JPH07103462B2 - 酸化アルミニウム保護膜の製造方法および製造装置 - Google Patents

酸化アルミニウム保護膜の製造方法および製造装置

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JPH07103462B2
JPH07103462B2 JP40900590A JP40900590A JPH07103462B2 JP H07103462 B2 JPH07103462 B2 JP H07103462B2 JP 40900590 A JP40900590 A JP 40900590A JP 40900590 A JP40900590 A JP 40900590A JP H07103462 B2 JPH07103462 B2 JP H07103462B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、物体の表面に、良質な
酸化アルミの均一な薄膜を、低い加熱温度で形成し、
酸、アルカリ、ハロゲンガスなどに対する耐食性を大幅
に向上させることのできる酸化アルミニウム保護膜の製
造方法および製造装置に関するものである。
【0002】
【先行技術】物体の表面に、耐食性を有する保護膜を形
成する方法としては、従来、物体の表面に、テフロンの
被膜を形成する方法、陽極酸化法により、アルミニウム
の表面を被覆する方法、スパッタリング法あるいは化学
気相堆積法などにより、耐食性の物質を被覆する方法、
あるいは、トリメチルアルミニウムと水の蒸気を用い
て、酸化アルミの被膜を形成する方法などが知られてい
る。
【0003】
【発明の解決しようとする問題点】しかしながら、テフ
ロンの被膜を形成する場合には、膜厚が大きくなりすぎ
るという欠点があり、陽極酸化法による場合は、被覆す
べき物体が、アルミニウムに限られるという問題があ
り、スパッタリング法あるいは化学気相堆積法などによ
って、耐食性の物質を被覆する場合には、被覆厚が均一
をすることが困難であり、また、陰になる部分は被覆で
きないという問題があり、さらには、トリメチルアルミ
ニウムと水の蒸気を用いて、酸化アルミの被膜を形成す
る場合には、良質な被膜を形成するためには、たとえ
ば、450℃程度にまで、加熱しなければならないとい
う問題があった。
【0004】
【発明の目的】本発明の第1の目的は、物体の形状のい
かんを問わず、物体の表面に、均一で、かつ、膜厚の薄
い酸化アルミ保護膜を、室温でも、形成することのでき
る酸化アルミニウム保護膜の製造方法を提供することを
目的とするものである。本発明の第2の目的は、物体の
形状のいかんを問わず、物体の表面に、均一で、かつ、
膜厚の薄い酸化アルミ保護膜を室温で、形成することの
できる酸化アルミニウム保護膜の製造装置を提供するこ
とを目的とするものである。
【0005】
【発明の構成】本発明者は、本発明のかかる目的を達成
するため、鋭意研究を重ねた結果、過酸化水素の強い酸
化能力に着目し、過酸化水素の蒸気と、トリメチルアル
ミニウム、トリエチルアルミニウム、イソプロプルアル
ミニウムおよびイソブチルアルミニウムからなる群より
選ばれる1または2以上の有機アルミニウム化合物の蒸
気を用いることによって、前記目的が達成されることを
見出した。
【0006】すなわち、本件第1発明によれば、真空容
器内に、保護膜を形成すべき物体をセットし、前記真空
容器内を所定の圧力に減圧した後、過酸化水素蒸気と、
トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、イ
ソプロプルアルミニウムおよびイソブチルアルミニウム
からなる群より選ばれる1または2以上の有機アルミニ
ウム化合物の蒸気を、交互に、少なくとも1回づつ、導
入して、化学反応させることにより、いかなる形状の物
体の表面に、均一で、かつ、膜厚の薄い酸化アルミニウ
ム保護膜を、室温で形成することが可能となり、本発明
