JPH07111131A - 電界放出型ディスプレイ装置 - Google Patents

電界放出型ディスプレイ装置

Info

Publication number
JPH07111131A
JPH07111131A JP25608793A JP25608793A JPH07111131A JP H07111131 A JPH07111131 A JP H07111131A JP 25608793 A JP25608793 A JP 25608793A JP 25608793 A JP25608793 A JP 25608793A JP H07111131 A JPH07111131 A JP H07111131A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cathode
field emission
conical
emission type
vapor deposition
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP25608793A
Other languages
English (en)
Inventor
Satoshi Nakada
諭 中田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sony Corp filed Critical Sony Corp
Priority to JP25608793A priority Critical patent/JPH07111131A/ja
Publication of JPH07111131A publication Critical patent/JPH07111131A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Electrodes For Cathode-Ray Tubes (AREA)
  • Cathode-Ray Tubes And Fluorescent Screens For Display (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 電界放出型カソードの先端近傍の電界強度を
有効に高めることができるように、先端の尖鋭化を充分
高め、しかも生産性の向上、価格の低廉化をはかる。 【構成】 電界放出型カソードを有する電界放出型ディ
スプレイ装置において、その電界放出型カソード7を、
高融点金属カソード材よりなる円錐頂部7Aと、他の導
体もしくは半導体よりなるカソード底部7Bとより構成
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電界放出型カソードか
らの電子ビームを用いて例えば蛍光体励起を行って発光
表示を行う電界放出型ディスプレイ装置に係わる。
【0002】
【従来の技術】低電圧励起で比較的解像度の高いディス
プレイ装置として、微小な円錐状の電界放出型カソード
いわゆるマイクロチップカソードを用いたフラット型の
電界放出型ディスプレイ装置(FED)の開発が進めら
れている。
【0003】このフラット型のFEDは、蛍光面に対向
して微細加工によって作製した微小な円錐状の電界放出
型カソードを配置し、電界によってその先端から電子を
取出し、これによってディスプレイ面に配列形成した画
素を構成する蛍光体を励起させて目的とする画像表示を
行うものである。
【0004】このフラット型のFEDは、例えば図7に
その分解斜視図を示すように、それぞれガラスパネルよ
りなるカソード側の第1のパネル1と、ディスプレイ面
側の第2のパネル2とが所要の小間隔をもって対向配置
されて両パネル1および2の周辺部間が図示しないがフ
リットシールによって気密的に封止され、両パネル1お
よび2間に高真空度に保持される偏平空間が形成され
る。
【0005】第1のパネル1の内面には、一方向例えば
x方向に延びるストライプ状のカソード電極3が平行配
列されて形成され、これの上にSiO2 等の絶縁層4を
介してストライプ状のゲート電極5がカソード電極3の
延長方向のx方向と直交するy方向に延長して平行配列
される。
【0006】各カソード電極3と、ゲート電極5との対
向交叉部に、ゲート電極5と絶縁層4とを貫通して複数
の微細電子通過孔6が穿設され、図8にその更に要部の
斜視図を示すように、各微細電子通過孔6内のカソード
