JPH0711596A - 無機繊維紙の再生方法 - Google Patents

無機繊維紙の再生方法

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JPH0711596A
JPH0711596A JP15004093A JP15004093A JPH0711596A JP H0711596 A JPH0711596 A JP H0711596A JP 15004093 A JP15004093 A JP 15004093A JP 15004093 A JP15004093 A JP 15004093A JP H0711596 A JPH0711596 A JP H0711596A
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JP
Japan
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inorganic fiber
fiber
inorganic
fiber paper
paper
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JP15004093A
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English (en)
Inventor
Hiroshi Matsuoka
博 松岡
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Nippon Sheet Glass Co Ltd
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Nippon Sheet Glass Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 損紙となった無機繊維紙から無機繊維を繊維
状態として回収する技術を確立すること。 【構成】 水と親和性の良い有機溶剤を5〜30容量
%を含む混合液に損紙となった無機繊維紙を液比1〜1
0で1時間以上浸漬し、その後、これを界面活性剤1
0〜100ppm、を含む水で無機繊維が全体の重量に
対して0.5〜5.0重量%となるように希釈し、ク
リアランス1〜5mmでビーターにより30〜90分間
処理することによって解繊し、得られた無機繊維を遠
心脱水機で脱液する。さらに、必要に応じて清水によ
り無機繊維を洗浄する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は保温・断熱成形体、強化
複合材料としてあらゆる産業分野に利用されているセラ
ミック繊維等の無機繊維紙に関し、特にその再生方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】アルミナ・シリケート繊維、ガラス繊維
等の無機繊維は剛直でもろく、折り曲げに弱く、自己接
着性がない。そのため、この繊維をシート化するために
は通常外部より有機繊維等を混合し、さらに結合剤を添
加して繊維間接着を行ってシート化する(例えば、本発
明者の発明になる特開平5−5294号公報参照)。得
られた無機繊維紙は無機繊維自体の持つ優れた耐熱性、
断熱性を生かして、高温部のパッキング材、各種高温部
シール材等に利用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、結合剤を用
いてシート化した無機繊維紙は、使用する結合剤の種類
が熱硬化性、熱可塑性のいずれの場合にも、その主要成
分である無機繊維を再度繊維状態に戻すことが極めて困
難である。安価な無機繊維紙の場合、処分しても製造コ
ストへの影響は少ないが、高価な無機繊維から製造した
シートの場合は、その主要成分である無機繊維を繊維状
態として回収し再使用することがコスト的に有利であ
り、また、省資源、公害防止の観点からも有意義であ
る。しかし、無機繊維の回収、再使用の必要性は認識さ
れてはいるものの、有効な回収技術がないため、一旦使
用済みの損紙となった無機繊維紙をそのまま損紙として
処分しているのが実状である。本発明の目的は損紙とな
った無機繊維紙から無機繊維を繊維状態として回収する
技術を確立することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明で使用する無機繊
維紙としては、例えば先の本発明者による特許出願(特
開平5−5294号)に詳細に開示した無機繊維紙等を
用いる。無機繊維紙は、その主要原料としての無機繊維
の外に、例えば有機繊維(セルロース、リンター、アラ
ミド繊維等からなるフィブリル化繊維)、結合剤の各所
定量を混合して、通常の方法で抄紙して製造される。前
記無機繊維としては、例えばアルミナ・シリケート繊
維、酸化クロム添加アルミナシリケート繊維、ガラス繊
維、シリカ繊維、アルミナ繊維等が用いられる。
