JPH07114936B2 - テトラブロムビスフェノールaのポリエステルを基材とした半透膜 - Google Patents

テトラブロムビスフェノールaのポリエステルを基材とした半透膜

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JPH07114936B2
JPH07114936B2 JP3055778A JP5577891A JPH07114936B2 JP H07114936 B2 JPH07114936 B2 JP H07114936B2 JP 3055778 A JP3055778 A JP 3055778A JP 5577891 A JP5577891 A JP 5577891A JP H07114936 B2 JPH07114936 B2 JP H07114936B2
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    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01DSEPARATION
    • B01D71/00Semi-permeable membranes for separation processes or apparatus characterised by the material; Manufacturing processes specially adapted therefor
    • B01D71/06Organic material
    • B01D71/48Polyesters
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08GMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED OTHERWISE THAN BY REACTIONS ONLY INVOLVING UNSATURATED CARBON-TO-CARBON BONDS
    • C08G63/00Macromolecular compounds obtained by reactions forming a carboxylic ester link in the main chain of the macromolecule
    • C08G63/68Polyesters containing atoms other than carbon, hydrogen and oxygen
    • C08G63/682Polyesters containing atoms other than carbon, hydrogen and oxygen containing halogens
    • C08G63/6824Polyesters containing atoms other than carbon, hydrogen and oxygen containing halogens derived from polycarboxylic acids and polyhydroxy compounds
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、ポリエステルの主要
素を成す中核成分としてのある種の芳香族ジカルボン酸
及びテトラブロムビスフェノールAのポリエステルの半
透膜に関する。この発明はまた、該半透膜を用いた、少
なくとも1種の成分を他の成分との混和状で含有する流
体混合物からの該成分の選択的透過方法、特に気体分離
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】液体又は気体のいずれかの流体混合物の
ある成分を選択的に透過することのできる透析膜は、当
技術分野において、流体分離を達成するための便利で、
可能性として非常に有利な手段であるとみなされてい
る。実用上の商業的な操作のためには、透析膜は流体供
給流中に含有される気体又は液体の許容できる程度の選
択性即ち分離を達成しながら、それと同時に、成分分離
の望ましく高い生産性即ち速度を達成することができな
ければならない。様々な流体分離を実施するために種々
のタイプの透析膜又は半透膜が当技術分野において知ら
れている。このような膜は、等方性、均質、複合又は不
均整のタイプのものに分類されており、それらの構造は
当業者に周知である。透析膜及び半透膜の有利さがます
ます認められてくるにつれて、性能についての要求も同
様に増してきており、より多くの用途のための新たな膜
を見出すことへの願いも大きくなり続けている。これら
の要求の結果、当技術分野は、分離即ち選択性や、膜の
特性、透過速度即ち生産性、達成可能な分離を犠牲にす
ることなく望まれる透過能力特性を有する非常に薄い膜
の方向に動いている。
【0003】従来、透析膜は広範な材料、例えば天然及
び合成ポリマー(例えばゴム、ポリシロキサン、ポリア
ミン、臭素化ポリフェニレンオキシド、セルロースアセ
テート、エチルセルロース、ポリエチレン、ポリプロピ
レン、ポリブタジエン、ポリイソプレン、ポリスチレ
ン、ポリビニル類、ポリエステル類、ポリイミド類、ポ
リアミド類、ポリカーボネート類)並びに他の多くの材
料から作られていることが知られている。ポリマー膜に
よって通常分離される種々の気体のうちのいくつかのも
のの公表されている直径を次の表に示す。
【表1】 酸素及び窒素の場合、寸法差がやや小さく、従って酸素
