JPH0710770B2 - アルコ−ルを基剤とする抗菌組成物 - Google Patents

アルコ−ルを基剤とする抗菌組成物

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JPH0710770B2 JP61254837A JP25483786A JPH0710770B2 JP H0710770 B2 JPH0710770 B2 JP H0710770B2 JP 61254837 A JP61254837 A JP 61254837A JP 25483786 A JP25483786 A JP 25483786A JP H0710770 B2 JPH0710770 B2 JP H0710770B2
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Description

【発明の詳細な説明】 アルコールを基剤とした皮膚殺菌剤は、その高い蒸気圧
のために速やかに蒸発する。そのためそれらを皮膚に塗
るとき、細菌および他の微生物に対するアルコール濃度
および接触時間は、蒸発損失のため最小になる。発明者
は、これらの殺菌剤にアルコール可溶性増粘剤を添加す
ることによりアルコール皮膚殺菌剤の蒸発を減少し、そ
れによって皮膚上の殺菌剤の露出時間とアルコール濃度
を増加する方法を発見した。
重量で30〜90%のアルコールを含むアルコール溶液は、
保建治療者(healthcarepersonel)の手の消毒および侵
害的治療部位の局部的皮膚の消毒にしばしば使用され
る。これらのアルコール組成物は、皮膚上で速く蒸発し
て乾燥し、また、水のようにたやすくこぼれ易い。これ
らの欠点は、ここで特許請求をする方法および組成物に
よって克服される。
本発明は、全処方重量を基礎として約0.1ないし約10パ
ーセントの少なくとも1つのアルコール可溶性増粘剤を
アルコールを基剤とした殺菌剤または防腐剤に添加し、
それによって前記アルコールを基剤とした殺菌剤または
防腐剤の蒸発を減少し、治療される皮膚との接触時間お
よび抗菌効果を増加させることから成る、アルコールを
基剤とした皮膚殺菌剤または防腐剤の効果を増強する方
法に関する。
本発明は又、全処方重量を基礎として30〜90%のアルコ
ール、全処方重量を基礎として重量で0.1〜10%のアル
コール可溶性増粘剤および調整用水から成る改良された
アルコールを基剤とした皮膚殺菌剤又は防腐剤に関す
る。
本発明は、アルコール蒸発を遅らせるため増粘剤を使用
し、それによって皮膚殺菌剤または防腐剤としてアルコ
ールのより効果的な使用を可能にする。
ここで使用する“増粘剤”という用語はアルコール/水
組成物の粘度を増加し、それによってアルコールの蒸発
速度を減少させる傾向のあるいずれかの化学的化合物を
指す。いずれのアルコール可溶性増粘剤でも使用するこ
とができる。好ましい増粘剤は、ヒドロキシプロピルセ
ルロースポリマー類、ポリビニルピロリドン類およびト
リメチルアンモニウムで置換されたエポキシドと反応し
たヒドロキシエチルセルロースのポリマー性第四級アン
モニウム塩から成る群より選ばれる。増粘剤の分子量は
臨界的ではないが、これらの好ましい増粘剤は、推奨さ
れる量でアルコールを基剤とする抗菌組成物に添加した
場合、少なくとも40センチポイズの組成物粘度を与える
に充分な分子量のポリマーである。最終組成物で約50〜
約500cpsの粘度を与える増粘剤がより好ましい。
アルコール可溶性増粘剤は、全処方重量を基礎として約
0.1〜約10%量でアルコール組成物に添加するべきであ
る。好ましくは増粘剤は全処方重量を基礎として約0.1
〜約5%量、更に最も好ましくは、全処方重量を基礎と
