JPH07110834A - 物品の出荷自動指図システム - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 営業部課自からで物流課の手助けなく、受注
内容のデータを入力するだけで、先入れ先出しの在庫管
理を行ない、その際顧客の最適品質のものが出荷される
ようにして、出荷指図書を自動出力し、物流にかかるコ
ストを著しく低減する。 【構成】 受注内容の品種、ユーザをキーにして１つま
たは複数の出荷場所を選定する手段と、その品種と選定
出荷場所とをキーにして、場所、品種、日別ポジション
ファイルを読み出し、出荷場所優先順に検索する在庫情
報検索手段と、選定出荷場所の数を限定しかつ前記受注
量を前記検索された在庫品から引き当て処理する手段
と、出荷指図書を端末機により出力させる出荷指図出力
手段とを有する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は物流事務におけるデータ
処理の分野で利用される。本発明は、物品の出荷自動指
図システムに関し、詳しくは物品の受注後その受注内容
のデータを営業部各課より入力することにより、その内
容に応じて適当数の出荷場所を選定し、その受注量に応
じたその出荷場所毎在庫量の出荷指図書を自動出力す
る、物品の出荷自動指図システムに関し、とくに出荷場
所選定にきめ細かな配慮が加えられ、また品質管理にも
十分な配慮が加えられ、物流事務処理の改良された物品
の出荷自動指図システムに関する。

【０００２】

【従来の技術】従来では営業部の各課が注文を受けたら
物流課へその内容を知らせて、これにより物流課が自か
ら出荷場所を選定し、その選定出荷場所に受注内容の品
種で受注量に見合う在庫があるか否かを確めて、出荷指
図書を発行していた。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】出荷場所を選定し、て
その出荷場所毎に逐一在庫を調べることは、扱うデータ
品種が多いだけにその作業は容易ではなく、繁雑で熟練
を要し、間違いも起り易い。そのために営業部課、物流
課間の連絡が密に行なわれ、時間がかかって、物流の事
務処理が増えてコストが上る。また、営業部課からの指
図によっては在庫の先入れ先出しの原則を無視した出荷
指図の発行もあり、さらには先物の指図についてはその
出荷指図は不能である。

【０００４】本発明の目的は、上記したような不都合を
解消するためであり、つまり営業部課自からで物流課の
手助けなく、受注内容のデータを入力するだけで、先入
れ先出しの在庫管理を行ない、その際顧客の最適品質の
ものが出荷されるようにして、出荷指図書が得られ、物
流にかかるコストを著しく低減した、物品の出荷自動指
図システムを提供することである。

【課題を解決するための手段】

【０００５】前記した目的は、ホストコンピュータ、下
記データファイルを格納している外部記憶装置及び端末
機を備え、主に物品の受注内容よりなる出荷指図連絡デ
ータの営業部課別に設けた端末機による入力手段と、前
記受注内容が特定品種のものか、特定ユーザのものか、
特定地方のユーザのものかを判断してその判断に対応し
て１つまたは複数の出荷場所を選定する手段と、前記受
注内容の品種と前記選定出荷場所とをキーにして、品質
情報の付いた場所、品種、日別ポジションファイルを読
み出し、品質上出荷可能な在庫品を先入れ先出し順でか
つ予め決められた出荷場所優先順に検索する在庫情報検
索手段と、前記選定出荷場所の数を必要に応じて限定し
かつ前記受注量を前記検索された在庫品から引き当て処
理する手段と、前記手段により出荷場所と出荷場所毎の
出荷量との情報が加えられた出荷指図書を端末機により
出力させる出荷指図出力手段とを具備することにより、
達成される。

【０００６】

【作用】オーダ・エントリー、つまり受注内容のデータ
入力と密な連携により物流事務処理がコンピュータ処理
により効率よく行なわれ、好ましくは２つ以内の出荷場
所と出荷場所毎の出庫量を指図した出荷手配書（指図
書）が自動的に発行される。その際、在庫管理の基本で
ある先入れ先出しを遵守し、また納期のデータも入力さ
れているから納期の厳守も保証され、その納品は全国に
所在する物流ネットワーク網から最適の出荷元（出荷場
所）をコンピュータが決定する。そのためのデータテー
ブルが用意される。

【０００７】さらには、物流環境からも繊細な配慮を取
り入れることも可能であり、混雑している交通事情、運
転手不足によるトラック輸送事情なども勘案した輸送手
段の決定までを自動化し、物流コストの低価維持をおこ
なうことができ、この場合にはそのためのデータテーブ
ルは適時書き変えられる。

