JPH07101981A - α−L−アスパルチル−L−フェニルアラニンメチルエステルの製造法 - Google Patents

α−L−アスパルチル−L−フェニルアラニンメチルエステルの製造法

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JPH07101981A
JPH07101981A JP4208144A JP20814492A JPH07101981A JP H07101981 A JPH07101981 A JP H07101981A JP 4208144 A JP4208144 A JP 4208144A JP 20814492 A JP20814492 A JP 20814492A JP H07101981 A JPH07101981 A JP H07101981A
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methyl ester
aspartyl
phenylalanine methyl
water
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JP4208144A
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Soku Choi Kun
ソク チョイ クン
Kwon Juu Dae
クウォン ジュー ダエ
Suu Han Min
スー ハン ミン
Nam Howaan I
ナム ホワァン イ
Hong Kyu Choi
キュー チョイ ホン
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Daesang Corp
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Miwon Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 α−L−アスパルチル−L−フェニルアラニ
ンメチルエステルを高収率にて大きなスケールで製造す
ることを可能とする。 【構成】 メタノールを連続的に供給してエステル化中
に副生される水を留去しながらL−フェニルアラニンと
メタノールとを反応させ、メタノール性塩基で中和した
後水非混和性の溶媒を添加すること、得られたPMとF
−Asp=0とをカップリングさせること、並びに濃塩
酸/水中にてα−FAPMからホルミル基を脱離して得
られたα−APM・HClを結晶化して濾別した後、母
液を濃縮してメタノール及び濃塩酸を添加し、さらにα
−APM・HClを結晶化して濾別・回収することから
なる、α−APMの強酸塩の製造法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、α−L−アスパルチル
−L−フェニルアラニンメチルエステルを高収率にて大
きなスケールで製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】α−L−アスパルチル−L−フェニルア
ラニンメチルエステル(以下、α−APMと略す)は、
砂糖に比べて約200倍の甘味を有する甘味料である。
該化合物の製造法は、多くのものがすでに公知となって
いる。例えば、米国特許第3,786,039号は、α
−APMの製造において、特定の有機溶媒存在下でN−
保護−L−アスパラギン酸無水物及びL−フェニルアラ
ニンの低級アルキルエステルの使用を開示している。米
国特許第4,684,745号及び第4,071,51
1号は、N−ホルミル−α−L−アスパルチル−L−フ
ェニルアラニンメチルエステル(以下、α−FAPMと
略す)の製造におけるN−ホルミル−アスパラギン酸無
水物とL−フェニルアラニンメチルエステル(以下、P
Mと略す)の使用、及び最終生成物α−L−アスパルチ
ル−L−フェニルアラニンメチルエステルを塩酸塩とし
て(以下、α−APM・HClと略す)回収する方法を
