JPH07105177A - 信号処理方法 - Google Patents

信号処理方法

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JPH07105177A
JPH07105177A JP24547893A JP24547893A JPH07105177A JP H07105177 A JPH07105177 A JP H07105177A JP 24547893 A JP24547893 A JP 24547893A JP 24547893 A JP24547893 A JP 24547893A JP H07105177 A JPH07105177 A JP H07105177A
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mapping
parameter
simulation model
parameters
signal processing
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JP24547893A
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Riyouichi Danki
亮一 段木
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Kawasaki Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 現実の処理プロセスを数式で模擬するシミュ
レーション・モデルの各パラメータが取り得る範囲を予
め制限しておくことにより、シミュレーション・モデル
の擬似的な直交特性を実現し、効率的な最適化を可能に
する。 【構成】 第1のシミュレーション・モデルG(ai
の最適化対象である各パラメータai が取り得る範囲を
制限する写像関数fi を各パラメータai ごとにそれぞ
れ定義し、この写像関数fi により写像された写像パラ
メータを有する第2のシミュレーション・モデルG(b
i )の予測出力と現実の処理プロセス1から得られる実
績値とを利用して、上記第1のシミュレーション・モデ
ルG(ai)の最適化を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、ある物理現象を数式
で近似したシミュレーション・モデル、例えば制御モデ
ル、計測モデル、設定量決定モデル等のシミュレーショ
ン・モデルの最適化を必要とする分野において、これら
シミュレーション・モデルを模擬対象からの実績値に基
づいて最適化を行う信号処理方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】鉄鋼プラント等を構成する大規模な各処
理プロセス(物理現象)に対して、多品種製品のそれぞ
れに対し所望の特性が得られるように各処理条件を設定
し直す場合、実際に対象となる処理プロセスを稼働させ
て得られた結果(出力情報)に基づいて逐次最適な処理
条件の設定を行うと、膨大なコストが必要になる。
【0003】そこで、従来は予め上記処理プロセスを数
式で表したシミュレーション・モデル(特に、プロセス
特性を数式で表したモデル)を用意し、このシミュレー
ション・モデルに対して所望の特性となる出力結果が得
られるように処理条件を逐次変更し、所定の入力に対し
て所望の特性が得られるようになった時点で処理プロセ
スの処理条件を設定した後、実際に処理プロセスを稼働
させるのが一般的であった。
【0004】図11は、実際に稼働している処理プロセ
ス1の実際の出力結果(処理済み材料の各種測定値)が
所望の特性を有するように、最適な処理条件に設定し直
すための従来の信号処理方法を実現する信号処理装置A
の構造を示す図である。
【0005】この図において、従来の信号処理装置A
は、実際の対象となる処理プロセス1を数式で近似する
ように表されたシミュレーション・モデル3と、このシ
ミュレーション・モデル3からの出力(予測出力)と予
め用意されている所望特性4とを比較して誤差を算出
し、さらに上記所望特性4に近似した値を得るように、
このシミュレーション・モデル3に対して順次処理条件
の変更指示を行う誤差評価手段2から構成されている。
【0006】すなわち、従来の信号処理装置Aでは、実
際に処理プロセス1に供給される材料の情報として、セ
ンサ(図示せず)等により得られた各種測定値である複
数のパラメータ及び処理プロセスの設定条件パラメータ
j をシミュレーション・モデル3に入力し、上記処理
プロセス1の予測出力Xj としてシミュレーション・モ
デル3からその予測値を得ている。
【0007】このシミュレーション・モデル3からの予
測出力Xj を得る動作と平行して誤差評価手段2では、
逐次このシミュレーション・モデル3の予測出力Xj
所望特性4の誤差を求め、この誤差が所定範囲内にない
場合、新たにシミュレーション・モデル3に対して各処
理条件の変更を指示し、さらにシミュレーション・モデ
ル3の予測出力Xj が所望特性4に近づくように各種処
理条件の設定を行っている。
【0008】そして、上記誤差評価手段2は、シミュレ
ーション・モデル3の予測出力Xjと所望特性4との誤
差が許容範囲内になったと判断した場合、このシミュレ
ーション・モデル3にすでに指示している各種処理条件
を最適な処理条件として、上記実際の模擬対象である処
理プロセス1に対して最適な処理条件の設定指示を行
う。
【0009】ところが、上述した従来の信号処理装置A
において特に問題となるのは、この信号処理装置Aで行
なうシミュレーションの精度及び信頼性がシミュレーシ
ョン・モデル3の完成度に大きく依存している点であ
る。すなわち、処理プロセス1の動作を模擬するシミュ
レーション・モデル3がどの程度までこの処理プロセス
1の特性を近似しているか(十分に近似された数式で表
されているか)によって、当該信号処理装置Aが行うシ
ミュレーションの精度及び信頼性の良否が決るというこ
とである。
【0010】そこで、従来は一定期間ごとに従来の信号
処理装置Aにおけるシミュレーション・モデル3から得
られた予測出力Xj と現実の処理済み材料の各種測定値
(Tj )から、重回帰等の最適化手段5を用いて最適値
を算出し、この最適値にしたがって当該信号処理装置A
におけるシミュレーション・モデル3を現実の処理プロ
セス1に近似させるチューニングを人手により行ってい
た。
【0011】なお、この手法のほかにも上述したように
最適値を得る最適化手段5が行っている最適化手法につ
いて以下説明する。
【0012】まず、直線回帰手法は、測定量X、Yにつ
いて一次関数の関係がある場合、n組の測定値をxi
i (i=1、2、…、n)として、 y(xi )=a+b・xi とおく。上式におけるxi の分散が無視できるほど小さ
く、かつyi が正規分布に従い、分散σ2 が全て等しい
時、上記一次関数の評価関数を
【0013】
【数1】
【0014】と定義し、この評価関数χ2 を最小にする
各係数a、bを求めるに当たり、
【0015】
【数2】
【0016】の連立方程式を解くことにより、最適化を
行う。したがって、この連立方程式を以下のように書き
直し、
【0017】
【数3】
【0018】正規方程式とすることで、最適解a、bを
得る。
【0019】
【数4】
【0020】ただし、
【0021】
【数5】
【0022】とする。
【0023】次に、曲線回帰手法について説明する。こ