から窒素を分離するために商業的に用いられているほと
んどのポリマー膜は、例えば酸素のような気体流が膜を
透過しにくい分子構造を持つ。この理由で、分離を経済
的に実行できるものにするためには、これらのポリマー
膜は極めて薄い、一般的には約200〜約10000Å
の厚さ、好ましくは2000Åより薄い必要がある。膜
がより薄ければ、透過物が膜を通過する移動がより早く
なる。
【0004】どの程度に薄い複合膜の被覆又は不均整膜
フィルムを作ることができるかということは、技術及び
物理的要因に制限され、しかして所望の気体混合物を分
離する能力を大きく犠牲にすることなくより大きい透過
速度を持つ新規の膜ポリマーを開発することが有利であ
ろう。しかしながら、文献{例えば「ポリマー・ハンド
ブック(Polymer Handbook)」、第2
版、ジョン・ウィリー・アンド・サンズ(John W
iley & Sons)出版、1975年}中の多数
の気体透過係数及び気体分離データは一般的に、ポリマ
ーの構造を変えることによって酸素のような気体の透過
性を増大させると、ポリマーの分離特性、即ち酸素を窒
素から分離する能力が低下することを示している。デー
タは、また、現行の技術の実態によれば、ある類のポリ
マー、例えばポリエステル又はポリカーボネートの膜に
おいては、所定の構造特徴を一定に残したままでその化
学構造に幾分小規模な変化をもたらしただけの場合でさ
え、気体透過速度や気体選択性を予測するのは実際可能
でないということをも示す。文献にはまた、膜自体にお
ける違い(即ち膜の構造が等方性であるか、不均整であ
るか又は複合であるかということ)並びに膜の厚さも、
透過速度及び選択性に著しい影響を与え得ることが示さ
れている。文献から引き出される推論は、多くの膜特許
においては、1種類以上のポリマーの基礎ポリマー構造
に多数の任意の変化を含ませているので、研究されてい
ない別の構造の有用性を予測するのには充分でないとい
うことである。気体分離プロセスにおいて用いるのに適
した膜の化学的及び物理的構造の両方を規定するために
は注意深く考慮する必要があるということは明らかであ
る。
【0005】気体透過性に影響を与える要因の多くは2
0年以上の間に大部分知られるようになったが、しか
し、特定のポリマー膜におけるこれらの要因が組み合わ
された場合のその大きさを定量的に予測することも、そ
の方向性を予測することさえも、今日まで成功していな
い。1950年代及び1960年代の研究者達は、ポリ
マー鎖間の引力、充填密度、ポリマー鎖における単結合
のまわりの回転、及びポリマー鎖が相対的に剛性である
(芳香族構造)か可撓性である(脂肪族構造)かという
ことが気体透過性に影響することを知っていた。気体透
過性と気体分離即ち選択性の最適な組合せを得るための
試みで、ビスフェノールAポリカーボネートのような剛
性の高芳香族ポリマー構造が試験されている。例えば、
酸素/窒素についての気体選択性の高い値が得られた
が、しかしこれは充分に高い気体透過性を併有せず、よ
り高い気体透過性を達成しようとする要求が続いてき
た。
【0006】ピラト(Pilato)らによる1975年8月
の刊行物{「Amer. Chem. Soc. Div. Poym. Chem., Pol
ym., Prepr. 」16(2)(1975年)41−46
頁}には、本発明の範囲内でない所定のビスフェノール
−フタレートポリエステルを含むポリスルホン、ポリカ
ーボネート、ポリエステルような剛性芳香族ポリマー構
造を改質して、ヘリウム/メタン及び二酸化炭素/メタ
ン分離を有意に低下させることなく気体透過速度を増大
させることが可能であることが示されている。ピラトら
によるより多くのデータは、気体フラックスを増大させ
ようと試みてテトライソプロピルビスフェノールA又は
テトラメチルビスフェノールL(リモネン+ジメチルフ
ェノールを基材とする)をこれらのポリマーに添加した
ら、気体選択性が低下するという結果になったというこ
とを示している。従って、剛性ポリマー系においてさ
え、ポリマー・ハンドブックに記載されている一般的な
傾向を保持する、即ち気体透過性を高めると気体選択性
の低下が引き起こされるということは明らかである。こ
の研究及び上記の他の刊行物に基づけば、より高い透過
性を達成し且つ依然として高い気体選択性を保つために
はさらに努力が必要であったことは明らかである。
【0007】1975年8月にはまた、別の異常に広い
開示である米国特許第3899309号(1980年7
月29日付けの再発行特許第30351号)もあり、こ
れには、高芳香族ポリイミド、ポリアミド及びポリエス
テルが記載されている。この特許では、主鎖の非線状
性、高芳香族構造、気体透過性の増大に至る主鎖単結合
のまわりの自由回転の防止を組み合わせることを必要と
する。その開示は広過ぎて、どの特定の構造がより望ま
しい気体透過性及び選択性をもたらすかを、当業者が膨
大な研究や実験をすることなく決定するのを可能にする
ように適切に又は充分に教えていない。米国特許第38
99309号(1975年8月12日付けで発行)の再
発行である、H. H. ホーン(Hoehn)らが1976年5月
18日に出願した米国再発行特許第30351号(19
80年7月29日付けで再発行)には、芳香族ポリイミ
ド、ポリエステル、ポリアミドの分離膜が広く開示され
ている。これらの特許に広く記載されて特許請求されて
いる発明は、ポリマー芳香族イミド、芳香族エステル又
