JPH07113886A - 高速増殖炉 - Google Patents

高速増殖炉

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JPH07113886A
JPH07113886A JP5257188A JP25718893A JPH07113886A JP H07113886 A JPH07113886 A JP H07113886A JP 5257188 A JP5257188 A JP 5257188A JP 25718893 A JP25718893 A JP 25718893A JP H07113886 A JPH07113886 A JP H07113886A
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JP
Japan
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reactor
coolant
satellite tank
vessel
tank
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JP5257188A
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English (en)
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Naruhito Kondo
藤 成 仁 近
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E30/00Energy generation of nuclear origin
    • Y02E30/30Nuclear fission reactors

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  • Structure Of Emergency Protection For Nuclear Reactors (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 原子炉の構成機器を接続する配管形状および
その支持構造が簡素であり、かつ、信頼性が高いループ
型高速増殖炉を提供する。 【構成】 炉心17を格納する原子炉容器2の周囲に、
冷却材循環用の電磁ポンプ29と熱交換器33を格納す
る少なくとも一つの衛星タンク3を配設し、原子炉容器
2と衛星タンク3の頂部を貫通して液体金属を流通させ
る連結導管4によって原子炉容器2と各衛星タンク3を
連結し、原子炉容器2と衛星タンク3と連結導管4とを
放射性物質漏洩防止用の原子炉格納容器5によって密封
し、これらを一体構造の原子炉支持構造物6によって保
持するようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、液体金属冷却材を用い
るループ型の高速増殖炉に係り、特に原子炉容器と冷却
材駆動用ポンプと中間熱交換器の間の配管形状を簡略化
して熱応力緩和と耐地震強度の向上を図った高速増殖炉
に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に高速増殖炉は、その炉型から、ル
ープ型炉とタンク型炉の2種類に大別できる。ループ型
炉としては例えば我が国の高速増殖炉原型炉「もんじ
ゅ」があり、タンク型炉としては例えばフランスの「ス
ーパーフェニックス」がある。
【0003】タンク型炉は比較的大きな原子炉容器を有
し、この原子炉容器内に炉心、循環ポンプ、中間熱交換
器を備え、容器内に冷却材(液体ナトリウム)を貯溜し
ている。
【0004】このタンク型炉は、循環ポンプによって原
子炉容器内で液体ナトリウムを循環させ、この液体ナト
リウムによって炉心の熱を吸収し、中間熱交換器によっ
て液体ナトリウムの熱を外部に取り出すようにしてい
る。
【0005】タンク型炉は、液体ナトリウムを流通させ
る一次冷却材配管がない利点がある反面、原子炉容器に
炉心、循環ポンプ、中間熱交換器及び炉心遮蔽体等を設
