JPH07106989B2 - 腸溶性被膜 - Google Patents

腸溶性被膜

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JPH07106989B2
JPH07106989B2 JP1251438A JP25143889A JPH07106989B2 JP H07106989 B2 JPH07106989 B2 JP H07106989B2 JP 1251438 A JP1251438 A JP 1251438A JP 25143889 A JP25143889 A JP 25143889A JP H07106989 B2 JPH07106989 B2 JP H07106989B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、食品・医薬などの分野における、強度にすぐ
れた腸溶性被膜に関する。
(従来の技術) 一般に、酸に弱い主薬の胃酸からの保護や、薬物の放出
制御システム(ドラッグデリバリーシステム)を目的と
して製剤の腸溶性化が行われている。腸溶性製剤におい
て従来は錠剤表面をコーティングにより被覆し目的を果
たしていた。しかし、近年、生物薬剤学的な観点から腸
溶性錠剤に比べ腸溶性顆粒の方が胃排出速度、吸収性に
おいて固体差がみられず、また食事の影響もほとんど受
けないことが報告され、その1例としてアスピリン製剤
〔C.Bogentoftら、ヨーロピアン・ジャーナル・オブ・
クリニカル・ファーマコロジー(Eur.J.Clin.Pharmaco
l.)14,351−355(1978)及びJ.A.Anslowら、カレント
・セラピューティック・リサーチ(Current Therapeuti
c Research)36(5),811−818(1984)〕が挙げられ
る。
(発明が解決しようとする課題) しかしながら、従来の腸溶性被膜自体の強度が脆く、例
えば腸溶性コーティングされた顆粒を錠剤やカプセル剤
に添加し製剤的な加工をした場合、腸溶性被膜が加工時
の機械的な衝撃により破壊され、腸溶性の機能を果たさ
なくなることが多い。その防止には可塑剤の添加が必要
となるが、可塑剤の添加は腸溶性の効果を低下させるこ
とが多く、例えばヒドロキシプロピルメチルセルロース
フタレートにポリエチレングリコール類の添加は腸溶性
を低下させることが知られている(例えば、信越化学工
業株式会社カタログ、昭和60年版HPMCP)。したがっ
て、被膜強度が強く、しかも腸溶性を充分保証できる腸
溶性被膜が要望されていた。
(課題を解決するための手段) 本発明者らは、この様な事情を考慮し、被膜強度の強い
腸溶性顆粒や腸溶性細粒剤等の製剤に使用するコーティ
ング基剤について鋭意検討した結果、特定の性質を有す
るヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、セ
ラック及びポリエチレングリコールを特定の比率で組合
せ腸溶性コーティングすることにより、意外にも被膜強
度の強い腸溶性製剤が得られ、さらに、錠剤やカプセル
剤の様な他の製剤に加工した場合でも、機械的な衝撃に
耐え得る事を確認し、本発明を完成した。
すなわち本発明は、(a)粘度が約136〜204センチスト
ークスであるヒドロキシプロピルメチルセルロースフタ
レート、(b)常温で固状のポリエチレングリコールお
よび(c)セラックからなり、(a)に対する(b)お
よび(c)の比率がそれぞれ0.1〜20重量%および5〜4
0重量%である腸溶性被膜に関する。
本発明のヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレー
ト(以下、HPMCPと記載することもある。)のメトキシ
ル基の含量は、18.0〜22.0%、ヒドロキシプロポキシル
基の含量は5.0〜9.0%、及びカルボキシベンゾイル基の
含量は27.0〜35.0%であり、その平均重合度は約240
で、かつ、10%溶液(メタノール/ジクロルメタン,重
量比1:1)の20℃における粘度が約136〜204センチスト
ークスのもの(第11改正日本薬局法ヒドロキシプロピル
メチルセルロースフタレート200731の項参照)であり、