の手法はn組の測定値xi 、yi (i=1、2、…、
n)が以下の2次関数の関係にある場合、 Y=a+b・X+c・X2 この関数に対して、評価関数を
【0024】
【数6】
【0025】で定義し、この評価関数χ2 を最小にする
各係数a、b、cを求めるため、以下の偏微分方程式 ∂χ2 /∂a=0,∂χ2 /∂b=0,∂χ2 /∂c=
0 から、以下の連立方程式を得る。
【0026】
【数7】
【0027】そして、この連立方程式について各係数
a、b、cを求めることにより、最適解を得る。
【0028】次に、以下の多項式について、最小2乗法
を用いて最適化を行う場合について説明する。
【0029】変数Yが変数XのP次式(下式)で表され
る場合、 Y=a+b・X+…k・XP この変数Xの分散は無視できる程小さく、かつ変数Yは
分散σ2 が一定の正規分布に従うとすると、n組の測定
値をxi ,yi (i=1、2、…、n)としたとき、各
係数a、b、…、kは、以下の正規方程式
【0030】
【数8】
【0031】の解として得られ、これら各係数が最適解
となる。
【0032】次に、以下の多元1次方程式について、最
小2乗法を用いて最適化を行う場合について説明する。
【0033】求める量をそれぞれx、y、…、tとし、
n組の測定値をqi (i=1、2、…、n)とした場
合、各係数ai 、bi 、…、ki についての多次元1次
方程式を、 ai ・x+bi ・y+…+ki ・t=q について、以下の正規方程式から得られる各解(x、
y、…、t)を最適解として得る。
【0034】
【数9】
【0035】但し、wは加重であり、各解が正規分
布のとき、この加重wi は wi =1/σi 2 となる。
【0036】なお、以上の最適化手法は、例えば竹村彰
通、”現代数理統計学”、(創文社現代経済学選書)に
開示されている。
【0037】また、従来のニューラルネットを用いる場
合には、模擬対象が複雑になるにつれて中間層中のニュ
ーロン数あるいは中間層の層数を増やすように構成さ
れ、処理能力は向上するが、ニューラルネットのネット
ワーク構造自体が複雑になるため、学習済みのデータに
対しては正確な出力を得る一方で、未学習データに対し
ては正解からかけ離れた値を出力する現象である過学習
が誘発され、汎化能力が阻害される。さらに、このニュ
ーラルネットの内部に生成された関数形を定量的に評価
することができないため、ニューラルネットの学習結果
を制御プロセス中に組み入れることは難しい。
【0038】
【発明が解決しようとする課題】従来の最適化手法とし
て、重回帰(一般に回帰手法)あるいはニューラルネッ
ト等の最適化手法を説明したが、例えば重回帰による
と、評価関数Eを以下のように定義し、 E=(X−Y)2 但し、式中Xはシミュレーション・モデルの予測出力、
Yは現実の処理プロセスから得られる実績値である。
【0039】この評価関数Eの値(エネルギーという)
を最小にするXを得るための条件として、このシミュレ
ーション・モデルにおける各パラメータあるいは関数形
の最適値を決定していた。すなわち、この評価関数Eは
二乗形式であるから必ず極小値が存在するため、各パラ
メータあるいは関数形を再帰的に求めることが可能であ
る。
【0040】しかし、上記シミュレーション・モデルに
おける関数形とパラメータとの間の非直交性(1)、複
数の関数間の非直交性(2)、あるいは複数のパラメー
タ間に非直交性(3)が存在すると、最適化過程におい
て、これら非直交成分間でシミュレーション・モデルの
予測出力Xの最適条件(各パラメータ等の最適値)を満
たすように調整がなされるため、予測出力Xが変化しな
くても(評価関数の値が変化しなくても)非直交成分間
で値が変化し続ける場合がある。すなわち、最適化処理
を繰り返しても収束することなく、最適化対象である関
数形あるいはパラメータのみが変化し続ける状態に陥る
場合がある。
【0041】その理由は、例えば2つのパラメータA、
B間に直交性がない場合に、シミュレーション・モデル
全体として、パラメータAが+Δaだけ変化することに
より予測出力Xと実績値Yとの誤差が大きくなろうとす
るのに対し、パラメータBが−Δbだけ変化することに
より予測出力Xと実績値Yとの誤差を小さくするように
引き戻す働きをしていると考えると、各パラメータA、
B間で評価関数Eの最小化を満足する条件(各パラメー
タあるいは関数形の最適値)が無数存在することにな
る。したがってこのような場合、最適条件への収束が困
難となるばかりか、これら多くの最適条件の中には、物
理現象に反するものも多く含まれているのが一般的であ
るので、単純に従来の最適化手法である重回帰を適用し
て収束したとしても、その最適条件が物理現象を満足す
るものであることを保証し得ないという課題があった。
【0042】これに対し、各パラメータA、B間に直交
性が保証されていれば、両者は独立であるため、例えば
パラメータAの変化に対してパラメータBをどのように
変化させても影響しないことになり、シミュレーション
・モデルの予測出力Xと実績値Yとの誤差を最小とする
ための各パラメータA、Bの条件は一意に定まることに
なる。このシミュレーション・モデルを最適化する場合
には、最適化対象である各パラメータあるいは関数形の
直交性が非常に重要な要素となるが、一般には以下のよ
うな課題があった。すなわち、 直交性を考慮したモデルはほとんど存在し得ない 生成することが難しい 生成するできたとしても非常に複雑な表現となってし
まい、実用的でなくなる(例えば、数式が長くなり、計
算コストが増大することによる非実用性) という課題があり(最適化の観点からは直交性が重要で
あるが、実用上からは当該シミュレーション・モデルの
単純性が重要な要素となり、互いに相容れない条件とな
る)、したがって、直交しないシミュレーション・モデ
ルを最適化する場合、あるいは直交しないシミュレーシ
ョン・モデルを生成する場合に従来の技術で対応するの
は困難であるなどの課題があった。
【0043】一般に、模擬対象が一連の処理を連続して
行っているような場合について考えると、前段において
目標値に対して若干のずれを生じた結果を得ると、次段
ではその誤差を補正する構成を採っており(これを直交
していない、あるいは一次独立ではないという)、現実
には直交している現象だけから構成された処理(すでに
前段で処理が実行され、次段で修正不可能という場合)
は多くない。
【0044】例えば鉄鋼プラントにおける圧延プロセス
の場合、前段のエッジング圧延により板幅が狭くなりす
ぎると、次段の水平圧延で圧延量を多くして水平広がり
を余分に得ることにより、目標値への作り込みが可能と
なる。ここで、板幅が目標値より薄くなることが懸念さ
れるが(次段の水平圧延において)、一般に、圧延プロ
セスは1パス(1段の処理)だけではなく(1回の圧延
パスで目標値への作り込みを行うことはない)、複数の
圧延パスを経るため(少しずつ目標値に近づけてい
く)、上述した問題は現実には生じにくい。
【0045】なお、この例によると、圧延現象の一つの
処理結果(前段の処理結果)に対して、それを相殺する
ような次段の処理が実現できることを意味しており、作
り込みの目標値に対して最適条件(各パラメータあるい
は関数形の最適値)が一意に定まらないことが理解でき
る。これは、圧延現象を数式で表したシミュレーション
・モデルに対して最適化しようとした場合も同様に最適
な条件が複数存在することになり、最適な組み合わせが
無限に存在するにもかかわらず、唯一の条件へ収束させ