置するので、原子炉容器の内部構造が複雑であるという
欠点を有している。また、原子炉容器の寸法に対する制
限から、設計上の柔軟性に乏しいこともある。
【0006】これに対して、ループ型炉は、炉心と循環
ポンプと中間熱交換器を各々別個の容器内に格納し、こ
れらの間を配管によって互いに接続するようにしてい
る。このループ型炉では、冷却材(液体ナトリウム)は
循環ポンプによって駆動され、配管を通って原子炉容
器、循環ポンプを格納する容器、中間熱交換器を格納す
る容器の間を循環する。
【0007】液体ナトリウムは、炉心を冷却して高温と
なり、中間熱交換器の容器へ流れて中間熱交換器で2次
冷却材と熱交換して冷却され、再び原子炉容器の炉心に
送られる。
【0008】上記従来のループ型高速増殖炉の一例を図
7に示す。図において、従来のループ型高速増殖炉10
0は、炉心を収納する原子炉容器101と、一次冷却材
を駆動する一次循環ポンプ102と、一次冷却材と二次
冷却材とを熱交換させる中間熱交換器103とによって
構成されている。
【0009】原子炉容器101は炉心104を格納し、
この炉心104は炉心支持構造物105によって支承さ
れている。炉心104の上部には制御棒や核燃料交換機
等を含む炉心上部機構106が設けられている。原子炉
容器101の内部は炉心支持構造物105によって区分
けされ、上方に上部プレナム107、下方に下部プレナ
ム108が形成されている。
【0010】原子炉容器101と一次循環ポンプ102
と中間熱交換器103は、図に示すような配管によって
接続されている。
【0011】この従来のループ型高速増殖炉100にお
いて、冷却材は図に示す矢印の方向に流動する。すなわ
ち、原子炉容器101は内部に一次冷却材を収容し、こ
の一次冷却材は一次循環ポンプ102に吸引されて下部
プレナム108から炉心104を通って上部プレナム1
07に流入する。炉心104を通過するときに、一次冷
却材は炉心104の熱を吸収して高温になる。この高温
の一次冷却材は、一次循環ポンプ102の負圧によって
接続配管を通って一次循環ポンプ102に流れる。一次
循環ポンプ102で一次冷却材は昇圧され、ポンプの吐
出口から接続配管を通って中間熱交換器103に供給さ
れる。中間熱交換器103では、一次冷却材は二次冷却
材に熱を与えて低温になり、接続配管を通って再び原子
炉容器の下部プレナム108に戻る。中間熱交換器10
3のノズル109,110は、それぞれ二次冷却材の供
給ノズルと排出ノズルを示している。
【0012】二次冷却材は、中間熱交換器103で一次
冷却材によって熱せられ、高温になって図示しない水蒸
気発生装置に送られ、水蒸気を発生させる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】上記従来のループ型高
速増殖炉では、原子炉容器、循環ポンプ、中間熱交換器
を接続する配管が高温の液体ナトリウムによって熱膨張
するので、配管による熱反力を低減するために配管形状
を多くの曲がりを有する柔軟なものにしなければならな
い。
【0014】特に、一般にループ型高速増殖炉の配管は
ステンレス鋼からなるものが多いが、ステンレス鋼は熱
膨張率が大きいので、上記配管の柔軟性がさらに求めら
れる。
【0015】しかし、配管形状を柔軟なものにするため
には、一般に配管形状が複雑なものになるという問題が
あった。
【0016】また、反対に耐震強度の観点からは、ルー
プ型高速増殖炉の配管は地震時に配管にかかる応力を低
減させるため、振動に対して剛な構造が要求される。剛
な構造にするためには、配管形状はなるべく簡単なもの
の方が良い。
【0017】また、配管内面には核分裂生成物や腐食生
成物が付着するので、保守性の観点からは、できるだけ
配管は短い方がよいことになる。
【0018】このようにループ型高速増殖炉の配管形状
については、相反する要求を満たさなければならない。
【0019】さらに、高速増殖炉の容器と配管の肉厚
は、液体ナトリウムの大きな温度上昇によって配管壁体
等に急激な温度勾配が発生して大きな熱応力が生じる。
この観点からは、高速増殖炉の機器や配管の肉厚を比較
的薄くしなければならないが、薄い肉厚の配管や容器は
地震に対して敏感であるという問題がある。
