JPH07103815A - 非繰返し回転精度測定装置 - Google Patents

非繰返し回転精度測定装置

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JPH07103815A
JPH07103815A JP5276087A JP27608793A JPH07103815A JP H07103815 A JPH07103815 A JP H07103815A JP 5276087 A JP5276087 A JP 5276087A JP 27608793 A JP27608793 A JP 27608793A JP H07103815 A JPH07103815 A JP H07103815A
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博之 松崎
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勇 寺尾
Katsutoshi Matsuoka
勝年 松岡
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 従来技術に比べ、より高精度な非繰返し回転
精度を評価することができる回転体等の非繰返し回転精
度測定装置を提供することを目的とする。 【構成】 固定支持部材8で軸受2の外輪4を固定支持
すると共に、回転支持部材10で軸受2の内輪9を回転
可能に支持する。また、一対の振動センサ5a、5bが
外輪4に対して相互に直交する位置に配設されている。
そして、振動センサ5a、5bからの出力値に基づいて
非繰返し回転精度の最大値と最小値及びその方位を算出
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、非繰返し回転精度測定
装置に関し、特に軸受や軸受により支持される回転体
(例えば、スピンドル等)のラジアル方向の非繰返し回
転精度を測定する非繰返し回転精度測定装置に関する。
【0002】
【従来技術とその課題】従来より、軸受の1回転目と2
回転目のずれの精度、即ち軸受の非繰返し回転精度を測
定する装置としては、軸受の内輪を回転させる一方、外
輪を固定して該外輪の一点のラジアル方向の振動を測定
するアンデロンメータ等の振動検査機が知られている。
【0003】該振動検査機は、被測定物に対し互いに直
交する位置に配された一対の振動センサからの信号によ
り任意方向θ(k)の回転振れの大きさを得るようにした
ものであり、図13(a)に示すXY平面上の回転振れ
をY軸方向から測定すると、図13(b)に示すよう
に、各時刻tにおけるY軸への投影が観測波形となる。
そして、図13(c)に示す任意の観測軸θ(k)方向か
ら観測した回転振れの大きさP(k)(t) は、X軸及びY
軸の2方向からの一組の振動測定値x(t)、y(t)より数
式(1′)に基づいて算出される。
【0004】 P(k)(t) =x(t)cosθ(k)+y(t)sinθ(k) ……(1′) ところで、一般に軸受の回転振れには偏心等回転同期成
分に起因する回転振れと軸受の構成要素(外輪、内輪、
鋼球等)の形状誤差等非回転同期成分に起因する回転振
れとに区分される。そして、内輪を回転させて非繰返し
回転精度を測定する場合、前記非回転同期成分のうち外
輪の形状誤差に起因する回転振れは、観測軸の方向によ
ってその振動波形が異なることが知られている。すなわ
ち、外輪は楕円運動を行っており、しかも楕円の主軸方
向の異なったものが異なった周期で合成されるため、観
測軸方向によって振動波形が異なる結果となる。つま
り、上記従来の振動検査機においては、固定輪である外
輪の1点のラジアル振動を測定しているので、外輪の回
転振れは観測方向によって異なることとなる。
【0005】一方、外輪は、図14に示すように、その
形状精度から軸受の非繰返し回転精度に占める割合が内
輪や鋼球に比して高いことが実験結果等により知られて
いる。(この測定例では内輪11.4%、鋼球7.4%
等に対して外輪51.0%)、すなわち、従来の振動検
査機においては、外輪の回転振れを正しく評価すること
が重要であるにも拘わらず、外輪の回転振れは観測軸方
向によって異なる値を有するため、該外輪の回転振れを
正しく評価することができないという欠点があった。
【0006】また、内輪については、円運動を行ってい
る基本波が存在し、該基本波は回転数を周期とした余弦
波及び正弦波により100%変調される。そして、基本
波は観測軸方向によって異ならないが基本波と変調波の
