JPH07101204B2 - 純水中の不純物測定方法及びその装置 - Google Patents

純水中の不純物測定方法及びその装置

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JPH07101204B2
JPH07101204B2 JP5239612A JP23961293A JPH07101204B2 JP H07101204 B2 JPH07101204 B2 JP H07101204B2 JP 5239612 A JP5239612 A JP 5239612A JP 23961293 A JP23961293 A JP 23961293A JP H07101204 B2 JPH07101204 B2 JP H07101204B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は半導体素子製造プロセ
ス,原子力発電等で用いる純水に含まれる不純物を測定
する方法及びその装置に係り、特に、純水中に溶けてい
る微量の可溶性不純物の含有量を測定するのに好適な純
水中の不純物測定方法及びその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】原子力発電、電子工業、医療などの分野
では、有機物あるいは無機物をできるだけ少なくした高
純度の水を使用することが要求される。このような純水
に近い水を精製する技術について、たとえば「化学装
置」第81〜第84頁、1984年1月号および「ケミ
カル・エンジニアリング」第22〜第27頁、1980
年11月号に詳しく記載されている。
【0003】これらの刊行物に記載されているように、
従来の水精製システムは、一般に濾過や逆浸透装置で処
理された一次純水を、紫外線殺菌器とポリッシャおよび
限外濾過器により構成される水精製段階へ送って精製
し、半導体素子製造プロセスの如きユースポイントへ供
給するようになっている。
【0004】精製水をユースポイントへ供給するに当っ
て、水質の測定が行われる。水質の測定精度は精製水の
純度を決定するといっても過言でない。通常、水中には
有機物と無機物が含まれており、有機物としては可溶性
有機物と不溶性の微生物があり、無機物としては可溶性
塩類と不溶性の微粒子がある。故に、純水に近い水を得
るにはこれら物質の測定精度を高めることが必要であ
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来のシステムでは、
精製水をユースポイントへ供給する途中で、次の様な水
質測定を行っている。水中の不溶性微粒子については、
精製水の一部を分取しフィルタで濾過して微粒子を捕捉
し、フィルタ上の微粒子を電子顕微鏡で拡大観察し、そ
の粒径と個数を測定している。微生物については、微粒
子測定と同じようにしてフィルタに捕捉したのち培養
し、電子顕微鏡を用いて微生物のコロニーより個数を測
定している。
【0006】微粒子および微生物の測定は、オンライン
による測定ができず、しかも測定に長時間と熟練を要す
る。このため、精製水については直ちに水質を測定し、
その結果を直ちに精製段階へ伝達して精製条件を制御
し、水質を改善するということができないという問題が
ある。
【0007】しかし、近年の純水製造技術は進歩し、純
水中に含まれる不溶性の不純物は極めて少なく、純水中
の不純物として問題になるのは純水中に溶けている可溶
性不純物である。従来、可溶性有機物については、精製
水供給配管中にセンサを設置して検出し、全炭素量測定
器(TOC測定器)で測定し、可溶性無機物について
も、同じく配管中に設置したセンサにより検出し、電気
伝導度計で比抵抗を測定している。これら2つの測定は
オンラインで測定できるものの、超純水といわれるよう
な不純物含有量が極めて微量な純水では、更に高精度に
不純物含有量を測定したいという要望がある。
【0008】本発明の目的は、純水中の微量の可溶性不
