JPH07116920A - 歯車自動選別機用のマスタギヤの歯溝の振れ補正方法 - Google Patents

歯車自動選別機用のマスタギヤの歯溝の振れ補正方法

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JPH07116920A
JPH07116920A JP26667993A JP26667993A JPH07116920A JP H07116920 A JPH07116920 A JP H07116920A JP 26667993 A JP26667993 A JP 26667993A JP 26667993 A JP26667993 A JP 26667993A JP H07116920 A JPH07116920 A JP H07116920A
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JP26667993A
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Makoto Mizuno
良 水野
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Osaka Seimitsu Kikai Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 マスタギヤを使用した2歯面噛合試験機にお
いて、マスタギヤのランアウトを容易に測定して補正デ
ータとして使用できる方法を提供する。 【構成】 2歯面噛合試験機10に変位検出器14を設け、
この検出器14の信号を増幅器15およびA/D変換器16を
経て計測装置20により自動処理する。2歯面噛合試験機
10は、マスタギヤMGとワークギヤWGを噛合し、連続して
マスタギヤMGとワークギヤWGを回転させ、マスタギヤMG
の歯数に相当する分だけ両ギヤ間のランアウトを測定す
る。マスタギヤMGの回転数をカウントすることによって
適当な間隔だけマスタギヤMGとワークギヤWGの噛合位相
をずらせた後、再度マスタギヤMGの歯数に相当する分だ
け両ギヤ間のランアウトを測定する。これをワークギヤ
WGの歯数回繰返して両ギヤ間のランアウトを平均値化す
ることによってマスタギヤMGのランアウトを求め、これ
をワークギヤWGのランアウト測定の補正データとする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、2歯面噛合型の歯車自
動選別機に使用されるマスタギヤの歯溝の振れ(ランア
ウトまたは偏心ともいう)を測定し、補正する方法に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】歯車の精度評価は歯形精度、歯すじ精
度、ピッチ精度としてとらえられるが、ピッチ精度には
特殊の測定機を必要とすることと動的要因から比較的離
れているため、歯溝の振れがピッチ精度に代って評価の
要素となるケースが多い。
【0003】歯溝の振れとは、図19に示されるよう
に、先端が球状のフィーラFを被測定歯車Gの歯溝に挿
入して前進限のデータを読み込み、これを全歯溝につい
て繰り返した場合、i+1番目の読みをRi とするとR
0 〜Ri 〜Rzw-1のなかの最小値Rmin および最大値R
max を探した場合の、ΔR(=Rmax −Rmin )を言
う。この歯溝の振れは、正確にはランアウト誤差あるい
は偏心誤差ともいうが、以下省略してランアウトあるい
は、偏心と言う。
【0004】フィーラ先端の球の直径を相手歯車に対し
て適当に選択してやれば簡単な装置で比較的容易に高精
度測定することができる。フィーラ径は両歯面のみに接
触して歯底には当たらないようにすることが必要であ
る。このフィーラを用いる測定は、簡単に行えることか
らピッチ測定の代用とするケースもあるが、測定に時間
を要する。
【0005】また、図20を参照して、歯車自動選別機
により歯溝の振れ(以下、ランアウトという)の測定を
説明すると、歯車自動選別機による場合はマスタギヤMG