は芳香族アミド繰返し単位が所定の要件、即ち下記の要
件を満たさなければならないということを必要とする: (a)少なくとも1つの剛性二価副単位を含有し、そし
てそれから伸びる2つの主鎖単結合が共直線性(coline
ar)でないこと、(b)該主鎖単結合のうちの1つ以上
のまわりで立体的に360°回転することができないこ
と、(c)主鎖中の原子の50%より多くが芳香族環の
ものであること。これらの要件は再発行特許の要約、第
1欄第40〜53行、特許請求の範囲第1項及び特許請
求の範囲第1項に従属する全ての特許請求の範囲に記載
されている。要件(a)を決定する方法は第2欄第51
〜68行に記載されており、要件(b)の決定は第3欄
第1〜28行に記載されており、要件(c)の決定は第
3欄第29〜56行に記載されており、第3欄第57〜
68行には、要件を例においてどのようにして決定した
かが説明されている。このように、ポリマーが再発行特
許第30351号に記載されて特許請求されている発明
の範囲内になるためには、この特許に規定されている3
つの全ての基準又は要件を満足しなければならない。3
つ全ての要件を満足することができなければ、ポリマー
がこの発明の範囲内に入ると考えることはできない。再
発行特許第30351号の要件(b)は、ポリマー鎖が
剛性副単位の間に剛性単一線状結合を少なくとも1つ含
有し、その副単位のまわりでポリマー鎖が360°回転
するのを立体的に妨げられているようなポリマーから得
られるものに膜を限定し、はっきりと鑑定された、容易
に入手できる分子模型キットを用いることによってこの
ことを確認することのできる方法を明確に記載してい
る。従って、同一視されたキットから組立てられたポリ
マー構造であっても、360°回転するのが具体的に妨
げられていないものは再発行特許第30351号の範囲
内であると考えることができない。再発行特許第303
51号は第2欄第21〜34行、第6欄第26〜56
行、第7欄第19〜29行及び第42〜53行並びに第
11欄第62行〜第12欄第68行(表III 及びIV)に
おいて、要件(a)、(b)及び(c)を満足すると主
張するポリエステルを規定し、ポリエステル及びそれら
の膜の特定例が例1〜5、9〜12及び22に示されて
いる。ポリエステル膜のプロセスにおける使用が特許請
求の範囲第1項及び第8〜13項で特許請求されてお
り、特許請求の範囲第12及び13項は対をなしてい
る。第4欄第10〜15行及び第43〜46行には、こ
の発明の膜はフィルム状又は中空繊維状であると述べら
れており、膜は均一膜(第4欄、第47〜49行)又は
不均整膜(第4欄、第49〜54行)であることができ
ると記述されている。
【0008】1974年7月2日に発行されたH. H. ホ
ーンによる米国特許第3822202号には、同じポリ
イミド、ポリエステル及びポリアミドポリマーが膜とし
て用いるのに適していると開示されているが、しかし、
この特許においては、膜が空気又は不活性気体の環境中
で真空下で、150℃〜ポリマーの軟化点のすぐ下まで
の温度範囲において熱処理に付されている。米国特許第
3822202号全体において複合膜の記載は何らな
く、同特許においてポリエステル膜を用いた唯一の例は
例21であり、この例は、厚さ54.6μm(2.15
ミル)の空気乾燥させた平坦フィルムを使用している。
【0009】1987年10月21日に公表されたアネ
ダ(Aneda)らのヨーロッパ特許出願第0242147号
には、ビスフェノール類から誘導されたポリカーボネー
トポリマーを基材とした気体分離膜及びこれを気体分離
プロセスにおいて用いることが開示されている。この膜
は窒素からの酸素の分離における特別な用途を有すると
主張されているが、しかしこれはポリエステルではな
い。1987年11月4日に公表されたアナンド(Anan
d)らのヨーロッパ特許出願第0244146号には、
ポリマー主鎖がテトラブロムジフェノール系残基である
ポリエステルカーボネートポリマーを基材とした膜及び
このポリマーを気体分離プロセスにおいて用いることが
開示されているが、これはポリエステルではない。これ
らのヨーロッパ特許出願は共に、次式:
【化5】 のカーボネート基をポリマー鎖中に含有するポリカーボ
ネートポリマーを基材としている。このカーボネート結
合の存在は開示されている発明の必須要素であり、次
式:
【化6】 のエステル基を含有するポリエステルと区別されるべき
である。
【0010】1989年6月20日に公表されたJ. N.
アナンドらによる米国特許第4840646号には、ポ
リエステルカーボネートを基材とする膜及びこれを気体
分離プロセスにおいて用いることが開示されている。し
かしながら、この特許にはテトラブロムビスフェノール
A単独のポリエステルは開示されていない。米国特許第
4840646号においては、エステル化反応生成物を
ホスゲンで処理してカーボネート単位を形成させてお
り、膜はポリエステルカーボネート膜であり、ポリエス
テルではない。米国特許第4840646号の例7のポ
リエステルカーボネートは、8の高い酸素/窒素分離フ
ァクター及び1.4バレア(Barrer)のやや低い酸素透
過性を有すると報告されている。これに対して、本発明
の好ましいポリエステルは一般的に、有意に高い酸素透
過性を有しながらも且つ酸素/窒素選択性の低下が比較
的小さい。より高い透過性は一般的に商業的に重要であ
ると考えられる。
【0011】1978年6月14日付けで公開された上
野ショージらによる特開昭53−66880号には、芳
