JPH0710002A - 分岐器の先端鎖錠装置及びその駆動方法 - Google Patents

分岐器の先端鎖錠装置及びその駆動方法

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JPH0710002A
JPH0710002A JP18224593A JP18224593A JPH0710002A JP H0710002 A JPH0710002 A JP H0710002A JP 18224593 A JP18224593 A JP 18224593A JP 18224593 A JP18224593 A JP 18224593A JP H0710002 A JPH0710002 A JP H0710002A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は分岐器のトングレールが外気温変化
により伸縮した場合でもロック狂いを起こすことなく基
本レールとトングレール先端との接着状態の照査及び鎖
錠を確実に行う。 【構成】トングレール1の最先端に鎖錠金具2を取り付
け、それと対向する位置の左右の基本レールにロックピ
ース4とスライダーガイド5を持つ固定金具6を取り付
け、左右のスライダーガイド間にスライダー7を設け
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は鉄道の分岐器のトングレ
ールや可動レール先端と基本レールとの密着状態の照査
及び鎖錠のために用いられる先端鎖錠装置及びその駆動
方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】鉄道における分岐器の転換鎖錠は左右の
トングレールを接続した転てつ棒に接続されたスイッチ
アジャスタを直接あるいはクランク類を介して転てつ機
の動作かんに接続し、転てつ機の動作かんの移動によっ
て転換を行い、転換が終了すると動作かんは転てつ機内
で機械的に鎖錠される。一方、トングレール先端の位置
では左右のトングレールの先端に取り付けられたフロン
トロッドから接続かんを介して転てつ機の先端鎖錠機構
である鎖錠かんに接続されており、転換が終了すると鎖
錠かんは転てつ機内のロックピースによって機械的に鎖
錠される。転てつ機の鎖錠かんの取り付けられる位置は
固定されているために、鎖錠かんの切欠き位置はトング
レールの転換方向が正しく、かつ基本レールと接着して
いる状態にあれば転てつ機内のロックピースが鎖錠かん
の切欠きの略中央位置に挿入できるように定期的に調整
される。この場合、ロックピースと鎖錠かんの切欠きの
間には多少の隙間があり、この隙間が許容できる間は多
少の位置関係が狂っても鎖錠かんの切欠きにロックピー
スを挿入することができる。したがって、トングレール
の転換方向が正しく、かつ基本レールと接着している状
態であれば転てつ機内で動作かんが鎖錠される際にロッ
クピースを鎖錠かんの切欠きに挿入することができ、ロ
ックピースを鎖錠かんの切欠きに挿入することでトング
レール先端の接着状態を機械的に照査すると共にトング
レールの先端の鎖錠をおこなっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、従来のよう
に転てつ機によってトングレール長の長い分岐器を転換
鎖錠する場合、外気温が著しく変化するとトングレール
の温度による伸縮量が増加してトングレールの先端の位
置が大きく移動し、転てつ機の鎖錠かんの切欠きとロッ
クピースとの位置関係が狂るい易くなることから狂う量
が許容範囲を越えるとトングレールの転換終了方向が正
しく、かつ基本レールに接着している場合でも鎖錠かん
の切欠き位置が狂い、ロックピースが入らなくなって鎖
錠ができなくなる。鎖錠ができないと列車が分岐器上を
安全に通過することが出来なくなり、社会的に大きな混
乱を招く。そのため、ロック状態の調査や調整を怠りな
く行う必要があり、保守に手のかかる設備となってい
た。
【0004】本発明は気温変化によりトングレールの先
端の位置がトングレールの伸縮方向に移動してもトング
レールの転換終了方向が正しくかつ基本レールに接着し
ていれば正しく機械的に照査し、ロックピースが確実に
入る先端鎖錠装置を得ることを目的としており、更にト
ングレール先端が基本レールに接着していない場合は無
理に鎖錠することを防止する緩衝機構を持つスライダ
ー、ロックピースの状態を監視するリミットスイッチを
働かせるカム付きロックピース及び先端鎖錠装置の駆動
する方法を提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明の分岐器の先端鎖錠装置においてはフロント
ロッドを無くすとともに転てつ機から先端鎖錠機構を分
離し、トングレールの先端に鎖錠金具を取り付け、それ
と対向する位置の両基本レールにロックピースとスライ
ダーガイドを持つ固定金具を取り付け、左右のスライダ
ーガイド間にスライダーを渡し、スライダーが任意の位
置に移動するとロックピースが上方向に微小回転してト
ングレールの先端に鎖錠金具の鎖錠部にはまり込むよう
にしたものである。なお、鎖錠金具の鎖錠部のトングレ
ール伸縮方向の幅はトングレール先端の伸縮があっても
鎖錠ができるようにトングレール伸縮量よりも十分大き
くしておくことが重要となる。
【0006】前記スライダーにはロックピースが鎖錠金
具の鎖錠部に正しくはまり込むことができない場合に無
理な力によってはまり込ませないないように緩衝機構を
内臓させるとより正確な機械的照査が可能となる。
【0007】前記ロックピースの回転部にカム機構を設
け、カム機構によってリミットスイッチを働かせるよう
にするとロックピースの鎖錠と解錠状態を電気的に照査
することができる。
【0008】そして、先端鎖錠装置の駆動方法としては
分岐器の外側近傍に転てつ機等の動力源を接続した直角
クランクとエスケープクランクを取り付け、それぞれを
直列に接続し、直角クランクはスライダーを駆動させて
分岐器の先端鎖錠装置の解錠と鎖錠動作を行い、エスケ
ープクランクはスイッチアジャスターを介して両トング
レールを転換させ、直角クランクとエスケープクランク
の組合わせによる動作タイミングの差を利用して分岐器
の先端鎖錠装置を駆動する方法である。
【0009】
【作用】前記のように構成された先端鎖錠装置を用いる
と気温変化によりトングレールの先端の位置がトングレ
ールの伸縮方向に移動しても鎖錠金具の鎖錠部が追従し
て移動し、鎖錠部の鎖錠できる区間の幅がトングレール
の伸縮量より十分大きいことからトングレールの転換終
了位置が正しくかつ基本レールに接着していれば正しく
照査し、ロックピースを確実に鎖錠できる。
【0010】そして、トングレール先端が基本レールに
接着していない場合は緩衝機構を持つスライダーにより
無理にロックピースを鎖錠金具の鎖錠部にはまり込むこ
とはないので無理に鎖錠したり、ロックピースや鎖錠金
具の鎖錠部を傷付けたり摩耗させたりすることがなくな
る。
【0011】また、ロックピース回転軸近傍にカムを設
け、ロックピースの回転動作からロックピースの状態を
監視するリミットスイッチを働かせることでロックピー
スが正しく鎖錠しているか否かを電気的信号として照査
できる。
【0012】なお、先端鎖錠装置を駆動する方法として
は分岐器の外側近傍に転てつ機等の動力源を接続した直
角クランクとエスケープクランクを取り付け、それぞれ
を直列に接続し、直角クランクはスライダーを駆動させ
て分岐器の先端鎖錠装置の解錠と鎖錠動作を行い、エス
ケープクランクはスイッチアジャスターを介して両トン
グレールを転換させ、転換終了後は直角クランクが分岐
器の先端鎖錠装置を駆動して鎖錠を行う。この方法を用
いると先端鎖錠装置の解錠と鎖錠動作のために特別な動
作をする転てつ機を開発することなく従来の転てつ機を
用いて直角クランクの動きで先端鎖錠装置の解錠、エス
ケープクランクによる分岐器転換、直角クランクによる
先端鎖錠装置の鎖錠の順に分岐器の転換鎖錠ができる。
【0013】