電極3上にそれぞれ円錐状の電界放出型カソード7すな
わちマイクロチップカソードが被着形成される。
【0007】第2のパネル2は、図7に示すように、デ
ィスプレイ面となる前面パネルであり、その内面には、
透明電極(図示せず)が形成されこれの上に各画素8と
なる蛍光体例えばカラー表示を行うディスプレイ装置で
は赤,緑および青の各蛍光体R,GおよびBがそれぞれ
例えば電着法によって両電極3および5の対向交叉部に
対向して配置形成されて蛍光面18が形成される。蛍光
面18の各蛍光体R,GおよびB間には例えばコントラ
スト向上のための黒色層によるいわゆるブラックマトリ
ックス9が塗布される。
【0008】このような構成によるFEDは、図9に模
式的に示すように、例えばカソード・ゲート間距離が1
μmとされ、ゲート・蛍光面間が0.2〜1mmとさ
れ、選択されたゲート電極5とカソード電極3との間
に、ゲート電極5側を正とする所要の電圧を印加して、
円錐状の電界放出型カソード7に所要の電界例えば10
6〜108 V/cm程度の電界強度を与えることによ
り、円錐状の電界放出型カソード7の先端から電子−e
を放出させ、これを蛍光面18に印加された所定の蛍光
面電位によって与えられた所要の運動エネルギーで蛍光
面18の所定の画素8すなわち蛍光体R,GおよびBを
励起して発光表示を行うようになされている。
【0009】ここで、ゲート電極5の微細電子通過孔6
の直径φは例えば1μm前後で、円錐状の電界放出型カ
ソード7すなわち円錐状マイクロチップカソードの高さ
hは例えば1μm前後であり、全画素すなわち各赤,緑
および青の各蛍光体R,GおよびBの各1に対してそれ
ぞれ複数の微細電子通過孔6、すなわち同一数の円錐状
の電界放出型カソード7が配置されている。
【0010】この円錐状の電界放出型カソードの作製
は、例えば図10にその一例の工程図を示すように、先
ず、図10Aに示すように、第1のパネル1上に、導電
膜例えばCr,Nb,ITO(InおよびSnの複合酸
化物),WSiX 等を厚さ2000〜4000Åに全面
成膜し、パターンエッチングによって前述した一方向x
に延びる複数のストライプ状のカソード電極3を平行配
列するように被着形成する。そして、これの上に全面的
に絶縁層4を例えばSiO2 をスパッタリングやCVD
(化学的気相成長)法によって形成し、更にこれの上に
全面的に金属層例えばNbを2000〜4000Åの厚
さにスパッタリング、蒸着等によって形成する。この金
属層をパターンエッチングしてカソード電極3の延長方
向と例えば直交する方向のy方向に延びる複数のストラ
イプ状のゲート電極5を形成する。
【0011】そして、これらゲート電極5と、カソード
電極3とが対向交叉する部分に複数(図10において
は、1つのみが示されている)の微細電子通過孔6を、
ゲート電極5と絶縁層4とに差し渡って穿設する。
【0012】図10Bに示すように、パネル1を回転さ
せ、かつこのパネル面に対して斜め方向から透孔6内に
入り込むことがないように、ゲート電極5上にアウミニ
ウムAlを数100Å〜1000Å程度の厚さに蒸着、
あるいはスパッタして中間層10を形成する。
【0013】その後、図10Cに示すように、パネル1
の面に対して垂直方向から電界放出型のカソード構成材
11の例えばW,Mo等を蒸着する。このようにすると
カソード構成材11が微細電子通過孔6内の底面すなわ
ち微細電子通過孔6を通じて露出するカソード電極3上
と、ゲート電極5上とに堆積するが、このとき、ゲート
電極5上に堆積するカソード構成材11がその堆積に伴
って微細電子通過孔6の縁部から微細電子通過孔6の中
心に向かってせり出すように堆積し、微細電子通過孔6
を閉塞していくことから、これによって遮ぎられて微細
電子通過孔6内にカソード構成材11が円錐状に堆積
し、微細な円錐状の電界放出型カソード7すなわちマイ
クロチップカソードが形成される。
【0014】このようにして、円錐状の電界放出型カソ
ード7を形成して後、中間層10を例えばNaOH,K
OH等のアルカリエッチング液によってエッチング除去
し、微細電子通過孔6内の円錐状の電界放出型カソード
7を構成するカソード構成材11のみを残して、ゲート
電極5上のカソード構成材11を中間層10の排除と共
に除去する。
【0015】このようにすると、図8で示したように、
各微細電子通過孔6内において、カソード電極3上にカ
ソード構成材11の堆積による円錐状の電界放出型カソ
ード7が形成される。
