JPH07114799B2 - 医療廃棄物の処理方法及びその装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、医療活動によって排出
される感染性の廃棄物を滅菌処理及び減容処理するため
の方法とその装置に関する。

【０００２】

【従来技術】医療活動によって排出される廃棄物には感
染性の病原体が付着したものが多くあり、その取扱いが
不注意であると、人の健康の保持に大切な役割を果たす
べき医療機関から排出される廃棄物が病気の原因となり
得るので、従来、医療廃棄物、特に感染性廃棄物は医療
機関内で分別され、専門の廃棄物処理業者によって収
集、運搬、焼却処理されている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、感染の
危険のある廃棄物を取り扱う処理業者の数は多くなく、
一方で、使い捨ての注射器にその典型が見られるよう
に、安全性及び診療行為の能率の観点から、近年いわゆ
るディスポーザブル医療器具が使用される機会が多くな
っており、医療機関から排出される感染性医療廃棄物の
量は年を追って増えている。このため、医療廃棄物処理
業者の感染性廃棄物の委託処理価格は不安定でかつ高
く、これが医療活動コストの増加に結び付いている。

【０００４】また、処理業者による収集、運搬及び処理
にあっては、その途上での事故による感染性廃棄物の飛
散の可能性があり、また、積荷目録（マニフェスト）シ
ステムなどによって監視する方法も採用されているが、
最終処理が確実になされたかどうかの不安が残る。

【０００５】したがって、処理コストが安定していて安
く、輸送の危険もなくかつ確実に感染性を排除すること
ができるような、排出した医療機関内での感染性医療廃
棄物の処理（以下「院内処理」という）をする方法や装
置が強く望まれている。

【０００６】院内処理の方法としては、破砕、焼却、加
熱、薬液による滅菌など、種々の方法が考えられてお
り、それを実現するための装置の提案もいくつかなされ
ている。しかしながらこれらの院内処理方法には次のご
とき問題点がある。

【０００７】即ち、破砕処理は処理業者に引き渡す前の
減容処理としては適当であるが、滅菌は全くなされない
ので、破砕された感染性廃棄物は依然として感染性であ
り、そのための特別な扱いが必要である。また、感染性
廃棄物の破砕に使用した装置には感染性の病原体が付着
している恐れがあり、その取扱いには特別の注意を要す
る。

【０００８】焼却処理は滅菌の観点からは最も確実であ
るが、医療廃棄物の多くがプラスチック製であるため
に、焼却にともなってプラスチックが分解して発生する
排ガスには有害な物質が含まれているので二次汚染が問
題となり、排ガス処理に大きな設備を必要とする。ま
た、高熱を発する焼却炉には広い設置場所を必要とし、
特に都市部の病院内の設備としては不適当である。

【０００９】焼却に至らない加熱にあっては、乾熱では
２００℃程度以上の温度で廃棄物内部まで１時間以上加
熱しなければ滅菌効果が期待できない上に、その温度で
は多くのプラスチックは有害な分解ガスを発生するの
で、そのガス処理が再び問題となる。高圧蒸気による湿
熱滅菌法では例えば１２１℃で２０分間その蒸気にさら
されれば滅菌が終了するとされており、その温度では医
療器具として使用されるプラスチックは安定であるので
ガス処理の問題がない。しかしながら、感染性の医療廃
棄物には、血液の付着した注射器筒、人工透析用器具、
血液配管系など、パイプ状もしくはチューブ状でしかも
端面が閉じたものや形状が複雑なものが多く、そのよう
な医療廃棄物では高圧蒸気がその内面まで到達し得ず、
上記の温度、時間を掛けても湿熱による滅菌が完了した
とは言い難い。

【００１０】薬液による滅菌法では、使用する薬液は人
体にも有害であり、その取扱いや使用後の廃薬液の処理
において二次汚染を引き起こす恐れがあり、安全対策や
廃液処理にコストが掛かるのみならず、高圧蒸気による
場合と同様に、パイプもしくはチューブ状廃棄物の内面
には薬液が到達せず安全な滅菌が困難である。

【００１１】本発明はこのような感染性の医療廃棄物の
院内処理の課題を解決しようとするもので、本発明の目
的は、医療廃棄物を比較的低温で短時間にしかも確実に
滅菌処理及び減容処理することができ、特に院内処理に
好適な方法と装置を提供するにある。