【実施例】実施例について図面を参照して説明する。図
1は本発明の請求項1における分岐器の先端鎖錠装置を
左右のトングレールに取り付けた場合の構成図である。
ここで1はトングレール、2は鎖錠金具、3は基本レー
ル、4はロックピース、5はスライダーガイド、6は固
定金具、7はスライダー、7a,7bはスライダーカ
ム、8は鎖錠金具の鎖錠部、9はロックピース支持部、
10は床板である。トングレール1の最先端に鎖錠金具
2を取り付け、それと対向する位置の左右の基本レール
3にロックピース4とスライダーガイド5を持つ固定金
具6を取り付け、スライダーガイド間にスライダー7を
渡し、スライダー7が任意の位置に移動するとロックピ
ース4が上方に微小回転して鎖錠金具の鎖錠部8にはま
り込むようにしたものである。なお、ロックピース4が
鎖錠金具の鎖錠部8にはまり込む部分のトングレール伸
縮方向の幅はトングレール伸縮量よりも十分大きくして
おく。また、ロックピース4の回転軸の取り付け位置は
鎖錠金具の鎖錠部8との適正な係合を容易にするために
多少調整できる構造とすることは偏心軸等を用いる等に
より容易に実現できる。
【0014】図2は本発明の請求項2における緩衝機構
を持つスライダーの平面図と側面図である。ここでは7
はスライダー、13は接続金具、14a,14bはばね
である。接続金具13とスライダー7との間に緩衝のた
めのばね14a,14bを内蔵させ、任意の力以上の力
がスライダー7に加わったときには位置関係がずれる緩
衝装置を内蔵する。このようにすると、トングレール先
端が基本レールに接着していない場合に、無理にロック
ピースが鎖錠金具の鎖錠部にはまり込むことはなくな
る。図2の(a)は平面図,(b)は側面図を示す。
【0015】図3は本発明の請求項3におけるカム機構
を持つロックピースとリミットスイッチの鎖錠時におけ
る状態図と解錠時における状態図である。ここで、4は
ロックピース、11は回転軸、15はロックピースカ
ム、16はリミットスイッチである。ロックピース4の
回転軸11の近傍にロックピースカム15を設け、ロッ
クピース4の回転動作からロックピース4の状態を監視
するリミットスイッチ16を働かせることでロックピー
ス4の状態を電気的に照査できる。図3の(a)は鎖錠
時でリミットスイッチ16がON状態図,(b)は解錠
時でリミットスイッチ16のOFF状態図を示す。
【0016】図4は本発明の請求項4における分岐器の
先端鎖錠装置の駆動方法を示す説明図である。ここで、
1はトングレール、2は鎖錠金具、3は基本レール、4
はロックピース、6は固定金具、7はスライダー、12
は取り付け金具、17は転てつ機、18は動作かん、1
9は直角クランク、20はエスケープクランク、21は
接続かん、22はスイッチアジャスター、23は転てつ
棒である。分岐器の外側近傍に転てつ機17の動作かん
18を接続した直角クランク19とエスケープクランク
20を取り付け、それぞれを直列に接続し、直角クラン
ク19はスライダー7を駆動させて分岐器の先端鎖錠装
置の解錠と鎖錠動作を行い、エスケープクランク20は
スイッチアジャスター22と転てつ棒23を介して左右
のトングレール1を転換させ、転換終了後は直角クラン
ク19が分岐器の先端鎖錠装置を駆動して鎖錠を行う。
【0017】
【発明の効果】本発明は以上説明したように構成されて
いるので、以下に記載されるような効果が発揮される。
【0018】基本レールの固定金具の鎖錠部のトングレ
ールの伸縮方向の幅にトングレールの伸縮量以上に余裕
を持たせておくとロックピースがトングレールの伸縮量
に追従して移動することからトングレールの伸縮が起こ
ってもトングレールの転換終了位置が正しければロック
ピースは確実にそれを検知して鎖錠することができる。
鎖錠機構が電気転てつ機から分離しており鎖錠関係がト
ングレールと基本レールとの位置関係によって決まるこ
とから電気転てつ機の取り付けボルトの弛緩等によって
転てつ機の取り付け位置が狂ってもトングレール先端の
鎖錠機構は調整する必要がなくなる。
【0019】接続金具とスライダー本体との間に緩衝の
ためのばねを内蔵させ、任意の力以上の力がスライダ本
体に加わったときには位置関係がずれる緩衝装置を内蔵
しているために、トングレール先端が基本レールに接着
していない場合に、無理にロックピースが鎖錠金具の鎖
錠部にはまり込むことはなくなり、より正確な機械的照
査と鎖錠ができる。また、鎖錠部やロックピースを傷付
けたり、摩耗を促進させることもなくなる。
【0020】ロックピースの回転軸の近傍にロックピー
スカムを設け、ロックピースの回転動作からロックピー
スの状態を監視するリミットスイッチを働かせることで
ロックピースの状態を電気的に照査でき、情報伝送によ
って遠隔地から鎖錠の状態を監視できる。
【0021】先端鎖錠装置を駆動する方法として、エス
ケープクランクでスイッチアジャスタと転てつ棒を介し
て左右のトングレールを転換させ、直角クランクで先端
鎖錠装置を駆動させると先端鎖錠装置の解錠と鎖錠動作
のために特別な動作をする転てつ機を開発することなく
従来の転てつ機を用いて直角クランクにより先端鎖錠装
置の解錠、エスケープクランクによる分岐器転換、直角
クランクによる先端鎖錠装置の鎖錠の順に分岐器の転換
鎖錠を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の請求項1における分岐器の先端鎖錠装
置を左右のトングレールに取り付けた場合の構成図であ
る。
【図2】本発明の請求項2における緩衝機構を持つスラ
イダーの平面図と側面図である。
【図3】本発明の請求項3におけるカム機構を持つロッ
クピースとリミットスイッチの鎖錠時における状態図
(a)と解錠時における状態図(b)である。
【図4】本発明の請求項4における分岐器の先端鎖錠装
置の駆動方法を示す説明図である。
【符号の説明】
1 トングレール 2 鎖錠金具 3 基本レール 4 ロックピース 5 スライダーガイド 6 固定金具 7 スライダー 7a,7b スライダーカム 8 鎖錠金具の鎖錠部 9 ロックピース支持部 10 床板 11 回転軸 12 取り付け金具 13 接続金具 14a,14b ばね 15 ロックピースカム 16 リミットスイッチ 17 転てつ機 18 動作かん 19 直角クランク 20 エスケープクランク 21 接続かん 22 スイッチアジャスター 23 転てつ棒
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年8月11日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 分岐器の先端鎖錠装置及びその駆動方
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は鉄道の分岐器のトングレ
ールや可動レール先端と基本レールとの密着状態の照
査及び鎖錠のために用いられる先端鎖錠装置及びその駆
動方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】鉄道における分岐器の転換鎖錠は左右の
トングレールあるいは可動レールを接続した転てつ棒に
接続されたスイッチアジャスタを直接あるいはクラン
ク類を介して転てつ機の動作かんに接続し、転てつ機の
動作かんの移動によって転換を行い、転換が終了すると
動作かんは転てつ機内で機械的に鎖錠される。一方、ト
ングレールあるいは可動レールの先端の位置では左右の
トングレールあるいは可動レールの先端に取り付けられ
たフロントロッドから接続かんを介して転てつ機の先端
鎖錠機構である鎖錠かんに接続されており、転換が終了
すると鎖錠かんは転てつ機内のロックピースによって機
械的に鎖錠される。転てつ機の鎖錠かんの取り付けられ
る位置は固定されているために、鎖錠かんの切欠き位置
はトングレールあるいは可動レールの転換方向が正しく
かつ基本レールと接着している状態にあれば、転てつ機
内のロックピースが鎖錠かんの切欠きの略中央位置に挿
入できるように定期的に調整される。この場合、ロック
