JPH07113390B2 - Frp板ばねおよびその製造方法 - Google Patents
Frp板ばねおよびその製造方法Info
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- JPH07113390B2 JPH07113390B2 JP10392087A JP10392087A JPH07113390B2 JP H07113390 B2 JPH07113390 B2 JP H07113390B2 JP 10392087 A JP10392087 A JP 10392087A JP 10392087 A JP10392087 A JP 10392087A JP H07113390 B2 JPH07113390 B2 JP H07113390B2
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- JP
- Japan
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- leaf spring
- groove
- fibers
- width
- longitudinal direction
- Prior art date
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-
- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F16—ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
- F16F—SPRINGS; SHOCK-ABSORBERS; MEANS FOR DAMPING VIBRATION
- F16F1/00—Springs
- F16F1/36—Springs made of rubber or other material having high internal friction, e.g. thermoplastic elastomers
- F16F1/366—Springs made of rubber or other material having high internal friction, e.g. thermoplastic elastomers made of fibre-reinforced plastics, i.e. characterised by their special construction from such materials
- F16F1/368—Leaf springs
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- Engineering & Computer Science (AREA)
- General Engineering & Computer Science (AREA)
- Mechanical Engineering (AREA)
- Springs (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、車両の懸架用ばね等に使用されるFRP板ばね
とその製造方法に関する。
とその製造方法に関する。
FRP(繊維強化合成樹脂)製の板ばねは、マトリックス
樹脂と強化繊維とからなり強化繊維には主に板ばねの長
手方向に沿う一方向連続繊維が使われている。このよう
なFRP板ばねの製造方法としては、生産性の高いフィラ
メントワインディング法あるいはプルフォーミング法が
使われる。従って、第17図に示されるように等応力化を
図るために全長にわたって幅が等しくかつ板端側の厚み
が漸減するテーパ状のFRP板ばね1を作るには、それな
りの工夫が必要である。
樹脂と強化繊維とからなり強化繊維には主に板ばねの長
手方向に沿う一方向連続繊維が使われている。このよう
なFRP板ばねの製造方法としては、生産性の高いフィラ
メントワインディング法あるいはプルフォーミング法が
使われる。従って、第17図に示されるように等応力化を
図るために全長にわたって幅が等しくかつ板端側の厚み
が漸減するテーパ状のFRP板ばね1を作るには、それな
りの工夫が必要である。
例えば周知のフィラメントワインディング法のように、
一方向に連続する繊維に樹脂を含浸させながら連続的に
型(マンドレル)に巻付ける方法において、繊維を途中
で切断することなく一体成形すると、長手方向各部の断
面形状は変わっても断面積は同じになる。このため従来