ることが極めて難しいことを意味している。
【0046】図12は、以上のような圧延プロセスを模
擬するシミュレーション・モデルを従来の最適化手法に
より最適化した場合の、最適化過程における各パラメー
タ(図中、各パラメータをX1 〜X9 、誤差をERR
(mm)、分散をVAR(mm2 ))の値を示した図で
あり、最適化が進んでいっても各パラメータの値は他の
パラメータの影響を受け、収束していかないことが分か
る。また、この図に示すように、従来の最適化手法によ
ると、誤差1.1mm、分散0.5mm2 までしか収束
させることができない。
【0047】この発明は上記のような課題を解決するた
めになされたもので、現実の処理プロセスを数式で模擬
するシミュレーション・モデルにおける各パラメータの
取り得る範囲を予め制限しておくことにより当該シミュ
レーション・モデルの擬似的な直交特性を実現し、かつ
広域最適条件を探索するための信号処理方法を提供する
ことを目的とする。
【0048】
【課題を解決するための手段】第1の発明に係る信号処
理方法は、例えば鉄鋼プラントにおける圧延プロセス等
の現実の処理プロセスを数式で表した第1のシミュレー
ション・モデルを、現実の処理プロセスから得られる実
績値(圧延プロセスから得られる現実の物理量)を用い
て最適化する信号処理方法である。
【0049】なお、当該信号処理方法で模擬対象となる
現実の処理プロセスとしては、上記圧延プロセスのほ
か、例えば半導体の気相成長プロセス、表面処理鋼板の
合金化プロセス、メッキ鋼板のメッキ付着プロセス、電
磁鋼板の酸化プロセス等が該当する。また、現実の処理
プロセスから得られる現実の物理量としては、上記圧延
プロセスの場合、例えば熱間圧延における板幅、板厚及
びクラウン、あるいは冷間圧延における板厚、クラウン
等が該当する。
【0050】具体的には、上記第1のシミュレーション
・モデルG(ai )における各パラメータai (iはパ
ラメータ数を示す)について、該パラメータai の取り
得る範囲を制限する写像関数fi をそれぞれ定義する第
1の工程と、これら写像関数fi によりそれぞれ写像さ
れた写像パラメータbi (=fi (ai ))を有する第
2のシミュレーション・モデルG(bi )について所定
の処理条件下で与えられた入力情報(例えば、圧延プロ
セスに与える鉄鋼材料から得られた現実の物理量)に対
して得られた予測出力Xj (第j番目のデータ)と、前
記現実の処理プロセスから得られる実績値Tj とを評価
すべく、予め定義された評価関数Eを最大あるいは最小
にする第1のシミュレーション・モデルG(ai )にお
ける各パラメータai の最適値を再帰的に決定していく
第2の工程とを備えたことを特徴としている。
【0051】なお、現実の処理プロセスを模擬するシミ
ュレーション・モデル(最適化されるモデル)は実際は
1つであるが、最適化対象(モデルの最適化とは、この
モデルにおける各パラメータあるいは関数形の最適値を
決定することであり、したがって実際の最適化対象は各
パラメータあるいは関数形である)である各パラメータ
の取り得る範囲を制限するため、上述した写像関数によ
り写像された各写像パラメータを最適化に利用している
ので、便宜上最適化対象である写像前のパラメータを有
するモデルを第1のシミュレーション・モデルといい、
最適化に利用する写像パラメータを有するモデルを第2
のシミュレーション・モデルという。
【0052】ここで、上記写像関数fi は、上記第1の
シミュレーション・モデルG(ai)における各パラメ
ータai の取り得る範囲を、一定値以上のみ、あるいは
一定値以下のみに制限するか、第1の値以上であって第
2の値以下である範囲に制限する関数であり、例えば以
下のような関数である。
【0053】
【数10】
【0054】ここで、ci は基本となる固定値とし、ν
i を変化させることによりこのciのνi 倍の中心値を
得ている。また、ρi はパラメータai の取り得る範囲
を任意に設定することができる独立変数として定義して
いる。ただし、式中iは、それぞれのパラメータai
対応するものとして規定しており、各パラメータai
とに上記ν、ρが定義される。したがって、この変数ν
i を各パラメータに固有の変数とすることで、各パラメ
ータごとに任意の中心値を持つ写像関数fi が定義でき
る。一方、λi は、写像関数fi の傾きを決定する変数
であり、最適化の速度(各パラメータai の更新量)を
コントロールできる変数である。なお、この変数λi
各パラメータの更新の歩調(最適化の速度)を制御する
ためにある。
【0055】この写像関数fi は図2に示すように、上
記第1のシミュレーション・モデルにおける各パラメー
タai の値が+∞から−∞まで変化しても、写像された
写像パラメータbi (=fi (ai ))の値(写像関数
i の値域)は、以下の範囲を取る。
【0056】 (1−ρi )νi i <bi <(1+ρi )νi i したがって、この発明では現実の処理プロセスを模擬す
る第1のシミュレーション・モデルG(ai )の最適化
を、疑似的な直交特性を実現した第2のシミュレーショ
ン・モデルG(bi )の予測出力Xj と現実の処理プロ
セスから得られる実績値Tj を利用して行っている。
【0057】次に、上記第1のシミュレーション・モデ
ルG(ai )を最適化するため、この発明では以下のよ
うな評価関数Eを予め定義している。
【0058】E=(Xj −Tj 2 なお、この評価関数Eは、学習に用いるデータ群に偏り
(ここで、偏りとは経時変化、オフセット誤差等のノイ
ズ成分である)がない場合に適応できる関数であるた
め、学習に用いるデータ群(N個)に偏りがある場合に
は以下に示すように誤差の分散で定義してもよい。
【0059】
【数11】
【0060】この評価関数Eは第2のシミュレーション
・モデルG(bi )の予測出力Xjと現実の処理プロセ
スから得られる実績値Tj から求められるため、評価関
数E(bi )で表現できるが、実際にはこの写像パラメ
ータbi はfi (ai )より与えられるパラメータであ
るため、この評価関数E(fi (ai ))は第1のシミ
ュレーション・モデルのパラメータai により偏微分可
能な関数である。
【0061】したがって、一般化デルタルールを用い
て、
【0062】
【数12】
【0063】より、以下の微分方程式 dai /dt=−η∂E/∂ai ただし、ηは収束速度を決定するための学習係数(ある
いはステップ・サイズともいう)である。
【0064】からそれぞれ変化量を算出し、現時点の第
1のシミュレーション・モデルの各パラメータa
i (t)にそれぞれ加算して新たなパラメータai (t
+Δt)を決定し、 ai (t+Δt)=ai (t)−η∂E/∂ai これら一連の動作を上記評価関数Eが最小(あるいは最
大)になるまで再帰的に決定していくことにより、最適
化を行っている。
【0065】次に、第2の発明に係る信号処理方法は、
上述した第1の発明が、写像関数fi で制限された範囲
内で評価関数Eのエネルギを最小あるいは最大にする条
件(第1のシミュレーション・モデルG(ai )におけ
る各パラメータai の最適値)を上記一般化デルタ・ル
ールを用いて探索しているので、制限された範囲内での
最適条件を探索することしかできず、真の最適条件(グ
ローバル・ミニマム−広域最適解)が探索範囲外に存在
する場合には真の最適条件への到達が不可能となること
を回避するための信号処理方法である。
