JPH0698299B2 - 回分式化学反応装置の制御方法 - Google Patents
回分式化学反応装置の制御方法Info
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- JPH0698299B2 JPH0698299B2 JP63254906A JP25490688A JPH0698299B2 JP H0698299 B2 JPH0698299 B2 JP H0698299B2 JP 63254906 A JP63254906 A JP 63254906A JP 25490688 A JP25490688 A JP 25490688A JP H0698299 B2 JPH0698299 B2 JP H0698299B2
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- reaction
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- mixer section
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- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B01—PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
- B01J—CHEMICAL OR PHYSICAL PROCESSES, e.g. CATALYSIS OR COLLOID CHEMISTRY; THEIR RELEVANT APPARATUS
- B01J19/00—Chemical, physical or physico-chemical processes in general; Their relevant apparatus
- B01J19/0006—Controlling or regulating processes
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- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Organic Chemistry (AREA)
- Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
- Physical Or Chemical Processes And Apparatus (AREA)
- Polymerisation Methods In General (AREA)
- Feedback Control In General (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、回分式化学反応装置の反応制御方法に関す
る。
る。
〔従来技術及び発明が解決しようとする課題〕 化学反応システムは、連続式と回分式とに大別される
が、近年は大量生産に向いている連続反応器よりも、多
品種少量生産に向く回分反応器が重要になっている。し
かし、反応が定常に行われる連続式に比べ、反応の状態
が時間と共に変化する回分式は、非線形かつ不確定要素
を含む複雑なシステムであり、制御が難しく、制御方式
も限られている。たとえば、古くから化学プロセスの分
野で用いられているPIDフィードバック制御方式におい
ては、システムの正確な動特性が解らなくても適用でき
るが、外乱の制御特性が最適となるように調整すると目
標値追従特性が振動的になり、逆に目標値追従特性に最
適に調整すると外乱抑制特性が甘くなってしまうという
大きな欠陥がある。いずるの場合も反応条件制御が甘く
なり、目的とする製品の品質安定化、特に精密な化学品
の製造ができない。
が、近年は大量生産に向いている連続反応器よりも、多
品種少量生産に向く回分反応器が重要になっている。し
かし、反応が定常に行われる連続式に比べ、反応の状態
が時間と共に変化する回分式は、非線形かつ不確定要素
を含む複雑なシステムであり、制御が難しく、制御方式
も限られている。たとえば、古くから化学プロセスの分
野で用いられているPIDフィードバック制御方式におい
ては、システムの正確な動特性が解らなくても適用でき
