JPH07115067A - 熱処理方法及び熱処理装置 - Google Patents

熱処理方法及び熱処理装置

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JPH07115067A
JPH07115067A JP28039793A JP28039793A JPH07115067A JP H07115067 A JPH07115067 A JP H07115067A JP 28039793 A JP28039793 A JP 28039793A JP 28039793 A JP28039793 A JP 28039793A JP H07115067 A JPH07115067 A JP H07115067A
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剛 榑林
Osamu Suenaga
修 末永
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 リンを用いた熱処理プロセスにおいて、パー
ティクルの発生を低減すること。 【構成】 例えば縦型の反応管1内に、多数の半導体ウ
エハを棚状に保持させたウエハボート3をロードして蓋
部2により反応管1の下端開口部を塞ぐ熱処理装置にお
いて、蓋部21に加熱手段21を設けて蓋部21の内面
を五酸化リンの析出が抑えられる温度以上に加熱する。
即ちパーティクルの発生源が従来不明であったが、本発
明ではリンの拡散処理時においてP2 5 が析出し、こ
れがアンロード時にH3 PO4 となって飛散するメカニ
ズムを解明したので、従来P2 5の析出温度以下のポ
イントになっていた蓋部21を加熱して析出を防止する
ようにした。また排気口を蓋部21から遠ざけて蓋部2
1への処理ガスの接触を少なくするようにしてもよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、熱処理方法及び熱処理
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体製造プロセスの中で、ドーピング
成分を拡散した薄膜を得る工程がある。このような工程
は例えば拡散炉と呼ばれる熱処理装置によって行われ、
不純物の拡散源の違いから固体ソース、液体ソース、ガ
スソースなどが使い分けられている。例えばシリコン膜
に対してリンを高濃度で拡散する場合オキシ塩化リン
(POCl3 )の液体拡散源が用いられており、このプ
ロセスは縦型炉を用いた場合次のようにして行われる。
【0003】即ち多数枚のウエハを、石英よりなるウエ
ハボートに間隔をおいて棚状に載置すると共に、このウ
エハボートを石英よりなる反応管内に搬入搬出機構によ
り搬入する。次いで反応管内を例えば900〜1200
℃の加熱雰囲気にすると共に、オキシ塩化リン(POC
3 )溶液中を窒素(N2 )ガスでバブリングし、更に
酸素ガスと混合した処理ガスを反応管内に供給してウエ
ハ上のシリコン膜内にリンを熱拡散し、その後反応管内
を不活性ガスにより置換し、ウエハボートを搬出してい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで上述のリン拡
散プロセスを行うと、ウエハのアンロード時(熱処理後
にウエハボートを反応管内から搬出する時)にかなりの
量のパーティクルが発生するという問題がある。このパ
ーティクルはパーティクルカウンタで確認されており、
リンを含む反応生成物であるといわれているが、この反
応生成物の実体は分かっていない。しかしながら何ら手
段を講じなければリンを含む物質がクリーンルーム内に
飛散し、ウエハの汚染を引き起こすと共に、人体へ悪影
響を及ぼす他、反応管の下方側のローディング室などと
呼ばれる、ウエハボートの搬出入やウエハボートに対し
てウエハの移載を行う領域において金属腐食も懸念され
ている。
【0005】そこで例えばローディング室を区画して局