開示している。
【0003】PMの合成方法は周知であり、例えば、米
国特許第4,680,403号及び第3,492,13
1号は、エステル化の触媒としてそれぞれ硫酸及び塩酸
の使用を開示している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、高収率にて
大きなスケールでα−APMを製造する方法を提供する
ことを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、エステル化に
よるPMの製造法、並びにα−FAPMの脱保護及びα
−APMの回収を含むα−APMの製造方法を包含す
る。
【0006】エステル化によるPMの製造に当っては水
が副生し反応は平衡に達するので、収率には限度があ
り、しかも、反応が完了するまでには長時間を要する。
【0007】本発明は、強酸例えば硫酸を添加し且つメ
タノールを反応容器に連続的に供給して反応中に副生す
る水を共沸留去するPMの製造方法を含む。生成するエ
ステル、すなわちPMは硫酸を含んでいるので、中和す
る必要がある。しかしながら、PMは塩基性条件下では
かなり不安定なので、中和過程で加水分解を受け収率が
低下する。本発明は、それゆえに水性塩基の代わりにメ
タノール性塩基を添加して中和する方法を包含し、それ
により中和時のPMの加水分解を無視し得るものにす
る。
【0008】本発明は、N−ホルミル−L−アスパラギ
ン酸無水物(以下、F−Asp=0と略す)とPMとを
反応させた後、濃塩酸と接触させて保護基を脱離し、得
られるα−APM・HCl結晶を回収し、母液を濃縮し
て母液中のα−L−アスパルチル−L−フェニルアラニ
ン(以下、α−APと略す)の濃度を調整し、該濃縮液
にメタノールを添加してα−APMを生成せしめ、続い
てα−APM・HClを結晶化し、濾過して回収する方
法を包含する。このようにして調製されたα−APM・
HClを常法に従って炭酸ナトリウム等のアルカリで中
和することにより、容易にα−APMを得ることができ
る。
【0009】本発明をPMの製造方法、カップリング反
応、脱保護及び回収の3段階に分けて、さらに詳しく説
明する。
【0010】1.PMの製造方法 米国特許第3,833,553号及び第3,492,1
31号は、PM・HClを調製して、水溶液中で該塩を
中和し、水に混合しない有機溶媒でPMを抽出すること
により、PMを合成する方法を開示している。
【0011】米国特許第4,680,403号は、PM
・H2 SO4 を調製し、水溶液中で該塩を中和して、水
と混合しない溶媒でPMを抽出することにより、PMを
合成する方法を開示している。
【0012】しかしながら、上記の先行技術には、次に
示す3つの不利な点がある。
【0013】(1)エステル化には長い時間を要し、且
つ反応中に副生する水のために収率が低い。
【0014】(2)PM塩の中和時に、相当量のPMの
加水分解は避けられない。
【0015】(3)抽出溶媒としてトルエンを使用する
と、トルエンの流出のために環境汚染を引き起こす可能
性がある。
【0016】本発明の方法は、水を除去し、且つメタノ
ール性塩基 ( methanolic base )でPM塩を中和すると
いう新規な方法を包含するので、反応時間が短縮される
のみならず、高収率をも維持することができる。
【0017】第1に本発明は、L−フェニルアラニンと
メタノールとを、強酸の存在下に、メタノールと共に水
を留去し得るように温度を十分高く保ちながら、連続的
に無水メタノールを供給して水を除去しながらエステル
化反応させることを特徴とするPM強酸塩の製造法を提
供する。温度は、反応温度である70〜90℃に維持す
るのが好ましい。本発明者らは、反応物の組成が異なる
と沸点が変化し、連続的に供給したメタノールにより副
生水を除去することが可能となることを見出だした。好
ましい態様では1モルのL−フェニルアラニン、1〜2
モルのH2 SO4 及びメタノール200〜1000mlを