の第1の目的が達成されることが見出された。
【0007】また、本件第2発明によれば、保護膜を形
成すべき物体がセットされる真空容器と、該真空容器内
を減圧する真空ポンプと、過酸化水素の蒸気を前記真空
容器内に導入する過酸化水素蒸気導入手段と、トリメチ
ルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、イソプロプ
ルアルミニウムおよびイソブチルアルミニウムからなる
群より選ばれる1または2以上の有機アルミニウム化合
物の蒸気を前記真空容器内に導入する有機アルミニウム
化合物蒸気導入手段と、過酸化水素蒸気導入手段に設け
られた第1電磁弁と、有機アルミニウム化合物蒸気導入
手段に設けられた第2電磁弁と、第1電磁弁および第2
電磁弁の開閉を制御する制御手段を備えた酸化アルミニ
ウム保護膜の製造装置によって、本発明の前記第2の目
的が達成されることが見出された。
【0008】本発明の好ましい実施態様によれば、酸化
アルミニウムの保護膜が形成された物体は、さらに、加
熱処理される。加熱温度は、700℃以上、好ましく
は、800℃以上、さらに好ましくは、900℃以上
で、加熱処理時間は、10分以上である。
【0009】本発明のさらに好ましい実施態様によれ
ば、過酸化水素蒸気と、トリメチルアルミニウム、トリ
エチルアルミニウム、イソプロプルアルミニウムおよび
イソブチルアルミニウムからなる群より選ばれる1また
は2以上の有機アルミニウム化合物蒸気のいずれか一方
を、真空容器内に導入した後、排気がなされ、しかる後
に、他方の蒸気が、真空容器内に導入される。
【0010】本発明において、過酸化水素蒸気、トリメ
チルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、イソプロ
プルアルミニウムおよびイソブチルアルミニウムからな
る群より選ばれる1または2以上の有機アルミニウム化
合物蒸気の導入に先立って、真空容器内を、10-2Pa
以下に減圧し、また、過酸化水素蒸気、または、トリメ
チルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、イソプロ
プルアルミニウムおよびイソブチルアルミニウムからな
る群より選ばれる1または2以上の有機アルミニウム化
合物蒸気の導入によって、真空容器内の圧力が、1Pa
以上になるように、過酸化水素蒸気、または、トリメチ
ルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、イソプロプ
ルアルミニウムおよびイソブチルアルミニウムからなる
群より選ばれる1または2以上の有機アルミニウム化合
物蒸気を導入することが望ましい。
【0011】
【発明の作用】本件第1発明および本件第2発明によれ
ば、室温においても、交互に、真空容器内に導入された
トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、イ
ソプロプルアルミニウムおよびイソブチルアルミニウム
からなる群より選ばれる1または2以上の有機アルミニ
ウム化合物蒸気と、過酸化水素蒸気が、それぞれ、物体
の表面に吸着し、トリメチルアルミニウム、トリエチル
アルミニウム、イソプロプルアルミニウムおよびイソブ
チルアルミニウムからなる群より選ばれる1または2以
上の有機アルミニウム化合物蒸気と過酸化水素蒸気に含
まれる水酸基が、式、、またはに示されるよう
に、反応し、物体の表面に、酸化アルミニウム保護膜が
形成される。
【0012】 2Al2(CH3)6+6H2O2 = 2Al2O3 +12CH4 +3O2 ・・・・・ 4Al(C2H5)3+6H2O2 = 2Al2O3 +12C2H6+3O2 ・・・・・ 4Al(C3H7)3+6H2O2 = 2Al2O3 +12C3H8+3O2 ・・・・・ 4Al(C4H9)3+6H2O2 = 2Al2O3 +12C4H10 +3O2 ・・・・