【0066】具体的には、第1の発明における第1の工
程において、第1のシミュレーション・モデルG
(ai )における各パラメータai ごとに、該パラメー
タの取り得る範囲を制限する複数の写像関数fi,k (i
は各パラメータの数、kは各パラメータごとに定義され
た写像関数の数)を定義し、それぞれが重複しない範囲
に制限するこれら写像関数で与えられる写像パラメータ
の組であって、該各パラメータの組に相当する写像パラ
メータの組を複数設定する。
【0067】すなわち、例えばパラメータai を写像し
た写像パラメータはbi,1 、bi,2、…、bi,k のk個
与えられる(1つのパラメータに対してk個の写像パラ
メータが生成される)。各パラメータについて複数の写
像関数を定義するということは、1つのパラメータai
に対して複数の関数パラメータの組(ρik,νik
λik)が存在することを意味しており、換言すれば、パ
ラメータai を写像した写像パラメータは以下のように
表現することができる。
【0068】bi,1 ←ai (ρi1,νi1,λi1) bi,2 ←ai (ρi2,νi2,λi2) …………… bi,k ←ai (ρik,νik,λik) したがって、各写像パラメータの組は、以下のようにk
組生成される。
【0069】{a1 (ρ1k,ν1k,λ1k),a
2 (ρ2k,ν2k,λ2k),……,ai-1 (ρi-1k,ν
i-1k,λi-1k),ai (ρik,νik,λik)} この設定された各写像パラメータの組を有する第2のシ
ミュレーション・モデルG(bi,k )について前記第2
の工程を実行する(なお、この第2の工程は各パラメー
タごとに上記写像パラメータの組を変更しながら繰り返
される)。そして、得られた第2のシミュレーション・
モデルの予測出力のうち、その時点での上記処理プロセ
スからの出力との誤差あるいは誤差分散(なお、この明
細書中で誤差というときは誤差分散を含む概念である)
を最も小さくする各写像パラメータの組を、第1のシミ
ュレーション・モデルにおける最適なパラメータの組と
して(各写像パラメータを与える関数パラメータの組の
それぞれが、各パラメータに対する最適条件となる)決
定することを特徴としている。
【0070】上記写像パラメータの組の変更方法として
は、最初に各パラメータ(第1のシュミレーション・モ
デル)について所定数の写像パラメータの組を用意す
る。そして、これら各写像パラメータの組について上述
した最適化処理を行い、各写像パラメータの組を有する
第2のシュミレーション・モデルのそれぞれの予測出力
のうち、その時点での上記処理プロセスからの出力との
誤差(上述した誤差分散でもよい)を小さくする所定数
の写像パラメータの組を複数選択するとともに、誤差の
大きい写像パラメータの組を削除し、この削除された各
写像パラメータの組に代えて、所定の個数だけ新たに写
像パラメータの組を設定し直す(新たな写像パラメータ
の組の生成)。なお、以上のように変更された各写像パ
ラメータの組については、第2の発明に係る信号処理方
法により最適化して、再度各写像パラメータの組につい
て誤差あるいは誤差分散を評価する処理を繰返し行な
い、最終的に最も誤差の小さい写像パラメータの組を、
第1のシミュレーション・モデルG(ai )における最
適なパラメータの組として決定する。
【0071】
【作用】上記第1及び第2の発明における信号処理方法
は、それぞれ第1のシミュレーション・モデルの最適化
対象である各パラメータが取り得る範囲を制限する写像
関数をそれぞれ定義し、この写像関数により写像された
写像パラメータを有する第2のシミュレーション・モデ
ルの予測出力と現実の処理プロセスから得られる実績値
とを利用している。
【0072】このように各パラメータの取り得る範囲を
制限する第1の理由としては、まず、理想的にはそれぞ
れの最適化対象であるパラメータを全て同時に同じ割合
で評価関数のエネルギーを最小にするように変化させる
ことができれば、直交性が少なくても最適条件を探索す
ることは可能となるが、実際にはこのような最適化のた
めの学習係数を全て対等な最適化レートとなるように設
定することは実用的ではないからである。
【0073】そこで、最適化レートが各パラメータごと
にバラツキがあったとしても、取り得る範囲を所定の写
像関数により制限させることにより、最適化過程におけ
る各パラメータの更新速度(更新レート)が鈍化するた
め(図2に示すように、漸近線を持つ関数を写像関数と
定義しているため更新レートが鈍化する)、他の更新レ
ートが緩慢だったパラメータが前者に追いつくことがで
き、全てのパラメータが同時に変化できる環境を実現す
ることができる原理による。
【0074】さらに、第2の理由としては、直交性の乏
しい各パラメータ間の更新を考えると、一方のパラメー
タ値が変化した時、他方のパラメータ値がそれを打ち消
すように更新される場合、各パラメータについて漸近線
を持つ関数を写像関数と定義しているので、その打ち消
し割合(レート)が緩慢となり、この打ち消し割合と前
者の更新割合の釣り合いが崩れることにより、見掛け上
両者間の直交性が実現できる状態を生むことができる原
理による。
【0075】次に、第1の発明における信号処理方法で
は、各パラメータの取り得る範囲を制限することにより
擬似的に直交的な特性を実現したが、逆に各パラメータ
の取り得る範囲を制限することによって、真の最適条件
が探索範囲から除外されてしまう場合も起り得る。その
場合、広域最適条件(Global minimum)への到達が困難
となる。また、このような事態を避けるために探索可能
範囲を広げたり、制限しない場合には、非直交性に起因
する最適条件への到達が困難になる。
【0076】そこで、第2の発明における信号処理方法
では、各パラメータごとに予め複数の写像関数を定義
し、探索範囲から外れた場合には別の探索範囲での探索
が可能になるようにしておき、これら固有の探索範囲を
持つパラメータの組ごとにそれぞれ最適条件を求め、最
も評価関数のエネルギを小さくするものを最適条件とし
て決定している。
【0077】したがって、最適条件となる各パラメータ
の組が定義された制限領域(探索範囲)から外れる場合
にも、その最適条件の探索が可能になり、探索範囲を複
数設定することにより最適条件がその範囲に入る可能性
が出てくる。実際に最適条件が入ってこない場合には、
準最適条件のみ求まることになるが、これを繰り返し設
定・探索することにより最適条件(最適な予測出力が得
られる組の各写像パラメータをそれぞれ与える関数パラ
メータ)を見出すことができる)。
【0078】なお、上述した写像関数は、各パラメータ
の取り得る範囲を制限するために定義するが、この制限
範囲は各パラメータの直交性が実現可能な範囲で行わな
けれ場ならない。
【0079】具体的には、例えば正又は負のように、い
ずれかに制限すれば直交性が実現できるのであれば、上
限、あるいは下限のみを探索領域として制限(限定)す
ればよく、また、所定の制限範囲を探索範囲とすること
により直交性が実現できるのであれば、上限及び下限か
らの両方で探索範囲を限定すればよい。
【0080】一方、全く別の観点から、物理的に意味の
ある領域(探索範囲)がある制限された範囲内である必
要がある場合にも、同様に物理条件を満足する制約のも
とでの最適条件の探索を可能とすることができる。
【0081】以上のように、この発明における信号処理
方法は、非直交性(一次独立あるいは疑似相関ともい
う)に対し、一意に最適条件を決め込もうとする技術で