反応容器に入れ、温度が反応温度に達してすぐ好ましく
は500〜2000mlのメタノールを連続的に供給し
て、該反応容器からメタノール及び水を留去する。例え
ば1モルのL−フェニルアラニンにH2 SO4 2モル及
びメタノール300mlを添加し、温度が反応温度に達し
た時メタノール500〜2000mlを連続的に供給して
反応を行わせたときの蒸留凝縮されたメタノール中の水
分含量及びPM収率、並びに反応容器中にメタノールを
連続的に供給しなかったときのPM収率を反応時間の経
過とともに測定し、その得られた値を表1に示す。ま
た、表1に示した値をプロットしてグラフにしたものを
図1に示す。
【0018】
【表1】 反応時間 PM収率(%) PM収率(%) MeOH中の (時間) (MeOH添加) (MeOH非添加) 水分含量(% ) 0 0 0 4.5 0.5 1.0 75 70 2.4 1.5 90 85 1.2 2.0 94 92 0.9 2.5 98.5 93 0.5 3.0 99.8 95 0.4 3.5 4.0 95.5 第2に本発明はメタノール性塩基例えばメタノールに溶
解した水酸化ナトリウムでPM強酸塩の溶液を中和し、
得られる塩を濾別し、メタノールを蒸発させ、PMを得
る。メタノール性塩基としては、上記の水酸化ナトリウ
ムの他に水酸化カリウム、酸化マグネシウム又は酸化カ
ルシウムも使用でき、それらの使用濃度は1〜20%が
好ましい。メタノール性塩基によって生成された硫酸ナ
トリウムのような塩はメタノールには実質上溶解しない
ので、濾過することにより溶液から容易に取り除くこと
ができる。この様にして回収して乾燥させた塩は、純度
が非常に高いので、他の目的のために使用したり販売す
ることも可能である。従って、本発明の中和方法によれ
ば、PMの加水分解は無視することができ、L−フェニ
ルアラニンからの収率はほぼ化学量論に従うものであ
る。それに比較して先行技術では、炭酸ナトリウムの様
な水性の塩基を用いてPMの強酸塩を中和するので、3
〜7%のPM加水分解が生じる。
【0019】2.カップリング反応 PMとF−Asp=0とを反応させてα−FAPMを得
るカップリング反応は、通常の方法に従えば良く、例え
ば酢酸、ギ酸等の有機酸を含有する水非混和性の溶媒中
において行えば良い。好ましい態様としては、カップリ
ング反応の反応溶媒としてトルエン、ベンゼン、四塩化
炭素、クロロホルム、塩化メチレン、酢酸エチル等の様
な水と混和しない溶媒を使用する。F−Asp=0の製
造は公知の方法、例えばアスパラギン酸と蟻酸及び酢酸
無水物とを約40〜55℃にて3〜4時間程度反応させ
る方法に従えば良い。カップリング反応の好ましい実施
態様としては、F−Asp=0の製造後に残留している
有機酸を除去し、約20〜40℃に維持しながら別途製
造したPMを含有する水非混和性有機溶媒溶液を滴下し
て20分〜1時間程度反応させ、さらに約35〜45℃
に加熱して20〜40分間程度反応させるか又は加熱し
ないで40分〜1.5時間程度反応させるのが良い。
【0020】3.脱保護及び回収 米国特許第4,684,745号は、塩酸と共にメタノ
ールを使用して保護基を脱離することを開示している。
反応媒体としてのメタノールは、生成するα,β−AP
Mのアスパラギン酸部分の遊離カルボキシル基を攻撃
し、α,β−APMの5〜10%がα,β−アスパルチ
ル−L−フェニルアラニンジメチルエステル(以下、
α,β−MAPMと略す)に変換される。また、α,β
−APMの10〜30%もα,β−APに変換される。
α−FAPMから得られたα−APM・HClの結晶の
収率は、70〜80%程度である。
【0021】米国特許第4,071,511号は、α−
MAPMの生成を防ぐために、例えばイソプロパノー
ル、アセトン、アセトニトリル等の、水混和性有機溶媒
を用いてα−MAPMの生成を防ぐことを開示してい
る。しかしながら、α−APMの加水分解によって生じ
た10〜30%のα−APは、メタノールが存在しない
ためにα−APMに変換されることはない。α−FAP