ピースと鎖錠かんの切欠きの間には多少の隙間があり、
この隙間が許容できる間は多少の位置関係が狂っても鎖
錠かんの切欠きにロックピースを挿入することができ
る。したがって、トングレールあるいは可動レールの転
換方向が正しくかつ基本レールと接着している状態であ
れば、転てつ機内で動作かんが鎖錠される際にロックピ
ースを鎖錠かんの切欠きに挿入することができ、ロック
ピースを鎖錠かんの切欠きに挿入することでトングレー
あるいは可動レールの先端の接着状態を機械的に照査
すると共にトングレールあるいは可動レールの先端の鎖
錠をおこなっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、従来のよう
に転てつ機によってトングレール長あるいは可動レール
の長い分岐器を転換鎖錠する場合、外気温が著しく変
化するとトングレールあるいは可動レールの温度による
伸縮量が増加してトングレールあるいは可動レールの先
端の位置が大きく移動し、転てつ機の鎖錠かんの切欠き
とロックピースとの位置関係が狂るい易くなることから
狂う量が許容範囲を越えるとトングレールあるいは可動
レールの転換終了方向が正しく、かつ基本レールに接着
している場合でも鎖錠かんの切欠き位置が狂い、ロック
ピースが入らなくなって鎖錠ができなくなる。鎖錠がで
きないと列車が分岐器上を安全に通過することが出来な
くなり、社会的に大きな混乱を招く。そのため、ロック
状態の調査や調整を怠りなく行う必要があり、保守に手
のかかる設備となっていた。
【0004】本発明は気温変化によりトングレールある
いは可動レールの先端の位置がトングレールあるいは可
動レールの伸縮方向に移動してもトングレールあるいは
可動レールの転換終了方向が正しくかつ基本レールに接
着していれば正しく機械的に照査し、ロックピースが確
実に入る先端鎖錠装置を得ることを目的としており、更
にトングレールあるいは可動レールの先端が基本レール
に接着していない場合は無理に鎖錠することを防止する
緩衝機構を持つスライダー、ロックピースの状態を監視
するリミットスイッチを働かせるカム付きロックピース
及び先端鎖錠装置の駆動する方法を提供することを目的
としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明の分岐器の先端鎖錠装置においてはフロント
ロッドを無くすとともに転てつ機から先端鎖錠機構を分
離し、トングレールあるいは可動レールの先端に鎖錠金
具を取り付け、それと対向する位置の左右の基本レール
にロックピースとスライダーガイドを持つ固定金具を取
り付け、左右のスライダーガイド間にスライダーを渡
し、スライダーが任意の位置に移動するとロックピース
が上方向に微小回転してトングレールあるいは可動レー
の先端に鎖錠金具の鎖錠部にはまり込むようにした
である。なお、鎖錠金具の鎖錠部のトングレールある
いは可動レールの伸縮方向の幅はトングレールあるいは
可動レールの先端の伸縮があっても鎖錠ができるように
トングレールあるいは可動レールの伸縮量よりも十分大
きくしておくことが重要となる。
【0006】前記スライダーにはロックピースが鎖錠金
具の鎖錠部に正しくはまり込むことができない場合に無
理な力によってはまり込ませないないように緩衝機構を
内臓させるとより正確な機械的照査が可能となる。
【0007】前記ロックピースの回転部にカム機構を設
け、カム機構によってリミットスイッチを働かせるよう
にするとロックピースの鎖錠と解錠状態を電気的に照査
することができる。
【0008】そして、先端鎖錠装置の駆動方法としては
分岐器の外側近傍に転てつ機等の動力源を接続した直角
クランクとエスケープクランクを取り付け、それぞれを
直列に接続し、直角クランクはスライダーを駆動させて
分岐器の先端鎖錠装置の解錠と鎖錠動作を行い、エスケ
ープクランクはスイッチアジャスターを介して両トング
レールを転換させ、直角クランクとエスケープクランク
の組合わせによる動作タイミングの差を利用して分岐器
の先端鎖錠装置を駆動する方法である。
【0009】
【作用】前記のように構成された先端鎖錠装置を用いる
と気温変化によりトングレールあるいは可動レールの先
端の位置がトングレールあるいは可動レールの伸縮方向
に移動しても鎖錠金具の鎖錠部が追従して移動し、鎖錠
部の鎖錠できる区間の幅がトングレールあるいは可動レ
ールの伸縮量より十分大きいことからトングレールある
いは可動レールの転換終了位置が正しくかつ基本レール
に接着していれば正しく照査し、ロックピースを確実に
鎖錠できる。
【0010】そして、トングレールあるいは可動レール
先端が基本レールに接着していない場合は緩衝機構を
持つスライダーにより無理にロックピースを鎖錠金具の
鎖錠部にはまり込むことはないので無理に鎖錠したり、
ロックピースや鎖錠金具の鎖錠部を傷付けたり摩耗させ
たりすることがなくなる。
【0011】また、ロックピース回転軸近傍にカムを設
け、ロックピースの回転動作からロックピースの状態を
監視するリミットスイッチを働かせることでロックピー
スが正しく鎖錠しているか否かを電気的信号として照査
できる。
【0012】なお、先端鎖錠装置を駆動する方法として
は分岐器の外側近傍に転てつ機等の動力源を接続した直
角クランクとエスケープクランクを取り付け、それぞれ
を直列に接続し、直角クランクはスライダーを駆動させ
て分岐器の先端鎖錠装置の解錠と鎖錠動作を行い、エス
ケープクランクはスイッチアジャスターを介して左右の
トングレールあるいは可動レールを転換させ、転換終了
後は直角クランクが分岐器の先端鎖錠装置を駆動して鎖
錠を行う。この方法を用いると先端鎖錠装置の解錠と鎖
錠動作のために特別な動作をする転てつ機を開発するこ
となく従来の転てつ機を用いて直角クランクの動きで先
端鎖錠装置の解錠、エスケープクランクによる分岐器転
換、直角クランクによる先端鎖錠装置の鎖錠の順に分岐
器の転換鎖錠ができる。
【0013】
【実施例】実施例について図面を参照して説明する。図
1は本発明の請求項1における分岐器の先端鎖錠装置を
左右のトングレールに取り付けた場合の構成図である。
ここで1はトングレール、2は鎖錠金具、3は基本レー
ル、4はロックピース、5はスライダーガイド、6は固
定金具、7はスライダー、7a,7bはスライダーカ
ム、8は鎖錠金具の鎖錠部、9はロックピース支持部、
10は床板である。トングレール1の最先端に鎖錠金具
2を取り付け、それと対向する位置の左右の基本レール
3にロックピース4とスライダーガイド5を持つ固定金
具6を取り付け、スライダーガイド間にスライダー7を
渡し、スライダー7が任意の位置に移動するとロックピ
ース4が上方に微小回転して鎖錠金具の鎖錠部8にはま
り込むようにしたものである。なお、ロックピース4が
鎖錠金具の鎖錠部8にはまり込む部分のトングレール伸
縮方向の幅はトングレール伸縮量よりも十分大きくして
おく。また、ロックピース4の回転軸の取り付け位置は
鎖錠金具の鎖錠部8との適正な係合を容易にするために
多少調整できる構造とすることは偏心軸等を用いる等に
より容易に実現できる。
【0014】図2は本発明の請求項2における緩衝機構
を持つスライダーの平面図と側面図である。ここでは7
はスライダー、13は接続金具、14a,14bはばね
である。接続金具13とスライダー7との間に緩衝のた
めのばね14a,14bを内蔵させ、任意の力以上の力
がスライダー7に加わったときには位置関係がずれる緩
衝装置を内蔵する。このようにすると、トングレール先
端が基本レールに接着していない場合に、無理にロック
ピースが鎖錠金具の鎖錠部にはまり込むことはなくな
る。図2の(a)は平面図,(b)は側面図を示す。
【0015】図3は本発明の請求項3におけるカム機構
を持つロックピースとリミットスイッチの鎖錠時におけ
る状態図と解錠時における状態図である。ここで、4は
ロックピース、11は回転軸、15はロックピースカ
ム、16はリミットスイッチである。ロックピース4の
回転軸11の近傍にロックピースカム15を設け、ロッ