とワークギヤWGをノーバックラッシュ状態で噛合せ、両
軸の中心距離Lの変動ΔLの最大値および最小値を捕ら
えることは上記の原理そのものであるが、マスタギヤMG
そのものの中にランアウトが含まれているため高精度の
測定は困難である。
【0006】ワークギヤWGのランアウトの許容値をΔR
(通常大きいところでは=50μ)とするとマスタギヤ
MGのそれは0.1 ×ΔR(5μ)の精度が要求されるが、
この数字を満足するマスタギヤMGの製作は通常の歯車研
削盤では非常に困難であり、実質的に不可能である。し
たがって何等かの補正方法を考える必要がある。
【0007】さらに、歯車自動選別機に使用されるマス
タギヤMGは、隣接歯との相対誤差の少ないものがベター
である。したがって1歯毎に割り出して加工する歯車研
削盤(例としてマーグ製のもの)よりも連続研削の可能
な研削盤(例としてライスアワー方式)の方が望まれ
る。連続研削の場合のマスタギヤMGのランアウトは、図
20(B)に示されるように通常サインカーブ状に近い
ものが得られる。
【0008】2歯面噛合をベースにした歯車自動選別機
による選別項目(ワークギヤWGの打コン、ランアウト、
サイズ)のうち、ランアウトは打コンおよびサイズと比
べると比較的等閑視されているが、このランアウトを無
視してマスタギヤを製作すれば、サイズの繰返し精度の
方に影響を与える。
【0009】特に、歯車自動選別機の測定の原理からマ
スタギヤMGとワークギヤWGとの歯数比が大きい(マスタ
ギヤMGの歯数に対しワークギヤWGの歯数が少ない)場
合、マスタギヤMGのランアウトがサイズに与える影響も
顕著に表れるため、マスタギヤMGのランアウト精度をま
すます高める必要が生じている。
【0010】この点をさらに説明すると、マスタギヤMG
の歯溝とワークギヤWGの歯は任意の位置からの噛合スタ
ートを原則としているため、マスタギヤMGのランアウト
とワークギヤWGのランアウトとが最悪の条件で合成され
た場合は、図21に示されるような組合せが考えられ
る。
【0011】この図21において、マスタギヤMGのラン
アウトをRm とし、ワークギヤWGのランアウトをRw と
すれば、両ギヤの合成されたランアウトはRm ±Rw と
なり、R1 とR2 がランアウト検出量のばらつきとな
る。同一のマスタギヤMGとワークギヤWGを使用しても噛
合位相が変わればこのような影響があり、特にワークギ
ヤWGがオートミッションのピニオンギヤとして使用され
る場合は、それを検査するマスタギヤMGを製作する時に
細心の注意を払う必要がある。
【0012】一方、マスタギヤMGの歯数とワークギヤWG
との歯数比が大巾に異なった場合は、図21にてa部の
ワークギヤWG1回転のレベルS1 (ワークギヤWG1回転
部分のマスタギヤMGのランアウトの平均値)と、b部の
レベルS2 との差ΔS=S1−S2 が「サイズ寸法のば
らつき」の要因になる。すなわち、ワークギヤWGとマス
タギヤMGの噛合位置ずれにより「サイズ」に与える影響
も大きい。
【0013】このように、数値のバラツキのみの対策で
あれば測定開始センサを設けてマスタギヤMGの一定の歯
溝から測定をすれば良いことになるが、ワークギヤWGと
マスタギヤMGの歯数比いかんによって真実の数値とかけ
離れた数値を検出することになるので、マスタギヤMGを
使用した2歯面噛合試験機においてマスタギヤMGのラン
アウトを何らかの方法で補正する必要がある。
【0014】(従来の補正方法1)従来のランアウト補
正方法として、図22に示されるように、マスタギヤMG
の軸にマスタギヤMGのランアウトに相当するカムCAM を
取付け、それに触針を当てて検出した量を両ギヤ間のラ
ンアウト検出量に補正値として追加する方法がある。
【0015】(従来の補正方法2)さらに、従来のラン
アウト補正方法として、図23に示されるようにマスタ
ギヤMGとの対向位置に定位置測定開始センサSEを設け、
このセンサSEの位置を基準としてマスタギヤMGのランア
ウトを予め別の測定機で測定し、マイコンなどを利用し