【0013】また、100℃以上では、さらに、トリメ
チルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、イソプロ
プルアルミニウムおよびイソブチルアルミニウムからな
る群より選ばれる1または2以上の有機アルミニウム化
合物蒸気の熱分解により生成したアルミニウムと過酸化
水素蒸気から放出された活性酸素原子または式、、
またはに示される反応により生成した酸素が、それ
ぞれ、式、式のように反応して、物体の表面に、酸
化アルミニウム保護膜が形成される。
【0014】 2Al +3O* = Al2O3 ・・・・・・・・・・・・・・・・
【0015】 4Al +3O2 = 2Al2O3 ・・・・・・・・・・・・・・・・
【0016】このように形成される酸化アルミニウム保
護膜の膜厚は、単に、トリメチルアルミニウム、トリエ
チルアルミニウム、イソプロプルアルミニウムおよびイ
ソブチルアルミニウムからなる群より選ばれる1または
2以上の有機アルミニウム化合物蒸気と、過酸化水素蒸
気の導入量、すなわち、これらを交互に導入する1サイ
クルにおける導入量あるいは蒸気導入のサイクル数を適
当に選択することによって、容易に制御することができ
るから、所望の厚さの酸化アルミニウム保護膜を物体の
表面に形成することが可能になるし、また、各サイクル
におけるトリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニ
ウム、イソプロプルアルミニウムおよびイソブチルアル
ミニウムからなる群より選ばれる1または2以上の有機
アルミニウム化合物蒸気と、過酸化水素蒸気の導入時間
を制御することにより、トリメチルアルミニウム、トリ
エチルアルミニウム、イソプロプルアルミニウムおよび
イソブチルアルミニウムからなる群より選ばれる1また
は2以上の有機アルミニウム化合物蒸気と、過酸化水素
蒸気の分子が、きわめて微細な間隙にも入り込むように
することができるから、いかなる形状の物体に対して
も、所望のように、酸化アルミニウム保護膜を、原子寸
法レベルで、形成することが可能になる。
【0017】本発明の好ましい実施態様によれば、物体
の表面に形成された酸化アルミニウム保護膜が、サファ
イヤ化して、さらに、耐食性が向上し、ふっ酸溶液にも
腐食されない耐食性をきわめて高い酸化アルミニウム保
護膜を形成することが可能になる。
【0018】
【実施態様】以下、添付図面に基づいて、本発明の実施
態様につき、詳細に説明を加える。
【0019】図1は、本発明の実施態様に係る酸化アル
ミニウム保護膜の製造装置の略正面図である。
【0020】図1において、本発明の実施態様に係る酸
化アルミニウム保護膜の製造装置は、真空容器1、トリ
メチルアルミニウム容器2、過酸化水素容器3を備え、
真空容器1とトリメチルアルミニウム容器2および過酸
化水素容器3とは、それぞれ、たとえば、SUS316
からなる蒸気供給管4、5により連通可能に接続されて
おり、蒸気供給管4、5には、それぞれ、流量制御弁
6、7および電磁弁8、9が設けられている。真空容器
1には、真空ポンプ10が、電磁弁11を介して接続さ
れている。
【0021】12、13、14は、それぞれ、電磁弁
8、9、11のアクチュエータであり、コンピュータ1
5によって制御される電磁弁駆動ユニット16と接続ケ
ーブル17により接続され、所定のタイミングで、それ
ぞれ、電磁弁8、9、11を開閉する。また、図1にお
いて、18は、真空ゲージであり、19は、酸化アルミ
ニウム保護膜を形成すべき物体を保持するホルダーであ
る。
【0022】以上のように構成された本発明の実施態様
に係る酸化アルミニウム保護膜の製造装置によって、物
体の表面に酸化アルミニウム保護膜を形成する場合に
は、まず、酸化アルミニウム保護膜を形成すべき物体
を、真空容器1内にセットする。この場合、物体の形状