【0020】上記種々の矛盾する要求を同時に満足する
ループ型高速増殖炉の配管を設計するのは、極めて困難
であった。
【0021】また、配管を支持するコンクリート構造、
スナッバ、ハンガ、ロッド等の支持装置は、取付が困難
であり、かつ、地震等の地面からの加速度から原子炉構
造を保護する能力に限界があった。
【0022】そこで本発明の目的は、上記従来のループ
型高速増殖炉の課題を解決し、原子炉の構成機器を接続
する配管形状およびその支持構造が簡素であり、かつ、
信頼性が高いループ型高速増殖炉を提供することにあ
る。
【0023】
【課題を解決するための手段】本発明による高速増殖炉
は、炉心を格納する原子炉容器の周囲に、冷却材循環用
の電磁ポンプと熱交換器を格納する少なくとも一つの衛
星タンクを配設し、前記原子炉容器と衛星タンクの液体
金属を流通させる連結導管によって前記原子炉容器と各
衛星タンクを連結し、前記原子炉容器と衛星タンクと連
結導管とを放射性物質漏洩防止用の原子炉格納容器によ
って密封し、前記原子炉容器、衛星タンク、連結導管お
よび原子炉格納容器を一体に構成された原子炉支持構造
物によって支持するようにしたことを特徴とするもので
ある。
【0024】
【作用】本発明による高速増殖炉は、炉心を格納する原
子炉格納容器の周囲に衛星タンクを配置し、同一の衛星
タンクの内部に中間熱交換器と冷却材循環用ポンプを設
けているので、従来大きな熱変形等を生じていた中間熱
交換器と冷却材循環用ポンプとを接続する配管を省略す
ることができる。
【0025】また、本発明の高速増殖炉によれば、原子
炉容器と衛星タンクと連結導管と原子炉格納容器からな
る原子炉本体構造物の全体を一体構造の原子炉支持構造
物によって保持するようにしているので、原子炉を構成
する各機器が確実に保持される。
【0026】
【実施例】本発明による高速増殖炉の実施例について添
付の図面を用いて以下に説明する。図1は、本発明の高
速増殖炉の一実施例の原子炉を構成する本体部分(原子
炉本体構造物)を示している。図1に示すように、本実
施例の高速増殖炉1は、中心部に炉心を格納する原子炉
容器2を有し、この原子炉容器2の周囲に冷却材循環ポ
ンプと熱交換器を格納する4つの衛星タンク3を有して
いる。
【0027】原子炉容器2と各衛星タンク3の頂部は、
一次冷却材(液体ナトリウム)を流通させる一対の連結
導管4によって連結されている。
【0028】前記原子炉容器2と衛星タンク3と連結導
管4の外周には、これらを全体として密封する一体構造
の原子炉格納容器5が設けられている。
【0029】この原子炉格納容器5は、図2に示す原子
炉支持構造物6に固定され、かつ保持されている。
【0030】図2は上記原子炉支持構造物6のみを示し
ている。原子炉支持構造物6は底部に一体構造の強化コ
ンクリートからなるコンクリート基礎7を有し、このコ
ンクリート基礎7は強化コンクリートからなる一体構造
のコンクリート枠8を支承している。コンクリート枠8
の内部には、原子炉格納容器5等を支承するコンクリー
ト支持体9が組み込まれている。上記コンクリート基礎
7は、地震に対する地盤の弱さを克服するために、防振
が必要とされる構造体の土台として設けられている。
【0031】上記コンクリート支持体9は、原子炉容器
を格納する原子炉容器用空間9aと、衛星タンクを格納
する衛星タンク用空間9bと、燃料格納容器を格納する
燃料格納空間9cとを有している。
【0032】コンクリート枠8はさらに、上記コンクリ
ート支持体9に隣接して水蒸気発生手段を格納する水蒸
気発生手段用隔室10と、各種配管および計測・制御装
置を格納する補助隔室11とを有している。
【0033】上記原子炉支持構造物6に対して、原子炉
格納容器5に密封された原子炉容器2と衛星タンク3
は、原子炉容器用空間9aと衛星タンク用空間9b内に
それぞれ配置され、コンクリート支持体9によって支持
されている。コンクリート支持体9の上には、運転操作
のための鋼製のデッキプラットホーム12が設けられて
いる。
【0034】本発明による高速増殖炉の原子炉支持構造
物6は、支持される原子炉容器2、衛星タンク3等から
なる原子炉本体構造物よりも高い固有振動数を有してい