は、例えば第18図に示される半製品2のように、板端側
に向かって幅が広がる部分2aを一体に成形することによ
って、長手方向各部の断面積が一定になるようにしてい
た。そして半製品2の成形後に上記幅広部分2aを切り落
とすことによって、等幅のテーパ板ばね1を得るように
している。この場合、第19図にハッチングで示すような
切断面1aとなり、この切断面1aは板厚方向中央部に位置
している。すなわち、応力がゼロの位置(中立軸)を境
にして、切断面1aが引張り応力側と圧縮応力側の両方に
またがっている。そして、板厚方向中央部の繊維は板ば
ね1の長手方向中央部を除いて切断されてしまう。この
種のFRP板ばねは特開昭60−73142号公報にも示されてい
る。
一方向に連続する繊維に樹脂を含浸させながら連続的に
型(マンドレル)に巻付ける方法において、繊維を途中
で切断することなく一体成形すると、長手方向各部の断
面形状は変わっても断面積は同じになる。このため従来
は、例えば第18図に示される半製品2のように、板端側
に向かって幅が広がる部分2aを一体に成形することによ
って、長手方向各部の断面積が一定になるようにしてい
た。そして半製品2の成形後に上記幅広部分2aを切り落
とすことによって、等幅のテーパ板ばね1を得るように
している。この場合、第19図にハッチングで示すような
切断面1aとなり、この切断面1aは板厚方向中央部に位置
している。すなわち、応力がゼロの位置(中立軸)を境
にして、切断面1aが引張り応力側と圧縮応力側の両方に
またがっている。そして、板厚方向中央部の繊維は板ば
ね1の長手方向中央部を除いて切断されてしまう。この
種のFRP板ばねは特開昭60−73142号公報にも示されてい
る。
上記のように幅広部分2aが切断されたFRP板ばね1が繰
返し撓むと、繊維の切断面1aすなわち板ばね側面から割
れが発生する。割れの発生状況を調べるために実験を行
なったところ、次の傾向のあることが認められた。
返し撓むと、繊維の切断面1aすなわち板ばね側面から割
れが発生する。割れの発生状況を調べるために実験を行
なったところ、次の傾向のあることが認められた。
使用時において主に圧縮応力が作用するコンプレッ
ション側(CS)よりも、引張り応力の作用するテンショ
ン側(TS)の方に割れが発生しやすく、割れの進展もテ
ンション側の方が早い。
ション側(CS)よりも、引張り応力の作用するテンショ
ン側(TS)の方に割れが発生しやすく、割れの進展もテ
ンション側の方が早い。
ただし、コンプレッション側の表面まで強化繊維が
斜めに配向していると、耐久性が低下する。
斜めに配向していると、耐久性が低下する。
強化繊維の配向強度(板ばねの長手方向に対する繊
維の角度θ)が大きいほど、割れが発生しやすいし、進
展も早い。すなわち第20図に示されるように、板ばね側
面で切断される斜め方向の繊維3の配向角度θが大きい
ほど、切断面1aで割れを生じやすい。そして実用に適す
るθの最大値は10゜である。
維の角度θ)が大きいほど、割れが発生しやすいし、進
展も早い。すなわち第20図に示されるように、板ばね側
面で切断される斜め方向の繊維3の配向角度θが大きい
ほど、切断面1aで割れを生じやすい。そして実用に適す
るθの最大値は10゜である。
このため従来のFRP板ばね1は低い応力負荷で使用しな
いと割れが発生し、早期折損につながるという問題があ
った。
いと割れが発生し、早期折損につながるという問題があ
った。
また、従来のFRP板ばね1を成形する際には第21図に示
されるような金型4,5が使われている。この場合、樹脂
を含浸した繊維3を下型4に充填するとともに、上型5
に入る部分を盛上げた状態にしてから、第22図に示され
るように上型5を下型4に押付けることによって、樹脂
を含浸した繊維3を押し漬すようにしていた。このた
め、上型5の内側のコーナー部分に隙間6を生じやすい
とともに、コンプレッション側の繊維が蛇行するなどの
不具合を生じ、このことも板ばねの早期折損の原因とな
る。
されるような金型4,5が使われている。この場合、樹脂
を含浸した繊維3を下型4に充填するとともに、上型5
に入る部分を盛上げた状態にしてから、第22図に示され
るように上型5を下型4に押付けることによって、樹脂
を含浸した繊維3を押し漬すようにしていた。このた
め、上型5の内側のコーナー部分に隙間6を生じやすい
とともに、コンプレッション側の繊維が蛇行するなどの
不具合を生じ、このことも板ばねの早期折損の原因とな
る。
従って本発明の目的とするところは、側面が切断された
等幅のFRPテーパ板ばねにおいて、板ばね側面の繊維切
