JPH07102962B2 - 改質装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は複数個の反応管の均一加熱と装置の小型化を
はかった改質装置に関するものである。

〔従来の技術〕

第２図は例えば特開昭60−103001号公報に示された従来
の改質装置を示す断面図である。第２図（Ａ），（Ｂ）
において、（１）は改質炉容器、（２）は充てん材層加
熱部、（３）は二重触媒管の外管、（４）は耐火材、
（５）は排ガスダクト、（６）は二重触媒管の内管、
（７）は反応管を加熱するためのバーナ、（８）は燃焼
用空気を供給する空気箱、（９）はバーナから出た炎を
消炎し、かつ高温ガスを均一な流れにするための消炎整
流格子、（10）は充てん材を保持する網目状板、（11）
は燃焼空間である。また第３図において、（18）は外管
（３）の間に満されている融点が1000℃以上で５〜10^mm
ψの寸法の充てん材である。

次に動作について説明する。

第２図に示す燃焼用空気箱（８）に供給された空気はバ
ーナ（７）より噴射される燃料によって燃焼空間（11）
にて燃焼する。

一部不均一となり長くのびた火災は、消炎整流格子
（９）により消炎される。燃焼ガスは整流された後180
゜方向を変え充てん材層加熱部（２）へ向う。

充てん材層加熱部（２）では充てん材（18）のため、燃
焼ガスのガス流速が上昇し、良好かつ均一な熱伝達が確
保される。

燃焼ガスは網目状板（10）を通過後、排出ダクト（５）
より排出される。燃焼空間（11）は耐火材（４）にて囲
まれており、消炎整流格子（９）および二重触媒管頂部
をおおう充てん材（18）のために二重触媒管が直接火炎
にさらされない。

〔発明が解決しようとする課題〕

従来の改質装置は以上のように構成されており、装置の
中央に１個のバーナ（７）を設置しているため、燃焼空
間（11）が広くなり、装置全体の外径寸法が大きくなっ
ていた。又、火炎が充てん材（18）に直接接触しないよ
うにするためと、燃焼ガス通路とするための耐火材
（４）が必要となっていた。更に、消炎整流格子（９）
を通過した燃焼ガスが、充てん材（18）の中を通過する
時、充てん材（18）の充てん状況により各反応管近傍を
流れる燃焼ガス流量が不均一になる可能性がある。その
ため、各反応管はかならずしも均一に加熱されない。ま
たガス流路全体にガスが均一に流れるように充てん材の
充てん方法を調整するのが困難である。

この発明は上記のような問題点を解消するためになされ
たもので、装置全体を小型化するとともに反応管の熱負
荷を均一にする装置を得ることを目的とする。

〔課題を解決するための手段〕

この発明に係る改質装置は、改質器の炉体内に複数配設
された内管、中間管、外管から成る環状の反応管と、環
状の反応管の内管と燃焼空間を介して相対して対で配設
され、燃料ガスを燃焼させるバーナと、環状の反応管の
内管内を燃焼ガス流路として流通するバーナにより燃焼
された燃焼ガスを排出する排ガスダクトとを設けたもの
である。

〔作用〕

この発明における改質装置は、環状の反応管の内管と燃
焼空間を介して相対して対で配設され、燃料ガスを燃焼
させるバーナにより、燃焼された燃焼ガスを環状の反応
管の内管内を燃焼ガス流路として流通させ、その燃焼ガ
スを排ガスダクトから排出することにより、各反応管の
熱負荷を均一にできる。

〔発明の実施例〕

以下、この発明の一実施例を図について説明する。

第１図において、（21）は改質器の炉体、（22）は放熱
防止用の断熱材、（23）は環状の反応管であり、内管
（24）、中間管（25）、外管（26）からなり、内管（2
4）と中間管（25）との間、中間管（25）と外管（26）
との間の環状の空間には従来装置における二重触媒管に
充てんされた触媒と同様な触媒が充てんされ、環状の触
媒層が構成される。（27）は、バーナノズル（27a）を
複数個集合したバーナであり、環状の反応管（23）の内
管（24）と後述する燃焼空間（32）を介して相対して対
で配置されている。（28）は燃料箱、（29）は空気箱、
（30）は環状の反応管（23）の内管（24）内に挿着され
た充てん材、（31）は充てん材（30）を保持する金鋼、
（32）は燃焼空間、（33）はバーナ（27）で燃料ガスが
燃焼され、その燃焼ガスが環状の反応管（23）の内管
（24）内を燃焼ガス流路として流通した燃焼ガスを排出
する排ガスダクトである。（34）はバーナノズル（27
a）の火炎である。（35）はバーナ（27）に点火するた
めのパイロットバーナである。

