位置しており、効率的にベルトBに潤滑油を付着し得
ると共に、ベルトBに付着した潤滑油はベルト走行に伴
い作用する遠心力によりベルト内側から外側に向かって
浸透し得、ベルト全体に万遍なく供給し得る。更に、変
速機11がオーバドライブ(O/D)からアンダードライブ
(U/D)に亘るすべての範囲にて、両プーリ5,6の中央部
に位置するカウンタシャフト57はベルトBと同一間隔に
あり、かつ第1図に示すようにオーバドライブ時とアン
ダードライブ時ではベルトBが軸方向にずれても、多数
の油孔70a〜70cから、常にベルトに所定量の潤滑油を供
給し得る。
なお、ベルト周速度等の関係で、オーバドライブ時の方
がアンダードライブ時に比して多くの潤滑油を供給する
のが望ましいが、第1図において、多数の油孔70a〜70c
を基端側から先端側に向かって順次大径に形成し(70c
<70b<70a)、破線に示すようにベルトBがオーバドラ
イブ状態にある場合は専ら大径の油孔70aから大量の潤
滑油を供給し、また実線で示すアンダードライブ状態に
ある場合は専ら小径の油孔70cから小量の潤滑油を供給
し、ベルト変速位置に応じた最適の潤滑油量を供給する
ように構成してもよい。
(ヘ−2)第2実施例 次に、第3図及び第4図に基づき、本発明の第2実施例
について説明する。
第1実施例は、ボールネジ機構21,50の雌ネジ部材22,45
及び雄ネジ部材23,46の両方にカウンタシャフト57から
の回転力を伝達したが、本実施例は、一方の部材例えば
雄ネジ部材23,46を固定部材に連結して回転不能にした
ものである。即ち、雄ネジ部材23,46にボールスプライ
ンを介して連結しているギヤ27′,56′をハウジング68
に形成した内歯68aに結合して回転を不能にする。ま
た、カウンタシャフト57上のギヤ62,65を大径ギヤと
し、かつ両アクチュエータ21,50側のギヤ26,47を小径ギ
ヤとし、カウンタシャフト57の1回転にて両アクチュエ
ータ機構21,50の所定必要ストロークを付与するように
設定されている。
そして、第4図に示すように、カウンタシャフト57に形
成されちる油孔70a′,70b′,70c′は所定角度異ならせ
て配置されており、かつその孔径を各変速位置にて必要
とする潤滑油量に対応するようにそれぞれ異ならせて設
定されている(70c′<70b′<70a′)。
以上構成により、カウンタシャフト57の1回転内の回転
は、ギヤ62,65を介してプライマリ及びセカンダリ側の
ボールネジ機構21,50のギヤ26,47に所定回転数として伝
達され、雌ネジ部22,45を回転する。一方、雌ネジ部材2
3,46はギヤ27′,56′により回転を阻止されているの
で、雌ネジ部22,45と雄ネジ部23,46は相対回転し、ボー
ルスプライン29,48を介して雄ネジ部23,46はカウンタシ
ャフト57の回転方向に応じて伸退し、可動シーブ7,33は
軸方向に調整される。
一方、カウンタシャフト57内の潤滑油路70を通ってベル
トBに潤滑油が供給されているが、1回転内のカウンタ
シャフト57の回転に基づき、ベルトBに対面する油孔70
a′〜70cが異なる。即ち、オーバドライブ状態では、第
4図(a)に示すように、大径の油孔70a′がベルトB
に向いており、多量の潤滑油がベルトBに供給・付着さ
れる。また、1対1の状態では、第4図(b)に示すよ
うに、中径の油孔70bがベルトBに向いており、中量の
潤滑油がベルトBに供給・付着される。更に、アンダー
ドライブ状態では、第4図(c)に示すように、小径の
油孔70c′がベルトBに向いており、少量の潤滑油がベ
ルトBに供給・付着される。なお、上述(a),
(b),(c)に示す間の状態、例えばオーバドライブ
と1対1との間では、大径油孔70a′と中径油孔70b′と
から、その変速位置に応じた割合にてベルトに潤滑油が
供給される。これにより、ベルトBには、常に変速位置
にみあった最適の量の潤滑油が供給される。
(ヘ−3)他の実施例 上述第1及び第2の実施例は、アクチュエータ機構とし
てボールネジ機構を用いたが、これに限らず、角ネジ等
の普通ネジ機構又はストロークカム機構等の他のアクチ
ュエータ機構でもよく、また動力伝達装置としてギヤを
用いたが、チェーン等の他の動力伝達装置でもよい。
また、カウンタシャフト57は、中心線lの上側に設置し
ているが、下側でもよいことは勿論である。
更に、上述実施例は、カウンタシャフト57が1本からな
るが、特願昭60−153132号(特開昭62−13854号公報参
照)に示されるように、カウンタシャフトが2重軸から
なり、動力伝達時は常に該カウンタシャフトが回転しか
つその相対回転により変速する無段変速機にも適用し得
る。
(ト)発明の効果 以上説明したように、本発明によれば、カウンタシャフ