クピース4の回転動作からロックピース4の状態を監視
するリミットスイッチ16を働かせることでロックピー
ス4の状態を電気的に照査できる。図3の(a)は鎖錠
時でリミットスイッチ16がON状態図,(b)は解錠
時でリミットスイッチ16のOFF状態図を示す。
【0016】図4は本発明の請求項4における分岐器の
先端鎖錠装置の駆動方法を示す説明図である。ここで、
1はトングレール、2は鎖錠金具、3は基本レール、4
はロックピース、6は固定金具、7はスライダー、12
は取り付け金具、17は転てつ機、18は動作かん、1
9は直角クランク、20はエスケープクランク、21は
接続かん、22はスイッチアジャスター、23は転てつ
棒である。分岐器の外側近傍に転てつ機17の動作かん
18を接続した直角クランク19とエスケープクランク
20を取り付け、それぞれを直列に接続し、直角クラン
ク19はスライダー7を駆動させて分岐器の先端鎖錠装
置の解錠と鎖錠動作を行い、エスケープクランク20は
スイッチアジャスター22と転てつ棒23を介して左右
のトングレール1を転換させ、転換終了後は直角クラン
ク19が分岐器の先端鎖錠装置を駆動して鎖錠を行う。
【0017】
【発明の効果】本発明は以上説明したように構成されて
いるので、以下に記載されるような効果が発揮される。
【0018】基本レールの固定金具の鎖錠部のトングレ
ールあるいは可動レールの伸縮方向の幅にトングレール
あるいは可動レールの伸縮量以上に余裕を持たせておく
とロックピースがトングレールあるいは可動レールの伸
縮量に追従して移動することからトングレールあるいは
可動レールの伸縮が起こってもトングレールあるいは可
動レールの転換終了位置が正しければロックピースは確
実にそれを検知して鎖錠することができる。鎖錠機構が
電気転てつ機から分離しており鎖錠関係がトングレール
あるいは可動レールと基本レールとの位置関係によって
決まることから電気転てつ機の取り付けボルトの弛緩等
によって転てつ機の取り付け位置が狂ってもトングレー
あるいは可動レールの先端の鎖錠機構は調整する必要
がなくなる。
【0019】接続金具とスライダー本体との間に緩衝の
ためのばねを内蔵させ、任意の力以上の力がスライダ本
体に加わったときには位置関係がずれる緩衝装置を内蔵
しているために、トングレールあるいは可動レールの
端が基本レールに接着していない場合に、無理にロック
ピースが鎖錠金具の鎖錠部にはまり込むことはなくな
り、より正確な機械的照査と鎖錠ができる。また、鎖錠
部やロックピースを傷付けたり、摩耗を促進させること
もなくなる。
【0020】ロックピースの回転軸の近傍にロックピー
スカムを設け、ロックピースの回転動作からロックピー
スの状態を監視するリミットスイッチを働かせることで
ロックピースの状態を電気的に照査でき、情報伝送によ
って遠隔地から鎖錠の状態を監視できる。
【0021】先端鎖錠装置を駆動する方法として、エス
ケープクランクでスイッチアジャスタと転てつ棒を介し
て左右のトングレールあるいは可動レールを転換させ、
直角クランクで先端鎖錠装置を駆動させると、先端鎖錠
装置の解錠と鎖錠動作のために特別な動作をする転てつ
機を開発することなく従来の転てつ機を用いて、直角ク
ランクにより先端鎖錠装置の解錠,エスケープクランク
による分岐器転換,直角クランクによる先端鎖錠装置の
鎖錠の順に分岐器の転換鎖錠を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の請求項1における分岐器の先端鎖錠装
置を左右のトングレールに取り付けた場合の構成図であ
る。
【図2】本発明の請求項2における緩衝機構を持つスラ
イダーの平面図と側面図である。
【図3】本発明の請求項3におけるカム機構を持つロッ
クピースとリミットスイッチの鎖錠時における状態図
(a)と解錠時における状態図(b)である。
【図4】本発明の請求項4における分岐器の先端鎖錠装
置の駆動方法を示す説明図である。
【符号の説明】 1 トングレール 2 鎖錠金具 3 基本レール 4 ロックピース 5 スライダーガイド 6 固定金具 7 スライダー 7a,7b スライダーカム 8 鎖錠金具の鎖錠部 9 ロックピース支持部 10 床板 11 回転軸 12 取り付け金具 13 接続金具 14a,14b ばね 15 ロックピースカム 16 リミットスイッチ 17 転てつ機 18 動作かん 19 直角クランク 20 エスケープクランク 21 接続かん 22 スイッチアジャスター 23 転てつ棒 ─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成6年7月29日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 分岐器の先端鎖錠装置及びその駆動
方法
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は鉄道の分岐器のトングレ
ールや可動レールの先端と基本レールとの密着状態の照
査及び鎖錠のために用いられる先端鎖錠装置及びその駆
動方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図5は従来の分岐器の先端鎖錠装置の構
成図であり、図6は転てつ機内の先端鎖錠機構を示す説
明図で、(a)は平面図,(b)は側面図,(c)は正
面図である。ここで、1はトングレール、3は基本レー
ル、17は転てつ機、18は動作かん、20はエスケー
プクランク、21は接続かん、22はスイッチアジャス
ター、23は転てつ棒、24はフロントロッド、25は
鎖錠かん、25a,25bは鎖錠かんの切欠き、26
a,26bは転てつ機内のロックピースである。鉄道に
おける分岐器の転換鎖錠は左右のトングレールあるい
は可動レールを接続した転てつ棒23に接続されたスイ
ッチアジャスター22を直接あるいはクランク類を介し
て転てつ機17の動作かん18に接続し、転てつ機17
の動作かん18の移動によって転換を行い、転換が終了
すると動作かん18は転てつ機内で機械的に鎖錠され
る。一方、トングレールあるいは可動レールの先端の
位置では左右のトングレールあるいは可動レールの先
端に取り付けられたフロントロッド24から接続かん
を介して転てつ機17の先端鎖錠機構である鎖錠かん
25に接続されており、転換が終了すると鎖錠かん25
は転てつ機内のロックピース26a,26bによって機
械的に鎖錠される。転てつ機17の鎖錠かん25の取り
付けられる位置は固定されているために、鎖錠かんの切
欠き25a,25bの位置はトングレールあるいは可
動レールの転換方向が正しくかつ基本レールと接着し
ている状態にあれば、転てつ機内のロックピース26
a,26bが鎖錠かんの切欠き25a,25bの略中央
位置に挿入できるように定期的に調整される。この場
合、転てつ機内のロックピース26a,26bと鎖錠か
んの切欠き25a,25bの間には多少の隙間があり、
この隙間が許容できる間は多少の位置関係が狂っても鎖
錠かんの切欠き25a,25b転てつ機内のロックピ
ース26a,26bを挿入することができる。したがっ
て、トングレールあるいは可動レールの転換方向が正
しくかつ基本レールと接着している状態であれば、転
てつ機内で動作かん18が鎖錠される際に転てつ機内の
ロックピース26a,26bを鎖錠かんの切欠き25
a,25bに挿入することができ、転てつ機内のロック
ピース26a,26bを鎖錠かんの切欠き25a,25
に挿入することでトングレールあるいは可動レール
の先端の接着状態を機械的に照査すると共にトングレー
あるいは可動レールの先端の鎖錠をおこなってい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、従来のよう
に転てつ機によってトングレール長あるいは可動レール
長の長い分岐器を転換鎖錠する場合、外気温が著しく変
化するとトングレールあるいは可動レールの温度による
伸縮量が増加してトングレールあるいは可動レールの先
端の位置が大きく移動し、転てつ機の鎖錠かんの切欠き