た計測装置のメモリーにマスタギヤMGのランアウトに相
当する誤差を記憶しておき、このセンサSEの感知によっ
てランアウト測定を開始し、測定値をメモリのデータで
補正する方法がある。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】従来の補正方法1は、
マスタギヤMGのランアウトを事前に測定して各マスタギ
ヤMGに対応する補正カムCAM を製作しておく必要があ
り、コストがかかるとともにマスタギヤMGを交換する都
度カムCAM も交換して、マスタギヤMGとカムCAM の位相
を合せなければならない問題がある。
【0017】従来の補正方法2は、当該の選別機に使用
する全マスタギヤMGのランアウトを予め測定しておく必
要があるし、測定開始センサSEの位置が変った場合や、
ワークギヤWGの変更などに伴うマスタギヤMGの交換など
を行った場合は、上記データを入れ換える必要がある。
さらに、歯車自動選別機はマスタギヤMGの交換に伴う段
取り変えも多く、この方法は歯車自動選別機に適さな
い。
【0018】本発明は、このような点に鑑みなされたも
ので、マスタギヤを使用した2歯面噛合試験機において
マスタギヤの歯溝の振れを容易に測定して補正データと
して使用できる歯車自動選別機用のマスタギヤの歯溝の
振れ補正方法を提供することを目的とするものである。
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明は、マスタギヤと
ワークギヤを噛合し、連続してマスタギヤとワークギヤ
を回転させ、マスタギヤの歯数に相当する分だけ両ギヤ
間の歯溝の振れを測定し、マスタギヤの回転数をカウン
トすることによって適当な間隔だけマスタギヤとワーク
ギヤの噛合位相をずらせた後、再度マスタギヤの歯数に
相当する分だけ両ギヤ間の歯溝の振れを測定し、これを
ワークギヤの歯数回繰返して両ギヤ間の歯溝の振れを平
均値化することによってマスタギヤの歯溝の振れを検出
し、これをワークギヤの歯溝の振れを測定する際の補正
データとする構成の歯車自動選別機用のマスタギヤの歯
溝の振れ補正方法である。
【0020】
【作用】本発明は、マスタギヤとワークギヤの噛合位相
をずらしながら、両ギヤ間の合成された歯溝の振れをワ
ークギヤの歯数回繰返し測定し、その各値を平均値化す
ることによってマスタギヤのみの歯溝の振れを明らかに
し、これをワークギヤの歯溝の振れを測定する際の補正
データとする。
【0021】
【実施例】以下、本発明を図1乃至図18を参照して詳
細に説明する。
【0022】図1は本発明に係る歯車自動選別機を示
し、軸受11により保持されモータ12により回転される軸
に嵌着された高精度のマスタギヤMGと台車13上に軸支さ
れた被測定ワークギヤWGとを2歯面噛合させる2歯面噛
合試験機10と、この試験機10に対しワークギヤを搬入し
搬出する搬入出装置(図示せず)と、2歯面噛合試験機
10に設けられた変位検出器(電気マイクロ)14により検
出された台車13の変位信号を増幅器15およびA/D変換
器16を経て自動処理する計測装置20とからなる。
【0023】マスタギヤMGの歯面には、歯数をカウント
してタイミングパルスを発する歯数カウントセンサ17が
対向して配置され、またマスタギヤMGの側面には、測定
開始センサ18が対向して配置されている。
【0024】図1に示された歯車自動選別機の原理は、
基本的にはワークギヤWGと高精度のマスタギヤMGとをバ
ックラッシュのない状態で噛合せ、ワークギヤWGが1回
転した時の両ギヤの中心軸間距離の変動量を検出器14に
より図2に示されるように電気信号で取出し、ワークギ
ヤWGの打コンN、歯溝の振れ(偏心またはランアウト)
RおよびサイズSの各判定項目につき合格または不合格
の判定を行い、1項目でも不合格があればそのワークギ
ヤWGを不合格品として仕分け処理する。
【0025】前記検出器14により検出された信号は、図
2に示される噛合線図のようにアナログデータで得られ
るが、このアナログデータをA/D変換器16により狭い