所的に排気するシステムを用いているが、上述のパーテ
ィクルを全部排気できるわけではないので、排気しない
場合に比べてパーティクルの量は低減するものの、排気
されない残存分がクリーンルーム内に飛散するのでやは
り同様の問題が残る。ここにデバイスのパターン幅が微
細化してパーティクルの許容量が一段と厳しいものにな
っているため、リン拡散プロセスに伴うパーティクルの
飛散に対する対策が要請されているが、決定的な解決手
段が見出されていないのが現状である。
【0006】本発明は、このような事情のもとになされ
たものであり、その目的は、リンを用いた熱処理プロセ
スにおいてパーティクルの発生を低減することのできる
熱処理方法及び熱処理装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、多数
の被処理体を保持具に保持させて反応管内に開口部から
搬入すると共に当該開口部を蓋部により塞ぎ、反応管内
に加熱雰囲気下でリンと酸素とを含む処理ガスを供給し
て熱処理を行う方法において、熱処理時に少なくとも前
記蓋部の内面を五酸化リンの析出が抑えられる温度以上
の温度に加熱することを特徴とする。
【0008】請求項2の発明は、多数の被処理体を保持
具に保持させて反応管内に開口部から搬入すると共に当
該開口部を蓋部により塞ぎ、反応管内に加熱雰囲気下で
リンと酸素とを含む処理ガスを供給して熱処理を行う装
置において、前記蓋部に、熱処理時に当該蓋部を加熱す
るための加熱手段を設けたことを特徴とする。
【0009】請求項3の発明は、多数の被処理体を保持
具に保持させて反応管内に開口部から搬入すると共に当
該開口部を蓋部により塞ぎ、反応管内に加熱雰囲気下で
リンと酸素とを含む処理ガスを供給して熱処理を行う装
置において、前記反応管内を排気するための排気口を前
記蓋部から遠ざけた位置に設けたことを特徴とする。
【0010】請求項4の発明は、多数の被処理体を保持
具に保持させて反応管内に開口部から搬入すると共に当
該開口部を蓋部により塞ぎ、反応管内に加熱雰囲気下で
リンと酸素とを含む処理ガスを供給して熱処理を行う装
置において、熱処理後に前記蓋部を冷却するための冷却
手段を設けたことを特徴とする。
【0011】
【作用】本発明者の実験によると、例えばオキシ塩化リ
ン(POCl3 )と酸素とを反応管内に導入するとこれ
らが反応してP2 5 を生成して固体として析出し、こ
の固体が被処理体の搬出時に大気中の水分と反応してリ
ン酸を生成し、このリン酸がミストとなって飛散するこ
とが分かった。そこで熱処理時に反応管の雰囲気に露出
する個所が、P2 5 が固体として析出する温度、つま
りP2 5 の昇華点360℃以下にならないようにする
ことによりミストの発生を防止でき、請求項1の発明の
ように、加熱部から離れた位置にある、少なくとも蓋部
の内面については上記の温度以上とすることにより、例
えば請求項2の発明のように蓋部に加熱手段を設けるこ
とによりパーティクルの発生を大幅に低減できる。
【0012】また蓋部の温度が360℃以上であって
も、請求項3の発明のように蓋部から離れた位置に排気
口を設けることにより蓋部におけるP2 5 の析出量が
少なくなるのでパーティクルの発生を抑えることができ
る。このような手段の他に、蓋部にP2 5 が固体とし
て析出しても、被処理体の搬出時にミストになって飛散
しない温度以下まで冷却するように蓋部を冷却しておけ
ば(請求項4の発明)、やはりパーティクルの発生を抑
えることができる。
【0013】
【実施例】以下本発明の実施例について説明する。
【0014】図1は本発明の実施例に係る、リン拡散を
行うための縦型熱処理装置であり、同図において1は石
英ガラスにより円筒状に形成され、その軸方向を垂直方
向にすることにより縦型熱処理部を構成する反応管であ
る。この反応管1の下端には、容器内を気密に保持する
ように、蓋部2がOリング11を介して着脱自在に配設
される。