るが、外乱の制御特性が最適となるように調整すると目
標値追従特性が振動的になり、逆に目標値追従特性に最
適に調整すると外乱抑制特性が甘くなってしまうという
大きな欠陥がある。いずるの場合も反応条件制御が甘く
なり、目的とする製品の品質安定化、特に精密な化学品
の製造ができない。
本発明者らは上記実状に鑑み、鋭意検討した結果、非線
形な回分式化学反応システムに可変構造の概念に基づく
スライディング・モード・コントロール法を適用するこ
とによってオーバーシュートのない、正確な制御ができ
ることを把握し、本発明に到達した。
形な回分式化学反応システムに可変構造の概念に基づく
スライディング・モード・コントロール法を適用するこ
とによってオーバーシュートのない、正確な制御ができ
ることを把握し、本発明に到達した。
具体的には、第1図を参照すると、反応器1の外部ミキ
サー部2を有する回分式化学反応装置を対象とし、スラ
イディング・モード・コントロール法(以下SMCと称
す)をミキサー部の温度制御に適用し、速やかで、かつ
パラメーター変動に強い頑健な反応制御系を構成する。
ミキサー部に着目したことによって、プロセスの詳細な
数学的モデルを必要とするため化学反応器の制御に適用
することが困難であった可変構造制御の概念を化学反応
器に適用することが可能となり、かつSMC法の具体的実
現手段を見い出すに到った。
サー部2を有する回分式化学反応装置を対象とし、スラ
イディング・モード・コントロール法(以下SMCと称
す)をミキサー部の温度制御に適用し、速やかで、かつ
パラメーター変動に強い頑健な反応制御系を構成する。
ミキサー部に着目したことによって、プロセスの詳細な
数学的モデルを必要とするため化学反応器の制御に適用
することが困難であった可変構造制御の概念を化学反応
器に適用することが可能となり、かつSMC法の具体的実
現手段を見い出すに到った。
本発明の制御方法は以下の手順で行う。
(1)ミキサー部の温度設定値をすべり面とする。
(2)すべり面を境に高い温度においては、発熱反応で
あれば温度が減少するように反応を抑制する操作を行う
ように機能し、吸熱反応であれば反応を促進する操作を
行うように機能するフィードバック制御系を構成する。
あれば温度が減少するように反応を抑制する操作を行う
ように機能し、吸熱反応であれば反応を促進する操作を
行うように機能するフィードバック制御系を構成する。
(3)すべり面を境に低い温度においては、発熱反応で
あれば温度が増加するように反応を促進する操作を行う
ように機能し、吸熱反応であれば反応を抑制する操作を
行うように機能するフィードバック制御系を構成する。
あれば温度が増加するように反応を促進する操作を行う
ように機能し、吸熱反応であれば反応を抑制する操作を
行うように機能するフィードバック制御系を構成する。
(4)第2図においてA点を反応開始点とする。A点は
すべり面を境に高い温度にあるため、上記(2)の操作
によって温度が下がるよう状態が推移し、B点にてすべ
り面に到達する。ここで上記(3)の操作に切り替える
が、実際には、プロセスが有する遅れのためB′点にて
上記(3)の操作が実現される。今度は温度がすべり面
より低いため温度が上昇するように状態が推移する。さ
らに、C点、C点′、D点、D′点…と切り替えが繰り
返され、設定温度近傍をすべりながら最後には平衡点へ
と全状態が推移する。
すべり面を境に高い温度にあるため、上記(2)の操作
によって温度が下がるよう状態が推移し、B点にてすべ
り面に到達する。ここで上記(3)の操作に切り替える
が、実際には、プロセスが有する遅れのためB′点にて
上記(3)の操作が実現される。今度は温度がすべり面
より低いため温度が上昇するように状態が推移する。さ
らに、C点、C点′、D点、D′点…と切り替えが繰り
返され、設定温度近傍をすべりながら最後には平衡点へ
と全状態が推移する。
こうして、本発明によれば、反応器内に出発成分を仕込
み、反応器の外部にミキサー部を有し、反応器内の出発
成分又は反応混合物の一部分を外部ミキサー部を通して
循環させ、外部ミキサー部で反応関与物質を徐々に添加
する回分式化学反応装置において、予め外部ミキサー部
での反応関与物質の添加量と外部ミキサー部の温度変化
との関係を系の動特性にもとづいて記述する方程式とし