間隔でサンプリングして計測装置20に取込み、マスタギ
ヤMGの1歯毎に発生するタイミングパルスを使用して、
打コンN、歯溝の振れRおよびサイズSの各値を求め
る。
【0026】打コンの判定 図3は図2のP0 〜P2 の区間を拡大したものである。
サンプリングパルスの発生する毎に電気マイクロ14の値
をA/D変換器16により数値化して、計測装置20に取込
み、P0 〜P1 区間の最小値A0 、最大値X0 を探し出
す。さらに次区間P1 〜P2 の最小値A1 を求めて、A
0 1 線とX0 からの垂線とが交わる点C0 までの長さ
をN0 とする。この処理をワークギヤWGが1回転するま
で順次行い、最大値を打コンNとして表示し、打コン設
定値Ns と比較して、N>Ns のときは打コン項目不合
格(NG)とする。
【0027】歯溝の振れ(偏心またはランアウトとも
いう)の判定 打コン判定で使用した噛合線図の谷底データA0
1 ,A2 ,…,Az-1 のうち最大値AMAX および最小
値AMIN を求め、R=AMAX −AMIN を計算することに
より、その値を歯溝の振れ測定値Rとして表示するとと
もに、この歯溝の振れ測定値Rと歯溝の振れ設定値Rs
とを比較して、R>Rs のとき、歯溝の振れ項目は不合
格(NG)とする。
【0028】サイズの判定 ワークギヤWGの歯数をZとして噛合線図の谷底データA
0 ,A1 ,A2 … …Az-1 の平均値をサイズ相当量S
とし,S=(A0 +A1 +A2 +……+Az-1)/Zを
計算してサイズ判定データとして扱い、サイズ上限設定
値Su 、サイズ下限設定値SL と比較して、SL <S<
u であればサイズ項目合格(OK)とし、またSL
S,S>Su であればサイズ項目不合格(NG)とす
る。
【0029】以上のような歯車自動選別機において、マ
スタギヤMGの歯溝の振れ(以下、ランアウトという)を
回避する方法の原理を順をおって説明する。
【0030】マスタギヤMGにランアウトがあっても、図
4に示されるように、先ずワークギヤWGのa歯とマスタ
ギヤMGの歯溝0を噛合わせてワークギヤWGの1回転中の
ランアウトΔR0 を測定する。次いでワークギヤWGのa
歯とマスタギヤMGの歯溝1とを噛合わせてランアウトΔ
1 を測定する。次いでワークギヤWGのa歯とマスタギ
ヤMGの歯溝2とを噛合わせてランアウトΔR2 を測定す
る。同様の測定を順次繰返し行い、最後にワークギヤWG
のa歯とマスタギヤMGの歯溝Zm −1とを噛合わせてΔ
Zm-1を測定する。
【0031】これらをΔR=(ΔR0 +ΔR1 +ΔR2
+・・・+ΔRZm-1)/Zm として平均値を求めれば、
従来のフィーラFによる測定に匹敵するほどの高精度の
測定データを得ることができる。
【0032】なお、マスタギヤMGの歯数Zm とワークギ
ヤWGの歯数Zw の最小公倍数に相当する回転数を行わせ
ることによって、その間のデータでR=Rmax −Rmin
とすれば安定したデータが得られる。しかし、この中に
は当然マスタギヤMGのランアウトが含まれてくる。さら
に、通常自動車の歯車はその動的性能から素数比のもの
が多く、前記最小公倍数に相当する回転数としてはかな
りの回転数が必要である。
【0033】次に、マスタギヤMGのランアウトがサイン
カーブに乗る場合は、図5乃至図9に示されるように、
ワークギヤWGの0位相をマスタギヤMGの1/4位相ずつ
ずらしたところで、ワークギヤWG1回転中の合成ランア
ウトデータ(Rw0 ,Rw1,Rw2 ,Rw3 )を拾っ
て平均値(ΣRwi /4)を求めることで良い結果が得
られることになる。この方法には、上記のように数多く
のランアウト測定操作を行う必要のない利点がある。
【0034】図5はワークギヤWGの0位相をマスタギヤ
MGの0位相に合わせた場合(Rw0)であり、図6はワ
ークギヤWGの0位相がマスタギヤMGの1/4位相ずれた
場合(Rw1 )であり、図7はワークギヤWGの0位相が
マスタギヤMGの2/4位相ずれた場合(Rw2 )であ
り、図8はワークギヤWGの0位相がマスタギヤMGの3/