【0016】ところで、上述したFEDにおける円錐状
の電界放出型カソード7からの電界放出電流量は、その
円錐先端の電界強度によって決まる。そして、この電界
強度は、微細電子通過孔6の直径φ、円錐状の電界放出
型カソード7とゲート電極5との位置関係に影響される
こともさることながら、円錐状の電界放出型カソード7
の頂角αや先端曲率半径Rtに大きく影響される。
【0017】図2は、円錐状の電界放出型カソードのカ
ソード頂角αをパラメータとする、カソード先端近傍電
界強度の、カソード軸心に対する角度θの依存性を示す
もので、曲線21、22、23はそれぞれα=30°、
60°、90°とした場合で、これらを比較して明らか
なように、円錐状の電界放出型カソードの先端の頂角α
が電界強度に影響するものであり、角度αが±30°異
なることで先端近傍の電界強度は約±50%変化し、頂
角αを小さくすることによって電界強度を高めることが
できることが分かる。
【0018】図3は円錐状の電界放出型カソードの先端
曲率半径Rtをパラメータとする、カソード先端電界強
度の、カソード軸心に対する角度θの依存性を示すもの
で、曲線31、32、33、34、35はそれぞれRt
α=20Å、50Å、100Å、200Å、500Åと
した場合で、これらを比較して明らかなように、円錐状
の電界放出型カソードの先端の曲率半径Rtが電界強度
に影響するものであり、曲率半径Rtが20Åと500
Åとでは先端電界強度は1桁も変化し、曲率半径Rtは
これが小さいほど高い電界強度が得られることが分か
る。
【0019】つまり、電流量を高めて高輝度化をはか
り、明るさにむらなく均一な特性とするには、円錐状の
電界放出型カソード7の先端は尖鋭にし、したがって先
端曲率半径はできるだけ小さく、しかも均一に形成する
ことが必要である。
【0020】そして、このように円錐状の電界放出型カ
ソード7の先端形状を正確に、しかも先鋭に形成するに
は、図10で説明した方法によるカソード構成材11の
堆積において、このカソード材粒子のカソード電極3へ
の飛翔は垂直性にすぐれた蒸着法を適用することにな
る。
【0021】また、このカソード材の蒸着は、さらにそ
の蒸着粒子の飛翔方向に垂直性を付与するために、蒸着
源と被蒸着体すなわち第1のパネルをとの間に図4に示
すようにその蒸着方向を制限する幅WsのスリットSL
を有する遮蔽体SHを配置し、このスリットSLを横切
って矢印a,−aに示すように、往復移行させてその蒸
着を行うことによって蒸着面への入射角が±3°以下と
なるようにしている。
【0022】一方、円錐状の電界放出型カソードは、微
細電子源として安定に動作させることができるように、
また大電流の導出においての温度上昇に耐えることがで
きるように高融点金属のW、Mo等によって構成され、
図4に示すように、スリットSLを通じてその蒸着を行
う場合、そのスリット幅Wsを小さくして蒸着面への入
射角を0°(すなわち垂直)に近づけるほど蒸着レート
(蒸着速度)が小さく、蒸着効率が落ちる。図5は、蒸
着源と遮蔽体SHとの間隔を60cmとしたときのスリ
ット幅Wsをパラメータとした蒸着レートの、スリット
に沿う方向の蒸着面の中心からの距離に対する依存性、
すなわち膜厚分布を示したもので、黒丸印、四角印、菱
形印はそれぞれWsを50mm、100mm、200m
mとした場合を示し、これらを比較して明らかなよう
に、スリット幅Wsが小さくなる程、膜厚分布が均一化
してくるものの、蒸着速度が小さくなるものであり、例
えばスリット幅Wsを200mmとした場合、Wsを5
0mmとした場合に比べ、その蒸着速度は約4倍にな
る。
【0023】また高融点金属のMo、Wはこれ自体高価
である上に、更にこの金属を遮蔽体のスリットを通じて
蒸着することは、カソード形成に寄与しない無駄な材料
の発生が大きいこと、蒸着速度が遅く生産性が低いこと
等が相乗して円錐状の電界放出型カソードの高価格化、
ひいては電界放出型ディスプレイ装置の高価格化を招来
する。
【0024】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、電界放出型
カソードを有する電界放出型ディスプレイ装置におい
て、その電界放出型カソードの先端近傍の電界強度を有
効に高めることができるように、先端の尖鋭化を充分高
め、しかも上述した生産性の課題、高価格化の課題の解
決をはかることができるようにした電界放出型ディスプ
