JPH07108118A - ケイ酸カルシウムからなる瀘過助剤とその瀘過方法 - Google Patents

ケイ酸カルシウムからなる瀘過助剤とその瀘過方法

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JPH07108118A
JPH07108118A JP27905293A JP27905293A JPH07108118A JP H07108118 A JPH07108118 A JP H07108118A JP 27905293 A JP27905293 A JP 27905293A JP 27905293 A JP27905293 A JP 27905293A JP H07108118 A JPH07108118 A JP H07108118A
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calcium silicate
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filter
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Kazuo Fukase
和男 深瀬
Kyoichi Kitsugi
恭一 木次
Kikuo Kishimoto
菊夫 岸本
Michio Oba
教夫 大場
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NAISU TEC KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 瀘過性能に優れた安価な瀘過助剤とその瀘過
方法の提供 【構成】 粒径0.05mm以下のケイ酸カルシウムから
なるプリコート用瀘過助剤であって、好適には合成ケイ
酸カルシウムが使用され、酸化マグネシウムもしくは過
リン酸石灰又はこれらの混合物を含有する瀘過助剤とこ
の瀘過助剤を用いたプリコートによる瀘過方法。 【効果】 安価であり、またアンモニア態窒素、リン酸
分の除去効果に優れる。従来用いられている凝集剤を使
用する必要がなく、これらに含有されている植生に有害
なアルミニウム分や肥料効果を低減させる鉄分を含有し
ない瀘過ケーキを得ることができ、これを植物栽培用培
土や肥料資材として再利用することができる

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、プリコート用瀘過助剤
およびこの瀘過助剤を用いた瀘過方法に関する。より詳
しくは、ケイ酸カルシウム粉末を瀘過助剤としてプリコ
ート層を形成して行なう瀘過方法に関し、安価で大量使
用が可能であり、悪臭を除去でき、しかも使用後に肥料
として再利用が可能な瀘過助剤とこれを用いた瀘過方法
を提供するものである。
【0002】
【従来技術】瀘過原液に含まれる粒子が微細であるため
瀘過抵抗が著しく大きくなる場合に瀘材の目詰りを防止
して瀘過抵抗を減じる目的で、あるいはより清澄な瀘液
を得るために瀘過助剤が用いられる。瀘過助剤の使用方
法は、瀘過すべき泥漿などに助剤を直接投入する方法や
予め瀘材の表面に瀘過助材をある厚みに形成するプリコ
ート法などが実施されており、このプリコート法は図1
に示すような回転型瀘過機による連続脱水瀘過に適した
方法として知られている。
【0003】上記プリコート用瀘過助剤としてはケイソ
ウ土が広く使用されており、希にゼオライトを使用する
例も知られている。瀘過助剤用のケイソウ土は、カサ比
重が0.2 〜0.4 で粒径が0.1mm 以下のものが一般的であ
るが、上記条件を満たすものを得るためには、天然ケイ
ソウ土を粉砕し、1000〜1200℃で焼成後、粒径を揃えて