純物を含む不純物含有量を高精度に測定する測定方法及
びその装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的は、測定対象の
純水中に含まれる可溶性不純物の含有量を測定するに際
し、霧化し蒸発気化させた後に残留する可溶性不純物の
微粒子径が測定限界の大きさとなるように霧化するとき
の霧状水滴径を調整し、測定対象の純水を霧化後直ちに
加熱して霧化した全量を蒸発気化させ、残留した不純物
微粒子の単位水量当たりの粒子数を計数し、該計数値か
ら前記純水中に含まれる不純物含有量を求めることで、
達成される。
【0010】
【0011】
【作用】純水中に溶けている不純物の含有量を測定する
に際し、本発明では、測定対象の純水を霧化してから蒸
発気化させる。これにより、溶けている不純物は固形の
微粒子に変換される。しかし、蒸発気化後に残留する微
粒子数を計数しただけでは、純水中の可溶性不純物の含
有量を知ることはできない。単に純水を霧化し、蒸発気
化させただけでは、霧化したときに壁面に付着した分の
霧に含まれる不純物が測定対象外になってしまうからで
ある。そこで、本発明では、霧化後、直ちに加熱して全
量を蒸発気化させている。これにより、単位水量当たり
の微粒子数を計数することが可能になる。しかも、本発
明では、可溶性不純物微粒子の大きさを測定限界の大き
さに調整してあるため、精度の高い可溶性不純物の含有
量を測定できる。何故ならば、蒸発気化させた後に残留
する微粒子の数は、霧化したときの霧状水滴数に等し
い。しかし、微粒子のうち可溶性不純物による微粒子は
その径が極めて小さく、径が測定限界の大きさとなるよ
うに調整しても、径の大きさがばらつき、測定限界値を
中心に分布することになる。つまり、約半数の可溶性不
純物微粒子は計数することが不可能である。ここで、可
溶性不純物濃度が高まると、全体的に可溶性不純物微粒
子径が大きくなり、前記分布の中心は測定限界値より大
きくなる方にシフトし、測定にかかる微粒子数が増加す
る。逆に、可溶性不純物濃度が低下すると、前記分布の
中心が測定限界値より小さくなる方にシフトし、測定に
かかる微粒子数が少なくなる。つまり、計数された微粒
子数と不純物含有量とは相関関係を持っている。
【0012】
【実施例】以下、本発明一実施例を従来例と比較しなが
ら図面を参照して説明する。 (イ) 従来の精製水製造システム 従来の精製水製造装置は、図7のシステムで代表され
る。一般的に、濾過や逆浸透装置で処理された一次純水
10がポンプ100で精製装置200へ送られ、そこで
処理されて精製水15となり、半導体製造プロセスのよ
うなユースポイント300へ供給される。精製水製造装
置200は、主に紫外線殺菌器210、イオン交換樹脂
をつめたポリッシャ220、限外濾過器230より構成
されている。
【0013】ところで、精製水は、半導体プロセスで
は、チップの洗浄に、医薬品では、容器洗浄のみなら
ず、培養水として用いられるため、高品質の水が要求さ
れる。半導体プロセスで用いる精製水に要求される水質
基準の1例を表1に示す。
【0014】
【表1】
【0015】半導体素子製造プロセスでは、半導体チッ
プを精製水で洗浄後、残留水分を乾燥させて除去するた
め、蒸発後に不純物がチップ上に残らないようにするこ
とが重要である。蒸発残査としては、既に述べたように
有機物と無機物がある。前者には、可溶性有機物と不溶
性の微生物があり、後者には、可溶性塩類と不溶性の微
粒子がある。
【0016】精製水中の有機物含有量は、可溶性有機物
についてはTOC(金炭素量)(ppm)で測定し、不
溶性の微生物については1cc当りの数を測定する。無
機物含有量物は、可溶性無機物については比抵抗(MΩ
cm)で測定し、不溶性の微粒子については、粒径と1c
c当りの個数を測定する。例えば集積度256KBのL
SIチップ製造では、TOCが0.05〜0.2ppm