レイ装置を提供するものである。
【0025】
【課題を解決するための手段】本発明は、電界放出型カ
ソードを有する電界放出型ディスプレイ装置において、
図1にその電子放出部の要部の一部を断面とする斜視図
を示すように、その電界放出型カソード7を、高融点金
属カソード材よりなる円錐頂部7Aと、他の導体もしく
は半導体よりなるカソード底部7Bとより構成する。
【0026】
【作用】上述したように、本発明によれば、電界放出型
カソード7を、その電子の電界放出に寄与する先端にお
いては、電子放出特性に優れたカソード材、すなわち一
般には高融点のMo、W等の金属材による円錐頂部7A
とするものの、底部においては他の材料による構成とす
るので、このカソード底部7Bにおいては、例えば低価
格で堆積能率が高い材料および方法によって構成できる
ので、生産性の向上,コストの低廉化をはかることがで
きる。
【0027】
【実施例】図1を参照して本発明の一実施例を説明する
が、この例で対象としているFEDの基本的構成は、図
7〜図9で説明したFEDと同様の構成とした場合であ
る。
【0028】すなわち、この場合前述したように、例え
ば図7にその分解斜視図を示すように、それぞれガラス
パネルよりなるカソード側の第1のパネル1と、ディス
プレイ面側の第2のパネル2とが所要の小間隔をもって
対向配置されて両パネル1および2の周辺部間がフリッ
トシールによって気密的に封止され、両パネル1および
2間に高真空度に保持される偏平空間が形成される。
【0029】第1のパネル1の内面には、一方向例えば
x方向に延びるストライプ状のカソード電極3が平行配
列されて形成され、これの上にSiO2 等の絶縁層4を
介してストライプ状のゲート電極5がカソード電極3の
延長方向のx方向と直交するy方向に延長して平行配列
される。
【0030】各カソード電極3と、ゲート電極5との対
向交叉部に、ゲート電極5と絶縁層4とを貫通して複数
の微細電子通過孔6が穿設され、図8にその更に要部の
斜視図を示すように、各微細電子通過孔6内のカソード
電極3上にそれぞれ先端が円錐状の電界放出型カソード
7が被着形成される。
【0031】そして、特に本発明においては、図1にそ
の電子放出部の要部の一部を断面とする斜視図を示すよ
うに、その電界放出型カソード7を、その全体の高さh
の10%程度を電子放出効率が高く高融点金属カソード
材よりなる円錐頂部7Aによって構成し、これ以外の底
部を他の導体もしくは半導体よりなる切頭カソード底部
7Bとにより構成する。
【0032】また、前述したと同様に、第2のパネル2
は、ディスプレイ面となる前面パネルであり、その内面
には透明電極(図示せず)が形成され、これの上に各画
素8となる蛍光体この例ではカラー表示を行う赤,緑お
よび青の各蛍光体R,GおよびBが両電極3および5の
対向交叉部に対向して配置形成されて蛍光面18が形成
される。蛍光面18の各蛍光体R,GおよびB間には例
えばコントラスト向上のための黒色層によるいわゆるブ
ラックマトリックス9が塗布される。
【0033】そして、選択されたゲート電極5とカソー
ド電極3との間に、ゲート電極5側を正とする所要の電
圧を印加して、この選択された両電極3および5の交叉
部に対応する複数の各円錐状の電界放出型カソード7す
なわちマイクロチップカソードの先端近傍の空間に所要
の電界強度を与えることにより、円錐状の電界放出型カ
ソード7の先端から電子を放出させ、これを蛍光面18
に印加された所定の蛍光面電位によって与えられた所要
の運動エネルギーで蛍光面18の所定の画素すなわち蛍
光体R,GおよびBを励起して発光表示を行うようにな
される。
【0034】上述の本発明装置において、第1のパネル
上に形成するカソード電極3、絶縁層4、ゲート電極
5、電界放出型カソード7の形成方法は、図10で説明
したと同様の方法によることができるが、特に本発明に
おいては、電界放出型カソード7の形成において、その
底部と頂部とを異なる材料によって構成する。
【0035】すなわち、この場合においても先ず、図1
0Aに示すように、第1のパネル1上に、導電膜例えば
Cr,Nb,ITO(InおよびSnの複合酸化物),
WSiX 等を厚さ2000〜4000Åに全面成膜し、
パターンエッチングによって一方向xに延びる複数のス
トライプ状のカソード電極3を平行配列するように被着
形成する。そして、これの上に全面的に絶縁層4を例え
ばSiO2 をスパッタリングやCVD(化学的気相成