転てつ機内のロックピースとの位置関係が狂るい易く
なることから狂う量が許容範囲を越えるとトングレール
あるいは可動レールの転換終了方向が正しく、かつ基本
レールに接着している場合でも鎖錠かんの切欠き位置が
狂い、転てつ機内のロックピースが入らなくなって鎖錠
ができなくなる。鎖錠ができないと列車が分岐器上を安
全に通過することが出来なくなり、社会的に大きな混乱
を招く。そのため、ロック状態の調査や調整を怠りなく
行う必要があり、保守に手のかかる設備となっていた。
【0004】本発明は気温変化によりトングレールある
いは可動レールの先端の位置がトングレールあるいは可
動レールの伸縮方向に移動してもトングレールあるいは
可動レールの転換終了方向が正しくかつ基本レールに接
着していれば正しく機械的に照査し、先端鎖錠装置の
ックピースが確実に入る先端鎖錠装置を提供することを
目的としており、更にトングレールあるいは可動レール
の先端が基本レールに接着していない場合は無理に鎖錠
することを防止する緩衝機構を持つスライダー、先端鎖
錠装置のロックピースの状態を監視するリミットスイッ
チを働かせるカム付きの先端鎖錠装置及び先端鎖錠装置
の駆動方法を提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1におけ
る分岐器の先端鎖錠装置は、トングレールあるいは可動
レールの最先端に鎖錠金具を取り付け、その鎖錠金具と
対向する位置の左右の基本レールに先端鎖錠装置のロッ
クピースとスライダーガイドを持つ固定金具を取り付
け、左右のスライダーガイド間にスライダーを渡し、そ
のスライダーが任意の位置に移動するとその先端鎖錠装
置のロックピースが上方向に微小回転してトングレール
あるいは可動レール最先端の鎖錠金具鎖錠部にはまり込
むように構成した装置である。
【0006】本発明の請求項2における分岐器の先端鎖
錠装置は、請求項1において、先端鎖錠装置のロックピ
ースが鎖錠金具の鎖錠部にはまり込めない場合に無理に
先端鎖錠装置のロックピースを押し上げないようにした
緩衝機構を持つスライダーを有する装置である。
【0007】本発明の請求項3における分岐器の先端鎖
錠装置は、請求項1において、先端鎖錠装置のロックピ
ースが鎖錠金具の鎖錠部に入ったか否かをリミットスイ
ッチで検知するためのカム機構を持つ先端鎖錠装置のロ
ックピースを有する装置である。
【0008】本発明の請求項4における分岐器の先端鎖
錠装置の駆動方法は、分岐器の外側近傍に転てつ機等の
動力源を接続した直角クランクとエスケープクランクを
取り付け、その直角クランクとそのエスケープクランク
を直列に接続し、その直角クランクはスライダーを駆動
させて分岐器の先端鎖錠装置の解錠と鎖錠動作を行い、
そのエスケープクランクはスイッチアジャスター,転て
つ棒を介してトングレールを転換させ、その直角クラン
クとそのエスケープクランクの組合わせによる動作タイ
ミングの差を利用する方法である。
【0009】
【作用】本発明の請求項1における分岐器の先端鎖錠装
置によれば、前記のように構成された先端鎖錠装置を用
いると気温変化によりトングレールあるいは可動レール
の先端の位置がトングレールあるいは可動レールの伸縮
方向に移動しても鎖錠金具の鎖錠部が追従して移動し、
鎖錠部の鎖錠できる区間の幅がトングレールあるいは可
動レールの伸縮量より十分大きいことからトングレール
あるいは可動レールの転換終了位置が正しくかつ基本レ
ールに接着していれば正しく照査し、ロックピースを確
実に鎖錠できる。なお、鎖錠金具の鎖錠部のトングレー
ルあるいは可動レールの伸縮方向の幅はトングレールあ
るいは可動レールの先端の伸縮があっても鎖錠ができる
ようにトングレールあるいは可動レールの伸縮量よりも
十分大きくしておくことが重要となる。
【0010】本発明の請求項2における分岐器の先端鎖
錠装置によれば、トングレールあるいは可動レールの先
端が基本レールに接着していない場合は緩衝機構を持つ
スライダーにより無理にロックピースを鎖錠金具の鎖錠
部にはまり込むことはないので無理に鎖錠したり、ロッ
クピースや鎖錠金具の鎖錠部を傷付けたり摩耗させたり
することがなくなる。前記スライダーにはロックピース
が鎖錠金具の鎖錠部に正しくはまり込むことができない
場合に無理な力によってはまり込ませないないように緩
衝機構を内臓させるとより正確な機械的照査が可能とな
る。
【0011】本発明の請求項3における分岐器の先端鎖
錠装置によれば、ロックピース回転軸近傍にカムを設
け、ロックピースの回転動作からロックピースの状態を
監視するリミットスイッチを働かせることでロックピー
スが正しく鎖錠しているか否かを電気的信号として照査
できる。前記ロックピースの回転部にカム機構を設け、
カム機構によってリミットスイッチを働かせるようにす
るとロックピースの鎖錠と解錠状態を電気的に照査する
ことができる。
【0012】本発明の請求項4における分岐器の先端鎖
錠装置の駆動方法によれば、先端鎖錠装置の解錠と鎖錠
動作のために特別な動作をする転てつ機を開発すること
なく従来の転てつ機を用いて直角クランクの動きで先端
鎖錠装置の解錠,エスケープクランクによる分岐器転
換,直角クランクによる先端鎖錠装置の鎖錠の順に分岐
器の転換鎖錠ができる。すなわち、エスケープクランク
は転てつ機が転換を開始すると解錠,転換,鎖錠の動作
をする特性があり、エスケープクランクと分岐器の先端
鎖錠装置を併用することによって、エスケープクランク
の解錠中に分岐器の先端鎖錠装置の解錠動作を完了さ
せ、エスケープクランクによるトングレール転換後、エ
スケープクランクの鎖錠中に分岐器の先端鎖錠装置の鎖
錠動作を完了するように動作タイミングを考慮した設計
を行うことによって、先端鎖錠装置の鎖錠機構の駆動制
御が容易に実現できる。
【0013】
【実施例】実施例について図面を参照して説明する。図
1は本発明の請求項1における分岐器の先端鎖錠装置を
左右のトングレールに取り付けた場合の構成図である。
ここで1はトングレール、2は鎖錠金具、3は基本レー
ル、4は先端鎖錠装置のロックピース、5はスライダー
ガイド、6は固定金具、7はスライダー、7a,7bは
スライダーカム、8は鎖錠金具の鎖錠部、9は先端鎖錠
装置のロックピース支持部、10は床板である。トング
レール1の最先端に鎖錠金具2を取り付け、それと対向
する位置の左右の基本レール3に先端鎖錠装置のロック
ピース4とスライダーガイド5を持つ固定金具6を取り
付け、スライダーガイド間にスライダー7を渡し、スラ
イダー7が任意の位置に移動すると先端鎖錠装置のロッ
クピース4が上方に微小回転して鎖錠金具の鎖錠部8に
はまり込むようにしたものである。なお、先端鎖錠装置
ロックピース4が鎖錠金具の鎖錠部8にはまり込む部
分のトングレール伸縮方向の幅はトングレール伸縮量よ
りも十分大きくしておく。また、先端鎖錠装置のロック
ピース4の回転軸の取り付け位置は鎖錠金具の鎖錠部8
との適正な係合を容易にするために多少調整できる構造
とすることは偏心軸等を用いる等により容易に実現でき
る。
【0014】図2は本発明の請求項2における緩衝機構
を持つスライダーの説明図で、(a)は平面図,(b)
側面図である。ここで7はスライダー、13は接続
金具、14a,14bはばねである。接続金具13とス
ライダー7との間に緩衝のためのばね14a,14bを
内蔵させ、任意の力以上の力がスライダー7に加わった
ときには位置関係がずれる緩衝装置を内蔵する。このよ
うにすると、トングレール先端が基本レールに接着して
いない場合に、無理にロックピースが鎖錠金具の鎖錠部
にはまり込むことはなくなる
【0015】図3は本発明の請求項3におけるカム機構
を持つ先端鎖錠装置のロックピースとリミットスイッチ
の鎖錠時における状態図と解錠時における状態図であ
る。ここで、4は先端鎖錠装置のロックピース、11は
回転軸、15はロックピースカム、16はリミットスイ
ッチである。図3の(a)は鎖錠時でリミットスイッチ
16がON状態図,(b)は解錠時でリミットスイッチ
16のOFF状態図を示す。先端鎖錠装置のロックピー