断箇所で割れが発生したり割れが進展することを防止で
きるようにすることにある。
等幅のFRPテーパ板ばねにおいて、板ばね側面の繊維切
断箇所で割れが発生したり割れが進展することを防止で
きるようにすることにある。
上記目的を達成するために本発明では、下記構成のFRP
板ばねとその製造方法を提供する。
板ばねとその製造方法を提供する。
すなわち本発明のFRP板ばねは、長手方向中央側の板厚
が最大で板端側の厚みが漸減するテーパ状をなしている
とともに、そのほぼ全長にわたって板幅が同等であり、
かつ主に引張り応力が作用するテンション側およびコン
プレッション側の表面層には上記繊維が全て板ばねの長
手方向に沿って直線状に引き揃えられており、また表面
層を除くコンプレッション側には板ばねの長手方向に沿
う繊維と板端側に向かって広がる斜め方向の繊維とが混
在し、この斜め方向の繊維の先端側が板ばね側面で切断
されていることを特徴とするFRP板ばねである。
が最大で板端側の厚みが漸減するテーパ状をなしている
とともに、そのほぼ全長にわたって板幅が同等であり、
かつ主に引張り応力が作用するテンション側およびコン
プレッション側の表面層には上記繊維が全て板ばねの長
手方向に沿って直線状に引き揃えられており、また表面
層を除くコンプレッション側には板ばねの長手方向に沿
う繊維と板端側に向かって広がる斜め方向の繊維とが混
在し、この斜め方向の繊維の先端側が板ばね側面で切断
されていることを特徴とするFRP板ばねである。
また本発明によるFRP板ばねの製造方法は、樹脂が含浸
された強化繊維を成形用の凹溝をもつ型内に引き揃えな
がら積層することによってFRP板ばねを製造する方法に
おいて、上記凹溝の溝底側には全長にわたって幅が等し
くかつ端部側に向かって溝底が浅くなる等幅溝が設けら
れているとともに上記凹溝の開口面側には端部に向かっ
て溝幅が漸増するテーパ溝が設けられている。そして、
上記凹溝内に樹脂を含浸させた繊維を積層する場合に、
始めのうちは上記等幅溝内に全長にわたって繊維を直線
状に引き揃えてゆくことによって板ばねテンション側に
等幅部を形成してゆき、この等幅部が所定の厚みに達し
たところで、上記凹溝の長手方向中央側は繊維を長手方
向と平行に重ねかつ板端側は長手方向と平行な繊維と板
端側が広がる斜め方向の繊維が混在するように重ねるこ
とによって板ばねのコンプレッション側に偏った位置に
上記等幅部よりも幅の広い幅広部分を形成する。最後
に、コンプレッション側の表面は長手方向と平行な繊維
になるように引き揃える。そして、樹脂を硬化させたの
ち型から取出すとともに、全長にわたってほぼ同じ幅と
なるように上記幅広部分を切断することを特徴とする製
造方法である。
された強化繊維を成形用の凹溝をもつ型内に引き揃えな
がら積層することによってFRP板ばねを製造する方法に
おいて、上記凹溝の溝底側には全長にわたって幅が等し
くかつ端部側に向かって溝底が浅くなる等幅溝が設けら
れているとともに上記凹溝の開口面側には端部に向かっ
て溝幅が漸増するテーパ溝が設けられている。そして、
上記凹溝内に樹脂を含浸させた繊維を積層する場合に、
始めのうちは上記等幅溝内に全長にわたって繊維を直線
状に引き揃えてゆくことによって板ばねテンション側に
等幅部を形成してゆき、この等幅部が所定の厚みに達し
たところで、上記凹溝の長手方向中央側は繊維を長手方
向と平行に重ねかつ板端側は長手方向と平行な繊維と板
端側が広がる斜め方向の繊維が混在するように重ねるこ
とによって板ばねのコンプレッション側に偏った位置に
上記等幅部よりも幅の広い幅広部分を形成する。最後
に、コンプレッション側の表面は長手方向と平行な繊維
になるように引き揃える。そして、樹脂を硬化させたの
ち型から取出すとともに、全長にわたってほぼ同じ幅と
なるように上記幅広部分を切断することを特徴とする製
造方法である。
上記構成のFRP板ばねは、例えば車両の懸架用ばねとし
て使われ、車両に装着された使用状態においては従来の
鋼製板ばねの場合と同様に、テンション側に主に引張り
応力が作用し、コンプレッション側には主に圧縮応力が
作用する。
て使われ、車両に装着された使用状態においては従来の
鋼製板ばねの場合と同様に、テンション側に主に引張り
応力が作用し、コンプレッション側には主に圧縮応力が
作用する。
本発明のFRP板ばねは、等幅にするために切断された幅
広部分の切断面がコンプレッション側に偏寄しており、
撓みの繰返しによって割れが生じたり割れが進展しやす
いテンション側およびコンプレッション側の表面は長手
方向と平行に引き揃えられた連続繊維のみによって強化
