JPH0652719B2 - 薄膜形成装置 - Google Patents

薄膜形成装置

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JPH0652719B2
JPH0652719B2 JP3580187A JP3580187A JPH0652719B2 JP H0652719 B2 JPH0652719 B2 JP H0652719B2 JP 3580187 A JP3580187 A JP 3580187A JP 3580187 A JP3580187 A JP 3580187A JP H0652719 B2 JPH0652719 B2 JP H0652719B2
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茂登 松岡
堅一 小野
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、試料基板上に各種材料の薄膜を形成するため
の装置に関するものであり、特に高密度プラズマを利用
して各種薄膜を高速度、高効率で連続して長時間安定に
形成するための新規な薄膜形成装置に関するものであ
る。
〔従来の技術〕
従来から、少なくとも1種類以上のガスを原料として、
プラズマ中でそのガスを分解して基板上に堆積、或は反
応させて、膜を形成する、いわゆるプラズマ化学気相堆
積(P−CVD)法や、プラズマ中で薄膜形成要素とし
てのターゲットをスパッタとして膜を形成するいわゆる
スパッタ装置は、各種材料の薄膜形成に各方面で広く用
いられている。一般にP−CVDは第8図に示す様に、
真空槽4内にカソード14と基板2を備え直流または交流
(RF)を用いてプラズマ3を発生させる有極放電を用
い基板2上に薄膜を形成させる。これに対して、第9図
に示されるように、真空槽4の回りに誘導コイル15を巻
き、誘導結合によりプラズマ3を生成させ、基板2上に
薄膜を形成させる無電極放電も実現されている。
一方、第10図に示したプラズマ付着装置が特開昭56-155
535号で開示されている。図中、2は基板、3はプラズ
マ、4は真空槽、6はマイクロ波導入窓、8は磁界発生
用電磁石、9は試料室、10はマイクロ波導波管、および
11はプラズマ生成室である。本装置は、マイクロ波によ
る電子サイクロトロン共鳴を用いた高密度プラズマと、
磁界発生用電磁石8によるプラズマ輸送とを組み合わせ
て基板2上に薄膜を形成させるものである。
又スパッタ装置においては第11図に示す様なターゲット
1と基板2とを向かい合わせた通常の2極(rf,d
c)スパッタ装置がもっとも一般的で、ターゲット1と
薄膜を付着させる基板2を有する真空槽4はガス導入系
及び排気系からなり、真空槽4の内部にプラズマを発生
させターゲット1をスパッタするものである。
一方、第12図に示したスパッタ装置が文献:Japanese J
ournal of Applied Physics ,Vol.23,No.8,August,198
4,pp.L534-L536 に示されている。この装置は、第10図
で示されるプラズマ付着装置に円筒状ターゲット13を、
プラズマ生成室11の下に位置する試料室9内に設けたも
のである。
本装置は、マイクロ波による電子サイクロトロン共鳴を
用いた高密度プラズマによる円筒状ターゲット13のスパ
ッタと、磁界発生用電磁石8によるプラズマ輸送とを組
み合わせて、基板2上に薄膜を形成させるものである。
〔発明が解決しようとする問題点〕
従来の装置で膜堆積速度を高めようとすると、必然的に
プラズマを高密度に保つ必要があるが、第8図に代表さ
れるP−CVD装置では、プラズマを高密度にするほど
カソード印加電圧も急激に上昇し、そのために基板は高
エネルギー粒子の入射、あるいはプラズマ中の高速電子
入射の衝撃により急激に加熱されるとともに、形成され
る膜の結晶自体も損傷を受ける。又、第11図に代表され
るスパッタ装置では、プラズマを高密度にするほどター
ゲット印加電圧も急激に上昇し、そのために基板は高エ
ネルギー粒子の入射、あるいはプラズマ中の高速電子入
射の衝撃により急激に加熱されるとともに、形成される