して0.5〜約2.0%量を添加すべきである。
最も好ましい増粘剤は、ヒドロキシプロピルセルロース
ポリマーである。例えば、それぞれ約1,000,000及び60,
000の分子量のヒドロキシプロピルセルロースであるク
ルーセル(Klucel)HF及びクルーセルEFがある。これら
の生産物は、ハーキュレス・インコーポレーテッド(He
rcules,In-corporated)から商業的に入手することがで
きる。ヒドロキシピロピルセルロースポリマーは、実質
的に蒸発損失を減少し、それによって抗菌効果を改善す
る。
アルコールを基剤とする殺菌剤及び防腐剤は、当該技術
分野で公知である。ここで使用する“殺菌剤”及び“防
腐剤”の用語は皮膚上の細菌及び微生物を殺すために皮
膚に塗る混合物に関する。そのような混合物は外科手術
前の手の洗浄、患者の手術前の準備及び一般の保健のた
めの手の洗浄に使用される。その他の用途も当業者にと
っては明白であり、それらも本発明の範囲の中にある。
如何なる水溶性アルコールも理論的には使用することが
できるが、本発明のアルコールを基剤とする組成物に用
いるのに好ましいアルコールは、n−プロピルアルコー
ル、イソプロピルアルコール及びエチルアルコールから
成る群より選ばれる。抗菌性の観点からn−プロピルア
ルコールはイソプロピルアルコールより良く、イソプロ
ピルアルコールはエチルアルコールよりよい。
本殺菌用組成物は、全処方重量を基礎として30〜90%の
アルコール、全処方重量を基礎として0.1〜10%のアル
コール可溶性増粘剤および調整用水から成る。好ましく
は全処方重量を基礎としたアルコール濃度は50〜70%で
あり、最も好ましくは55〜65%である。その上、これら
の組成物は本発明の思想から逸脱することなしに香料、
着色剤及び乳酸セチルのような粘着防止剤を含有するこ
とができる。
好ましい組成物を以下に表示する。しかしながら、これ
らの例は本発明の範囲を限定しようとするものではな
い。
処方 1 n−プロピルアルコール 30 〜75g ヒドロキシプロピルセルロース 0.25〜5.0g 着色剤及び香料、必要に応じ添加脱イオン水又は蒸留水
10 〜60ml 処方 2 イソプロピルアルコール 30 〜75g ヒドロキシプロピルセルロース 0.25〜5.0g 着色剤及び香料、必要に応じ添加脱イオン水又は蒸留水
10 〜60ml 処方 3 95%エチルアルコール 40 〜80g ヒドロキシプロピルセルロース 0.25〜5.0g 着色剤及び香料、必要に応じ添加脱イオン水又は蒸留水
5 〜50ml 処方 4 2−イソプロピルアルコール 30〜75g ヒドロキシプロピルセルロース 0.25〜5.0g 塩化ジメチルジアリルアンモニウムのポリマー(マーク
アットMerquat)100,皮膚軟化剤として使用。カルゴン
コーポレーション(Calgon Corporation),ピッツバー
グ(Pittsburgh),ペンシルベニア(PA)から入手可能
0.5〜2.0g パラ‐クロロ‐メタ−キシレノール* 0.1〜0.2% 着色剤及び香料、必要に応じ添加脱イオン水又は蒸留水
10 〜60ml 処方 5 イソプロピルアルコール 30 〜75g ヒドロキシプロピルセルロース 0.25〜5.0g オクチルパルミテート 0.5〜2.0g (皮膚軟化剤) 塩化ジメチルジアリルアンモニウムのポリマー0.25〜0.
5g クロルヘキシジングルコネート 0.1〜0.5% 着色剤及び香料、必要に応じ添加脱イオン水又は蒸留水
10 〜60ml 処方 6 イソプロピルアルコール 30 〜75g ヒドロキシプロピルセルロース 0.25〜5.0g 乳酸セチル 0.5〜2.0g 塩化ジメチルジアリルアンモニウムのポリマー0.25〜0.