その具体例としてはHP−55S(信越化学工業(株)製)
が挙げられる。
本発明のポリエチレングリコール(以後、PEGと記載す
ることもある。)は常温(15〜25℃)で固状であり、平
均分子量は通常1,200〜25,000、好ましくは2,000〜10,0
00、さらに好ましくは7,000〜9,500である。
その具体例としてはPEG1500,PEG4000,PEG6000およびPEG
20000が挙げられる。
本発明のセラックは、ラックカイガラムシの分泌物を精
製及び/または漂白して得た樹脂状の物質である。
次に本発明の腸溶性被膜の製造法について述べる。すな
わち本発明の腸溶性被膜は、HPMCP,PEGおよびセラック
を前記した比率で配合した腸溶性コーティング剤を、腸
溶性を付与したい製剤に被覆することにより得られる。
該腸溶性被膜により被覆される製剤としては、散剤,細
粒剤,顆粒剤,丸剤,錠剤,カプセル剤及びそれらの製
剤的加工品(例えば腸溶性顆粒剤を錠剤またはカプセル
剤とした物。)であればとくに限定されない。さらに、
これら製剤に配合される主薬としては腸溶性を目的とし
て製剤中に配合される薬物であれば特に限定されず、例
えば中枢神経系薬物として、ジアゼパム、イデベノン、
アスピリン、イブプロフェン、パラセタモール、ナプロ
キセン、ピロキシカム、ジクロフェナック、インドメタ
シン、スリンダック、ロラゼパム、ニトラゼパム、フェ
ニトイン、アセトアミノフェン、エテンザミド、ケトプ
ロフェン等が、循環器系薬物としては、モルシドミン、
ビンポセチン、プロプラノロール、メチルドパ、ジピリ
ダモール、フロセミド、トリアムテレン、ニフェジピ
ン、アテノロール、スピロノラクトン、メトプロロー
ル、ピンドロール、カプトプリル、硝酸イソソルビド等
が、呼吸器系薬物としては、アムレキサノクス、デキス
トロメトルファン、テオフィリン、プソイドエフェドリ
ン、サルブタモール、グアイフェネシン等が、消化器系
薬物としては、2−{〔3−メチル−4−(2,2,2−ト
リフルオロエトキシ)−2−ピリジル〕メチルスルフィ
ニル}ベンツイミダゾール(以下、化合物Aと記載する
こともある。)及び5−メトキシ−2−〔(4−メトキ
シ−3,5−ジメチル−2−ピリジル)メチルスルフィニ
ル〕ベンツイミダゾール等の抗潰瘍作用を有するベンツ
イミダゾール系薬物、シメチジン、ラニチジン、パンク
レアチン、ビサコジル、5−アミノサリチル酸等が、抗
生物質及び化学療法剤としては、セファレキシン、セフ
ァクロール、セフラジン、アモキシシリン、ピバンピシ
リン、バカンピシリン、ジクロキサシリン、エリスロマ
イシン、エリスロマイシンステアレート、リンコマイシ
ン、ドキシサイクリン、トリメトプリム/スルファメト
キサゾール等が、代謝系薬物としては、セラペプター
ゼ、塩化リゾチーム、アデノシントリフォスフェート、
グリベンクラミド、塩化カリウム等が、ビタミン系薬物
としては、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタ
ミンC、フルスルチアミン等が挙げられる。また、該製
剤を調製する際に、製剤化において一般に用いられる添
加剤を配合してもよいし、これらの主薬を配合しないで
単に添加剤のみに本発明の腸溶性被膜を被覆してもよ
い。該添加剤としては、例えば賦形剤(例、乳糖、コー
ンスターチ、ショ糖、タルク、結晶セルロース、マンニ
トール、軽質無水ケイ酸、炭酸マグネシウム、炭酸カル
シウム、L−システィン等)、結合剤〔例、アルファー
化デンプン、メチルセルロース、カルボキシメチルセル
ロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプ
ロピルメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、プル
ラン、デキストリン、アラビアゴム、低置換度ヒドロキ
シプロピルセルロース(以後、L−HPCと記載すること
もある。)等〕、崩壊剤〔例、カルボキシメチルセルロ
ースカルシウム、デンプン類、クロスリンクドカルボキ
シメチルセルロースナトリウム(以後アクジゾルと記載
することもある。)、クロスリンクドインソルブルポリ