により、ホルダー19に物体を保持させても、あるい
は、単に、真空容器1内に、物体を載置するようにして
もよい。
【0023】次いで、電磁弁11が開かれて、真空ポン
プ10によって、真空容器1内を、10-2Pa以下に減
圧する。
【0024】その後、電磁弁8を開き、トリメチルアル
ミニウム蒸気を、真空容器1内の圧力が、1Pa以上に
なるまで、導入し、電磁弁8を、所定時間、開いた状態
で保持する。その結果、図示しない物体の表面に、トリ
メチルアルミニウム蒸気の分子が吸着する。次いで、電
磁弁8を閉じた後、電磁弁11を開いて、真空容器1内
の圧力が、10-2Pa以下になるまで、トリメチルアル
ミニウム蒸気を排気する。
【0025】真空容器1内の圧力が、所定圧力まで低下
したことを真空ゲージ18により検出すると、電磁弁1
1が閉じられて、電磁弁9が開かれ、真空容器1内に、
過酸化水素容器3から、過酸化水素蒸気が導入し、電磁
弁9を、所定時間、開いた状態で保持する。その結果、
図示しない物体の表面に、過酸化水素蒸気の分子が吸着
する。
【0026】ここに、物体の表面には、すでに、トリメ
チルアルミニウム蒸気の分子が吸着しているから、過酸
化水素蒸気の分子の吸着により、第1式に示される化合
反応が生じ、図示しない物体の表面に、酸化アルミニウ
ムの保護膜が形成される。
【0027】また、図示しないヒータにより、真空容器
1内が、100℃以上に加熱されている場合には、トリ
メチルアルミニウム蒸気が熱分解して、さらに、式お
よび式で示される化合反応が生じ、酸化アルミニウム
の保護膜が、図示しない物体の表面に、形成される。
【0028】こうして、酸化アルミニウムの保護膜形成
の1サイクルが終了し、要求される酸化アルミニウムの
保護膜の膜厚に応じて、繰り返される。
【0029】ここに、真空容器1内の圧力、トリメチル
アルミニウム蒸気と過酸化水素蒸気の導入時間を、1サ
イクルで、物体の表面に、1分子層の酸化アルミニウム
の保護膜が吸着されるように制御すると、所望の膜厚の
酸化アルミニウムの保護膜を、容易に、形成することが
でき、望ましい。
【0030】また、トリメチルアルミニウム蒸気と過酸
化水素蒸気の導入時間を制御することにより、トリメチ
ルアルミニウム蒸気および過酸化水素蒸気の分子を、き
わめて微細な間隙にも入り込むようにすることができ、
いかなる形状の物体に対しても、所望のように、酸化ア
ルミニウム保護膜を、原子寸法レベルで、形成すること
が可能になる。
【0031】
【実施例】以下、本発明の効果を、より明確なものとす
るため、実施例を掲げる。
【0032】実施例1 直径150mm、高さ150mmのアルミニウム合金製円筒
容器内に、アセトン、メタノール、純水の順で、超音波
洗浄し、乾燥窒素を用いて、乾燥させたSUS304か
らなるステンレスピンセットを、真空容器内にセット
し、150リットル/秒の真空ポンプを用いて、室温
で、酸化アルミニウム保護膜を形成した。
【0033】まず、真空ポンプにより、真空容器内を、
6×10-3Paにまで減圧し、その後、トリメチルアル
ミニウム蒸気を0.5秒間導入して、真空容器内の圧力
を、2Paに上昇させた後、真空ポンプにより、2秒
間、排気して、真空容器内の圧力を、6×10-3Paに
まで減圧し、さらに、過酸化水素蒸気を0.5秒間導入
して、真空容器内の圧力を、2Paに上昇させ、その
後、3秒間、排気するサイクルを、繰り返したところ、
1分間に、最大10サイクルの保護膜形成がなし得るこ
とが判明した。
【0034】図2は、真空容器内の圧力変化を示すグラ
フであり、図3は、形成された酸化アルミニウム保護膜
の膜厚とサイクル数との関係を示すグラフである。図3
より、1サイクルで、0.113nmの酸化アルミニウム
保護膜が形成され、1000サイクル繰り返したとこ
ろ、ピンセット表面に、113nmの酸化アルミニウム保
護膜が形成されたことが判明した。
【0035】こうして、酸化アルミニウム保護膜が形成