位相が観測軸方向によって異なるため、実際に観測され
る振動波形は異なる。また、鋼球についても内輪と同
様、観測軸方向によって異なる振動波形が得られる。す
なわち、内輪や鋼球についても観測軸方向によって異な
る振動波形を有するため、固定輪である外輪の全方向に
ついての回転振れの測定が軸受の非繰返し回転精度を正
確に評価する上で不可欠なものとなる。
【0007】そこで、軸受の非繰返し回転精度の最大振
動位置を得ることにより、より正確な非繰返し回転精度
を評価し得る測定方法が提案されている(特開平2−2
4529号公報)。
【0008】上記測定方法は、高速軸と低速軸とを設
け、軌道輪である外輪及び内輪をいずれかの軸(高速軸
又は低速軸)に締結し、振動センサを固定して高速軸よ
り所定の信号を取り出すか、又は前記軌道輪のうちのい
ずれか一方を固定すると共に他方を高速軸に締結し、振
動センサを高速軸と同軸で固定輪の周囲を低速で回転さ
せながら信号を取り出した後、周期成分を除去し、その
後非繰返し回転精度の最大値を求めるものである。
【0009】しかしながら、上記測定方法においては、
内輪及び外輪の双方を回転させるか、又は内輪及び外輪
のうちのいずれか一方を固定して振動センサを回転させ
る必要があり、回転機構が複雑であり、各々の回転軸
(高速軸、低速軸)の回転精度や回転軸相互のアライメ
ントによっては測定精度の低下を招来するという問題点
があった。
【0010】また、データ収集時間が低速回転側で規定
されているため、高速測定が困難であり、非繰返し回転
の高精度な測定が困難であるという問題点があった。
【0011】本発明はこのような問題点に鑑みなされた
ものであって、より高精度な非繰返し回転精度を評価す
ることができる非繰返し回転精度測定装置を提供するこ
とを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明に係る非繰返し回転精度測定装置は、被測定物
の一方の部位を固定支持する固定支持手段と、他方の部
位を回転可能に支持する回転支持手段と、前記固定支持
された一方の部位の相互に直交する位置に配設されて前
記一方の部位の振動を検出する一対の振動検出手段と、
前記回転可能に支持された他方の部位に同期して該他方
の部位の所定回転角度毎に、前記振動検出手段の検出結
果に基づいて一組の振動測定値を取得する振動測定値取
得手段と、前記一組の振動測定値に基づき前記所定回転
角度毎に前記所定角度位置の振動値を算出して前記一方
の部位の全周に亙る振動波形を生成する振動波形生成手
段と、前記振動波形生成手段により得られた振動波形の
変動幅の最大値及び最小値及びその方位を算出する最大
値・最小値算出手段とを具備していることを特徴として
いる。
【0013】
【作用】上記構成によれば、被測定物の一方の部位が回
転すると共に、固定支持された他方の部位の回転振れが
前記回転に同期して一対の振動検出手段により検出され
る。そして、該振動検出手段の検出結果に基づいて振動
波形が生成され、該振動波形の変動幅からその最大値・
最小値及びその方位が算出され、回転体である被測定物
の非繰返し回転精度が評価される。
【0014】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づき詳説す
る。
【0015】図1及び図2において、1は本発明の一実
施例としての非繰返し回転精度測定装置であって、該非
繰返し回転精度測定装置1は、被測定物としての軸受2
を装着支持する装置本体部3と、前記軸受2の外輪4の
相互に直交する位置に配設されて前記外輪4のラジアル
方向の振動を検出する一対の振動センサ5a、5bと、
該振動センサ5a、5bから出力される検出結果を増幅
する増幅器6と、該増幅器6からの出力に応じて非繰返
し回転精度(以下、NRRO値という)を演算する制御
部7とから構成されている。尚、前記一対の振動センサ
5a、5bは、外輪4のラジアル方向の一組の振動測定
値x(t)、y(t)を同時に検出するように構成され
ている。
【0016】さらに、前記装置本体部3は、前記軸受2
の外輪4を固定支持する固定支持部8と、前記軸受2の
内輪9を回転可能に支持する回転支持部10とからな
る。
【0017】具体的には、前記固定支持部8は、外輪4
を矢印B方向に押圧する回転軸を含む軸方向断面が略コ
字状の予圧治具11と、クロロプレン等からなる略円筒
形形状の防振ゴム12を介して前記予圧治具11を矢印
B方向に加圧する加圧機構13とから構成されている。