香族ジカルボン酸と下記の構造のビスフェノール類とか
ら製造される芳香族ポリエステルを基材とした膜が開示
されている:
【化7】 (式中、R1 〜R4 及びR'1〜R'4は水素、ハロゲン又
は炭化水素であり、Xは−O−、−SO2 −、−CO
−、−S−、アルキレン又はアルキリデンのいずれかで
ある)。開示され且つ好適であると検討されているビス
フェノール類の全ては、規定されているX基のうちの1
つを結合又は橋渡し基として含有する。上記の一般的構
造にはテトラブロムビスフェノールA構造が開示されて
いるが、しかしそれを用いた特定例は与えられていな
い。
【0012】
【発明の概要】本発明は、次の一般式(I):
【化8】 のテトラブロムビスフェノールA少なくとも50モル%
又はそれ以上、好ましくは80モル%以上、特に好まし
くは100モル%を、(a)イソフタロイルジクロリド
及び(又は)4−ブロムイソフタロイルジクロリド20
モル%以上並びに(b)テレフタロイルジクロリド及び
(又は)2−ブロムテレフタロイルジクロリド80モル
%以下と反応させたものを基材とするポリエステル又は
コポリエステルから主として成る、改良された気体分離
膜を含む。本発明は、また、気体分離プロセスに該膜を
使用することをも含む。
【0013】
【発明の具体的な説明】本発明は、優れた気体分離特
性、例えば酸素/窒素、二酸化炭素/メタン及びヘリウ
ム/メタン分離特性、即ち高い酸素、二酸化炭素及びヘ
リウム透過性、を有する新規の改良されたポリエステル
透析膜を提供する。
【0014】ポリエステルの製造法はよく知られてお
り、いくつかの手順を用いることができる。しかして、
ジヒドロキシ化合物と芳香族ジカルボン酸又はそのエス
テル形成性誘導体(例えば酸クロリド)とを反応させる
ことによってポリエステルを製造することができること
が知られている。本発明の気体分離膜を構成するポリエ
ステルの製造方法は本発明の一部ではなく、任意のポリ
エステル形成プロセスを用いることができる。本発明の
ポリエステル膜を製造するのに用いられる代表的な手順
は、テトラブロムビスフェノールA(I)とテレフタロ
イルクロリド、イソフタロイルクロリド又はこれらの混
合物との反応である。このようなプロセスは、クレイマ
ー(Cramer)らによる1968年6月11日付けで発行
された米国特許特許第3388097号に開示されてい
る。
【0015】フタロイル化合物はイソフタロイル化合物
のテレフタロイル化合物に対するモル比約80:20〜
約20:80、好ましくは約50:50〜約20:8
0、特に好ましくは約30:70〜約20:80で用い
られ、但し、気体透過性と気体の分離との組合せを最適
にするためには、テトラブロムビスフェノールA(I)
50モル%以上を含有するポリエステルに対するイソ化
合物含有率が20モル%より小さくなく、テレ化合物含
有率が80モル%より大きくないようにする。さらに、
当業者には周知のように、少量の他の好適な芳香族ジカ
ルボン酸、酸クロリド又はエステルをポリエステル形成
プロセスにおいて用いることができる。さらに、芳香族
ジカルボン酸成分の少量を脂肪族ジカルボン酸に置き換
えることができる。これらの添加する少量は、透過性及
び(又は)選択性に有意の有害作用を与えない量である
べきである。さらに、式Iのテトラブロムビスフェノー
ルAと少量の他のビスフェノール又は他の芳香族及び
(若しくは)脂肪族ジオールとの混合物を用いることが
でき、テトラブロムビスフェノールA(I)の約10モ
ル%までを他のビスフェノール又は前記ジオールに置き
換えることができる。好ましいポリエステルは式Iのテ
トラブロムビスフェノールAとテレフタル酸、イソフタ
ル酸若しくはこれらの混合物又はそれらのエステル若し
くは酸クロリドとの縮合重合によって製造されたもので
ある。米国ニューヨーク州のジョン・ウィリー・アンド
・サンズ出版、インターサイエンスディビジョン、マー
ク(Mark)ら編集の「エンサイクロピーディア・オ
ブ・ポリマー・サイエンス・アンド・テクノロジー(E
ncyclopedia of Polymer Sc
ience & Technology)」、1969
年、第11巻、第1〜168頁には、ポリエステルを製
造するための周知の多くのプロセスの記載がある。これ
らのポリマーが広く知られていることを考えれば、上述
した特定の反応成分についても、ポリエステル形成反応
に必要な反応条件についても、詳細な記載は何ら必要な
いだろう。この技術資料はポリエステル分野の当業者に
よく知られている。
【0016】本発明の気体分離膜は次式:
【化9】 のテトラブロムビスフェノールAから誘導されるポリエ
ステル又はコポリエステルから主として成る薄い層を含
む。
【0017】ポリエステル又はコポリエステルのビスフ
ェノール系ジオール成分は、他の周知のビスフェノール
との混和物中にテトラブロムビスフェノールA(I)を
50モル%以上、好ましくは少なくとも約60モル%、
特に好ましくは少なくとも約80モル%含有するが、し
かしまた、該構造(I)の100モル%であることもで
きる。従って、ジオールは50モル%以上のテトラブロ
ムビスフェノールA(I)と50モル%以下の他のビス
フェノール(例えばテトラブロムヘキサフルオルビスフ
ェノールA)との混合物であることができる。これら他
のビスフェノールは当業者によく知られており、どのよ
うなものであるか理解するためにさらに説明する必要は
ないだろう。ポリエステル気体分離透析膜を製造するの