膜の結晶自体も損傷を受ける。このため、高速膜堆積は
特定の耐熱基板や、膜材料および、膜組成にしか適用す
ることができない。
これに対して、第10図に示した特開昭56−155535号と第
12図に示した文献:Japanese Journal of Applied Phys
ics ,Vol.23,No.8,August,1984,pp.L534-L536 に開示
されたマイクロ波放電と発散磁場によるプラズマ輸送を
組み合わせた装置は、電子サイクロトロン共鳴(EC
R)による高効率、高密度プラズマ生成を可能とし、数
eVから数十eVまでの低エネルギーイオンの引出し
と、高電子温度による高活性プラズマの実現を両立させ
る方法であり、良質の種々の薄膜の低温生成を可能とす
る優れた装置である。しかも、10-4〜10-5Torr台での低
ガス圧放電が可能であり、プラズマ生成用の電極や熱電
子放出用のフィラメント等を用いていない無電極放電の
形態をとるため、各種反応性ガスを用いた連続した長時
間安定な膜形成も可能である。
しかしながら、上述の装置では、形成膜材料として金属
や他の導電性材料を堆積させようとすると、その膜は、
目的の基板上のみばかりでなく、石英等により構成され
たマイクロ波導入窓にも付着してしまい、結果として、
プラズマ生成用のマイクロ波が、そのマイクロ波導入窓
で反射されてしまい、プラズマ生成が困難になってしま
うという問題点があった。このように、上述の装置が、
種々の優れた特徴を有するにもかかわらず、導電性材料
膜の長時間安定形成ができないという大きな問題点があ
るために、対象材料やその膜の厚さが限定されていた。
従って、本発明の目的は上述したような従来の問題点を
解消し、目的の基板上に薄膜を連続して長時間安定に形
成することのできる薄膜形成装置を提供することにあ
る。
〔問題点を解決するための手段〕
かかる目的を達成するために、本発明の薄膜形成装置は
プラズマ生成室と、一端がマイクロ波導入窓を介してマ
イクロ波導波管に結合され、他端が前記プラズマ生成室
に開口する真空導波管と、プラズマ生成室の真空導波管
と反対側に結合され、内部に基本ホルダーを有する試料
室とを備えたガス導入口を有する真空槽と、前記プラズ
マ生成室と前記試料室との間に配置されたプラズマ引出
し窓と、プラズマ生成室の外周に設けられ、プラズマ室
の内部に磁界を印加しかつ試料室に向って拡散する磁界
を形成する磁石と、真空導波間の外周に設られ、一端が
プラズマ生成室に接し、他端が磁石の一端をとり囲むヨ
ークとを備え、プラズマ生成室は真空槽内に導入したマ
イクロ波が共振するマイクロ波空胴共振器を形成する径
および長さを有することを特徴とする。
〔作 用〕
本発明は、低ガス圧中でも高い活性度の高密度プラズマ
を発生させることが出きるので、試料基板を低温に保っ
たままで、生成膜材料の導電性がその膜形成の障害とな
らず、高品質の薄膜を連続して高速度、高効率に形成で
きるものである。すなわち本発明は、発散磁界中で電子
サイクロトロン共鳴(ECR)によりプラズマを生成お
よび加熱し、その高密度プラズマから発散磁界による荷
電粒子の両極性拡散にともなう数eVから数十eVの低
エネルギーイオンの引出しと、高い電子温度による高活
性なプラズマの生成とが両立する。しかも、真空導波管
を使用し、その回りに周設されたヨークにより真空導波
管とプラズマ生成室との境界で急激に磁場強度が変化す
る磁場分布を実現するため、結果として、マイクロ波導
入窓への導電性材料膜の付着が防止でき、金属等の導電
性材料膜を連続して長時間安定に形成することを可能と
する。
〔実施例〕
以下、図面に基づき実施例について説明する。
実施例1 第1図は本発明の薄膜形成装置の一実施例であるスパッ
タ装置の構成概要図であり、第2図は第1図で示される
本発明の薄膜形成装置の実施例であるスパッタ装置の斜
視断面図である。真空槽4は真空導波管10、プラズマ生
成室11及び試料室9からなる。またその真空槽4にはマ
イクロ波導入窓6を通して順にマイクロ波導波管7、更
に図示しない整合器、マイクロ波電力計、アイソレータ
等のマイクロ波導入機構に接続されたマイクロ波源から
マイクロ波を供給する。真空導波管10の周囲には、プラ