【0015】前記反応管1内には、前記蓋部2上に回転
軸51を介して保温筒4が設けられると共に、この保温
筒4の上には、耐熱材例えば石英からなり被処理体保持
具であるウエハボート3が載置されており、このウエハ
ボート3には被処理体例えば半導体ウエハWが予め定め
られた間隔で複数例えば150枚収納されている。
【0016】前記蓋部2には、図2の拡大図に示すよう
に、その内部に当該蓋部2を加熱するための例えば抵抗
発熱体からなる加熱手段21と、蓋部2の温度を測定す
るための例えば熱電対からなる温度検出手段22とが設
けられており、これらは制御部23に電気的に接続され
ている。
【0017】また蓋部2の下部にはウエハボート3を回
転させるための前記回転軸51に接続された回転機構5
2及びウエハボート3を上下方向に移動させるためのボ
ートエレベータが配設されている。
【0018】前記反応管1の下部側壁には容器壁から外
側に突出する突出筒部6aが一体に形成され、この突出
筒部6a内には石英ガラスからなる細管状のインジェク
タ6が挿入されている。このインジェクタ6の一端側
(反応管1の内端側)はL字型に屈曲してウエハボート
3の上端より若干上方まで垂直に伸び、さらにそこでU
字状に屈曲してウエハボート3の下端付近まで真っ直ぐ
に伸びており、下に向って伸びている管路部分には、多
数のガス噴出孔(図示せず)が上下方向に所定の間隔で
かつ各ウエハWの設置位置に対応する位置に形成されて
いる。即ちインジェクタ6はウエハプロセス面に沿った
方向にガスを噴射する。
【0019】前記インジェクタ6の他端部には、キャリ
アガス例えば窒素(N2 )ガス及び酸素(O2 )ガスを
夫々導入するための第1のガス導入管7a及び第2のガ
ス導入管7bと、オキシ塩化リン(POCl3 )を導入
するための第3のガス導入管7cとが各々分岐して接続
されており、POCl3 は容器7dに液体の状態で貯留
されていて、この中にN2 ガスを通すことにより蒸気と
なって当該N2 ガスと共に第3のガス導入管7c内に導
かれる。
【0020】前記反応管1の周囲には通常700〜12
00℃程度まで容器を加熱してリン拡散を行うためにヒ
ータ10例えば抵抗加熱ヒータが設けられると共に、反
応管1の下部には排気管12が設けられ、この排気管1
2より反応管1内に導入した処理ガスを排気するように
している。
【0021】次に上述実施例の作用について説明する。
先ず、ヒータ10により反応管1内の被処理領域を例え
ば900℃の均熱加熱状態とする。次いで例えば150
枚の半導体ウエハWを搭載したウエハボート3をボート
エレベータ53により反応管1内にロードし、加熱手段
21より蓋部2を五酸化リン(P2 5 )が析出しない
温度例えばP2 5 の昇華点である360℃以上に加熱
する。ここで温度検出手段22により蓋部2の温度を検
出してその検出温度を制御部23に導き蓋部2の温度を
予め設定した温度になるように制御部23により加熱手
段21を制御する。続いて反応管1内を予め定められた
真空度に排気した後、第1のガス導入管7aからN2
スを流量例えば10SLMで、また第2のガス導入管7
bからO2 ガスを流量例えば1SLMで夫々インジェク
タ6に導入すると共に、容器7dにN2 ガスを流量例え
ば1SLMで通流して、N2 ガス中にPOCl3 の蒸気
を含んだドープ用混合ガスを第3のガス導入管7cに供
給することにより、POCl3 を例えば300mg/分
の割合でインジェクタ6に導入し、こうしてキャリアガ
スであるN2 ガス及びO2 ガスとドープ用混合ガスとを
含む処理ガスをインジェクタ6の噴出孔から各半導体ウ
エハWの例えばポリシリコン層に供給し、このポリシリ
コン層内にリンを拡散する。その後例えば被処理領域を
例えば900℃の均熱加熱状態としたまま半導体ウエハ
Wに対してアニール処理を行う。
【0022】次に上述の実施例のような構成を採用する
に至った経緯について説明する。即ち本発明者は後述の
