JPH0710887B2 - オレフィン類重合用触媒 - Google Patents

オレフィン類重合用触媒

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JPH0710887B2
JPH0710887B2 JP16754385A JP16754385A JPH0710887B2 JP H0710887 B2 JPH0710887 B2 JP H0710887B2 JP 16754385 A JP16754385 A JP 16754385A JP 16754385 A JP16754385 A JP 16754385A JP H0710887 B2 JPH0710887 B2 JP H0710887B2
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  • Transition And Organic Metals Composition Catalysts For Addition Polymerization (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はオレフイン類の重合に供した際、高活性に作用
し、しかも立体規則性重合体を極めて高い収率で得るこ
とのできる高性能触媒に係り、更に詳しくはテトラアル
コキシチタン、脂肪酸マグネシウム、芳香族ジカルボン
酸のジエステルおよびチタンハロゲン化物を触媒させて
得られるオレフイン類重合用触媒成分、ケイ素化合物お
よび有機アルミニウム化合物からなるオレフイン類重合
用触媒に関するものである。
〔従来の技術〕
従来、高活性を有するオレフイン類重合用触媒として
は、触媒成分としての固体のチタンハロゲン化物と有機
アルミニウム化合物とを組合わせたものが周知であり広
く用いられているが、触媒成分および触媒成分中のチタ
ン当りの重合体の収率(以下触媒成分および触媒成分中
のチタン当りの重合性という。)が低いため触媒残渣を
除去するための所謂脱灰工程が不可避であつた。この脱
灰工程は多量のアルコールまたはキレート剤を使用する
ために、それ等の回収装置または再生装置が必要不可欠
であり、資源、エネルギーその他付随する問題が多く、
当業者にとつては早急に解決を望まれる重要な課題であ
つた。この煩雑な脱灰工程を省くために触媒成分とりわ
け触媒成分中のチタン当りの重合活性を高めるべく数多
くの研究がなされ提案されている。
特に最近の傾向として活性成分であるチタンハロゲン化
物等の遷移金属化合物を塩化マグネシウム等と担体物質
に担持させ、オレフイン類の重合に供した際に触媒成分
中のチタン当りの重合活性を飛躍的に高めたという提案
が数多く見かけられる。
〔発明が解決しようとする問題点〕
しかしながら担体物質としてその主流をしめる塩化マグ
ネシウムに含有される塩素は、チタンハロゲン化物中の
ハロゲン元素と同様生成重合体に悪影響を及ぼすという
欠点を有しており、そのために事実上塩素の影響を無視
し得る程の高活性が要求されたり、或いはまた塩化マグ
ネシウムそのものの濃度を低くおさえる必要に迫られる
など未解決な部分を残していた。
本発明者らは、触媒成分当りの重合活性ならびに立体規
則性重合体の収率を高度に維持しつつ、生成重合体中の
残留塩素を低下させることを目的として、特開昭59-911
07においてオレフイン類重合用触媒成分の製造方法を提
案し、初期の目的を達している。
しかし前記塩化マグネシウムを担体とする触媒成分、あ
るいは前記特開昭59-91107において得られる触媒成分な
どを用いた場合単位時間当りの重合活性が重合初期にお
いては高いものの重合時間の経過にともなう低下が大き
く、プロセス操作上問題となる上、ブロツク共重合等、
重合時間をより長くすることが必要な場合、実用上使用
することがほとんど不可能であつた。
本発明者らは、斯かる従来技術に残された課題を解決
し、なおかつより一層生成重合体の品質を向上させるべ
く鋭意研究の結果本発明に達し茲に提案するものであ
る。
〔問題点を解決するための手段〕
即ち、本発明の特色とするところは、 (A) (a)テトラアルコキシチタン、(b)脂肪酸
マグネシウム、(c)芳香族ジカルボン酸のジエステル
および(d)一般式TiX4(式中Xはハロゲン元素であ
る。)で表されるチタンハロゲン化物(以下、単に「チ
タンハロゲン化物」ということがある。)を接触させて
得られる組成物に、さらに該チタンハロゲン化物を接触
させて得られる触媒成分;(B) 一般式SiRm(OR′)
4-m(式中Rは水素、アルキル基またはアリール基であ
り、R′はアルキル基またはアリール基であり、mは0
≦m≦4である。)で表わされるケイ素化合物(以下、
単にケイ素化合物ということがある)。; および (C) 有機アルミニウム化合物 よりなるオレフイン類重合用触媒を提供するところにあ
