JPH07100324A - ガス吸収における気液接触装置 - Google Patents
ガス吸収における気液接触装置Info
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- JPH07100324A JPH07100324A JP5268383A JP26838393A JPH07100324A JP H07100324 A JPH07100324 A JP H07100324A JP 5268383 A JP5268383 A JP 5268383A JP 26838393 A JP26838393 A JP 26838393A JP H07100324 A JPH07100324 A JP H07100324A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】構造が簡単、安価で、圧力損失も少ないという
噴霧塔の利点を有すると共に、噴霧する液体が低濃度の
スラリー状態であっても均一に分散でき、回収効率や除
去効率を著しく向上させる、ガス吸収における気液接触
装置を提供することにある。 【構成】本発明は、噴射ノズル2a,2b,3a,3b
から噴出されるガス吸収用の液体と混合ガスとが接触す
る気液接触領域に、この領域の横断面を覆うに足る大き
さの網状体6a〜6dを上記混合ガスの進行方向に間隔
をおいて複数、配設固定してある。複数の網状体6a〜
6dは、網目開口が拡開するように対向する端部を引張
して固定される。噴射ノズルは、気液接触領域における
混合ガス流の上流側と下流側に網状体6a〜6dを挟む
ようにして互いに対向して配設するものであっても良
い。
噴霧塔の利点を有すると共に、噴霧する液体が低濃度の
スラリー状態であっても均一に分散でき、回収効率や除
去効率を著しく向上させる、ガス吸収における気液接触
装置を提供することにある。 【構成】本発明は、噴射ノズル2a,2b,3a,3b
から噴出されるガス吸収用の液体と混合ガスとが接触す
る気液接触領域に、この領域の横断面を覆うに足る大き
さの網状体6a〜6dを上記混合ガスの進行方向に間隔
をおいて複数、配設固定してある。複数の網状体6a〜
6dは、網目開口が拡開するように対向する端部を引張
して固定される。噴射ノズルは、気液接触領域における
混合ガス流の上流側と下流側に網状体6a〜6dを挟む
ようにして互いに対向して配設するものであっても良
い。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、混合ガス中の特定成分
を液相に移行させるガス吸収を行う際の気液接触装置に
関するものである。
を液相に移行させるガス吸収を行う際の気液接触装置に
関するものである。
【0002】
【従来技術】混合ガス中の有害成分や不要成分の除去、
有用成分の回収、化学反応による生成ガスの精製などの
ためガス吸収を行う場合、一般に、噴霧塔(気液スプレ
ー塔)、あるいは充填塔が用いられる。
有用成分の回収、化学反応による生成ガスの精製などの
ためガス吸収を行う場合、一般に、噴霧塔(気液スプレ
ー塔)、あるいは充填塔が用いられる。
【0003】噴霧塔は、塔内にガス流と対向するように
ノズルを単段もしくは複数段に配設し、これらのノズル
から液体を霧状にしてガス流中に分散、噴霧させること
により、ガスと液体とを接触させるようにしたものであ
る。充填塔は、塔内に表面積が比較的に大きなリング状
あるいはサドル状の固形物をランダムに充填し、この充
填物の表面に沿って液体を流下させることにより、充填
物の間隙を通って上昇するガスと上記液体とを向流接触
させるようにしたものである。
ノズルを単段もしくは複数段に配設し、これらのノズル
から液体を霧状にしてガス流中に分散、噴霧させること
により、ガスと液体とを接触させるようにしたものであ
る。充填塔は、塔内に表面積が比較的に大きなリング状
あるいはサドル状の固形物をランダムに充填し、この充
填物の表面に沿って液体を流下させることにより、充填
物の間隙を通って上昇するガスと上記液体とを向流接触
させるようにしたものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、噴霧塔の場
合、構造が簡単、安価で、圧力損失も小であるなどの利