また、加圧機構13は、相互に対向する対向面14、1
5の中央部に円錐形状の窪部が形成された第1及び第2
の加圧部材16、17と、前記窪部に係着される球形状
の調心部材18とを備えている。このように前記加圧機
構13により矢印B方向に荷重が負荷され、回転支持部
10からの振動を防振ゴム12を介して吸収すると共に
外輪4が予圧治具11により固定支持される。
【0018】また、前記回転支持部10は、鍔部19を
有して内輪9が挿入係止されるアーバ20と、該アーバ
20を螺着するスピンドル21と、該スピンドル21の
先端に固着されて所定のパルス信号を発するエンコーダ
22と、前記スピンドル21を回転駆動させる駆動機構
23(プーリ24a、24b、ベルト25及びモータ2
6からなる)とから構成されている。このようにモータ
26を駆動させてスピンドル21、すなわち内輪9が回
転することにより、該内輪9の回転に同期してエンコー
ダ22は1回転当たりN個のパルス信号を発生する。
【0019】しかして、上記制御部7は、前記一組の振
動測定値x(t)、y(t)に基づき前記所定回転角度
毎に前記所定角度位置の振動値を算出して外輪4の全周
に亙る振動波形を生成する振動波形生成手段と、前記振
動波形生成手段により得られた振動波形の振動幅の最大
値及び最小値及びその方位を算出する最大値・最小値算
出手段とを具備している。
【0020】図3(I)〜(III)は上記制御部7で実
行される演算内容のプロセスを示した図であって、まず
図3(I)に示すように、内輪9の回転に同期してX軸
方向の振動測定値x(t)及びY軸方向の振動測定値y
(t)を同時に取り込む。すなわち、内輪9の1回転当
たりN点の一組の振動測定値x(t)、y(t)をR周
期分取り込む。ここで、1回転当たりの測定点数N(エ
ンコーダ22が発生するパルス信号)は、固定輪である
外輪4の所謂「うねりの山数」をどこまで評価するかに
より決定されるが、通常NRRO値として問題となるの
は30山から50山の間であり、1山当たりの測定点を
約4として測定点数Nは、例えば、128〜256に決
定するのが好ましい。また、周期Rは、軸受の回転振れ
が不規則であるため、実験等により所望の値に設定され
る。
【0021】次いで、図3(II)に示すように、観測軸
θ(k)(k=1、2、……、m)方向の振動波形を数式
(1′)に基づき外輪4の全周に亙って(2π/m)方
位毎に順次演算し、振動波形を生成する。
【0022】 P(k)(t) =x(t)cosθ(k)+y(t)sinθ(k) ……(1′) そして、各振動波形について、観測軸θ(k)(k=1、
2、……、m)方向毎のNRRO値(P(k)(k=1、
2、……、m))を全ての方向について算出する。すな
わち、各方位kについて、図3(III)に示すようなN
RRO値のうちの最大値を結ぶ曲線C及びNRRO値の
うちの最小値を結ぶ曲線Dを求め、両者の差の最大値P
max(k)及び最小値Pmin(k)を求める。次いで、Pmax(k)
値中の最大値Pmaxとそれに対応する観測軸方向θmax、
すなわち(Pmax、θmax)、及びPmin(k)値中の最小値
Pminとそれに対応する観測軸方向θmin、すなわち(P
min、θmin ) を算出し、極座標表示等により結果を表
示する。ここで、曲線C及びDの差δkは、θk方向の
NRRO値の変動幅を表わす。
【0023】図4はNRRO値の最大値Pmax及び最小
値Pminとその方位θmax及びθminを算出する算出手順
を示すフローチャートである。
【0024】まずステップS1では、エンコーダ22か
らの1回転当たりNパルスのクロックに同期してX軸方
向及びY軸方向の変位信号(アナログ信号)を同時にデ
ジタル信号に変換してN組の振動測定値x(t)、y
(t)を得、これをR周期分繰返す。すなわちRN組の
振動測定値x(t)、y(t)を順次得て制御部7に内
蔵されたメモリ(図示せず)に格納する。
【0025】次いで、X軸方向の方位kを「0」に設定
した後(ステップS2)、外輪4の中心角をm等分して
観測軸方向を時計回転方向に0、1、……、m−1と方
位番号を付し、各方位k(=0、1、……、m−1)に
ついて振幅量(偏心量)S(l、r)の最大値曲線Zma
x(k)及び最小値曲線Zmin(k)を算出する(ステップS
3)。すなわち、各方位kに対し、1周期中の測定点l
=0、1、2、……N−1の各々について夫々の振動測
定値(x(l+rN)、y(l+rN))(但し、r=
0、1、……、R−1)に対する偏心量S(l、r)を
数式(1)に基づき算出し、かかるR個の偏心量S