Mから得られたα−APM・HClの結晶の収率は、7
0%程度である。
【0022】米国特許第4,173,562号は、塩酸
/メタノール/水を使用してN−ホルミル−α−APか
らホルミル基を脱離し、得られるα−APをエステル化
しα−APM・HClに結晶化することを開示してい
る。
【0023】米国特許第3,933,781号は、塩酸
/メタノール/水を使用してα−APをα−APMにエ
ステル化し、α−APMをα−APM・HClとして結
晶化することを開示している。
【0024】本発明は、濃塩酸/水中にてα−FAPM
からホルミル基を脱離し、冷却して得られたα−APM
・HClを結晶化し、該結晶を濾過し、回収するα−A
PM・HClの合成方法を含む。使用する濃塩酸の濃度
は12Nが好ましく、α−FAPMを基準にして0.3
〜1.0の容量/重量比の濃塩酸及び0.3〜2.0の
容量/重量比の水を混合するのが好ましく、最終塩酸濃
度を5〜10Nとするのが好ましい。上記脱保護反応の
反応時間は約30分〜2時間が好ましく、特に約30〜
90℃で行うのが好ましい。上記脱保護工程では、α−
FAPMのホルミル基は完全に取り除かれる。塩酸は生
成α−APMをα−APに30%の割合で一部加水分解
するので、α−APM・HClを回収した母液中にはα
−APが含まれている。そのために本発明は、母液を濃
縮してα−APの最終濃度を20〜30%とし、メタノ
ール及び12Nの濃塩酸を添加してそれぞれの最終濃度
が20〜30%及び5〜10%としてα−APをα−A
PMに変換し、α−APMをα−APM・HClとして
結晶化し、濾過して回収するα−APM・HClの新規
な製造方法を包含する。該エステル化反応は20〜60
℃で1〜3時間行われる。α−APの濃度が低過ぎると
上記反応は抑制され、逆にα−APの濃度が高過ぎると
かなりの副反応が起こり得るので、この段階でのα−A
Pの濃度調整は非常に重要である。メタノールはα−M
APMの生成にも影響し得るので、添加するメタノール
の量も同様に重要である。これらのことよりα−FAP
Mからの収率は著しく向上され、85〜89%に達す
る。
【0025】
【実施例】以下、本発明の代表的な実施態様を実施例と
して記載するが、この実施例に限定されるものではな
い。
【0026】実施例1 メタノール500ml中に165g(1.0モル)のL
−フェニルアラニンを含む懸濁液に、濃硫酸(97%)
111ml(2.0モル)を溶液温度を30〜40℃に
維持しながら徐々に添加した後、該溶液を84〜86℃
に加熱した。この溶液に、メタノール1200mlを3
時間に亘り添加し、その間1250mlの水性メタノー
ルを反応容器から蒸発除去した。このようにして得られ
たPM・H2 SO4 の収率は、L−フェニルアラニンを
基準にして99.8%であった。調製したPM・H2
4 溶液を、10%メタノール性NaOHを用いて中和
し、Na2 SO4 の結晶を形成させた。中和した溶液を
濾過した後、減圧下に蒸留してメタノールを除去した。
次いでトルエンを760ml加えてPMを溶解した後、
蒸発させて残留メタノールを除去した。最終的に得られ
たPM/トルエンをHPLC分析に供した。得られたP
Mの収率は、PM・H2 SO4 溶液を基準にして98.
7%であった。
【0027】実施例2 L−Asp 133g(1.0モル)に、98%のギ酸
を84.5g、97%の無水酢酸を298.8g添加し
て、45〜50℃にて3.5時間反応させた。この様に
して得られたF−Asp=0の収率は98.8%であっ
た。40〜45℃で100トールにて反応溶液を45m
l蒸発させた。該溶液に酢酸30ml及びトルエン10
0mlを添加して、懸濁液を作成した。該懸濁液に、実
施例1と同様にして調製したPM 179gを含むトル
エン溶液940mlを、温度を25〜30℃に維持しな
がら30分に亘り滴下して、30分間攪拌した。得られ
た溶液を40℃に加熱し、30分間攪拌した。α−FA
PMの収率は82.8%、β−FAPMの収率は13.