以下、微生物が0.02〜0.2ケ/cm3以下、比抵抗
が17〜18MΩcm以上、微粒子の粒径が0.1μm以
上で且つ30〜50ケ/cm3以下と極めて高純度の精製
水が要求されている。
【0017】可溶性有機物は、通常、一次純水製造過程
で活性炭吸着等により十分除去されているため、不溶性
の微生物の除去が精製水製造プロセスでは重要である。
水中の微生物は0.5〜2μm程度の大きさのものが多
いため、限外濾過器230で十分除去可能であるが、微
生物の増殖を防止するため殺菌工程が必要である。殺菌
法は多種あり、次亜塩素酸による酸化殺菌が簡単で一般
によく用いられるが、精製水製造プロセスでは精製水中
に塩素が残留するので好ましくなく、このため一般に紫
外線殺菌器210が用いられる。可溶性無機物の除去に
は、陽イオン交換樹樹脂と陰イオン交換樹脂からなるポ
リッシャ220を用い、陽イオンと陰イオンを除去す
る。
【0018】不溶性の微粒子の除去には、限外濾過器2
30が用いられる。限外濾過器に用いる濾過膜の孔径は
数百〜数千オングストロームであるため、0.5〜2μ
m程度の微生物及び0.1μm以上の微粒子は原理的に
は完全除去可能である。しかし、現実には、濾過器の微
量な洩れ及び、配管、機器の壁からの微粒子の脱離、微
生物の繁殖等により、微生物,微粒子の完全除去はでき
ない。精製水製造装置200は、前段に紫外線殺菌器2
10、次にポリッシャ220最後に、限外濾過器230
の順で配置されるのが一般的である。
【0019】次に、製造した精製水の水質測定を含めた
評価技術であるが、除去技術に比べ、まだまだ不十分で
ある。精製水15の水質測定には、図7に示すごとく、
液中の可溶性有機物を配管中に設置したセンサ350に
より検出し、TOC測定器310でオンラインで測定で
きる。液中の可溶性無機物も、配管内に設置したセンサ
315により検出し、電気伝導度計320でオンライン
で比抵抗が測定できる。
【0020】以上の2項目は、オンラインで測定でき、
ほぼ測定技術が確立されており、通常の精製水測定に十
分対応できるが、超純水といわれる極めて微量の可溶性
不純物が含まれる純水の測定には十分ではない。また、
液中の微生物および微粒子の測定技術はまだまだ不十分
である。
【0021】従来は、液中の0.1μm程度の粒径の微
粒子の粒径と個数を測定する技術は電子顕微鏡法しかな
い。従って、精製水測定でも、配管よりサンプルバルブ
を介して精製水15を分岐し、それを孔径0.1μmの
フィルタ328で濾過して、微粒子をフィルタ面へ捕捉
し、そのフィルタ面上の微粒子を電子顕微鏡を用いて拡
大観察し、長時間かけて粒径と個数をカウントする方法
しかない。この方法は、フィルタ濾過と電子顕微鏡観察
の2工程が必要なため、非常に面倒でかつ熟練を要す
る。さらに、測定結果がでるまでに長時間かかるため、
常時、精製水中の微粒子を監視できないという致命的な
欠点がある。
【0022】液中の微生物の測定も、オンラインで測定
できず、サンプルバルブを介して、精製水15を分岐
し、それを孔径0.45μmのフィルタ338で、濾過
して微生物をフィルタ面に捕捉し、捕捉した微生物を数
日間かけて培養し、そのコロニーより個数を測定する方
法しかない。この方法も微粒子測定の場合と同時に、サ
ンプリングと培養の2工程が必要なため非常に面倒で、
かつ熟練を要する。さらに測定結果が出るまで数日間か
かるため、常時精製水中の微生物を監視できないという
致命的な欠点がある。
【0023】精製水製造装置200に要求されるのは、
十分な水質浄化能力があり、高品質の精製水を得るだけ
でなく、常に高品質の精製水を供給できる事である。
【0024】例えば半導体プロセスでは、用いる精製水
の水質が低下すると製品であるチップの品質が直接影響
を受ける。このため製造される精製水の水質を常に監視
し、異常が生じた場合にはただちに対応でき、常に安定
した水質の精製水をユースポイントへ供給させることが