ズマ生成室11の周囲に配置した磁界発生用電磁石8によ
って発生する磁束を吸収し、真空導波管10内の磁界強度
を減少させるために例えば軟磁性鉄からなるヨーク12を
配置する。このとき真空導波管10自身が適当なヨーク材
で構成されていてもよい。また、プラズマ生成室11内で
の磁場分布がができるだけ一様になる様にそのヨーク12
のプラズマ生成室11に面した部分をできるだけ広い面積
で構成する。さらに、第1図に示した様に、電磁石8自
身の磁気抵抗を減少させるように、ヨーク12の他端を電
磁石の一端を取り囲み磁束を吸収する様に配置するとよ
りよいヨークの効果が得られる。実施例ではプラズマ生
成室11から直接見えない部分に配置されたマイクロ波導
入窓6には石英ガラス板を用い、ヨーク12材として軟磁
性鉄を用いている。マイクロ波源としては、たとえば、
2.45GHのマグネトロンを用いている。
プラズマ生成室11及び真空導波管10はプラズマ生成によ
る温度上昇を防止するために、水冷される。図示しない
ガス導入系はプラズマ生成室11に直接接続される。その
プラズマ生成室11の外側で、電磁石8による磁束方向に
は基板2をおき、基板2の上にはプラズマ3を遮断する
ことができるように図示しないシャッタを配置してい
る。またその基板ホルダー16にはヒータを内臓しており
基板2を加熱することができる。さらに基板2には直流
あるいは交流の電圧を印加することができ、膜形成中の
基板バイアスや基板のスパッタクリーニングを行うこと
ができる。
プラズマ生成室11は、マイクロ波空洞共振器の条件とし
て、一例として、円形空洞共振モードTE113 を採用
し、内のりで直径20cm高さ20cmの円筒形状を用いてマイ
クロ波の電界強度を高め、マイウロ波放電の効率を高め
るようにした。プラズマ生成室11の下端、即ち、基板部
へ通じる面には、プラズマ引出し窓17として10cm径の穴
があいており、その面はマイクロ波に対する反斜面とも
なり、プラズマ生成室11は空洞共振器として作用してい
る。
プラズマ生成室の下部即ちプラズマ引出し窓17と基板ホ
ルダー16との間にはプラズマを囲むように円筒状のター
ゲット13を、あるいはプラズマに面するように少なくと
も一枚以上の平板状のターゲット1を設置している。
プラズマ生成室11の外周には、電磁石8を周設し、これ
によって発生する磁界の強度をマイクロ波による電子サ
イクロトロン共鳴(ECR)の条件がプラズマ生成室11
の内部で成立する様に決定する。例えば周波数2.45GH
のマイクロ波に対しては、ECRの条件は磁束密度 8
75Gであるため、その磁束密度875 Gがプラズマ生成室
11の内部のどこかで実現されている。そのECRによっ
て、効率よく電子にエネルギーが与えられ、結果として
低ガス圧中で高密度プラズマが生成される。電磁石8に
よって発生された磁場は、その強度が基板方向にたいし
てゆるやかに減少するいわゆる発散磁場分布を示す。或
はプラズマ生成室11と基板2との間で磁場強度が最小値
を示すようないわゆるミラー磁場分布としてもよく、す
みやかなプラズマ流が基板方向へ輸送される磁場勾配が
形成されていればよい。一方、プラズマ生成室11へのマ
イクロ波の進入方向である真空導波管10方向へは、その
真空導波管10の周囲に設置した磁束吸収用ヨーク12のた
めに、プラズマ生成室11と真空導波管10との境界で磁場
強度が急激に変化する磁場分布をとっている。
第3図に、本発明の磁束方向の磁場強度分布図の例を示
した。
第3図の黒丸は、電磁石8を流れる電流値が16A であっ
て、真空導波管10に周設したヨーク12がなくて単に真空
導波管を用いた時の磁束密度分布を示す。第3図の白丸
は、電磁石8を流れる電流値が8.5Aであって、真空導波
管10にヨークが設置されている時の磁束密度分布を示
す。
加えて、電磁石8の磁気回路としてこのヨーク12をみた
場合、ヨーク12は電磁石8自身の磁気抵抗を減少させる
効果も持っており、第3図に示すように、ECRに必要
な磁束密度を実現するための電磁石に流す電流値が、そ
のヨーク12がない場合に比べ遥かに少なくてよいという
実用的に大きな特徴も持っている。
第4図に本発明の薄膜形成装置の構成概要図においてヨ