て求めておき、反応器内の所望温度との関係にもとづい
て外部ミキサー部に温度設定値を設け、かつ外部ミキサ
ー部の温度が当該設定値より高い場合には、前記方程式
にもとづいて外部ミキサー部の温度が降下するように外
部ミキサー部への反応関与物質の添加量を調整する第1
制御系と、外部ミキサー部の温度が当該設定値より低い
場合には前記方程式にもとづいて外部ミキサー部の温度
が上昇するように外部ミキサー部への反応関与物質の添
加量を調整する第2の制御系とを構成し、そして、外部
ミキサー部の温度が当該設定値より高くなると前記第1
の制御系が駆動され、また外部ミキサー部の温度が当該
設定値より低くなると前記第2の制御系が駆動されるよ
うに制御系を切替えて、外部ミキサー部の温度を上記温
度設定値をすべり面とするスライディング・モード・コ
ントロールにより上記温度設定値に制御し、よって反応
器内の温度を所望温度に制御することを特徴とする回分
式化学反応装置の制御方法が提供される。
み、反応器の外部にミキサー部を有し、反応器内の出発
成分又は反応混合物の一部分を外部ミキサー部を通して
循環させ、外部ミキサー部で反応関与物質を徐々に添加
する回分式化学反応装置において、予め外部ミキサー部
での反応関与物質の添加量と外部ミキサー部の温度変化
との関係を系の動特性にもとづいて記述する方程式とし
て求めておき、反応器内の所望温度との関係にもとづい
て外部ミキサー部に温度設定値を設け、かつ外部ミキサ
ー部の温度が当該設定値より高い場合には、前記方程式
にもとづいて外部ミキサー部の温度が降下するように外
部ミキサー部への反応関与物質の添加量を調整する第1
制御系と、外部ミキサー部の温度が当該設定値より低い
場合には前記方程式にもとづいて外部ミキサー部の温度
が上昇するように外部ミキサー部への反応関与物質の添
加量を調整する第2の制御系とを構成し、そして、外部
ミキサー部の温度が当該設定値より高くなると前記第1
の制御系が駆動され、また外部ミキサー部の温度が当該
設定値より低くなると前記第2の制御系が駆動されるよ
うに制御系を切替えて、外部ミキサー部の温度を上記温
度設定値をすべり面とするスライディング・モード・コ
ントロールにより上記温度設定値に制御し、よって反応
器内の温度を所望温度に制御することを特徴とする回分
式化学反応装置の制御方法が提供される。
なお、ミキサー部以外に着目した場合は、例えば反応器
や外部熱交換器における温度変化に遅れが生じるため
に、第2図のすべり面が発生せずSMCの適用が困難とな
る。
や外部熱交換器における温度変化に遅れが生じるため
に、第2図のすべり面が発生せずSMCの適用が困難とな
る。
次に本発明を実施例によって説明する。
第3図は回分反応装置の概略図を示す。反応系は次のよ
うな重合反応系である。
うな重合反応系である。
開始反応 I+M → P1 * (1) 成長反応 Pn-1 *+M → Pn* (2) 停止反応 Pn*→ Pn (3) ここにIは開始剤、Mはモノマー、P*は活性種、Pは
ポリマー、nは重合度を表す。
ポリマー、nは重合度を表す。
反応装置の構成要素は、反応器11の他に開始剤を添加す
るミキサー12と外部熱交換器13であり、各構成要素は配
管14,15,16で結ばれている。反応熱が多量なため、開始
剤は徐々に添加する方式をとり、モノマーは反応器に投
入され、ポンプによってミキサー12、熱交換器13、配管
14〜16を循環する。
るミキサー12と外部熱交換器13であり、各構成要素は配
管14,15,16で結ばれている。反応熱が多量なため、開始
剤は徐々に添加する方式をとり、モノマーは反応器に投
入され、ポンプによってミキサー12、熱交換器13、配管
14〜16を循環する。
反応物、冷却系などの分布系をすべて集中系と考えて、
Arrheniusの式による反応速度式、Fourierの伝熱の式、
及び以下に示す物質収支式; エネルギ収支式より、システムの定式化を行う。
Arrheniusの式による反応速度式、Fourierの伝熱の式、
及び以下に示す物質収支式; エネルギ収支式より、システムの定式化を行う。
これにより、ミキサー、熱交換器、反応器内おのおのに
つき以下の式を導出できる。
つき以下の式を導出できる。
<ミキサー> d〔I〕m/dt=((〔I〕i×Fa+〔I〕mi×Fr−