製品とする等の処理工程が必要なため価格が高くなる。
従って、ケイソウ土を主体とした瀘過助剤は、食品、医
薬品等のような付加価値が高くコスト面の負担が相対的
に少ない分野において主に使用され、湖沼、河川、港湾
等に堆積した底泥や畜産廃棄物等の処理においては処理
コストが嵩むため使用が困難であり、実際上、使用され
ている事例はない。この他に、ケイソウ土による瀘過助
剤は、瀘過原液の種類によってはポリ塩化アルミニウム
などの凝集剤を併用する必要があり、処理操作が繁雑に
なるうえに処理コストがさらに増大する問題がある。次
に、ゼオライトを瀘過助剤として使用する場合には、天
然ゼオライトはプリコート特性が悪く、一方、合成ゼオ
ライトは高価であり上記目的に使用するのはコスト面か
ら難しい。ところで、浚渫底泥や家畜排泄物を含む畜産
廃棄物は、一般に有機物またはその分解物質を含有して
おり、悪臭の原因になるばかりでなく水質汚染の原因と
なるため、その処理は環境保全上大きな問題である。こ
のため処理に当たっては、汚染物質を除去すると共に悪
臭を取り除く必要があり、このためゼオライトや活性炭
等の吸着剤を併用せざるを得ず、これが処理コストの負
担を高める一因となっている。
【0004】
【発明の解決課題】本発明は、従来用いられてきたケイ
ソウ土からなる瀘過助剤の上記問題点に鑑み、価格が安
く入手も容易なうえに、ケイソウ土に匹敵する瀘過効果
を有し、さらにケイソウ土では得られない汚染成分の分
解と悪臭除去効果をも有するプリコート用瀘過助剤とそ
の瀘過方法を提供することを目的とする。
【0005】本発明者らは、上記課題を達成するため、
各種の資材について、そのプリコート特性、瀘過能力、
瀘液の濁度、汚染および悪臭の除去能力について調査・
試験を行ない、ケイソウ土の場合と比較した。その結
果、二酸化ケイ素粉末とカルシウム化合物から容易にか
つ廉価に合成することのできるケイ酸カルシウムが瀘過
助剤として有効であり従来の上記問題を解決し得ること
を見出した。
【0006】
【課題の解決手段:発明の構成】本発明は、以下の瀘過
方法を提供する。 (1)粒径0.5mm以下のケイ酸カルシウムからなるプ
リコート用瀘過助剤。 (2) 上記ケイ酸カルシウムが合成ケイ酸カルシウム
である上記(1) の瀘過助剤。 (3)粒径0.5mm以下のケイ酸カルシウムを瀘過助剤
に用いてプリコート層の形成を行なうことを特徴とする
瀘過方法。 (4)5%以上の酸化マグネシウムもしくは過リン酸石
灰又はこれらの混合物を含有するケイ酸カルシウムを瀘
過助剤に用いてプリコート層を形成する上記(1)〜(3)
の何れかに記載の瀘過方法。 (5)アンモニア含有瀘過原液にリン酸化合物を添加
し、上記ケイ酸カルシウムからなる瀘過助剤によって形
成したプリコート層を介して瀘過することにより、原液
中の悪臭成分の除去を併せて行なう上記(1) 〜(4) の何
れかに記載の瀘過方法。
【0007】本発明のプレコート用瀘過助剤は価格が安
く、入手も容易な材料であるケイ酸カルシウムからな
る。ケイ酸カルシウムは天然のものを用いることも可能
であるが、微粉砕化等のために製品コストが高くなり、
また瀘過助剤としての効果も合成ケイ酸カルシウムより
は劣るので、合成ケイ酸カルシウムを用いるのが有利で
ある。ケイ酸カルシウムの具体例としては、トバモライ
ト、ゾノトライト、ワラストライトなどが挙げられる。
これらのケイ酸カルシウムは単体または2種以上の混合
物として使用することができる。
【0008】ケイ酸カルシウムの粒径(平均粒径)は、
0.5mm以下のものが用いられるが、実際的には0.3
mm以下のものがより好ましい。粒径が0.5mmを上回る
とプリコート層の安定性が悪くなり、またプリコート層
にクラックが生じ易くなる。一方、ケイ酸カルシウムの