されたピンセットを、36重量%の塩酸溶液中に、4時
間、浸して、その耐食性を調べたところ、気泡の発生
は、全く認められず、ステンレス鋼の耐食性が大幅に向
上したことが判明した。
【0036】また、酸化アルミニウム保護膜が形成され
たピンセットを、950℃の電気炉内で、15分間加熱
処理し、47重量%のふっ酸溶液中に、30分浸し、取
り出した後、目視で表面を観察したところ、膜厚の変化
は全く認められず、ふっ酸に対する耐食性もまた、大幅
に向上することが見出された。これは、加熱処理によ
り、形成された酸化アルミニウム保護膜がサファイヤ化
するためと考えられる。
【0037】実施例2
【0038】実施例1と同一の真空容器内に、アセト
ン、メタノール、純水の順で、超音波洗浄し、乾燥窒素
を用いて、乾燥させた(100)面方位のガリウム砒素
基板をセットし、実施例と1と全く同様にして、減圧、
トリメチルアルミニウム蒸気の導入、排気、過酸化水素
蒸気の導入、排気のサイクルを、1000サイクル繰り
返したところ、ガリウム砒素基板の表面に、113nmの
酸化アルミニウム保護膜が形成された。
【0039】このようにして、酸化アルミニウム保護膜
が形成された基板よりなる4つのサンプルをつくり、5
重量%、10重量%、30重量%および80重量%の硫
酸溶液に、それぞれ、13時間、浸し、表面段差計によ
り、エッチングステップを測定したところ、いずれも、
硫酸溶液によるエッチング量は、検出限界である1nm以
下であることが判明した。このことは、形成された酸化
アルミニウム保護膜が、硫酸溶液に対しても、優れた耐
食性を有し、ガリウム砒素の選択エッチング用マスクと
して、使用し得ることを示している。
【0040】実施例3
【0041】実施例1と同一の真空容器内に、アセト
ン、メタノール、純水の順で、超音波洗浄し、乾燥窒素
を用いて、乾燥させた1mm×1cm×1cmの銅板をセット
し、実施例と1と全く同様にして、減圧、トリメチルア
ルミニウム蒸気の導入、排気、過酸化水素蒸気の導入、
排気のサイクルを、1000サイクル繰り返したとこ
ろ、銅板の表面に、113nmの酸化アルミニウム保護膜
が形成された。
【0042】このようにして形成された酸化アルミニウ
ム保護膜上に、真空蒸着法により、直径500μmの銀
電極を形成し、銅板と銀電極との間に、電圧を印加し
て、酸化アルミニウム保護膜を通る電流を測定し、この
測定結果に基づき、電気強度および電界強度を求めたと
ころ、得られた酸化アルミニウム保護膜は、2×1016
の電気抵抗率および6.6MV/cmの電界強度を有してい
ることが判明した。このことは、得られた酸化アルミニ
ウム保護膜が、優れた電気絶縁性を備え、電気的にも、
優れた耐食性を有していることを示している。
【0043】実施例4
【0044】実施例1と同一の真空容器内に、アセト
ン、メタノール、純水の順で、超音波洗浄し、乾燥窒素
を用いて、乾燥させた実験用ガラスビーカーをセット
し、実施例と1と全く同様にして、減圧、トリメチルア
ルミニウム蒸気の導入、排気、過酸化水素蒸気の導入、
排気のサイクルを、1000サイクル繰り返したとこ
ろ、ガラスビーカーの表面に、113nmの酸化アルミニ
ウム保護膜が形成された。
【0045】こうして、酸化アルミニウム保護膜が形成
されたガラスビーカーを、950℃の電気炉内で、15
分間加熱処理して、47重量%のふっ酸溶液中に、30
分浸し、取り出した後、目視により、表面を観察したと
ころ、膜厚の変化は全く認められず、また、ガラスビー
カーの透明度も、肉眼では、ほとんど変化がなく、透明
度を損なうことなく、ふっ酸に対する耐食性を、大幅に
向上させることができることがわかった。
【0046】本発明は、以上の実施態様、実施例に限定
されることなく、特許請求の範囲に記載された発明の範
囲内において、種々の変更が可能であり、それらも本発
明の範囲内に包含されるものであることは言うまでもな
い。