に用いられるテトラブロムビスフェノールA(I)は、
上述した通りにポリエステルを製造するのに用いられる
ジヒドロキシ化合物の少なくとも50モル%又はそれ以
上を占める。ポリエステル又はコポリエステルは、テト
ラブロムビスフェノールA(I)少なくとも50モル%
又はそれ以上と、ジカルボン酸化合物としてのイソフタ
ロイルジクロリド及び(又は)4−ブロムイソフタロイ
ルジクロリド20モル%又はそれ以上並びにテレフタロ
イルジクロリド及び(又は)2−ブロムテレフタロイル
ジクロリド80モル%又はそれ以下との反応生成物であ
る。
【0018】本発明のポリエステル気体分離膜は、次の
構造式:
【化10】 (式中、R''' は水素又は臭素であり、xは少なくとも
約20であり且つ約200まで又はそれ以上、好ましく
は約25〜約175の値を有する整数である)を有する
基を主要繰返し単位として含有する。ポリエステルは、
約20000〜約150000、特に好ましくは約30
000〜約125000の重量平均分子量を有するのが
好ましい。
【0019】本発明の気体分離膜は、稠密フィルム又は
当業者に知られている任意の形であることができる。さ
らにこれは、複合膜、不均整膜、均質膜又は等方性膜で
あることができる。膜はスパイラル形、平板シート、管
状形又は他の外形、並びに中空繊維形であってよい。当
業者はそれらを製造するのに利用し得る多くの方法を知
っており、どのようにして膜をこれらの任意の形状で製
造するかを知っている。本発明の好ましい膜は不均整又
は複合膜であり、分離層の厚さは10000Åより薄
く、好ましくは5000Åより薄く、特に好ましくは約
200〜約2000Åである。等方性及び不均整タイプ
の膜は一般的に、酸素/窒素及び二酸化炭素/メタン分
離のような選択的気体分離が可能な単一の透析膜材料か
ら本質的に成る。不均整膜は膜構造内に2つ以上の形態
学的領域が存在することによって区別される。このよう
な領域の一方は薄く且つ相対的に密な半透過性スキンを
含み、これは少なくとも1種の成分を他の成分と混和し
て含有する気体混合物からこの少なくとも1種の成分を
選択的に透過することができる。他方の領域はそれほど
密でない、多孔質の、本質的に非選択性の支持領域を含
み、これは使用中に膜の薄いスキン領域が破壊するのを
防止する働きをする。複合膜は一般的に、多孔質支持体
上に重ね合わされたポリエステル半透膜の薄い層又は被
覆を含む。平板シート膜は、好適な溶媒、例えば塩化メ
チレン中のポリエステル溶液から、溶液をキャストし、
溶媒を蒸発させ、次いでキャストフィルムを真空下で高
温において乾燥させ且つ硬化させることによって容易に
製造される。このような薄いフィルム膜は、厚さ約13
0μm(約0.5ミル)〜約2500μm(約10ミ
ル)又はそれ以上、好ましくは約250μm(約1ミ
ル)〜約760μm(約3ミル)の範囲にすることがで
きる。平板シート膜は一般的に好ましい商業的形ではな
い。大規模の商業的用途においては、中空繊維透析膜が
一般的に、モジュールとして加工する場合に単位容積当
りの表面積が有意に大きいので、より望ましい。多孔質
中空繊維透析膜は、多孔質中空繊維支持体の表面上に透
析膜層を含有させて成る。それらの製造方法はよく知ら
れている{例えば、米国ニュージャージー州のノイズ・
データ・コーポレーション(Noyes Data Corporatio
n)、J.スコット(Scott)編集の「ホロー・ファイバー
ズ・マニファクチャー・アンド・アプリケーションズ
(Hollow Fibers Manufacture and Applications)」
(1981年)、第264頁以降を参照されたい)。
【0020】本発明のテトラブロムビスフェノールA
(I)タイプポリエステル透析分離膜は、空気混合物か
ら窒素よりも酸素について高い(少なくとも約7)分離
ファクターを、少なくとも約1.4バレアのフラックス
又は透過速度と組み合わせて示し、そして二酸化炭素及
びメタンを含有する混合物において、メタンよりも二酸
化炭素について高い分離ファクターを示す。これらの膜
が非常に高い分離ファクター及び良好な透過速度の両方
の組合せを以ってこれらの成分を分離する能力は、全く
予期されなかったことであり、当技術分野における既存
の多くの膜によってしばしば示されている結果よりも優
れている。しかして、例えば米国特許第4818254
号に開示されているより最適なポリカーボネート膜は
(下記の第I表の5及び6に示されているように)1.
87及び0.85バレアの酸素透過性をそれぞれ6.9
及び7.4の酸素/窒素分離ファクターと共に有する。
米国特許第4840646号に開示されたポリエステル
カーボネート膜は(下記の第I表の1〜4に示されてい
るように)0.96、1.23、1.4及び1.4バレ
アの酸素透過性をそれぞれ7.2、7.2、6.3及び
8.0の酸素/窒素分離ファクターと共に有する。米国
特許第4840646号の例7における高イソフタレー
トエステルポリエステルカーボネート(下記の第I表の
4)は、1.4バレアの酸素透過性及び8.0の酸素/
窒素分離ファクターの最も高い組合せを示す。米国特許
第4840646号の例6及び7(下記の第I表の3及
び4)に示されるように、この例7における80モル%
の高いイソフタレートエステル含有率のものは、同一%
のエステルレベルにおいて、米国特許第4840646
号の例6(下記の第I表の3)の50モル%のイソフタ
レートエステル含有率のものよりもはるかに高い、8.
