JPH07116593B2 - 薄膜形成装置 - Google Patents

薄膜形成装置

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JPH07116593B2
JPH07116593B2 JP63122491A JP12249188A JPH07116593B2 JP H07116593 B2 JPH07116593 B2 JP H07116593B2 JP 63122491 A JP63122491 A JP 63122491A JP 12249188 A JP12249188 A JP 12249188A JP H07116593 B2 JPH07116593 B2 JP H07116593B2
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茂登 松岡
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、試料基板上に各種材料の薄膜を形成するため
の装置に関するものであり、特に高密度プラズマによる
スパッタリングや化学気相成長(以下「CVD」とい
う。)を利用して各種薄膜を高速度、高効率で連続して
長時間安定に形成するための新規な薄膜形成装置に関す
るものである。
〔従来の技術〕
従来から磁界中でのマイクロ波放電による高密度プラズ
マ生成を用いた薄膜形成装置やスパッタを利用した薄膜
形成装置が提案され(特開昭60−50167号、特開昭56−1
55535号)、以下の様な薄膜形成装置として優れた特徴
を有していた。すなわち、 (1) 膜や基板の損傷や急激な温度上昇がなく高速で
膜形成ができる。
(2) 粒子のエネルギーが広い範囲にわたって制御で
きる。
(3) 粒子のエネルギーの分散が少ない。
(4) プラズマのイオン化率が高く活性である。
(5) 低ガス圧放電が可能である。
しかしながら、その薄膜形成装置では金属等の導電性膜
を形成した場合、マイクロ波導入窓上にも膜が付着し導
通してしまうため、マイクロ波が反射され長時間連続し
てプラズマを生成することはできなかった。
一方、以上の様なマイクロ波導入窓の曇りを防止するた
めに、第13図に示したように真空導波管を利用する薄膜
形成装置が本発明者らにより提案されている(特願昭62
−60149)。しかしながら、その装置ではマイクロ波導
波管が、磁束と直交して接続されているためマイクロ波
の電力投入効率が低く、高密度プラズマの生成ができな
いという欠点があった。第13図において、プラズマ生成
室11の試料室9側の出口付近にターゲットを設置し、ス
パッタ装置として構成した場合にも同様な欠点があっ
た。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明は、上述した従来の欠点を解決し、マイクロ波導
入窓が汚染されることなく、しかもマイクロ波の電力投
入効率の高い薄膜形成装置を提供することを目的とす
る。
〔課題を解決するための手段〕
この様な従来の問題点を解決するために本発明の薄膜形
成装置は、ガスを導入してプラズマを発生させるプラズ
マ生成室と、前記プラズマ生成室の内部に磁場を形成す
る手段と、前記プラズマ生成室に結合され、内部に基板
ホルダーを有する試料室と、前記プラズマ生成室の内
壁、または前記プラズマ生成室の出口でかつ試料室側に
は、負電圧を印加してスパッタを行うターゲットとを備
え、一端部にマイクロ波導入窓を有し他端部を前記プラ
ズマ生成室の側面に結合される真空導波管が、前記プラ
ズマ生成室に前記磁場発生手段によって前記プラズマ生
成室内に形成される磁束方向に対して斜めに結合されて
おり、前記真空導波管が前記プラズマ生成室に結合され
た部分の磁束密度が、マイクロ波の共振磁束密度より高
く設定されていることを特徴とする。
前記プラズマ生成室は、導入したマイクロ波が共振する
空洞共振器を形成する径及び長さを有することにより、