【００１２】

【課題を解決するための手段】本発明による医療廃棄物
の処理方法は、廃棄物を密閉された容器の中で破砕し、
次に当該容器内の空気を外部に排気し、その際排気した
空気は大気に解放する前に除菌又は滅菌し、続いて１１
０℃以上１５０℃以下の高圧蒸気で当該容器内を１０分
以上満たすことによって破片となっている廃棄物やそれ
に触れた容器内壁及び容器内の構造物を滅菌処理する、
以上の過程をこの順に包含した一サイクルの処理工程を
とることを特徴とする方法である。

【００１３】この方法において、使用する高圧蒸気の温
度を１１０℃以上としたのはそれ未満の温度では十分な
滅菌効果を得るためには処理に長時間を要して実用的で
ないからである。また、その温度を１５０℃以下とした
のは、それを越える温度の蒸気を得るためには容器に要
求される耐圧強度が大きくなりすぎるので容器製造コス
トがかかりすぎるためである。更に、１５０℃を越える
温度では、プラスチック製の医療廃棄物の中には分解を
始めるものがあり、二次汚染の問題が生ずる恐れがある
ので、これも本発明で高圧蒸気の温度を１５０℃に制限
した理由である。また、この温度範囲の高圧蒸気滅菌法
においては、その温度で最低１０分は保持しないと滅菌
が十分ではないので、本発明において高圧蒸気で容器を
満たす時間は１０分以上とした。

【００１４】又、本発明の方法において、破砕処理と高
圧蒸気滅菌処理をこの順で行うのは、次の理由によるも
ので、本発明の重要な構成要素である。即ち、医療処理
廃棄物の中で、内面に血液の付着している注射器筒、人
工透析用器具、血液配管系など、パイプ状もしくはチュ
ーブ状でしかも端面が閉じたものや形状が複雑なもの
は、高圧蒸気滅菌処理を行っても蒸気がそれらの内面ま
で到達し得ず、上記の温度、時間を掛けても湿熱による
滅菌が完了したとは言い難いので、蒸気滅菌処理より前
に廃棄物を破砕処理し、それらの内面の血液付着部も確
実に高圧蒸気に直接触れるようにしておく必要があるか
らである。

【００１５】このように、滅菌処理の前に破砕処理をす
るので、容器の内面や破砕に使用された容器内の破砕刃
は感染性となった可能性があり、これらの部分も破砕さ
れた廃棄物と共に滅菌処理する必要がある。したがっ
て、これらの滅菌対象物を短時間に能率的にしかも感染
性微生物の飛散の危険なく高圧蒸気滅菌するために、本
発明においては、破砕をした容器から廃棄物破片を取り
出すことなく、その容器の中で高圧蒸気滅菌をする。よ
って、破砕用の刃などの破砕機構は当該容器の中に組み
込まれており、この容器は内部を高圧蒸気で満たせるよ
うに密閉できる構造となっている。

【００１６】当該容器に高圧蒸気を導入するためには容
器内の空気を排気する必要がある。しかしながら、その
排気される空気には上記の破砕処理によって容器内に飛
散した感染性の微生物が含まれている可能性がある。し
たがって、本発明ではこの排出空気を大気に解放する前
に除菌又は滅菌処理することとした。この滅菌処理に
は、濾過、加熱、化学酸化などの方法があるが、これら
の方法に限定されるものではない。

【００１７】一方、本発明による医療廃棄物の処理装置
は、上記の処理方法を実現することを特徴としている。
そのための装置の構成としては、密閉し得る構造の投入
口及び排出口又はその両者を兼用する開口部を備え、内
部に破砕用の刃を有する圧力容器と、その圧力容器に蒸
気を導入するための機構と、その圧力容器内部の空気を
排気するためのポンプと、その空気を大気に解放する前
に除菌又は滅菌する機構を具備することを特徴とする。
ここにおいて、上記の圧力容器に蒸気を導入するための
機構としては、当該圧力容器内部に加熱用のヒータを有
する機構であってもよいし、或いは、当該圧力容器と連
通するパイプで結合されており、内部に蒸気発生用の加
熱ヒータを有する蒸気発生専用の他の圧力容器を備える
機構であってもよいし、又は、当該圧力容器内に外部の
ボイラーで作られた蒸気を導入するバルブなどを備えた
機構であってもよい。

【００１８】本発明が密閉し得る構造の圧力容器を備
え、かつ、その内部に廃棄物破砕のための機構を有し、
更にその圧力容器に蒸気を導入するための機構を備えて
いなければならないことは上述の説明で明らかである。
又、容器の中の空気を排気するためのポンプも上述の処
理過程をとる上で必要であり、排気を除菌又は滅菌する
機構が不可欠な理由も処理方法の説明から明らかであ
る。