4%であり、得られたα/β比は6.2であった。 実施例3 実施例2と同様にして調製した懸濁液に、PM 179
gを含むトルエン溶液1000mlを、温度を30〜3
2℃に維持しながら1時間に亘り滴下して、さらに反応
を進行させるために1時間攪拌した。α−FAPMの収
率は84.4%であり、得られたα/β比は5.53で
あった。
【0028】実施例4 1モルのα,β−異性体(α/β=5)を含むα,β−
FAPMの懸濁液に、12Nの濃塩酸250ml(α−
FAPMを基準にした容量/重量比が0.91)及び水
140ml(α−FAPMを基準にした容量/重量比が
1.92)を添加して最終塩酸濃度を8.16Nとし、
得られた溶液を45℃にて45分間攪拌した。該溶液を
5℃に冷却し、5時間攪拌した。攪拌後、反応溶液をサ
ンプリングしてHPLC分析に供したところ、ホルミル
基が完全に脱離されていることが確認された。この様に
して得られたα−APM・HClを濾過して回収した。
α−APM・HCl・2H2 Oの収率は、α−FAPM
を基準にして70%(197.7g)であった。母液を
240mlに濃縮した後、該濃縮液にメタノール64m
l(濃縮液最終容量の19.8%)及び12Nの濃塩酸
20ml(濃縮液最終容量の6.2%)を添加した。該
溶液を45〜50℃にて1時間攪拌した後、5℃に冷却
し、2日間攪拌した。この様にして得られた結晶を濾過
して回収した。α−APM・HCl・2H2 Oの合計収
率は、α−FAPMを基準にして88.8%(271.
2g)であった。
【図面の簡単な説明】
【図1】反応容器中にメタノールを連続的に供給したと
きの蒸留凝縮されたメタノール中の水分含量及びPM収
率、並びにメタノールを供給しなかったときのPM収率
の値を示すグラフである。
【手続補正書】
【提出日】平成4年9月4日
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項1
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正内容】
【0007】本発明は、強酸例えば硫酸を添加し且つメ
タノールを反応容器に連続的に供給して反応中に副生す
る水を留去するPMの製造方法を含む。生成するエステ
ル、すなわちPMは硫酸を含んでいるので、中和する必
要がある。しかしながら、PMは塩基性条件下ではかな
り不安定なので、中和過程で加水分解を受け収率が低下
する。本発明は、それゆえに水性塩基の代わりにメタノ
ール性塩基を添加して中和する方法を包含し、それによ
り中和時のPMの加水分解を無視し得るものにする。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0024
【補正方法】変更
【補正内容】
【0024】本発明は、濃塩酸/水中にてα−FAPM
からホルミル基を脱離し、冷却して得られたα−APM
・HClを結晶化し、該結晶を瀘過し、回収するα−A
PM・HClの合成方法を含む。α−FAPMを基準に
して0.3〜1.0の容量/重量比の濃塩酸及び0.3
〜2.0の容量/重量比の水を混合するのが好ましく、
最終塩酸濃度を5〜10Nとするのが好ましい。上記脱
保護反応の反応時間は約30分〜2時間が好ましく、特
に約30〜90℃で行うのが好ましい。上記脱保護工程
では、α−FAPMのホルミル基は完全に取り除かれ
る。塩酸は生成α−APMをα−APに30%の割合で
一部加水分解するので、α−APM・HClを回収した
母液中にはα−APが含まれている。そのために本発明
は、母液を濃縮してα−APの最終濃度を20〜30%
とし、メタノール及び濃塩酸を添加してそれぞれの最終
濃度が20〜30%及び5〜10%としてα−APをα
−APMに変換し、α−APMをα−APM・HClと
して結晶化し、瀘過して回収するα−APM・HClの
新規な製造方法を包含する。該エステル化反応は20〜
60℃で1〜3時間行われる。α−APの濃度が低過ぎ
ると上記反応は抑制され、逆にα−APの濃度が高過ぎ
るとかなりの副反応が起こり得るので、この段階でのα
−APの濃度調整は非常に重要である。メタノールはα
−MAPMの生成にも影響し得るので、添加するメタノ
ールの量も同様に重要である。これらのことよりα−F
APMからの収率は著しく向上され、85〜89%に達
する。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0026
【補正方法】変更
【補正内容】
【0026】実施例1 メタノール500ml中に165g(1.0モル)のL
−フェニルアラニンを含む懸濁液に、濃硫酸(35%)
111ml(2.0モル)を溶液温度を30〜40℃に
維持しながら徐々に添加した後、該溶液を84〜86℃
に加熱した。この溶液に、メタノール1200mlを3
時間に亘り添加し、その間1250mlの水性メタノー
ルを反応容器から蒸発除去した。このようにして得られ
たPM・HSOの収率は、L−フェニルアラニンを
基準にして99.8%であった。調整したPM・H
溶液を、10%メタノール性NaOHを用いて中和
し、NaSOの結晶を形成させた。中和した溶液を
瀘過した後、減圧下に蒸留してメタノールを除去した。
次いでトルエンを760ml加えてPMを溶解した後、
蒸発させて残留メタノールを除去した。最終的に得られ
たPM/トルエンをHPLC分析に供した。得られたP
Mの収率は、PM・HSO溶液を基準にして98.