よりマイクロ波の電界強度を高めることができる。さら
に、マイクロ波導入窓を、前記プラズマ生成室内あるい
は前記試料室内に設置されたターゲットから直接見えな
い位置に設置することにより、より効果的にマイクロ波
導入窓の曇りを防止することができる。
〔作用〕
本発明は、高い活性度の高密度プラズマを発生させ、そ
のプラズマを用いたスパッタを行い、その高活性なプラ
ズマにより試料基板を低温に保ったままで、生成膜材料
の導電性がその膜形成の障害とならず、高品質の薄膜を
高速度、高効率に連続して形成できるものである。すな
わち本発明は、磁場中で電子サイクロトロン共鳴(EC
R)によりプラズマを生成および加熱し、その高密度プ
ラズマを利用したスパッタ数eVから数十eVの低エネルギ
ーイオンの引出しと、高い電子温度による高活性なプラ
ズマの生成を両立する。しかも、真空導波管を磁束方向
に対して斜めにプラズマ生成室に接合するため、その真
空導波管へのプラズマの加速が抑制され、真空導波管の
使用を可能とし、結果として、マイクロ波導入窓への導
電性材料膜の付着によるマイクロ波の反射が防止でき、
金属等の導電性材料膜をも連続して長時間安定に形成す
ることを可能とする。さらにマイクロ波が磁束方向に対
して斜めに導入されているため、直交して導入した場合
に比べマイクロ波の投入効率が向上し、より効率的なプ
ラズマ生成が可能である。さらに磁界発生手段として、
例えば対称あるいは非対称な2個のソレノイドコイルを
用いることで真空導波管とプラズマ生成室との結合部分
の磁束を高くすることにより、注入したマイクロ波の反
射を少なくし、効率的なプラズマ生成を可能とする。
以下、図面にもとづき実施例について説明する。
〔実施例〕
(実施例1) 第1図は本発明の薄膜形成装置の実施例の構成概要図で
ある。真空槽4は真空導波管10、プラズマ生成室11及び
試料室9からなる。またそのプラズマ生成室11にはマイ
クロ波導入窓6を通して順にマイクロ波導波管7、更に
図示しない整合器、マイクロ波電力計、アイソレータ等
のマイクロ波導入機構に接続されたマイクロ波源からマ
イクロ波を供給する。実施例では試料室9内に設置され
たターゲットから直接見えない位置に設置されたマイク
ロ波導入窓6には石英ガラス板を用いている。マイクロ
波源としては、たとえば、2.45GHzのマグネトロンを用
いている。
プラズマ生成室11及び真空導波管10はプラズマ生成によ
る温度上昇を防止するために、水冷される。プラズマ生
成室11にはガス導入口16から所定のガスが導入される。
ターゲット1のプラズマ生成室11への取り付け機構を第
2図に示す。図示するようにターゲット1は水冷可能な
金属製ターゲット支持体13に取り外し可能に固定され、
支持体13はねじ蓋19によってプラズマ生成室11の出口で
試料室9の壁18に固定される。支持体13と壁18とは絶縁
体22によって絶縁されている。支持体13の突出端部20は
電極を兼ね、直流電源21からターゲット1に負の電圧を
印加することができる。試料室内で、磁石8による磁束
方向には基板2をおき、基板2の上にはプラズマ3を遮
断することができるように図示しないシャッタを配置し
ている。またその基板を支持する基板ホルダーにはヒー
タを内蔵しており基板2を加熱することができる。さら
に基板2には直流あるいは交流の電圧を印加することが
でき、膜形成中の基板バイアスや基板のスパッタクリー
ニングを行うことができる。
プラズマ生成室11は、マイクロ波空洞共振器の条件とし
て、一例として、円形空洞共振モードTE113を採用し、
内のりで直径20cm高さ20cmの円筒形状を用いてマイクロ
波の電界強度を高め、マイクロ波放電の効率を高めるよ
うにした。プラズマ生成室11の下端、即ち、試料室9へ
通じる面には、10cm径の穴があいており、その面はマイ
クロ波に対する反射面ともなり、プラズマ生成室11は空
洞共振器として作用している。
プラズマ生成室11の外周両端には、対称あるいは非対称