ークが設置されていない場合のプラズマ生成状態図を、
第5図に本発明の薄膜形成装置におけるプラズマ生成状
態概要図を示す。第1図および第2図と同じ符号は同じ
部分を示している。第4図,第5図において点群はプラ
ズマを示し、密度の濃い部分はプラズマ密度も高いこと
を示している。
第4図においては、真空導波管10の内部でECR条件の
磁束密度を満足され、そこで、プラズマが発生するため
に、マイクロ波の電力がプラズマ生成室11中に有効に供
給されず、不均一なプラズマが生成されてしまう。それ
と同時に、真空導波管10からマイクロ波導入窓方向にも
発散磁場が形成されているため、プラズマは基板方向ば
かりでなく、そのマイクロ波導入窓方向にも加速されて
しまう。これに対して、第5図においては、真空導波管
10中でプラズマが生成されないばかりでなく、真空導波
管10とプラズマ生成室11との間で急激な磁場強度の変化
があることから、結果としてプラズマはマイクロ波導入
窓方向に加速されることはない。
ここで、プラズマを生成する際のパラメータは、プラズ
マ生成室のガス圧、マイクロ波のパワー、ターゲットへ
の投入電力、磁場の勾配等である。ここで、たとえば、
2.45GHの周波数のマイクロ波に対しては、前述の様
に共鳴条件である磁束密度 875Gがプラズマ生成室内の
いずれかの部分で達成されていればよく、基板方向へ磁
場強度がゆるやかに減少する発散磁場勾配か、あるいは
基板とプラズマ生成室との間で磁場強度の最小値が存在
するミラー磁場勾配の磁場分布が達成されている。この
ように磁界が空間的にゆるやかに変化している場合に
は、生成された高密度プラズマ中の電子はイオンに比べ
て極めて大きな移動度を有し、磁束5に拘束されて磁束
5の回りをスパイラル運動しながら、その角運動量を保
存しつつ、磁場勾配にともなって基板方向に拡散する。
この結果、正イオンがプラズマ中に取り残されることに
なり、この荷電分離が必然的に電界を誘起する。この電
界がプラズマ中の正イオンを基板方向に加速する電界と
なる。実際には電子とイオンが独立に振舞うことはプラ
ズマの中性を破ることになり、不可能であり、基板表面
とプラズマの電位差が電子の平均エネルギーに匹敵した
ときに平衡し、この電界が、電子に対しては減速、イオ
ンに対しては加速電界として働き、両種の放出量がほぼ
同じになるいわゆる両極性拡散の形態とる。この結果、
数eVから数十eVの比較的低いエネルギーを持ったイ
オンを引き出すことができる。
一方、ECRによって生成された高密度プラズマの全面
に配置されたターゲットに負の電圧を印加することによ
り、高密度プラズマ中のイオンを効率よく引き込むこと
によってスパッタが実現でき、ターゲット材料を原料と
する薄膜の形成ができる。このとき、ターゲット表面に
適当に磁束が流れるように、ターゲットの裏や上下方向
に適当なヨークや永久磁石を配置して、マグネトロン放
電と組み合わせて用いることもできる。
また、プラズマが活性であるため、10-5台のより低いガ
ス圧でも放電が安定に形成できるのみならず、活性種が
薄膜形成の重要な役割を演じる比較的高いガス圧中でも
活性なプラズマの作用により低基板温度下でも結晶性の
良好な薄膜形成を実現している。
本実施例の薄膜形成装置は、真空導波管10にヨーク12が
周設されているので真空導波管中でプラズマが生成され
ないばかりでなく、真空導波管10とプラズマ生成室11と
の間で急激な磁場強度の変化があることから、結果とし
てプラズマはマイクロ波導入窓方向に加速されることは
ない。このようにして、生成膜の導電性によらず、また
その膜厚にもよらず、マイクロ波導入窓の曇りのない、
ほとんどの材料の膜を連続して長時間安定に形成するこ
とを可能としている。
次に、本発明のスパッタ装置を用いて Al膜を形成した
結果について説明する。試料室9の真空度を5×10-7To
rrまで排気した後、Arガスを毎分50ccのフロー速度で導
入しプラズマ生成室11内のガス圧を5×10-4としてマイ
クロ波電力 100〜500 W、円筒状のAlターゲット13に投
入する電力を 100〜300 W、磁場勾配を発散磁場勾配と
して膜を形成した。このとき試料台は加熱しないで常温
