JPH07115675B2 - 推力偏向装置 - Google Patents

推力偏向装置

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JPH07115675B2
JPH07115675B2 JP31941891A JP31941891A JPH07115675B2 JP H07115675 B2 JPH07115675 B2 JP H07115675B2 JP 31941891 A JP31941891 A JP 31941891A JP 31941891 A JP31941891 A JP 31941891A JP H07115675 B2 JPH07115675 B2 JP H07115675B2
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ball
exhaust duct
socket
degrees
thrust
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JP31941891A
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野 秀 人 今
直 彦 宇田川
林 日出彦 小
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Subaru Corp
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Fuji Jukogyo KK
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ガス・ジェネレータ、
ロケット・モータ等を有する飛翔体に組み込まれ、エン
ジンの推力の方向を偏向する推力偏向装置に関する。
【0002】
【従来の技術】スイベル・ノズル方式の推力偏向装置と
して、円錐角内で可動の排気ノズルを有する形式のもの
は、たとえば、アメリカ特許第3759446号やアメ
リカ特許第3912172号に記載されている。
【0003】アメリカ特許第3759446号の推力偏
向装置は、二対の同心の球状合せ面を有し、一方の球状
合せ面をロケット・モータ側に設け、他方の球状合せ面
を排気ノズルに設け、排気ノズルをジンバル・リンク装
置によってピボット軸を中心として回動することにより
排気方向を偏向するようにしている。
【0004】アメリカ特許第3912172号の推力偏
向装置は、一対のボールとソケット型の継手によって取
り付けられたスイベル・ノズルを備え、このスイベル・
ノズルを継手を中心として回動するようにしたものであ
り、この場合、継手部に加圧潤滑装置を付設し、継手部
の摩擦力を軽減してスムーズな作動を行うようにしてい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ジンバル・リンク装置
を備えた推力偏向装置では、二対の同心の球状合せ面お
よびジンバル装置を必要とするので、構造が複雑になる
とともに、装置全体の重量が重くなりかつ容積がかさば
るため設置空間に制限がある。また、一方の球状合せ面
をロケット・モータ側に他方の球状合せ面を排気ノズル
に配置した場合に、二対の同心の球状合せ面の隙間が比
較的大きくなってしまうため、これら隙間からの排気ガ
スの漏洩を防止するためには、別に構成したシール装置
を設置する必要がある。
【0006】ボールとソケット型の継手を備えた推力偏
向装置では、高温にさらされ油潤滑などができない状態
で荷重を加えると、図6に示すように、排気力およびア
クチュエータの作動力により、ボールBに回転力R1の
ほかに軸方向の力R2が作用し、この軸方向の力R2が
大きくなると、ボールBの面がソケットSの面に楔効果
によって食い込み、摩擦力が著しく増加し、場合によっ
ては、噛み込んで作動しなくなってしまうことがある。
また、これを防止するには、ボールの直径に対するすべ
り面の幅を大きくするとともに、空気圧により加圧する
ような摩擦力低減装置を付設する必要があり、装置全体
の重量が重くなりかつ複雑なシステムとなってしまう。
【0007】本発明は上記した点に艦みてなされたもの
で、構造が簡単でかつ軽量で運転の信頼性の高い推力偏
向装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の推力偏向装置
は、燃料を燃焼させた高温、高圧のガスを排気して推力
を発生するエンジンの排気方向を偏向するため、静止側
排気ダクトの端部に設けた内面が球面状のソケットに、
可動側排気ダクトの端部に設けたボールを嵌合して連結
したスイベル機構により、前記可動側排気ダクトを揺動
して排気方向を偏向する推力偏向装置において、前記ス
イベル機構をセラミック材で形成するとともに、前記ボ
ールとソケットの嵌合面を前記静止側排気ダクトの中心
線上で、かつボール幅の略中央線上の点Pを中心とした
同心円の球面とし、前記ボールの半径をR、ボールの幅
をWとしたとき、Sin−1(W/2R)の角度を8度
から25度の範囲に設定したことを特徴とする。
【0009】
【作用】本発明の推力偏向装置においては、セラミック
ス材で形成したボールとソケットのかみ合い面を排気ダ
クトの中心線上の点を中心とした同心円の面とした機械
的結合により静止側排気ダクトと可動側排気ダクトをコ
ンパクトに結合することで、排気ダクトに対するボール
直径を小さく保つことができ、小型軽量化を図ることが
でき、ボールとソケットのすべり面の隙間を寸法公差、
熱膨張差および歪みを考慮して小さく設定することで、
ボールのソケットへの噛み込みを防ぐことができる。
【0010】
【実施例】以下本発明の一実施例を図面につき説明す
る。
【0011】図1において、符号1はガス・ジェネレー
タ、ロケット・モータ等を有する飛翔体の静止側排気ダ
クトを示し、この静止側排気ダクト1にスイベル機構2
を介して可動側排気ダクト3が取り付けられている。こ
の可動側排気ダクト3には周方向に90度の間隔を置い
て2つのアーム4が取り付けられている。これらアーム
4の先端部は軸5に枢着されている。この軸5の中心は
静止側排気ダクト1の中心線上の点Pを通る面F内にあ
るように設定されている。上記アーム4は、図示しない
リンク装置を介してアクチュエータに連結されており、
可動側排気ダクト3を任意の方向(ピッチおよびヨー方
向)に偏向できるようにしている。
【0012】上記スイベル機構2は、セラミックス材を