【００１９】ところで、廃棄物を破砕する機構として
は、ミキサー状の刃を持つ機構、ボールミルのような機
構、一軸の回転刃と固定刃の間でせん断する機構、二軸
の回転刃の間でせん断する機構など、種々のものが考え
られ、本発明にかかる装置においてはそのいずれをも選
択することが可能である。本発明にかかる装置の破砕機
構部に要求される性能としては、パイプ状もしくはチュ
ーブ状でしかも端面が閉じていたり形状が複雑であった
りする感染性医療廃棄物であっても高圧蒸気滅菌処理時
に蒸気がそれらの内面まで十分到達するような大きさの
破片に破砕することが可能であること、騒音が低く医療
廃棄物の院内処理に適していること、機構が単純で密閉
容器内の破砕に向いていること、堅固な構造であり装置
の保守が容易であること、破砕完了までの所要時間が短
いことなどがあげられる。

【００２０】

【作用】本発明の方法及び装置によれば、高圧蒸気滅菌
法を採用しているので、比較的低い温度で短時間に確実
に感染性の医療廃棄物の滅菌処理をすることが可能であ
り、医療廃棄物に多く含まれているプラスチック類の分
解ガスによる二次汚染の心配もない。又、投入された廃
棄物の破砕工程が高圧蒸気滅菌工程の前にあるので、端
面の閉じられたパイプ状もしくはチューブ状の廃棄物や
形状の複雑な廃棄物であっても、高圧蒸気滅菌処理時に
蒸気がそれらの内面まで十分到達するように確実な破砕
処理をすることができるし、破砕による容積減少の効果
もある。

【００２１】更に、高圧蒸気を容器内に導入するための
破砕処理後の容器の脱気に伴う排気は、除菌もしくは滅
菌機構を通じて大気に開放されるので、破砕によって容
器内に飛散した感染性の微生物が大気に解放されて二次
汚染を起こすことがない。

【００２２】本発明の方法及び装置による感染性医療廃
棄物の破砕と蒸気滅菌は同一の容器内で行われるので、
感染性の医療廃棄物に触れた結果感染性となった恐れの
ある容器内壁及び容器内の構造物も破砕された廃棄物と
一緒に滅菌され、処理後に容器を開けた時の感染性微生
物の飛散の問題がないし、容器内部に触れても安全であ
る。また、同一の容器にすることによって処理プロセス
及び装置が単純化され、設備費や処理費が安価になる。

【００２３】本発明の方法及び装置によって感染性の廃
棄物の処理が終了した後には、破片となっている廃棄
物、容器の内面、容器内の構造物、容器内に残留してい
る水分のいずれもが滅菌されている。よって、取り出さ
れる廃棄物破片はもはや感染性ではなく、通常の産業廃
棄物として取り扱うことができる。したがって、その最
終処理を廃棄物処理業者に委託する場合でも、感染性廃
棄物の場合よりも大幅に安い処理費用で済むので医療活
動コストが減少するし、処理業者による収集、運搬及び
処理の途上での事故による感染性廃棄物の飛散の可能性
もない。

【００２４】

【実施例】以下、本発明の実施例を図によって説明す
る。図１は本発明にかかる医療廃棄物の処理装置の実施
例を模式的に示したものである。以下この図に基づい
て、本発明の医療廃棄物の処理装置の構成例と医療廃棄
物の処理方法の実施例とを説明する。

【００２５】

【実施例１】医療活動によって排出された廃棄物は高圧
蒸気の圧力に耐えられるように作られた容器１の開口部
の一つである投入口２から容器１内に投入される。この
容器１は他の開口部である排出口３も備えており、いず
れの開口部も容器１の内部に高圧蒸気が導入されても気
密を保ち得る構造になっている。投入された廃棄物は容
器１内のホッパー４に導かれて、同じく容器１内に設置
されている二軸回転せん断破砕用の回転刃５の上に堆積
される。その後に、廃棄物の容器１外への飛散を防止す
るために投入口２を閉じて、回転刃５を図には示されて
いない容器１外の原動機によって回転すると、投入され
た廃棄物は破砕された破片６となって受け皿台８に載せ
られた受け皿７に堆積される。