ス4の回転軸11の近傍にロックピースカム15を設
け、先端鎖錠装置のロックピース4の回転動作から先端
鎖錠装置のロックピース4の状態を監視するリミットス
イッチ16を働かせることで先端鎖錠装置のロックピー
ス4の状態を電気的に照査できる
【0016】図4は本発明の請求項4における分岐器の
先端鎖錠装置の駆動方法を示す説明図である。ここで、
1はトングレール、2は鎖錠金具、3は基本レール、4
先端鎖錠装置のロックピース、6は固定金具、7はス
ライダー、12は取り付け金具、17は転てつ機、18
は動作かん、19は直角クランク、20はエスケープク
ランク、21は接続かん、22はスイッチアジャスタ
ー、23は転てつ棒である。分岐器の外側近傍に転てつ
機17の動作かん18を接続した直角クランク19とエ
スケープクランク20を取り付け、それぞれを直列に接
続し、直角クランク19はスライダー7を駆動させて分
岐器の先端鎖錠装置の解錠と鎖錠動作を行い、エスケー
プクランク20はスイッチアジャスター22と転てつ棒
23を介して左右のトングレール1を転換させ、転換終
了後は直角クランク19が分岐器の先端鎖錠装置を駆動
して鎖錠を行う。
【0017】
【発明の効果】本発明は以上説明したように構成されて
いるので、以下に記載されるような効果が発揮される。
【0018】基本レールの固定金具の鎖錠部のトングレ
ールあるいは可動レールの伸縮方向の幅にトングレール
あるいは可動レールの伸縮量以上に余裕を持たせておく
先端鎖錠装置のロックピースがトングレールあるいは
可動レールの伸縮量に追従して移動することからトング
レールあるいは可動レールの伸縮が起こってもトングレ
ールあるいは可動レールの転換終了位置が正しければ
端鎖錠装置のロックピースは確実にそれを検知して鎖錠
することができる。鎖錠機構が電気転てつ機から分離し
ており鎖錠関係がトングレールあるいは可動レールと基
本レールとの位置関係によって決まることから電気転て
つ機の取り付けボルトの弛緩等によって転てつ機の取り
付け位置が狂ってもトングレールあるいは可動レールの
先端の鎖錠機構は調整する必要がなくなる。
【0019】接続金具とスライダー本体との間に緩衝の
ためのばねを内蔵させ、任意の力以上の力がスライダ本
体に加わったときには位置関係がずれる緩衝装置を内蔵
しているために、トングレールあるいは可動レールの先
端が基本レールに接着していない場合に、無理にロック
ピースが鎖錠金具の鎖錠部にはまり込むことはなくな
り、より正確な機械的照査と鎖錠ができる。また、鎖錠
部や先端鎖錠装置のロックピースを傷付けたり、摩耗を
促進させることもなくなる。
【0020】先端鎖錠装置のロックピースの回転軸の近
傍にロックピースカムを設け、先端鎖錠装置のロックピ
ースの回転動作から先端鎖錠装置のロックピースの状態
を監視するリミットスイッチを働かせることで先端鎖錠
装置のロックピースの状態を電気的に照査でき、情報伝
送によって遠隔地から鎖錠の状態を監視できる。
【0021】先端鎖錠装置を駆動する方法として、エス
ケープクランクでスイッチアジャスタと転てつ棒を介し
て左右のトングレールあるいは可動レールを転換させ、
直角クランクで先端鎖錠装置を駆動させると、先端鎖錠
装置の解錠と鎖錠動作のために特別な動作をする転てつ
機を開発することなく従来の転てつ機を用いて、直角ク
ランクにより先端鎖錠装置の解錠,エスケープクランク
による分岐器転換,直角クランクによる先端鎖錠装置の
鎖錠の順に分岐器の転換鎖錠を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の請求項1における分岐器の先端鎖錠装
置を左右のトングレールに取り付けた場合の構成図であ
る。
【図2】本発明の請求項2における緩衝機構を持つスラ
イダーの説明図で、(a)は平面図,(b)は側面図で
ある。
【図3】本発明の請求項3におけるカム機構を持つ先端
鎖錠装置のロックピースとリミットスイッチの説明図
で、(a)は鎖錠時における状態図,(b)は解錠時に
おける状態図である。
【図4】本発明の請求項4における分岐器の先端鎖錠装
置の駆動方法を示す説明図である。
【図5】従来の分岐器の先端鎖錠装置の構成図である。
【図6】転てつ機内の先端鎖錠機構を示す説明図で、
(a)は平面図,(b)は側面図,(c)は正面図であ
る。
【符号の説明】 1 トングレール 2 鎖錠金具 3 基本レール 4 先端鎖錠装置のロックピース 5 スライダーガイド 6 固定金具 7 スライダー 7a,7b スライダーカム 8 鎖錠金具の鎖錠部 9 先端鎖錠装置のロックピース支持部 10 床板 11 回転軸 12 取り付け金具 13 接続金具 14a,14b ばね 15 ロックピースカム 16 リミットスイッチ 17 転てつ機 18 動作かん 19 直角クランク 20 エスケープクランク 21 接続かん 22 スイッチアジャスター 23 転てつ棒24 フロントロッド 25 鎖錠かん 25a,25b 鎖錠かんの切欠き 26a,26b 転てつ機内のロックピース
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図5
【補正方法】追加
【補正内容】
【図5】
【手続補正3】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図6
【補正方法】追加
【補正内容】
【図6】 ─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成6年8月30日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 分岐器の先端鎖錠装置及びその駆動
方法
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は鉄道の分岐器のトングレ
ールや可動レールの先端と基本レールとの密着状態の照
査及び鎖錠のために用いられる先端鎖錠装置及びその駆
動方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図5は従来の分岐器の先端鎖錠装置の構
成図であり、図6は転てつ機内の先端鎖錠機構を示す説
明図で、(a)は平面図,(b)は側面図,(c)は正
面図である。ここで、1はトングレール、3は基本レー
ル、17は転てつ機、18は動作かん、20はエスケー
プクランク、21は接続かん、22はスイッチアジャス
ター、23は転てつ棒、24はフロントロッド、25は
鎖錠かん、25a,25bは鎖錠かんの切欠き、26
a,26bは転てつ機内のロックピースである。鉄道に
おける分岐器の転換鎖錠は左右のトングレール1あるい
は可動レールを接続した転てつ棒23に接続されたスイ
ッチアジャスター22を直接あるいはクランク類を介し
て転てつ機17の動作かん18に接続し、転てつ機17
の動作かん18の移動によって転換を行い、転換が終了
すると動作かん18は転てつ機内で機械的に鎖錠され
る。一方、トングレール1あるいは可動レールの先端の
位置では左右のトングレール1あるいは可動レールの先
端に取り付けられたフロントロッド24から接続かん2
1を介して転てつ機17の先端鎖錠機構である鎖錠かん
25に接続されており、転換が終了すると鎖錠かん25
は転てつ機内のロックピース26a,26bによって機
械的に鎖錠される。転てつ機17の鎖錠かん25の取り
付けられる位置は固定されているために、鎖錠かんの切
欠き25a,25bの位置はトングレール1あるいは可
動レールの転換方向が正しくかつ基本レール3と接着し
ている状態にあれば、転てつ機内のロックピース26
a,26bが鎖錠かんの切欠き25a,25bの略中央
位置に挿入できるように定期的に調整される。この場
合、転てつ機内のロックピース26a,26bと鎖錠か
んの切欠き25a,25bの間には多少の隙間があり、
この隙間が許容できる間は多少の位置関係が狂っても鎖
錠かんの切欠き25a,25bに転てつ機内のロックピ
ース26a,26bを挿入することができる。したがっ