点を有するものの、気液の接触状態を均一にすることが
極めて難しく、特定成分の除去あるいは回収の効率がや
や不良になるという問題がある。
合、構造が簡単、安価で、圧力損失も小であるなどの利
点を有するものの、気液の接触状態を均一にすることが
極めて難しく、特定成分の除去あるいは回収の効率がや
や不良になるという問題がある。
【0005】一方、充填塔の場合、特定成分の除去ある
いはその回収の効率は噴霧塔に比べて改善されるもの
の、圧力損失が大きく、設備費も高価で、被処理ガス量
の変動により効率が低下する。特に、気液接触反応によ
り固形物や析出物を生じる場合や接触液中に固形物を含
有するスラリーにあっては、しばしば、固形物や析出物
によるスケーリング現象を起こし、安全操業に支障をき
たすことが多い。更に、充填塔は、溢流や偏流現象の回
避に対して、装備及び操業条件の制御の面で十分な対策
と配慮が必要となる。
いはその回収の効率は噴霧塔に比べて改善されるもの
の、圧力損失が大きく、設備費も高価で、被処理ガス量
の変動により効率が低下する。特に、気液接触反応によ
り固形物や析出物を生じる場合や接触液中に固形物を含
有するスラリーにあっては、しばしば、固形物や析出物
によるスケーリング現象を起こし、安全操業に支障をき
たすことが多い。更に、充填塔は、溢流や偏流現象の回
避に対して、装備及び操業条件の制御の面で十分な対策
と配慮が必要となる。
【0006】本発明の目的は、従来技術の上記した種々
の問題点に鑑み、構造が簡単、安価で、圧力損失も少な
いという噴霧塔の利点を有すると共に、噴霧する液体が
低濃度のスラリー状態であっても均一に分散でき、回収
効率や除去効率を著しく向上させる、ガス吸収における
気液接触装置を提供することにある。
の問題点に鑑み、構造が簡単、安価で、圧力損失も少な
いという噴霧塔の利点を有すると共に、噴霧する液体が
低濃度のスラリー状態であっても均一に分散でき、回収
効率や除去効率を著しく向上させる、ガス吸収における
気液接触装置を提供することにある。
【0007】
【課題を達成するための手段】本発明は、上記した目的
を達成するために、噴射ノズルから噴出されるガス吸収
用の液体と混合ガスとが接触する気液接触領域に、この
領域の横断面を覆うに足る大きさの網状体を上記混合ガ
スの進行方向に間隔をおいて複数、配設固定するように
したものである。
を達成するために、噴射ノズルから噴出されるガス吸収
用の液体と混合ガスとが接触する気液接触領域に、この
領域の横断面を覆うに足る大きさの網状体を上記混合ガ
スの進行方向に間隔をおいて複数、配設固定するように
したものである。
【0008】複数の網状体は、隣設されるもの同士の網
目が同一方向あるいは異なる方向になるように配設され
る。また、網状体は、エキスパンドメタルや、ストレッ
チメタル、あるいは金属製薄板の板面に菱形開口を規則
的に連続形成して成るものであっても良い。そして、こ
れら各網状体は、枠体などに網目開口が拡開するように
対向する端部を引張して固定すると良い。
目が同一方向あるいは異なる方向になるように配設され
る。また、網状体は、エキスパンドメタルや、ストレッ
チメタル、あるいは金属製薄板の板面に菱形開口を規則
的に連続形成して成るものであっても良い。そして、こ
れら各網状体は、枠体などに網目開口が拡開するように
対向する端部を引張して固定すると良い。
【0009】更に、本発明では、前記した噴射ノズル
は、気液接触領域における混合ガス流の上流側と下流側
に上記網状体を挟むようにして互いに対向して配設する
ものであっても良い。
は、気液接触領域における混合ガス流の上流側と下流側
に上記網状体を挟むようにして互いに対向して配設する
ものであっても良い。
【0010】
【作用】ノズルから噴射された液体は、網状体の網目を
通過した混合ガスとそのまま接触してガス吸収を行う
が、その一部は網状体の網目を形成する線状部表面に衝
突して飛散され、微細な霧状になる。また、噴射液の残
部は、上記線状部の側面を薄膜状に覆い、この側面を伝
って流下する間に混合ガスと接触してエアロゾルを生成
し、微細化される。このようにして発生した微細な液滴
は、気液接触領域全体に分散し、混合ガスと効率良く接
触する。
通過した混合ガスとそのまま接触してガス吸収を行う
が、その一部は網状体の網目を形成する線状部表面に衝