されているから、繰返し撓んでも早期折損を生じるよう
なことがなく、高い耐久性を発揮できる。
広部分の切断面がコンプレッション側に偏寄しており、
撓みの繰返しによって割れが生じたり割れが進展しやす
いテンション側およびコンプレッション側の表面は長手
方向と平行に引き揃えられた連続繊維のみによって強化
されているから、繰返し撓んでも早期折損を生じるよう
なことがなく、高い耐久性を発揮できる。
以下に本発明の一実施例につき、第1図ないし第16図を
参照して説明する。
参照して説明する。
第2図に示されたFRP板ばね10は、自動車の懸架用ばね
として使われるものであり、その材料にはマトリックス
樹脂と周知の強化繊維が使われている。この板ばね10は
全長にわたって板幅が同等であり、上下方向に弓なりに
湾曲した形状をなしているとともに、長手方向中央側の
板厚が最大で板端側の厚みが漸減するテーパ状をなして
いる。
として使われるものであり、その材料にはマトリックス
樹脂と周知の強化繊維が使われている。この板ばね10は
全長にわたって板幅が同等であり、上下方向に弓なりに
湾曲した形状をなしているとともに、長手方向中央側の
板厚が最大で板端側の厚みが漸減するテーパ状をなして
いる。
板ばね10の両端には図示しない目玉部材が取付けられ、
この目玉部材を介して車体側に取付けられる。なお、図
面に描かれている板ばね10は、説明の都合上、実際の使
用状態とは上下が逆様である。板ばね10の長手方向中央
部は、アクスルハウジング等の車軸側の部材に連結され
る。従って、車体に装着された使用状態においては図示
上側がコンプレッション側(CS)、図示下側がテンショ
ン側(TS)となる。
この目玉部材を介して車体側に取付けられる。なお、図
面に描かれている板ばね10は、説明の都合上、実際の使
用状態とは上下が逆様である。板ばね10の長手方向中央
部は、アクスルハウジング等の車軸側の部材に連結され
る。従って、車体に装着された使用状態においては図示
上側がコンプレッション側(CS)、図示下側がテンショ
ン側(TS)となる。
上記FRP板ばね10は、第1図に示されるような形状に一
体成形された半製品11の幅広部分12を切断することによ
り、全長にわたって幅を等しくしてある。この半製品11
は、後述するフィラメントワインディング法によって、
長手方向各部の断面積が一定となるように一体成形され
る。幅広部分12は、コンプレッション側に偏って設けら
れている。第2図中にハッチングで示した箇所13が、幅
広部分12の切断面である。
体成形された半製品11の幅広部分12を切断することによ
り、全長にわたって幅を等しくしてある。この半製品11
は、後述するフィラメントワインディング法によって、
長手方向各部の断面積が一定となるように一体成形され
る。幅広部分12は、コンプレッション側に偏って設けら
れている。第2図中にハッチングで示した箇所13が、幅
広部分12の切断面である。
繊維は上記板ばね10の断面全域にわたって含有されてい
るが、繊維の向きは各部において異なっている。すなわ
ちテンション側の表面層とその内部においては、繊維は
全て板ばね10の長手方向と平行に直線状に引き揃えられ
ている。コンプレッション側には、板ばね10の長手方向
と平行な繊維と、板端側に向かって広がる斜め方向の繊
維とが混在している。そしてコンプレッション側の表面
層は長手方向と平行に繊維が引き揃えられている。そし
て斜め方向の繊維の先端側は、上記切断面13のところで
切断されている。従って各繊維の切断端面は板厚方向に
均等に分布しているのではなく、コンプレッション側に
偏寄している。
るが、繊維の向きは各部において異なっている。すなわ
ちテンション側の表面層とその内部においては、繊維は
全て板ばね10の長手方向と平行に直線状に引き揃えられ
ている。コンプレッション側には、板ばね10の長手方向
と平行な繊維と、板端側に向かって広がる斜め方向の繊
維とが混在している。そしてコンプレッション側の表面
層は長手方向と平行に繊維が引き揃えられている。そし
て斜め方向の繊維の先端側は、上記切断面13のところで
切断されている。従って各繊維の切断端面は板厚方向に
均等に分布しているのではなく、コンプレッション側に
偏寄している。
次に上記FRP板ばね10の製造方法について説明する。第
3図に示される製造装置において、マンドレル15の外周
部には成形用の凹溝16をもつ下型17が設けられている。
マンドレル15は、図示しない駆動機構によって図示矢印
方向に回転させられる。多数の強化繊維20はロービング
玉21から繰り出されながら樹脂含浸槽22を通り、連続的