〔I〕m ×(Fa+Fr)−αm×〔I〕i×Fa)/Vm (6) d〔M〕m/dt=(〔M〕mi×Fr+〔M〕m×(Fa+Fr)
−αm ×〔I〕i×Fa)/Vm (7) d〔P*〕m/dt=(〔P*〕mi×Fr−〔P*〕m×(Fa
+Fr) +αm×〔I〕i×Fa)/Vm (8) d〔P〕m/dt=(〔P〕mi×Fr−〔P〕m×(Fa+Fr)
/Vm (9) dTm/dt=(Fa×ρa×Ca×Ta+Fr×ρmi×Cmi×Tmi−
(Fa+Fr) ×ρm×Cm×Tm+αm×〔I〕i×Fa×Q1)/ (Vm×ρm×Cm) (10) <熱交換器> Qh=Kh×Ah(Th−Thi) 〔J/hr〕 (11) dTh/dt=(Fh×ρh×Ch×Thi−Fh×ρh×Ch×Th−Q
h) /(Vh×ρh×Ch) (12) dThb/dt=(Fhbi×ρhbi×Chbi×Thbi−Fhb×ρhb× Chb×Thb+Qh)/(Vhb×ρhb×Chb) (13) <反応器> Tg=〔P*〕r×〔M〕r×kgo×exp(‐Eg/RTr) −〔P*〕r×kdo×exp(‐Ed/RTr) (14) Tt=〔P*〕r×kto×exp(‐Et/RrT) (15) Qj=Kc×Ac×(Tr−Tc) 〔J/hr〕 (16) Qc=Kj×Aj×(Tr−Tj) 〔J/hr〕 (17) dVr/dt=Fa (18) d〔I〕r/dt=(Fa+Fr)×(〔I〕ri−〔I〕r)/V
r (19) d〔M〕r/dt=(Fa+Fr)×(〔M〕ri−〔M〕r)/V
r−Tt (20) d〔P*〕r/dt=(Fa+Fr)×(〔P*〕ri −〔P*〕r)/Vr−Tt (21) d〔P〕r/dt=(Fa+Fr)×(〔P〕ri−〔P〕r) /Vr+Tt (22) dTr/dt=((Fa+Fr)×ρri×Cri+Tri−Fr× ρr×Cr×Tr−Qc−Qj+Tp×Vr× Q2)/(Vr+ρr×Cr) (23) dTj/dt=(Fj×ρj×Cj×Tji−Tj)+Qj) /(Vj×ρj×Cj) (24) dTc/dt=(Fc×ρc×Cc×(Tci−Tc)+Qc) /(Vc×ρc×Cc) (25) I:開始剤、M:モノマー、P*:活性種、P:ポリマー、X:
上の4種の成分まとめて表す、〔×〕:各成分の濃度
〔mol/〕、T:温度〔℃〕F:流量〔/hr〕、V:体積
〔〕、C:比熱〔J/kg・℃〕ρ:密度〔kg/〕、Q1:開
始反応熱、Q2:成長反応熱、Kgo,Kdo,Kto:頻度因子 〔/mol・hr〕、Eg,Ed,Et:活性化エネルギ〔J/mol〕、
R:気体定数〔mol/K〕、Qj,Qc,Qh:熱交換速度〔J/hr〕、
Kc,Kj,Kh:熱通過率〔J/m2・hr・℃〕、Ac,Aj,Ah:伝熱面
積〔m2〕、Tc,Tj,Th:冷却水温度〔℃〕、 Thi:熱交換器入口温度〔℃〕 <添え字>r:反応器内、ri:反応器入口、m:ミキサー
内、mi:ミキサー入口、a:添加開始剤入口、h:熱交換器
内、hi:熱交換器入口、j:ジャケット内、ji:ジャケット
入口、c:コイル内、ci:コイル入口、hb:熱交換器冷却水
内:hbi:熱交換器冷却水入口。
〔I〕m ×(Fa+Fr)−αm×〔I〕i×Fa)/Vm (6) d〔M〕m/dt=(〔M〕mi×Fr+〔M〕m×(Fa+Fr)
−αm ×〔I〕i×Fa)/Vm (7) d〔P*〕m/dt=(〔P*〕mi×Fr−〔P*〕m×(Fa
+Fr) +αm×〔I〕i×Fa)/Vm (8) d〔P〕m/dt=(〔P〕mi×Fr−〔P〕m×(Fa+Fr)
/Vm (9) dTm/dt=(Fa×ρa×Ca×Ta+Fr×ρmi×Cmi×Tmi−
(Fa+Fr) ×ρm×Cm×Tm+αm×〔I〕i×Fa×Q1)/ (Vm×ρm×Cm) (10) <熱交換器> Qh=Kh×Ah(Th−Thi) 〔J/hr〕 (11) dTh/dt=(Fh×ρh×Ch×Thi−Fh×ρh×Ch×Th−Q
h) /(Vh×ρh×Ch) (12) dThb/dt=(Fhbi×ρhbi×Chbi×Thbi−Fhb×ρhb× Chb×Thb+Qh)/(Vhb×ρhb×Chb) (13) <反応器> Tg=〔P*〕r×〔M〕r×kgo×exp(‐Eg/RTr) −〔P*〕r×kdo×exp(‐Ed/RTr) (14) Tt=〔P*〕r×kto×exp(‐Et/RrT) (15) Qj=Kc×Ac×(Tr−Tc) 〔J/hr〕 (16) Qc=Kj×Aj×(Tr−Tj) 〔J/hr〕 (17) dVr/dt=Fa (18) d〔I〕r/dt=(Fa+Fr)×(〔I〕ri−〔I〕r)/V