突して飛散され、微細な霧状になる。また、噴射液の残
部は、上記線状部の側面を薄膜状に覆い、この側面を伝
って流下する間に混合ガスと接触してエアロゾルを生成
し、微細化される。このようにして発生した微細な液滴
は、気液接触領域全体に分散し、混合ガスと効率良く接
触する。
【0011】網状体を引張して固定した場合には、上記
線状部の表裏面及び側面が勾配を持つので、噴射液が線
状部表面を伝い易くなり、上記した薄膜が比較的に楽に
形成される。また、各線状部表面の勾配は網状体の平面
方向位置によって若干異なるために、噴射液が線状部表
面に衝突したときに跳ね返る角度がそれぞれ微妙に変化
し、ランダムな跳ね返りを生じさせる。こうした網状体
線状部全表面の有する勾配によって噴射液はその微細化
が助長されると共に、不溶解物や析出物も付着あるいは
堆積されにくくなる。
線状部の表裏面及び側面が勾配を持つので、噴射液が線
状部表面を伝い易くなり、上記した薄膜が比較的に楽に
形成される。また、各線状部表面の勾配は網状体の平面
方向位置によって若干異なるために、噴射液が線状部表
面に衝突したときに跳ね返る角度がそれぞれ微妙に変化
し、ランダムな跳ね返りを生じさせる。こうした網状体
線状部全表面の有する勾配によって噴射液はその微細化
が助長されると共に、不溶解物や析出物も付着あるいは
堆積されにくくなる。
【0012】混合ガス流の上流側と下流側の両者に液体
噴射ノズルを対向配設した場合、下流側から噴射された
液体が網状体裏面、即ち線状部裏面にまわりこむことに
よって液体薄膜を形成するだけでなく、上流側からの噴
射液体が網状体裏面に勢いよく衝突して網状体裏面側で
も液体の微細化が行われる。この結果、混合ガスと液体
微粒子との接触の機会が更に増加する。
噴射ノズルを対向配設した場合、下流側から噴射された
液体が網状体裏面、即ち線状部裏面にまわりこむことに
よって液体薄膜を形成するだけでなく、上流側からの噴
射液体が網状体裏面に勢いよく衝突して網状体裏面側で
も液体の微細化が行われる。この結果、混合ガスと液体
微粒子との接触の機会が更に増加する。
【0013】
【実施例】以下、本発明を図示した実施例に基づいて詳
説する。図1は本発明装置の概念構成図、図2から図5
はこの装置に用いられる網状体エレメントを示す。図中
符号1は塔内下部に設けたガス流入口で、ガスは塔内を
下から上に向けて流れる。
説する。図1は本発明装置の概念構成図、図2から図5
はこの装置に用いられる網状体エレメントを示す。図中
符号1は塔内下部に設けたガス流入口で、ガスは塔内を
下から上に向けて流れる。
【0014】2と3はこのガス流に向けて所定の液体を
噴射する第1及び第2の液体噴射機構で、所要の間隔を
置いて塔内空間の上部と下部に2段に配設されている。
これらの第1及び第2の液体噴射機構2,3は、共に同
一構造を有し、ガス流と同一方向に向けて開口した上流
側の多数のノズル2a,3aと、ガス流と対向する方向
に向けて開口した下流側の多数のノズル2b,3bとを
備える。各ノズル2a,2b,3a,3bは液体を圧送
するポンプ4と管路5を介して連結されている。
噴射する第1及び第2の液体噴射機構で、所要の間隔を
置いて塔内空間の上部と下部に2段に配設されている。
これらの第1及び第2の液体噴射機構2,3は、共に同
一構造を有し、ガス流と同一方向に向けて開口した上流
側の多数のノズル2a,3aと、ガス流と対向する方向
に向けて開口した下流側の多数のノズル2b,3bとを
備える。各ノズル2a,2b,3a,3bは液体を圧送
するポンプ4と管路5を介して連結されている。
【0015】ノズル2a〜3bは、液体の種類、例えば
固形物を含むか、あるいは若干の固形物を含む低濃度の
スラリーであるかなどによって適宜のものが選択される
が、内部に羽根などを内蔵しない、シンプルな構造で目
詰まりを起こしにくいものが望ましい。ノズル2a〜3
bから噴出される液滴の径は、必ずしも微細である必要
はない。ただ、これらのノズル2a〜3bは、ガスが流
れる塔内空間の横断面全面にほぼ均一に液体を放散させ
るに必要な数と配列とをもって取付けられる。
固形物を含むか、あるいは若干の固形物を含む低濃度の
スラリーであるかなどによって適宜のものが選択される
が、内部に羽根などを内蔵しない、シンプルな構造で目
詰まりを起こしにくいものが望ましい。ノズル2a〜3