嵩比重は好ましくは0.7以下であり、より好ましくは
0.6以下である。嵩比重が0.7を上回るとプリコー
ト層が不安定となり、クラックも生じ易くなる。本発明
に係る上記粒径および嵩比重のケイ酸カルシウムによれ
ば、従来のケイソウ土を用いたものと同様の安定なプリ
コート層を得ることができる。
【0009】本発明の瀘過助剤は、上記ケイ酸カルシウ
ムに加えて第2ないし第3成分として酸化マグネシウム
および/またはリン酸石灰塩を含有しても良い。酸化マ
グネシウムは、原液中のアンモニアおよびリン酸分と反
応し、これらを難溶性のリン酸苦土アンモン(MgNH4 PO
4 )としてプリコート層に固定するほかに、酸化マグネ
シウムのアンモニアおよびリン酸分を吸着・固定する効
果を有するので瀘過原液の悪臭が除去され、湖沼富化の
原因であるリン酸分およびアンモニアの溶出も抑制され
る。なお上記ケイ酸カルシウムはプリコートの安定が良
く、ポリ塩化Alなど従来用いられていた凝集剤を使用
する必要がないが、酸化マグネシウムを添加すればプリ
コート層が一層安定化され、プリコート時や瀘過工程中
におけるプリコート層のクラックや崩落を確実に防止す
る効果がある。上記酸化マグネシウムは、粒径が0.1
8mm以下、嵩比重1.0以下のものが好ましい。この酸
化マグネシウムはケイ酸カルシウム粒子の間を充填する
のでプリコート層が一層安定になる。酸化マグネシウム
の含有量は瀘過助剤のケイ酸カルシウムに対して5重量
%以上が適当である。粒径が0.18mmより大きいとプ
リコート層の安定性が損なわれクラックを生じ易くな
り、嵩比重が1.0より大きいとケイ酸カルシウムの懸
濁液中で均一に分散し難くなる。また添加量が5重量%
より少ないと効果が乏しい。なお添加量が15重量%を
越えると高価格になるので実用性に乏しい。なお上記酸
化マグネシウムに代えて、水酸化マグネシウムなどのマ
グネシウム化合物を用いることもできるが、その効果は
酸化マグネシウムよりやや劣る。
【0010】また、瀘過原液中のアンモニアは酸化マグ
ネシウムに限らず過リン酸石灰等のリン酸塩を添加する
ことによっても除去することができる。過リン酸石灰は
瀘過原液中のアンモニアと反応してリン酸アンモニウム
等を形成しプリコート中に固定し、これにより瀘液の悪
臭が除去される。過リン酸石灰の添加量は原液中のアン
モニア態窒素をリン酸第二アンモニウムにするのに必要
な量以上である。リン酸塩としては過リン酸石灰の他に
リン酸液も効果的に使用することができる。
【0011】酸化マグネシウムと過リン酸石灰等は、そ
れぞれを単体で使用しても良いが、複合的に使用するこ
とが特に好ましい。これらの成分の共存によって、瀘過
原液中のアンモニア態窒素が難溶性化合物としてプリコ
ート中に固定される効果が大きくなる。特にアンモニア
態窒素の除去を目的としてリン酸分を使用する場合、瀘
液中へのリンの混入が新たな問題を引き起こす虞があっ
たが、本発明によればプリコート層にリン酸分も固定さ
れるため、かかる問題が生じない。むしろ、プリコート
中に固定されたリン酸分は肥料成分として利用できる利
点を有する。なお酸化マグネシウム粉末とリン酸分は瀘
過原液中に添加してもよい。
【0012】本発明によれば、上記瀘過助材成分によっ
てプリコートを形成することにより顕著な瀘過効果を達
成することができるが、発明の実施にあたって、従来使
用されているケイソウ土や凝集剤、吸着剤との併用を排
除するものではない。ケイソウ土の単独使用よりも処理
コストを軽減することができる。
【0013】プリコート層の形成および同層形成後の瀘
過は、既知の方法に従って行なうことができる。例え
ば、本発明の瀘過助剤を水に懸濁させた後、圧力差を用
いて瀘材上に該懸濁液を供給し、水分は瀘材を通じて脱