重要である。そのためには、製造される精製水の、TO
C、比抵抗、微生物,微粒子の4項目をオンラインで常
時監視できることが必須である。
【0025】水質の異常は、上記4つの水質項目に対し
生じるが、特に、微生物と微粒子の項目において生じや
すい。微生物は、配管中で残留微生物が徐々にはん殖
し、急に数を増したり、紫外線殺菌能力の低下及び紫外
線に強い菌の残留等による増加が生ずる。微粒子は、配
管劣化による微粒子剥離や限外濾過器の能力低下等によ
り、急激な微粒子の増加が生じやすい。他の2項目は、
ポリッシャ及び活性炭の除去性能が安定しており寿命も
予測できることから、異常が生じにくい。しかし、微量
の可溶性不純物を高精度に測定する必要はある。
【0026】従って、図7の現状の純水製造装置では、
特に異常が生じやすい微生物と微粒子がオンライン計測
できないために、監視ができず、安定した水質の超純水
をユースポイントに供給することが困難である欠点を有
している。
【0027】なお半導体素子製造プロセス等の製造環境
は、用いる水も高純度が要求されるが、空気も高純度が
要求され、エアコンデショナーにより微粒子の少ない雰
囲気に維持され、常に気中微粒子モニタ(ダストモニ
タ)350で0.1μmの微粒子まで監視されている。
【0028】(ロ) 本発明のシステム 本発明の実施例では、精製水に要求される水質の根本を
考えることにより、その要求にあった新規な水質評価法
を究明し、安定した水質が得られる精製水製造装置を得
ることにある。
【0029】精製水の要求水質が決定される源を種々検
討すると、図2の過程が見い出される。一般に、半導体
素子製造プロセスにおいては、半導体チップを洗浄後、
付着した精製水を乾燥により蒸発除去する。精製水に要
求されることは、製品を洗浄し乾燥した後に不純物が製
品表面に付着残留しない事であり、これが根本になって
いる。半導体チップ表面の不純物の残留量を減少させる
には、前記した4つの水質項目を測定し監視する必要が
ある。
【0030】精製水には、原水(市水や地下水)中に含
有しているものや、途中の配管から混入した不純物が微
量残留している。精製水に含まれる微量残留物には、可
溶性の無機物(図中ではNaClで代表)、不溶性無機
物である微粒子、可溶性有機物(図中ではTOCで代
表)と不溶性有機物である微生物がある。
【0031】それらが、製品の洗浄により製品表面に微
量残留し、乾燥されると、微粒子と微生物は乾いて多少
容積が変化した固体となり、製品表面に残留する。また
可溶性無機物NaClと可溶性有機物TOCの1部は、
水分が蒸発して濃縮されるため過飽和となり、それらの
結晶が析出して固体となり、製品表面に残留する。
【0032】蒸発乾燥後に製品表面に残留する不純物
は、製品品質に大きく影響するため、不溶性の不純物
(微粒子,微生物)のみならず溶解性不純物(有機物指
標のTOC、無機物指標の電気伝導度)も十分除去する
必要が出てくる。
【0033】以下のように精製水に要求される根本因子
(蒸発後に残留する不純物量)が明確になってくると、
これまで別々に測定しなければならなかった4つの水質
項目を同時或は連続的に測定し評価することの有効性が
明確になってくる。
【0034】上記した精製水の要求される根本因子を直
接測定評価するには、図2の工程に即した手段が最も適
しており、本発明実施例では、精製水を効率よく蒸発さ
せて、残留する固形不純物、つまりすべて微粒子の形で
測定する。
【0035】本発明実施例の中心となる精製水の水質総
合測定評価の基本方法を、図2に基いて説明する。精製
水の利用過程に即して、まず精製水を微細水滴に分散さ
せ(液の微粒化)、固形物(微粒子と微生物)が同一水
滴に2個以上入らないようにする(第1工程−霧化)。
【0036】次に、分散水滴を固体壁に接触させないで
気中で蒸発気化させて、気中に固形物(微粒子,微生
物)を浮遊させると同時に、溶解物(可溶性無機物Na
Clと可溶性有機物TOC)の結晶を析出させて固形物