4位相ずれた場合(Rw3 )であり、図9は図5〜図8
のデータから平均値(Rw0 +Rw1 +Rw2 +R
3 )/4を求める場合であり、この平均値がワークギ
ヤWGのランアウトそのものになっている。
【0035】次に、マスタギヤMGとワークギヤWGの関係
を逆にすると、図10乃至図14に示されるように、マ
スタギヤMGのランアウトのデータが得られる。
【0036】図10はマスタギヤMGの0位相をワークギ
ヤWGの0位相に合わせた場合の合成ランアウト(R
0 )であり、図11はマスタギヤMGの0位相がワーク
ギヤWGの1/4位相ずれた場合の合成ランアウト(Rm
1 )であり、図12はマスタギヤMGの0位相がワークギ
ヤWGの2/4位相ずれた場合の合成ランアウト(R
2 )であり、図13はマスタギヤMGの0位相がワーク
ギヤWGの3/4位相ずれた場合の合成ランアウト(Rm
3 )であり、図14は図10〜図13のデータから平均
値(Rm0 +Rm1 +Rm2 +Rm3 )/4を求める場
合であり、この平均値がマスタギヤMGのランアウトその
ものになっている。
【0037】ただし、この方法では間欠運転の必要はな
く、連続運転しているうちにマスタギヤMGの歯数(Zm
)とワークギヤWGの歯数(Zw )を適宜に選択し、マ
スタギヤMGの回転数をカウントすることによって連続的
に測定することもできる。
【0038】すなわち、マスタギヤMGがNm 回転したと
きワークギヤWGがNw 回転するものとし、Nw をNw =
Nw'+αのように整数部Nw'と小数部αに分けると、マ
スタギヤMGはD=Nm ×Zm −Nw'×Zw だけ歯がずれ
ることになるので、このDの値が(1/4)×Nw ,
(2/4)×Nw ,(3/4)×Nw の近くになるよう
にマスタギヤの歯数をカウントすれば良いことになる。
相手歯車の1/4位相、2/4位相、3/4位相の相当
分ずつずらせる(その順序は不問)ようにするためにマ
スタギヤMGの歯数の選定が必要になってくる。
【0039】ワークギヤWGの歯数を変えることはできな
いが、自動車に使われるワークギヤWGの歯数はその動的
性能から2、3、5以上の素数が含まれるケースが多
い。従来、マスタギヤMGの歯数は機構上から決められて
いるが、1枚か2枚程度の増減で実現することが可能で
ある。
【0040】次に、以上の説明で明らかにした原理をも
とに全く機械的に、マスタギヤMGの歯溝の振れ(ランア
ウト)の補正値を求める具体的方法を図15および図1
6を参照しながら説明する。
【0041】マスタギヤMGの歯数をZm 、ワークギヤWG
の歯数をZw としたとき、マスタギヤMGの方をZw 回転
させ、あたかもZm ×Zw の歯数の歯車の計測を行うよ
うにして、ランアウト計算の要素Ai (図2および図3
に示された歯車自動選別機の測定原理参照)を拾う。
【0042】このデータは、A0 ,A1 ,……,Ai
……A(Zm-1)(Zw-1) になるが、このデータの並び方
を変更して、 B[j][i] i=0〜Zm-1 …マスタギヤMGに関連
する要素 j=0〜Zw-1 …ワークギヤWGに関連する要素(MGの
回転数に関係する要素)とすると、次のようなマトリッ
クスを考えることができる。
【0043】 B[0][0]、 B[0][1]、…………B[0][i]、…………B[0][Zm-1] B[1][0]、 B[1][1]、…………B[1][i]、…………B[1][Zm-1] ・ ・ B[j][0]、 B[j][1]、…………B[j][i]、…………B[j][Zm-1] ・ ・ B[Zw-1][0] 、B[Zw-1][1] 、……B[Zw-1][i] 、……B[Zw-1][Zm-1] このマトリックスの縦方向はマスタギヤMGの同一歯にな
っているので、平均すると次の(1)式のようになる。
【0044】
【式1】 この(1)式からB0 ,B1 ,……,Bi ,……,B
Zm-1を求め、また、次の(2)式に示されるようにそれ
らの平均値を求め、さらに、図16に示されるようにB
i からRi への平均値操作を行うことができる。