水され上記瀘過助剤によるプリコートが形成される。
【0014】
【発明の具体的説明】以下、本発明が特に好適に適用さ
れる連続瀘過系について図1を参照して本発明の実施態
様を説明する。まずプリコートタンク1において水また
は比較的静澄な瀘過原液に本発明に係る瀘過助剤を懸濁
させる。その濃度はタンクの大きさや瀘過機に使用する
フィルターの種類・大きさによって変わるが、通常30
〜40重量%の範囲である。攪拌により十分に懸濁させ
た瀘過助剤はプリコートタンクから瀘過槽2に移送す
る。瀘過槽2には、表面に瀘布などの瀘材が巻かれたド
ラム3が設置されている。ドラム3の内部は軸4および
瀘液槽5を経て真空ポンプ6に接続しており、ドラム3
を軸4の回りに回転させながら内部を減圧することによ
り、瀘材面上に瀘過助材からなるプリコート層が形成さ
れる。プリコート層の厚さは連続運転所望時間により任
意であるが、一例としてドラム径5mの場合に通常50
〜300mm程度である。
【0015】プリコート形成後、瀘過原液タンク7から
ヘッドタンク8を介して瀘過原液を瀘過槽に入れ瀘過を
開始する。瀘過原液にリン酸成分を添加してアンモニア
分の除去を行なう場合等には、瀘過原液タンク7を前処
理槽・沈澱槽等に分けて瀘過効率を高める構成としても
よい。プリコート層の表面または表面近傍内層で捕捉さ
れた瀘過原液中の粒子群は瀘過ケーキを形成する。瀘過
ケーキはプリコート層の表面部とともにスクレーバ9で
薄く削り取り常に新鮮なプリコート層で瀘過を行なう。
なお、図に示す態様以外でも、プリコート層を形成した
後、圧力差を用いて瀘過を行なう方法であれば本発明の
方法を適用することができる。例えば、瀘過槽を密閉式
にして瀘過原液に圧をかける加圧型プリコートフィルタ
ーにおいても本発明は有効である。
【0016】試験例1(プリコート層の安定性試験) 表1に示す材料400 cm3 相当量を水に懸濁させて20重
量%懸濁液とした後、11cm径の定性瀘紙を敷いたブフ
ナー漏斗に入れ、吸引瀘過を行ない、プリコート層を形
成し、クラックの有無、プリコートの安定性について調
べた。結果を表1に示す。表示されるように、平均粒径
0.5mmのケイ酸カルシウムによって形成したものは一
部にクラックが認められ安定性に欠けるが、平均粒径
0.3mm以下の本発明に係るものは凝集剤を添加しなく
てもクラックの発生が認められず安定なプリコートを形
成できる。また平均粒径0.5〜0.25mmのものも酸
化マグネシウムの添加によりクラックのない安定したプ
リコート層が得られることがわかる。
【0017】試験例2(アンモニア態窒素の除去効果) 表2に示す瀘過助材を水に懸濁させて懸濁液とした後、
ブフナー漏斗中に瀘過して厚さ約30mmのプリコート層
を形成させた。次に霞ヶ浦から採取した底泥を10重量
%含有する瀘過原液をプリコート層に供給し、吸引瀘過
して底泥のプリコート層内への貫入深度、瀘液の濁度、
および瀘液中のアンモニウムイオン濃度を分析を行なっ
た。なお、底泥中にはアンモニア態窒素の存在量が少な
いことから、本試験例では試料No.2-2〜No.2-5において
は、底泥スラリー1リットル中にアンモニア水を添加して畜
産廃水と同量のアンモニア態窒素(0.7g)にして瀘
過を行なった。瀘液中のアンモニア存在量を分析した結
果を併せて表2に示す。表2に示されるように本発明の
瀘過助材を使用すれば、プリコートの表面は平滑で、底
泥の貫入深度は0.1mm以下、瀘液濁度は10mg/l以下
で、ケイソウ土の場合と同様の効果が達成される。ま
た、瀘液中のアンモニウムイオン濃度は、ケイソウ土単
味を助材とした場合(試料No2-2 )には80mg/lと大き
いが、本発明による瀘過助材を使用した場合には40mg
/l以下と半分以下に低下した。またアンモニアの除去効