r (19) d〔M〕r/dt=(Fa+Fr)×(〔M〕ri−〔M〕r)/V
r−Tt (20) d〔P*〕r/dt=(Fa+Fr)×(〔P*〕ri −〔P*〕r)/Vr−Tt (21) d〔P〕r/dt=(Fa+Fr)×(〔P〕ri−〔P〕r) /Vr+Tt (22) dTr/dt=((Fa+Fr)×ρri×Cri+Tri−Fr× ρr×Cr×Tr−Qc−Qj+Tp×Vr× Q2)/(Vr+ρr×Cr) (23) dTj/dt=(Fj×ρj×Cj×Tji−Tj)+Qj) /(Vj×ρj×Cj) (24) dTc/dt=(Fc×ρc×Cc×(Tci−Tc)+Qc) /(Vc×ρc×Cc) (25) I:開始剤、M:モノマー、P*:活性種、P:ポリマー、X:
上の4種の成分まとめて表す、〔×〕:各成分の濃度
〔mol/〕、T:温度〔℃〕F:流量〔/hr〕、V:体積
〔〕、C:比熱〔J/kg・℃〕ρ:密度〔kg/〕、Q1:開
始反応熱、Q2:成長反応熱、Kgo,Kdo,Kto:頻度因子 〔/mol・hr〕、Eg,Ed,Et:活性化エネルギ〔J/mol〕、
R:気体定数〔mol/K〕、Qj,Qc,Qh:熱交換速度〔J/hr〕、
Kc,Kj,Kh:熱通過率〔J/m2・hr・℃〕、Ac,Aj,Ah:伝熱面
積〔m2〕、Tc,Tj,Th:冷却水温度〔℃〕、 Thi:熱交換器入口温度〔℃〕 <添え字>r:反応器内、ri:反応器入口、m:ミキサー
内、mi:ミキサー入口、a:添加開始剤入口、h:熱交換器
内、hi:熱交換器入口、j:ジャケット内、ji:ジャケット
入口、c:コイル内、ci:コイル入口、hb:熱交換器冷却水
内:hbi:熱交換器冷却水入口。
なお熱通過率、Arrheniusの式の頻度因子等の不確定パ
ラメータ、反応熱は実験データより求める。
ラメータ、反応熱は実験データより求める。
この重合反応系では、操作量の添加開始剤(Fa)をミキ
サーから投入している。本発明の目的は、反応器内の温
度(反応温度)を定温側に冷却されている初期値から所
定の目標値(例えば2℃)にできるだけ速く近づけるこ
とであるが、この場合、この系ではミキサー内温度(T
m)を反応器内温度(Tr)と一定の関係(α=Tr+k)
の温度(例えば、反応器内所望温度より1℃高い3℃)
に設定すればよい。そこで、SMC法におけるすべり面を
S=Tm−α (26) に設定する。ここで、 とおけば、 S・=(Tm−3)×(dTm/dt)=(Tm−3)×(Fa×
ρa× Ca×Ta×Fr×ρmi×Cmi×Tmi−(Fa+Fr) ×ρm×Cm×Tm+αm×〔I〕a×Fa×Q1) /(Vm×ρm×Cm)<0 書き換えれば (Tm−3)×(Fa×SC1+SC2)<0 (28) となる。この式(28)中、独立変数はTm,Tmi,Ta,Faだけ
である。
サーから投入している。本発明の目的は、反応器内の温
度(反応温度)を定温側に冷却されている初期値から所
定の目標値(例えば2℃)にできるだけ速く近づけるこ
とであるが、この場合、この系ではミキサー内温度(T
m)を反応器内温度(Tr)と一定の関係(α=Tr+k)
の温度(例えば、反応器内所望温度より1℃高い3℃)
に設定すればよい。そこで、SMC法におけるすべり面を
S=Tm−α (26) に設定する。ここで、 とおけば、 S・=(Tm−3)×(dTm/dt)=(Tm−3)×(Fa×
ρa× Ca×Ta×Fr×ρmi×Cmi×Tmi−(Fa+Fr) ×ρm×Cm×Tm+αm×〔I〕a×Fa×Q1) /(Vm×ρm×Cm)<0 書き換えれば (Tm−3)×(Fa×SC1+SC2)<0 (28) となる。この式(28)中、独立変数はTm,Tmi,Ta,Faだけ
である。
Tm=αをすべり面としてスライディングするための条件
は S×(ds/dt)<0 (29) である。従って、操作量(開始剤添加量Fa)を次式のよ
うに選択すれば、すべり面を境としてスライディング・
モード・コントロールが実現される。
は S×(ds/dt)<0 (29) である。従って、操作量(開始剤添加量Fa)を次式のよ
うに選択すれば、すべり面を境としてスライディング・
モード・コントロールが実現される。
