JPH071136Y2 - 歯科用鋳造装置 - Google Patents

歯科用鋳造装置

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JPH071136Y2
JPH071136Y2 JP8145992U JP8145992U JPH071136Y2 JP H071136 Y2 JPH071136 Y2 JP H071136Y2 JP 8145992 U JP8145992 U JP 8145992U JP 8145992 U JP8145992 U JP 8145992U JP H071136 Y2 JPH071136 Y2 JP H071136Y2
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JP
Japan
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mold
ring
molten metal
boundary wall
casting
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JP8145992U
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JPH0638929U (ja
Inventor
文信 久保
和彦 上新
Original Assignee
大成歯科工業株式会社
和彦 上新
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この考案は、歯科用鋳造装置に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】歯科用鋳造装置として、アルゴン等の不
活性ガスで加圧可能な加圧溶解室と減圧可能な減圧鋳造
室とを上下に接続して設け、この加圧溶解室および減圧
鋳造室の境界壁にその中央部を貫通する溶湯通路を開口
し、上記加圧溶解室に上記溶湯通路の上端を塞ぐように
金属ルツボを設置し、上記減圧鋳造室に昇降自在の鋳型
台を設置し、この鋳型台に載置した鋳型の上端面を上記
境界壁に圧接して上記溶湯通路の下端を塞ぎ、上記の減
圧鋳造室の空気を排出しながら加圧溶解室に不活性ガス
を供給し、該不活性ガスの雰囲気中で金属ルツボ内の歯
科用金属をアーク放電により溶解し、次いで溶解金属を
溶湯通路を介して下の鋳型に注入するようにしたものが
知られている。
【0003】図5は、上記歯科用鋳造装置の減圧鋳造室
10を示す縦断面図であり、11はルツボ台を兼ねる境
界壁、12は溶湯通路であり、この境界壁11の下面に
はアスベスト製のシートを打ち抜いて作られたリング状
パッキング13が溶湯通路12を囲むように固着され、
この境界壁11の下方の鋳型台14上に歯科用鋳型15
が載置され、鋳型台14を下方のジャッキ(図示されて
いない)で上昇させることにより、鋳型15の上端面が
上記パッキング13に圧接される。なお、鋳型15にお
いて、15aは湯口、15bは湯道、15cはキャビテ
ィ、16は耐火ウール製のクッション材である。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】上記の鋳造装置は、ル
ツボ台を兼ねる境界壁11の下面にアスベスト製のパッ
キング13を固定しており、このアスベスト製パッキン
グ13は、クッション性に乏しく、シール性が低いの
で、減圧鋳造室10からアルゴンガスを排出しながら、
金属ルツボの溶解金属を流下させる際、上記のアルゴン
ガスがパッキング13を半径方向に透過し、その分だけ
鋳型を透過するアルゴンガスが減少して溶解金属に対す
る鋳型の吸引力が低下し、かつ上記溶解金属の一部がパ
ッキング13を透過するアルゴンガスと共にパッキング
13の方向に流れてパッキング13に接触し、そのため
パッキング13を構成するアスベストが分解して分解ガ
スを発生し、特にチタンを溶解した場合は、チタンの温
度が高いために分解ガスの発生が多くなり、このガスが
溶解チタンと共にキャビティ15cに流入し、上記吸引
力の低下とあいまって鋳造欠陥が多発し、合格品がほと
んど得られかった。
【0005】この考案は、従来のアスベスト製パッキン
グの使用を排し、しかも境界壁下面と鋳型間の気密性を
改善してパッキングから分解ガスが発生するのを防止
