JPH0711326U - パリソンの押出成形装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 サイクルタイムを短縮することのできるパリ
ソンの押出成形装置を提供する。 【構成】 パリコンの全ストロークをパリソンの肉厚制
御を行なうパリコンの第１ストロークと、マンドレルと
ダイスハウジングとを接触させて樹脂通路をダイ内部シ
ール制御を行なう第２ストロークとに区分した。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案はブロー成形機における連続成形を行なうことによってサイクルタイム を短縮することができるパリソンの押出成形装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来においては、ブロー成形機によってブロー成形を行なう際、押出機より供 給された溶融樹脂を成形品の量に見合う量だけ貯蔵させた後、図示しない射出装 置のプランジャの移動によりダイス吐出口よりチューブ状に樹脂を吐出させてパ リソンとし、空気を吹込み所望の製品を得る。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、上記従来のブロー成形においては、次のような２つの方法によ ってパリソンの射出後、押出機への計量が行なわれていた。第１の方法は、まず パリソン射出が完了すると図示しないパリコンシリンダへ適宜な圧油を導入して ダイス吐出口（ダイギャップ）を零にし、ダイ内シールを行なった状態で押出機 で樹脂計量を開始するものである。ところがこの方法では、従来から問題となっ ているブロー成形機のサイクルタイムの短縮（いわゆる計量時間が冷却時間より 長いことが多くサイクルタイム短縮のネックとなっている）については押出機を 一旦停止することなく連続成形できるため解決できるものの、溶融樹脂が未だ十 分固化しない状態下でダイギャップを零にするため、製品冷却中にパリソンがダ イギャップ部分から千切れてダイスと金型間に発生する上バリが製品冷却中の両 金型上部に垂下がって付着し、通常この上バリ部をピンチして行なう製品取出し の自動化ができないといった問題があった。

【０００４】 さらに、第２の方法は、パリソン射出が完了してもダイギャップを適宜な開度 に保持し、パリソンがある程度固化した状態でパリソン取出用ピンチでピンチす る。その後、ダイギャップを零にしてダイ内シールを行った状態下で押出機で樹 脂計量を開始するものである。ところがこの方法では、パソン射出が完了しても ダイギャップを適宜な開度を保持しているため、押出機を一旦停止せざるを得ず サイクルタイムが長くなるといった問題がある。

【０００５】 本考案は、上記従来の問題点に着目し、サイクルタイムを短縮することのでき るパリソンの押出成形装置を提供することを目的とするものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

このような課題を解決するために、本考案におけるパリソンの押出成形装置で はブロー成形用ヘッド内に注入された溶融樹脂をマンドレルとダイスハウジング との間に形成された樹脂通路からパリソンとして押出し形成するに際し、パリコ ンの全ストロークを前記マンドレルをダイスハウジングに対して軸線方向に相対 的に移動させてパリソンの肉厚制御を行なうパリコンの第１ストロークと、前記 樹脂通路を閉鎖する前記マンドレルとダイスハウジングとの接触部を樹脂通路先 端の樹脂吐出口よりも内側に設けてダイ内部シール制御を行なうパリコンの第２ ストロークとに区分した構成にする。

【０００７】

【作用】

パリコンの全ストロークをパリソン射出時のパリソン肉厚制御を行なう第１ス トロークと、パリソン射出完了後マンドレルを降下させマンドレルとダイスハウ ジング間の樹脂通路を接触部によって閉鎖するいわゆるダイ内シール動作を行な う第２ストロークを区分する。こうした第２ストロークを設けたことにより、ダ イギャップ部でパリソンの一定肉厚を保持しつつ、ダイ内をシールでき、押出機 の連続運転が可能となる。

【０００８】

【実施例】

以下、本考案の実施例について図面にしたがって詳細に説明する。

【０００９】 図１は本考案におけるブロー成形機の１実施例であってその一部断面正面図、 図２はパリソンの射出状態を示す説明図、図３はダイ内のシール状態を示す説明 図である。

【００１０】 ダイスハウジング２は上部ダイスハウジング２ａと下部ダイスハウジング２ｂ とで構成され、着脱自在に締付ボルトにより結合されている。このダイスハウジ ング２の中心には芯金１０が配設され、その下に上マンドレル３ａがパリコン用 ロッド１２を介して図示しないパリコンシリンダ１３に接続されている。マンド レル３は上マンドレル３ａと下マンドレル３ｂから構成され、前記上マンドレル ３ａの下端には下マンドレル３ｂが固着されており、下部ダイスハウジング２ｂ と下マンドレル３ｂとの間に円形状の下部周回スリット１４を形成している。

【００１１】 前記芯金１０の外周部には同芯的に真円状のリングプランジャ７が芯金１０に 沿って油圧シリンダ１７で油圧シリンダ用ロッド１７ａを介して上下方向に実線 で示す上昇限と鎖線で示す下降限間を摺動するように配設されている。一方、上 部ダイスハウジング２ａの周壁に設けた押出機２１を樹脂通路２０を介して接続 するとともに、この樹脂通路２０を通して供給された溶融樹脂を環状アキュムレ ータ１６へ貯留するようになっており、貯留された樹脂はリングプランジャ７の 下降に伴って環状吐出口４よりパリソン８の押出しを行なう構造となっている。