ように種々の実験を行った結果、POCl3 を用いてリ
ン拡散を行う場合、ウエハのアンロード時におけるパー
ティクルの主たる発生源が蓋部であることを突き止める
と共に、パーティクルの発生のメカニズムについてはP
OCl3 と酸素とが反応してP2 5 を生成し、このP
2 5 の昇華点以下のポイントでP2 5 が固体として
析出し、ウエハのアンロード時にこのP2 5が大気中
の水分と反応してH3 PO4 となり、H3 PO4 が沸点
以下に降温する前にミストとなって飛散するであろうと
いう結論に達した。
【0023】従って上述のように蓋部に加熱手段を設け
て、処理ガスが供給されている間は当該蓋部を360℃
以上の温度に加熱しておけば、蓋部におけるP2 5
析出が理論上では起こらず、従って実際上では起こった
としてもその析出量は極めて少ないと考えられる。そし
て保温筒の下端部付近においてヒータから離れているた
め温度が360℃以下になっているポイントがあったと
しても後述の実験結果からわかるようにその領域は微小
であり、この結果H3 PO4 のミスト源は極めて微量と
なるので、アンロード時のパーティクルの発生が極力抑
えられる。
【0024】次にウエハのアンロード時におけるパーテ
ィクルの発生源及び発生メカニズムの解明のために行っ
た試験について説明する。先ずパーティクルの発生現象
を把握するために、リンミストの発生量とアンロード温
度及び処理回数との関係について調査した。
【0025】即ち、炉内温度900℃、N2 ガス流量1
8SLM、O2 ガス流量500SCCM、POCl3
量200mg/min、処理時間30分の条件の下で拡
散処理を行い、100mm/minの速度でアンロード
させた場合において、アンロード温度を夫々900℃、
800℃、700℃に設定した時のリンミストの発生量
を測定した。測定は図3に示すように、ウエハボート3
及び保温筒4の外周囲に筒状体81を配設してリンミス
トを補集し、この筒状体の数箇所に接続したレーザーパ
ーティクルカウンタ82によりミスト量を1分間カウン
トし、これを15秒間隔で15回行った(以下この測定
方法を多点モニタリングシステムという)。
【0026】この時の反応管内の時間と温度との関係を
図4に示すが、ここで図中はロード工程、は昇温工
程、は温度安定工程、はリン拡散工程、はアニー
ル工程、は降温工程、はリンミスト発生量の測定工
程をそれぞれ示している。また拡散処理はウエハを交換
して3回行い、4回めは拡散条件をN2 ガスのみを18
SLMの流量で供給した場合(以下N2 シーケンスとい
う)に変えて行い、それぞれの場合のリンミスト発生量
を測定した。この結果を図5に示す。
【0027】この結果より、リンミスト発生量は処理回
数を重ねるごとに増大し、アンロード温度が低い程少な
いことが確認された。また拡散処理はウエハを交換して
行っていたこと、及びリンミスト発生量は処理回数に比
例して増大していたことから、リンミストの発生源はウ
エハではないことが推察される。
【0028】次に上述の結果を再確認するために、アン
ロード温度を変えてN2 シーケンス処理を連続して行
い、リンミスト発生量の変化を調査した。この時の反応
管内の時間と温度との関係を図6に示す。ここで図中
はウエハ以外のものに対して行った拡散処理工程、は
アンロード工程、はウエハの拡散処理工程、はN2
シーケンス工程、はアンロード温度900℃時のリン
ミスト量測定工程、はアンロード温度800℃時のリ
ンミスト量測定工程、はアンロード温度700℃時の
リンミスト量測定工程、は再びアンロード温度を90
0℃にした時のリンミスト量測定工程をそれぞれ示して
いる。測定は多点モニタリングシステムにて行った。こ
の結果は図7に示すが、これより上述の実験結果と同様
に、リンミスト発生量はアンロード温度に依存すること
が確認された。
【0029】次にリンミストの発生源を確認するために
以下の実験を行った。即ち、炉内温度900℃、処理時
間30分の条件で拡散処理を3回行った後、図8に示す