る。本実施例では、原子炉支持構造物6は周波数が10
ヘルツより大きな水平方向の固有振動数を有しているの
に対し、原子炉支持構造物6によって支持される原子炉
本体構造物は、周波数4ヘルツないし6ヘルツの水平方
向の固有振動数を有している。
【0035】図3は上記原子炉容器2と衛星タンク3の
支持構造およびその内部構造を示している。原子炉容器
2は、原子炉格納容器5によって密封され、支持部材1
3を介してコンクリート支持体9によって支持されてい
る。
【0036】衛星タンク3は、原子炉格納容器5によっ
て密封され、水平方向の熱変位を許容するローラ14を
介してコンクリート支持体9上に載置されている。この
ローラ14による上下方向の不安定さを回避するため
に、垂直方向拘束器15が衛星タンク3の上端部に設け
られている。
【0037】衛星タンク3の外側の原子炉格納容器5に
は、放熱用の冷却フィン16が設けられている。
【0038】原子炉容器2の内部は、炉心17を支持す
る水平方向の支持ブラケット18によって上下に区画さ
れ、支持ブラケット18の下方には低温低圧の一次冷却
材を貯溜する低圧プレナム19、支持ブラケット18の
上方には高温の一次冷却材を貯溜する上部プレナム20
が画成されている。
【0039】低圧プレナム19の内部はさらに区画さ
れ、炉心17の下部に下部プレナム21が形成されてい
る。一方、上部プレナム20の上方には、不活性ガスが
充填されたガス空間22が形成されている。
【0040】また、原子炉容器2の炉心17上方位置に
は、制御棒駆動機構や制御用計装機等(図示せず)を含
む炉心上部機構23が設置されている。
【0041】一方、衛星タンク3の内部は、水平隔壁2
4によって上下に区画され、水平隔壁24の上方には高
温の一次冷却材を一時的に貯溜する上部プレナム25、
水平隔壁24の下方には低温の一次冷却材を一時的に貯
溜する下部プレナム26が形成されている。上部プレナ
ム25の上方には不活性ガスを充填するガス空間27が
形成されている。
【0042】衛星タンク3の下部プレナム26とガス空
間27は、水平隔壁24に貫設されたガス連通導管28
によって互いに連通されている。
【0043】衛星タンク3の下部プレナム26と原子炉
容器2の下部プレナム21は、低温の連結導管4aによ
って互いに連通されている。この低温の連結導管4aの
一端は、衛星タンク3の頂部カバーを貫通してガス連通
導管28内に設置された電磁ポンプ29の吐出口に接続
されている。ガス連通導管28の他端は、原子炉容器2
の頂部カバーと支持ブラケット18を貫通してノズルを
介して原子炉容器の下部プレナム21に接続されてい
る。
【0044】低温の連結導管4aの外側にはプレナム連
通管30が同心的に設けられている。このプレナム連通
管30の一端は開口30aを介して衛星タンク3の下部
プレナム26に連通し、他端は開口30bを介して原子
炉容器の低圧プレナム19に連通している。
【0045】プレナム連通管30の周囲は、原子炉格納
容器の一部をなす格納導管5aによって密封されてい
る。格納導管5aの途中には、熱変形吸収用のベローズ
31が設けられている。
【0046】衛星タンクの上部プレナム25と原子炉容
器の上部プレナム20は、高温の連結導管4bによって
互いに連通されている。高温の連結導管4bの途中には
熱変形を吸収するベローズ32が設けられている。
【0047】衛星タンク3側の高温の連結導管4bの端
部には、中間熱交換器33が設けられている。この中間
熱交換器33には、一次冷却材の熱を外部に伝達する二
次冷却材を流通させる二次冷却材供給管34と二次冷却
材排出管35が接続されている。また、中間熱交換器3
3は、上部プレナム25の一次冷却材が内部を通って二
次冷却材と熱交換した後に下部プレナム26に流入する
ように構成されている。
【0048】本発明の高速増殖炉の原子炉容器あるいは
衛星タンクの外壁部分には放熱構造を設けることができ
る。図4に衛星タンク3の外壁部分の放熱構造を示す。
【0049】衛星タンク3の側壁の外側には原子炉格納
容器5の側壁部分があり、原子炉格納容器5の側壁の外
表面には複数の冷却フィン16が設けられている。冷却
フィン16の間の空間には、例えば窒素ガスのような不