7%であった。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0028
【補正方法】変更
【補正内容】
【0028】実施例4 1モルのα,β−異性体(α/β=5)を含むα,β−
FAPMの懸濁液に、濃塩酸250ml(α−FAPM
を基準にした容量/重量比が0.91)及び水140m
l(α−FAPMを基準にした容量/重量比が0.5
)を添加して最終塩酸濃度を4.48Nとし、得られ
た溶液を45℃にて45分間攪拌した。該溶液を5℃に
冷却し、5時間攪拌した。攪拌後、反応溶液をサンプリ
ングしてHPLC分析に供したところ、ホルミル基が完
全に脱離されていることが確認された。この様にして得
られたα−APM・HClを濾過して回収した。α−A
PM・HCl・2HOの収率は、α−FAPMを基準
にして70%(197.7g)であった。母液を240
mlに濃縮した後、該濃縮液にメタノール64ml(濃
縮液最終容量の19.8%)及び濃塩酸20ml(濃縮
液最終容量の6.2%)を添加した。該溶液を45〜5
0℃にて1時間攪拌した後、5℃に冷却し、2日間攪拌
した。この様にして得られた結晶を濾過して回収した。
α−APM・HCl・2HOの合計収率は、α−FA
PMを基準にして88.8%(271.2g)であっ
た。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図面の簡単な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【図面の簡単な説明】
【図1】反応容器中にメタノールを連続的に供給したと
きの蒸留凝縮されたメタノール中の水分含量及びPM収
率、並びにメタノールを供給しなかったときのPM収率
の値を示すグラフである。 ─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成4年10月14日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0026
【補正方法】変更
【補正内容】
【0026】実施例1 メタノール500ml中に165g(1.0モル)のL
−フェニルアラニンを含む懸濁液に、濃硫酸(97%)
111ml(2.0モル)を溶液温度を30〜40℃に
維持しながら徐々に添加した後、該溶液を84〜86℃
に加熱した。この溶液に、メタノール1200mlを3
時間に亘り添加し、その間1250mlの水性メタノー
ルを反応容器から蒸発除去した。このようにして得られ
たPM・HSOの収率は、L−フェニルアラニンを
基準にして99.8%であった。調整したPM・H
溶液を、10%メタノール性NaOHを用いて中和
し、NaSOの結晶を形成させた。中和した溶液を
瀘過した後、減圧下に蒸留してメタノールを除去した。
次いでトルエンを760ml加えてPMを溶解した後、
蒸発させて残留メタノールを除去した。最終的に得られ
たPM/トルエンをHPLC分析に供した。得られたP
Mの収率は、PM・HSO溶液を基準にして98.