フローチャートに従ってウエハボート、保温筒、蓋部か
らなる石英製部品を、部品ごとに、洗浄するかまたは洗
浄した部品(洗浄品)に交換し、N2 シーケンス処理
後、多点モニタリングシステムにてリンミストの発生量
を測定した。アンロード温度はリンミスト発生量の増減
傾向を確認するため、発生量の多い900℃とした。な
おフローチャート中汚染品とは、拡散処理に使用し、洗
浄していない部品をいう。この結果を図9に示す。この
結果より蓋部を洗浄品に交換した場合のリンミスト発生
量が極端に少いことから、リンミスト発生源は蓋部と確
認された。
【0030】以上の実験結果、即ちリンミスト発生量は
温度に依存し、リンミスト発生源は蓋部であるという結
果から、本発明者らはリンミストの発生は、反応管内の
温度に関係していると推察し、リンミスト発生メカニズ
ムを以下のように仮定した。
【0031】反応管内のPOCl3 とO2 とが反応
し、次式のようにP2 5 を生成する。 4POCl3 +3O2 →2P2 5 +6Cl2 …(1) P2 5 の昇華点は360℃であることから、反応管
内の360℃以下の場所即ち蓋部に固体として析出す
る。 P2 5 (g)→P2 5 (s) …(2) P2 5 はアンロード時に大気中の水分と反応し、オ
ルトリン酸(H3 PO4 )を生成する。 P2 5 +3H2 O→2H3 PO4 …(3) H3 PO4 の沸点は261℃であることから、蓋部が
261℃まで降温すると核凝縮を生じてミストとなり飛
散する。 H3 PO4 (g)→H3 PO4 (l) …(4) このメカニズムを裏付けるために、図10に示すよう
に、保温筒の頂部A、中央部B、底部C及び蓋部Dの各
部分の温度を、炉内温度700℃、800℃、900
℃、1000℃にて拡散処理を行った場合について測定
した。結果は図11に示す。尚図中○は炉内温度700
℃、△は800℃、□は900℃、●は1000℃を示
している。
【0032】この結果より炉内温度900℃で拡散処理
を行った場合は、測定ポイントD即ち蓋部のみがP2
5 の昇華点以下かつH3 PO4 の沸点以上の範囲内にあ
ることが確認され、上述のリンミスト発生メカニズムの
正当性が裏付けられた。
【0033】以上の実験よりリンミストは反応管内のP
2 5 の昇華点以下の場所即ち蓋部から発生することが
確認されたが、次に炉内温度900℃で拡散処理を行う
場合の温度安定時間とリンミスト発生量との関係を、図
4に示す昇温工程()後の温度安定時間()に対す
る蓋部の温度変化を測定すると共に、温度安定時間に対
するリンミスト発生量を測定することにより確認した。
【0034】図12は温度安定時間と蓋部の温度との関
係、図13は温度安定時間とリンミスト発生量との関係
を示す図である。この結果より、従来の拡散処理で設定
されていた15分という温度安定時間では、蓋部の温度
が300℃付近で拡散処理が始っており、この温度安定
時間ではリンミスト発生量が多いことが確認され、リン
ミスト発生量を低減するには温度安定時間として50分
程度必要であることが認められた。また蓋部にP2 5
が吸着した後蓋部の温度を360℃以上に加熱してもP
2 5 の離脱は認められず、拡散処理から360℃にな
るまでの時間差がP2 5 の吸着量に影響し、リンミス
ト発生量を決定していることが確認された。
【0035】次に拡散処理時の炉内温度を変化させた場
合のリンミスト発生量の変化についても測定を行った。
ここで温度安定時間は50分とし、拡散処理を3回連続
して行った後のリンミスト発生量を測定した。炉内温度
と蓋部の温度との関係を図14に、また炉内温度とリン
ミスト発生量との関係を図15にそれぞれ示す。尚図1
4中△は温度安定時間50分、○は80分の場合を示し
ている。この結果より温度安定時間50分の場合には蓋
部の温度が360℃以上になる炉内温度は890℃以上
であり、また炉内温度880℃の場合にリンミスト発生
量は増大し、890℃では極端に減少することが確認さ