活性ガスから成る冷却媒体を循環させてもよい。
【0050】冷却フィン16の外側には、シュラウド4
0が設けられ、このシュラウド40の外側には断熱材か
らなる断熱層41が備えられている。断熱層41の外表
面は、環状空間42を隔てて原子炉支持構造物のコンク
リート支持体9の内表面に設けられた保護用セラミック
ライナ43と対向している。
【0051】原子炉支持構造物6は、熱や変位に対する
大きな緩衝用空間を介して原子炉容器2や衛星タンク3
を収納するように、充分な内容積を有するように形成さ
れている。好ましくは緩衝用空間の外側の面積は、原子
炉構造全体の表面積の2倍以上に設定する。
【0052】次に上記構造に基づく本実施例の作用・効
果について以下に説明する。本実施例の高速増殖炉1で
は、冷却材は図3に示す矢印の方向に流動する。すなわ
ち、衛星タンクの下部プレナム26中の一次冷却材は、
電磁ポンプ29によって昇圧され、低温側連結導管4a
を通って原子炉容器の下部プレナム21に流入する。原
子炉容器の下部プレナム21に流入した一次冷却材は上
方に流れ、炉心17を冷却して高温となって原子炉容器
の上部プレナム20流入する。原子炉容器の上部プレナ
ム20中の高温の一次冷却材は、高温の連結導管4bを
通って衛星タンクの上部プレナム25に流入する。衛星
タンクの上部プレナム25中の一次冷却材は、中間熱交
換器33を通って二次冷却材と熱交換し、低温となって
衛星タンクの下部プレナム26に戻る。
【0053】中間熱交換器33において、二次冷却材は
外部から二次冷却材供給管34を通って流入し、一次冷
却材によって加熱された後に、二次冷却材排出管35を
通ってたとえば図示しない外部の水蒸気発生手段に導か
れる。
【0054】水蒸気発生手段は、二次冷却材の熱によっ
て水蒸気を発生し、この水蒸気をタービン等に供給して
動力を発生する。
【0055】本実施例の高速増殖炉1は、衛星タンク3
内に十分な量の一次冷却材を保持し、冷却材の循環ポン
プが故障したときに原子炉の急激な温度上昇を防止する
ことができる。すなわち、電磁ポンプ29が何らかの原
因で停止したとき、原子炉容器の下部プレナム21中の
一次冷却材は炉心17によって加熱され、比重の差によ
って上昇して原子炉容器の上部プレナム20に流入す
る。原子炉容器2の上部プレナム20中の一次冷却材
は、高温の連結導管4bを通って衛星タンク3の上部プ
レナム25に流入し、さらに下部プレナム26に流入す
る。衛星タンク3の下部プレナム26に一次冷却材が流
入することにより、ガス連通導管28中の一次冷却材の
液面が上昇し、原子炉容器2の低圧プレナム19と圧力
差が生じる。この圧力差によって、衛星タンク3の下部
プレナム26中の一次冷却材は、プレナム連通管30を
通って原子炉容器2の低圧プレナム19に流入する。
【0056】このように、一次冷却材が自然の法則によ
って原子炉容器2と衛星タンク3の間を循環して炉心1
7を冷却するので、小さな原子炉容器2を有しながら大
容量のタンク型高速増殖炉と同様に、大きな熱慣性によ
ってポンプ故障時の炉心の温度上昇を防止することがで
きる。
【0057】また、本発明によれば構造が簡単であり、
熱による反力や応力が低く、かつ、地震に対して高い信
頼性を有するループ型高速増殖炉を提供することができ
る。
【0058】すなわち、本発明によれば、各衛星タンク
3内に電磁ポンプ29と中間熱交換器33を収納してい
るので、電磁ポンプと熱交換器とを接続する配管を省略
し、配管形状を簡素化することができる。
【0059】また、原子炉支持構造物6によって原子炉
容器2を固定的に支持し、ローラ14の作用によって衛
星タンク3を水平方向に滑動可能に支持することによ
り、原子炉容器2と衛星タンク3の間の接続配管の熱応
力を衛星タンク3の滑動によって吸収することができ
る。さらに、配管途中にベローズ31,32等の伸縮可
能な配管部材を設けることによって熱応力をさらに軽減
する。これによって、簡単な配管形状を有し、かつ、熱
応力が小さい高速増殖炉を得ることができる。
【0060】地震に対しても、本発明の高速増殖炉は高
い信頼性を有している。すなわち、原子炉容器2と衛星
タンク3と連結導管4等が一体構造の原子炉支持構造物