にマンドレル15の凹溝16に巻取られる。樹脂含浸槽22に
は未硬化のマトリックス樹脂が収容されており、ここを
通ることにより樹脂が繊維20に含浸させられる。
3図に示される製造装置において、マンドレル15の外周
部には成形用の凹溝16をもつ下型17が設けられている。
マンドレル15は、図示しない駆動機構によって図示矢印
方向に回転させられる。多数の強化繊維20はロービング
玉21から繰り出されながら樹脂含浸槽22を通り、連続的
にマンドレル15の凹溝16に巻取られる。樹脂含浸槽22に
は未硬化のマトリックス樹脂が収容されており、ここを
通ることにより樹脂が繊維20に含浸させられる。
第4図および第5図A,B,Cに示されるように、下型17の
凹溝16は、溝底側に設けられた等幅溝16aと、溝の開口
面側に位置するテーパ溝16bとからなる。等幅溝16aは、
下型17の全長にわたって幅が等しく、かつ端部に向かっ
て溝底が次第に浅くなるような形状である。テーパ溝16
bは、長手方向中央部における幅が等幅溝16aの幅と同じ
であり、端部に向かって幅が漸増するような形状であ
る。このような断面形状の凹溝16は、長手方向各部の断
面積が同じになるように、等幅溝16aの深さとテーパ溝1
6bの幅が相互に関連して変化している。第4図におい
て、型17の長手方向に対するテーパ溝16aの側壁面のな
す角度θ1は、10゜以下である。
凹溝16は、溝底側に設けられた等幅溝16aと、溝の開口
面側に位置するテーパ溝16bとからなる。等幅溝16aは、
下型17の全長にわたって幅が等しく、かつ端部に向かっ
て溝底が次第に浅くなるような形状である。テーパ溝16
bは、長手方向中央部における幅が等幅溝16aの幅と同じ
であり、端部に向かって幅が漸増するような形状であ
る。このような断面形状の凹溝16は、長手方向各部の断
面積が同じになるように、等幅溝16aの深さとテーパ溝1
6bの幅が相互に関連して変化している。第4図におい
て、型17の長手方向に対するテーパ溝16aの側壁面のな
す角度θ1は、10゜以下である。
第5図A,B,Cに示されるように、板状の上型23の図示下
面側には、等幅溝16aの幅と対応する距離だけ離して一
対の突条24が上型の全長にわたって形成されている。こ
れらの突条24は、第6図に拡大して示されるように、互
いに対向する側に曲面状の凹部25をもっている。この突
状24の断面形状は、第7図あるいは第8図に示されるよ
うなものであってもよい。
面側には、等幅溝16aの幅と対応する距離だけ離して一
対の突条24が上型の全長にわたって形成されている。こ
れらの突条24は、第6図に拡大して示されるように、互
いに対向する側に曲面状の凹部25をもっている。この突
状24の断面形状は、第7図あるいは第8図に示されるよ
うなものであってもよい。
上記凹溝16内に、樹脂が含浸させられた繊維20を引き揃
えながら積層することによって、第1図に示されるよう
なFRP製の半製品11が作られる。凹溝16に繊維20を積層
する場合、第1の積層段階では、第9図および第10図A,
B,Cに示されるように、等幅溝16a内に全長にわたって繊
維20が平行となるように直線状に引き揃えてゆく。こう
することによって、板ばね10のテンション側に偏った位
置に等幅部26が作られる。
えながら積層することによって、第1図に示されるよう
なFRP製の半製品11が作られる。凹溝16に繊維20を積層
する場合、第1の積層段階では、第9図および第10図A,
B,Cに示されるように、等幅溝16a内に全長にわたって繊
維20が平行となるように直線状に引き揃えてゆく。こう
することによって、板ばね10のテンション側に偏った位
置に等幅部26が作られる。
等幅部26が所定の厚みに達したら、第11図および第12図
A,B,Cに示されるように、一部の繊維の向きを変化させ
る。すなわちこの第2の積層段階では、凹溝16内におい
て、長手方向中央部から板端側の途中にかけては、等幅
溝16aに沿って繊維を長手方向と平行に引き揃え、板端
側はテーパ溝16b内において繊維20の幅が広がるように
して斜めに分散させて引き揃える。しかもこの場合、第
12図Cに示されるように、板端側が二手に別れて山状に
盛上がるように重ねる。
A,B,Cに示されるように、一部の繊維の向きを変化させ
る。すなわちこの第2の積層段階では、凹溝16内におい
て、長手方向中央部から板端側の途中にかけては、等幅
溝16aに沿って繊維を長手方向と平行に引き揃え、板端
側はテーパ溝16b内において繊維20の幅が広がるように
して斜めに分散させて引き揃える。しかもこの場合、第