として気中に浮遊させる(第2工程−気化蒸発)。
【0037】最後に、気中に分散浮遊した固形物と溶解
物の微粒子を、気中微粒子測定器でオンラインで連続測
定する(第3工程−気中微粒子測定)以上の方法によ
り、精製水に要求される製品洗浄乾燥後に残留する固形
物(微粒子の形)を測定でき、これまでの4つの水質測
定を総括した水質が測定評価できるようになる。
【0038】以上の総括的な精製水の水質測定と評価が
オンラインでできるような測定法を確立し精製水製造シ
ステムに組合わせることにより、これまで不可能であっ
た精製水の水質管理が可能となり、安定した水質の精製
水が製造可能となる。
【0039】図1は、本発明の一実施例に係る不純物測
定装置を適用した精製水製造システムの構成図である。
本システムは精製水製造装置200とユースポイント3
00の他に総合水質を測定するための液体気化装置40
0と気中微粒子測定器350と制御装置600より構成
されている。精製水製造装置200には、紫外線殺菌器
210とポリッシャ220と限外濾過器230の他に水
質制御のための制御弁215,225が設置されてい
る。
【0040】一次純水10がポンプ100で製造装置2
00へ送り込まれ、紫外線殺菌器210で液中の微生物
が死滅し、ポリッシャー220で液中の可溶性無機物が
除去された後、限外濾過器230で微生物,微粒子そし
て高分子の可溶性有機物が除去され精製水15としてユ
ースポイント300或は貯留タンクへ送られる。
【0041】製造された精製水15の水質測定及び監視
に当っては、その一部を液体気化装置400へ送り完全
気化したガスを気中微粒子測定器350へ送る。液体気
化装置400では、液中の微粒子,微生物はもちろん可
溶性有機物,無機物の蒸発により過飽和となって結晶固
形物となり、すべてがガス中に微粒子として浮遊した状
態に変化する。そのガス中の微粒子を0.1μmの粒径
まで測定可能な気中微粒子測定器350で測定すること
により、オンラインで連続測定できる。測定結果は各粒
径に対する微粒子の数を記録計650へ印字すると共
に、その信号は水質制御装置600へ送られ、水質低下
時は製造装置200の制御弁215,225,235を
開閉し循環ループを形成させて除去能力をコントロール
して水質を向上させるようにする。以上が本実施例に係
る精製水の製造システムである。
【0042】次に本発明のポイントとなる液体気化装置
400を、図3の実施例を用いて詳細に説明する。液体
気化装置はフィルタ410とヒータ420、微粒化ノズ
ル430、霧化気化器440、そしてサンプル口450
より構成されている。
【0043】本実施例の特徴は、液体をより微細な水滴
まで微粒化し、液中の微粒子と微生物の分散を良くする
こと及び微粒化した水滴が器内壁面等に付着しないよう
に、微粒化したらただちに蒸発気化させることを可能に
したことにある。前者の手段としては、超音波噴霧法と
2流体ノズル法である。後者の基本的手段は、微粒化し
た水滴をただちに気化させることにある。そこで、2流
体ノズルに用いるキャリアガスをあらかじめ高温に加熱
して用いれば、液は高温ガスで微粒化すると同時に水滴
は高温ガスと直接々触して加熱され、ただちに蒸発気化
してしまう。
【0044】本方式は、キャリアガス20をまずフィル
タ410でガス中の0.1μm以上の微粒子を除去した
後ヒータ420で加熱して高温ガスとし、2流体型の微
粒化ノズル430で霧化気化器に送り、別途、送り込ま
れてまた精製水15を微粒化すると同時に霧化気化器4
40内で全量蒸発気化させて、液中の不溶,可溶の不純
物を全部微粒子の状態でガス中に浮遊させ、その1部も
しくは全量のガスをサンプル口450より気中微粒子計
測器へ送り込んでいくものである。つまり、2流体ノズ
ルで、高温ガスを用いて精製水を微粒化すると同時に水
滴を蒸発気化させる。
【0045】本実施例によれば、図3のような液体気化
装置400と気中微粒子測定器350とを用いることに