ビニルピロリドン等〕、着色剤(例、酸化チタン、ベン
ガラ、タール色素等)などが挙げられ、これらの2種以
上を用いてもよい。
本発明においてHPMCP,PEGおよびセラックを溶解する溶
媒としては、たとえばアセトン及びエタノールの混合
物、また、エタノールと水の混合物が挙げられ、必要に
応じてイソプロパノールやノルマルプロパノールなどの
アルコールを添加してもよい。
HPMCPはアセトンに対して溶解するのが好ましく、アセ
トンに対するHPMCPの配合割合は、通常3〜15重量%、
好ましくは6〜10重量%である。3%以下の配合割合で
は腸溶性を充分確保する量までコーティングしようとし
た場合、液中の濃度が低くコーティング時間がかかるた
めあまり好ましくない。また、20%以上の場合には液の
粘度が増加しコーティング中にトラブルを起こす場合が
ある。
PEG及びセラックはエタノールに対して溶解するのが好
ましく、必要なら、加温すれば溶解が速くなる。エタノ
ールに対する両者の配合割合は、PEGの場合、通常0.1〜
5重量%、好ましくは0.5〜1.5重量%、セラックの場
合、通常1〜10重量%、好ましくは3〜6重量%であ
る。
腸溶性コーティング液はHPMCPを溶解したアセトン溶液
と、PEG及びセラックを溶解したエタノール溶液とを混
和して得るのが好ましい。該アセトン溶液とエタノール
溶液の混和する配合比率が、アセトン溶液に対して10〜
100重量%、とりわけ10〜70重量%である場合、不溶物
のない混合溶液を得ることができる。混和した腸溶性コ
ーティング剤を目的とする製剤に噴霧して腸溶性製剤を
得る。得られた腸溶性製剤における腸溶性被膜中の3者
の組成は、HPMCPに対して、PEGの場合、通常0.1〜20重
量%、好ましくは2〜10重量%、セラックの場合、通常
5〜40重量%、好ましくは15〜35重量%である。さら
に、これら3者の組成は、アルコールが75〜85重量%及
び水が15〜25重量%の混合物、とりわけアルコール78〜
82重量%のアルコール及び水の混合物に溶解し、その混
合物に対してHPMCPが通常1〜10重量%の比率で、さら
にPEGとセラックが先の比率の場合において良好な腸溶
性のコーティング溶液を得ることができる。
前記した腸溶性コーティング剤の被覆方法についてさら
に詳述するとコーティング前の製剤に制限はないが、例
えば錠剤の場合、素錠を通気型コーティング機に入れコ
ーティング剤を噴霧する。このとき製造中の液の温度は
特に調整する必要はなく、一般に室温(1〜30℃)でよ
い。さらに、例えば顆粒剤の場合、コーティング前の顆
粒を流動型コーティング機に入れコーティング剤を錠剤
の場合と同様に液温のコントロールなしで噴霧する。こ
のようにして得られた腸溶性製剤を、印刷の目的や艶を
与えるためさらに自体公知の方法により処理してもよ
い。また、例えば腸溶性顆粒や散剤の場合、製剤的加工
により錠剤やカプセル剤(硬カプセル剤、ソフトカプセ
ル剤)にしてもよい。さらに、自体公知の方法で得られ
た他の製剤、例えば溶解pHの異なるコーティング顆粒と
混合し持続化や消化管ターゲッティングの製剤としても
よい。
実施例 以下に実施例、参考例及び実施例を挙げて本発明をさら
に具体的に説明するが、これらにより本発明が限定され
るものではない。
実施例1 ノンパレル(20〜28メッシュ)2100gをCF装置(CF−36
0,フロイント社製,日本)に入れ、ローター回転数を20
0rpmとし、室温でヒドロキシプロピルセルロース溶液
(3%(W/V))2000mlを25ml/minで噴霧しながらあら
かじめ混和して得られた下記組成の散布剤を20g/minで
散布コーティングし、40℃,16時間真空乾燥し、丸篩を
用いて12〜32メッシュの球形有核顆粒を得た。
〔散布剤〕
化合物A 400g 炭酸マグネシウム 400g グラニュウ糖 400g コーンスターチ 400g L−HPC 60g (ヒドロキシプロポキシル基置換度:10.0〜13.0%(W/
W),平均粒子径30μm以下、以後、これと同じ置換度
および平均粒子径のものを用いた。)得られた球形有核
顆粒から3800gをサンプリングし流動層コーティング機
(大川原社製)に入れ、送風温度60℃、品温45℃にコン