5g 着色剤及び香料、必要に応じ添加脱イオン水又は蒸留水
10 〜60ml * パラ−クロロ−メタ−キシレノール及びクロルヘキ
シジングルコネートはアルコールが蒸発した後、皮膚上
に残留抗菌剤として残る。
実施例 1〜28 次の実施例は、増粘剤の使用によるアルコール蒸発の遅
延を説明している。その上これらの実施例は、豚皮を試
験基質として蒸発が安定化した、アルコールを基剤とす
る殺菌剤/防腐剤組成物の殺菌効果を説明している。
豚皮の調製 新しく屠殺した豚の成熟した成豚皮を屠殺場から入手し
た。皮は冷水で洗浄し、大型の動物用はさみで脱毛し
た。脱毛後、皮を解剖ナイフで小片に切り、冷水で洗浄
し、プラスチック製袋に入れ、密封し、凍結した。
使用に先立ち、各豚皮について残存抗生物質の存在を試
験した。用いられた方法は、#7コルク穴あけ器を使用
して、試験する皮から任意にプラグを切り出し、試験菌
を播種した個々の寒天平板上に皮膚の側を下に向けて置
くものである。若しプラグの周囲に阻止帯が現われた場
合は、皮は残存抗生物質を含んでおり、使用しなかっ
た。
試験に使用する前、豚皮の断片を解凍し、使い捨てレザ
ーで毛をそり、解剖ナイフで脂肪を除いた。次いで、皮
片を冷却した水道水で洗浄し、解剖ナイフを用いて3cm
×3cmの小片を個々の載物台(直径が4〜5cmのプラスチ
ック・キャップまたは他の適当な支持台)上に皮表面が
露出するように、エポキシ接着剤で貼り付けた。載せた
皮の2片を各試験区の試料として使用した。載せた皮を
100×20mmのペトリ皿に入れ、その中には乾燥を防ぐた
め約1mlの水で湿らせた7.0cmの円形瀘紙を置いた。調製
した皮を一夜冷蔵庫内に静置した。
試験条件 豚皮試験に使用した特別な条件は下記の通りである。
cc当たり107個またはそれ以下のセラチア・マルセセン
ス(Serratia Marcescens;ATCC 990),エシエリキア・
コリ(Escherichia Coli;ATCC 8739),スタフイロコッ
カス・アウレウス(Staphylo-coccus aureus;ATCC 653
8),シュードモナス・エールギノサ(Pseudomonas aer
uginosa;ATCC9027),およびカンディダ・アルビカンス
(Candida albicans;ATCC 10231)から成る混合接種物
(mixed inoculum)、接種から処理までの間2時間また
はそれ以下の室温保持、0.1mlの試験試料、15秒間の処
理(摩擦)、及び押印前3分間の風乾。
試験菌の塗布 種々な微生物の懸濁液を10mlのバターフィールド・バッ
ファー(Butterfield Buffer)と共に一晩静置した寒天
斜面上に重層し、無菌ピペットで寒天面上を穏やかに摩
擦した。これらの懸濁液を相互に混合してml当たり約10
9の微生物を含む混合接種物を得た。この混合接種物を
皿に稀釈して、所望の試験条件によりml当たり107また
は105の微生物を含む接種物を得た。2枚の皮の1枚に
稀釈した接種物の0.1mlを接種した。次いで、2枚の皮
を15秒間摩擦し、次いで希望する試験条件により、30℃
で15分または2時間まで室温保持した。
アルコール性製剤の塗布 3種類のアルコール、n−プロピルアルコール、イソプ
ロピルアルコールおよびエチルアルコールを試験した。
接種した皮の2枚のうち1枚を、希望するアルコール製
剤0.1mlで処理した。次いで、2枚の皮をお互いに15秒
間摩擦し、通常の蒸発を促進するため3分間風乾し、次
いで、中和した増殖培地(BBLのポリソルベート(Polys
orbate)80およびレシチン(Lecithin)を添加したスタ
ンダード・メソッズ・アガー(Standard Metehods Aga
r))の表面に皮試料を押印した。
押印は、載物台を倒置し、処理した皮を寒天面上に押印