て、トングレール1あるいは可動レールの転換方向が正
しくかつ基本レール3と接着している状態であれば、転
てつ機内で動作かん18が鎖錠される際に転てつ機内の
ロックピース26a,26bを鎖錠かんの切欠き25
a,25bに挿入することができ、転てつ機内のロック
ピース26a,26bを鎖錠かんの切欠き25a,25
bに挿入することでトングレール1あるいは可動レール
の先端の接着状態を機械的に照査すると共にトングレー
ル1あるいは可動レールの先端の鎖錠をおこなってい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、従来のよう
に転てつ機によってトングレール長あるいは可動レール
長の長い分岐器を転換鎖錠する場合、外気温が著しく変
化するとトングレールあるいは可動レールの温度による
伸縮量が増加してトングレールあるいは可動レールの先
端の位置が大きく移動し、転てつ機の鎖錠かんの切欠き
と転てつ機内のロックピースとの位置関係が狂るい易く
なることから狂う量が許容範囲を越えるとトングレール
あるいは可動レールの転換終了方向が正しく、かつ基本
レールに接着している場合でも鎖錠かんの切欠き位置が
狂い、転てつ機内のロックピースが入らなくなって鎖錠
ができなくなる。鎖錠ができないと列車が分岐器上を安
全に通過することが出来なくなり、社会的に大きな混乱
を招く。そのため、ロック状態の調査や調整を怠りなく
行う必要があり、保守に手のかかる設備となっていた。
【0004】本発明は気温変化によりトングレールある
いは可動レールの先端の位置がトングレールあるいは可
動レールの伸縮方向に移動してもトングレールあるいは
可動レールの転換終了方向が正しくかつ基本レールに接
着していれば正しく機械的に照査し、先端鎖錠装置のロ
ックピースが確実に入る先端鎖錠装置を提供することを
目的としており、更にトングレールあるいは可動レール
の先端が基本レールに接着していない場合は無理に鎖錠
することを防止する緩衝機構を持つスライダー、先端鎖
錠装置のロックピースの状態を監視するリミットスイッ
チを働かせるカム付きの先端鎖錠装置及び先端鎖錠装置
の駆動方法を提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1におけ
る分岐器の先端鎖錠装置は、トングレールあるいは可動
レールの最先端に鎖錠金具を取り付け、その鎖錠金具と
対向する位置の左右の基本レールに先端鎖錠装置のロッ
クピースとスライダーガイドを持つ固定金具を取り付
け、左右のスライダーガイド間にスライダーを渡し、そ
のスライダーが任意の位置に移動するとその先端鎖錠装
置のロックピースが微小回転してトングレールあるいは
可動レール最先端の鎖錠金具鎖錠部にはまり込むように
構成した装置である。
【0006】本発明の請求項2における分岐器の先端鎖
錠装置は、請求項1において、先端鎖錠装置のロックピ
ースが鎖錠金具の鎖錠部にはまり込めない場合に無理に
先端鎖錠装置のロックピースを押し込まないようにした
緩衝機構を持つスライダーを有する装置である。
【0007】本発明の請求項3における分岐器の先端鎖
錠装置は、請求項1において、先端鎖錠装置のロックピ
ースが鎖錠金具の鎖錠部に入ったか否かをリミットスイ
ッチで検知するためのカム機構を持つ先端鎖錠装置のロ
ックピースを有する装置である。
【0008】本発明の請求項4における分岐器の先端鎖
錠装置の駆動方法は、分岐器の外側近傍に転てつ機等の
動力源を接続した直角クランクとエスケープクランクを
取り付け、その直角クランクとそのエスケープクランク
を直列に接続し、その直角クランクはスライダーを駆動
させて分岐器の先端鎖錠装置の解錠と鎖錠動作を行い、
そのエスケープクランクはスイッチアジャスター,転て
つ棒を介してトングレールを転換させ、その直角クラン
クとそのエスケープクランクの組合わせによる動作タイ
ミングの差を利用する方法である。
【0009】
【作用】本発明の請求項1における分岐器の先端鎖錠装
置によれば、前記のように構成された先端鎖錠装置を用
いると気温変化によりトングレールあるいは可動レール
の先端の位置がトングレールあるいは可動レールの伸縮
方向に移動しても鎖錠金具の鎖錠部が追従して移動し、
鎖錠部の鎖錠できる区間の幅がトングレールあるいは可
動レールの伸縮量より十分大きいことからトングレール
あるいは可動レールの転換終了位置が正しくかつ基本レ
ールに接着していれば正しく照査し、ロックピースを確
実に鎖錠できる。なお、鎖錠金具の鎖錠部のトングレー
ルあるいは可動レールの伸縮方向の幅はトングレールあ
るいは可動レールの先端の伸縮があっても鎖錠ができる
ようにトングレールあるいは可動レールの伸縮量よりも
十分大きくしておくことが重要となる。
【0010】本発明の請求項2における分岐器の先端鎖
錠装置によれば、トングレールあるいは可動レールの先
端が基本レールに接着していない場合は緩衝機構を持つ
スライダーにより無理にロックピースを鎖錠金具の鎖錠
部にはまり込むことはないので無理に鎖錠したり、ロッ
クピースや鎖錠金具の鎖錠部を傷付けたり摩耗させたり
することがなくなる。前記スライダーにはロックピース
が鎖錠金具の鎖錠部に正しくはまり込むことができない
場合に無理な力によってはまり込ませないように緩衝機
構を内臓させるとより正確な機械的照査が可能となる。
【0011】本発明の請求項3における分岐器の先端鎖
錠装置によれば、ロックピース回転軸近傍にカムを設
け、ロックピースの回転動作からロックピースの状態を
監視するリミットスイッチを働かせることでロックピー
スが正しく鎖錠しているか否かを電気的信号として照査
できる。前記ロックピースの回転部にカム機構を設け、
カム機構によってリミットスイッチを働かせるようにす
るとロックピースの鎖錠と解錠状態を電気的に照査する
ことができる。
【0012】本発明の請求項4における分岐器の先端鎖
錠装置の駆動方法によれば、先端鎖錠装置の解錠と鎖錠
動作のために特別な動作をする転てつ機を開発すること
なく従来の転てつ機を用いて直角クランクの動きで先端
鎖錠装置の解錠,エスケープクランクによる分岐器転
換,直角クランクによる先端鎖錠装置の鎖錠の順に分岐
器の転換鎖錠ができる。すなわち、エスケープクランク
は転てつ機が転換を開始すると解錠,転換,鎖錠の動作
をする特性があり、エスケープクランクと分岐器の先端
鎖錠装置を併用することによって、エスケープクランク
の解錠中に分岐器の先端鎖錠装置の解錠動作を完了さ
せ、エスケープクランクによるトングレール転換後、エ
スケープクランクの鎖錠中に分岐器の先端鎖錠装置の鎖
錠動作を完了するように動作タイミングを考慮した設計
を行うことによって、先端鎖錠装置の鎖錠機構の駆動制
御が容易に実現できる。
【0013】
【実施例】実施例について図面を参照して説明する。図
1は本発明の請求項1における分岐器の先端鎖錠装置を
左右のトングレールに取り付けた場合の構成図である。
ここで1はトングレール、2は鎖錠金具、3は基本レー
ル、4は先端鎖錠装置のロックピース、5はスライダー
ガイド、6は固定金具、7はスライダー、7a,7bは
スライダーカム、8は鎖錠金具の鎖錠部、9は先端鎖錠
装置のロックピース支持部、10は床板である。トング
レール1の最先端に鎖錠金具2を取り付け、それと対向
する位置の左右の基本レール3に先端鎖錠装置のロック
ピース4とスライダーガイド5を持つ固定金具6を取り
付け、スライダーガイド間にスライダー7を渡し、スラ
イダー7が任意の位置に移動すると先端鎖錠装置のロッ
クピース4が上方に微小回転して鎖錠金具の鎖錠部8に
はまり込むようにしたものである。なお、先端鎖錠装置
のロックピース4が鎖錠金具の鎖錠部8にはまり込む部
分のトングレール伸縮方向の幅はトングレール伸縮量よ
りも十分大きくしておく。また、先端鎖錠装置のロック
ピース4の回転軸の取り付け位置は鎖錠金具の鎖錠部8
との適正な係合を容易にするために多少調整できる構造
とすることは偏心軸等を用いる等により容易に実現でき
る。
【0014】図2は本発明の請求項2における緩衝機構