(l、r)の中から最大値Zmax(k)及び最小値Zmin(k)
を求める。このようにして、図5に示すような方位kに
ついての最大値曲線及び最小値曲線が得られる。尚、か
かる最大値曲線Zmax(k)及び最小値曲線Zmin(k)は数式
(2)及び数式(3)で示されるものとする。
【0026】
【数1】 Zmax(k)=max(S(l,r))(但し、0≦r≦R−1) …(2) Zmin(k)=min(S(l,r))(但し、0≦r≦R−1) …(3) 次いで、ステップS4に進み、数式(4)及び数式
(5)に基づいて方位kについてのNRRO値(Pmax
(k)及びPmin(k))を算出する。 Pmax(k)=max(Zmax(k)−Zmin(k))(但し、(0≦l≦N−1)) …(4) Pmin(k)=min(Zmax(k)−Zmin(k))(但し、(0≦l≦N−1)) …(5) 次にステップS5に進んで方位kを「1」だけインクリ
メントし、ステップS6でk=mか否かを判別する。そ
して、k≠mのときはステップS3に戻り再び数式
(1)を実行して最大値曲線Zmax(k)及び最小値曲線Z
min(k)を算出し、そのときの方位kについてのNRRO
値を算出する。そして、k=mになったとき、すなわち
外輪4の全周に亙ってNRRO値の算出がなされたとき
は、ステップS7に進み、上述の繰返し演算して求めら
れた各方位kのNRRO値からその最大値Pmax とその
方位kmax、及びその最小値Pmin とその方位kminを算出
して処理を終了する。
【0027】図6は、上述の如く算出されたNRRO値
の最大値Pmax とその方位kmax、及びNRRO値の最小
値Pmin とその方位kminとの関係の一例を示している。
各方位毎に上記ステップS4の処理を実行することによ
り、かかる方位に対するNRRO値データが得られる。
【0028】図7は上述した本実施例の演算処理を高速
演算処理可能なデジタルシグナルプロセッサ(DSP)
で構成した例を示している。
【0029】すなわち、エンコーダ22からの1回転当
たりNパルスのクロックに同期して得られたX軸方向及
びY軸方向の変位信号(アナログ信号)を同時にデジタ
ル信号に変換し、斯く得られた一組の振動測定値x
(t)、y(t)を余弦値演算部27a及び正弦値演算
部27bに入力してm方位分の係数対(cos2πk/m 、si
n2πk/m)を乗算し、前記余弦値演算部27a及び正弦値
演算部27bにおける演算結果を加算器28で加算して
各方位kにおける偏心量Sを算出する。そして、最大値
算出部29a及び最小値算出部29bでは夫々の遅延器
30a,30bに記憶されている各方位kのNデータ点
前、すなわち一周期前の同一点における最大値及び最小
値と今回算出値とを比較し、最大値算出部29aではそ
の大きい方を新たな最大値Zmax(k)として記憶し、また
最小値算出部29bではその小さい方を新たな最小値Z
min(k)として記憶する。そして斯く得られた最大値Zma
x(k)から最小値Zmin(k)を加算器31で減算し、NRR
O最大値算出部32aでは遅延器33aに記憶されてい
る前回までの最大値と今回の最大値とを比較して大きい
方を新たな最大値Pmax(k)として記憶すると共にこの記
憶された最大値が方位kにおけるNRRO値として出力
される。同様に加算器31からの出力値に基づき、NR
RO最小値算出部32bでは遅延器33bに記憶されて
いる前回までの最小値と今回の最小値とを比較して小さ
い方を新たな最小値Pmin(k)として記憶すると共にこの
記憶された最小値が方位kにおけるNRRO値として出
力される。そしてこの後、これらNRR0値Pmax(k)の
中からその最大値Pmax及びその方位kmax、NRRO値
Pmin(k)の中からその最小値Pmin及びその方位kminを
算出する。
【0030】また、図8は本実施例をDSPで行う他の
実施例を示したものであって、観測軸方向の方位数mが
4の倍数の場合は図7の構成例に比し、より高速演算可
能とされている。
【0031】すなわち、エンコーダ22からの1回転当
たりNパルスのクロックに同期して得られたX軸方向及
びY軸方向の変位信号(アナログ信号)を同時にデジタ
ル信号に変換し、斯く得られた一組の振動測定値x
(t)、y(t)を余弦値演算部34a及び正弦値演算
部34bに入力してm方位の係数対(cos2πk/m 、sin2
πk/m)を演算し、その演算結果を加算器35a〜35d
に入力し、これら係数対について、夫々の加算器35a
〜35dで加減算して4種類の偏心量Sn(k)を生成する