あり、最適化のために各パラメータの取り得る範囲を制
限することは、極論すると互いに相殺し合うパラメータ
が存在する場合、一方を固定し、他方を可変にすること
により唯一解が得られるという考えを拡張した原理であ
る。また、固有の探索範囲(写像関数により制限された
範囲)を持つ複数のパラメータを一組(各組を構成する
パラメータは、シミュレーション・モデルの各パラメー
タに相当する)として、これを複数用意することは、一
方を固定したままではなく、いろいろ値を変えて同様の
評価を試みるのと等価な技術である。
【0082】
【実施例】以下、この発明の一実施例を図1〜図10を
用いて説明する。なお、図中同一部分には同一符号を付
して説明を省略する。
【0083】図1は、この発明に係る信号処理方法を実
現する信号処理装置Bを含む全体構造を示す図であり、
特にこの信号処理装置Bは、現実に稼働している処理プ
ロセス1の挙動を予測するための予測出力Xj を出力す
るシミュレーション・モデル6と、シミュレーション・
モデル6の最適化(各パラメータの最適値を決定する)
を行う最適化学手段7と、このシミュレーション・モデ
ル6の予測出力Xj と所望特性4とを比較し、その誤差
が許容範囲になければさらにシミュレーション・モデル
6に対して処理条件の変更を指示するが、その誤差が許
容範囲にあれば現実の処理プロセス1を最適な処理条件
に設定する誤差評価手段2から構成されている。
【0084】当該信号処理装置Bでは、例えば鉄鋼プラ
ントにおける圧延プロセス等の現実の処理プロセス1を
数式で表したシミュレーション・モデル6(以下、第1
のシミュレーション・モデルという)を現実の処理プロ
セスから得られる実績値(圧延プロセスから得られる現
実の物理量)を用いて最適化を行っているが、特に、上
記最適化手段7では、各パラメータの取り得る範囲を制
限(特定の写像関数を用いて各パラメータを写像させ
る)することにより各写像パラメータを疑似的に独立変
数とし、これら各写像パラメータを有するシミュレーシ
ョン・モデル(以下、第2のシミュレーション・モデル
という)の予測出力と、現実の処理プロセスから得られ
る実績値を用いている。
【0085】一方、このシミュレーション・モデル6か
ら予測出力Xj を得る動作と並行して誤差評価手段2で
は、逐次このシミュレーション・モデル6の予測出力X
j と所望特性4の誤差を求め、この誤差が所定範囲内に
ない場合、新たにシミュレーション・モデル6に対して
処理条件の変更を指示し、さらにシミュレーション・モ
デル6の予測出力Xj が所望特性4に近づくように処理
条件の設定を行っている。
【0086】そして、上記誤差評価手段2は、シミュレ
ーション・モデル6の予測出力Xjと所望特性4との誤
差が許容範囲内に収束したと判断した場合、このシミュ
レーション・モデル6に与えている処理条件を最適な処
理条件として、実際の模擬対象である処理プロセス1に
対し、最適な処理条件の設定指示を行っている。
【0087】第1の発明に係る信号処理方法は上記信号
処理装置Bにおける最適化手段7では、第1の工程とし
て、第1のシミュレーション・モデルG(ai )におけ
る各パラメータai (iはパラメータ数を示す)につい
て、このパラメータai の取り得る範囲を制限する写像
関数fi をそれぞれ定義し、第2の工程として、これら
写像関数fi によりそれぞれ写像された写像パラメータ
i (=fi (ai ))を有する第2のシミュレーショ
ン・モデルG(bi )について所定の処理条件下で与え
られた入力情報(例えば、圧延プロセスに与える鉄鋼材
料から得られた現実の物理量)に対して得られた予測出
力Xj (第j番目のデータ)と、上記現実の処理プロセ
スから得られる実績値Tj とを評価すべく、予め定義さ
れた評価関数Eを最大あるいは最小にする第1のシミュ
レーション・モデルG(ai )(図1におけるシミュレ
ーション・モデル6に相当)における各パラメータai
の最適値を再帰的に決定していくことを特徴としてい
る。
【0088】なお、現実の処理プロセスを模擬するシミ
ュレーション・モデル(最適化されるモデル)は実際は
1つであるが、最適化対象(モデルの最適化とは、この
モデルにおける各パラメータあるいは関数形の最適値を
決定することであり、したがって実際の最適化対象は各
パラメータあるいは関数形である)である各パラメータ
の取り得る範囲を制限するため、上述した写像関数によ
り写像された各写像パラメータを最適化に利用している
ので、便宜上最適化対象である写像前のパラメータを有
するモデルを第1のシミュレーション・モデルといい、
最適化に利用する写像パラメータを有するモデルを第2
のシミュレーション・モデルという。
【0089】ここで、上記写像関数fi は、上記第1の
シミュレーション・モデルG(ai)における各パラメ
ータai の取り得る範囲を、一定値以上のみ、あるいは
一定値以下のみに制限するか、第1の値以上であって第
2の値以下である範囲に制限する関数であり、例えば以
下のような関数である。
【0090】
【数13】
【0091】ここで、ci は基本となる固定値とし、ν
i を変化させることによりこのciのνi 倍の中心値を
得ている。また、ρi はパラメータai の取り得る範囲
を任意に設定することができる独立変数として定義して
いる。ただし、式中iは、それぞれのパラメータai
対応するものとして規定しており、各パラメータai
とに上記ν、ρが定義される。したがって、この変数ν
i を各パラメータに固有の変数とすることで、各パラメ
ータごとに任意の中心値を持つ写像関数fi が定義でき
る。一方、λi は、写像関数fi の傾きを決定する変数
であり、最適化の速度(各パラメータai の更新量)を
コントロールできる変数である。なお、この変数λi
各パラメータの更新の歩調(最適化の速度)を制御する
ためにある。
【0092】この写像関数fi は図2に示すように、上
記第1のシミュレーション・モデルにおける各パラメー
タai の値が+∞から−∞まで変化しても、写像された
写像パラメータbi (=fi (ai ))の値(写像関数
i の値域)は、以下の範囲を取る。
【0093】 (1−ρi )νi i <bi <(1+ρi )νi i したがって、この発明では現実の処理プロセスを模擬す
る第1のシミュレーション・モデルG(ai )の最適化
を、疑似的な直交特性を実現した第2のシミュレーショ
ン・モデルG(bi )の予測出力Xj と現実の処理プロ
セスから得られる実績値Tj を利用して行っている。
【0094】そして、上記第1のシミュレーション・モ
デルG(ai )を最適化するため、最適化手段7では以
下のような評価関数Eを予め定義している。
【0095】E=(Xj −Tj 2 なお、この評価関数Eは、学習に用いるデータ群に偏り
(ここで、偏りとは経時変化、オフセット誤差等のノイ
ズ成分である)がない場合に適応できる関数であるた
め、学習に用いるデータ群(N個)に偏りがある場合に
は以下に示すように誤差の分散で定義してもよい(な
お、この明細書中で誤差というときは誤差分散を含む概
念である)。
【0096】
【数14】
【0097】この評価関数Eは第2のシミュレーション
・モデルG(bi )の予測出力Xjと現実の処理プロセ
スから得られる実績値Tj から求められるため、評価関
数E(bi )で表現できるが、実際にはこの写像パラメ
ータbi はfi (ai )より与えられるパラメータであ
るため、この評価関数E(fi (ai ))は第1のシミ