果は酸化マグネシウムぼ添加量が多いほど大きい。
【0018】試験例3(残留リンの流出防止効果) 表3に示す瀘過助材を水に懸濁させて懸濁液とした後、
ブフナー漏斗中に瀘過してプリコート層を形成させた。
次に畜産廃水と同量のアンモニア態窒素(0.07%)を含
有するアンモニア水を瀘過原液として用い、このアンモ
ニアを全量リン酸アンモニウムとするに必要な量の過リ
ン酸石灰を加えて瀘過処理し、瀘液中のアンモニア残量
とリン酸量を調べた(試料NoA-2,4,5,6 )。また対照例
として過リン酸石灰を添加せずに試験した(試料NoA-1,
3 )。この結果を表3に示した。ケイソウ土を瀘過助材
とした場合(試料NoB-1,2 )には、リン酸分の添加によ
って瀘液中のアンモニア含有量の減少および臭気の改善
効果は認められるが、添加したリン酸分のかなりの量が
瀘液中に流出している。一方、ケイ酸カルシウム単味を
瀘過助材として用いた場合には、アンモニアが除去さ
れ、しかもリン酸流出量はケイソウ土の10分の1程度
に止まっている。さらにケイ酸カルシウム−酸化マグネ
シウム系(試料NoA-3,4,5,)では、アンモニアが除去さ
れると共にリン酸分の瀘液中への流出を低減することに
成功している。なお、プリコート層の瀘過助材成分とは
別に、瀘過原液そのものに酸化マグネシウムを添加した
場合(試料NoA-6 )は、瀘液中のアンモニア分が更に低
減されている。このように、瀘液中のアンモニアおよび
リン酸存在量は、瀘過助材に酸化マグネシウムを5%以
上添加することにより著しく減少し、特別な吸着材を用
いることなく環境基準を十分に満たすことが可能であ
る。
【0019】実施例1 水を満たした400 リットル容量のプリコートタンク1に0.25
mm以下に粉砕したトバモライト粉末130kg を装入し、5
分間攪拌を続けた後、瀘過槽2に移送し、瀘過ドラム3
の内部を減圧して瀘材表面に60mmのプリコート層を形
成させた。次に霞ヶ浦にて採取した底泥を100g/リットル含
む泥水を瀘過原液タンク7からヘッドタンク8を介して
瀘過槽2に移送し、プリコートに供給して脱水瀘過を開
始した。瀘過の進行に伴ない形成される瀘過ケーキはス
クレーバー9によって連続的に削り取り、常に新鮮なプ
リコート層が現れるようにした(切削進行速度:0.05mm
/分)。プリコート層厚さが10mmになった時点で瀘過
を終了し、底泥のプリコート層への貫入状況の観察瀘液
濁度の測定ならびに瀘液中のアンモニアおよびリン酸の
分析を行なった。観察・測定の結果、プリコート層には
ややクラックが認められたものの瀘液の濁度は5mg/ リッ
トル以下であった。また、瀘液中のアンモニア、リン酸と
もに痕跡程度であった。
【0020】実施例2 0.25mm以下に粉砕したトバモライト粉末110kg に0.15mm
以下の酸化マグネシウム粉末20kgを添加・混合したも
のを用い、実施例1と同様の操作で60mmのプリコート
層を形成させ、同じく霞ヶ浦底泥を含む瀘過原液を用い
て脱水瀘過を行なった。プリコート層厚さが10mmにな
った時点で瀘過を終了し、底泥のプリコート層への貫入
状況および瀘液の濁度の測定を行なった。観察・測定の
結果、プリコートの外観は平滑で安定しており、クラッ
クの発生も認められず、底泥の貫入深度も0.1mm 以下と
小さく、瀘液の濁度も1mg/ リットル以下と良好であった。
また、瀘液中のアンモニア、リン酸ともに痕跡程度であ
った。
【0021】実施例3 0.25mm以下に粉砕したトバモライト粉末110kg に0.15mm
以下の酸化マグネシウム粉末20kgを添加・混合したも
のを用い、実施例1と同様の操作で60mmのプリコート
層を形成させた。瀘過原液としては、アンモニア(窒素
含有量700ppm)およびリン酸(P2 5 換算で94ppm )