ト57が両プーリ5,6と干渉せず、両プーリシャフト2,3の
軸間距離を短かくでき、かつ該カウンタシャフト57はベ
ルトBの走行路内側に位置するので、動力伝達装置も大
型化することはなく、変速機11,12をコンパクトに構成
できる。
また、ベルトBに近接したカウンタシャフト57内にベル
ト潤滑用油路70を形成するので、パイプ配管等の特別な
装置を用いることなく、確実にベルトに潤滑油を供給す
ることができ、更にベルトの内側から潤滑油が付着され
るので、ベルト走行に伴う遠心力によりベルト全体に亘
って潤滑油が浸透し、確実かつ正確な潤滑を施すことが
できる。
また、潤滑油供給油路70,70a〜70c,70a′〜70c′を、オ
ーバドライブ時にはベルトBに付着する潤滑油量を多く
かつアンダードライブ時には少なくなるように設定する
と、変速位置に応じてベルトが必要とする最適な量の潤
滑油を供給でき、潤滑油不足による摩耗の促進及び潤滑
油過多によるベルトスリップの促進等を防止して、すべ
ての変速域に亘っての確実・良好な動力伝達に寄与し得
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の第1実施例を示す正面断面図、第2図
はその側面断面図である。第3図は第2実施例を示す断
面図、第4図(a),(b),(c)はそれぞれ異なる
状態におけるベルトと潤滑油路の関係を示す断面図であ
る。 1…Vベルト式無段変速機、2…プライマリシャフト、
3…セカンダリシャフト、5…プライマリプーリ、6…
セカンダリプーリ、7,33…可動シーブ、9,35…固定シー
ブ、11,43…調圧(カム)機構、21,50…アクチュエータ
機構(ボールネジ機構)、12,40…可動レース、13,39…
固定レース、15,41…転ろがり体(テーパコロ)、14,4
2,73,75…付勢手段(皿バネ、スプリング)、22…雌ネ
ジ部、23…雄ネジ部、29,48…ボールスプライン、57…
カウンタシャフト、61,62,63,65,26,27,47,49…伝動装
置(ギヤ)、68,27′,56′…固定部材、67…変速操作駆
動手段,70,70a,70b,70c,70a′,70b′,70c′…潤滑油
路。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】それぞれシャフトに支持されかつ軸方向に
    相対移動し得る2個のシーブからなるプライマリ及びセ
    カンダリプーリを有し、これら両プーリにベルトを巻掛
    けてなるVベルト式無段変速機において、 2個の相対回転し得る部材からなり、これら部材の一方
    を前記プライマリプーリの可動シーブに軸方向一体に移
    動するように連結して、前記2個の部材の相対回転に基
    づき一方の部材が他方の部材に対して軸方向に移動する
    ことにより前記プライマリプーリの可動シーブを軸方向
    に移動するプライマリ側アクチュエータ機構と、 2個の相対回転し得る部材からなり、これら部材の一方
    を前記セカンダリプーリの可動シーブに軸方向一体に移
    動するように連結して、前記2個の部材の相対回転に基
    づき一方の部材が他方の部材に対して軸方向に移動する
    ことにより前記セカンダリプーリの可動シーブを軸方向
    に移動するセカンダリ側アクチュエータ機構と、 前記プライマリ及びセカンダリの両プーリの間に配置さ
    れたカウンタシャフトと、 該カウンタシャフトと、前記プライマリ及びセカンダリ
    側の両アクチュエータ機構における2個の部材の少なく
    とも一方とをそれぞれ連結し、前記カウンタシャフトの
    回転に基づき、前記両アクチュエータ機構の前記2個の
    部材がそれぞれ相対回転するように連動する動力伝達装
    置と、 前記カウンタシャフトに連結する変速操作駆動手段と、
    を備え、 前記カウンタシャフトが、前記ベルト潤滑用の潤滑油供
    給油路を有し、 かつ該カウンタシャフトを、前記ベルトの走行路内側で
    あってかつ前記プライマリプーリ及びセカンダリプーリ
    の軸芯を結ぶ直線から前記ベルト走行路に近づく方向に
    所定量ずらして配置した、 ことを特徴とするVベルト式無段変速機。
  2. 【請求項2】前記潤滑油供給油路は、オーバドライブ時
    にはベルトに付着する潤滑油量が多くなり、かつアンダ
    ードライブ時にはベルトに付着する潤滑油量が少なくな
    るように設定された複数の油孔を有してなる、 特許請求の範囲第1項記載のVベルト式無段変速機。
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