【0045】
【式2】 この方法によれば、マスタギヤMGを連続してZw 回転さ
せるうちにマスタギヤMGのランアウト補正値を作成する
ことが可能になる。
【0046】このランアウト補正値作成方法は、メモリ
素子が非常に安価になったこと、FAユースと言えども
32ビットのマイコンCPUが採用されるようになって
高速演算が可能となったことにより容易に実現できる。
【0047】次に、本発明に係るマスタギヤMGのランア
ウト補正方法を、下記のように説明することもできる。
この場合にも、図1に示された定位置の測定開始センサ
18が必要であり、マスタギヤMG(センサ18等)およびワ
ークギヤWGともに一定位置を基準位置とする。
【0048】この操作によって当初は不明であったマス
タギヤMGのランアウトを検出することができ、マイコン
などを応用した計測装置のメモリーに測定開始センサの
位置を基準として自動的に記憶させるように工夫するこ
とができる。
【0049】この方法によればマスタギヤMGの交換時、
あるいはマスタギヤMGの寿命延長のため測定開始センサ
18の位相を変更した場合にのみ、上記の方法によってマ
スタギヤMGのランアウト補正をすればよいことになり、
相手のワークギヤWGには何ら特別のものは必要としな
い。
【0050】図17および図18は上記説明を具体化し
たシミュレーション例を示す。このシミュレーション例
は、マスタギヤMGの歯数が53枚、ワークギヤWGの歯数
が31枚の場合であり、図1に示される歯車自動選別機
により図17に実線で示されるように測定された合成ラ
ンアウトRm の歯形から、図18に示されるようにマス
タギヤMG1回転分の波形を取出してその平均値を求める
と、マスタギヤMGのランアウト補正値を求めることがで
きる。
【0051】このようにして、ワークギヤWGと2歯面噛
合するマスタギヤMGの歯溝の振れ(ランアウト)の補正
値を作成して、計測装置のメモリーに記憶させることに
より、実際に測定される合成ランアウトからマスタギヤ
MGのランアウトに起因する量を補正してワークギヤWGの
みのランアウトを測定でき、ワークギヤWGのランアウト
が正常範囲内のものか否かを正確かつ容易に判定して、
2歯面噛合型自動選別機を制御できる。
【0052】なお、本発明をマスタギヤMGとの噛合によ
ってワークギヤWGの精度を測定する1歯面噛合に応用す
ると、2歯面噛合誤差に相当するマスタギヤMGの累積ピ
ッチ誤差を補正することができる。すなわち、マスタギ
ヤMGとワークギヤWGを使用する1歯面噛合試験機におい
ては、2歯面噛合試験機におけるマスタギヤMGのランア
ウト補正と同様な方法でマスタギヤMGのピッチ補正を行
うことができる。
【0053】
【発明の効果】本発明によれば、マスタギヤとワークギ
ヤの連続回転により噛合位相をずらしながら両ギヤ間の
歯溝の振れを測定し、最終的にマスタギヤの歯溝の振れ
を求め補正データとするから、モニタ操作時に行う頻繁
なマスタギヤの交換による段取り変えにも十分対応する
ことが可能になる、マスタギヤの製作時には加工困難な
ランアウト精度からも解放される、マスタギヤに取付け
られる測定開始センサはモニター操作時と測定時に同じ
位置にあることだけが条件になるなどの点で、従来の方
法よりも格段のメリットがある。また、この方法は従来
の2歯面噛合型の歯車自動選別機を使用して実施でき、
特殊な測定機を必要としないなどコスト面でも有利な方
法である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の歯車自動選別機用のマスタギヤの歯溝
の振れ補正方法に使用される2歯面噛合試験機の概略図
および計測装置のブロック図である。
【図2】同上噛合試験機により検出された波形の噛合線
図である。
【図3】図2の噛合線図の一部を拡大して示した図であ
る。
【図4】マスタギヤとワークギヤの噛合状態を示す説明
図である。
【図5】ワークギヤWGの0位相をマスタギヤMGの0位相
に合わせた場合の合成ランアウト(Rw0 )の波形図で
ある。
【図6】ワークギヤWGの0位相がマスタギヤMGの1/4