ュレーション・モデルのパラメータai により偏微分可
能な関数である。
【0098】したがって、一般化デルタルールを用い
て、
【0099】
【数15】
【0100】より、以下の微分方程式 dai /dt=−η∂E/∂ai ただし、ηは収束速度を決定するための学習係数(ある
いはステップ・サイズともいう)である。
【0101】からそれぞれ変化量を算出し、現時点のシ
ミュレーション・モデルの各パラメータai (t)にそ
れぞれ加算して新たなパラメータai (t+Δt)を決
定し、 ai (t+Δt)=ai (t)−η∂E/∂ai これら一連の動作を上記評価関数Eが最小(あるいは最
大)になるまで再帰的に決定していくことにより、最適
化を行っている。
【0102】次に、具体的な例として現実の処理プロセ
ス1を現実の圧延プロセスとし、この圧延プロセスを数
式で表したシミュレーション・モデル6の最適化につい
て説明する。
【0103】図3は、模擬対象である圧延プロセスにお
ける圧延状況を、材料である鋼板の板幅方向の断面を示
して説明するための図である。
【0104】同図(a)は、板幅WIの左右方向(板の
端から中心に向かう方向)から圧延する(エッジング圧
延という)ものであり、左右から圧延されることによ
り、同図(b)に示すような断面を得る。この図より、
左右方向から圧延されるためエッジ部分が厚さHI方向
にはみ出るように潰されることになり(図中、白地の部
分がはみ出した部分)、中心に近いほど、エッジング圧
延の効果は少ないことがわかる。一般に、この白抜き部
分をドッグボーンという。
【0105】続いて、同図(b)のエッジング圧延され
た鋼板に対し水平方向(板の中心から端に向かう方向)
に圧延される(水平圧延という)と、同図(b)に示さ
れた厚みHI方向にはみ出した部分であるドッグボーン
も水平圧延により水平方向に厚さHOになるよう一定に
圧延される(同図(c))。
【0106】ここで、水平圧延(同図(b)から同図
(c)への処理過程)により水平方向に圧延される各部
分の寄与を考えると、水平圧延されることにより同図
(b)における白地部分であるドッグボーンは、同図
(c)における白地部分へ寄与し、一方、同図(b)に
おける斜線部分は、同図(c)における斜線部分へそれ
ぞれ寄与するモデルとして考える。
【0107】なお、以上の圧延プロセスをもとに、生成
された既存のシミュレーション・モデル3(以下、この
ようにオフライン状態でパラメータ値が固定されたモデ
ルを既存モデルという)を以下に示す。
【0108】WO=WH+WD+WE ここで、 WH=((HI/HO)α −1)・WE WD=β・(WI−WE)
【0109】
【数16】
【0110】
【数17】
【0111】であり、式中、各パラメータは WO:シミュレーション・モデル3の予測出力 WH:斜線部分の水平圧延による幅広がり量 WD:白地部分の水平圧延による幅広がり量 HI:入側板厚 HO:出側板厚 WE:エッジャ圧延後の板幅 LD:投影接触弧長 RR:水平ロール半径 RE:エッジャロール半径 である。
【0112】すなわち、最終的に圧延される出側板幅W
Oは、エッジング圧延後の板幅WEと、ドッグボーン部
の水平圧延への寄与WDと、矩形断面部分の水平圧延へ
の寄与WHとの総和で表される。
【0113】そして、この発明では各パラメータ-1.64
0、0.376 、0.016 、0.015 と、-1.877、0.063 、0.441
、0.989 、7.591 とを、それぞれX1 、X2 、X3
4 、X5 、X6 、X7 、X8 、X9 とすることによ
り、この発明における第1のシミュレーション・モデル
G(Xi )を以下のように定義する。
【0114】WO=h[((HI/HO)
f(X1 ,X2 ,X3 ,X4 )−1)+WE+g(X5 ,X6 ,X
7 ,X8 ,X9 )・(WI−WE)+WE] なお、この式中hはX1 〜X9 をパラメータとする関
数、f及びgはそれぞれX1 〜X4 、X5 〜X9 をパラ
メータとする関数である。
【0115】また、第2のシミュレーション・モデルG
(Yi )は、前述した写像関数fi(i=1〜9)によ
り上記各パラメータX1 〜X9 を写像した写像パラメー
タY1 〜Y9 を有する。
【0116】ここで、上記第1のシミュレーション・モ
デルG(Xi )を最適化するため、最適化手段7では以
下のような評価関数Eを予め定義する。
【0117】E=(Wj −Tj 2 なお、式中、Wj は第2のシミュレーション・モデルG
(Yi )の第j番目の予測出力、Tj は圧延プロセスか
ら得られた第j番目の実績値である。
【0118】この評価関数Eは第2のシミュレーション
・モデルG(Yi )の予測出力Wjと現実の処理プロセ
スから得られる実績値Tj から求められるため、評価関
数E(Yi )で表現できるが、実際にはこの写像パラメ
ータYi はfi (Xi )より与えられるパラメータであ
るため、この評価関数E(fi (Xi ))は第1のシミ
ュレーション・モデルのパラメータXi により偏微分可
能な関数である。
【0119】したがって、一般化デルタルールを用い
て、
【0120】
【数18】
【0121】より、以下の微分方程式 dXi /dt=−η∂E/∂Xi ただし、ηは収束速度を決定するための学習係数(ある
いはステップ・サイズともいう)である。
【0122】からそれぞれ変化量を算出し、現時点の第
1のシミュレーション・モデルの各パラメータX
i (t)にそれぞれ加算して新たなパラメータXi (t
+Δt)を決定し、 Xi (t+Δt)=Xi (t)−η∂E/∂Xi これら一連の動作を上記評価関数Eが最小(あるいは最
大)になるまで再帰的に決定していくことにより、最適
化を行っている。
【0123】次に、第2の発明に係る信号処理方法は、
上述した第1の発明が、写像関数fi で制限された範囲
内で評価関数Eのエネルギを最小あるいは最大にする条
件(第1のシミュレーション・モデルG(ai )におけ
る各パラメータai の最適値)を上記一般化デルタ・ル
ールを用いて探索しているので、制限された範囲内での
最適条件を探索することしかできず、真の最適条件(グ
ローバル・ミニマム−広域最適解)が探索範囲外に存在
する場合には真の最適条件への到達が不可能となること
を回避するための信号処理方法である。
【0124】この第2の発明では、図4に示すように、
まず前述した第1の発明における第1の工程において、
第1のシミュレーション・モデルG(ai )における各
パラメータai ごとに、該パラメータの取り得る範囲を
制限する複数の写像関数fi, k (iは各パラメータの
数、kは各パラメータごとに定義された写像関数の数)
を定義し、それぞれが重複しない範囲に制限するこれら
写像関数で与えられる写像パラメータの組であって、該
各パラメータの組に相当する写像パラメータの組を複数
設定する。
【0125】すなわち、例えばパラメータai を写像し
た写像パラメータはbi,1 、bi,2、…、bi,k のk個
与えられる(1つのパラメータに対してk個の写像パラ
メータが生成される)。各パラメータについて複数の写
像関数を定義するということは、1つのパラメータai
に対して複数の関数パラメータの組(ρik,νik
λik)が存在することを意味しており、換言すれば、パ
ラメータai を写像した写像パラメータは以下のように
表現することができる。
