JPH07106207A - 電解コンデンサ駆動用電解液 - Google Patents

電解コンデンサ駆動用電解液

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JPH07106207A
JPH07106207A JP25045993A JP25045993A JPH07106207A JP H07106207 A JPH07106207 A JP H07106207A JP 25045993 A JP25045993 A JP 25045993A JP 25045993 A JP25045993 A JP 25045993A JP H07106207 A JPH07106207 A JP H07106207A
Authority
JP
Japan
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borate
electrolytic solution
electrolytic capacitor
weight
salt
Prior art date
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Pending
Application number
JP25045993A
Other languages
English (en)
Inventor
Kenjiro Nakanishi
賢治朗 中西
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高温使用時における電解液の蒸気圧の上昇を
抑制でき、かつ難燃性を十分に高めた中高圧用の電解コ
ンデンサ駆動用電解液を提供することを目的とする。 【構成】 エチレングリコールを主体とした溶媒に、ビ
スエチレングリコールボレイト,ビスグリセロールボレ
イト,ビスマンニトールボレイトのうちから選択した1
種以上の酸またはその塩を主たる溶質として溶解するこ
とにより、電解コンデンサ駆動用電解液を構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電解コンデンサ駆動用電
解液に関するもので、特に中高圧用電解コンデンサの難
燃性電解液の特性改善に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、産業・民生などの分野において共
通して安全性がクローズアップされており、特に異常時
に直接人身事故につながる電鉄車両などに使用される電
解コンデンサは、難燃性であることが必要とされてい
る。
【0003】以下に従来の電解コンデンサ駆動用電解液
の難燃性について説明する。従来の電解コンデンサ駆動
用電解液において、特に中高圧用電解液としては、引火
点がなく難燃性であることから、エチレングリコールに
無機酸であるほう酸またはほう酸アンモニウムを溶解
し、水が大量に含まれる駆動用電解液が用いられてい
た。しかしながら、このような電解液は大量の水が電解
コンデンサの陽極箔における酸化皮膜と水和反応を起こ
し、また高温で使用すると電解液の蒸気圧が上昇し、こ
れにより電解液コンデンサのケースの内圧が上昇し、こ
れを破壊させてしまうという問題点があった。
【0004】このような問題点を解決するために、特開
平3−180014号公報に見られるように、多価アル
コールを主成分とする電解コンデンサ駆動用電解液に、
リン酸エステルまたはその縮合体と亜リン酸またはその
塩とを添加する例や、特開平4−26107号公報に見
られるようにエチレングリコールを主体とする溶媒に有
機酸を溶解した電解コンデンサ駆動用電解液において部
分的にほう酸およびリン酸エステル化したポリビニルア
ルコールを溶解した例がある。これらの有機酸あるいは
その塩を用いた電解液ではエステル化反応が非常に遅い
ため、電解液中に生成される水分も少量であり、したが
って、高温における電解コンデンサのケースの内圧上昇
も抑えることができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た従来の構成では、有機酸による高温での耐熱性は向上
されるが難燃性には逆効果であり、難燃性を向上させる
リン酸エステル化したポリビニルアルコール,リン酸エ
ステルまたはその縮合体と亜リン酸等の難燃化剤だけで
は十分な難燃性が得られないという問題点を有してい
た。
【0006】本発明は上記従来の問題点を解決するもの
で、高温使用時における電解液の蒸気圧の上昇を抑制で
き、かつ難燃性を十分に高めた中高圧用の電解コンデン
サ駆動用電解液を提供することを目的とするものであ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明の電解コンデンサ駆動用電解液は、エチレング
リコールを主体とした溶媒に、ビスエチレングリコール
ボレイト,ビスグリセロールボレイト,ビスマンニトー
ルボレイトのうちから選択した1種以上の酸またはその
塩を主たる溶質として溶解したものである。
【0008】
【作用】上記した本発明の電解コンデンサ駆動用電解液
は、エチレングリコールを主体とした溶媒に、ビスエチ
レングリコールボレイト,ビスグリセロールボレイト,
ビスマンニトールボレイトのうちから選択した1種以上
の酸またはその塩を主たる溶質として溶解したもので、
この溶質は、ほう酸系の化学構造を有するものの、従来
のほう酸系の溶質のように電解液中に大量に水が含まれ