7%であった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ミン スー ハン 大韓民国 ソウル ドボン−ク バングハ ク−ドン 624−24 (72)発明者 イ ナム ホワァン 大韓民国 ソウル ノウォン−ク ジュー ンギエ−ドンクンヨウン アパート 104 −1402 (72)発明者 ホン キュー チョイ 大韓民国 ソウル ドボン−ク チュング リアングリ−ドン ヒュンダイ アパート 3−405

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 L−フェニルアラニンとメタノールと
    を、強酸の存在下にメタノールを連続的に供給して反応
    中に副生する水を共沸留去しながらエステル化反応させ
    ることを特徴とするL−フェニルアラニンメチルエステ
    ル強酸塩の製造法。
  2. 【請求項2】 反応温度が70〜90℃である請求項1
    に記載の製造法。
  3. 【請求項3】 1モルのL−フェニルアラニンに対して
    最初に200〜1000mlのメタノール及び1〜2モ
    ルの硫酸を反応容器に添加し、500〜2000mlの
    メタノールを連続的に反応容器に供給して該反応容器か
    らメタノール及び水を留去することを特徴とする請求項
    1に記載の製造法。
  4. 【請求項4】 請求項1において得られるL−フェニル
    アラニンメチルエステル強酸塩の溶液にメタノール性塩
    基を添加して中和し、得られた塩を濾別後メタノールを
    除去することを特徴とするL−フェニルアラニンメチル
    エステルの製造法。
  5. 【請求項5】 メタノール性塩基が1〜20%濃度のN
    aOH、KOH、MgO又はCaOのメタノール溶液で
    ある請求項4に記載の製造法。
  6. 【請求項6】 請求項4において得られるL−フェニル
    アラニンメチルエステルを水非混和性の有機溶媒に溶解
    し、これにN−ホルミル−L−アスパラギン酸無水物を
    反応させることを特徴とするN−ホルミル−α−L−ア
    スパルチル−L−フェニルアラニンメチルエステルの製
    造法。
  7. 【請求項7】 水と非混和性の溶媒がトルエン、ベンゼ
    ン、四塩化炭素、クロロホルム、塩化メチレン又は酢酸
    エチルである請求項6に記載の製造法。
  8. 【請求項8】 濃塩酸/水中にてN−ホルミル−α−L
    −アスパルチル−L−フェニルアラニンメチルエステル
    からホルミル基を脱離し、得られたα−L−アスパルチ
    ル−L−フェニルアラニンメチルエステル塩酸塩を冷却
    して結晶化し、該結晶を濾取し、さらに母液を濃縮して
    母液中のα−L−アスパルチル−L−フェニルアラニン
    の濃度を調整し、該濃縮液にメタノール及び濃塩酸を添
    加してα−L−アスパルチル−L−フェニルアラニンメ
    チルエステルを生成せしめ、次いで得られるα−L−ア
    スパルチル−L−フェニルアラニンメチルエステル塩酸
    塩を結晶化し、濾過して回収することを特徴とするα−
    L−アスパルチル−L−フェニルアラニンメチルエステ
    ル塩酸塩の製造法。
  9. 【請求項9】 ホルミル基を脱離するにあたり、N−ホ
    ルミル−α−L−アスパルチル−L−フェニルアラニン
    メチルエステルを基準にして、0.3〜1.0の容量/
    重量比で濃塩酸を添加し、0.3〜2.0の容量/重量
    比で水を添加する請求項8に記載の製造法。
  10. 【請求項10】 ホルミル基の脱離反応を30〜90℃
    で行う請求項8に記載の製造法。
  11. 【請求項11】 母液中のα−L−アスパルチル−L−
    フェニルアラニン濃度が濃縮液の最終容量の20〜30
    %である請求項8に記載の製造法。
  12. 【請求項12】 添加するメタノール及び濃塩酸の濃度
    がそれぞれ濃縮液の最終容量の20〜30%及び5〜1
    0%である請求項8に記載の製造法。
  13. 【請求項13】 エステル化の温度が20〜60℃であ
    る請求項8に記載の製造法。
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