12図Cに示されるように、板端側が二手に別れて山状に
盛上がるように重ねる。
第3の積層段階では、第13図および第14図A,B,Cに示さ
れるように繊維を積層させる。すなわち、長手方向中央
部においては等幅溝16aに沿って繊維を均等にかつ長手
方向と平行に引き揃えてゆき、そこから板端側にわたる
範囲はテーパ溝16bの両側面側に繊維20が集まるように
主に斜め方向に繊維を引き揃えてゆく。
れるように繊維を積層させる。すなわち、長手方向中央
部においては等幅溝16aに沿って繊維を均等にかつ長手
方向と平行に引き揃えてゆき、そこから板端側にわたる
範囲はテーパ溝16bの両側面側に繊維20が集まるように
主に斜め方向に繊維を引き揃えてゆく。
そして第4の積層段階においては、第15図および第16図
A,B,Cに示されるように、凹溝16内の残りの部分が埋ま
るように繊維20を引き揃えてゆく。この場合、凹溝16の
長手方向中央部では繊維20を長手方向と平行に引き揃
え、板端側にかけては、主にテーパ溝16bの幅方向中央
側に繊維20が集まるように引き揃える。このようにし
て、板ばね10のコンプレッション側にテーパ状の幅広部
分12が一体に作られる。そしてコンプレッション側の表
面層は長手方向と平行に繊維が引き揃えられる。なお、
斜め方向の繊維の配向角θはいずれの工程においても10
゜以下とする。
A,B,Cに示されるように、凹溝16内の残りの部分が埋ま
るように繊維20を引き揃えてゆく。この場合、凹溝16の
長手方向中央部では繊維20を長手方向と平行に引き揃
え、板端側にかけては、主にテーパ溝16bの幅方向中央
側に繊維20が集まるように引き揃える。このようにし
て、板ばね10のコンプレッション側にテーパ状の幅広部
分12が一体に作られる。そしてコンプレッション側の表
面層は長手方向と平行に繊維が引き揃えられる。なお、
斜め方向の繊維の配向角θはいずれの工程においても10
゜以下とする。
上記工程により凹溝16内に樹脂と繊維を充填したのち、
上型23を被せて加圧し、必要に応じて加熱するなどして
樹脂を硬化させる。そして半製品11を所定のスパンに切
断するとともに型17から取出し、幅広部分12を切断する
ことによって、全長にわたり等幅部26と同じ幅にする。
上型23を被せて加圧し、必要に応じて加熱するなどして
樹脂を硬化させる。そして半製品11を所定のスパンに切
断するとともに型17から取出し、幅広部分12を切断する
ことによって、全長にわたり等幅部26と同じ幅にする。
上述した製造方法によって作られたFRP板ばね10は、テ
ンション側の表面層およびその内部は全て長手方向と平
行に引き揃えられた連続繊維が埋設されており、途中で
切断される斜め方向の繊維は、割れの発生および割れの
進展を生じにくいコンプレッション側に偏っている。し
かも、コンプレッション側の表面層にもそのほぼ全面に
わたって長手方向と平行な連続繊維(配向角度θが0゜
の繊維)が埋設されている。また、従来(第21,22図参
照)のように樹脂と繊維を下型から盛上げたり上型で押
し漬す必要がないので、コンプレッション側の繊維が蛇
行したり、型内部のコーナー部分での隙間の発生も問題
にならない。
ンション側の表面層およびその内部は全て長手方向と平
行に引き揃えられた連続繊維が埋設されており、途中で
切断される斜め方向の繊維は、割れの発生および割れの
進展を生じにくいコンプレッション側に偏っている。し
かも、コンプレッション側の表面層にもそのほぼ全面に
わたって長手方向と平行な連続繊維(配向角度θが0゜
の繊維)が埋設されている。また、従来(第21,22図参
照)のように樹脂と繊維を下型から盛上げたり上型で押
し漬す必要がないので、コンプレッション側の繊維が蛇
行したり、型内部のコーナー部分での隙間の発生も問題
にならない。
以上の理由から、上記方法によって製造された板ばね10
は、高い応力状態で使用されても板ばね側面での割れの
発生や割れの進展を生じにくく、撓みの繰返しに対して
優れた疲れ強さを示す。しかも、繊維の配向角θを全て
0ないし10゜までとしたことにより、更に優れた疲労強
度が得られるようになった。
は、高い応力状態で使用されても板ばね側面での割れの
発生や割れの進展を生じにくく、撓みの繰返しに対して
優れた疲れ強さを示す。しかも、繊維の配向角θを全て
0ないし10゜までとしたことにより、更に優れた疲労強
度が得られるようになった。
更に本実施例においては、上型23に一対の突条24を設け
たことによって、上型23を押付けたときに半製品11のコ
ンプレッション側の表層部分に浅い溝状の面取り部27