を持つスライダーの説明図で、(a)は平面図,(b)
は側面図である。ここで、7はスライダー、13は接続
金具、14a,14bはばねである。接続金具13とス
ライダー7との間に緩衝のためのばね14a,14bを
内蔵させ、任意の力以上の力がスライダー7に加わった
ときには位置関係がずれる緩衝装置を内蔵する。このよ
うにすると、トングレール先端が基本レールに接着して
いない場合に、無理にロックピースが鎖錠金具の鎖錠部
にはまり込むことはなくなる
【0015】図3は本発明の請求項3におけるカム機構
を持つ先端鎖錠装置のロックピースとリミットスイッチ
の鎖錠時における状態図と解錠時における状態図であ
る。ここで、4は先端鎖錠装置のロックピース、11は
回転軸、15はロックピースカム、16はリミットスイ
ッチである。図3の(a)は鎖錠時でリミットスイッチ
16がON状態図,(b)は解錠時でリミットスイッチ
16のOFF状態図を示す。先端鎖錠装置のロックピー
ス4の回転軸11の近傍にロックピースカム15を設
け、先端鎖錠装置のロックピース4の回転動作から先端
鎖錠装置のロックピース4の状態を監視するリミットス
イッチ16を働かせることで先端鎖錠装置のロックピー
ス4の状態を電気的に照査できる。
【0016】図4は本発明の請求項4における分岐器の
先端鎖錠装置の駆動方法を示す説明図である。ここで、
1はトングレール、2は鎖錠金具、3は基本レール、4
は先端鎖錠装置のロックピース、6は固定金具、7はス
ライダー、12は取り付け金具、17は転てつ機、18
は動作かん、19は直角クランク、20はエスケープク
ランク、21は接続かん、22はスイッチアジャスタ
ー、23は転てつ棒である。分岐器の外側近傍に転てつ
機17の動作かん18を接続した直角クランク19とエ
スケープクランク20を取り付け、それぞれを直列に接
続し、直角クランク19はスライダー7を駆動させて分
岐器の先端鎖錠装置の解錠と鎖錠動作を行い、エスケー
プクランク20はスイッチアジャスター22と転てつ棒
23を介して左右のトングレール1を転換させ、転換終
了後は直角クランク19が分岐器の先端鎖錠装置を駆動
して鎖錠を行う。
【0017】
【発明の効果】本発明は以上説明したように構成されて
いるので、以下に記載されるような効果が発揮される。
【0018】基本レールの固定金具の鎖錠部のトングレ
ールあるいは可動レールの伸縮方向の幅にトングレール
あるいは可動レールの伸縮量以上に余裕を持たせておく
と先端鎖錠装置のロックピースがトングレールあるいは
可動レールの伸縮量に追従して移動することからトング
レールあるいは可動レールの伸縮が起こってもトングレ
ールあるいは可動レールの転換終了位置が正しければ先
端鎖錠装置のロックピースは確実にそれを検知して鎖錠
することができる。鎖錠機構が電気転てつ機から分離し
ており鎖錠関係がトングレールあるいは可動レールと基
本レールとの位置関係によって決まることから電気転て
つ機の取り付けボルトの弛緩等によって転てつ機の取り
付け位置が狂ってもトングレールあるいは可動レールの
先端の鎖錠機構は調整する必要がなくなる。
【0019】接続金具とスライダー本体との間に緩衝の
ためのばねを内蔵させ、任意の力以上の力がスライダ本
体に加わったときには位置関係がずれる緩衝装置を内蔵
しているために、トングレールあるいは可動レールの先
端が基本レールに接着していない場合に、無理にロック
ピースが鎖錠金具の鎖錠部にはまり込むことはなくな
り、より正確な機械的照査と鎖錠ができる。また、鎖錠
部や先端鎖錠装置のロックピースを傷付けたり、摩耗を
促進させることもなくなる。
【0020】先端鎖錠装置のロックピースの回転軸の近
傍にロックピースカムを設け、先端鎖錠装置のロックピ
ースの回転動作から先端鎖錠装置のロックピースの状態
を監視するリミットスイッチを働かせることで先端鎖錠
装置のロックピースの状態を電気的に照査でき、情報伝
送によって遠隔地から鎖錠の状態を監視できる。
【0021】先端鎖錠装置を駆動する方法として、エス
ケープクランクでスイッチアジャスタと転てつ棒を介し
て左右のトングレールあるいは可動レールを転換させ、
直角クランクで先端鎖錠装置を駆動させると、先端鎖錠
装置の解錠と鎖錠動作のために特別な動作をする転てつ
機を開発することなく従来の転てつ機を用いて、直角ク
ランクにより先端鎖錠装置の解錠,エスケープクランク
による分岐器転換,直角クランクによる先端鎖錠装置の
鎖錠の順に分岐器の転換鎖錠を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の請求項1における分岐器の先端鎖錠装
置を左右のトングレールに取り付けた場合の構成図であ
る。
【図2】本発明の請求項2における緩衝機構を持つスラ
イダーの説明図で、(a)は平面図,(b)は側面図で
ある。
【図3】本発明の請求項3におけるカム機構を持つ先端
鎖錠装置のロックピースとリミットスイッチの説明図
で、(a)は鎖錠時における状態図,(b)は解錠時に
おける状態図である。
【図4】本発明の請求項4における分岐器の先端鎖錠装
置の駆動方法を示す説明図である。
【図5】従来の分岐器の先端鎖錠装置の構成図である。
【図6】転てつ機内の先端鎖錠機構を示す説明図で、
(a)は平面図,(b)は側面図,(c)は正面図であ
る。
【符号の説明】 1 トングレール 2 鎖錠金具 3 基本レール 4 先端鎖錠装置のロックピース 5 スライダーガイド 6 固定金具 7 スライダー 7a,7b スライダーカム 8 鎖錠金具の鎖錠部 9 先端鎖錠装置のロックピース支持部 10 床板 11 回転軸 12 取り付け金具 13 接続金具 14a,14b ばね 15 ロックピースカム 16 リミットスイッチ 17 転てつ機 18 動作かん 19 直角クランク 20 エスケープクランク 21 接続かん 22 スイッチアジャスター 23 転てつ棒 24 フロントロッド 25 鎖錠かん 25a,25b 鎖錠かんの切欠き 26a,26b 転てつ機内のロックピース

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】鉄道の分岐器におけるトングレール及び可
    動レール先端を鎖錠する装置において、トングレール及
    び可動レールの最先端に鎖錠金具を取り付け、該鎖錠金
    具と対向する位置の左右の基本レールにロックピースと
    スライダーガイドを持つ固定金具を取り付け、左右のス
    ライダーガイド間にスライダーを渡し、該スライダーが
    任意の位置に移動すると該ロックピースが上方向に微小
    回転してトングレール及び可動レール最先端の鎖錠金具
    鎖錠部にはまり込むように構成した分岐器の先端鎖錠装
    置。
  2. 【請求項2】請求項1において、ロックピースが鎖錠金
    具の鎖錠部にはまり込めない場合に無理にロックピース
    を押し上げないようにした緩衝機構を持つスライダーを
    有する請求項1記載の分岐器の先端鎖錠装置。
  3. 【請求項3】請求項1において、ロックピースが鎖錠金
    具の鎖錠部に入ったか否かをリットスイッチで検知する
    ためのカム機構を持つロックピースを有する請求項1記
    載の分岐器の先端鎖錠装置。
  4. 【請求項4】鉄道の分岐器における先端鎖錠装置を駆動
    する方法において、分岐器の外側近傍に転てつ機等の動
    力源を接続した直角クランクとエスケープクランクを取
    り付け、該直角クランクと該エスケープクランクを直列
    に接続し、該直角クランクはスライダーを駆動させて分
    岐器の先端鎖錠装置の解錠と鎖錠動作を行い、該エスケ
    ープクランクはスイッチアジャスター,転てつ棒を介し
    てトングレールを転換させ、該直角クランクと該エスケ
    ープクランクの組合わせによる動作タイミングの差を利
    用する分岐器の先端鎖錠装置の駆動方法。
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