【００２６】ここで、二軸回転せん断破砕機構とは、互
いに平行またはほぼ平行な回転軸を持つ２本のローラの
表面にせん断破砕用の刃があって、回転しながら互いに
噛み合う両ローラの刃の間で破砕対象物をせん断破砕も
しくは圧潰する機構であるが、本発明にかかる装置にあ
っては、この破砕部の機構は二軸せん断破砕機構に限定
されるものではない。また、受け皿７及び受け皿台８は
高圧蒸気の通過を容易にするために共にパンチングメタ
ル（多孔板）で作られているが、パンチングメタルであ
ることは実施の一態様であって、必ずしもこれに限定さ
れるものではない。

【００２７】次に、容器１の外に設置され、容器１と配
管によってつながれているポンプ９を作動させ、容器１
内の空気を吸引する。この際、配管経路上に必要に応じ
て配置されたバルブ１０の開閉はその目的に応じてこれ
を行う。このバルブ１０の必要に応じた開閉は以下の処
理過程においても同様であるので、以下においてはその
説明を省略する。吸引された空気は配管経路上に設置さ
れた除菌フィルター１１を通して大気に解放されるの
で、破砕によって容器１中の空気に感染性の微生物が含
まれるようになっていてもそれが大気に放出されて二次
汚染を引き起こすことはない。

【００２８】なお、ここでは除菌フィルター１１を使用
しているが、前述の通り、ここでの除菌もしくは滅菌処
理には濾過、加熱、化学酸化などの種々の方法があり、
除菌フィルターに限定されるものではない。また、脱臭
器１２はたとえば活性炭吸着法による脱臭装置であり、
その配管途上への設置は任意であって、高圧蒸気滅菌処
理前もしくは処理後に容器１の中から吸引する気体に臭
気がある場合にはこれを設置し、排気を大気に解放する
前に脱臭する。除菌フィルター１１をたとえば加熱によ
る滅菌器に替えることによって、ここを通過する空気の
滅菌と脱臭を同時に行うこともできる。

【００２９】続いて、図においては省略されている外部
の水供給源から導入され、レベルコントローラー１３で
水位の調節されている容器１内の水１４を加熱ヒータ１
５によって加熱することによって容器内を高圧蒸気で満
たし、たとえば１２１℃で２０分間経過すると容器１の
内容物や内壁はすべて滅菌が終了する。ここにおいて、
容器１内の温度は温度コントローラ１６で制御する。

【００３０】蒸気滅菌処理が終了したら、容器１内に設
置されているノズル１７から水を噴射して容器１及びそ
の内容物を冷却し、エアフィルター１８を通して外気を
導入して容器１内を大気圧となし、排出口３を開けて受
け皿７を取り出して滅菌処理済みの廃棄物破片６を排出
するとともに、容器１内の水１４も配管を通じて排出す
る。なお、容器１は高圧蒸気の圧力に耐えられるように
作られていることは当然であるが、異常な圧力の上昇に
対処できるように安全弁１９が備えられている。

【００３１】本実施例の装置では以上の一連の過程が一
サイクルの処理工程となっている。本実施例において
は、圧力容器１に蒸気を導入する機構として、その内部
に加熱用のヒータ１５を有する機構を採用している。し
かしながら、蒸気導入の機構としてはこれに限定される
ものではなく、図２に示されるように、圧力容器１と連
通するパイプで結合されており内部に蒸気発生用の加熱
ヒータ１５を有する蒸気発生専用の他の圧力容器２０を
備える機構であってもよいし、図３に示されるように圧
力容器１内に外部のボイラーで作られた蒸気を導入する
バルブ１０などを備えた機構であってもよい。又、感染
性の医療廃棄物の処理の最大の目的である滅菌が本発明
にかかる医療廃棄物処理方法及び装置によって的確にな
されるかどうかを検証する目的で実施した実施例につい
て次に説明する。

【００３２】

【実施例２】この実施例においては、腎不全患者の人工
透析に使用されるダイアライザーに細胞芽胞を封入し、
２０本を１ロットとして３ロットについて上記の実施例
で述べた装置と方法を使用して処理した。各ロットにお
いて容器１を次の温度の高圧蒸気でそれぞれの時間満た
す過程を含む一サイクルの処理工程を実施した。 ロット番号 １ ２ ３ 温度 １１５℃ １２１℃ １２６℃ 時間 ３０分 ２０分 １５分