0の酸素/窒素選択性を示し、例6のものは1.4バレ
アの酸素透過性に何ら改良なしで6.3の酸素/窒素選
択性を有する。
【0021】従って、下記の実施例の実験データに示さ
れるように、本発明のテトラブロムビスフェノールAポ
リエステル及びある種のコポリエステル膜中の高いテレ
フタレート含有率が、従来のものと比較して非常に高い
酸素/窒素選択性及び有意に改良された酸素透過速度の
両方を組み合わせて示すということを見出したのは、全
く予期されず、驚くべきことである。実施例のこれらの
データを下記の第I表の8〜11にまとめる。高い酸素
/窒素気体選択性及び大いに改良された酸素透過性を維
持するということの経済上の利点は、この技術分野にお
いては明白である。本発明の好ましい組成物について、
1.6、1.93及び3.1バレアの酸素透過性並びに
7.7、7.5及び7.2の酸素/窒素気体選択性がそ
れぞれ得られた。テトラブロムビスフェノールA(I)
のポリエステル中のテレフタル酸エステルのモル分率を
高くすることによって、イソフタル酸エステルの量の多
いポリエステルより酸素透過性が増大し、且つ酸素/窒
素気体選択性の低下が小さいということが思いがけず予
期せずに見出された。特に好ましくは、テレフタル酸エ
ステル成分はフタル酸エステルの約80モル%を占める
べきである。また、50モル%以上、好ましくは60モ
ル%以上のテトラブロムビスフェノールA(I)をテト
ラブロムヘキサフルオルビスフェノールAのような他の
ビスフェノールと共に基材とするコポリエステルも有用
な気体分離膜を提供するだろう。
【0022】テトラブロムビスフェノールAを基材とし
たポリエステルは以前にホーンらによる米国特許第38
99309号及び再発行特許第30351号に開示され
ているが、これらの特許は、本発明のポリエステル膜に
よって達成される酸素/窒素、二酸化炭素/メタン及び
ヘリウム/メタン分離についてもたらされる思いがけず
予期し得ない改良を特に前もって論じもせず、示唆もし
ていない。ホーンらの特許には、テトラブロムビスフェ
ノールAが表III 中に化合物25として確認されるが、
しかし任意のポリマーの製造におけるその使用を示した
特定的な例は何もない。これらの特許はポリエステルの
製造における他のビスフェノールの使用を示し、米国特
許第3899309号の特許請求の範囲第11項には、
テトラブロムヘキサフルオルビスフェノールを基材とし
たイソフタレート/テレフタレートポリエステルが開示
されている。この特許の第8欄第32〜35行における
特に好ましいポリエステルは、70モル%の高いイソフ
タレート含有率及び30モル%の低いテレフタレート含
有率を持つものであり、これに対して、本発明のポリエ
ステルのテレフタレート含有率ははるかに大きい。
【0023】下記の第I表のデータは、本発明の特定の
ポリエステル及びコポリエステルが、従来文献で知られ
ている例に比べて、極めて良好な酸素/窒素分離ファク
ター及び高い酸素気体透過性の比較のできない組合せを
もたらすことを示す。
【0024】
【表2】
【0025】高い二酸化炭素透過性を導くファクターが
低い二酸化炭素/メタン分離ファクターを生じるので、
二酸化炭素/メタン分離は困難であった。下記の第II表
は、セルロースアセテート及びポリスルホンを基材とし
た商品として入手できる膜がこの組合せ気体について良
好な分離性をもたらすが、しかし二酸化炭素についての
透過性が低く、商業的により経済的な操作のためにはこ
の透過性をより高くする必要があるということを示す。
テトラメチルビスフェノールAポリカーボネート(TM
BAPC)は文献に報告されている透過性及び分離ファ
クターの最良の組合せを有するものと思われるが、この
組合せは本発明のテトラブロムビスフェノールA(I)
のポリエステルほどには良好でない。本発明の構造は、
純/混合気体測定値に基づいて高い透過性及び二酸化炭
素/メタン分離の組合せを示す。二酸化炭素/メタン分
離についての最適な構造において、テトラブロムビスフ
ェノールA(I)と高イソフタル酸エステルとのコポリ
エステルは最良の分離及び透過性の組合せをもたらす。
驚くべきことに、格別に高い二酸化炭素透過性がこの8
0/20のイソフタル酸エステル/テレフタル酸エステ
ル比及びビスフェノール化合物の混合物(第II表の3)
において見られ、二酸化炭素/メタンについての気体選
択性の有意の低下は本質的にない。気体選択性が有意に
低下することなくこの二酸化炭素透過性が倍増したこと
は、予期しないことだった。
【0026】
【表3】
【0027】本発明のテトラブロムビスフェノールA膜
は他の既知のポリマー膜に比べて二酸化炭素/メタン分
離について実質的に改良された分離ファクター及び選択
性を有することに注目されたい。データはコポリマー中
のイソフタル酸エステル/テレフタル酸エステル比の種
々の組合せについて限られているが、テトラブロムビス
フェノールA(I)含有率を変えること及び上記の例か
ら類推してイソフタル酸エステル/テレフタル酸エステ
ル比を実験の部に示したように変えることによって透過
性及び気体分離性を変化させることができるということ
を示している。
【0028】ポリエステルの換算粘度は、クロロホルム
100ミリリットル当たりポリマー0.200gを含有
するポリマー溶液を用いて25℃において測定し、下記
の式によって計算した:
【数1】 (ここで、Aはクロロホルム溶液の試料が粘度計の中を
移動するのにかかる時間であり、Bはクロロホルムが粘
度計の中を移動するのにかかる時間であり、Cはクロロ
ホルム溶液の試料の重量である)。本発明のポリエステ
ルは、クロロホルム中の換算粘度約0.25以上で形成
するフィルムだった。気体透析プロセスの場合、約0.