長)法によって形成し、更にこれの上に全面的に金属層
例えばNbを2000〜4000Åの厚さにスパッタリ
ング、蒸着等によって形成する。この金属層をパターン
エッチングしてカソード電極3の延長方向と例えば直交
する方向のy方向に延びる複数のストライプ状のゲート
電極5を形成する。
【0036】そして、これらゲート電極5と、カソード
電極3とが対向交叉する部分に複数(図10において
は、1つのみが示されている)の微細電子通過孔6を、
ゲート電極5と絶縁層4とに差し渡って穿設する。
【0037】図10Bに示すように、パネル1を回転さ
せ、かつ、このパネル面に対して斜め方向から通過孔6
内に入り込むことがないように、ゲート電極5上にアウ
ミニウムAlを数100Å〜1000Å程度の厚さに蒸
着、あるいはスパッタして中間層10を形成する。
【0038】その後、図10Cに示すように、電界放出
型カソード7の形成を行うが、まずこの場合図1で示す
切頭円錐状のカソード底部7Bの形成を行い、続いて円
錐頂部7Aの形成を行う。
【0039】円錐頂部7Aは、高融点金属のW、Mo等
のカソード材によって構成するが、カソード底部7B
は、円錐頂部7Aに比してより低融点の導体もしくは半
導体、例えばNb、Cu、Ti、Cr、Zr等によって
構成する。
【0040】カソード底部7Bの形成は、垂直性にすぐ
れた被着方法を採るに限られるものではなく、比較的作
業性にすぐれた、すなわち堆積効率の高い方法によって
行うことができる。すなわち、この場合、例えば蒸着源
と被蒸着面すなわち第1のパネル1との間に図4で説明
したスリットSLを有する遮蔽体SHを配置し、このス
リットSLを横切って被蒸着体のパネル1を移行させる
ことによって蒸着を行う方法を採る場合においても、そ
のスリットSLの幅Wsを比較的幅広に選定することに
よって図5で説明したように蒸着レートを高めることが
できる。
【0041】円錐頂部7Aの形成は、垂直性にすぐれた
蒸着法によってすなわち、そのカソード材のWあるいは
Moの蒸着源と被蒸着面すなわち第1のパネル1との間
に図4で説明した所要の幅狭のスリットSLを有する遮
蔽体SHを配置し、このスリットSLを横切って被蒸着
体のパネル1を移行させることによって±3°以下の入
射角の垂直性に優れた蒸着によって行う。このようにし
て尖鋭すなわち頂角αが小で、先端の曲率半径Rtの小
さい円錐頂部7Aを形成する。
【0042】このようにして、カソード底部7Bおよび
円錐状頂部7Aの構成材11が微細電子通過孔6内の底
面すなわち微細電子通過孔6を通じて露出するカソード
電極3上と、ゲート電極5上とに堆積するが、この円錐
状の電界放出型カソードの形成においてその構成材料の
堆積に伴って微細電子通過孔6の縁部から微細電子通過
孔6の中心に向かってせり出すように堆積し、微細電子
通過孔6を閉塞していくことから、これによって形成さ
れたカソードは、微細な円錐状の電界放出型カソード7
として形成される。
【0043】このようにして、円錐状の電界放出型カソ
ード7を形成して後、中間層10を例えばNaOH,K
OH等のアルカリエッチング液によってエッチング除去
し、これと共にゲート電極5上のカソード構成材11を
除去する。
【0044】尚、上述した例では、円錐状の電界放出型
カソード7を構成するカソード底部7Bの形成におい
て、蒸着源と被蒸着面との間に幅広のスリットを有する
遮蔽体を配置して蒸着を行ったものであるが、この底部
7Bの形成を全くスリットを介することのない蒸着、ま
たはスパッタリング等によって形成することもできる。
【0045】また、このカソード底部7Bは、必ずしも
切頭円錐状とするに限られるものではなく、柱状等の柱
状とすることもできる。
【0046】上述したように、本発明によれば、電界放
出型カソード7を、その頂部においては、電子放出効率
の高いカソード材、すなわち一般には高融点のMo、W
等の金属材による円錐頂部7Aとするものの、底部にお
いては他の材料による構成とするので、このカソード底
部7Bにおいては、低価格で堆積能率が高い材料および
方法によって構成できるので、生産性の向上,コストの
低廉化をはかることができる。
【0047】また、電界放出型カソード7の底部すなわ
ち大部分を例えばNbによって構成することにより、こ
のNbの価格は、高融点金属の例えばMoに比し1/1
0程度であることから、格段に価格の低減化をはかるこ
とができる。
【0048】更に、低融点材料を用いる場合、その蒸着