6の各収納空間に収納・支持されているので、原子炉の
各構成機器が安定している。また、接続配管は、簡単な
形状を有しているので、地震等の加速度に対して配管系
統の揺動を軽減することができる。
【0061】上記原子炉支持構造物6は、支持される原
子炉本体構造物の固有振動数より大きな固有振動数を有
するように構成されているので、地震による原子炉本体
構造物の励振を防止することができる。地震による上下
方向の加速度に対して、衛星タンク3の垂直方向拘束器
15は、衛星タンク3の上下動を防止することができ
る。
【0062】また、本発明の高速増殖炉では、原子炉容
器と衛星タンクと連結導管の外側を原子炉格納容器よっ
て取り囲んで密封しているので、万一、原子炉容器や連
結導管から冷却材等が漏洩しても、これが流出するのを
防止でき、熱応力や地震等に対して安全な高速増殖炉を
提供することができる。
【0063】さらに、本発明の高速増殖炉によれば、原
子炉の構成機器を接続する配管等を建設現場に合わせて
配設する必要がないので、構成機器を配管の大部分をモ
ジュール化して、最終組立のみ現場で行うことができ
る。配管を支持するスナッバ、ハンガ、ロッド等の複雑
な支持装置を建設現場で取り付ける必要もない。これに
より、製造・組立が容易な高速増殖炉を提供することが
できる。
【0064】次に、衛星タンクの異なる実施態様につい
て以下に説明する。図5は、衛星タンク内で一次冷却材
あるいは二次冷却材によって直接水を加熱して水蒸気を
発生するようにした衛星タンクを示している。
【0065】図5において、衛星タンク50は圧力容器
51を有している。圧力容器51の側壁上端部には冷却
材ノズル52が設けられ、この冷却材ノズル52を通し
て冷却材取入配管53と冷却材排出配管54が配設され
ている。冷却材取入配管53の図示しない外端は、外部
の一次冷却材あるいは二次冷却材循環系に接続され、衛
星タンク50内の内端は冷却材分配用の環状のマニホー
ルド55に接続されている。
【0066】マニホールド55の下方には、多数の螺旋
状の伝熱管からなる環状の水蒸気発生用の水蒸気発生器
56が設けられている。圧力容器51の下端部には、前
記水蒸気発生器56に接続された水入口57a,57b
が設けられている。また、圧力容器51の上端部には、
前記水蒸気発生器56に接続された水蒸気出口58a,
58bが設けられている。
【0067】圧力容器51の中央部には、水蒸気発生器
56を貫通する円筒状のポンプケーシング59が取り付
けられている。ポンプケーシング59の下端部には、冷
却材を流通させ、これを撹拌する複数の孔60が設けら
れている。
【0068】ポンプケーシング59の中央部内側には、
冷却材を駆動するワンスルー型の電磁ポンプ61が取り
付けられている。この電磁ポンプ61の吐出口は、上記
冷却材排出配管54に接続されている。
【0069】また、地震等の衝撃を緩和するために、上
記水蒸気発生器56は、緩衝器62を介して圧力容器5
1内壁に固定されている。符号63は、ポンプケーシン
グ59の上端部を固定するブラケットを示している。な
お、衛星タンク50の上端部にはアルゴンのような不活
性ガスを充満した不活性ガス空間64が形成されてい
る。
【0070】この衛星タンク50では、外部で加熱され
て高温となった一次冷却材あるいは二次冷却材を冷却材
取入配管53を介して取り入れ、マニホールド55によ
って衛星タンク50の上部に均等に分配する。この高温
の冷却材は、水蒸気発生器56内の水と熱交換しながら
水蒸気発生器56を通って下降し、低温になって衛星タ
ンク50の底部に達する。低温の冷却材は、孔60を通
ってポンプケーシング59内に流入し、ポンプケーシン
グ59内を上昇し、ワンスルー型電磁ポンプ61によっ
て昇圧され、冷却材排出配管54を通って外部に流出す
る。
【0071】一方、水は圧力容器51下端部の水入口5
7a,57bを通って取り入れられ、水蒸気発生器56
で高温の冷却材によって加熱されて水蒸気になり、水蒸
気出口58a,58bを通って外部に流出する。この水
蒸気のエネルギは、図示しない外部の動力装置で動力に
変換される。
【0072】この実施態様の衛星タンク50によって
