JPH07108760B2

JPH07108760B2 - ブームリフトのカウンターウエイト制御装置

Info

Publication number: JPH07108760B2
Application number: JP60263416A
Authority: JP
Inventors: 光宏岸
Original assignee: 株式会社彦間製作所
Priority date: 1985-11-22
Filing date: 1985-11-22
Publication date: 1995-11-22
Anticipated expiration: 2010-11-22
Also published as: JPS62126097A

Description

【発明の詳細な説明】〔産業上の利用分野〕本発明は、高所での作業や工事などを行う際に複数段の
ブームを伸縮させてバケットを高所に持ち上げることが
できるブームリフトに関し、特に当該ブームの均衡を保
つためのカウンターウエイトを制御することができるブ
ームリフトのカウンターウエイト制御装置に関する。

〔従来の技術〕

従来よりビルの工事現場、橋等の高所での保守、修理等
においては、テレスコピック状に伸縮できるブームの先
端にバケットを取りつけ、このブームを伸ばすと同時に
上方に持ち上げることでバケットを高所に持ち上げるこ
とができルブームリフト（高所作業車の一種）が盛んに
用いられていた。

この高所作業車では梯子や脚立などを用いずに無足場で
空中での作業を行うことができ、手軽で便利なものであ
る。だが、ブームの先端に作業員が資材等を載せるため
にどうしても先端が重くなり高く持ち上げることで重心
の位置が移動し、転倒などの危険を必ず持つものであっ
た。このため、従来においてはアウトリガーを車体の左
右方向に伸ばすことで接地面積を広げておき、安定して
ブームを伸ばすことができるように構成されていた。そ
して、ブーム自体の安定を良くするためには、ブームの
伸びている方向とは反対側に釣り合うだけのカウンター
ウエイトを固定しておくのが一番基本的なことである。
しかしながら、ブームと釣り合うだけのカウンターウエ
イトを固定するとなればブームが伸びているのと反対側
に突出するカウンターウエイトの長さが長くなり、旋回
する際にカウンターウエイトが車体の左右にある塀や構
造物又は立っている人などに当たって危険なものであ
る。このためカウンターウエイトが飛び出している部分
には自ずとその長さに限定がありブームとの釣り合いが
取りにくいものであった。

〔発明が解決しようとする問題点〕

この発明は上記欠点に鑑み、ブームの伸びている反対方
向にカウンターウエイトを設けておき、ブームの先端と
カウンターウエイトによりバランスをとることで転倒を
防止させようとするものであるが、カウンターウエイト
の突出した長さをアウトリガーの張り出し量と比例して
調整できるようにし、他の構造物や立っている人などに
危害を与えることなく有効な重心バランスをとることが
できるカウンターウエイトの制御装置を提供するもので
ある。

〔問題点を解決するための手段〕

本発明は、移動できる車体と、車体に固定され、油圧シ
リンダーにより車体の左右より伸縮できるアウトリガー
と、車体上面に載置されて水平方向に旋回できるターン
テーブルと、このターンテーブル上にその基部を軸支さ
れ、上下方向に俯仰させることができる細長いブームと
から成り、アウトリガーを車体の左右より張り出して車
体を地面に固定し、ブームを俯仰および旋回させること
で高所での作業を行うことができるブームリフトにおい
て、ターンテーブル状にはブームが向いている方向とは
反対の位置にカウンターウエイトを水平方向に移動でき
るように載置し、ターンテーブルとカウンターウエイト
の間にはこのカウンターウエイトをブームが向いている
方向とは反対方向に移動させることができる油圧シリン
ダーを介在させ、アウトリガーを伸縮させる油圧シリン
ダーとカウンターウエイトを移動させる油圧シリンダー
をそれぞれ独立した制御弁を介して油圧発生源に接続
し、各制御弁には同時に制御信号を出力する制御指示器
に接続し、制御指示器から各制御弁に同時に制御信号を
出力することにより、アウトリガーが伸長するとカウン
ターウエイトがブームの向いている方向とは反対方向に
同期して移動し、アウトリガーが縮小するとカウンター
ウエイトがブームに向いている方向に同期して移動し、
アウトリガーの張り出し量とカウンターウエイトの移動
量を比例させることを特徴とするブームリフトのカウン
ターウエイト制御装置を提供するものである。