るようなことはなく、電解液中に含まれる水の量を低減
させることができるため、電解コンデンサの陽極箔にお
ける酸化皮膜との水和反応も低減させることができ、こ
れにより、高温使用時における電解液の蒸気圧の上昇を
抑制することができる。また主たる溶質として用いられ
る錯体形成されたほう酸化合物は、ほう酸単体と比べて
非常に分子が大きいため、それを燃焼させるには非常に
大きなエネルギーを必要とするもので、これにより、駆
動用電解液は引火点が無い状態に近づくため、難燃性を
高めることができる。
【0009】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。本
発明の実施例1〜3は、エチレングリコールを主体とし
た溶媒に、ビスエチレングリコールボレイト,ビスグリ
セロールボレイト,ビスマンニトールボレイトのうちか
ら選択した1種のアンモニウム塩を溶質として溶解した
ものであり、そして本発明の実施例4は2種のアンモニ
ウム塩を溶質として溶解したものである。
【0010】まず、(表1)は従来例と本発明の実施例
の組成および電導度、火花発生電圧、含水率について特
性比較を示したものである。
【0011】
【表1】
【0012】(表1)に示した従来例1,2の電解液、
本発明の実施例1,2,3,4の電解液を使用したアル
ミ電解コンデンサ(定格400V270μF)をそれぞ
れ10個ずつ用意し、そしてこれらについて、温度85
℃で高温リプル負荷試験を5000時間行った結果を
(表2)に示した。
【0013】
【表2】
【0014】(表2)は従来例1,2の電解液、本発明
の実施例1,2,3,4の電解液の燃焼性試験結果を示
したものである。この燃焼性試験の方法は、アルミ電解
コンデンサ(定格450V270μF)のコンデンサ素
子に2秒間ガスバーナーで火を当てて着火を行い、2秒
間火を離す作業を繰り返した。この2秒間の着火回数が
10回を越えるものについては着火しない(難燃性があ
る)と判断した。
【0015】
【表3】
【0016】(表3)の試験結果から明らかなように、
従来例1の電解液を使用したアルミ電解コンデンサはガ
ス発生が大きくて開弁したが、本発明の実施例1,2,
3,4の電解液を使用したアルミ電解コンデンサは特に
異常の発生はなかった。
【0017】また(表3)の燃焼性試験の結果から明ら
かなように、従来例2の電解液を使用したアルミ電解コ
ンデンサは2回の着火回数で着火し、そして着火後、1
80秒以上コンデンサ素子が燃え続けたが、本発明の実
施例1,2,3,4の電解液を使用したアルミ電解コン
デンサは着火回数が10回以上になっても着火すること
はなかった。
【0018】このように本発明の実施例1,2,3,4
の電解液は、高温での耐熱性が高く、かつ難燃性にも優
れているため、これらの電解液を使用したアルミ電解コ
ンデンサは信頼性を高めることができるものである。
【0019】次に本発明の実施例1,2,3,4で用い
た溶質の製造方法を簡単に説明する。 (1)アンモニウムビスエチレングリコールボレイト エチレングリコールにほう酸を溶解させ、この溶解反応
時に発生する水を高温真空状態で脱水する。その後、ア
ンモニウムガスにより塩にする。 (2)アンモニウムビスグリセロールボレイト グリセリンにほう酸を溶解させ、この溶解反応時に発生
する水を高温真空状態で脱水する。その後、アンモニウ
ムガスにより塩にする。 (3)アンモニウムビスマンニトールボレイト 水にマンニットとほう酸アンモニウムを溶解させ、この
溶解反応時に発生する水と溶媒に使用した水を高温真空
状態で脱水する。
【0020】なお、上記した本発明の実施例1,2,3
においては、エチレングリコールを主体とした溶媒に、
ビスエチレングリコールボレイト(C242BO22
4)H,ビスマンニトールボレイト(C6126BO6
612)H,ビスグリセロールボレイト(C363
336)Hのうちから選択した1種のアンモニウム
塩を溶質として溶解し、一方、本発明の実施例4におい
ては、エチレングリコールを主体とした溶媒に、ビスエ
チレングリコールボレイト(C242BO224
H,ビスマンニトールボレイト(C6126BO66
12)Hの2種のアンモニウム塩を溶質として溶解したも
のについて説明したが、この溶質は1種または2種のア
ンモニウム塩に限定されるものではなく、ビスエチレン
グリコールボレイト(C242BO224)H,ビス
マンニトールボレイト(C6126BO6612)H,
ビスグリセロールボレイト(C363BO336)H
のうちから選択した1種以上の酸またはその塩を溶質と
して溶解したもの、あるいはアンモニウム塩以外の二級
アミン塩、三級アミン塩、四級アミン塩を溶質として溶
解したものにおいても、上記した本発明の実施例と同等
の作用効果を奏することは言うまでもない。
【0021】また本発明の電解コンデンサ駆動用電解液
における溶質は、ビスエチレングリコールボレイト(C
242BO224)H,ビスマンニトールボレイト
(C6126BO6612)H,ビスグリセロールボレ
イト(C363BO336)Hのうちから選択した酸
またはその塩の中の1種を主たる溶質とする場合よりも
2種以上を主たる溶質とする場合の方が効果は大きいも
のである。
【0022】そしてまたエチレングリコールを主体とし
た溶媒に溶解される溶質であるビスエチレングリコール
ボレイト(C242BO224)H,ビスグリセロー