bから噴出される液滴の径は、必ずしも微細である必要
はない。ただ、これらのノズル2a〜3bは、ガスが流
れる塔内空間の横断面全面にほぼ均一に液体を放散させ
るに必要な数と配列とをもって取付けられる。
【0016】6は各液体噴射機構2,3の上流側ノズル
2a,3aと下流側ノズル2b,3bの間の空間部に挿
脱自在に装填される気液接触用ユニットである。この気
液接触用ユニット6は、上記空間部の横断面を覆うに十
分な大きさの網状体エレメント6a〜6dを4枚、適宜
の間隔、例えば30〜150mm程度の間隔を置いて上
下に重ね、その外周を図示しない枠体によって取り囲ん
である。網状体エレメント6a〜6dは、腐食しにく
く、不溶解物や析出物の付着しにくい軽量な材質及び表
面特性を有する素材、例えば、SUS304、SUS3
16、SUS316Lなどのステンレス鋼によって形成
された開孔率の比較的に大きな網状体(図5参照)、例
えばエキスパンドメタル、ストレッチメタル、あるいは
金網などの類似の構造を有する代替品によって構成され
る。上記素材の薄板材の板面に菱形開口を規則的に打ち
抜き形成することにより網状体としたものであっても良
い。網目の形状は、菱形に限定されるものではなく、長
方形、正方形、六角形など様々な形状が選択できる。
2a,3aと下流側ノズル2b,3bの間の空間部に挿
脱自在に装填される気液接触用ユニットである。この気
液接触用ユニット6は、上記空間部の横断面を覆うに十
分な大きさの網状体エレメント6a〜6dを4枚、適宜
の間隔、例えば30〜150mm程度の間隔を置いて上
下に重ね、その外周を図示しない枠体によって取り囲ん
である。網状体エレメント6a〜6dは、腐食しにく
く、不溶解物や析出物の付着しにくい軽量な材質及び表
面特性を有する素材、例えば、SUS304、SUS3
16、SUS316Lなどのステンレス鋼によって形成
された開孔率の比較的に大きな網状体(図5参照)、例
えばエキスパンドメタル、ストレッチメタル、あるいは
金網などの類似の構造を有する代替品によって構成され
る。上記素材の薄板材の板面に菱形開口を規則的に打ち
抜き形成することにより網状体としたものであっても良
い。網目の形状は、菱形に限定されるものではなく、長
方形、正方形、六角形など様々な形状が選択できる。
【0017】なお、パンチングメタルや目皿などは、開
孔率が小さく、圧力損失や重量が大で、気液接触効果が
劣っている上に析出物によるトラブルを発生しやすいの
で、避けることが望ましい。
孔率が小さく、圧力損失や重量が大で、気液接触効果が
劣っている上に析出物によるトラブルを発生しやすいの
で、避けることが望ましい。
【0018】1つの気液接触ユニット6を構成する4枚
の網状体エレメント6a〜6dは、網目の形状がその縦
横の長さを異にするものの場合、図中最上位のもの6a
と上から第3位のもの6cはその網目の方向を同一に
し、上から第2位のもの6bと最下位のもの6dは最上
位6aあるいは第3位のもの6cを90度回転した網目
方向にして枠体に取付けられる。
の網状体エレメント6a〜6dは、網目の形状がその縦
横の長さを異にするものの場合、図中最上位のもの6a
と上から第3位のもの6cはその網目の方向を同一に
し、上から第2位のもの6bと最下位のもの6dは最上
位6aあるいは第3位のもの6cを90度回転した網目
方向にして枠体に取付けられる。
【0019】また、網目の寸法は、4枚の網状体エレメ
ント6a〜6dについて全て同一であっても良いが、ノ
ズルの径と液体の特性などを考慮して図2中最上位のも
の6aを他の網状体エレメント6b〜6dよりも粗目と
することにより、最上位6aと第2位6bのエレメント
の網目を形成する線状部が上下方向に重なりにくくな
り、第2位以下の網状体エレメントを効果的に利用でき
ることとなる。もちろん、1つの気液接触ユニットを構
成する網状体エレメントの数は複数であればその枚数は
限定されるものではなく、液体特性等の関係で増減され
る。
ント6a〜6dについて全て同一であっても良いが、ノ
ズルの径と液体の特性などを考慮して図2中最上位のも
の6aを他の網状体エレメント6b〜6dよりも粗目と
することにより、最上位6aと第2位6bのエレメント
の網目を形成する線状部が上下方向に重なりにくくな
り、第2位以下の網状体エレメントを効果的に利用でき