〔作用〕

この構成では、アウトリガーを車体の左右両側にそれぞ
れ伸ばして車体を固定し、接地面積を広げることでブー
ムの伸縮による重心の移動する許容範囲を広げさせるこ
とができる。そして、このアウトリガーの伸長の動作と
同期させてカウンターウエイトをブームの長さ方向とは
逆方向に移動させ、カウンターウエイトをアウトリガー
のよりも側方に突出させないように制御している。この
アウトリガーが突出した範囲においては構造物や他の邪
魔となるものが少なくとも無いものと考えられるため、
アウトリガーが張り出している範囲内においてカウンタ
ーウエイトが回転しても建造物に損傷を与えたり、立っ
ている人に損傷を与える恐れは無くなるものである。

〔実施例〕

以下、本発明の一実施例を図面により説明する。

エンジン等を収納した移動できる車体１の下面には前輪
２と後輪３とがそれぞれ左右に軸支してあり、道路上を
運行できる形式のものとなっている。そして、この車体
１の荷台４の中央（キャビン付近）と荷台４の後端には
それぞれ上下に四角いパイプを積み重ねた収納パイプ
５、６が床面に固定してあり、各収納パイプ５、６には
左右方向に伸びる摺動パイプ７、８、９、10がそれぞれ
挿通してある。このため、摺動パイプ７、８はそれぞれ
車体１のほぼ中央付近で左右に伸びることができ、摺動
パイプ９、10は車体１の後端においてそれぞれ左右に伸
縮することができるものである。各摺動パイプ７、８、
９、10の先端にはその長さ方向とは直角に上下に対して
その軸線を一致させた保持パイプ11、12、13、14が固着
してあり、摺動パイプ７、８、９、10と保持パイプ11、
12、13、14によりＴ字形の形状に形成されている。そし
て、保持パイプ11、12、13、14の下面には上下に油圧シ
リンダーによって移動される固定脚15、16、17、18がそ
れぞれ収納させてあり、摺動パイプ７、８、９、10、保
持パイプ11、12、13、14、固定脚15、16、17、18によっ
てアウトリガー19、20、21、22が構成されている。

次に荷台４の上面には円板状をしており、油圧モータに
よって回転されるターンテーブル23が載置してあり、こ
のターンテーブル23の上面にはやや台形状をしたマスト
24が固定してある。このマスト24の左右にはそれぞれ水
平なレール25が固定してあり、このレール25の上部には
コの字形状をしたカウンターウエイト26が水平方向に移
動できるように載置してある。そしてレール25の前面に
はストッパー27が固着してありカウンターウエイト26の
側面には連結体28が突出させてあり、ストッパーと連結
体28の間には油圧シリンダー29が介在させてある。そし
て、前記マスト24の上部にはテレスコピック状に伸縮で
きるブーム30の基部が軸31により上下に俯仰できるよう
に連結してあり、マスト24とブーム30の間には油圧シリ
ンダー32が設けてあり、油圧シリンダー32によってブー
ム30は軸31を中心として俯仰できるようにしてある。そ
して、ブーム30の一番端にあるブームには作業員や資材
を載置することができるバケット33が連結してある。

次に第３図は本実施例における油圧系統を示す配管図で
ある。エンジン35によって駆動される油圧ポンプ36の吸
入側には油タンク37が連結してあり、油圧ポンプ36の出
力側には供給配管38が連結してある。そして、供給配管
38はそれぞれ制御弁としての電磁弁39、40、41、42、43
に接続してある。また、各電磁弁39、40、41、42、43の
排出側には戻り配管44が接続してあり、この戻り配管44
は前記油タンク37と連結してある。そして、電磁弁39に
は前記一対の油圧シリンダー29が直列に接続してあり、
また、前記電磁弁40には車体１の左側における摺動パイ
プ７、９を動作させるための油圧シリンダー45、46が直
列に接続してあり、同時に電磁弁41には摺動パイプ８、
10を摺動させるための油圧シリンダー47、48が直列に接
続してある。また、電磁弁42には前記ブーム30内に収納
してあって、ブーム30を伸縮するための油圧シリンダー
49が接続してあり、電磁弁43には前記油圧シリンダー32
が接続してある。そして、前記電磁弁39、40、41はそれ
ぞれアウトリガーの位置設定のための制御指示器として
の位置決めスイッチ50に並列に接続してあり、電磁弁42
はブーム30の伸縮量を制御する伸びスイッチ51に接続し
てあり、電磁弁43にはブーム30の上下の俯仰角を制御す
る仰角スイッチ52が接続してある。