等の堆積時における突沸を回避できることから安定した
電界放出型カソード7を形成できる。
【0049】また、電界放出型カソード7の底部7Bを
例えばNbによって構成する場合はその内部応力が高融
点金属より低いことから全体として安定した特性を有す
る電界放出型カソードを構成できる。因みに、図6にの
膜厚と内部応力の関係を示す。図6において、丸印およ
び菱形印はMoとNbの膜面に沿う一方向Xに関する内
部応力、四角印および三角印はMoとNbの膜面に沿う
方向Xと直交する方向Yに関する内部応力を示す。これ
によれば、NbにおいてはMoに比し格段にその応力が
小さいことがわかる。
【0050】また、上述した例においては、FEDのカ
ラーディスプレイ装置に本発明を適用した場合である
が、白黒表示等の単色のFEDのディスプレイ装置に本
発明を適用することもできる。
【0051】
【発明の効果】上述したように、本発明によれば、先端
が円錐状の電界放出型カソード7を、その頂部において
は、電子放出特性に優れたカソード材、すなわち一般に
は高融点のMo、W等の金属材による円錐頂部7Aとす
るものの、底部においては他の材料による構成としたこ
とから、このカソード底部7Bにおいては、低価格で堆
積能率が高い材料および方法によって構成できるので、
生産性の向上、コストの低廉化をはかることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による電界放出型ディスプレイ装置の一
例の要部の一部を断面とする斜視図である。
【図2】電界放出型カソードの頂角を変化させたときの
先端部電界強度の角度依存性を示す図である。
【図3】電界放出型カソードの先端曲率半径を変化させ
たときの先端部電界強度の角度依存性を示す図である。
【図4】蒸着態様の説明図である。
【図5】蒸着スリット幅を変化させたときの蒸着レート
のスリットに沿った方向の分布を示す図である。
【図6】MoおよびNbの内部応力の膜厚依存性を示す
図である。
【図7】本発明を適用する電界放出型ディスプレイ装置
の一例の要部の斜視図である。
【図8】従来の電界放出型ディスプレイ装置の一例の要
部の斜視図である。
【図9】電界放出型ディスプレイ装置の動作の説明図で
ある。
【図10】本発明を適用する電界放出型ディスプレイ装
置の製造方法の一例を示す工程図である。図10Aはそ
の一の工程図である。図10Bはその一の工程図であ
る。図10Cはその一の工程図である。
【符号の説明】
1 第1のパネル 2 第2のパネル 3 カソード電極 4 絶縁層 5 ゲート電極 6 微細電子通過孔 7 電界放出型カソード 7A 円錐頂部 7B カソード底部

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電界放出型カソードを有する電界放出型
    ディスプレイ装置において、 上記電界放出型カソードが、高融点金属よりなる円錐頂
    部と、他の導体もしくは半導体よりなるカソード底部と
    よりなることを特徴とする電界放出型ディスプレイ装
    置。
JP25608793A 1993-10-13 1993-10-13 電界放出型ディスプレイ装置 Pending JPH07111131A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP25608793A JPH07111131A (ja) 1993-10-13 1993-10-13 電界放出型ディスプレイ装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP25608793A JPH07111131A (ja) 1993-10-13 1993-10-13 電界放出型ディスプレイ装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH07111131A true JPH07111131A (ja) 1995-04-25

Family

ID=17287719

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP25608793A Pending JPH07111131A (ja) 1993-10-13 1993-10-13 電界放出型ディスプレイ装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH07111131A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH07249370A (ja) * 1994-02-28 1995-09-26 Samsung Display Devices Co Ltd 電界電子放出素子及びその製造方法