燃焼箱（28）に供給された燃料ガスは、バーナノズル
（27a）を通り、空気箱（29）から供給される空気と混
合されパイロットバーナ（34）により点火されて燃焼空
間（32）で燃焼する。この時バーナノズル（27a）は細
いパイプを使用することで火炎（34）を短くする。この
バーナノズル（27a）を複数個集合させて１つのバーナ
（27）を形成する。前述のバーナ（27）は環状反応管
（23）と１対となるように配置してある。

前述のバーナ（27）で燃焼した高温の燃焼ガスは環状反
応管（23）の内管（24）内の充てん材（30）中を通り、
上部の排ガスダクト（33）へ流れる。この時、高温の燃
焼ガスが内管（24）および充てん材（30）を加熱する。
充てん材（30）が加熱されると内管（24）の伝熱が促進
される。ところで、炉体（21）の上部からその炉体（2
1）内に導入される炭化水素系原料は、反応管（23）の
内管（24）と中間管（25）との間の触媒層に上方から下
方へ流通し、中間管（25）の下端から流通方向を反転し
て中間管（25）と外管（26）との間の触媒層を上方に流
通するが反応管（23）内を流通する過程で内管（24）か
らの伝熱により、改質反応され水素リッチガスが生成さ
れる。このように、炭化水素系原料が反応管（23）の内
管（24）と中間管（25）との間の触媒層を通過すると
き、内管（24）の内周部に充てんされた充てん材（30）
を通過する燃焼ガスからの伝熱並びに充てん材（30）か
らの伝熱により反応管（23）内の反応が促進され、水素
リッチガスが得られる。このとき、燃焼ガスの熱は内管
（23）を介して炭化水素系原料に効率良く伝熱させるこ
とができる。また、燃焼ガスは内管（24）の内周部を通
るので、炉体（21）からの放熱を減少させることがで
き、さらに、内管（23）は炉体（21）の断熱材（22）か
らの輻射熱等により加熱されることがなく、内管（24）
の内周部を通る燃焼ガスのみで加熱されるので、反応管
（23）を均一に加熱できると共に長寿命化も図れる。

このような動作状態において、バーナ（27）で燃焼した
火災（34）は短いため、反応管（23）先端とバーナ（2
7）の間の燃焼空間（32）を狭くしても火炎が反応管（2
3）に直接接触することがない。

反応管（23）とバーナ（27）が対になっているため、１
つのバーナ（27）で燃焼した高温ガスは対になっている
１つの反応管（23）に供給される。従って反応管（23）
とバーナ（27）の組合せが複数個あっても、各反応管
（23）に流れる高温ガスの流量は均一であり管壁は均一
に加熱される。

上記実施例では反応管を上部に、バーナを下部に配置し
た場合を説明したが、反応管を下部に、バーナを上部に
配置しても上記実施例と同様の効果を奏する。

〔発明の効果〕

以上のように、この発明によれば、改質器の炉体内に複
数配設された内管、中間管、外管から成る環状の反応管
と、環状の反応管の内管と燃焼空間を介して相対して対
で配設され、燃料ガスを燃焼させるバーナと、環状の反
応管の内管内を燃焼ガス流路として流通するバーナによ
り燃焼された燃焼ガスを排出する排ガスダクトとを設け
たので、装置の小型化が可能となるとともに、各反応管
の均一加熱も可能となった。

【図面の簡単な説明】

第１図は、この発明の一実施例による改質装置の断面側
面図、第２図（Ａ），（Ｂ）は、従来の改質装置の断面
側面図と断面平面図、第３図は第２図の反応管先端部の
拡大図である。 図において（27）はバーナ、（23）は反応管である。 尚、図中、同一符号は同一、又は相当部分を示す。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】炭化水素系原料を水蒸気改質法により水素
   リッチガスに改質する改質装置において、改質器の炉体
   内に複数配設された内管、中間管、外管から成る環状の
   反応管と、上記環状の反応管の内管と燃焼空間を介して
   相対して対で配設され、燃料ガスを燃焼させるバーナ
   と、上記環状の反応管の内管内を燃焼ガス流路として流
   通する上記バーナにより燃焼された燃焼ガスを排出する
   排ガスダクトとを設けたことを特徴とする改質装置。