次に、本実施例の作用を説明する。

まず、アウトリガー19、20、21、22を折り畳んで車体１
の側面に密着させた状態でこの車体１を運転し、作業す
る現場まで移送する。

次に作業する現場が決まったならば、アウトリガー19、
20、21、22によって車体１を定位置に固定させる。すな
わち、油圧シリンダー45、46、47、48を動作させ、摺動
パイプ７、８、９、10を収納パイプ５、６より左右に押
し出し、保持パイプ11、12、13、14を障害物に接触しな
い安全な位置にまで伸張させる。この場合において、例
えば近くに塀があったり、また交通量が多い場所で他の
交通の障害になる場合には、その障害とならない位置に
まで保持パイプ11、12、13、14を伸張させる。次いで、
保持パイプ11、12、13、14より固定脚15、16、17、18を
下方に押し下げ、車体１を固定脚15、16、17、18により
持ち上げることにより車体１をその位置に固定する。こ
の後、油圧シリンダー32を伸張させることでブーム30を
所定の仰角だけ持ち上げ、次いでブーム30を伸ばすこと
によりバケット33を所定の高さまで伸ばすことができ
る。そして、ターンテーブル23を回転させる動作と合い
まってバケット33は自由な位置にまで伸ばすことができ
る。

次にこの動作を第３図と共に説明すると、まず位置決め
スイッチ50をオンさせることで各電磁弁39、40、41はそ
れぞれ正側に投入され、電磁弁40、41によって油圧シリ
ンダー45、46、47、48にそれぞれ油圧が供給される。こ
のため、収納パイプ５、６に収納された摺動パイプ７、
８、９、10はそれぞれ車体１の横方向に伸びることがで
きる。位置決めスイッチ50のオンと同時に電磁弁39も正
側に投入され、油圧シリンダー29に油圧が供給されるの
でストッパー27と連結体28の間隔を開け、レール25上で
カウンターウエイト26を後方に移動させることができ
る。この摺動パイプ７、８、９、10の伸長動作とカウン
ターウエイト26の移動動作は同期して行われるためその
移動量は常に摺動パイプ７、８、９、10の伸長量に比例
しており、カウンターウエイト26の後端はカウンターウ
エイトを最大限度まで移動させても摺動パイプ７、８、
９、10の伸張量よりも大きくなることはない。このた
め、摺動パイプ７、８、９、10のそれぞれが側方に伸び
た先端の位置よりも必ず車体１側にカウンターウエイト
26の後端が位置しているため、ターンテーブル23が回転
したとしてもカウンターウエイト26の後端は決してアウ
トリガー19、20、21、22の伸びた先端より突出すること
はなくなる。

また、ブーム30を持ち上げるには仰角スイッチ52を押す
ことで電磁弁43がオンし、油圧シリンダー32に油圧が供
給されることでブーム30は軸31を中心として俯仰しブー
ム30を高い角度に持ち上げることになる。また、ブーム
30を伸縮させる場合には伸びスイッチ51をオンさせるこ
とで電磁弁42は作動し、油圧シリンダー49に油圧が供給
されるためブーム30はその両端の長さを伸張させバケッ
ト33を上方に持ち上げることになる。

次に第４図、第５図は位置決めスイッチ50の動作により
アウトリガー19、20、21、22の左右方向の伸びとカウン
ターウエイト26の後端の位置の移動を示すものである。