JP5122818B2 (ja) * 2004-09-17 2013-01-16 シャープ株式会社 薄膜半導体装置の製造方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH07249370A (ja) * 1994-02-28 1995-09-26 Samsung Display Devices Co Ltd 電界電子放出素子及びその製造方法
JP5122818B2 (ja) * 2004-09-17 2013-01-16 シャープ株式会社 薄膜半導体装置の製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6590320B1 (en) Thin-film planar edge-emitter field emission flat panel display
US5508584A (en) Flat panel display with focus mesh
JP3252545B2 (ja) 電界放出型カソードを用いたフラットディスプレイ
US7473154B2 (en) Method for manufacturing carbon nanotube field emission display
US7612493B2 (en) Electron emission device with improved focusing of electron beams
JPH0246636A (ja) 画像表示装置
US20070046165A1 (en) Pixel structure for an edge-emitter field-emission display
US5880554A (en) Soft luminescence of field emission display
KR100242038B1 (ko) 전계 방출 냉음극과 이를 이용한 표시 장치
US5719466A (en) Field emission display provided with repair capability of defects
JPH08264109A (ja) 粒子放出装置、電界放出型装置及びこれらの製造方法
JP3409468B2 (ja) 粒子放出装置、電界放出型装置及びこれらの製造方法
US7348717B2 (en) Triode type field emission display with high resolution
US7508125B2 (en) Field Emission Display (FED) having electron emission structure to improve focusing characteristics of electron beam
US5859493A (en) Lateral field emission display with pointed micro tips
JPH0896704A (ja) 粒子放出装置、電界放出型装置及びこれらの製造方法
KR20010062703A (ko) 전계 방출형 캐소드, 전자 방출 장치, 및 전자 방출장치의 제조 방법
US5780960A (en) Micro-machined field emission microtips
JPH07111131A (ja) 電界放出型ディスプレイ装置
JP2000067736A (ja) 電子放出素子およびその製造方法、ならびにこれを用いたディスプレイ装置
US20050140268A1 (en) Electron emission device
JPH07111133A (ja) 電界放出型ディスプレイ装置の製法
JP3252550B2 (ja) 電界放出型ディスプレイ装置
JP2000331596A (ja) 冷陰極電界電子放出素子及び冷陰極電界電子放出表示装置
US5938493A (en) Method for increasing field emission tip efficiency through micro-milling techniques