ことにより、図7の構成に比べて乗算回数は1/4とな
り、高速演算化を図ることができる。
【0032】図9(I)〜(VI)は、上記非繰返し回転
精度測定装置による測定手法の第2の実施例を示した図
であって、本第2の実施例では各々一組の振動測定値x
(t)、y(t)から偏心等回転に同期して生じる回転
同期成分を除去した後、非回転同期成分であるNRRO
値を算出している。
【0033】すなわち、まず図9(I)に示すように、
第1の実施例と同様、内輪9の1回転当たりN組の振動
測定値x(t)、y(t)をR周期分取り込む。次い
で、図9(II)に示すように、各振動測定値x(t)、
y(t)について回転同期成分に起因する同期振動値
x′(t)、y′(t)を算出して同期振動波形を抽出
する。ここで、同期振動値x′(t)、y′(t)は、
振動測定値x(t)、y(t)と内輪9の回転同期パル
スに基づき同位相の信号同士を加算し、斯く加算された
値を周期Rで除算する所謂同期加算をすることにより得
られる。
【0034】そしてこの後、各振動測定値x(t)、y
(t)から同期振動値x′(t)、y′(t)を減算し
て非回転同期振動に起因する非同期振動値x″(t)、
y″(t)を算出し、図9(III)に示すように、非回
転同期成分のみに起因した非同期振動波形を生成する。
【0035】次に、図9(IV)に示すように、各サンプ
ル点における観測軸θ(k)方向の回転振れを外輪4の全
周に亙って算出する。その結果、図9(V)に示すよう
に、時系列に変化するような形でNRRO値の振動波形
曲線が得られる。
【0036】そして最後にこれら各振動波形曲線を重畳
し、NRRO値の最大値を結ぶ曲線C及びNRRO値の
最小値を結ぶ曲線Dを描き、P(k)値中の最大値とそれ
に対応する観測軸方向、すなわち(Pmax 、θmax ) 、
及びP(k)値中の最小値とそれに対応する観測軸方向、
すなわち(Pmin 、θmin ) を算出し、極座標表示等に
より結果を表示する。
【0037】図10(I)〜(IV)は、上記非繰返し回
転精度測定装置による測定手法の第3の実施例を示した
図であって、本第3の実施例では固定輪である外輪4の
有するNRRO値の最大値及び最小値の方向は軸受の形
状誤差等により固有のものであるため、その最大値及び
最小値方向のみに着目してNRRO値の最大値及び最小
値を算出している。
【0038】すなわち、まず図10(I)に示すよう
に、上記第1及び第2の実施例と同様、内輪9の1回転
当たりN個の一組の振動測定値x(t)、y(t)をR
周期分取り込む。次いで、夫々の振動測定値x(t)、
y(t)のデータからL個(但し、LはL<Nとなるよ
うに周波数の分解能等を考慮し、適宜選択する)のデー
タについて高速フーリエ変換(FFT)を行い、図10
(II)に示すように、外輪4の回転振れによるスペクト
ラム振幅X0(f)、Y0(f)を求める。次いで、図1
0(III)に示すように、スペクトラム振幅X0(f)、
0(f)に基づいて観測軸θ(k)方向の回転振れを外輪
4の全周に亙って算出して振動波形曲線Eを生成し、そ
の最大値及び最小値を示す方向、すなわちθmax 、θmi
nを求める。そして最後に図10(IV)(a)、(b)
に示すように、θmax 方向及びθmin方向について上記
第1の実施例と同様の手法でNRRO値の最大値Pmax
及び最小値Pminを求める。
【0039】尚、上記各々実施例では内輪9を回転輪と
し、外輪4を固定輪としているが、内輪9を固定輪と
し、外輪4を回転輪としてもよい。すなわち、図11及
び図12に示すように、内輪2に軸41を内挿して軸4
1の回転振れを測定することもできる。該非繰返し回転
精度測定装置は、凹所が形成された回転支持部材42で
外輪4を掴持すると共に、予圧治具43、防振ゴム4
4、加圧機構45等からなる固定支持部材46で軸41
を固定支持し、かつ一対の振動センサ5a、5bは軸4
1に対して相互に直交する位置に配設されている。この
ように、軸受2を回転させる一方、軸41を固定するこ
とにより、該軸41の振れの非繰返し回転精度を測定す
ることができる。
【0040】さらに、本発明は上記実施例に限定される
ものではなく要旨を逸脱しない範囲での変更可能なこと
はいうまでもない。例えば、上記実施例では軸受の外輪
の変位量に基づいて非繰返し回転精度を測定している
が、速度振幅や加速度振幅に基づいて測定することも可
能である。
【0041】
【発明の効果】以上詳述したように本発明に係る回転体
の非繰返し回転精度測定装置は、被測定物の一方の部位