第４図では車体１の左右に障害物がないためアウトリガ
ー19、20、21、22を左右に大きく伸ばすことができた状
態を示すものである。このとき油圧シリンダー29も摺動
パイプ７、８、９、10の伸縮量に同期しているため大き
く動作し、カウンターウエイト26はレール25の上面にお
いて大きく後方に移動することになる。このカウンター
ウエイト26を後方に大きく移動させることによりブーム
30との重心のバランスは調整でき安定した状態でブーム
30を伸縮させることができる。また、カウンターウエイ
ト26を最大限度まで大きく移動させた状態でもアウトリ
ガー19、20、21、22の左右側端面よりも突出することは
なく、必ずアウトリガー19、20、21、22の側端面より車
体１側にその後端が位置するように構成されているので
カウンターウエイト26が回転しても他の建造物に衝突す
ることなく安全に回転することができる。

また、第５図は車体１の左右に塀や宅地、建造物があっ
て、アウトリガー19、20、21、22を大きく左右に伸ばさ
ない状態を示すものであり、この場合においては油圧シ
リンダー29は摺動パイプ７、８、９、10の摺動量と比例
して小さく動作しており、カウンターウエイト26はレー
ル25上において少し移動する。この場合においてもカウ
ンターウエイト26はアウトリガー19、20、21の左右側端
面よりも突出しない位置にあり、この第５図の状態にお
いても建造物や立っている人にカウンターウエイト26を
衝突させることがないものである。

〔発明の効果〕

本発明は上述のように構成したので、ブームの重量と釣
り合うためのカウンターウエイトはアウトリガーの移動
量と比例してブームの長さ方向とは逆方向移動し、ブー
ムの重心位置をバランスさせるのでブームを高く持ち上
げても転倒する恐れがなくなるものである。また、カウ
ンターウエイトの移動量は車体に設けたアウトリガーの
伸び量と比例させてあるため、アウトリガーの最先端位
置よりも必ず車体側に位置しており、カウンターウエイ
トが回転することによって建造物などの損傷を起こすこ
とが無くなり、極めて安全なものである。このため、カ
ウンターウエイトによりブームの転倒防止と、また旋回
台における安全範囲の設定確保の二つの効果を同時に兼
ね備えることができるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明におけるブームリフトのカウンターウエ
イト制御装置を示す斜視図、第２図は同上の側面図、第
３図は同上の油圧配管図、第４図、第５図は本発明の動
作を示す車体の後方より見た説明図である。１……車体、７、８、９、10……摺動パイプ、11、12、
13、14……保持パイプ、15、16、17、18……固定脚、1
9、20、21、22……アウトリガー、25……レール、26…
…カウンターウエイト、29……油圧シリンダー、30……
ブーム。

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】移動できる車体と、車体に固定され、油圧
シリンダーによりに車体の左右より伸縮できるアウトリ
ガーと、車体上面に載置されて水平方向に旋回できるタ
ーンテーブルと、このターンテーブル上にその基部を軸
支され、上下方向に俯仰させることができる細長いブー
ムとから成り、アウトリガーを車体の左右より張り出し
て車体を地面に固定し、ブームを俯仰および旋回させる
ことで高所での作業を行うことができるブームリフトに
おいて、ターンテーブル上にはブームが向いている方向とは反対
の位置にカウンターウエイトを水平方向に移動できるよ
うに載置し、ターンテーブルとカウンターウエイトの間
にはこのカウンターウエイトをブームが向いている方向
とは反対方向に移動させることができる油圧シリンダー
を介在させ、アウトリガーを伸縮させる油圧シリンダー
とカウンターウエイトを移動させる油圧シリンダーをそ
れぞれ独立した制御弁を介して油圧発生源に接続し、各
制御弁には同時に制御信号を出力する制御指示器に接続
し、制御指示器から各制御弁に同時に制御信号を出力す
ることにより、アウトリガーが伸長するとカウンターウ
エイトがブームの向いている方向とは反対方向に同期し
て移動し、アウトリガーが縮小するとカウンターウエイ
トがブームの向いている方向に同期して移動し、アウト
リガーの張り出し量とカウンターウエイトの移動量を比
例させることを特徴とするブームリフトのカウンターウ
エイト制御装置。