素材として成形されたボール6とソケット7を備え、ボ
ール6はナット8を介して可動側排気ダクト3に固定さ
れ、ソケット7はVバンドカップリング9を介して静止
側排気ダクト1に取り付けられている。上記セラミック
ス材としては、摩擦係数が低く、硬度が高くかつ高温特
性に優れたものが選定される。ボール6とソケット7の
噛み合い面(滑り面)は、排気ダクトの中心線上の点P
を中心とした同心円の面を有し、ソケット7の内径はボ
ール6の外径よりわずかに大きく設定され、噛み込むこ
となく滑り運動を行うようになっている。
【0013】すなわち、図2に示すように、ボール6の
外面は点Pを中心とした半径Rの面であり、ソケット7
の内面は点Pを中心とした半径R´の面であり、ボール
6とソケット7の噛み合い面は、排気ダクトの中心線上
の点Pを中心とした同心円の面である。ソケット7の内
径とボール6の外径との隙間(R´−R)は、排気ガス
により加熱されたときの熱膨張差および熱歪みおよび真
円度の製作誤差を考慮してできるだけ小さい値となるよ
うに決められる。ボール6とソケット7の噛み合い面に
は、必要に応じて耐熱性固体潤滑被膜が施され、摩擦力
が小さくなるようにすることが好ましい。上記ボール6
の幅Wは、所定位置にあるとき点Pを通る面に対して角
度α、すなわち、全体として角度2αをなすように設定
されている。
【0014】図3は、たて軸をスイベルノズルの軸受部
の重量、よこ軸を角度(α)としたダクト径Dを150
ミリとしたノズルに装着される本発明のスイベル機構と
従来のスイベル機構との比較を示す図であり、本発明の
スイベル機構では、スイベルノズルの軸受部分のボール
とソケットは、セラミックスで作られ、従来のスイベル
機構では、スイベルノズルの軸受部分のボールとソケッ
トは、耐熱金属で作られている。図3によれば、本発明
のスイベル機構では、角度α=Sin−1(W/2R)
が8度が強度や構造から限界であるのに対して、従来の
スイベル機構では、角度α=Sin−1(W/2R)が
37度が食い込みを考慮すると限界であり、角度αが3
7度以上では、重量が24Kg程度となる。
【0015】本発明のスイベルノズルの軸受部分は、ボ
ール6の幅をW、ボールの半径をRとしたとき、角度α
=Sin−1(W/2R)が8度から25度の範囲にな
るように設定される。この場合、ソケット7の内径R´
はボール6の外径Rよりわずかに大きく設定される。ソ
ケット7の幅W´はボール6の幅Wより狭くすることが
望ましい。このSin−1(W/2R)の角度の設定
は、ノズルの偏向角及びボール6とソケット7の間の楔
効果で摩擦力が著しく増加し、噛み込みが生じて動かな
くなることのないような値に決められる。
【0016】角度α=Sin−1(W/2R)を8度と
25度の間に設定したのは下記の理由による。 下限値8度について ボール6と可動側排気ダクト3の機械的結合は、図4に
示すように、可動側排気ダクト3の端部をボール6の内
壁に引っ掛けるような構造であり、この機械的結合部に
は、可動側排気ダクトに加わる排気力を支えるのに必要
な強度が要求される。機械的結合部としての構造を形成
し、かつ、必要な強度を持たせようとすると、最低限必
要な角度αは8度となる。また、楔効果による噛み込み
現象を防止するためには、推力偏向角<αに推力偏向角
が制限されるが、推力偏向可能角度範囲を小さくするこ
とはそれ程意味がないそこで、機械的結合部の構造、強
度による制限値として、角度α=8度を下限値とした。 上限値25度について 角度αの値を大きくすることは推力偏向可能角度範囲を
大きくすることと同意であり、この値を大きくすれば、
より推力偏向装置としての性能が向上することになる
が、図5に示すように、直径Dの可動側排気ダクト3に
対して本装置を設計しようとすると、角度αの値が大き
くなるとボール6の体積(ボールの重量)が極端に増加
することになる。ガス・ジェネレータ、ロケット・モー
タは、航空、宇宙機に搭載される推力源であり、これら
に搭載される装備品は、その重量に厳しい制約を受け
る。装備品に許される重量は、機体の規模や用途により
相違し、一般的に重量の上限値を定めることができない
が、図3の特性曲線に示すように、角度α>25度の範
囲で重量の増加率が高くなり、得られる推力偏向可能角
度の増加に対する増量増のデメリットが顕著に大きくな
る。推力偏向可能角度25度未満は、実用上も十分な大
きさであると言え、航空、宇宙機用装備品として重量軽
減が重要な設計課題となっていることから、角度α=2
5度を上限値とした。スイベル機構のボールとソケット
が、Sin−1(W/2R)の角度を8度から25度間
で、スイベル機構の重量は2〜3Kg程度である。
【0017】なお、ボール6と可動側排気ダクト3およ
びナット8の間には、排気熱の熱膨張差を逃がすよう
に、小さい隙間および勾配が設けられている。また、静
止側排気ダクト1の先端は、可動側排気ダクト3が作動
した場合でも、干渉しないよう、かつ、静止側排気ダク
ト1と可動側排気ダクト3の間の隙間を小さくして排気
の流れを乱さないように考慮されている。上記ボール6
の幅Wは、ボール6を所定位置に配置したとき、点Pを
通る面に対して角度αをなすように設定されている。こ
のボール6の幅Wは、ボール6とソケット7の間の楔効
果で摩擦力が著しく増加し、噛み込みが生じて動かなく
なることのないような値に決められる。
【0018】
【発明の効果】以上述べたように本発明によれば、ボー
ルとソケットをセラミックス材を素材としてダクトの中
心線上の点を中心とした同心円の面を有する形状とする
ことで、摩擦力が小さくかつ噛み込みが生じない球面滑
り部が形成されるので、複雑な構造のジンバルあるいは
摩擦低減装置を必要とせず、構造が簡単かつ小型軽量化
となり、また、球面滑り部の隙間を小さくできるので、
ガス漏れのシール装置が不要となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による推力偏向装置の一部を断面で示す
図。
【図2】本発明による推力偏向装置のボールとソケット
の関係を示す図。
【図3】本発明製品と従来製品との比較を示す図。
【図4】本発明による推力偏向装置のボールとソケット
の角度αを8度とした場合を示す図。
【図5】本発明による推力偏向装置のボールとソケット
の角度αを25度とした場合をを示す図。
【図6】従来の推力偏向装置におけるボールとソケット
の食い込みを示す図。
【符号の説明】
1 静止側排気ダクト 2 スイベル機構 3 可動側排気ダクト 4 アーム 6 ボール 7 ソケット