な2個のソレノイドコイル、あるいは少なくとも2個以
上のソレノイドコイルの組合せからなる磁石8を周設
し、これによってプラズマ生成室11内に磁界を発生す
る。その際、マイクロ波に対する電子サイクロトロン共
鳴(ECR)の条件がプラズマ生成室11の内部で成立する
様に磁束密度を決定する。例えば周波数2.45GHzのマイ
クロ波に対しては、ECRの条件は磁束密度875Gであるた
め、磁石8はその磁束密度875Gがプラズマ生成室11の内
部で実現されるように設計する。この時、真空導波管10
は磁石8の対称あるいは非対称部分から、磁束5の方向
に対して斜めに挿入され、プラズマ生成室11に結合され
る。しかもその結合部分の磁束密度はマイクロ波の共振
磁束密度(ECR条件の磁束密度)より高くなるように決
定する。第6図にマイクロ波入射部(プラズマ生成室の
真空導波管が結合された部分)の磁束密度とマイクロ波
反射率の関係を示す。マイクロ波を磁束に対して垂直に
導入した。第6図から明らかなように、マイクロ波がEC
R条件付近で反射されることにより効率的なマイクロ波
の導入ができないことがわかる。またこの場合、プラズ
マ生成室11の上内面でプラズマ生成室11の試料室9側出
口と対面する面に対して、プラズマ生成室11内の磁場分
布が拡散磁場勾配にならない様に磁場分布を設定した方
がプラズマの基板2方向への加速がより効果的になされ
る。
一方、真空導波管10と磁束5方向との間の角度Θはマイ
クロ波のプラズマへの投入効率に大きな影響を及ぼす。
第7図にマイクロ波入射方向の磁束方向に対する角度Θ
とマイクロ波電力投入効率の関係を示す。ここで、マイ
クロ波電力効率とはプラズマに入射するマイクロ波電力
Pfに対して、プラズマから反射されるマイクロ波電力Pr
とPfの差、即ちプラズマに投入される電力Pf−Prの割合
(Pf−Pr)/Pfを意味している。これらはマイクロ波電
力計を用いて測定した値を用いた。
マイクロ波電力投入効率は角度Θが、磁束方向と真空導
波管となす角度が垂直になる90度に近いほど低くなり、
その角度が90度から離れるにつれて効率が上昇する。ま
たその角度が90度から離れるとプラズマの密度の上限
(カットオフ密度)がより高くなり、高密度プラズマの
生成に有利である。
一方、その角度が0度、即ちマイクロ波の真空導波管が
磁束方向と平行に接続された場合には、その真空導波管
の中でもマイクロ波の共鳴磁界強度が実現され、真空導
波管内でプラズマが生成される。その結果、マイクロ波
電力投入効率が低下してしまい、またプラズマは不均一
に生成されてしまう。
真空導波管と磁束方向とのなす角度はマイクロ波電力投
入効率が最も高くなる値に設定する必要がある。本実施
例でのその角度の最適値はおよそ30度であった。
第3図に、第1図に示した本発明の実施例において磁束
方向の磁場強度分布の例を示した。
第4図に磁束方向に真空導波管を接続した場合のプラズ
マ生成状態概要図を、第5図に本発明の薄膜形成装置に
おけるプラズマ生成状態概要図を示す。第1図と同じ符
号は同じ部分を示している。ここで、プラズマを生成す
る際のパラメータは、プラズマ生成室のガス圧、マイク
ロ波のパワー、ターゲットへの投入電力、磁場の勾配、
磁石の非対称度、磁石間の距離、及び先に述べた真空導
波管と磁束方向との間のなす角度等である。ここで、た
とえば2.45GHzの周波数のマイクロ波に対しては、前述
の様に真空導波管がプラズマ生成室に結合される部分の
磁束密度が共鳴条件である875G以上で、またその共鳴条
件である磁束密度875Gがプラズマ生成室内のいずれかの
部分で達成されていればよく、その基板方向にゆるやか
に磁束密度が低くなる発散磁場勾配か、基板までの間に
磁界の最小値が存在するミラー磁場勾配あるいはその間
に磁界ゼロの点が存在するカスプ磁場勾配が達成されて
いる。
生成された高密度プラズマを囲む様にプラズマ生成室11
の出口で試料室9内に設置したターゲット1に負の電圧