ルボレイト(C363BO336)H,ビスマンニト
ールボレイト(C6126BO6612)Hの酸または
その塩のうち1種を主たる溶質とした場合、その溶質の
重量は電解液全体の重量の10〜60重量%が最適であ
る。つまり、下限値の10重量%以下では難燃性に効果
がなく、一方、上限値の60重量%以上ではエチレング
リコールを主体とした溶媒に溶けにくいため、溶質の重
量範囲は10〜60重量%が最適である。
【0023】また電解液中に含まれる水の重量は2〜1
5重量%が最適である。つまり、下限値の2重量%以下
では難燃性に効果がなく、一方、上限値の15重量%以
上では高温使用時における製品のガス発生が大きくなる
ため、水の重量範囲は2〜15重量%が最適である。
【0024】また上記した酸またはその塩のうち2種以
上を主たる溶質とした場合、そのうち1種の溶質の重量
は電解液全体の重量の10〜55%重量が最適である。
つまり、下限値の10重量%以下では難燃性に効果がな
く、一方、上限値の55重量%以上ではエチレングリコ
ールを主体とした溶媒に溶けにくいため、溶質の重量範
囲は10〜55重量%が最適である。
【0025】また電解液中に含まれる水の重量は2〜2
0重量%が最適である。つまり、下限値の2重量%以下
では難燃性に効果がなく、一方、上限値の20重量%以
上では高温使用時における製品のガス発生が大きくなる
ため、水の重量範囲は2〜20重量%が最適である。
【0026】
【発明の効果】以上のように本発明の電解コンデンサ駆
動用電解液は、エチレングリコールを主体とした溶媒
に、ビスエチレングリコールボレイト,ビスグリセロー
ルボレイト,ビスマンニトールボレイトのうちから選択
した1種以上の酸またはその塩を主たる溶質として溶解
したもので、この溶質は、ほう酸系の化学構造を有する
ものの、従来のほう酸系の溶質のように電解液中に大量
に水が含まれるようなことはなく、電解液中に含まれる
水の量を低減させることができるため、電解コンデンサ
の陽極箔における酸化皮膜との水和反応も低減させるこ
とができ、これにより、高温使用時における電解液の蒸
気圧の上昇を抑制することができ、また主たる溶質とし
て用いられる錯体形成されたほう酸化合物は、ほう酸単
体と比べて非常に分子が大きいため、それを燃焼させる
には非常に大きなエネルギーを必要とするもので、これ
により、駆動用電解液は引火点が無い状態に近づくた
め、難燃性を高めることができ、したがって、この電解
液を使用したアルミ電解コンデンサは難燃性に優れた信
頼性の高いものを得ることができるものである。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エチレングリコールを主体とした溶媒
    に、ビスエチレングリコールボレイト,ビスグリセロー
    ルボレイト,ビスマンニトールボレイトのうちから選択
    した1種以上の酸またはその塩を主たる溶質として溶解
    した電解コンデンサ駆動用電解液。
  2. 【請求項2】 塩がアンモニウム塩である請求項1記載
    の電解コンデンサ駆動用電解液。
  3. 【請求項3】 塩が二級アミン塩である請求項1記載の
    電解コンデンサ駆動用電解液。
  4. 【請求項4】 塩が三級アミン塩である請求項1記載の
    電解コンデンサ駆動用電解液。
  5. 【請求項5】 塩が四級アミン塩である請求項1記載の
    電解コンデンサ駆動用電解液。
  6. 【請求項6】 エチレングリコールを主体とした溶媒に
    溶解される溶質であるビスエチレングリコールボレイ
    ト,ビスグリセロールボレイト,ビスマンニトールボレ
    イトの酸またはその塩のうち1種を主たる溶質とした場
    合、その溶質の重量は電解液全体の重量の10〜60重
    量%であり、かつ電解液中に含まれる水の重量は2〜1
    5重量%、2種以上を主たる溶質とした場合、そのうち
    1種の溶質の重量は電解液全体の重量の10〜55重量
    %であり、かつ電解液中に含まれる水の重量は2〜20
    重量%である電解コンデンサ駆動用電解液。
JP25045993A 1993-10-06 1993-10-06 電解コンデンサ駆動用電解液 Pending JPH07106207A (ja)

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ID=17208196

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6338806B1 (en) 1998-08-31 2002-01-15 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. Electrolytic capacitor and driving electrolyte thereof

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6338806B1 (en) 1998-08-31 2002-01-15 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. Electrolytic capacitor and driving electrolyte thereof

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