ることとなる。もちろん、1つの気液接触ユニットを構
成する網状体エレメントの数は複数であればその枚数は
限定されるものではなく、液体特性等の関係で増減され
る。
【0020】これらの4枚の網状体エレメント6a〜6
dは全て、網目開口部が拡開するように、対向する端部
を引張して枠体に固定されている。図3の菱形の網目形
状の場合、短い対角線の方向に引張される。これによ
り、各エレメントは、同図及び図4に見られるように網
状体6a〜6dの各網目を形成する線状部7の表裏面7
a,7bと側面7cとが共に勾配を持つようになる。そ
して、この勾配は、各網目を形成する線条部7それぞれ
についてその全てが同一になるのではなく、網状体の平
面方向位置によって微妙に異なっている。
dは全て、網目開口部が拡開するように、対向する端部
を引張して枠体に固定されている。図3の菱形の網目形
状の場合、短い対角線の方向に引張される。これによ
り、各エレメントは、同図及び図4に見られるように網
状体6a〜6dの各網目を形成する線状部7の表裏面7
a,7bと側面7cとが共に勾配を持つようになる。そ
して、この勾配は、各網目を形成する線条部7それぞれ
についてその全てが同一になるのではなく、網状体の平
面方向位置によって微妙に異なっている。
【0021】このため、下流側のノズル2b,3bから
噴射された液体が線状部7に衝突すると、その線状部7
の位置によって跳ね返る角度がそれぞれ若干異なり、網
状体全体としてはランダムな跳ね返り現象を生じさせ
る。従って、この跳ね返った液滴は、衝突時に微細化さ
れるというだけでなく、全方向にくまなく分散され、ガ
ス流との接触の機会がより一層高められる。また、本実
施例では、網目の方向と網目の大きさとを上記のように
設定してあるので、各位の網状体エレメントの線状部7
に噴射液体が衝突する機会も多くなる。線状部7の上記
勾配は、噴射液体を網状体の全表面に沿って流れ易く
し、薄膜の形成を可能とすると共に不溶解物や析出物の
付着防止にも寄与するものである。
噴射された液体が線状部7に衝突すると、その線状部7
の位置によって跳ね返る角度がそれぞれ若干異なり、網
状体全体としてはランダムな跳ね返り現象を生じさせ
る。従って、この跳ね返った液滴は、衝突時に微細化さ
れるというだけでなく、全方向にくまなく分散され、ガ
ス流との接触の機会がより一層高められる。また、本実
施例では、網目の方向と網目の大きさとを上記のように
設定してあるので、各位の網状体エレメントの線状部7
に噴射液体が衝突する機会も多くなる。線状部7の上記
勾配は、噴射液体を網状体の全表面に沿って流れ易く
し、薄膜の形成を可能とすると共に不溶解物や析出物の
付着防止にも寄与するものである。
【0022】一方、上流側のノズル2a,3aから噴射
された液体は、各位の網状体エレメント6a〜6dの裏
面周辺においても液体の霧状化を生じさせる。特に、下
流側のノズル2b,3bから噴射された液体が線状部下
面7bにまわりこんで厚い被膜が形成されるのを防止
し、上昇するガスによって液体薄膜がエアロゾルになる
のを助ける。上記のようにして粒径が少なくとも10μ
m以下の霧状になった液滴は、上昇するガスと効率よく
接触されることになる。
された液体は、各位の網状体エレメント6a〜6dの裏
面周辺においても液体の霧状化を生じさせる。特に、下
流側のノズル2b,3bから噴射された液体が線状部下
面7bにまわりこんで厚い被膜が形成されるのを防止
し、上昇するガスによって液体薄膜がエアロゾルになる
のを助ける。上記のようにして粒径が少なくとも10μ
m以下の霧状になった液滴は、上昇するガスと効率よく
接触されることになる。
【0023】なお、本実施例では、前記した液体噴射機
構として、ノズルをガス流の上流側と下流側の両者に対
向するように配設したが、本発明はこれに限定されるも
のではなく、下流側にのみノズルを配設するものであっ
ても同様な効果を奏することができるものである。ま
た、気液接触ユニットは、2から3個が通常であるが、
必要に応じて増減が可能である。
構として、ノズルをガス流の上流側と下流側の両者に対
向するように配設したが、本発明はこれに限定されるも
のではなく、下流側にのみノズルを配設するものであっ
ても同様な効果を奏することができるものである。ま
た、気液接触ユニットは、2から3個が通常であるが、
