JPH07103226B2 - 導電性フイルムの製造方法 - Google Patents

導電性フイルムの製造方法

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JPH07103226B2
JPH07103226B2 JP2438887A JP2438887A JPH07103226B2 JP H07103226 B2 JPH07103226 B2 JP H07103226B2 JP 2438887 A JP2438887 A JP 2438887A JP 2438887 A JP2438887 A JP 2438887A JP H07103226 B2 JPH07103226 B2 JP H07103226B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は導電性フィルムの製造方法に関し、更に詳しく
は、気相重合法を用いて触媒を含有する高分子フィルム
を導電化する改良された製造方法を提供するものであ
る。
〔従来の技術〕
複素環化合物、たとえばピロールを酸化剤等の重合触媒
を含有する基材や高分子と気相で接触させることによ
り、樹脂の表面および内部にポリピロールが生成し、重
合触媒の種類によっては触媒成分自体がドーパントして
作用して、高い導電性が得られることが知られている。
(特開昭61-157522号公報、及び吉野勝美等の報告;Japa
nese Journal of Applied Physics,vol.23,No.12p.L899
〜L900(1984)参照) 〔発明が解決しようとする問題点〕 しかしながらこの気相重合による方法は、本質的にドラ
イ処理である為フィルムの後処理等が簡単であり、ま
た、ガス分圧のコントロール等により、より規則的な構
造の重合体の生成が可能で、透明性を有する複合導電性
フィルムが得られやすいという特徴とする。その反面、
溶液反応と異なって反応に要する時間がかかりすぎ、又
反応の再現性、コントロールが困難であるという問題点
があり、商業的に導電性フィルムを製造することがむず
かしかった。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、気相
重合法の利点を損うことなく、反応の効率化、すなわち
スピードアップと、反応の安定性・再現性を改良した複
合導電性フィルムを提供することを目的とする。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明は、重合触媒を含有する樹脂フィルムに、重合し
て導電性を発現するモノマーを含むガスを拡散接触させ
てフィルム表面、及びその内部に導電性重合体を生成さ
せるにあたって、反応系内のガス温度T1より少なくとも
5℃低い温度で、かつ反応系内ガスの露点以上に保つこ
とにより解決した。
本発明において、樹脂に重合触媒を含有させる方法には
特に制限はなく、重合触媒の安定性,溶解性に対応し
て、熱溶融混練方法,重合触媒が溶解した溶媒した樹脂
を溶解させて溶液とした後フィルム化する方法、重合触
媒を溶解した溶媒に樹脂の粉末あるいは粒子を混合分散
させた後溶媒を除去する、あるいは同時に熱・圧を加え
てフィルム化固定する方法,樹脂の不織布あるいは微多
孔体に、溶媒に溶解した重合触媒を塗布・乾燥する、あ
るいはその後熱プレスして固定化する等各種の方法を採
用することが可能である。
本発明で用いる樹脂としては、重合触媒を担持できるも
のであれば特に限定されないが、モノマーガスが浸透・
拡散しやすいものが好ましく、ポリビニルアルコール,
ポリ酢酸ビニル,エチレン−酢酸ビニル,共重合体ポリ
ビニルブチラール,ポリウレタン,ポリメチルメタクリ
レート樹脂等があげられる。
本発明で用いる重合して導電性を発現するモノマーとし
ては、導電状態(重合状態)で安定であること、樹脂中
の重合触媒をそのままドーパントとして取り込む事が望
ましく、複素環化合物またはその誘導体,アニリン,ま
たはその誘導体の1もしくは2以上の化合物である。
化合物としては、ピロール及び置換されたピロール,例
えばN−アルキルピロール,N−アリールピロール,3位で
置換されたモノアルキルピロールおよびモノハロゲン化
ピロール,3位および4位で置換されたジアルキルピロー
ルおよびジハロゲン化ピロール,チオフェン,置換され
たチオフェン,例えば3位で置換されたモノアルキルチ
オフェンおよびモノハロゲン化チオフェン,3位および4
位で置換されたジアルキルチオフェンおよびジハロゲン
化チオフェン,アニリン並びにその誘導体,例えば,N−
アルキルアニリン,N−ジアルキルアニリン,ハロゲン化
アニリン,ジハロゲン化アニリン,ハロゲン化−N−ア
ルキルアニリン,ハロゲン化−N−ジアルキルアニリ
ン,ジハロゲン化−N−アセチルアニリン,フェニレン
ジアミンおよびその置換体であるN−アルキルフェニレ
ンジアミン,N,N′−ジアルキルフェニレンジアミン,N,
N′−ジアルキルフェニレンジアミンがあげられ、上記
化合物の1種または2種以上を組みあわせて用いること
ができる。
本発明では気相で上記化合物を適用する為、上記化合物
の蒸気を単独で導入する場合と、窒素あるいはアルゴ
ン,ヘリウム等の不活性ガスを上記化合物のキャリヤー
として用いる場合があるが、上記化合物の蒸気圧は一般
に低い事,反応ガスの温度を均一にコントロールするこ
とから全体のガス圧を常圧に近く保つことがよく、キャ
リヤーガスを用いて重合反応に必要な化合物量をコント
ロールするのが良い。なお、モノマー及びキャリヤーガ
ス以外に、反応を促進あるいはコントロールする為に少
量の水蒸気,酸素,あるいは他のガス成分を導入するこ
とは特に制限されないが、ガスの露点が大巾に上昇する
点で注意を要する。
本発明で用いる重合触媒は、反応後それ自身がドーパン
トとして作用するものが望ましく、塩化第二鉄,塩化第