ただし、上記の条件ではFaの値が不等式で表現されてい
るので次式のようにβを用いて実際の流量を不等式条件
を満たす実現値として決定する。
るので次式のようにβを用いて実際の流量を不等式条件
を満たす実現値として決定する。
Fa=β×(−SC2/SC1) (31) βはSMCの切り替えの速さなどを決める設計パラメータ
ーとなる。例えばβ>1の値として1.01,β<1の値と
して0.99というようにβの値を選択すればよい。ただし
Faは物理的に正の値である。
ーとなる。例えばβ>1の値として1.01,β<1の値と
して0.99というようにβの値を選択すればよい。ただし
Faは物理的に正の値である。
なお、第3図に示される如く、通常、反応器11はモータ
ー17で内部撹拌されるとともに、内部コイル18と外部ジ
ャケット19を有し、冷却液20,21で冷却され、また熱交
換器13でも冷却液22で冷却されているが、これらの冷却
条件については、単に冷却液を定速で流して特別の制御
を行わなくてもよいが、反応器内温度及び熱交換器内温
度と関連させて従来法(例えばPI制御)による制御を行
うことが好ましい。
ー17で内部撹拌されるとともに、内部コイル18と外部ジ
ャケット19を有し、冷却液20,21で冷却され、また熱交
換器13でも冷却液22で冷却されているが、これらの冷却
条件については、単に冷却液を定速で流して特別の制御
を行わなくてもよいが、反応器内温度及び熱交換器内温
度と関連させて従来法(例えばPI制御)による制御を行
うことが好ましい。
次に、第3図に示した反応装置を用いて実際に行った実
験について説明する。
験について説明する。
反応はモノマーとしてテトラヒドロフラン、反応開始剤
としてフロロスルホン酸、開始剤助剤として無水酢酸を
用いた重合反応で、テトラヒドロフランと無水酢酸とを
予め反応器11に仕込み、これをポンプ23によってミキサ
ーに、熱交換器13を通して循環させ、反応器の冷却コイ
ル18、冷却ジャケット19、外部熱交換器13に冷媒(−13
℃)を通して−8℃に冷却した。次にミキサー部にフロ
スルホン酸を投入することによって反応を開始する。
としてフロロスルホン酸、開始剤助剤として無水酢酸を
用いた重合反応で、テトラヒドロフランと無水酢酸とを
予め反応器11に仕込み、これをポンプ23によってミキサ
ーに、熱交換器13を通して循環させ、反応器の冷却コイ
ル18、冷却ジャケット19、外部熱交換器13に冷媒(−13
℃)を通して−8℃に冷却した。次にミキサー部にフロ
スルホン酸を投入することによって反応を開始する。
この反応システムの定式化は前記式(1)〜(32)に示
した通りである。ここで反応器スケール、ほか本システ
ムのパラメーターを実験的に求めた数値も含めて下記に
示す。
した通りである。ここで反応器スケール、ほか本システ
ムのパラメーターを実験的に求めた数値も含めて下記に
示す。
Vr=800〔〕、Vm=1.78〔〕、Fr=1.8×103〔/h
r〕、ρm=ρmi=0.88〔kg/〕、Cm=Cmi=1.8×103
〔J/kg・K〕、Q1=1.048×105〔J/mol〕、ρa=1.04
〔kg/〕、Ca=2.0×103〔J/kg・K〕、αm=0.71、
〔I〕a=6〔mol/〕、Ta=25〔℃〕。
r〕、ρm=ρmi=0.88〔kg/〕、Cm=Cmi=1.8×103
〔J/kg・K〕、Q1=1.048×105〔J/mol〕、ρa=1.04
〔kg/〕、Ca=2.0×103〔J/kg・K〕、αm=0.71、
〔I〕a=6〔mol/〕、Ta=25〔℃〕。
そして、反応器内の所望温度(反応温度)を2℃とし、
対応するミキサー内部の設定温度をそれより1℃高い3
℃とした。このとき、式(28)(27)は次の式で表され
る。
対応するミキサー内部の設定温度をそれより1℃高い3
℃とした。このとき、式(28)(27)は次の式で表され
る。
これらの式及び値と、β=0.9又は1.1を用いて、式(3
1),(32)の制御則で開始剤流量(Fa)をコントロー
ルした。このコントロールは、第3図を参照すると、添
加開始剤入力温度Ta、ミキサー内温度Tm、ミキサー入口
温度Tmiを所定のセンサーで検知し、これらの測定値を
用いてコンピュータ24て式(33)にもとづいて計算を行
い、計算された添加開始剤流量Faになるようにバルブ25