を固定支持する固定支持手段と、前記被測定物の他方の
部位を回転可能に支持する回転支持手段と、前記固定支
持された一方の部位の相互に直交する位置に配設されて
前記一方の部位の振動を検出する一対の振動検出手段
と、前記回転可能に支持された他方の部位に同期して該
他方の部位の所定回転角度毎に、前記振動検出手段の検
出結果に基づいて一組の振動測定値を取得する振動測定
値取得手段と、前記一組の振動測定値に基づき前記所定
回転角度毎に振動値を算出して前記一方の部位の全周に
亙る前記所定角度位置の振動波形を生成する振動波形生
成手段と、前記振動波形生成手段により得られた振動波
形の変動幅の最大値及び最小値及びその方位を算出する
最大値・最小値算出手段とを具備しているので、被測定
物の非繰返し回転精度の最大値と最小値を得ることがで
き、前記最大値を被測定物の非繰返し回転精度として代
表させることにより、被測定物が所望の構造体に組み込
まれた場合においても非繰返し回転精度の最悪値を予測
することができる。また、被測定物を組み込む構造体の
振れ特性を必要とする方向に前記最小値の方向と合致さ
せることにより、当該構造体の大幅な性能向上を図るこ
とができる。
【0042】さらに、本発明は振動検出手段を固定させ
ると共に、被測定物の一方の部位を固定支持しているの
で、双方を回転させたり、振動検出手段を回転させる必
要もなく、構造が簡素であり、かつ高精度の非繰返し回
転精度を得ることができる。
【0043】また、回転に同期して演算処理を行ってい
るので、極めて高速処理を行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る非繰返し回転精度測定装置の一実
施例を示す正面図である。
【図2】図1のA−A矢視図である。
【図3】上記非繰返し回転精度測定装置による測定手法
の第1の実施例を説明するための図である。
【図4】上記第1の実施例の測定手順を示すフローチャ
ートである。
【図5】最大値曲線Zmax(k)及び最小値曲線Zmin(k)の
一例を示す図である。
【図6】NRRO値の最大値Pmax とその方位kmax、及
びNRRO値の最小値Pmin とその方位kminとの関係の
一例を示している。
【図7】図1の制御部をデジタルシグナルプロセッサ
(DSP)で構成した例を模式的に示した電気回路図で
ある。
【図8】図1の演算部を高速算法で構成した例を模式的
に示した電気回路図である。
【図9】上記非繰返し回転精度測定装置による測定手法
の第2の実施例を説明するための図である。
【図10】上記非繰返し回転精度測定装置による測定手
法の第3の実施例を説明するための図である。
【図11】非繰返し回転精度測定装置の他の実施例を示
す正面図である。
【図12】図11のF−F矢視図である。
【図13】非繰返し回転精度の従来の測定手法を説明す
るための図である。
【図14】軸受の構成要素に対する非繰返し回転精度の
占める割合を示す図である。
【符号の説明】
2 軸受(被測定物) 5a、5b 振動センサ(振動検出手段) 7 制御部(振動測定値取得手段、振動波形生成手段、
最大値・最小値算出手段) 8、46 固定支持部(固定支持手段) 10、42 回転支持部(回転支持手段)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】相対的に回転する少なくとも2個の部位か
    らなる被測定物の非繰返し回転精度を測定する非繰返し
    回転精度測定装置であって、 前記被測定物の一方の部位を固定支持する固定支持手段
    と、 前記被測定物の他方の部位を回転可能に支持する回転支
    持手段と、 前記固定支持された一方の部位の相互に直交する位置に
    配設されて前記一方の部位の振動を検出する一対の振動
    検出手段と、 前記回転可能に支持された他方の部位に同期して該他方
    の部位の所定回転角度毎に、前記振動検出手段の検出結
    果に基づいて一組の振動測定値を取得する振動測定値取
    得手段と、 前記一組の振動測定値に基づき前記所定回転角度毎に前
    記所定角度位置の振動値を算出して前記一方の部位の全
    周に亙る振動波形を生成する振動波形生成手段と、 前記振動波形生成手段により得られた振動波形の変動幅
    の最大値及び最小値とその方位を算出する最大値・最小
    値算出手段とを具備していることを特徴とする非繰返し
    回転精度測定装置。
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