【００１２】 本実施例では、特にパリコン１３の全ストロークを例えば５０ｍｍとすると、 前半部の例えば０〜３０ｍｍを通常のパリソン肉厚制御動作を行なうことができ る第１ストロークとして使用し、後半部の例えば３０〜５０ｍｍをダイ内部シー ル動作を行なう第２ストロークとして使用可能な構造となっている。なお、符号 ２４はヒータを示す。

【００１３】 以上のように構成されたダイスヘッド部の作用を説明する。まず、パリソン肉 厚制御動作を行なう第１ストロークの制御について述べる。パリコンシリンダ１ ３へ圧油を供給し下マンドレル３ｂを上昇させて環状吐出口４を閉じる。次いで 、押出機２１で溶融可塑化された樹脂を樹脂通路２０を経て環状アキュムレータ １６へ充填（計量）するとリングプランジャ７が漸昇していく。こうして遂次計 量され、計量完了時のリングプランジャ７の位置は図１に実線で示す上昇限にあ る。

【００１４】 計量完了とともに、パリコンシリンダ１３へ適宜な圧油を供給し、パリソン８ の肉厚を決定すべく下マンドレル３ｂの位置を制御（いわゆるパリソンコントロ ール）しながら油圧シリンダ１７へ圧油を供給してリングプランジャ７を下降さ せると環状吐出口４からパリソン８が垂下する（図２）。

【００１５】 射出が完了すると下マンドレル３ｂを下降させてダイ内でシール制御動作を行 なう第２ストロークの制御について述べる。パリコンシリンダ１３へ圧油を供給 し下マンドレル３ｂを下降させると図３に示す如く下部ダイスハウジング２ｂの 凸部と上マンドレル３ａの凸部とが軽く当接あるいは樹脂洩れしない程度のわず かなギャップを隔ててダイ内樹脂をシールすることができる（図３）。

【００１６】 シール後は、一方で押出機２１の計量を開始するとともに、他方でダイスヘッ ド１下部の環状吐出口４から垂下したパリソン８を両金型間で挟み込んだのち、 パリソン８内へエア等のガスが吹込み、ダイスヘッド１と両金型間に連なる上バ リパリソンが半固化状態になった時点で図示しないパリソン上ピンチを作動させ て前記上バリパリソン部分をピンチした時点で前述の上マンドレル３ａにてシー ルされていたマンドレル３の第２ストロークからマンドレル３を引上げ（第１ス トローク）ダイギャップ４を零とし再びダイ内をシールする。これにより上バリ パリソンがダイス１より切離され、取出しの準備が完了する。なお、この間マン ドレル３の移動ストローク（例えば５０ｍｍ）はわずかで時間的にも微少（１秒 未満）であるため押出機を停止することなく計量は継続することができる。この 後両金型に冷却水を通水して樹脂が冷却固化されると両金型を開きパリソン上ピ ンチで上バリパリソン部分をピンチしたまま所定位置まで移動し中空状の成形品 を得る。

【００１７】

【考案の効果】

以上説明したことからも明らかなように、本考案に係るパリソン押出成形装置 は、ブロー成形用ヘッド内に注入された溶融樹脂をマンドレルとダイスハウジン グの間に形成された樹脂通路からパリソンとして押出し形成するに際し、パリコ ンの全ストロークを前記マンドレルをダイスハウジングに対して軸線方向に相対 的に移動させてパリソンの肉厚制御を行なうパリコンの第１ストロークと、前記 樹脂通路を閉鎖する前記マンドレルとダイスハウジングとの接触部を樹脂通路先 端の樹脂吐出口よりも内側に設けてダイ内部シール制御を行なうパリコンの第２ ストロークとに区分した構成にすることにより、射出完了後ダイギャップを必要 時間開放保持できるため上バリのパリソンが落下せずパリソン上ピンで取出しが 可能となりパリソンの取出しの自動化が可能となる。またダイ内シールが可能と なるため計量に伴う押出機を停止させることなくサイクルタイムの短縮が可能と なり生産性が向上する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係るブロー成形機の一部断面正面図で
ある。

【図２】パリソンの射出状態を示す説明図である。

【図３】ダイ内のシール状態を示す説明図である。

【符号の説明】 １ ダイスヘッド ２ ダイスハウジング ２ａ 上部ダイスハウジング ２ｂ 下部ダイスハウジング ３ マンドレル ３ａ 上マンドレル ３ｂ 下マンドレル ４ 環状吐出口 ７ リングプランジャ ８ パリソン １０ 芯金 １３ パリコンシリンダ １４ 下部周回スリット １６ 環状アキュムレータ １７ 油圧シリンダ ２０ 樹脂通路 ２１ 押出機 ２５ 接触部

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 ブロー成形用ヘッド内に注入された溶融
   樹脂をマンドレルとダイスハウジングとの間に形成され
   た樹脂通路からパリソンとして押出し形成するに際し、
   パリコンの全ストロークを前記マンドレルをダイスハウ
   ジングに対して軸線方向に相対的に移動させてパリソン
   の肉厚制御を行なうパリコンの第１ストロークと、前記
   樹脂通路を閉鎖する前記マンドレルとダイスハウジング
   との接触部を樹脂通路先端の樹脂吐出口よりも内側に設
   けてダイ内部シール制御を行なうパリコンの第２ストロ
   ークとに区分した構成にしたことを特徴とするパリソン
   の押出成形装置。