【0005】また、前記有機繊維としては、セルロー
ス、リンター、アラミド繊維等からなるフィブリル化繊
維が無機繊維の絡み合い用の助剤として使用される。ま
た、その他の有機繊維として、アクリロニトリル−塩化
ビニル共重合体、ポリアクリロニトリル等の合成繊維等
が使用され、これは無機繊維紙の物性には寄与しない
が、その外観光沢を保つために必要に応じて添加され
る。前記結合剤としては、通常のエマルジョン系の結合
剤を使用しても製造可能であるが、感熱結合剤を用いる
ことが好ましい。なぜなら、通常の結合剤は熱処理時に
無機繊維紙の表面、裏面の表層部に移動するのに対し
て、感熱結合剤は無機繊維紙の表層部だけでなく、内部
でも皮膜を生成するため、この皮膜が無機繊維の層間剥
離を起こりにくくする作用があるからである。感熱結合
剤の例としては熱硬化性のポリウレタンを主成分とする
エマルジョン等が用いられる。
【0006】こうして製造され、使用され、損紙となっ
た無機繊維紙から無機繊維を繊維状態として回収するた
めの本発明は次のような構成からなる。すなわち、
(1)無機繊維紙を水と親和性の良い有機溶剤を含む混
合液に浸漬した後、界面活性剤を含む水で希釈して解繊
し、脱液することで無機繊維を繊維状にして再生する方
法、または、(2)無機繊維紙を水と親和性の良い有機
溶剤と界面活性剤を含む混合液に浸漬した後、水で希釈
して解繊し、脱液することで無機繊維を繊維状にして再
生する再生方法である。
【0007】本発明の上記無機繊維紙からの無機繊維の
好ましい再生方法を、さらに具体的に述べると次の工程
からなる。 水と親和性の良い有機溶剤を5〜30容量%を含む混
合液に液比1〜10、好ましくは3〜4で1時間以上上
記無機繊維紙を浸漬し、その後、これを界面活性剤1
0〜100ppm、好ましくは20〜50ppmを含む
水で無機繊維が全体の重量に対して0.5〜5.0重量
%となるように希釈し、クリアランス(後述するビー
ターロールとベッドプレートの間隔)1〜5mmでビー
ターにより30〜90分間処理することによって解繊
し、得られた無機繊維を遠心脱水機で脱液する。さ
らに、必要に応じて清水により脱水した無機繊維を洗浄
する。
【0008】ここで、前記の工程で用いる界面活性剤
は工程に予め添加しておき、の工程では水のみで希
釈する方法を用いても良い。界面活性剤の添加の順序が
二通りあるのは界面活性剤の働く場所はビーターで処理
している時間内であるから、ビーター処理する以前、す
なわちより前に添加すれば良いという理由による。ま
た、の工程で使用する有機溶剤は最終的に回収した繊
維状の無機繊維から水を媒体としてシートを作成するの
で結合剤を溶解させ、同時に水と親和性のあるものでな
ければならない。そのため、使用できる溶剤としてはア
セトンおよびメタノール、エタノール等の低級アルコー
ル等が好ましい。そして、その使用量は5〜30容量%
で用いるが、5容量%未満で用いると無機繊維紙の繊維
間の接着力を弱める効果がなく、また、30容量%を超
えて用いてもコストアップとなるだけであり、また無機
繊維紙の再生処理の後には、この有機溶剤は系外に排出
させるものなので、有機溶剤の比率は製造コスト、公害
防止等の面から使用量は低い方が望ましい。また、前記
液比は1〜10で用いるが、好ましくは3〜4で用い
る。液比1未満では解繊しようとする無機繊維紙が充分
浸漬できないという不具合があり、10を超えると繊維
間接着を弱めるための有機溶剤の必要量が多くなりコス
ト面で不利である。また、この水と有機溶剤の混合液へ
の無機繊維紙の浸漬時間は、該混合液が無機繊維紙の層
間に十分浸透するだけの時間が必要である。
【0009】前記の工程で用いる界面活性剤は結合剤
の溶解を促進させるために加えるが、ポリエチレングリ
コール系、高級アルコール系、または、アルキルスルホ
ン酸系等のものを使用する。ポリエチレングリコール脂
肪酸エステル型ノニオン性界面活性剤を使用した場合に
良好な結果が得られた。脂肪酸成分としてステアリン
酸、オレイン酸、ラウリン酸等が使用できる。ステアリ
ン酸型の例としては、商品名ペグノールPDS−60G
(東邦化学(株)製)、商品名ニッサンノニオンS−1
0(日本油脂(株)製))等が挙げられ、オレイン酸型
の例としては、商品名イオネットMO−600(三洋化
成(株)製)、商品名イオネットDO−600(三洋化
成(株)製))等が挙げられる。ラウリン酸型界面活性
剤の例は各々商品名イオネットDL−200(三洋化成
(株)製)と商品名ニッサンノニオンL−4(日本油脂
(株)製)である。
【0010】界面活性剤の水に対する添加量は10〜1
00ppm、好ましくは20〜50ppmである。10
ppm未満ではシート状の未解繊物が残存するが、無機
繊維の損傷が著しくなる。また、100ppmを超えて
添加しても添加効果が向上することがなく、コストがか
さむだけである。また、この界面活性剤含有混合液中の
無機繊維は全体重量に対して0.5重量%未満であると
解繊に要する時間が長くなるという不具合があり、5.