れ、蓋部の温度が360℃以上であればリンミスト発生
量は抑えられることが認められた。
【0036】最後に従来の拡散処理条件即ち温度安定時
間を15分とし、蓋部の温度を360℃以下として拡散
処理を行った場合(A)と、温度安定時間を50分と
し、蓋部の温度を360℃以上として拡散処理を行った
場合(B)について、アンロード時の反応管内の雰囲気
をインピンジャーに補集し純水に溶解して、イオンクロ
マトグラフィーにより、各雰囲気に含まれるイオンを分
析した。
【0037】この結果を図16に示すが、図中AでRe
tention Time15分付近に見られるPO4
3-のピークはBでは見られず、またPO4 3-の含有量も
Aの121.23ngに対し、Bでは7.060ngと
極端に少いことが確認された。
【0038】以上の実験経緯により、本発明者らは、リ
ンミスト発生メカニズムを解明し、反応管内にP2 5
の昇華点即ち360℃以下の場所がなければリンミスト
発生を抑えられることに注目し、上述の実施例の構造を
採用した。
【0039】従って本実施例の熱処理装置では、蓋部に
加熱手段を設け、拡散処理時に蓋部をP2 5 の昇華点
以上の温度に加熱しているので、P2 5 の析出が抑え
られ、従ってH3 PO4 の生成量も極めて少くなること
から、パーティクルの発生を低減することができる。
【0040】次に本発明の第2実施例について説明す
る。本実施例は、上述の第1実施例において蓋部2に加
熱手段21を設ける代わりに、図17に示すように、反
応管1の上部に排気ポンプ92に接続される排気口91
を形成して熱処理装置を構成している。
【0041】このような構成の熱処理装置では、熱処理
後に、N2 ガス及びO2 ガスからなるキャリアガスと、
2 ガス中にPOCl3 の蒸気を含んだドープ用ガス
を、排気ポンプ92により排気口91を介して反応管1
外へ排気するが、排気口91は蓋部2から離れた位置に
設けられているため、蓋部2付近のPOCl3 の濃度は
低くなる。従って蓋部2の温度が360℃以下であった
としても、蓋部2に析出するP2 5 の量が少くなるた
め、結果としてパーティクルの発生を抑えることができ
る。
【0042】次に本発明の第3実施例について説明す
る。本実施例は、上述の第1実施例において蓋部2に加
熱手段21を設ける代わりに、図18に示すように、反
応管1の下部に蓋部2を冷却するために、例えば不活性
ガスを蓋部2に吹き付けるための冷却ガス吹き付け管よ
りなる冷却手段93を配設したことを特徴とする。
【0043】このような構成では、熱処理後例えば蓋部
2を開く前に冷却手段93により蓋部2を冷却するが、
ここで蓋部2をP2 5 と水分との反応生成物であるH
3 PO4 の沸点即ち261℃以下に早く降温することに
より、蓋部2にP2 5 が析出してもH3 PO4 がミス
トとなって飛散する温度域を早く通過するので、パーテ
ィクルの発生が抑えられる。
【0044】以上において、本発明では、第1〜第3の
実施例を組み合わせてもよい。またリンを含むガスとし
てはPOCl3 に限定されるものではないし、被処理体
としてはウエハに限らずLCD基板であってもよい。
【0045】
【発明の効果】本発明によれば、リンと酸素とを含む処
理ガスを用いて被処理体に対して熱処理を行うにあたっ
て、被処理体の搬出時に発生するパーティクルの成分を
解明し、請求項1及び請求項2の発明では、加熱部から
離れた蓋部について熱処理時の温度を五酸化リンの析出
が抑えられる温度以上にしているためパーティクルの発
生が抑えられる。
【0046】また請求項3の発明では、蓋部から遠ざけ
た位置に排気口を設けているので蓋部に接触する処理ガ
スの量が少なくなるので、五酸化リンの析出が抑えられ
る。そしてまた請求項4の発明では熱処理後に蓋部を冷
却するので、五酸化リンと水分との反応生成物であるリ
ン酸が飛散する温度以下に蓋部を早く降温でき、このた