二銅,塩化モリブデン,塩化ルテニウムなどの金属塩,
二酸化鉛のごときペルオクソ塩,ベンゾキノンのごとき
キノン類,塩化ベンゼンジアゾニウムのごときジアゾニ
ウム塩,フェリシアン化カリウム,ヘキサクロロ白金
(IV)酸等があげられる。
T1がT2より低いか、又は温度差がない場合、フィルム表
面へのモノマーガスの接触・吸着が不安定となり、反応
を効率的に進める事は困難である。又、フィルム温度が
反応ガスの露点以下とした場合には、モノマーがフィル
ム表面に結露する現象が発生する。この場合反応は液相
反応となり、激しくかつ短時間で進行するが、生成する
導電性重合体の規則性が副反応等の為に少なくなり、結
果的に低い導電率のものしか得られない。又結露の発生
によりミクロ的に不均一な反応となり得られたフィルム
は表面があれた,不透明なものとなる。更に製造したフ
ィルムを巻き取る為にはフィルムを再加熱して結露した
モノマーをフィルムから除去させる操作が必要となる。
一般にピロール等の複素環化合物は比重が大きく容器の
底に沈降する傾向がある為、連続的な重合を期待しない
実験室的な方法では、反応ガスが充満した容器の底部に
重合触媒を含有する樹脂フィルムを上面にして放置する
ことでも気相反応による導電性重合体の生成は可能であ
るが、本発明の目的とする商業的うなわち連続的な製造
には、反応ガス温度としてフィルム温度を一定の温度範
囲で制御することが不可欠となるのである。
本発明においては、重合はロール状またはプレート状の
治具に被処理フィルムが密着保持された状態で行なわれ
る為基本的には片面側で行なわれ、両面を処理する為に
は同じ様な治具を更に加えてフィルムを反転させること
で可能となるが、ガスにさらされてない面は電気絶縁性
を維持しているので、重合触媒を含まない基体に重合触
媒を含む樹脂を複合した場合はもちろん、単体であって
も表裏の物性が異なる複合導電性フィルムの製造が可能
となる。
〔作用〕
反応系内のモノマーを含むガスの温度と重合触媒を含む
合成樹脂被処理フィルムとに、一定範囲の温度差が設け
た状態で重合させるので、反応が効率的にかつ安定して
進行した。
〈実施例〉 片面を低温プラズマ処理(空気プラズマ)した、2軸延
伸ポリエステルフィルム(厚さ25μ)上に、ポリビニル
アルコール(GL-05;日本合成化学工業製)に塩化第二鉄
・6水和物を20wt%含有した水溶液を2〜3μ厚にコー
ティングして乾燥し、巾300mmの被処理フィルムを得
た。この被処理フィルムを第1図に示す装置を用いて、
反応させ導電性フィルムを得た。以下にその条件、及び
結果を表1に示す。また同時に本発明によらない条件の
もとでも比較例として同様に反応を行ないその結果を表
1に示す。なお反応ガスはN2をキャリヤーとしてピロー
ルを用いた。
第1図に示した装置における反応について説明する。上
記重合触媒を含有する層を有する被処理フィルム1は、
反応室Bと基本的に分離された巻取り・巻出し部Aから
スリット部2aを通り、反応室Bに入り、温度制御可能な
ロール3に抱かれる状態で、ガスコントロール室Cより
導電性を発現するモノマーを含むガスを接触させて、フ
ィルムの表面および内部に導電性重合体を生成させた
後、スリット部2bを通って巻取る。
反応ガスは、導入口5からガスコントロール室Cに導入
され、ガスコントロール室6内の拡散用ファン6,および
熱交換器7により、温度を一定にし、反応室Bに送られ
る。そして、反応室Bからガスコントロール室Cへと循
環し、一部は排出口8から、モノマートラップ9を通し
て排出される。
この装置のガスコントロール室Cには、ガス温度センサ
ー10および巻取り,巻出し部Aには、ロール3の温度を
測定する温度センサー11を設け、温度を測定し、ガス温
度T1とロール温度T2とが、T1‐T2≧5℃の関係で、か
つ、T2が反応ガスの露点以上となるようにする。
〔発明の効果〕 以上詳細に説明し、又試験例で示した様に、本発明によ
れば従来の方法にくらべて短時間で均一にかつ高い導電
率を有する複合導電性フィルムが得られる。
本発明の装置はガス圧として常圧ないし若干の減圧を用
いるが、フィルム温度とガス温度を別々のゾーンで独立
して制御する為温度のバラツキも少なく、結果として均
一な気相反応が可能となった。
本発明の方法及び装置を用いれば導電性フィルムを連続
的にかつ安定して短時間で製造することが可能であり、
商業上の利点は極めて大きい。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の実施例に用いた装置を示す説明図であ
る。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ガスの導入・排出可能な密閉容器中で、重
    合触媒を含有する樹脂フィルムに、重合して導電性を発
    現するモノマーを含むガスを拡散接触させてフィルム表
    面及びその内部に導電性重合体を生成させるにあたっ
    て、反応系内のガス温度T1と被処理樹脂フィルムの温度
    T2を、T2がT1より少なくとも5℃低い温度で、かつ反応
    系内ガスの露点温度以上に保つことを特徴とする導電性
    フィルムの製造方法。
JP2438887A 1987-02-04 1987-02-04 導電性フイルムの製造方法 Expired - Lifetime JPH07103226B2 (ja)

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GB0713304D0 (en) * 2007-07-09 2007-08-22 Imp Innovations Ltd Highly conductive and stable transparent conducting polymer films
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