(いわゆるコバ部のR)が予め成形され、この面取り部
27の所から幅広部分12を切断するようにしているため、
切断面13がコンプレッション側の最表面に及ばない。こ
のことも疲れ強さの向上に効果がある。
たことによって、上型23を押付けたときに半製品11のコ
ンプレッション側の表層部分に浅い溝状の面取り部27
(いわゆるコバ部のR)が予め成形され、この面取り部
27の所から幅広部分12を切断するようにしているため、
切断面13がコンプレッション側の最表面に及ばない。こ
のことも疲れ強さの向上に効果がある。
上述したように本発明によれば、長手方向各部の断面積
が等しい半製品の幅広部分を切断することによって作ら
れるFRP板ばねにおいて、撓みの繰返しによって板ばね
側面の切断面に割れが発生したり割れが進展することを
防止でき、優れた疲れ強さを発揮できる。
が等しい半製品の幅広部分を切断することによって作ら
れるFRP板ばねにおいて、撓みの繰返しによって板ばね
側面の切断面に割れが発生したり割れが進展することを
防止でき、優れた疲れ強さを発揮できる。
第1図は本発明の一実施例を示すFRP板ばねの半製品の
斜視図、第2図は第1図の半製品から作られた板ばねの
斜視図、第3図は本発明方法に使われる板ばね製造装置
の概略図、第4図は本発明方法に使われる型の平面図、
第5図(A),(B),(C)はそれぞれ第4図中のA
−A線,B−B線,C−C線に沿う下型と上型の断面図であ
る。第6図は第5図中の突条部分を示す拡大図、第7図
および第8図はそれぞれ突条部分の変形例を示すそれぞ
れ断面図、第9図は第1の積層段階における繊維の方向
を示す平面図、第10図(A),(B),(C)はそれぞ
れ第9図中のA−A線,B−B線,C−C線に沿う断面図で
ある。第11図は第2の積層段階における繊維の方向を示
す平面図、第12図(A),(B),(C)はそれぞれ第
11図中のA−A線,B−B線,C−C線に沿う断面図、第13
図は第3の積層段階における繊維の方向を示す平面図、
第14図(A),(B),(C)はそれぞれ第13図中のA
−A線,B−B線,C−C線に沿う断面図、第15図は第4の
積層段階における繊維の方向を示す平面図、第16図
(A),(B),(C)はそれぞれ第15図中のA−A
線,B−B線,C−C線に沿う断面図である。第17図はFRP
テーパ板ばねの斜視図、第18図は従来のFRP板ばねの半
製品を示す斜視図、第19図は従来のFRP板ばねを示す斜
視図、第20図は第19図に示された板ばねの一部を断面で
示す斜視図、第21図および第22図はそれぞれ従来の製造
方法に使われる型を工程順に示す断面図である。 10……FRP板ばね、11……半製品、12……幅広部分、13
……切断面、16……凹溝、17……型、20……繊維、26…
…等幅部。
斜視図、第2図は第1図の半製品から作られた板ばねの
斜視図、第3図は本発明方法に使われる板ばね製造装置
の概略図、第4図は本発明方法に使われる型の平面図、
第5図(A),(B),(C)はそれぞれ第4図中のA
−A線,B−B線,C−C線に沿う下型と上型の断面図であ
る。第6図は第5図中の突条部分を示す拡大図、第7図
および第8図はそれぞれ突条部分の変形例を示すそれぞ
れ断面図、第9図は第1の積層段階における繊維の方向
を示す平面図、第10図(A),(B),(C)はそれぞ
れ第9図中のA−A線,B−B線,C−C線に沿う断面図で
ある。第11図は第2の積層段階における繊維の方向を示
す平面図、第12図(A),(B),(C)はそれぞれ第
11図中のA−A線,B−B線,C−C線に沿う断面図、第13
図は第3の積層段階における繊維の方向を示す平面図、
第14図(A),(B),(C)はそれぞれ第13図中のA
−A線,B−B線,C−C線に沿う断面図、第15図は第4の
積層段階における繊維の方向を示す平面図、第16図
(A),(B),(C)はそれぞれ第15図中のA−A
線,B−B線,C−C線に沿う断面図である。第17図はFRP
テーパ板ばねの斜視図、第18図は従来のFRP板ばねの半
製品を示す斜視図、第19図は従来のFRP板ばねを示す斜
視図、第20図は第19図に示された板ばねの一部を断面で
示す斜視図、第21図および第22図はそれぞれ従来の製造
方法に使われる型を工程順に示す断面図である。 10……FRP板ばね、11……半製品、12……幅広部分、13
……切断面、16……凹溝、17……型、20……繊維、26…
…等幅部。
Claims (3)
- 【請求項1】樹脂と強化線式とからなるFRP板ばねであ
って、この板ばねは長手方向中央側の板厚が最大で板端