も、図3で示した高速増殖炉1と全く同様の作用・効果
を得ることができる。
【0073】図6は、さらに他の実施態様による衛星タ
ンクを示している。この衛星タンク70は螺旋コイル型
の水蒸気発生システムと一次冷却材及び二次冷却材の熱
交換システムを備えている。
【0074】衛星タンク70は、原子炉支持構造物6に
支持された圧力容器71を有し、この圧力容器71は内
部に環状の中間熱交換器72を有し、この中間熱交換器
72は支持ブラケット73によって圧力容器71の側壁
内側に固定されている。この支持ブラケット73によっ
て、支持ブラケット73の上方には受け入れられた高温
の一次冷却材を混合する混合プレナム74、支持ブラケ
ット73の下方には低温の一次冷却材を貯溜する下方プ
レナム75が画成されている。
【0075】中間熱交換器72の内側には、多数の螺旋
状伝熱管からなる環状の水蒸気発生器76が設けられて
いる。
【0076】この水蒸気発生器76のさらに内側には、
圧力容器71の中心部に軸方向に配設された中央管77
が備えられている。この中央管77の内側には、二次冷
却材駆動用のセンターリターン型の二次電磁ポンプ78
と、一次冷却材駆動用のワンスルー型の一次電磁ポンプ
79が取り付けられている。
【0077】この衛星タンク70において、高温の一次
冷却材は一次冷却材取入管80を介して混合プレナム7
4内に流入する。混合プレナム74で混合された高温の
一次冷却材は、中間熱交換器72の外側に穿設された多
数の孔81から中間熱交換器72内に流入し、下方に向
かって流れて中間熱交換器72下端面の環状開口82を
通って下方プレナム75に流出する。中間熱交換器72
を通過する間に、一次冷却材は二次冷却材と熱交換して
低温となる。
【0078】下方プレナム75中の一次冷却材は、中央
管77下端部に穿設された孔83を通って中央管77内
部に流入する。中央管77内に流入した一次冷却材は、
一次電磁ポンプ79によって吸引され、昇圧されて一次
冷却材排出管84を通って外部に排出される。
【0079】これに対して二次冷却材は、中間熱交換器
72と水蒸気発生器76の間を循環する。中央管77内
部に貯溜された二次冷却材は、二次電磁ポンプ78によ
って吸引され、入口導管85によって中間熱交換器72
中に設けられた垂直管86に導かれる。
【0080】垂直管86の内部には、ロッド87によっ
て多数の邪魔板88が互い違いに設けられている。この
邪魔板88の作用によって、二次冷却材は垂直管86の
内部をゆっくり上昇し、一次冷却材の熱を吸収して高温
となる。
【0081】高温となった二次冷却材は、出口導管89
を通って水蒸気発生器76の上部に導かれ、ディストリ
ビューター90によって水蒸気発生器76の伝熱管に注
がれる。
【0082】水蒸気発生器76の伝熱管と熱交換して低
温となった二次冷却材は、水蒸気発生器76下方の中央
管77の孔91を通って中央管77内部に一時的にプー
ルされ、上記循環を繰り返す。
【0083】水は、水取入管92によって取り入れら
れ、混合領域93を通って水蒸気発生器76の螺旋状伝
熱管に導かれ、この螺旋状伝熱管で二次冷却材によって
熱せられ水蒸気になる。水蒸気は水蒸気排出管94を通
って外部の図示しない動力発生装置に導かれる。
【0084】この実施態様の衛星タンク70によって
も、図3で示した高速増殖炉1と全く同様の作用・効果
を得ることができることは説明を要しない。
【0085】なお、本発明の上述した実施例に限定され
ることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変
形が可能である。
【0086】
【発明の効果】以上述べた通り、本発明はループ型高速
増殖炉において、原子炉の構成機器を配管の引き回しに
よって接続する構造の替わりに、原子炉容器の周囲に冷
却材駆動用の電磁ポンプと熱交換器を収納した衛星タン
クを配置し、この原子炉容器と衛星タンクを簡単な形状
の連結導管によって連結する構造を採用することによ
り、原子炉の保守性と信頼性を向上させ、かつ、配管の
引き回しの簡略化によって小さなスペースに高速増殖炉
を合理的に建設することができる。
【0087】また、配管形状の簡略化と衛星タンクによ