トロールし下記の腸溶性コーティング液を50ml/分で噴
霧して、腸溶性顆粒を得た。得られた顆粒は、コーティ
ング中の粒破壊や粒どうしの付着がほとんどなく均一に
腸溶性被膜により被覆され、粒度(第11改正日本薬局方
に規定する顆粒剤としての粒度、以後も同じ試験法であ
る。)、第11改正日本薬局方に規定される崩壊試験法に
おける耐酸性(第1液)および崩壊性(第2液)試験
(以後も同じ試験法)に適合した。
〔腸溶性コーティング剤〕
HP−55S 780g ポリエチレングリコール6000 8g セラック 120g アセトン 13000g エタノール 2400g 上記で得た腸溶性顆粒240mgを、カプセル充填機(パー
クデービス社製)を用いて2号硬カプセル(重量:65m
g)に充填しカプセル剤を得た。得られたカプセル剤を
解体し内容物の腸溶性顆粒を取り出し耐酸性を調査した
結果問題ないことを確認した。
実施例2 ノンパレル(24〜32メッシュ)42KgをCF装置(CF−130
0、フロイント社製)に入れ、ローター回転数60rpmと
し、あらかじめ調製した下記組成のコーティング液を20
0ml/分×2ガンで噴霧し造粒した。造粒物を40℃、16時
間真空乾燥後、丸篩を用いて12〜32メッシュの球形有核
顆粒を得た。
〔コーティング液〕
セラペプターゼ 3000g L−HPC 1600g 乳糖 160g グラニュウ糖 1600g タルク 1600g エタノール 11500g 水 9700g 得られた球形有核顆粒から48Kgをサンプリングし、流動
コーティング機(FLO−60、フロイント/大川原社製)
に入れ、送風温度60℃、排気温度約40℃にコントロール
し、下記組成の腸溶性コーティング剤を170g/分×3ガ
ンで噴霧して腸溶性有核顆粒を得た。得られた顆粒は、
コーティング中の粒破壊がなく均一に腸溶性被膜により
被覆され、粒度、耐酸性及び崩壊性の局方試験に適合し
た。
〔腸溶性コーティング剤〕
HP−55S 11600g セラック 2800g ポリエチレングリコール6000 660g エタノール 56300g アセトン 131500g 上記で得た腸溶性有核顆粒420g、水酸化アルミニウム・
炭酸水素ナトリウム共沈物270g、結晶セルロース580g、
クロスリンクドカルボキシメチルセルロースナトリウム
150g、ステアリン酸マグネシウム20g及び下記方法によ
りあらかじめ調整しておいた打錠用顆粒1440gをタンブ
ル型混合機(TM−15、昭和化学機械製作所製)で3分間
混合した(混合条件:10rpm,3分間)。得られた混合物を
ピュアプレス・コレクト19K(菊水製作所製)を用い、
杵はオブロングタイプを使用して、圧縮圧トン/cm2で打
錠した。錠剤の重量は1錠480mg、長径は15mm、短径は
6.5mm、厚みは6.4mm、崩壊時間は1.2分の白色の素錠を
得た。
〔打錠用顆粒〕
アセトアミノフェン900g、マレイン酸クロルフェニラミ
ン7.5g、ノスカピン48g、無水カフェイン75g、リン酸ジ
ヒドロコデイン24g、d1−塩酸メチルエフェドリン60g、
アクジゾル72g及びコーンスターチ72gに結晶セルロース
を添加し1389.6gとし、バーチカルグラニュレータ(FM
−G25型、富士産業社製)で充分混合後(混合条件:400r
pm,10分)、ヒドロキシプロピルセルロース50.4gを溶解
した水溶液で練合した。白色の練合物を流動乾燥機(FD
−3S、富士産業社製)で60℃の送風温度で乾燥し、パワ
ーミル(P−3型、昭和化学機械製作所製)を用い1.5m
mφパンチングスクリーンで篩過して打錠用顆粒とし
た。
実施例3 セラペプターゼ500g、乳糖3000g、結晶セルロース150
g、コーンスターチ1050g、アクジゾル150g、ヒドロキシ
プロピルセルロース150gをマルチプレックス・グラニュ
レーター(MP−25型、富士産業社製)に入れ、水を1450
g添加し造粒した(造粒条件:400rpm,15分)。造粒物を
マルチプロセッサー(FD−MX−1型、富士産業−エアロ
マチック社製)で送風温度55℃で流動乾燥後、丸篩で篩
別し32〜60メッシュの乾燥物をサンプリングした。乾燥
物を2000g取り前述のマルチプロセッサー(ただし、エ
ローコーター・タイプを使用)に入れ、送風温度約43