を印加させることにより、高密度プラズマ中のイオンを
そのターゲット1に効率よく引き込みスパッタをおこさ
せる。このときスパッタされたほとんどが中性の粒子は
基板方向にも飛散する。またイオンも生成される。
より高い移動度を有する電子はプラズマ端で磁束方向に
漏れ出し、正イオンがプラズマ中に取り残されることに
なり、この荷電分離が必然的に電界を誘起する。この電
界がプラズマ中の正イオンを基板方向に加速する電界と
なる。実際には電子とイオンが独立に振舞うことはプラ
ズマの中性を破ることになり、不可能であり、基板表面
とプラズマの電位差が電子の平均エネルギーに匹敵した
ときに平衡し、この電界が、電子に対して減速、イオン
に対しては加速電界として働き、両種の放出量がほぼ同
じになるいわゆる両極性拡散の形態をとる。この結果、
数eVから数十eVの比較的低いエネルギーを持ったイオン
を引き出すことにより、ターゲット材料を原料とする薄
膜の形成ができる。
ここで上述の磁場勾配はそのイオンのエネルギーに直接
的に影響し、磁場勾配を制御することにより、イオンエ
ネルギーの制御も容易にできるという特徴も持ってい
る。
このとき、ターゲット表面に適当に磁束が流れるよう
に、ターゲットの裏や上下方向に適応なヨークや永久磁
石を配置して、マグネトロン放電の形態をとって、より
高効率のスパッタも実現できる。又、ターゲットはプラ
ズマ生成室の内側に設置することも可能である。
また、プラズマが活性であるため、10-5Torr台のより低
いガス圧でも放電が安定に形成できるのみならず、活性
種が薄膜形成の重要な役割を演じる比較的高いガス圧中
でも活性なプラズマの作用により低基板温度下でも結晶
性の良好な薄膜形成を実現している。
一方、導電性材料膜を形成する場合、マイクロ波導入窓
が曇ると、長時間にわたってプラズマ生成ができない。
そこで、マイクロ波導入窓6が導電性材料膜の付着によ
り曇らないようにそのマイクロ波導入窓6をプラズマ生
成室11から離して設置して、真空導波管10を用いること
がまず考えられるが、真空導波管10を単に磁束方向に接
続した場合には、第4図に示すようにその真空導波管10
の内部でECR条件の磁束密度が満足され、そこでプラズ
マが発生するために、マイクロ波の電力がプラズマ生成
室11中に有効に注入されず、不均一なプラズマが生成さ
れてしまう。それと同時に、真空導波管10からマイクロ
波導入方向にも発散磁場が形成されているため、プラズ
マは基板方向ばかりでなく、そのマイクロ波導入方向に
も加速されてしまう。これに対して、真空導波管10が第
5図に示すように接続されている場合には、プラズマが
磁束に直行する方向には加速されないことから、結果と
してプラズマはマイクロ波導入方向に加速されることは
ない。一方、試料室内に設置されたターゲット1からス
パッタされた粒子のうち、イオン化されない中性の粒子
は磁界や電界の影響をうけず、そのターゲットからほぼ
直進して飛来する。このため、マイクロ波導入窓6をタ
ーゲットから直接見えない位置に設置することによりマ
イクロ波導入窓6のスパッタ粒子による曇りも防止する
ことができる。このようにして、生成膜の導電性によら
ず、またその膜厚にもよらず、マイクロ波導入窓の曇り
のない、ほとんどの材料の膜を連続して長時間安定に形
成することを可能としている。
次に、本発明装置を用いてAl膜を形成した結果について
説明する。試料室9の真空度を5×10-7Torrまで排気し
た後、Arガスを毎分5ccのフロー速度で導入しプラズマ
生成室内のガス圧を5×10-4Torrとしてマイクロ波電力
100〜1000W、円筒状のAlターゲット13に投入する電力を
30〜1000W、発散磁場勾配中で膜を形成した。このとき
試料台は加熱しないで常温で膜形成をおこなった。この
結果、5〜200nm/minの堆積速度で長時間連続して安定
に効率よくAl膜を堆積できた。
一方、このときのイオンの平均エネルギーは5eVから30e
Vまで変化した。