を調整して行った。
1),(32)の制御則で開始剤流量(Fa)をコントロー
ルした。このコントロールは、第3図を参照すると、添
加開始剤入力温度Ta、ミキサー内温度Tm、ミキサー入口
温度Tmiを所定のセンサーで検知し、これらの測定値を
用いてコンピュータ24て式(33)にもとづいて計算を行
い、計算された添加開始剤流量Faになるようにバルブ25
を調整して行った。
結果を第4図に示すが、反応器内温度(反応温度)は、
出発温度(−8℃)から目標温度(3℃)へ迅速に移行
し、かつオーバーランが殆どなく、理想に近い形で温度
制御がなされたことを示している。なお、出発温度を−
8℃のように低め温度値にするのは、出発温度から目標
濃度まで温度上昇する間にできるだけ多く反応を進行さ
せて全反応時間をそれだけ短縮させたいがためである。
出発温度(−8℃)から目標温度(3℃)へ迅速に移行
し、かつオーバーランが殆どなく、理想に近い形で温度
制御がなされたことを示している。なお、出発温度を−
8℃のように低め温度値にするのは、出発温度から目標
濃度まで温度上昇する間にできるだけ多く反応を進行さ
せて全反応時間をそれだけ短縮させたいがためである。
比較のために、慣用のステップ入力−フィードバック制
御(PID制御)により、反応器内温度の目標値を2℃に
設定して反応を行った結果を第5図に示す。なお、この
系では反応器の設定温度2℃、熱交換器の設定温度2
℃、ミキサー部の設定温度3℃としてそれぞれPID制御
を行った。第5図より、目標値に対して、非常に大きな
オーバーランがあり、なかなか目標値に温度が安定化し
ないことが見られる。
御(PID制御)により、反応器内温度の目標値を2℃に
設定して反応を行った結果を第5図に示す。なお、この
系では反応器の設定温度2℃、熱交換器の設定温度2
℃、ミキサー部の設定温度3℃としてそれぞれPID制御
を行った。第5図より、目標値に対して、非常に大きな
オーバーランがあり、なかなか目標値に温度が安定化し
ないことが見られる。
なお、以上は反応器中にモノマーを仕込み、外部ミキサ
ー部から反応開始剤を徐々に添加する発熱(又は吸熱)
重合反応に基づいて説明したが、本発明は反応容器に出
発成分の少なくとも一部を仕込み、外部ミキサー部から
他の反応関与物質を徐々に添加する発熱又は吸熱反応に
関する回分式化学反応装置の制御に広く適用できるもの
であることは明らかである。
ー部から反応開始剤を徐々に添加する発熱(又は吸熱)
重合反応に基づいて説明したが、本発明は反応容器に出
発成分の少なくとも一部を仕込み、外部ミキサー部から
他の反応関与物質を徐々に添加する発熱又は吸熱反応に
関する回分式化学反応装置の制御に広く適用できるもの
であることは明らかである。
本発明によれば、時変、非線形かつ不確定要素を含む高
次式で表される複雑なシステムである化学反応プロセス
の特に回分式反応プロセスにおいて、可変構造制御の概
念によるスライディング・モード・コトロールを採用す
ることによって、パラメーター変動に対してロバスト
で、かつ速応性に優れ、行き過ぎもない反応制御が実現
される。
次式で表される複雑なシステムである化学反応プロセス
の特に回分式反応プロセスにおいて、可変構造制御の概
念によるスライディング・モード・コトロールを採用す
ることによって、パラメーター変動に対してロバスト
で、かつ速応性に優れ、行き過ぎもない反応制御が実現
される。
第1図は本発明の適用対象の反応系の模式図、第2図は
本発明のSMCの概念図、第3図は回分式重合反応システ
ムの模式図、第4図は第3図重合反応システムにSMCを
適用した実施例の制御による実験結果を示す図、第5図
は第4図に対応する従来法による制御の実験結果を示す
図である。 1……反応器、2……外部ミキサー、 11……反応器、12……外部ミキサー、 13……熱交換器、14〜16……配管、 17……モーター、18……冷却コイル、 19……外部ジャケット、 24……コンピュータ。
本発明のSMCの概念図、第3図は回分式重合反応システ
ムの模式図、第4図は第3図重合反応システムにSMCを
適用した実施例の制御による実験結果を示す図、第5図
は第4図に対応する従来法による制御の実験結果を示す