0重量%を超えて用いると繊維の損傷が著しくなるとい
う好ましくない結果を生じるおそれがある。また、前記
の工程でのビーターのクリアランス1〜5mmは繊維
を損傷させずにしかも効果的に解繊すると言う理由で設
定されるもので、しかも、このビーター処理は30〜9
0分間行うと無機繊維間の接着力を破壊することができ
る。
【0011】
【作用】シート状の無機繊維を繊維状態に戻すには、無
機繊維間接着力を上回る物理的な力を加えれば良いが、
単に物理的な力を加えるだけでは繊維の損傷が著しく、
再利用し得るものは得られない。そこで、水および有
機溶剤により無機繊維紙の無機繊維間の接着力を化学的
に弱め、さらに、結合剤の溶解を促進するために界面
活性剤を添加し、物理的な力により繊維の損傷を少なく
するために、無機繊維の混合液中の重量濃度を希釈す
る。そしてビーター処理で接着力が弱まった無機繊維
の解繊を物理的な力により行う。前記〜の作業によ
り一応無機繊維を繊維状態にして回収することができる
が、溶出した結合剤および損傷したごく一部の繊維を系
外に排出するために遠心脱水機等により分離除去する。
また、この脱液処理のみで前記結合剤および損傷繊維の
排出が不充分な場合には清水で脱水した後の繊維を洗浄
すれば良い。
【0012】
【実施例】本発明の一実施例を説明する。本実施例で使
用した無機繊維紙はつぎのような手順で作製した。 (イ)セラミック繊維として、アルミナ・シリケート繊
維80重量部を用いた。当該アルミナ・シリケート繊維
はムライト質のアモルファス系繊維である化学組成Al
2347.3重量%、SiO252.3重量%のカオウ
ール(商標名)である。その繊維径は2.5〜3.5μ
mであり、繊維長は100mm以下、融点1760℃、
最高使用温度は1260℃、繊維比重は2.6である。 (ロ)ガラス繊維としてチョップドストランド(9μm
×13mm)である日本硝子繊維(株)製のRES13
GP10WG(商標名)を9.5重量部用い、さらに、
繊維径の細いガラス繊維として日本硝子繊維(株)製の
含アルカリガラス(径:0.7〜0.9μm)であるC
MLF208(商標名)を5.0重量部用いた。 (ハ)フィブリル化繊維は濾水度10ミリリットル以下
まで叩解したNパルプを0.5重量部用いた。 (ニ)本発明の実施例には感熱凝固型の結合剤として大
日本インキ化学(株)のウレタン系のボンディック15
10(商標名)を3.0重量部用いた。 (ホ)有機繊維としてアクリロニトリル塩化ビニル共重
合体繊維(直径:10〜20μm、長さ:10〜25m
m)である鐘ケ淵化学(株)製のカネカロンSNL(商
標名)を0.5重量部用いた。 通常の抄造法に従って、無機繊維紙を作製し、得られた
性状のおもなものは、次の通りである。シート厚みは
3.0mm、シート内部の剥離度合は良好であり、層間
強度は120g、表面にヒビ割れはなく、剛度は900
g、耐熱性も良好であった。
【0013】なお、物性の測定方法は次の通りである。 シート内部剥離:目視および剥離感応試験(これを定量
化するために層間強度を測定した。) 層間強度:JAPAN TAPPI法I(J.TAPP
INo.18) 剛度:JIS L1096 表面ひび割れ:目視判定 耐熱性:セラミック繊維紙(25cm×20cm)を1
000℃×100時間の加熱後の収縮率が2%未満のも