本発明の薄膜形成装置は、Al膜の形成のみならず、ほと
んどすべての薄膜の形成に用いることができ、また導入
するガスとしてほとんどの反応性ガスを用いることがで
き、それにより反応スパッタも実現出来る。
(実施例2) 本実施例では、プラズマ生成室11内の磁束密度分布を制
御するために、プラズマ生成室11の上面にヨーク14を配
置した。第8図(a)に本実施例の装置の構成概要図を
示し、その時の磁束方向の磁場強度分布を第8図(b)
に示した。第1図と同一部分には同一符号を付した。
このヨークを配置することは、単に磁場勾配を制御する
だけでなく、必要な磁束密度を得るのにより少ない磁石
電流でよいという特徴を持つ。例えば、875Gの磁束密度
を得るのに、通常18Aの磁石の電流が必要であったのに
対して、ヨーク14を用いた場合には8.5Aで十分であっ
た。
本実施例ではヨークにより磁束密度分布を制御したが、
ヨークの代わりに磁石を用いても同様な効果が得られ
る。
(実施例3) 本実施例の装置の構成概要図を第9図(a)に示し、そ
の時の磁束方向の磁場強度分布を第9図(b)に示し
た。本実施例は第1図の装置構成において、基板2の周
囲に補助電磁石15を設置した場合である。補助電磁石15
に流す電流の値で磁場勾配を制御することができる。ま
た、第10図(a)に示した様に、磁場勾配制御用のヨー
ク14を設置した場合も同様に補助電磁石15を用いて磁場
勾配の制御が可能である。第10図(b)はその時の磁束
方向の磁場強度分布を示したものである。又、補助電磁
石15は試料室9の外側に設けてもよい。
(実施例4) 本実施例の装置の構成概要図を第11図(a)に示し、そ
の時の磁束方向の磁場強度分布を第11図(b)に示し
た。本実施例では、第1図の装置構成において、試料室
9に設置したターゲット12の他にプラズマ生成室11の上
部内面に平板状ターゲット23を設置した場合である。平
板状ターゲット23の取り付け機構は、第2図において壁
18をプラズマ生成室11の上部内面とした場合と同一であ
る。本実施例では、ターゲット12と平板状ターゲット23
の間の磁場勾配を制御し、両ターゲット間で電子の閉じ
込めを利用した高効率のスパッタを行うものである。
本実施例においても、実施例2又は3のようにヨークあ
るいは補助電磁石を用い磁場勾配を制御してもよい。
又、本実施例ではプラズマ生成室内に平板状ターゲット
を設けたが、円筒状ターゲット等必要に応じて種々の形
態を取りうる。
(実施例5) 一方、ターゲット機構を利用しないCVDにおいても上述
した様に膜の導電性によらずほとんどの膜の形成が可能
である。
第12図はCVDを利用した薄膜形成装置の構成概要図であ
る。第1図の装置構成からスパッタのためのターゲット
機構を除いたものと同一であり、マイクロ波導入手段及
びプラズマ生成工程も同一である。本実施例はCVDによ
る薄膜形成装置であるため、ガス導入口16から原料ガス
を導入し、マイクロ波により原料ガスをプラズマ励起
し、さらに磁石8により電子サイクロトロン共鳴を起こ
し、高密度で高活性なプラズマを生成する。
上記装置により、Si膜を形成した場合について説明す
る。プラズマ生成室11にArガス5sccmとH2ガス10sccmを
導入し、試料室にSiH4ガス5sccmを導入し、マイクロ波
電力を300Wとしてプラズマを形成した。その結果ピンホ
ールがなく平滑なSi膜を300A/minの堆積速度でガラス基
板上に形成できた。
本実施例においても、前述の実施例のようにヨークある
いは補助電磁石を用い磁場勾配を制御することが可能で
あることは言うまでもない。
〔発明の効果〕
以上説明した様に、本発明は、電子サイクロトロン共鳴
により生成されたマイクロ波プラズマを利用し、磁場勾
配により基板方向にプラズマを加速して低いガス圧中で
高効率の低温膜形成を実現するものであり、膜の導電性
や膜厚によらず連続して長時間安定な膜形成を実現する
ものである。また粒子のエネルギーも数eVから数十eVま