【００３３】処理後の滅菌の判定は日本薬局法無菌試験
法に従い、チオグリコール酸培地を使用して３７℃で７
日間培養後、培地の清濁で判断した。その結果、３つの
ロットとも、ダイアライザー破片、排出された空気及び
水のいずれからも菌は検出されなかった。従って、本発
明にかかる医療廃棄物処理方法及び装置によって、ダイ
アライザーのごとく端面の閉じたパイプ状でその内部に
感染性の血液が付着している医療廃棄物であっても、適
確な処理ができることが確認された。また、この処理後
のダイアライザーの容積は処理前の約２分の１となっ
た。

【００３４】

【発明の効果】以上述べたとおり、本発明の方法及び装
置によれば、医療機関から排出される感染性の医療廃棄
物を、他所に運搬することなく院内に設置できる安価な
処理設備を使用して、比較的低い温度で短時間に確実に
滅菌処理及び減容処理をして非感染性の産業廃棄物とす
ることができる。その処理の排気などによる二次汚染の
心配もなく処理費も安価である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の医療廃棄物の処理装置の実施例の模式
図である。

【図２】圧力容器に蒸気を導入する機構が、当該圧力容
器に連通するパイプで結合されており内部に蒸気発生用
の加熱ヒータを有する他の圧力容器を備えたものである
場合の模式図である。

【図３】圧力容器に蒸気を導入する機構が、外部のボイ
ラーで作られた蒸気を導入するものである場合の模式図
である。

【符号の説明】

１ 容器 ２ 投入口 ３ 排出口 ４ ホッパー ５ 回転刃 ６ 破片 ７ 受け皿 ８ 受け皿台 ９ ポンプ １０ バルブ １１ 除菌フィルター １２ 脱臭器 １３ レベルコントローラー １４ 水 １５ 加熱ヒータ １６ 温度コントローラー １７ ノズル １８ エアフィルター １９ 安全弁 ２０ 蒸気発生用圧力容器

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藤平 和孝 神奈川県相模原市大山町１番30号 日本金 属工業株式会社 相模原製造所内 (72)発明者 中村 隆 東京都新宿区西新宿２丁目１番１号 日本 金属工業株式会社内 (72)発明者 幸村 喜三郎 愛知県海部郡弥富町大字鯏浦字西前新田86 −12番地 (72)発明者 浅岡 敏郎 愛知県犬山市大字橋爪字万願寺51番地の46 (72)発明者 大矢 昭生 愛知県名古屋市熱田区切戸町１−22 (56)参考文献 実開 平２−61347（ＪＰ，Ｕ) 実開 平２−143944（ＪＰ，Ｕ) 実開 平２−118550（ＪＰ，Ｕ) 実開 平２−118551（ＪＰ，Ｕ) 国際公開92／12738（ＷＯ，Ａ) 国際公開90／03949（ＷＯ，Ａ)

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 廃棄物を密閉された容器の中で破砕し、
   その破砕は当該廃棄物の内面が高圧蒸気に接触するのに
   十分な程度に小さい破片に剪断又は圧潰するものであっ
   て、次に当該容器内の空気を外部に排気し、その際排気
   した空気は大気に解放する前に除菌又は滅菌し、続いて
   当該容器内で発生させた１１０℃以上１５０℃以下の高
   圧蒸気で当該容器内を１０分以上満たすことによって破
   片となっている廃棄物やそれに触れた容器内壁及び容器
   内の構造物を滅菌処理する、以上の過程をこの順に包含
   した一サイクルの処理工程をとることを特徴とする医療
   廃棄物の処理方法。
2. 【請求項２】 密閉し得る構造の投入口及び排出口又は
   その両者を兼用する開口部を備え、内部に破砕用の刃で
   あって剪断又は圧潰によって被破砕物をその内面が高圧
   蒸気に接触するのに十分な程度に小さい破片にすること
   ができるもの及び蒸気発生用の加熱ヒータを有する圧力
   容器と、その圧力容器内部の空気を排気するためのポン
   プと、その空気を大気に解放する前に除菌又は滅菌する
   機構を具備することを特徴とする医療廃棄物の処理装
   置。
3. 【請求項３】 密閉し得る構造の投入口及び排出口又は
   その両者を兼用する開口部を備え、内部に破砕用の刃で
   あって剪断又は圧潰によって被破砕物をその内面が高圧
   蒸気に接触するのに十分な程度に小さい破片にすること
   ができるものを有する圧力容器と、その圧力容器と連通
   するパイプで結合されており内部に蒸気発生用の加熱ヒ
   ータを有する他の圧力容器と、それらの圧力容器内部の
   空気を排気するためのポンプと、その空気を大気に解放
   する前に除菌又は滅菌する機構を具備することを特徴と
   する医療廃棄物の処理装置。