で膜形成をおこなった。この結果、20〜100nm/min の
堆積速度で長時間連続して安定に効率よく Al膜を堆積
できた。その際、文献:Japanese Journal of Applied
Physics ,Vol.23,No.8,August,1984,pp.L534-L536で
示された従来の方法では100nm/min の堆積速度で Al
膜を形成した場合、わずかに2分間しか連続して膜形成
ができないのに対して、本発明装置を用いれば、10μm
以上の厚さの Al膜を連続して安定に形成できた。しか
も、従来電磁石に流す必要電流が16A程度であったのに
対して、本発明装置では、ヨークの効果でその必要電流
値は8A程度で十分であった。
一方、このときのイオンの平均エネルギーは10eVから
30eVまで変化した。
本発明の薄膜形成装置は、 Al膜の形成のみならず、ほ
とんどのすべての薄膜の形成に用いることができ、また
導入するガスとしてほとんどの反応性ガスを用いること
ができ、それにより反応スパッタも実現出来る。さら
に、磁場勾配は、単純な発散磁場勾配にかぎらず、ミラ
ー磁場勾配を用いてもよい。
実施例2 第6図は本発明の薄膜形成装置の他の実施例であるプラ
ズマ付着装置の構成概要図であり、第7図は第6図で示
される本発明の実施例であるプラズマ付着装置の斜視断
面図である。
本実施例におけるプラズマ付着装置は、試料室9にスパ
ッタ用のターゲット13を備えていないことを除けば実施
例1のスパッタ装置と構成は同じであり、同一の数字は
同一の部分を示す。本装置では、気化可能な原料、たと
えばシランを直接プラズマ生成室に導入し、この導入さ
れた原料ガスをプラズマにより分解してプラズマ流によ
り基板方向に輸送し、堆積させる。プラズマ発生から輸
送までの詳しい原理は、実施例1と同様である。
従来の装置では、プラズマ生成室内で原料ガスが分解さ
れるために基板方向以外にも原料ガスの拡散がおこりや
すく、スパッタ装置に比べマイクロ波導入窓のくもりが
著しい。本発明においてもマイクロ波導入窓のくもり防
止効果は、実施例1に比較してプラズマ生成室に原料を
直接導入する本実施例においてより顕著である。
次に、本発明のプラズマ付着装置を用いてSi膜を形成し
た結果について説明する。試料室9の真空度を5×10-7
Torrまで排気した後、ArガスとSiH4ガスをそれぞれ毎分
10cc、及び30ccのフロー速度で導入しプラズマ生成室11
内のガス圧を5×10-4としてマイクロ波電力 100〜500
W、磁場勾配を発散磁場勾配として膜を形成した。この
とき試料台は加熱しないで常温で膜形成をおこなった。
この結果、60〜300nm/min の堆積速度で連続して長時
間安定に効率よくSi膜を堆積できた。その際、特開昭56
-155535号で開示された従来の方法では300nm/min の
堆積速度でSi膜を形成した場合、わずかに2分間しか連
続して膜形成できないのに対して、本発明の装置を用い
れば、10μm以上の厚さのSi膜を連続して安定に形成で
きた。しかも、従来、電磁石に流す必要電流が16A程度
であったのに対して、本発明装置では、ヨーク12の効果
でその必要電流値は8A程度で十分であった。
一方、このときのイオンの平均エネルギーは10eVから
30eVまで変化した。
本発明の薄膜形成装置は、Al膜、Si膜の形成のみなら
ず、ほとんどすべての薄膜の形成に用いることができ、
また導入するガスとしてほとんどの反応性ガスを用いる
ことができる。さらに、磁場勾配は、単純な発散磁場勾
配にかぎらず、ミラー磁場勾配を用いてもよい。
〔発明の効果〕
以上説明した用に、本発明は、プラズマ生成に電子サイ
クロトロン共鳴によるマイクロ波放電を用い、磁場強度
がゆるやかに変化する発散磁場勾配あるいはミラー磁場
勾配により基板方向にプラズマを加速して低いガス圧中
で高効率の低温膜形成を実現するものであり、従来の方
法では導電性膜を連続して長時間安定に形成することが
不可能であったのに対して、本発明では、真空導波管の
外周に磁束吸収のためのヨークを設けたことにより膜の
導電性によらず連続して長時間安定に任意な膜厚で膜形
成を実現するものである。また粒子のエネルギーも数e
Vから数十eVまでの広い範囲で自由に制御でき、高活