る。
本発明において使用されるテトラアルコキシチタンとし
ては、テトラブトキシチタン、テトライソプロポキシチ
タン、テトラエトキシチタン、テトライソブトキシチタ
ンなどを挙げることができるが、中でもテトラブトキシ
チタン、テトライソプロポキシチタンが特に好ましい。
本発明において使用される脂肪酸マグネシウムとしてラ
ウリン酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム、パ
ルミチン酸マグネシウム、オクタン酸マグネシウムなど
の飽和脂肪酸マグネシウムが好ましく、中でもステアリ
ン酸マグネシウムが特に好ましい。
本発明で用いられる芳香族ジカルボン酸のジエステルと
しては、フタル酸またはテレフタル酸のジエステルが好
ましく、例えば、ジメチルフタレート、ジメチルテレフ
タレート、ジエチルフタレート、ジエチルテレフレー
ト、ジプロピルフタレート、ジプロピルテレフタレー
ト、ジブチルフタレート、ジブチルテレフタレート、ジ
イソブチルフタレート、ジアミルフタレート、ジイソア
ミルフタレート、エチルブチルフタレート、エチルイソ
ブチルフタレート、エチルプロピルプタレートなどがあ
げられる。
本発明において使用される一般式TiX4(式中Xはハロゲ
ン元素である。)で表わされるチタンハロゲン化物とし
てはTiCl4,TiBr4,TiI4等があげられるが中でもTiCl4
好ましい。
本発明において使用される前記ケイ素化合物としては、
フエニルアルコキシシラン、アルキルアルコキシシラン
などがあげられる。さらにフエニルアルコキシシランの
例として、フエニルトリメトキシシラン、フエニルトリ
エトキシシラン、フエニルトリプロポキシシラン、フエ
ニルトリイソプロポキシシラン、ジフエニルジメトキシ
シラン、ジフエニルジエトキシシランなどをあげること
ができ、アルキルアルコキシシランの例として、テトラ
メトキシシラン、テトラエトキシシラン、トリメトキシ
エチルシラン、トリメトキシメチルシラン、トリエトキ
シメチルシラン、エチルトリエトキシシラン、エチルト
リイソプロポキシシランなどをあげることができる。
本発明において用いられる有機アルミニウム化合物とし
ては、トリアルキルアルミニウム、ジアルキルアルミニ
ウムハライド、アルキルアルミニウムジハライド、およ
びこれらの混合物があげられる。
本発明における触媒成分を得る際、各原料物質の使用割
合および接触条件等は、生成する触媒成分の性能に悪影
響を及ぼすことのない限り、任意であり、特に限定する
ものではないが、脂肪酸マグネシウム10gに対し、テト
ラアルコキシチタンは0.1〜1g芳香族ジカルボン酸のジ
エステルは0.01〜2g、好ましくは0.1〜1gの範囲であ
り、チタンハロゲン化物は0.1g以上、好ましくは1g以上
の範囲である。
なお、この際触媒成分を形成する各原料物質の接触順序
および接触方法は特に限定するものではなく任意のもの
を採用することができる。
前記触媒成分を構成する各成分の触媒後得られた組成物
に、さらにチタンハロゲン化物を接触させることが必要
であり、またn-ヘプタン等の有機溶媒を用いて洗浄する
ことも可能である。
本発明におけるこれ等一連の操作は酸素および水分等の
不存在下に行なわれることが好ましい。
以上の如くして製造された触媒成分は、そのX線スペク
トルにおいて2θ=32゜付近および50゜付近にブロード
なピークを有し、前記ケイ素化合物および有機アルミニ
ウム化合物と組合せてオレフイン類重合用触媒を形成す
る。使用される有機アルミニウム化合物は触媒成分中の
チタン原子のモル当りモル比で1〜1000の範囲で用いら
れ、該ケイ素化合物は、有機アルミニウム化合物のモル
当りモル比で1以下、好ましくは0.005〜0.5の範囲で用
いられる。
重合は有機溶媒の存在下でも或いは不存在下でも行なう
ことができ、またオレフイン単量体は気体および液体の
いずれの状態でも用いることができる。重合温度は200
℃以下好ましくは100℃以下であり、重合圧力は100kg/c
m2・G以下、好ましくは50kg/cm2・G以下である。
本発明の触媒成分を用いて単独重合または共重合される
オレフイン類はエチレン、プロピレン、1-ブテン等であ
る。
〔発明の効果〕
本発明によつて得られた触媒成分および触媒を用いてオ
レフイン類の重合を行なつた場合、生成重合体が極めて
高い立体規則性を有することはもちろん、非常に高活性
であるため生成重合体中の触媒残渣を極めて低くおさえ
ることができ、しかも残留塩素量が殆んど無視し得る程
微量であるために脱灰工程を全く必要としないことはも
ちろん生成重合体に及ぼす塩素の影響を実質上消滅させ
ることができる。
生成重合体に含まれる塩素は造粒、成形などの工程に用