含有の養豚場廃水を用い、この廃水10リットルあたりP2
5 18%含有市販過リン酸石灰粉末200gを添加混
合した。過リン酸石灰粉末を混合した直後にアンモニア
臭を主体とする悪臭は殆ど消失するとともに含有固形物
もその大半が沈降することが認められた。これを上記の
プリコート層により瀘過した。瀘過終了後、瀘液中のア
ンモニア濃度の分析を行なった結果、アンモニア態窒素
は25 mg/リットル、リン酸イオンもP2 5 換算で3mg/リ
ットルと僅少であった。
【0022】
【発明の効果】本発明によれば、廉価なケイ酸カルシウ
ムを瀘過助剤として使用してケイソウ土と同様の効果を
達成することができるため、単位処理量あたりの処理コ
ストが安い。また、ケイ酸カルシウムに加えて酸化マグ
ネシウム粉末を添加することにより瀘過原液に含有され
るアンモニア態窒素、リン酸分を難溶性化合物としてプ
リコート中に固定するため、瀘液を排水しても湖沼の富
栄養化などの問題を生じない。このように酸化マグネシ
ウムを瀘過助剤中に含むものは、瀘過原液にリン酸分を
添加し原液中のアンモニアを除去し消臭を図ることがで
き、添加したリン酸分もプリコート層に固定され、瀘液
中への移行も僅かであるという極めて有利な特徴を有す
る。さらに本発明の瀘過助剤は従来用いられているよう
な凝集剤を使用しなくてもプリコートの安定性がよく、
従来の凝集剤に含有されている植生に有害なアルミニウ
ム分や肥料効果を低減させる鉄分を含有しない瀘過ケー
キを得ることができ、植物栽培用培土としての利用はも
とより、肥料資材としても有用である。なお瀘過助材の
成分中に酸化マグネシウムを含むものはプリコートの安
定性が一層良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が好適に適用される連続瀘過系の概略を
示す説明図である。
【符号の説明】
1−プリコートタンク 2−瀘過槽 3−ドラム 4−ドラム回転軸 5−瀘液槽 6−真空ポンプ 7−瀘過原液タンク 8−ヘッドタンク 9−スクレーバ
【表1】
【表2】
【表3】

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 粒径0.5mm以下のケイ酸カルシウムか
    らなるプリコート用瀘過助剤。
  2. 【請求項2】 上記ケイ酸カルシウムが合成ケイ酸カル
    シウムである請求項1の瀘過助剤。
  3. 【請求項3】 粒径0.5mm以下のケイ酸カルシウムを
    瀘過助剤に用いてプリコート層の形成を行なうことを特
    徴とする瀘過方法。
  4. 【請求項4】 5%以上の酸化マグネシウムもしくは過
    リン酸石灰又はこれらの混合物を含有するケイ酸カルシ
    ウムを瀘過助剤に用いてプリコート層を形成する請求項
    1〜3の何れかに記載の瀘過方法。
  5. 【請求項5】 アンモニア含有瀘過原液にリン酸化合物
    を添加し、上記ケイ酸カルシウムからなる瀘過助剤によ
    って形成したプリコート層を介して瀘過することによ
    り、原液中の悪臭成分の除去を併せて行なう請求項1〜
    4の何れかに記載の瀘過方法。
JP27905293A 1993-10-12 1993-10-12 ケイ酸カルシウムからなる瀘過助剤とその瀘過方法 Pending JPH07108118A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH01243887A (ja) * 1988-03-22 1989-09-28 Meretsuku:Kk ステッピングモータの微小角駆動回路とその微小角駆動方法

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