【0126】bi,1 ←ai (ρi1,νi1,λi1) bi,2 ←ai (ρi2,νi2,λi2) …………… bi,k ←ai (ρik,νik,λik) したがって、各写像パラメータの組は、以下のようにk
組生成される。
【0127】{a1 (ρ1k,ν1k,λ1k),a
2 (ρ2k,ν2k,λ2k),……,ai-1 (ρi-1k,ν
i-1k,λi-1k),ai (ρik,νik,λik)} この設定された各写像パラメータの組を有する第2のシ
ミュレーション・モデルG(bi,k )について前記第2
の工程を実行する(なお、この第2の工程は各パラメー
タごとに上記写像パラメータの組を変更しながら繰り返
される)。そして、得られた第2のシミュレーション・
モデルの予測出力のうち、その時点での上記処理プロセ
スからの出力との誤差を最も小さくする各写像パラメー
タの組を、第1のシミュレーション・モデルにおける最
適なパラメータの組として(各写像パラメータを与える
関数パラメータの組のそれぞれが、各パラメータに対す
る最適条件となる)決定する。
【0128】上記写像パラメータの組の変更方法として
は、最初に各パラメータ(第1のシュミレーション・モ
デル)について所定数の写像パラメータの組を用意す
る。そして、これら各写像パラメータの組について上述
した最適化処理を行い、各写像パラメータの組を有する
第2のシュミレーション・モデルのそれぞれの予測出力
のうち、その時点での上記処理プロセスからの出力との
誤差を小さくする所定数の写像パラメータの組を複数選
択するとともに、誤差の大きい写像パラメータの組を削
除し、この削除された各写像パラメータの組に代えて、
所定の個数だけ新たに写像パラメータの組を設定し直す
(新たな写像パラメータの組の生成)。なお、以上のよ
うに変更された各写像パラメータの組については、第2
の発明に係る信号処理方法により最適化して、再度各写
像パラメータの組について誤差あるいは誤差分散を評価
する処理を繰返し行ない、最終的に最も誤差の小さい写
像パラメータの組を、第1のシミュレーション・モデル
G(ai )における最適なパラメータの組として決定す
る。
【0129】以下、この第2の発明の具体的な動作を図
5〜図6のフローチャート、及び図7〜図10を用いて
説明する。
【0130】図5に示すように、まず、シミュレーショ
ン・モデル6の各パラメータxi (パラメータ数は9
個)を前述した写像関数fik(kはこの実施例では10
0個とする)で写像した写像パラメータの組(それぞれ
が重複しない範囲を定義する写像関数を表す関数パラメ
ータ(ρik,νik,λik)で表される)を利用して10
0組生成する(ステップST1、なお、各写像パラメー
タの組は、図8に示すように構成され、各パラメータの
組(x1 ,x2 ,…,x8 ,x9 )に相当する100個
の写像パラメータの組が生成されることになる)。
【0131】このステップST1で行われる写像パラメ
ータの組の生成は、具体的には図6に示すように、各写
像パラメータbikに固有な変数として前述の写像関数f
ik(図2)の中心値を決定するためのνi (t)を乱数
を用いて定義する(ステップST8、なお、tは写像パ
ラメータの組の数)。したがって、写像パラメータの組
はベクトル{(ρi ,νi (t),λi Xi}={(ρ
1 ,ν1 (t),λ1 X1,(ρ2 ,ν2 (t),
λ2 X2,…,(ρ8 ,ν8 (t),λ8 X8
(ρ9 ,ν9 (t),λ9 X9} (なお、iはパラメータ数、tは生成される写像パラメ
ータの組の数)で表現したものと等価である。そして、
得られた各変数νi (t)から物理条件を満たしていな
いものを削除する動作を(ステップST9)、該写像パ
ラメータの組が100組になるまで繰り返し行う(ステ
ップST10、ST11)。
【0132】なお、上記ステップST9ではステップS
T8で得られた変数νi (t)と前回得られた変数νi
(t−1)について、 (1+ρi )νi (t)ci <(1−ρi )νi (t−
1)ci なる条件を満たすνi (t)のみを残すものとする。
【0133】以上のようにして写像パラメータの組が生
成されると、各写像パラメータの組ごとに前述した第2
のシミュレーション・モデルの最適化が行われ(ステッ
プST2)、最適化の終了した各写像パラメータの組に
ついて、該写像パラメータの組を有する第2のシミュレ
ーション・モデルの予測出力とその時点での現実の処理
プロセスから得られる実績値との誤差(あるいは評価関
数として上記数式14を用いる場合は誤差分散)を判定
する(ステップST3)。
【0134】そして、もし誤差が所定値(例えば0.
1)以下であれば(ステップST4)、所望の最適条件
(各パラメータai の最適条件)が得られたとして終了
するが、もし、誤差がまだ所定値以上であるならば、誤
差の大きかった各写像パラメータをの組を削除する(ス
テップST5)。なお、ステップST5において削除さ
れる写像パラメータの組の数は、例えば図7に示すよう
に、初回は誤差小さい写像パラメータの組を10%だけ
残すようにする。
【0135】そして、上記ステップST5で削除された
写像パラメータの組の数が1以下であるようであればそ
のまま最適な条件が得られたものと判断して終了するが
(ステップST6)、もし1以上であれば、削除された
数の40%に相当する数の新たな写像パラメータの組を
生成する(ステップST7)。
【0136】なお、新たな写像パラメータの組の生成
は、例えば各写像パラメータの組を構成する各成分が
(1+ρi )νi (t)ci であれば(1−ρi )νi
(t)´ci =(1+ρi )νi (t)ci となるνi
(t)´(=3・νi (t))を新たな写像パラメータ
の組固有の成分として生成し、各写像パラメータを構成
する各成分が(1−ρi )νi (t)ci であれば(1
+ρi )νi (t)´ci=(1−ρi )νi (t)c
i となるνi (t)´(=1/3・νi (t))を新た
な写像パラメータの組固有の成分として生成する(ただ
し、得られた変数νi は予め設定された物理条件を満た
しているものの中から生成される)。
【0137】また、新たな写像パラメータの組が削除数
の40%まで生成できない場合には、足りない写像パラ
メータの組を図8に示すようにすでに存在する写像パラ
メータを構成する各成分(各写像パラメータ)を組み替
えることにより再生成することとする。すなわち、乱数
により指定した最も適合度の高い写像パラメータの組を
構成する各成分と、組み替え対象となった写像パラメー
タの組を構成する成分とを入れ替えることにより生成す
る。例えば、図8には2番目に適合度の高い写像パラメ
ータの組について組み替えを行う場合、乱数により指示
された第2成分及び第4成分を上記最も適合度の高い写
像パラメータの組を構成する第2成分及び第4成分と組
み替えた例を示している。
【0138】以上の動作を繰り返すことにより、最終的
に真の最適条件を探索することができる。
【0139】なお、以上に説明した探索手法を概念的に
示した図を図9に示す。この図からも分かるように、各
パラメータの取り得る範囲を制限することにより、疑似
的な直交特性を実現するとともに、複数の初期状態を設
定しながら各制限範囲における最適条件の探索を行って
いるので、前述した第1の発明のような問題は発生しに
くくなる。また、以上の信号処理方法による最適化結果
は、図10に示すようになり、高速でかつより優れた最
適条件への探索が可能となることが分かる(この実施例
では、誤差0.8mm、分散0.2mm2 に収束す
る)。