より、精製水中の不純物を総括的に測定でき、かつ、こ
の装置と制御装置600を組合せることにより、製造装
置200より安定した水質の精製水15が得られるよう
になる。
【0046】次に、本発明実施例に係る精製水製造シス
テムの水質制御を、図1を用いて説明する。水質制御方
法は、不純物の種類により対応が異なる。可溶性無機物
が増大(比抵抗の減少)する場合は、ポリッシャのイオ
ン交換能力低下が原因であるし、不溶性無機物の微粒子
が増大した場合は、限外濾過器の濾過能力低下が原因で
ある。また微生物の増大は、紫外線殺菌器の能力低下に
よる微生物増殖と、限外濾過器の濾過能力の低下が原因
である。それらの能力回復手段の1つは循環回路を形成
させて処理時間を長くすることである。それには図1の
ごとく各工程に制御弁215,225,235を設けて
おき、循環回路を形成させるのが最も直接的で簡単な方
法である。つまり、精製水15の水質を液体気化装置4
00と気中微粒子測定器350で測定した信号を制御装
置600へ送り、設定値と比較して水質が設定値より悪
化した場合は制御弁215,225,235を開き、循
環回路を形成させて処理時間を長くして能力を回復させ
る。それでも回復しない場合は、管理者に知らせる標示
もしくは、ユースポイントへ知らせる信号を送る等の対
策を行うことになる。
【0047】以上の水質監視と制御により水質の安定し
た精製水が得られるが、制御方式も重要である。そこで
2つの方策を提案する。1つは最もトラブルがおきやす
くかつ重要な最終処理である限外濾過器230を最優先
に制御することにより不溶性の微粒子と微生物を除去で
きるようにし、次に可溶性の無機物除去としてポリッシ
ャの制御を実施する方法である。次は、増大した微粒子
径によって制御する方法である。液中に含まれる不溶性
無機物の微粒子は、原水性状及び処理工程により決ま
り、一般には0.1μm〜0.6μmまでの粒径のもの
が多い。また微生物は、種類により異なるが、0.5μ
m〜3μm程度のものが多い。また可溶性の無機物及び
有機物が蒸発気化により発生する微粒子の粒径は、微粒
化水滴径と含有濃度から推定できる。つまり水滴径がき
まれば、その体積と濃度により不純物含有量がわかり、
その比重から微粒子径が求まる。例えば0.1ppmの
NaClが精製水中に含まれている場合は、水滴径が2
0μmで発生する微粒子は約0.1μmの粒径である。
従って、増大した微粒子の粒径により、微粒子(0.1
〜0.6μm)か微生物(0.5〜3μm)か又は可溶
性無機物(例えば0.1μm)かを判別し、それぞれの
対応を実施する。
【0048】以上が本発明実施例となる精製水製造シス
テムの水質測定及び管理法であるが、精製水製造システ
ムが比較的小型である場合は、図4の実施例のごとく、
制御弁228を1ケにして、精製水15の水質の総括測
定信号により、全工程を循環させる方式も簡単で有効で
ある。
【0049】次に本発明のポイントとなる図3の液体気
化装置を用いて、液体を気化し、レーザ散乱式の気中微
粒子計測器(検出最小粒径0.1μm)で、液中の微粒
子を測定した結果を図5に示す。試料水は蒸留水である
が、0.1μmの微粒子も良好に測定できている。参考
のために、蒸留水を0.1μmのメンブレンフィルタで
濾過した結果も載せてあるが、0.1μm以上は良好に
濾過されているが、0.1μmの濾過性は良くない。
【0050】これは蒸留水中に含まれる微量塩類の影響
である。塩類の影響が顕著に現れる水道水の結果を図6
に示す。見掛け上、0.3〜0.6μmの微粒子にピー
クがあり多くなっているが、水道水を0.1μmのメン
ブレンフィルタを用いて0.1μm以上の微粒子を濾過
してもピークは消えない。このことにより、0.3〜
0.6μmのピークは液中の微粒子ではなく、溶解塩類
であることが予想され、これは水道水の塩濃度と、霧化
水滴径より算出した塩析出微粒子径に相当していること
が確認された。