【０００８】

【実施例】以下実施例を用いて本発明を更に詳しく説明
するが、この実施例においては、物品が繊維業界におけ
る原糸（あるいは原綿）である場合について説明する。
すなわち、繊維業界においては、繊維に適用でき、たと
えばその対象として原糸もしくは原綿、繊維製品等に適
用できる。図１はその１実施例を示した概略構成ブロッ
ク図であり、ハードウエア構成としてホストコンピュー
タ１０、その外部記憶装置１２、その通信制御装置によ
り接続された端末機１４、１６よりなる。端末機１４
ａ、１４ｂ、１４ｃは営業部課別に設けた一部を示して
おり、主に原糸受注内容よりなる出荷指図連絡データの
入力手段が設けられている。外部記憶装置１２には、部
課、品種、日別ポジションファイル２４、品質情報が付
いた場所、品種、日別ポジションファイル２８、及び後
述する各種データのテーブルファイルが格納されてい
る。端末機１６ａ、１６ｂは物流ネットワーク網に属す
る出荷場所に設けられたものであるが、その一部が図示
されている。

【０００９】場所、品種、日別ポジションファイルとは
出荷場所毎に当日以降の出荷可能量を把握する目的で作
成されており、具体的には場所、品種（品質、梱包単位
も含む）をキー項目として、イ．前日の在庫量、ロ．当
日以降の日別の入庫予定量（例えば自社工場の場合は生
産予定量、外注の場合は外注生産予定量または検収量、
営業倉庫の場合は倉移動による受入れ予定量等）、ハ．
前日以前の出荷指図に対する未出荷量、ニ．当日以降の
日別の出荷指図量を把握している。当日を第１日目とし
たとき、第ｎ日目の出荷可能量は次の計算式で算出され
る。第ｎ日目の出荷可能量＝前日在庫量＋１日目からｎ
日目までの入庫予定量加算値−（前日以前の出荷指図の
未出荷量＋１日目からｎ日目までの出荷指図量加算
値）。ただし、第ｎ日目より後の日付けで発行された出
荷指図を保証するために、全出荷指図可能な期間（例え
ば７日間）にわたり、それぞれの出荷可能量を算出し、
第ｎ日より後の日付けの出荷可能量が第ｎ日の出荷可能
量より小さい場合は、第ｎ日の出荷可能量をポジション
として第ｎ日より後の小さい数値に置き換える（後例の
6/15,6/16,6/17のポジションはそれぞれ同じ日の出荷可
能量より小さい値となっている）。

【００１０】なお、このポジションファイルの設計例を
示せば、表１の通りである。

【表１】

【００１１】

【表２】

【００１２】図２は本発明の１実施例についてその経時
的作用例を示したフローチャートである。ステップＳ１
では営業部の例えば第１課の端末機１４ａより主に原糸
受注内容よりなり、ユーザつまり出荷先のデータも含ま
れる出荷指図連絡データが入力される。なお、原糸の販
売では受注生産は行なわれておらず、受注の見込みがあ
るものについては先に生産部門へ生産要求しておく必要
がある。そのような生産要求が承諾されその入庫予定を
保証する部課、品種、日別入庫予定ファイルがあらかじ
め用意されており、それに出荷データも書き込まれた部
課、品種、日別ポジションファイル２４が外部記憶装置
１２に格納されている。まず、このフアイルを読み出し
て前記入力された受注のものが出荷可能量の範囲内であ
るかを検索して、出荷可能量の範囲外のものはこのシス
テムから除外ないし保留される。

【００１３】また前記出荷指図連絡データの入力日とそ
の指図出荷日とが一定期間を越えている場合には出荷指
図書の自動出力を保留させて、在庫の先入れ先出しの原
則を守れるよう、期間のチェックも行なわれる。例え
ば、その期間を７日と決めておけば、出荷希望日が６月
２１日で、６月１５日に指図連絡入力すると７日以内で
あるので、対象データとなりパスさせる。これら２つの
チェックは前処理としてステップＳ２により行なわれ
る。

【００１４】ステップＳ３では受注内容のものが特定品
種のものか判断され、そうであるならばそれに対応する
出荷場所（出荷元）を選定する（ステップＳ４）。そう
でないならば、ステップＳ５によりその受注内容のもの
が特定ユーザのものか判断される。そのように判断され
れば、ステップＳ６によりその特定ユーザに対応する出
荷元が選定される。次に、ステップＳ７によりその受注
内容のものが特定地方、例えば北陸のユーザのものか判
断され、そうであるならば例えば福井Ａ、福井Ｂ、自家
工場とするなど複数出荷元を選定する（ステップＳ
８）。前記受注内容のものが特定品種のもの、特定ユー
ザのもの、特定地方のユーザのもの、いずれでもないユ
ーザについてはその品種を有する出荷元を選定するた
め、ステップＳ１０にジャンプする。

【００１５】なお、このようなステップにより１つまた
は複数の出荷元をデータ処理により選定できるために
は、特定品種とそれに対応する出荷元、特定ユーザとそ
れに対応する出荷元、特定地方のユーザとそれに対応す
る複数の出荷元についてはこれらのユーザとそれに対応
する複数の出荷元について、それぞれのデータテーブル
を外部記憶装置１２に格納しておくか、本実施例システ
ムの処理プログラム内に含めておく。