し、鋳造欠陥の無い鋳造を可能にするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】この考案は、上下に並ぶ
加圧溶解室と減圧鋳造室とをその境界壁の中央部に設け
た溶湯通路で連通させ、上記加圧溶解室に溶湯通路の上
端を塞ぐように金属ルツボを設置し、上記減圧鋳造室に
昇降自在の鋳型台を設置し、この鋳型台に鋳型を載置
し、該鋳型の上端面を境界壁の下面に圧接して溶湯通路
の下端を塞ぎ、金属ルツボ内の溶解金属を溶湯通路を経
て鋳型に注入するようにした歯科用鋳造装置において、
上記鋳型の上端面にその外周に沿ってゴム製Oリングを
該Oリングの上面が鋳型の上端面よりも若干突出するよ
うに取付け、このOリングおよび鋳型の上端面が上記境
界壁の下面に直接圧接して上記Oリングで境界壁下面と
鋳型間の通気性が絶たれるようにしたことを特徴とする
歯科用鋳造装置である。
【0007】上記のOリングは、鋳型の上端に直接埋め
込んでもよく、また上記のOリングを嵌合させることが
できるリング状の溝を備えた金属製の支持リングをあら
かじめ上記鋳型の上端外周に沿って埋め込み、この支持
リングの溝に上記のOリングを嵌合してもよく、この場
合は支持リングの上面高さが鋳型の上端と等しく設定さ
れ、Oリングの上面高さは支持リングおよび鋳型の上面
よりも若干高く設定される。なお、Oリングおよび埋没
材層の上面高さの差は、0.5〜1.5mmが好ましい。
【0008】
【作用】この考案において、Oリングを取付けた室温の
鋳型を上昇させ、鋳型の上面(支持リングを有する場合
は鋳型および支持リングの上面)を境界壁の下面に接触
させると、Oリングが圧縮されて境界壁および鋳型間の
通気性が断たれ、不活性ガスおよび空気の混合ガスが境
界壁および鋳型間を半径方向にほとんど流れなくなる。
また、Oリングが鋳型の外周に沿って取付けられている
ため、Oリングと溶湯通路間の距離が従来のアスベスト
製リング状パッキングと溶湯通路間の距離に比して遠く
なる。したがって、減圧鋳造室の減圧を続けながら鋳込
みを行っても、この溶解金属が境界壁と鋳型の境界部を
半径方向に流れてOリングまで達することはなく、その
ためOリングが分解して分解ガスを発生することがな
く、かつ鋳型内のガス全体が鋳型を透過するため、鋳造
欠陥の発生が防止される。なお、鋳型の上端に金属製の
支持リングを介してOリングを取付けた場合は、鋳型の
上端が補強される。
【0009】
【実施例】図1において、10は減圧鋳造室、11は境
界壁、12は溶湯通路、14は昇降自在の鋳型台であ
り、境界壁11の上方には加圧溶解室が設けられ、この
加圧溶解室には溶湯通路12の上端を塞ぐように金属ル
ツボが、また鋳型台14の下方にはジャッキがそれぞれ
従来と同様に設置されている。鋳型台14上に置かれた
鋳型21は直径40mm、高さ50mmの円柱状のものであ
り、その上端外周に沿ってゴム製のOリング22が、該
Oリング22の鋳型21に対する突出高さが1mmとなる
ように取付けられている。なお、21aは湯口、21b
は湯道、21cはキャビティであり、この例では鋳型2
1の外周面に鋳型製造時のクッション材23が残されて
いる。
【0010】図3は上記図1の鋳型21を製造する方法
の説明図であり、ゴム製円錐台30の中央凸部30aに
ワックスパターン31をスプル線31aによって植立
し、上記円錐台30の外周円筒部30bの内側に鋳造リ
ング32を嵌合し、該鋳造リング32の内面に上記のク
ッション材23を内張りし、下端に上記のOリング22
を嵌合し、上記ワックスパターン31の周囲に埋没材を
充填する。しかるのち、上記のゴム製円錐台30を抜き
取り、更に鋳造リング32およびOリング22を外し、
埋没材層の下端の厚さ約1mmの部分(鎖線33の下の部
分)を削り取り、上記のワックスパターン31およびス
プル線31aを含む埋没材を炉に入れて約900℃に加
熱してワックスパターン31等を焼却して鋳型とし、室
温まで冷却した後、Oリング22をセットして鋳型台1
4に乗せる。なお、上記加熱の際、クッション材23は
外してもよく、また外さなくてもよい。
【0011】図2の実施例は、鋳型26の上端外周部に
ステンレス鋼製の支持リング27を、その上面が鋳型2
6の上面と等しい高さになるように埋設し、支持リング
27の上面にあらかじめ凹設されている溝27aにOリ
ング22を嵌合し、その上面を支持リング27および鋳
型26の上に約1mm突出させたものであり、鋳型26の
中央部には、湯口26a、湯道26b、キャビティ26