【0047】たとえば、前記実施態様および実施例にお
いては、まず、トリメチルアルミニウム蒸気を真空容器
内に導入し、次いで、過酸化水素蒸気を導入している
が、逆に、まず、過酸化水素蒸気を導入し、次いで、ト
リメチルアルミニウム蒸気を真空容器内に導入するよう
にしてもよい。
【0048】また、前記実施態様および実施例において
は、トリメチルアルミニウム蒸気および過酸化水素蒸気
を導入した後、それぞれ、排気しているが、排気に代え
て、窒素ガス、アルゴンなどの不活性ガスにより、トリ
メチルアルミニウム蒸気、過酸化水素蒸気と置換するよ
うにしてもよい。
【0049】さらに、前記実施態様および実施例におい
ては、有機アルミニウム化合物蒸気として、トリメチル
アルミニウム蒸気を用いた例を示しているが、トリメチ
ルアルミニウム蒸気に代えて、トリメチルアルミニウ
ム、トリエチルアルミニウム、イソプロプルアルミニウ
ムおよびイソブチルアルミニウムからなる群より選ばれ
る1または2以上の有機アルミニウム化合物蒸気を用い
てもよい。
【0050】
【発明の効果】本発明によれば、物体の形状のいかんを
問わず、物体の表面に、均一で、かつ、膜厚の薄い酸化
アルミ保護膜を室温で、形成することのできる酸化アル
ミ保護膜の製造方法および製造装置を提供することが可
能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の実施態様に係る酸化アルミ保
護膜の製造装置の略正面図である。
【図2】図2は、真空容器内の圧力変化を示すグラフで
ある。
【図3】図3は、形成された酸化アルミニウム保護膜の
膜厚とサイクル数との関係を示したものである。
【符号の説明】
1 真空容器 2 トリメチルアルミニウム容器 3 過酸化水素容器 4、5 蒸気供給管 6、7 流量制御弁 8、9、11 電磁弁 10 真空ポンプ 12、13、14 電磁弁のアクチュエータ 15 コンピュータ 16 電磁弁駆動ユニット 17 接続ケーブル 18 真空ゲージ 19 ホルダー

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 真空容器内に、保護膜を形成すべき物体
    をセットし、前記真空容器内を所定の圧力以下に減圧し
    た後、過酸化水素の蒸気と、トリメチルアルミニウム、
    トリエチルアルミニウム、イソプロプルアルミニウムお
    よびイソブチルアルミニウムからなる群より選ばれる1
    または2以上の有機アルミニウム化合物蒸気を、交互
    に、少なくとも1回づつ、導入して、化学反応させるこ
    とにより、酸化アルミニウム保護膜を形成することを特
    徴とする酸化アルミニウム保護膜の製造方法。
  2. 【請求項2】 保護膜を形成すべき物体がセットされる
    真空容器と、該真空容器内を所定圧力以下に減圧する真
    空ポンプと、過酸化水素の蒸気を前記真空容器内に導入
    する過酸化水素蒸気導入手段と,トリメチルアルミニウ
    ム、トリエチルアルミニウム、イソプロプルアルミニウ
    ムおよびイソブチルアルミニウムからなる群より選ばれ
    る1または2以上の有機アルミニウム化合物の蒸気を前
    記真空容器内に導入する有機アルミニウム化合物蒸気導
    入手段と、それぞれ、前記過酸化水素蒸気導入手段に設
    けられた第1電磁弁と、前記有機アルミニウム化合物蒸
    気導入手段に設けられた第2電磁弁と、前記第1電磁弁
    および前記第2電磁弁の開閉を制御する制御手段を備え
    たことを特徴とする酸化アルミニウム保護膜の製造装
    置。
  3. 【請求項3】 さらに、酸化アルミニウム保護膜が形成
    された前記物体を加熱処理することを特徴とする請求項
    1に記載の酸化アルミニウム保護膜の製造方法。
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