【００１６】このように出荷元が選定された後に、ステ
ップＳ１０により品質情報の付いた場所、品種、日別ポ
ジションファイル２８を外部記憶装置１２より読み出
す。これにより、前記受注内容の品種と前記選定出荷場
とをキーにして、前記場所、品種、日別ポジションファ
イル２８から検索が行なわれ、品質上出荷可能な在庫品
を先入れ先出し順でかつ予め決められた出荷場所優先順
に編集する（ステップＳ１１）。この出荷場所優先順と
は例えば各出荷場所と受注の着荷先間の距離データと
か、実際の運賃コストデータ、自社・社外倉庫について
は自社倉庫優先などにより決まる。これらのデータテー
ブルも用意されている。

【００１７】この場所、品種、日別ポジションファイル
には品種別に生産された年月のデータ、また品種により
その特性上生産後特定の期間内のものしか出荷できない
という品質管理上の規制ルールについてもデータテーブ
ルが書き込まている。従って、各品種について出荷日か
ら生産年月を引き算して規制ルールに違反するものは前
記検索から除外される。

【００１８】検索、編集された在庫情報から受注量に見
合う量について在庫品を引き当てる（ステップＳ１
２）。ここで出荷元が３つ以上になっている場合には、
ステップＳ１３によりその２つが選ばれるが、その２つ
の在庫量を合わせても受注量に達っしていないならば、
出荷指図保留書はステップＳ１６により出力される。受
注量に達っするならば、後処理として前記データファイ
ル２８の更新が行なわれ（ステップＳ１４）た後、ステ
ップＳ１５により出荷指図書が関係端末機１６より出力
される。

【００１９】他の実施例によれば、各課の出荷指図連絡
に配送日指定のデータがあれば、その配送日に合わせた
出荷日（もし複数の出荷指図連絡がそのようなものであ
ればまとめて）の指図書を出力させる。

【００２０】また別の実施例によれば、場所、品種、日
別ポジションファイルには品種別に梱包データが付され
ており、受注品種のものが梱包単位の大きなもの、例え
ば梱包当り５００Ｋｇであれば、同一品種同一出荷先の
他の受注のものも集めて出荷するよう指示のついた出荷
指図書を出力させる。

【００２１】出荷指図書の出力は出荷指図連絡データの
入力により即時につまりリアルタイムにより得られる方
式と、一定期間後の夜間にバッチ処理が行なわれてその
翌日より出力が得られる方式とのいずれかが選択可能に
しておけば、この実施例はとくに有用である。

【００２２】さらに他の実施例によれば、ステップＳ１
３により２つの出荷元で在庫量を揃えても、それらの生
産月が連続していないものである場合には、品種により
出荷指図保留書を出力させることもできる。そのための
データは品質管理情報として場所、品種、日別ポジショ
ンファイルに含まれている。前示実施例は原糸について
説明されているが、原綿についても同様の実施例が適用
される。また、上述において、部、課などの表現を用い
て説明しているが、このような表現は部門、掛、係、グ
ループ等をも含めた例示的概念であって、解釈上限定さ
れない。同様に、日、日別なる用語も例示的に示したも
ので、時などに代えて適用されることは言うまでもな
い。

【００２３】

【効果】注文を受けた営業部の各課が自からその受注内
容のデータを入力することにより物流課への連絡事務な
しに納期通りの出荷指図書が自動的に出力され、その際
出荷元の選定、最適品質の選定なども自動的に行なわ
れ、物流コストが顕著に節減される。

【００２４】

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の１実施例を示した概略構成ブロック
図。

【図２】本発明の１実施例についてその経時的作用例を
示したフローチャート。

【符号の説明】

１０ ホストコンピュータ １２ 外部記憶装置 １４ 営業側端末機 １６ 出荷場所端末機

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ホストコンピュータ、下記データファイ
   ルを格納している外部記憶装置及び端末機からなり、 主に物品の受注内容よりなる出荷指図連絡データの営業
   部課別に設けた端末機による入力手段と、 前記受注内容が特定品種のものか、特定ユーザのもの
   か、特定地方のユーザのものかを判断してその判断に対
   応して１つまたは複数の出荷場所を選定する手段と、 前記受注内容の品種と前記選定出荷場所とをキーにし
   て、品質情報の付いた場所、品種、日別ポジションファ
   イルを読み出し、品質上出荷可能な在庫品を先入れ先出
   し順でかつ予め決められた出荷場所優先順に検索する在
   庫情報検索手段と、 前記選定出荷場所の数を必要に応じて限定しかつ前記受
   注量を前記検索された在庫品から引き当て処理する手段
   と、 前記手段により出荷場所と出荷場所毎の出荷量との情報
   が加えられた出荷指図書を端末機により出力させる出荷
   指図出力手段とを具備していることを特徴とする、物品
   の出荷自動指図システム。
2. 【請求項２】 出荷指図連絡データの入力日とその指図
   出荷日とが一定期間を越えている場合には出荷指図書の
   自動出力を保留させる手段を具備していることを特徴と
   する、請求項１に記載の物品の出荷自動指図システム。
3. 【請求項３】 物品が繊維である請求項１に記載の物品
   の出荷自動指図システム。