【0051】以上の結果より、本発明となる霧化気化式
液中微粒子測定器を用いることにより、これまで不可能
だった液中の0.1μmの微粒子を測定できるだけでな
く、溶解塩類の測定も可能なことが実証された。
【0052】以上のように本発明によれば、これまで不
可能だった0.1μmの液中微粒子をオンラインで測定
できるだけでなく、溶解塩類や微生物も含めてオンライ
ンで測定でき、精製水に本来要求される総合水質評価が
可能となる。さらに精製水製造のフィードバック制御に
よる水質監視とコントロールが可能になり良質の精製水
を安定に製造できる。
【0053】また、他の効果として、従来、水質測定に
用いていた複数の測定器(微粒子測定器,電気伝導計,
TOC計,微生物測定器)を不要若しくは、大幅に減ら
すことができ、かつ微粒子測定にクリーンルーム等の室
内清浄度監視に用いていた気中微粒子測定器を兼用して
使えるという効果がある。
【0054】
【発明の効果】本発明によれば、液中の微量の可溶性不
純物も高精度に測定できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る測定装置を適用した液
体精製システムの概略構成図である。
【図2】本発明の概念説明図である。
【図3】本発明の一実施例に係る液体気化,蒸発システ
ムの構成図である。
【図4】本発明の他の実施例に係る液体精製システムの
概略構成図である。
【図5】本発明による測定結果を示すグラフである。
【図6】本発明による測定結果を示すグラフである。
【図7】従来の精製システムの構成図である。
【符号の説明】
200…精製水製造装置、210…紫外線殺菌器、22
0…ポリッシャ、230…限外濾過器、350…気中微
粒子測定器、400…液体気化装置、420…ヒータ、
430…微粒化ノズル、440…霧化気化器、600…
制御装置。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G01N 33/18 Z (72)発明者 松岡 一彦 茨城県土浦市神立町603番地 株式会社 日立製作所土浦工場内 (72)発明者 黒岩 稔 茨城県土浦市神立町603番地 株式会社 日立製作所土浦工場内 (56)参考文献 特開 昭50−25288(JP,A)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 測定対象の純水中に含まれる可溶性不純
    物の含有量を測定する方法において、霧化し蒸発気化さ
    せた後に残留する可溶性不純物の微粒子径が測定限界の
    大きさとなるように霧化するときの霧状水滴径を調整
    し、測定対象の純水を霧化後直ちに加熱して霧化した全
    量を蒸発気化させ、残留した不純物微粒子の単位水量当
    たりの粒子数を計数し、該計数値から前記純水中に含ま
    れる不純物含有量を求めることを特徴とする純水中の不
    純物測定方法。
  2. 【請求項2】 測定対象の純水中に含まれる可溶性不純
    物の含有量を測定する装置において、霧化し蒸発気化さ
    せた後に残留する可溶性不純物の微粒子径が測定限界の
    大きさとなるように霧化するときの霧状水滴径を調整す
    る手段と、測定対象の純水を霧化後直ちに加熱して霧化
    した全量を蒸発気化させる手段と、残留した不純物微粒
    子の単位水量当たりの粒子数を計数する手段と、該計数
    値から前記純水中に含まれる不純物含有量を求める手段
    とを備えることを特徴とする純水中の不純物測定装置
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JP5453878B2 (ja) * 2009-03-31 2014-03-26 栗田工業株式会社 超純水製造設備及び超純水のモニタリング方法
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