での広い範囲で自由に制御でき、高活性なプラズマを用
いていることから、この装置を用いて、損傷の少ない良
質の膜を低基板温度で高速度、高安定に連続形成するこ
とができる。
また、真空導波管とプラズマ生成室との結合部分の磁束
密度を共振磁束密度より高くし、かつ真空導波管と磁束
方向とのなす角度を斜めにすることで注入マイクロ波の
反射を少なくし、かつ効率的な高密度プラズマ生成を可
能としている。
本発明ではECRに必要な磁場を電磁石によって得ている
が、これは種々の永久磁石を用いて、あるいはそれらを
組み合わせて形成しても全く同様の効果をもつことは明
かである。
また本発明では、スパッタ装置やCVDに限定して説明し
たが、それらを組み合わせた装置、例えばスパッタ−CV
D装置等にも適用できる。
さらに本発明は、スパッタやCVD以外のイオン源等で
も、本発明における様なマイクロ波プラズマを利用した
プラズマ装置において一般的に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の実施例1の薄膜形成装置の構成概略
図、 第2図は第1図に示された本発明の薄膜形成装置のター
ゲット取り付け機構の説明図、 第3図は第1図に示された本発明の薄膜形成装置におけ
る磁束方向の磁場強度分布、 第4図は真空導波管が磁束方向に接続されている場合の
プラズマの生成状態概要図、 第5図は本発明の薄膜形成装置におけるプラズマの生成
状態概要図、 第6図は磁束密度に対する磁束に対して垂直に入射した
マイクロ波の反射率の変化を示す図、 第7図はマイクロ波入射方向と磁束方向との間のなす角
度に対するマイクロ波電力投入効率の変化を示す図、 第8図は実施例2を説明する図、 第9図及び第10図は実施例3を説明する図、 第11図は実施例4を説明する図、 第12図は実施例5の説明図であり、CVDを利用した薄膜
形成装置の構成概要図、 第13図は特願昭62−60149に示された薄膜形成装置の図
である。 1……ターゲット、2……基板 3……プラズマ、4……真空槽 5……磁束、6……マイクロ波導入窓 7……マイクロ波導波管、8……磁石 9……試料室、10……真空導波管 11……プラズマの生成室 13……ターゲット支持体、14……ヨーク 15……補助電磁石、16……ガス導入口 17……シールド、18……壁 19……ねじ蓋、20……突出端部 21……電源、22……絶縁体 23……平板状ターゲット、24……電源

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ガスを導入してプラズマを発生させるプラ
    ズマ生成室と、 前記プラズマ生成室の内部に磁場を形成する手段と、 前記プラズマ生成室に結合され、内部に基板ホルダーを
    有する試料室と、 前記プラズマ生成室の内壁、または前記プラズマ生成室
    の出口でかつ試料室側には、負電圧を印加してスパッタ
    を行うターゲットとを備え、 一端部にマイクロ波導入窓を有し他端部を前記プラズマ
    生成室の側面に結合される真空導波管が、前記プラズマ
    生成室に前記磁場発生手段によって前記プラズマ生成室
    内に形成される磁束方向に対して斜めに結合されてお
    り、 前記真空導波管が前記プラズマ生成室に結合された部分
    の磁束密度が、マイクロ波の共振磁束密度より高く設定
    されていることを特徴とする薄膜形成装置。
  2. 【請求項2】前記プラズマ生成室は導入したマイクロ波
    が共振する空洞共振器を形成する径及び長さを有するこ
    とを特徴とする請求項1記載の薄膜形成装置。
  3. 【請求項3】前記マイクロ波導入窓が、前記プラズマ生
    成室内あるいは試料室内に設置されたターゲットから直
    接見えない位置に設置されていることを特徴とする請求
    項1又は2に記載の薄膜形成装置。
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