側の厚みが漸減するテーパ状をなしているとともに、そ
のほぼ全長にわたって板幅が同等であり、かつ主に引張
り応力が作用するテンション側およびコンプレッション
側の表面層には上記繊維が全て板ばねの長手方向に沿っ
て直線状に引き揃えられており、また表面層を除くコン
プレッション側には板ばねの長手方向に沿う繊維と板端
側に向かって広がる斜め方向の繊維とが混在し、この斜
め方向の繊維の先端側が板ばね側面で切断されているこ
とを特徴とするFRP板ばね。 - 【請求項2】樹脂が含浸された強化繊維を成形用の凹溝
をもつ型内に引き揃えながら積層することによってFRP
板ばねを製造する方法において、上記凹溝の溝底側には
全長にわたって幅が等しくかつ端部側に向かって溝底が
浅くなる等幅溝が設けられているとともに上記凹溝の開
口面側には端部に向かって溝幅が漸増するテーパ溝が設
けられており、上記凹溝内に樹脂を含浸させた繊維を積
層する場合に、始めのうちは上記等幅溝内に全長にわた
って繊維を直線状に引き揃えてゆくことによって板ばね
のテンション側に等幅部を形成してゆき、この等幅部が
所定の厚みに達したところで、上記凹溝の長手方向中央
側は繊維を長手方向と平行に重ねかつ板端側は長手方向
と平行な繊維と板端側が広がる斜め方向の繊維が混在す
るように重ねることによって板ばねのコンプレッション
側に偏った位置に上記等幅部よりも幅の広い幅広部分を
形成し、コンプレッション側の表面層は長手方向に平行
に繊維を引き揃え、樹脂を硬化させたのち型から取出す
とともに、全長にわたってほぼ同じ幅となるように上記
幅広部分を切断することを特徴とするFRP板ばねの製造
方法。 - 【請求項3】上記凹溝の開口面側に被せられる上型に凹
状曲面をもつ一対の突条を設け、上記凹溝内に充填され
た樹脂含浸繊維を上記上型によって押圧することを特徴
とする特許請求の範囲第(2)項記載のFRP板ばねの製
造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10392087A JPH07113390B2 (ja) | 1987-04-27 | 1987-04-27 | Frp板ばねおよびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10392087A JPH07113390B2 (ja) | 1987-04-27 | 1987-04-27 | Frp板ばねおよびその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS63270931A JPS63270931A (ja) | 1988-11-08 |
JPH07113390B2 true JPH07113390B2 (ja) | 1995-12-06 |
Family
ID=14366861
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10392087A Expired - Lifetime JPH07113390B2 (ja) | 1987-04-27 | 1987-04-27 | Frp板ばねおよびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07113390B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE202007012580U1 (de) | 2007-09-07 | 2007-11-22 | Akpinar, Sennan | Lattenrostlatte |
JP4973745B2 (ja) | 2010-02-01 | 2012-07-11 | トヨタ自動車株式会社 | 連続繊維プリプレグの成形方法 |
KR101349014B1 (ko) * | 2012-04-27 | 2014-01-10 | 현대자동차주식회사 | 상용차의 리프 스프링 |
US9016705B2 (en) * | 2013-03-15 | 2015-04-28 | John Prikkel, III | Leaf spring and mount |
-
1987
- 1987-04-27 JP JP10392087A patent/JPH07113390B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS63270931A (ja) | 1988-11-08 |
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