いる機器の腐食の原因となる上、生成重合体そのものの
劣化、黄変等の原因ともなり、これを実質上消滅させる
ことができたことは当業者にとつて極めて重要な意味を
もつものである。
さらに、本発明の特徴とするところは触媒成分の単位時
間当りの活性が重合の経過に伴なつて大幅に低下する、
いわゆる高活性担持型触媒の本質的な欠点を解決し、単
独重合だけでなく共重合にさえも実用的に適用できる触
媒を提供するところにある。
また、工業的なオレフイン重合体の製造においては重合
時に水素を共存させることがMI制御などの点から一般的
とされているが、前記塩化マグネシウムを担体として用
いる触媒成分は水素共存下では、活性および立体規則性
が大幅に低下するという欠点を有していた。しかし、本
発明によつて得られた触媒成分および触媒を用いて水素
共存下にオレフイン類の重合を行なつた場合、生成重合
体MIが極めて高い場合においても殆んど活性および立体
規則性が低下せず、斯かる効果は当業者にとつて極めて
大きな利益をもたらすものである。
〔実施例〕
以下本発明を実施例により具体的に説明する。
実施例1 〔触媒成分の調製〕 テトライソプロポキシチタン0.5gおよびステアリン酸マ
グネシウム40gを窒素ガスで充分に置換され、撹拌機を
具備した容量500mlの丸底フラスコにとり、撹拌下にジ
ブチルフタレート0.5mlおよびTiCl450mlを加え、110℃
に昇温して2時間撹拌しながら反応させた。反応終了後
40℃のn-ヘプタン100mlで10回洗浄し、新たにTiCl450ml
を加え、110℃で2時間撹拌しながら反応させた。
反応終了後40℃まで冷却し、次いでn−ヘプタン100ml
による洗浄を繰り返し行ない、洗浄液中に塩素が検出さ
れなくなつた時点で洗浄終了として触媒成分とした。な
お、この際該触媒成分中の固液を分離して固体分のチタ
ン含有率を測定したところ3.28重量%であつた。
〔重 合〕
窒素ガスで完全に置換された内容積2.0の撹拌装置付
オートクレーブに、n-ヘプタン700mlを装入し、窒素ガ
ス雰囲気を保ちつつトリエチルアルミニウム301mg、フ
エニルトリエトキシシラン64mg、次いで前記触媒成分を
チタン原子として0.3mg装入した。その後水素ガス120ml
を装入し70℃に昇温してプロピレンガスを導入しつつ6k
g/cm2・Gの圧力を維持して4時間の重合を行なつた。
重合終了後得られた固体重合体を別し、80℃に加温し
て減圧乾燥した。一方液を凝縮して重合溶媒に溶存す
る重合体の量を(A)とし、固体重合体の量を(B)と
する。また得られた固体重合体を沸騰n-ヘプタンで6時
間抽出しn-ヘプタンに不溶解の重合体を得、この量を
(C)とする。
触媒成分当りの重合活性(D)を式 で表わす。
また結晶性重合体の収率(E)を式 で表わし、全結晶性重合体の収率(F)を式 より求めた。また生成重合中の残留塩素を(G)、生成
重合体のMIを(H)で表わす。得られた結果は、第1表
に示す通りである。
実施例2 重合時間を6時間にした以外は実施例1と同様にして実
験を行なつた。得られた結果は第1表に示す通りであ
る。
実施例3 テトラブトキシチタンを0.6g用いた以外は実施例1と同
様にして実験を行なつた。なお、この際の固体分中のチ
タン含有率は3.31重量%であつた。重合に際しては、フ
エニルトリエトキシシランを70mg使用した以外は実施例
1と同様にして実験を行なつた。得られた結果は第1表
に示す通りである。
実施例4 反応温度を120℃にした以外は実施例1と同様にして触
媒成分の調製を行なつた。なお、この際の固体分中のチ
タン含有率は3.12重量%であつた。重合に際しては実施
例1と同様にして実験を行なつた。得られた結果は第1
表に示す通りである。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明を説明するためのフローチャートであ
る。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)(a)テトラアルコキシチタン
    (b)脂肪酸マグネシウム、(c)芳香族ジカルボン酸
    のジエステルおよび(d)一般式TiX4(式中Xはハロゲ
    ン元素である。)で表わされるチタンハロゲン化物を接
    触させて得られる組成物に、さらに該チタンハロゲン化
    物を接触させて得られる触媒成分、 (B)一般式SiRm(OR′)4-m(式中、Rは水素、アル
    キル基またはアリール基であり、R′はアルキル基また
    はアリール基であり、mは0≦m≦4である。)で表わ
    されるケイ素化合物および (C)有機アルミニウム化合物 よりなることを特徴とするオレフイン類重合用触媒。
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