る構成機器の一体化によって、高速増殖炉をモジュール
に分割して製造することができるようになり、全体とし
て建設・組立が容易な高速増殖炉を提供することができ
る。
【0088】さらに、本発明による高速増殖炉は、電磁
ポンプが事故等によって停止したときに、熱対流の作用
によって一次冷却材が原子炉容器と衛星タンクの間を自
然に循環するので、原子炉容器の容積を小さく設定でき
かつ、大きな熱慣性を有する安全な高速増殖炉を得るこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による高速増殖炉の原子炉本体構造物の
全体を示した斜視図。
【図2】本発明による高速増殖炉の原子炉支持構造物を
示した斜視図。
【図3】本発明による高速増殖炉の原子炉容器と衛星タ
ンクと原子炉格納容器を切断して示した断面図。
【図4】本発明の高速増殖炉の冷却フィン構造を示した
水平方向の断面図。
【図5】本発明の他の実施態様による衛星タンク構造を
示した断面図。
【図6】本発明のさらに他の実施態様による衛星タンク
構造を示した断面図。
【図7】従来のループ型高速増殖炉を示した断面図。
【符号の説明】
1 高速増殖炉 2 原子炉容器 3 衛星タンク 4 連結導管 5 原子炉格納容器 6 原子炉支持構造物 17 炉心 29 電磁ポンプ 33 中間熱交換器 50 衛星タンク 56 水蒸気発生器 61 電磁ポンプ 70 衛星タンク 72 中間熱交換器 76 水蒸気発生器 78 二次電磁ポンプ 79 一次電磁ポンプ

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】炉心を格納する原子炉容器の周囲に、冷却
    材循環用の電磁ポンプと熱交換器を格納する少なくとも
    一つの衛星タンクを配設し、前記原子炉容器と衛星タン
    クの液体金属を流通させる連結導管によって前記原子炉
    容器と各衛星タンクを連結し、前記原子炉容器と衛星タ
    ンクと連結導管とを放射性物質漏洩防止用の原子炉格納
    容器によって密封し、前記原子炉容器、衛星タンク、連
    結導管および原子炉格納容器を一体に構成された原子炉
    支持構造物によって保持するようにしたことを特徴とす
    る高速増殖炉。
  2. 【請求項2】前記衛星タンクは、炉心を冷却する一次冷
    却材用の流通領域と、一次冷却材の熱を外部に伝達する
    二次冷却材用の流通領域とを有し、 前記衛星タンクの電磁ポンプは、一次冷却材の駆動用ポ
    ンプであり、前記衛星タンクの熱交換器は、一次冷却材
    と二次冷却材とを熱交換させる中間熱交換器であること
    を特徴とする請求項1に記載の高速増殖炉。
  3. 【請求項3】前記衛星タンクは、炉心を冷却する一次冷
    却材用の流通領域と、外部の動力発生装置に連通する水
    の流通領域とを有し、 前記衛星タンクの電磁ポンプは、一次冷却材の駆動用ポ
    ンプであり、前記衛星タンクの熱交換器は、一次冷却材
    の熱によって水蒸気を発生させる水蒸気発生器であるこ
    とを特徴とする請求項1に記載の高速増殖炉。
  4. 【請求項4】前記衛星タンクは、原子炉容器に連通する
    一次冷却材の流通領域と、衛星タンク内で循環する二次
    冷却材の流通領域と、外部の動力発生装置に連通する水
    の流通領域とを有し、 前記衛星タンクの電磁ポンプは、前記一次冷却材を駆動
    する第一電磁ポンプと、前記二次冷却材を駆動する第二
    電磁ポンプとからなり、 前記衛星タンクの熱交換器は、前記一次冷却材と二次冷
    却材を熱交換させる中間熱交換器と、前記二次冷却材の
    熱によって水蒸気を発生させる水蒸気発生器とからなる
    ことを特徴とする請求項1に記載の高速増殖炉。
  5. 【請求項5】前記原子炉支持構造物は、原子炉容器と衛
    星タンクと連結導管と原子炉格納容器によって構成され
    る原子炉本体構造物全体の固有振動数より大きい周波数
    の固有振動数を有していることを特徴とする請求項1に
    記載の高速増殖炉。
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