℃、品温約20℃にコントロールし、下記組成の腸溶性コ
ーティング剤を50g/分で噴霧して腸溶性顆粒を得た。得
られた顆粒は、コーティング中の粒破壊がなく均一に腸
溶性被膜により被覆されていた。また、腸溶性顆粒を24
〜32メッシュで篩別し耐酸性を調査した結果局方試験に
合格した。
〔腸溶性コーティング剤〕
HP−55S 720g セラック 240g ポリエチレングリコール6000 40g エタノール 3000g アセトン 7000g 実施例4 実施例2で使用した球形有核顆粒3300gを流動層コーテ
ィング機グラットWSG−15(グラット社製,西ドイツ)
に入れ、送風温度約55℃、品温約43℃にコントロールし
下記の腸溶性コーティング剤を55g/分で噴霧して腸溶性
顆粒を得た。得られた腸溶性顆粒は、コーティング中の
粒破壊や粒どうしの付着がなく均一に腸溶性被膜により
被覆され、粒度、耐酸性、崩壊性の局方試験に合格し
た。
〔腸溶性コーティング剤〕
HP−55S 770g セラック 187g ポリエチレングリコール6000 44g エタノール 3750g アセトン 8770g 実施例5 実施例2で使用した球形有核顆粒の550gを流動層コーテ
ィング機(FD−3S,富士産業製)に入れ、60゜の送風温
度で顆粒を流動させながら、下記の腸溶性コーティング
剤を12g/分で噴霧して腸溶性顆粒を得た。得られた顆粒
はコーティング中の粒破壊がなく均一に腸溶性被膜によ
り被覆されていた。また、腸溶性顆粒を24〜32メッシュ
で篩別した耐酸性を調査した結果局方試験に合格した。
〔腸溶性コーティング剤〕 HP−55S 140g セラック 34g ポリエチレングリコール6000 8g エタノール 3350g 水 840g 参考例1 実施例4の方法において、HP−55SをHP−55またはHP−5
0〔信越化学工業(株)製、HP−55およびHP−50の粘度
(10%メタノール/ジクロロメタン溶液中)は各々約32
〜48センチストークスおよび約44〜66センチストーク
ス〕に変更した腸溶性コーティング剤を噴霧し、腸溶性
顆粒を得た(対照区1および2)。得られた腸溶性顆粒
は、コーティング中の粒破壊や粒どうしの付着がなく均
一に腸溶性被膜により被覆され、粒度、耐酸性、崩壊性
の局方試験に合格した。
参考例2 実施例4の方法において、セラック及びポリエチレング
リコール6000をヒマシ油に変更した下記の腸溶性コーテ
ィング剤を噴霧して腸溶性顆粒を得た(対照区3)。得
られた腸溶性顆粒は、コーティング中の粒破壊や粒どう
しの付着がなく均一に腸溶性被膜により被覆され、粒
度、耐酸性、崩壊性の局方試験に合格した。
〔腸溶性コーティング剤〕
HP−55S 770g ヒマシ油 90g エタノール 1980g アセトン 7880g 参考例3 実施例5の方法において、ポリエチレングリコール6000
を液状の可塑剤であるポリエチレングリコール400また
はアセチル化モノグリセライド(マイバーセット9−40
T)に変更した腸溶性コーティング剤を噴霧して腸溶性
顆粒を得た。得られたコーティング顆粒は、被膜の剥離
や表面の荒れがなく、均一に被覆されていた。
実験例1 実施例4、参考例1及び参考例2で得た腸溶性顆粒を、
結晶セルロースと配合比率(腸溶性顆粒:結晶セルロー
ス=)1:2及び1:5で混合し、オートグラフ(IS−5000、
島津製作所社製)を用い、外部滑沢としてステアリン酸
マグネシウムを微量使用し、圧縮圧1トン/cm2で打錠し
重量約200mg、外形8mmφの錠剤とした。得られた錠剤を
第11改正日本薬局方でいう腸溶性顆粒剤の崩壊試験に用
いる補助筒に入れ、腸溶性の崩壊試験法に準じ第1液中
で60分間振盪した後、補助筒に残留した腸溶性顆粒剤の
含量を酵素力価で測定した。本発明の腸溶性被膜で被膜
した顆粒以外の粒はいずれも含量低下が大きく、腸溶性
被膜の強度が本発明の腸溶性被膜より劣っていた。
実験例2 参考例1及び参考例2で得た腸溶性顆粒を実施例2と同
方法で錠剤とした。得られた錠剤を実験例1と同様に補
助筒にいれ、腸溶性の崩壊試験法に準じ第1液中で60分
間振盪した。実施例2で得られた腸溶性顆粒を添加した
錠剤を調査したビーカーは腸溶性顆粒の補助筒から落ち