性なプラズマを用いていることから、この装置を用い
て、損傷の少ない良質の膜を低基板温度で高速度、高安
定に連続形成することができる。また、磁場分布制御用
のヨークを電磁石に対するヨークとしても設定すること
により、電磁石に流す必要電流値が遥かに小さくできる
という優れた特徴も付与できる。
本発明ではECRに必要な磁場を電磁石によって得てい
るが、これを種々の永久磁石を用いて、あるいはそれを
組み合わせて形成しても全く同様の効果をもつことは明
らかである。
また、本発明では真空導波管中の磁束を吸収するために
その真空導波管に周設させたヨークを用いているが、こ
れは真空導波管自身がそのヨークの効果を持つ適当な材
料で構成されていても全く同様な効果を持つことは明ら
かである。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の薄膜形成装置の一実施例であるスパッ
タ装置の構成概要図、 第2図は第1図で示される本発明の薄膜形成装置の実施
例であるスパッタ装置の斜視断面図、 第3図は本発明の薄膜形成装置の実施例における磁束方
向の磁場強度分布図、 第4図は本発明の薄膜形成装置において、ヨークが設置
されていない場合のプラズマの生成状態概要図、 第5図は本発明の薄膜形成装置において、ヨークが設置
されている場合のプラズマの生成状態概要図、 第6図は本発明の一実施例であるプラズマ付着装置の構
成概要図、 第7図は本発明の一実施例であるプラズマ付着装置の斜
視断面図、 第8図は2極CVD装置の構成図、 第9図は誘導結合型のプラズマ発生装置の構成図、 第10図は特開昭 56-155535号で開示されたプラズマ付着
装置の概要図、 第11図は2極スパッタ装置の構成図、 第12図は文献:Japanese Journal of Applied Physics,
Vol.23,No.8,August,1984,pp.L534-L536で示された薄
膜形成装置の概要図である。 1……ターゲット、 2……基板、 3……プラズマ、 4……真空槽、 5……磁束、 6……マイクロ波導入窓、 7……マイクロ波導波管、 8……磁界発生用電磁石、 9……試料室、 10……真空導波管、 11……プラズマ生成室、 12……ヨーク、 13……円筒状ターゲット、 14……カソード、 15……誘導コイル、16……基板ホルダー、17……プラズ
マ引出し窓。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】プラズマ生成室と、一端がマイクロ波導入
    窓を介してマイクロ波導波管に結合され、他端が前記プ
    ラズマ生成室に開口する真空導波管と、 前記プラズマ生成室の前記真空導波管と反対側に結合さ
    れ、内部に基板ホルダーを有する試料室とを備えたガス
    導入口を有する真空槽と、 前記プラズマ生成室と前記試料室との間に配置されたプ
    ラズマ引出し窓と、 前記プラズマ生成室の外周に設けられ、該プラズマ室の
    内部に磁界を印加しかつ前記試料室に向って拡散する磁
    界を形成する磁石と、 前記真空導波管の外周に設けられ、一端が前記プラズマ
    生成室に接し、他端が前記磁石の一端をとり囲むヨーク
    とを備え、 前記プラズマ生成室は前記真空槽内に導入したマイクロ
    波が共振するマイクロ波空胴共振器を形成する径および
    長さを有することを特徴とする薄膜形成装置。
  2. 【請求項2】前記マイクロ波導入窓が、前記プラズマ生
    成室から直接見えない位置に配置されていることを特徴
    とする特許請求の範囲第1項記載の薄膜形成装置。
  3. 【請求項3】前記プラズマ引出し窓と前記基板ホルダー
    との間にスパッタリング材料で形成されたターゲットを
    備えたことを特徴とする特許請求の範囲第1項または第
    2項に記載の薄膜形成装置。
JP3580187A 1987-02-20 1987-02-20 薄膜形成装置 Expired - Lifetime JPH0652719B2 (ja)

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