25以上の粘度を有するポリエステルが厚さ約51μm
(約2ミル)〜約130μm(約5ミル)の適度に強い
フィルムをもたらす。好ましい粘度は約0.25〜約
1.6、特に好ましくは約0.45〜約1.3である。
フィルムの厚さは約25μm(約1ミル)〜約250μ
m(約10ミル)、好ましくは約51μm(約2ミル)
〜約130μm(約5ミル)の範囲で変化し得る。ま
た、ポリエステルは、当技術分野において周知の手順に
従って中空繊維膜を製造するのに用いることもできる。
【0029】下記の実施例で評価した平板フィルム膜の
気体透過性又は透過速度Pの測定は、厚さが既知のポリ
マー膜フィルムの小さいディスクを一定容積の可変圧透
過セルに入れて25℃において決定した。膜の両側を真
空下で一晩ガス抜きし、次いで、膜の一方の側を1.8
Kg/cm2 (25psig)の気体にさらした。透過質気
体を膜のもう一方の側の受け器の中に捕集し、鋭敏な変
換器を使用して気体圧を測定した。時間の関数としての
圧力増大を帯記録紙上に記録し、そのデータを用いて定
常状態の透過速度Pを決定した。透過速度Pをバレア単
位で報告する。バレア単位とは下記の通りである:
【数2】 (cm3 (STP)cm/cm2 −秒・cmHg)×10-10 膜は塩化メチレン中に2〜10重量%のポリマー溶液か
ら製造し、その厚さは約51μm(約2ミル)〜約25
0μm(約10ミル)だった。真空下で40℃におい
て、そして最後に評価前に125℃において5日間溶媒
を除去した。
【0030】
【実施例】以下の実施例は、本発明をさらに例示するた
めのものである。実施例において、用いた芳香族ジカル
ボン酸誘導体は、特に記載がない限りテレフタロイルク
ロリド及びイソフタロイルクロリド又はそれらの混合物
である。部は特に記載がない限り重量による。平板膜
は、塩化メチレン中に3〜7重量%のポリマー溶液から
製造した。溶液の一部をガラス板上に注ぎ、周囲条件下
でアルミニウムの蓋で一晩覆ったままにした。フィルム
を板から剥がし、真空オーブン中で40℃において一日
乾燥させた。次いで、フィルムをさらに真空中で125
℃において5日間乾燥させ、その厚さを測定した。膜を
純気体の酸素、窒素、二酸化炭素、ヘリウム及びメタン
透過性について、25℃で2atmにおいて試験した。
ポリエステルは、周知の界面重合法により、ウォーリン
グ(Waring)・ブレンダーで及び三つ口丸底フラスコ中で
機械的に撹拌し且つ氷浴で冷却しながら製造した。撹拌
速度は常時は監視しなかったが、一般的には約1000
rpmだった。酸クロリドの添加速度は、発熱の調節に
基づいた。文献{「コンデンセーション・ポリマーズ・
バイ・インターフェイシャル・アンド・ソルーション・
メソーズ(Condensation Polymers by Interfacial and
Solution Methods)」第VII 章、ポール・W.・モーガン
(Paul W. Morgan) 、インターサイエンス(Interscien
ce)出版、1965年}によく知られているように、他
の全てが一定ならば、分子量が高くなるほど反応混合物
への酸クロリドの添加をより迅速にする。また、撹拌速
度を速くするのが有意に有用であり、モートン(Morto
n)フラスコを用いることがより高い分子量を得るのを
助けるようだった。
【0031】例1 A.2,2−ビス(3,5−ジブロム−4−ヒドロキシ
フェニル)プロパン及びイソフタロイルクロリドとテレ
フタロイルクロリドとのモル比80:20の混合物から
のポリアリーレートの製造 機械式撹拌機、温度計、滴下漏斗、窒素導入口及び凝縮
器を備えた500ミリリットルの三つ口丸底モートンフ
ラスコに、2,2−ビス(3,5−ジブロム−4−ヒド
ロキシフェニル)プロパン21.76g、硫酸水素テト
ラブチルアンモニウム0.4g、45.9%水酸化カリ
ウム水溶液10.25g、蒸留水80ミリリットル及び
塩化メチレン40ミリリットルを添加した。氷水で冷却
しながら、イソフタロイルクロリド6.5g及びテレフ
タロイルクロリド1.63gを塩化メチレン80ミリリ
ットル中に含有させた溶液を、非常に速く攪拌しなが
ら、約15分間で添加した。約2時間撹拌した後に、塩
化メチレン100ミリリットルを添加し、0.5%硫酸
を添加することによって混合物を酸性にした。ポリマー
溶液を蒸留水2000ミリリットルで3回洗浄した。ポ
リマーをメタノール中で凝固させ、真空オーブン中で8
0℃において一晩乾燥させた。ポリエステルの収量は2
5.2gだった。換算粘度は1.67だった。 B. 厚さ72.6μm(2.86ミル)の気体透析平板膜を
製造し、酸素、窒素、二酸化炭素、メタン及びヘリウム
の分離について評価した。酸素P=1.4バレア(=
1.4×10−10cm(STP)cm/cm−秒
−cmHg)。酸素/窒素選択性は8.0だった。二酸
化炭素P=5.9バレア。純気体を用いた2.4atm
(35psia)における二酸化炭素/メタン選択性は
47だった。ヘリウムP=18.3バレア。ヘリウム/
メタン選択性は146だった。ポリアリーレートの製造
時に全体的に又は部分的に臭素化フタロイルクロリドを
用いても同様の結果が得られる。
【0032】例2 A.2,2−ビス(3,5−ジブロム−4−ヒドロキシ
フェニル)プロパン及びイソフタロイルクロリドとテレ
フタロイルクロリドとのモル比50:50の混合物から
のポリアリーレートの製造 イソフタロイルクロリド及びテレフタロイルクロリドを
それぞれ4.06g装入したことを除いて例1と本質的
に同じ手順を用いた。ポリエステルの収量は24.9g
であり、換算粘度は1.23だった。 B.厚さ55.1μm(2.17ミル)の気体透析平板
膜を製造し、酸素、窒素、二酸化炭素、メタン及びヘリ
ウムの透過について評価した。酸素P=1.57バレ
ア。酸素/窒素選択性は7.7だった。二酸化炭素P=
6.4バレア。純気体を用いた及び二酸化炭素/メタン
選択性は42だった。ヘリウムP=18.7バレア。ヘ
リウム/メタン選択性は122だった。ポリアリーレー
トの製造時に全体的に又は部分的に臭素化フタロイルク
ロリドを用いても同様の結果が得られる。
【0033】例3 A.2,2−ビス(3,5−ジブロム−4−ヒドロキシ
フェニル)プロパン及びイソフタロイルクロリドとテレ
フタロイルクロリドとのモル比25:75の混合物から
のポリアリーレートの製造 イソフタロイルクロリド2.03g及びテレフタロイル
クロリド6.1gを用いたことを除いて合成手順は例1
におけるのと本質的に同じだった。ポリエステルの収量
は27.4gであり、換算粘度は1.26だった。B.