【0140】
【発明の効果】以上のようにこの発明によれば、最適化
対象である第1のシミュレーション・モデルの各パラメ
ータが取り得る範囲を制限する写像関数をそれぞれ定義
し、この写像関数により写像された写像パラメータを有
する第2のシミュレーション・モデルの予測出力と現実
の処理プロセスから得られる実績値とを利用して、上記
第1のシミュレーション・モデルの最適化を行っている
ので、実際の最適化対象である各パラメータは独立に扱
え、第1のシミュレーション・モデルは疑似的に直交特
性が実現されるので、実際には直交性がないか、あるい
は直交性が低いシミュレーション・モデルの収束を可能
にするとともに、高速な収束を実現することができると
いう効果がある。
【0141】また、この発明によると人為的操作を必要
としない自動的な最適化が可能であり、さらには、制約
を課したい(例えば、物理的条件を満足したいといっ
た)場合も、その制約の設定が可能であるとともに、そ
の制約下での最適条件を探索を可能にするという効果が
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の発明に係る信号処理方法を実現する信号
処理装置Bの構成を示す図である。
【図2】上記信号処理装置Bにおけるシミュレーション
・モデルの各パラメータの取り得る範囲を制限するため
に定義される写像関数の一例を示す図である。
【図3】第1及び第2の発明に係る信号処理方法の模擬
対象として、鉄鋼プラントにおける圧延プロセスの圧延
動作を説明するための図である。
【図4】第2の発明に係る信号処理方法を実現する信号
処理装置Bの構成を示す図である。
【図5】第2の発明に係る信号処理方法の一実施例の動
作を説明するためのフローチャートである。
【図6】第2の発明に係る信号処理方法の一実施例の動
作であって、複数の写像パラメータの組を生成する動作
を説明するためのフローチャートである。
【図7】第2の発明に係る信号処理方法の一実施例の動
作であって、誤差の大きな写像パラメータの組を削除す
る動作を説明するための図である。
【図8】第2の発明に係る信号処理方法の一実施例の動
作であって、写像パラメータの組を構成する各成分の組
み替え動作を説明するための図である。
【図9】第2の発明に係る信号処理方法の一実施例の動
作を概念的に説明するための図である。
【図10】この発明に係る信号処理方法による最適化過
程において、各パラメータの挙動を示す図である。
【図11】従来の信号処理方法を実現する信号処理装置
Aの構成を示す図である。
【図12】従来の信号処理方法による最適化過程におい
て、各パラメータの挙動を示す図である。
【符号の説明】
1…処理プロセス(圧延プロセス)、2…誤差評価手
段、3…シミュレーション・モデル、4…所望特性、6
…予測モデル、7…最適化手段。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 模擬対象となる現実の処理プロセスを数
    式で表した第1のシミュレーション・モデルを、該現実
    の処理プロセスから得られる実績値を用いて最適化する
    信号処理方法において、 前記第1のシミュレーション・モデルにおける各パラメ
    ータについて、該パラメータの取り得る範囲を制限する
    写像関数をそれぞれ定義する第1の工程と、 前記写像関数により写像された写像パラメータを有する
    第2のシミュレーション・モデルについて所定の処理条
    件下で与えられた入力情報に対して得られた予測出力
    と、前記現実の処理プロセスから得られる実績値とを評
    価すべく、予め定義された評価関数を最大あるいは最小
    にする前記第1のシミュレーション・モデルにおける各
    パラメータを再帰的に決定していく第2の工程を、備え
    たことを特徴とする信号処理方法。
  2. 【請求項2】 模擬対象となる現実の圧延プロセスを数
    式で表した第1のシミュレーション・モデルを、該圧延
    プロセスから得られる現実の物理量を用いて最適化する
    信号処理方法において、 前記第1のシミュレーション・モデルにおける各パラメ
    ータについて、該パラメータの取り得る範囲を制限する
    写像関数をそれぞれ定義する第1の工程と、 前記写像関数により写像された写像パラメータを有する
    第2のシミュレーション・モデルについて所定の処理条
    件下、及び前記圧延プロセスに与える鉄鋼材料から得ら
    れた現実の物理量に対して得られた予測出力と、該圧延
    プロセスにより圧延加工された処理済み鉄鋼材料から得
    られた現実の物理量とを評価すべく、予め定義された評
    価関数を最大あるいは最小にする前記第1のシミュレー
    ション・モデルにおける各パラメータを再帰的に決定し
    ていく第2の工程を、備えたことを特徴とする信号処理
    方法。
  3. 【請求項3】 前記第1の工程において、前記第1のシ
    ミュレーション・モデルにおける各パラメータごとに、
    該パラメータの取り得る範囲を制限する複数の写像関数
    を定義し、それぞれが重複しない範囲に制限するこれら
    写像関数で与えられる写像パラメータの組であって、該
    各パラメータの組に相当する写像パラメータの組を複数
    設定し、 前記設定された各写像パラメータの組ごとに、該組を構
    成する写像パラメータを有する第2のシミュレーション
    ・モデルについて前記第2の工程を実行し、 前記工程によりそれぞれ最適化された各写像パラメータ
    の組を有する前記第2のシミュレーション・モデルから
    の予測出力のうち、その時点での前記処理プロセスから
    の出力との誤差を最も小さくする写像パラメータの組
    を、前記第1のシミュレーション・モデルにおける最適
    なパラメータの組として決定することを特徴とする請求
    項1又は2記載の信号処理方法。
  4. 【請求項4】 前記請求項3記載の信号処理方法におい
    てそれぞれ最適化された各写像パラメータの組につい
    て、 前記第2のシミュレーション・モデルからの予測出力の
    うち、その時点での前記処理プロセスからの出力との誤
    差を小さくする写像パラメータの組を複数選択するとと
    もに、該誤差が大きい写像パラメータの組を削除し、該
    削除された各写像パラメータに代えて所定の個数だけ新
    たに設定し直された写像パラメータの組について、前記
    請求項3記載の信号処理方法により最適化を行なって再
    度各写像パラメータの組の誤差を評価する処理を繰り返
    し行ない、 最終的に最も前記誤差を小さくする各写像パラメータの
    組を、前記第1のシミュレーション・モデルにおける最
    適なパラメータの組として決定することを特徴とする請
    求項1又は2記載の信号処理方法。
  5. 【請求項5】 前記写像関数は、前記第1のシミュレー
    ション・モデルにおける各パラメータの取り得る範囲
    を、一定値以上のみ、あるいは一定値以下のみに制限す
    るか、第1の値以上であって第2の値以下である範囲に
    制限することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項
    に記載の信号処理方法。
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