必要に応じて増減が可能である。
【0024】試験例1 C重油(硫黄含有率2.5%)の燃焼排ガスを脱硫する
に当たり、脱硫剤として水酸化マグネシウムを用い、多
段ノズルによる噴霧方式を採用した。その際吸収塔の内
部に気液接触用ユニットを2段設置し、下記の条件にて
処理を行った。 気液接触用ユニット:4枚/段×2段=計8枚 エレメント :エキスパンドメタル(12×3
0.5) 材質SUS316、間隔100mm すなわち300mm高/段 処理ガス量 :220,000Nm3/H 入口 SO2濃度 :1450ppm 循環液のpH :5.8〜6.0 流速(空塔基準) :2.5m/s 液ガス比(L/G):6.5 出口 SO2濃度 :20ppm 圧力損失 :20mmAq(2段) 上記の結果、脱硫効率が98.6%に、達し顕著な脱硫
効果が認められた。
に当たり、脱硫剤として水酸化マグネシウムを用い、多
段ノズルによる噴霧方式を採用した。その際吸収塔の内
部に気液接触用ユニットを2段設置し、下記の条件にて
処理を行った。 気液接触用ユニット:4枚/段×2段=計8枚 エレメント :エキスパンドメタル(12×3
0.5) 材質SUS316、間隔100mm すなわち300mm高/段 処理ガス量 :220,000Nm3/H 入口 SO2濃度 :1450ppm 循環液のpH :5.8〜6.0 流速(空塔基準) :2.5m/s 液ガス比(L/G):6.5 出口 SO2濃度 :20ppm 圧力損失 :20mmAq(2段) 上記の結果、脱硫効率が98.6%に、達し顕著な脱硫
効果が認められた。
【0025】試験例2 硫化水素含有排気の脱臭を行うに当たり、脱臭剤として
苛性ソーダ水溶液を用い、ノズル噴霧方式で脱臭を行っ
た。噴霧塔の内部に気液接触用ユニットを3段設置し、
下記の条件にて採業を行った。 気液接触用ユニット :4枚/段×3段=計12枚 エレメント :エキスパンドメタル 上部1枚(22×50.8) 3部3枚(12×30.5) 材質SUS304、間隔60mm すなわち180mm/段 入口 H2S濃度 :750ppm 循環液のpH :10.0〜10.5 流速(空塔基準) :2.0m/s 液ガス比(L/G):5.0 出口 H2S濃度 :7ppm 圧力損失 :15mmaq.(3段) 上記の結果、 H2Sの除去効率は99.1%に達し、顕
著な除去効果が認められた。
苛性ソーダ水溶液を用い、ノズル噴霧方式で脱臭を行っ
た。噴霧塔の内部に気液接触用ユニットを3段設置し、
下記の条件にて採業を行った。 気液接触用ユニット :4枚/段×3段=計12枚 エレメント :エキスパンドメタル 上部1枚(22×50.8) 3部3枚(12×30.5) 材質SUS304、間隔60mm すなわち180mm/段 入口 H2S濃度 :750ppm 循環液のpH :10.0〜10.5 流速(空塔基準) :2.0m/s 液ガス比(L/G):5.0 出口 H2S濃度 :7ppm 圧力損失 :15mmaq.(3段) 上記の結果、 H2Sの除去効率は99.1%に達し、顕
著な除去効果が認められた。
【0026】比較試験例1 試験例1に記した噴霧方式の吸収塔の内部に気液接触用
ユニットを設置しないで下方の多段ノズルを設置し下記
の条件にて処理を行った。 入口 SO2濃度 :1450ppm 循環液のpH :5.8〜6.0 流速(空塔基準) :0.8m/s 液ガス比(L/G):5.0 出口 SO2濃度 :80ppm 上記の結果、気液接触用ユニットを設置しない場合に
は、流速を約1/3に低下させたにも拘らず脱硫効率は
93.3%に止まった。 比較試験例2 試験例2に記した噴霧塔の内部に気液接触用ユニットを
設置しないで、下方向の多段ノズルを設置し、下記の条
件にて処理を行った。 入口 H2S濃度 :750ppm 循環液のpH :10.0〜10.5 流速(空塔基準) :1.0m/s 液ガス比(L/G):6.0 出口 H2S濃度 :30ppm 上記の結果、気液接触ユニットを設置しない場合には、
流速を1/2に低下させたにも拘らず、 H2Sの除去効
率は低下し、除去率は96.0%に止まった。
ユニットを設置しないで下方の多段ノズルを設置し下記
の条件にて処理を行った。 入口 SO2濃度 :1450ppm 循環液のpH :5.8〜6.0 流速(空塔基準) :0.8m/s 液ガス比(L/G):5.0 出口 SO2濃度 :80ppm 上記の結果、気液接触用ユニットを設置しない場合に