めパーティクルの発生が抑えられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の熱処理装置の一例を示す断面図であ
る。
【図2】本発明の熱処理装置の一部分を示す拡大断面図
である。
【図3】本発明を導くために行なった実験に用いた装置
を示す斜視図である。
【図4】実験方法を説明する説明図である。
【図5】実験結果を示すグラフである。
【図6】実験方法を説明する説明図である。
【図7】実験結果を示すグラフである。
【図8】実験方法を説明するフロ−チャ−トである。
【図9】実験結果を示すグラフである。
【図10】実験方法を説明する説明図である。
【図11】実験結果を示すグラフである。
【図12】実験結果を示すグラフである。
【図13】実験結果を示すグラフである。
【図14】実験結果を示すグラフである。
【図15】実験結果を示すグラフである。
【図16】実験結果を示すグラフである。
【図17】本発明の熱処理装置の他の例を示す断面図で
ある。
【図18】本発明の熱処理装置の他の例の一部を示す断
面図である。
【符号の説明】
1 反応管 2 蓋部 21 加熱手段 3 ウエハボ−ト 4 保温塔 6 インジェクタ 91 排気口 92 排気ポンプ 93 冷却手段

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多数の被処理体を保持具に保持させて反
    応管内に開口部から搬入すると共に当該開口部を蓋部に
    より塞ぎ、反応管内に加熱雰囲気下でリンと酸素とを含
    む処理ガスを供給して熱処理を行う方法において、 熱処理時に少なくとも前記蓋部の内面を五酸化リンの析
    出が抑えられる温度以上の温度に加熱することを特徴と
    する熱処理方法。
  2. 【請求項2】 多数の被処理体を保持具に保持させて反
    応管内に開口部から搬入すると共に当該開口部を蓋部に
    より塞ぎ、反応管内に加熱雰囲気下でリンと酸素とを含
    む処理ガスを供給して熱処理を行う装置において、 前記蓋部に、熱処理時に当該蓋部を加熱するための加熱
    手段を設けたことを特徴とする熱処理装置。
  3. 【請求項3】 多数の被処理体を保持具に保持させて反
    応管内に開口部から搬入すると共に当該開口部を蓋部に
    より塞ぎ、反応管内に加熱雰囲気下でリンと酸素とを含
    む処理ガスを供給して熱処理を行う装置において、 前記反応管内を排気するための排気口を前記蓋部から遠
    ざけた位置に設けたことを特徴とする熱処理装置。
  4. 【請求項4】 多数の被処理体を保持具に保持させて反
    応管内に開口部から搬入すると共に当該開口部を蓋部に
    より塞ぎ、反応管内に加熱雰囲気下でリンと酸素とを含
    む処理ガスを供給して熱処理を行う装置において、 熱処理後に前記蓋部を冷却するための冷却手段を設けた
    ことを特徴とする熱処理装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR20200009308A (ko) * 2018-07-18 2020-01-30 가천대학교 산학협력단 산소 가스가 제어된 하소 조건에서 니켈 페로브스카이트 복합 산화물 분말의 제조 방법 및 장치
CN112262462A (zh) * 2018-07-11 2021-01-22 Lot Ces有限公司 具有有害气体处理器的配管装置、其设计方法及包括其的有害气体处理设备

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KR20200009308A (ko) * 2018-07-18 2020-01-30 가천대학교 산학협력단 산소 가스가 제어된 하소 조건에서 니켈 페로브스카이트 복합 산화물 분말의 제조 방법 및 장치

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