した。押印は3分、10分、30分および1時間後に行なっ
た。平板は押印区の増殖した微生物の程度により類別し
た。すべての試料をコード化し、測定者の偏りを消去す
るため盲検を行なった。
0〜10の数字は、被覆の程度を示しており、0=発育認
められず、1=押印面の10%発育、5=押印面の50%発
育、などを表わす。
蒸発速度の測定 試験溶液の秤量した量を大型の150mlのペトリ皿に入れ
た12.5cmの瀘紙の2枚の中心部の付近に添加した。ペト
リ皿は、0.01gの感度のある上皿天秤に載せ、三方を密
封して上を通気管に向け、更に予防策として試験の間空
調機を停止した。
重さの測定は、期間中の損失の均一性を表わすために6
分間にわたって30秒毎に行なった。報告値は6分間中の
平均の1分間当たり損失をmg/分で表わしている。報告
された各々の値は別々の測定系列を表わしている。
結果を次の第I表に示す。
これらの実施例は、本発明の蒸発の減速と改善された抗
菌活性を表わしている。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】全処方重量を基礎として約0.1ないし約10
    パーセントの少なくとも一つのアルコール可溶性増粘剤
    をアルコールを基剤とした殺菌剤に添加し、それによ
    り、前記アルコールを基剤とした殺菌剤の蒸発を遅らせ
    その抗菌効果を増加することから成るアルコールを基剤
    とする皮膚殺菌剤の効果を増強する方法。
  2. 【請求項2】アルコールを基剤とした皮膚殺菌剤が、n
    −プロピルアルコール、イソプロピルアルコール及びエ
    チルアルコールから成る群より選ばれるアルコールを含
    む特許請求の範囲第1項に記載の方法。
  3. 【請求項3】アルコール可溶性増粘剤がヒドロキシプロ
    ピルセルロースポリマー類およびポリビニルピロリドン
    類から成る群より選ばれる特許請求の範囲第1項に記載
    の方法。
  4. 【請求項4】アルコール可溶性増粘剤がヒドロキシプロ
    ピルセルロースポリマー類である特許請求の範囲第3項
    に記載の方法。
  5. 【請求項5】アルコール可溶性増粘剤が、アルコールを
    基剤とする皮膚殺菌剤組成物の全処方重量を基礎として
    約0.1ないし約10パーセントの前記アルコール可溶性増
    粘剤を含む場合、少なくとも40センチポイズの粘度を持
    つ改良されたアルコールを基剤とする皮膚殺菌剤組成物
    を作るのに充分な分子量を持つポリマーの群から選ばれ
    る特許請求の範囲第1項に記載の方法。
  6. 【請求項6】(a)全組成物重量の約30ないし約90パー
    セントのアルコール、 (b)全組成物重量の約0.1ないし約10パーセントのア
    ルコール可溶性増粘剤、および (c)調整用水 から成るアルコールを基剤とする皮膚殺菌剤組成物。
  7. 【請求項7】アルコールが、n−プロピルアルコール、
    イソプロピルアルコール及びエチルアルコールより成る
    群より選ばれる特許請求の範囲第6項に記載の組成物。
  8. 【請求項8】アルコールが、全組成物重量を基礎として
    組成物の約50ないし約70パーセントである特許請求の範
    囲第6項に記載の組成物。
  9. 【請求項9】アルコール可溶性増粘剤が、ヒドロキシプ
    ロピルセルロースポリマー類及びポリビニルピロリドン
    類から成る群より選ばれる特許請求の範囲第6項に記載
    の組成物。
  10. 【請求項10】アルコール可溶性増粘剤が、ヒドロキシ
    プロピルセルロースポリマー類である特許請求の範囲第
    9項に記載の組成物。
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