厚さ38μm(1.5ミル)の気体透析平板膜を製造
し、酸素及び窒素の透過について評価した。酸素P=
1.93バレア。酸素/窒素選択性は7.5だった。
【0034】例4 A.4,4’−[2,2,2−トリフルオル−1−(ト
リフルオルメチル)エチリデン]ビス[2,6−ジブロ
ムフェノール](TBr6FB)と2,2−ビス(3,
5−ジブロム−4−ヒドロキシフェニル)プロパンとの
モル比50:50の混合物及びイソフタロイルクロリド
とテレフタロイルクロリドとのモル比80:20の混合
物からのポリアリーレートコポリマーの製造 エステル化反応の際に2,2−ビス(3,5−ジブロム
−4−ヒドロキシフェニル)プロパン10.88gとT
Br6FB13.03gとの混合物及びイソフタロイル
クロリド6.5gとテレフタロイルクロリド1.63g
との混合物を用いたことを除いて合成手順は例1におけ
るのと本質的に同じだった。コポリエステルの収量は2
5.2gであり、換算粘度は0.65だった。 B.厚さ45.0μm(1.77ミル)の気体透析平板
膜を製造し、酸素、窒素、二酸化炭素、メタン及びヘリ
ウムの透過について評価した。酸素P=3.1バレア。
酸素/窒素選択性は7.2だった。二酸化炭素P=13
バレア。二酸化炭素/メタン選択性は47だった。ヘリ
ウムP=34バレア。ヘリウム/メタン選択性は123
だった。ポリアリーレートコポリマーの製造時に全体的
に又は部分的に臭素化フタロイルクロリドを用いても同
様の結果が得られる。
【0035】下記の第III 表に、本発明のポリエステル
(初めの4つの記載事項)並びに米国特許第48406
46号(後の4つの記載事項)及び他の従来技術(5番
目〜9番目)からの比較データのポリエステルについて
の透過性値(バレアで表わしたP)並びに酸素/窒素選
択性、二酸化炭素/メタン選択性及びヘリウム/メタン
選択性の値をまとめる。
【表4】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ナタラジャン・ムルガナンダム 米国ニュージャージー州サマビル、ニュ ー・アムウェル・ロード26 (72)発明者 ジョージ・ルイス・ブロード 米国ニュージャージー州ブリジウォータ ー、カーレン・ドライブ653

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 芳香族ジカルボン酸又はその誘導体と1
    種以上のビスフェノールジオール(該ジオールの50モ
    ル%以上は次の一般式: 【化1】 のテトラブロムビスフェノールAであるものとする)と
    の反応から誘導されるポリエステル又はコポリエステル
    から主として成る層を含む気体分離膜であって、 該芳香族ジカルボン酸又はその誘導体が、ジカルボン酸
    化合物として、イソフタル酸若しくはそのジクロリド及
    び(又は)4−ブロムイソフタル酸若しくはそのジクロ
    リド並びにテレフタル酸若しくはそのジクロリド及び
    (又は)2−ブロムテレフタル酸若しくはそのジクロリ
    ドを含有し、 イソジカルボン酸化合物のテレジカルボン酸化合物に対
    するモル比が80:20〜20:80である、前記気体
    分離膜。
  2. 【請求項2】 前記芳香族ジカルボン酸又はその誘導体
    と、50モル%以上の前記テトラブロムビスフェノール
    A(I)及び50モル%以下の他のビスフェノールを含
    むジオールの混合物との反応から誘導される、請求項1
    記載の気体分離膜。
  3. 【請求項3】 前記テトラブロムビスフェノールA
    (I)がビスフェノールジオールの100モル%を占め
    る、請求項1記載の気体分離膜。
  4. 【請求項4】 前記テトラブロムビスフェノールA
    (I)がジオールの混合物の少なくとも80モル%を占
    める、請求項2記載の気体分離膜。
  5. 【請求項5】 前記芳香族ジカルボン酸又はその誘導体
    を基材とする前記ポリエステルが一般式(I)の前記テ
    トラブロムビスフェノールAと4,4’−[2,2,2
    −トリフルオル−1−(トリフルオルメチル)エチリデ
    ン]ビス[2,6−ジブロムフェノール]との混合物を
    含み且つ式(I)の化合物がコポリエステル中に50モ
    ル%以上の濃度で存在する、請求項2記載の気体分離
    膜。
  6. 【請求項6】 ポリエステルの主要繰返し単位が次の構
    造式: 【化2】 (式中、xは少なくとも20の値を有する整数であり、 R’’’水素又は臭素である) を有する、請求項1記載のポリエステル気体分離膜。
  7. 【請求項7】 ある成分を含有する気体混合物から該成
    分を分離する方法であって、請求項1〜6のいずれかに
    記載の気体分離膜の両側の圧力差を維持しながらこの膜
    の一方の側に前記気体混合物を接触させ、膜のもう一方
    の側から透過した少なくとも1種の成分に富んだ気体を
    取り出すことを含む、前記方法。
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