位相ずれた場合の合成ランアウト(Rw1 )の波形図で
ある。
【図7】ワークギヤWGの0位相がマスタギヤMGの2/4
位相ずれた場合の合成ランアウト(Rw2 )の波形図で
ある。
【図8】ワークギヤWGの0位相がマスタギヤMGの3/4
位相ずれた場合の合成ランアウト(Rw3 )の波形図で
ある。
【図9】図5〜図8のデータから平均値を求める場合の
波形図である。
【図10】マスタギヤMGの0位相をワークギヤWGの0位
相に合わせた場合の合成ランアウト(Rm0 )を示す波
形図である。
【図11】マスタギヤMGの0位相がワークギヤWGの1/
4位相ずれた場合の合成ランアウト(Rm1 )を示す波
形図である。
【図12】マスタギヤMGの0位相がワークギヤWGの2/
4位相ずれた場合の合成ランアウト(Rm2 )を示す波
形図である。
【図13】マスタギヤMGの0位相がワークギヤWGの3/
4位相ずれた場合の合成ランアウト(Rm3 )を示す波
形図である。
【図14】図10〜図13のデータから平均値を求める
場合の波形図である。
【図15】マスタギヤを回転させてランアウト計算の要
素を拾う場合のB[j][i]波形を示す波形図である。
【図16】Bi 波形からRi 波形への変換を示す説明図
である。
【図17】本発明を具体化したシミュレーション例を示
す波形図である。
【図18】図17の合成波形からマスタギヤのランアウ
ト波形を求めるシミュレーション例を示す波形図であ
る。
【図19】Aは従来のフィーラによる歯溝の振れ測定方
法を示す平面図、Bはその断面図、Cはその測定波形例
である。
【図20】Aは2歯面噛合試験機の概略図、Bはその噛
合線図である。
【図21】マスタギヤの歯溝の振れがサイズ寸法に与え
る影響を示す波形図である。
【図22】Aは従来のマスタギヤの歯溝の振れを補正す
るためのカムを備えたマスタギヤとワークギヤとの噛合
状態を示す平面図、Bはその正面図である。
【図23】定位置測定開始センサの設けられたマスタギ
ヤとワークギヤとの噛合状態を示す平面図、Bはその正
面図である。
【符号の説明】
MG マスタギヤ WG ワークギヤ R 歯溝の振れ(ランアウトまたは偏心)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 マスタギヤとワークギヤを2歯面噛合
    し、連続してマスタギヤとワークギヤを回転させ、マス
    タギヤの歯数に相当する分だけ両ギヤ間の歯溝の振れを
    測定し、マスタギヤの回転数をカウントすることによっ
    て適当な間隔だけマスタギヤとワークギヤの噛合位相を
    ずらせた後、再度マスタギヤの歯数に相当する分だけ両
    ギヤ間の歯溝の振れを測定し、これをワークギヤの歯数
    回繰返して両ギヤ間の歯溝の振れを平均値化することに
    よってマスタギヤの歯溝の振れを検出し、これをワーク
    ギヤの歯溝の振れを測定する際の補正データとすること
    を特徴とする歯車自動選別機用のマスタギヤの歯溝の振
    れ補正方法。
JP26667993A 1993-10-25 1993-10-25 歯車自動選別機用のマスタギヤの歯溝の振れ補正方法 Pending JPH07116920A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09170399A (ja) * 1995-12-21 1997-06-30 Kawasaki Heavy Ind Ltd 矩形シールド掘進機
JP2006250625A (ja) * 2005-03-09 2006-09-21 Ogasawara Precision Engineering:Kk 歯車歯形測定方法、歯車歯形測定装置およびこの歯車歯形測定装置に使用する測定用親歯車
CN100416219C (zh) * 2006-05-26 2008-09-03 成都工具研究所 齿轮分选机三维测量机构
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