は、流速を約1/3に低下させたにも拘らず脱硫効率は
93.3%に止まった。 比較試験例2 試験例2に記した噴霧塔の内部に気液接触用ユニットを
設置しないで、下方向の多段ノズルを設置し、下記の条
件にて処理を行った。 入口 H2S濃度 :750ppm 循環液のpH :10.0〜10.5 流速(空塔基準) :1.0m/s 液ガス比(L/G):6.0 出口 H2S濃度 :30ppm 上記の結果、気液接触ユニットを設置しない場合には、
流速を1/2に低下させたにも拘らず、 H2Sの除去効
率は低下し、除去率は96.0%に止まった。
【0027】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、気
液接触領域に網状体を複数段配設してあるので、ノズル
からの噴射液体が、網状体の線状部表面に衝突して微細
な霧状になると共に、上記線状部側面を伝って流下する
間に混合ガスと接触することによりエアロゾルを生成し
て微細化され、低濃度のスラリー状態の液体であっても
気液接触領域全体に均一に分散して混合ガスに効率良く
接触し、特定成分の回収効率や除去効率を向上させるこ
とができる。
液接触領域に網状体を複数段配設してあるので、ノズル
からの噴射液体が、網状体の線状部表面に衝突して微細
な霧状になると共に、上記線状部側面を伝って流下する
間に混合ガスと接触することによりエアロゾルを生成し
て微細化され、低濃度のスラリー状態の液体であっても
気液接触領域全体に均一に分散して混合ガスに効率良く
接触し、特定成分の回収効率や除去効率を向上させるこ
とができる。
【0028】また、ガスは網状体の網目を通過する間に
ノズルから噴出された液体と気液接触されるので、構造
が簡単で安価に製造でき、しかも被処理ガスの圧力損失
が少なく、処理能力も相対的に大となる気液接触装置を
提供できるものである。
ノズルから噴出された液体と気液接触されるので、構造
が簡単で安価に製造でき、しかも被処理ガスの圧力損失
が少なく、処理能力も相対的に大となる気液接触装置を
提供できるものである。
【0029】更に、網状体を引張して固定し、線状部の
全体表面に勾配を持たせるようにすれば、線状部表面で
の液体の衝突による跳ね返りをランダムにさせることが
でき、しかも液体の上記流下が容易に行われるので、液
体の微細化をより一層効果的に行うことができる。しか
も、この場合には、不溶解物や析出物が網状体に付着し
にくくなる利点をも有するものである。
全体表面に勾配を持たせるようにすれば、線状部表面で
の液体の衝突による跳ね返りをランダムにさせることが
でき、しかも液体の上記流下が容易に行われるので、液
体の微細化をより一層効果的に行うことができる。しか
も、この場合には、不溶解物や析出物が網状体に付着し
にくくなる利点をも有するものである。
【図1】本発明の一実施例に係る装置の概念構成図。
【図2】図1の装置に使用される網状体の断面図。
【図3】図2の網状体の一部拡大斜視図。
【図4】図3のIV−IV線断面図。
【図5】図1の装置に使用される網状体の一部の平面
図。
図。
【図中符号の説明】 2・・・・・・・・第1の液体噴射機構 3・・・・・・・・第2の液体噴射機構 2a,3a・・・・上流側ノズル 2b,3b・・・・下流側ノズル 6・・・・・・・・気液接触用ユニット 6a〜6d・・・・網状体エレメント 7・・・・・・・・線状部
Claims (6)
- 【請求項1】噴射ノズルから噴出されるガス吸収用の液
体と混合ガスとが接触する気液接触領域に、この領域の
横断面を覆うに足る大きさの網状体を上記混合ガスの進
行方向に間隔をおいて複数、配設固定した、 ことを特徴とするガス吸収における気液接触装置。 - 【請求項2】前記複数の網状体の隣設されるもの同士が
その網目の方向を異にして配設されていることを特徴と
する、請求項1に記載のガス吸収における気液接触装
置。 - 【請求項3】前記網状体がエキスパンドメタルによって
構成されていることを特徴とする、請求項1もしくは請
求項2のいずれかに記載のガス吸収における気液接触装
置。 - 【請求項4】前記網状体が、金属板の板面に菱形開口を
規則的に連続形成して成るものであることを特徴とす
る、請求項1から請求項3のいずれかに記載のガス吸収