図である。 1……反応器、2……外部ミキサー、 11……反応器、12……外部ミキサー、 13……熱交換器、14〜16……配管、 17……モーター、18……冷却コイル、 19……外部ジャケット、 24……コンピュータ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 坂田 喜一郎 神奈川県横浜市鶴見区大黒町7番43号 保 土谷化学工業株式会社鶴見工場内 (56)参考文献 特公 昭60−12087(JP,B2)
Claims (1)
- 【請求項1】反応器内に出発成分を仕込み、反応器の外
部にミキサー部を有し、反応器内の出発成分又は反応混
合物の一部分を外部ミキサー部を通して循環させ、外部
ミキサー部で反応関与物質を徐々に添加する回分式化学
反応装置において、予め外部ミキサー部での反応関与物
質の添加量と外部ミキサー部の温度変化との関係を系の
動特性にもとづいて記述する方程式として求めておき、
反応器内の所望温度との関係にもとづいて外部ミキサー
部に温度設定値を設け、かつ外部ミキサー部の温度が当
該設定値より高い場合には前記方程式にもとづいて外部
ミキサー部の温度が降下するように外部ミキサー部への
反応関与物質の添加量を調整する第1の制御系と、外部
ミキサー部の温度が当該設定値より低い場合には前記方
程式にもとづいて外部ミキサー部の温度が上昇するよう
に外部ミキサー部への反応関与物質の添加量を調整する
第2の制御系とを構成し、そして、外部ミキサー部の温
度が当該設定値より高くなると前記第1の制御系が駆動
され、また外部ミキサー部の温度が当該設定値より低く
なると前記第2の制御系が駆動されるように制御系を切
替えて、外部ミキサー部の温度を上記温度設定値をすべ
り面とするスライディング・モード・コントロールによ
り上記温度設定値に制御し、よって反応器内の温度を所
望温度に制御することを特徴とする回分式化学反応装置
の制御方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63254906A JPH0698299B2 (ja) | 1988-10-12 | 1988-10-12 | 回分式化学反応装置の制御方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63254906A JPH0698299B2 (ja) | 1988-10-12 | 1988-10-12 | 回分式化学反応装置の制御方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH02102731A JPH02102731A (ja) | 1990-04-16 |
JPH0698299B2 true JPH0698299B2 (ja) | 1994-12-07 |
Family
ID=17271491
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP63254906A Expired - Lifetime JPH0698299B2 (ja) | 1988-10-12 | 1988-10-12 | 回分式化学反応装置の制御方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0698299B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2004113392A1 (en) * | 2003-06-20 | 2004-12-29 | Akzo Nobel N.V. | Polymerization process involving the dosing initiators |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS6012087A (ja) * | 1983-07-01 | 1985-01-22 | 横山 正已 | 永久ゴマ |
-
1988
- 1988-10-12 JP JP63254906A patent/JPH0698299B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH02102731A (ja) | 1990-04-16 |
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