cが図1の例と同様に設けられ、鋳型26の外面にはク
ッション材28が残されている。
【0012】この図2の鋳型26は、図4に示すよう
に、ゴム製円錐台30に嵌合した鋳造リング32の内側
下端に上記の支持リング27をOリング22の代わりに
置き、支持リング27よりも上の鋳造リング32にクッ
ション材28を内張りする以外は、図1、図3の例と同
様にして製造される。
【0013】
【考案の効果】この考案は、上記のとおり、上下に並ぶ
加圧溶解室と減圧鋳造室とを備えた歯科用鋳造装置にお
いて、その減圧鋳造室内の鋳型台上に載置された鋳型の
上端面にその外周に沿ってゴム製Oリングを取付け、鋳
型台を上昇させた際、上記の加圧溶解室および減圧鋳造
室間の境界壁下面に鋳型の上端面およびOリングが直接
圧接するようにしたものであるから、境界壁および鋳型
間の通気性が上記のOリングで確実に遮断される。した
がって、減圧鋳造室を減圧し、かつ加圧溶解室に不活性
ガスを供給しながら鋳造する際、不活性ガスが境界壁お
よび鋳型間を半径方向に流れなくなり、その分だけ鋳型
を透過する不活性ガスが増大し、溶解金属に対する鋳型
のキャビティ内面の吸引力が大きくなる。
【0014】また、Oリングが鋳型の外周に沿って取付
けられているため、Oリングと溶湯通路間の距離が従来
のアスベスト製リング状パッキングと溶湯通路間の距離
に比して遠くなる。それゆえ、加圧溶解室を加圧し、減
圧鋳造室の減圧を続けながら鋳込みを行っても、溶解金
属が上記境界壁下面と鋳型上面との境界部を半径方向に
流れてOリングまで達することがなくなり、Oリングが
分解して分解ガスを発生することはなく、キャビティ内
面の吸引力が増大することとあいまち、鋳造欠陥の発生
が防止され、チタンを溶解した際も不良品が発生しな
い。なお、請求項2に記載の考案は、鋳型の上端に金属
製の支持リングを介してOリングを取付けたものである
から、鋳型の上端が補強され、鋳型の取扱いが容易にな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の要部の縦断面図である。
【図2】実施例2の要部の縦断面図である。
【図3】実施例1の鋳型を製造する方法の説明図であ
る。
【図4】実施例2の鋳型を製造する方法の説明図であ
る。
【図5】従来装置の要部の縦断面図である。
【符号の説明】
10:減圧鋳造室 11:加圧溶解室と減圧鋳造室の境界壁 12:溶湯通路 14:昇降自在の鋳型台 21:26:鋳型 21a、26a:湯口 21b、26b:湯道 21c、21c:キャビティ 22:Oリング 23、28:クッション材 27:支持リング 27a:溝 30:ゴム製円錐台 31:ワックスパターン 31a:スプル線 32:鋳造リング

Claims (2)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上下に並ぶ加圧溶解室と減圧鋳造室とを
    その境界壁の中央部に設けた溶湯通路で連通させ、上記
    加圧溶解室に溶湯通路の上端を塞ぐように金属ルツボを
    設置し、上記減圧鋳造室に昇降自在の鋳型台を設置し、
    この鋳型台に鋳型を載置し、該鋳型の上端面を境界壁の
    下面に圧接して溶湯通路の下端を塞ぎ、金属ルツボ内の
    溶解金属を溶湯通路を経て鋳型に注入するようにした歯
    科用鋳造装置において、上記鋳型の上端面にその外周に
    沿ってゴム製Oリングを該Oリングの上面が鋳型の上端
    面よりも若干突出するように取付け、このOリングおよ
    び鋳型の上端面が上記境界壁の下面に直接圧接して上記
    Oリングで境界壁下面と鋳型間の通気性が絶たれるよう
    にしたことを特徴とする歯科用鋳造装置。
  2. 【請求項2】 鋳型上端のゴム製Oリングが該Oリング
    を嵌合させることができるリング状の溝を備えた金属製
    の支持リングを介して取付けられた請求項1に記載の歯
    科用鋳造装置。
JP8145992U 1992-10-29 1992-10-29 歯科用鋳造装置 Expired - Lifetime JPH071136Y2 (ja)

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JPH0638929U JPH0638929U (ja) 1994-05-24
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