のを良好とした。 以上のように本発明の実施例のセラミック繊維紙は、シ
ート内部の剥離が発生せず、シート表面でのヒビ割れが
発生しない特徴を持っている。本実施例においてはセラ
ミック繊維としてアルミナ・シリケート繊維を用いた
が、その他のセラミック繊維を用いても同様な性能を持
つセラミック繊維紙が得られる。
【0014】次に、上記セラミック繊維紙の損紙を以下
に示す〜の工程で処理してセラミック繊維を再生し
た。 水95容量%、アセトン5容量%および界面活性剤で
あるポリエチレングリコールジステアリン酸エステル
(東邦化学(株)製のノニオンタイプのペグノールPD
S60G(商標名))を10ppm添加した混合液に液
比3:1(液3:繊維紙1)で1時間浸漬した。 その後、水でセラミック繊維が全体の重量に対して
2.5重量%となるように希釈した。 容量が8m3のビーターのクリアランスを3mmに設
定し、このビーターで前記の混合物を30分間処理し
た。 〜の処理が終了後、スラリー(セラミック繊維の
懸濁液)をビーターより抜き出し、1500rpm×5
分間で400メッシュのバケット付遠心脱水機により脱
水処理した。 清水洗浄処理はで脱水したものに清水を浸漬し、再
び脱水した。
【0015】上記〜の工程の処理を行ったセラミッ
ク繊維を前記未使用無機繊維からシート化した繊維と同
様の方法でシート化して、未使用の無機繊維シート、す
なわちバージン繊維によるシートと比較したところ、全
く同等の性能を示した。本実施例によれば、使用済みの
無機繊維紙から再生した無機繊維は損傷が極めて少ない
ので、バージン繊維と同様に使用することができ、省資
源となる。また、使用済み無機繊維紙を再使用可能にす
るための処理費用が軽微であり、従来廃棄処分されてい
た使用済み無機繊維紙からの再生無機繊維はバージン繊
維と代替できるので、ごみ公害の原因とならず、しかも
原料費が大幅に軽減できる効果がある。
【0016】
【発明の効果】本発明によれば、無機繊維紙は結合剤で
繊維間接着されているため、原料として再使用不可能と
考えられていた損紙が再利用できるようになり、製造コ
ストの削減、省資源が可能となり、しかも公害対策にも
なる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 無機繊維紙を水と親和性の良い有機溶剤
    を含む混合液に浸漬した後、界面活性剤を含む水で希釈
    して解繊し、脱液することで無機繊維を繊維状にして再
    生することを特徴とする無機繊維紙の再生方法。
  2. 【請求項2】 無機繊維紙を水と親和性の良い有機溶剤
    と界面活性剤を含む混合液に浸漬した後、水で希釈して
    解繊し、脱液することで無機繊維を繊維状にして再生す
    ることを特徴とする無機繊維紙の再生方法。
JP15004093A 1993-06-22 1993-06-22 無機繊維紙の再生方法 Pending JPH0711596A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006016717A (ja) * 2004-06-30 2006-01-19 Nippon Steel Corp 使用済みセラミックファイバーの再生方法
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