における気液接触装置。 - 【請求項5】前記網状体は、網目開口が拡開するように
対向する端部を引張して固定されていることを特徴とす
る請求項1から請求項4のいずれかに記載のガス吸収に
おける気液接触装置。 - 【請求項6】前記噴射ノズルが前記気液接触領域におけ
る混合ガス流の上流側と下流側に互いに対向して配設さ
れていることを特徴とする、請求項1から請求項5のい
ずれかに記載のガス吸収における気液接触装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5268383A JPH07100324A (ja) | 1993-09-30 | 1993-09-30 | ガス吸収における気液接触装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5268383A JPH07100324A (ja) | 1993-09-30 | 1993-09-30 | ガス吸収における気液接触装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07100324A true JPH07100324A (ja) | 1995-04-18 |
Family
ID=17457729
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5268383A Pending JPH07100324A (ja) | 1993-09-30 | 1993-09-30 | ガス吸収における気液接触装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07100324A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009082844A (ja) * | 2007-10-01 | 2009-04-23 | Air Water Plant & Engineering Inc | 液中の不純分除去装置および方法 |
WO2013015415A1 (ja) | 2011-07-28 | 2013-01-31 | 株式会社Ihi | ガス分離装置及び充填材 |
WO2014017111A1 (ja) | 2012-07-27 | 2014-01-30 | 株式会社Ihi | ガス分離装置及び充填材 |
CN115025601A (zh) * | 2022-07-08 | 2022-09-09 | 北新建材(昆明)有限公司 | 一种脱硫吸收塔喷淋系统 |
-
1993
- 1993-09-30 JP JP5268383A patent/JPH07100324A/ja active Pending
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009082844A (ja) * | 2007-10-01 | 2009-04-23 | Air Water Plant & Engineering Inc | 液中の不純分除去装置および方法 |
WO2013015415A1 (ja) | 2011-07-28 | 2013-01-31 | 株式会社Ihi | ガス分離装置及び充填材 |
US9815018B2 (en) | 2011-07-28 | 2017-11-14 | Ihi Corporation | Gas separation device and packing |
US9937463B2 (en) | 2011-07-28 | 2018-04-10 | Ihi Corporation | Gas separation apparatus and packing |
WO2014017111A1 (ja) | 2012-07-27 | 2014-01-30 | 株式会社Ihi | ガス分離装置及び充填材 |
CN115025601A (zh) * | 2022-07-08 | 2022-09-09 | 北新建材(昆明)有限公司 | 一种脱硫吸收塔喷淋系统 |
CN115025601B (zh) * | 2022-07-08 | 2024-01-30 | 北新建材(昆明)有限公司 | 一种脱硫吸收塔喷淋系统 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20040127 |