る粒子がなかったが、他の腸溶性顆粒を配合した錠剤は
腸溶性顆粒がビーカーの底に15粒以上補助筒から落下し
た。以上から明らかなように、本発明の腸溶性被膜で被
覆した顆粒の方が耐酸性がすぐれ、腸溶性被膜の強度が
強かった。
実験例3 実施例4の方法において、セラックのみを15g及び385
g、また、ポリエチレングリコール6000のみを231gに変
更した3種の腸溶性コーティング剤を噴霧して腸溶性顆
粒を得た(対照区4,5および6)。得られた腸溶性顆粒
および実施例4で得られた腸溶性顆粒(本発明区)につ
いて崩壊性と耐酸性を調査した結果、本発明の腸溶性顆
粒以外の腸溶性顆粒は崩壊性または耐酸性が局方試験に
不合格となり、腸溶性顆粒剤として使用ができなかっ
た。
実験例4 実施例5及び参考例3(対照区7及び8)で得た腸溶性
顆粒を実施例2と同じ方法で錠剤とした。(ただし、圧
縮圧は2トン/cm2とした。)得られた錠剤はいずれも、
重量は480mg、長径は15mm、短径は6.5mm、厚みは6mm、
崩壊時間は3分前後の白色の素錠であった。得られた錠
剤を実験例1と同様の方法で崩壊試験し、補助筒に残っ
た腸溶性顆粒剤の含量を酵素力価法で測定した。本発明
の腸溶性被膜で被覆した顆粒以外の粒は、いずれも含量
低下が大きく、腸溶性被膜の強度が下表のように本発明
の腸溶性被膜より劣っていた。
参考例4 下記の組成割合の物質をよく混合したのち、水を加えて
練合し、押出し造粒機(菊水製作所製、スクリーン径1.
0mmφ)で造粒し、ただちにマルメライザー(富士パウ
ダル社製、1000rpm)で球形顆粒としたのち、40℃、16
時間真空乾燥し、丸篩で篩過し、12〜42メッシュの顆粒
を得た。
化合物A 600g 炭酸マグネシウム 600g 乳糖 380g 結晶セルロース 160g カルボキシメチルセルロースカルシウム 100g ヒドロキシプロピルセルロース 120g プルロニック 40g 実施例6 参考例4で得た顆粒1500gを流動層コーティング機(大
川原社製)に入れ、送風温度60℃、品温45℃にコントロ
ールし、下記の腸溶性コーティング液を噴霧して腸溶性
顆粒を得た。静電気を防止するためこれにタルク3gおよ
びエアロジル3gを添加混合した。
腸溶性コーティング液 HP−55S 310g セラック 62g ポリエチレングリコール 6000 18g タルク 36g 酸化チタン 18g 参考例5 乳糖、コーンスターチおよび低置換度ヒドロキシプロピ
ルセルロースの混合粉末を10%ヒドロキシプロピルセル
ロース水溶液で常法により造粒して得られた下記組成の
乳糖顆粒、実施例6で得られた腸溶性顆粒、結晶セルロ
ース、アクジゾルおよびステアリン酸マグネシウムを下
記の割合でよく混合し、ロータリー式打錠機(菊水製作
所製)で打錠し、1錠当たり450mgの錠剤を製造した。
この錠剤1錠中には化合物Aが30mg含まれている。
乳糖顆粒 1435g 乳糖 1056g コーンスターチ 264g 低置換度ヒドロキシプロピルセルロース 72g ヒドロキシプロピルセルロース 43g 腸溶性顆粒(実施例6で得られたもの) 1300g 結晶セルロース 1500g アクジゾル 250g ステアリン酸マグネシウム 15g (発明の効果) 本発明の腸溶性被膜は、被膜強度および耐酸性にすぐれ
るので、該腸溶性被膜を顆粒,細粒,錠剤等の製剤に被
覆することにより被膜強度の強い腸溶性製剤が得られ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B01J 13/02

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a) 粘度が約136〜204センチストーク
    スであるヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレー
    ト、 (b) 常温で固状のポリエチレングリコールおよび (c) セラックからなり、(a)に対する(b)およ
    び(c)の比率がそれぞれ0.1〜20重量%および5〜40
    重量%である腸溶性被膜。
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