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】燃料を燃焼させた高温、高圧のガスを排気
    して推力を発生するエンジンの排気方向を偏向するた
    め、静止側排気ダクトの端部に設けた内面が球面状のソ
    ケットに、可動側排気ダクトの端部に設けたボールを嵌
    合して連結したスイベル機構により、前記可動側排気ダ
    クトを揺動して排気方向を偏向する推力偏向装置におい
    て、前記スイベル機構をセラミック材で形成するととも
    に、前記ボールとソケットの嵌合面を前記静止側排気ダ
    クトの中心線上で、かつボール幅の略中央線上の点Pを
    中心とした同心円の球面とし、前記ボールの半径をR、
    ボールの幅をWとしたとき、Sin−1(W/2R)の
    角度を8度から25度の範囲に設定したことを特徴とす
    る推力偏向装置。
JP31941891A 1991-12-03 1991-12-03 推力偏向装置 Expired - Lifetime JPH07115675B2 (ja)

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JP31941891A JPH07115675B2 (ja) 1991-12-03 1991-12-03 推力偏向装置

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JPH05155386A JPH05155386A (ja) 1993-06-22
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DE102014002732A1 (de) * 2014-03-03 2015-09-03 Airbus Ds Gmbh Vorrichtung zum Halten und Ausrichten einer Nutzkomponente, insbesondere einer Raumfahrkomponente

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