JPH0698128A - ファクシミリ用記録装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 送信されてきた画像データに対して等価的に
その画像再現速度を速めることができ、しかも廉価で得
られるインクジェット記録方式の適用が可能なファクシ
ミリ用記録装置の提供。 【構成】 画像送信装置の有する画像読取装置の読取解
像度より高い解像度の画像形成が可能な記録ヘッドと、
受信画像データに基づいて縮小画像を記録するモード設
定手段とを具備したファクシミリ用記録装置。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、ファクシミリ用記録装
置に関し、詳しくは、ファクシミリ装置の受信側に設け
られ、伝送されてきた画像を記録紙上に再現するファク
シミリ用記録装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、ファクシミリ装置用の記録方式と
しては、サーマルヘッドによって感熱紙を発色させる感
熱記録方式やインクシート上のインクを記録紙上に熱転
写する熱転写記録方式あるいは電子写真プロセスを用い
たレーザビームプリンタなどが広く知られている。これ
らの記録方式に対し、近年低コストを目指す普通紙記録
手段として、インクジェット記録方式を採用したファク
シミリ装置が開発され、普及されつつある。特に数十個
のインク吐出口を具えた記録ヘッドを、主走査および副
走査方向に走査しつつ記録を行うシリアル型のインクジ
ェット記録方式は、比較的廉価に構成できるのでこの種
のファクシミリ装置には最も多く採用されてきた。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、シリア
ル型のインクジェット記録方式は、現在普及している吐
出口のピッチが３６０ＤＰＩで６４個の吐出口を有し最
高駆動周波数３キロヘルツ程度で駆動される記録ヘッド
が使用される限り、例えばＡ４サイズの記録紙に記録を
するのに数分間かかってしまい、同様のサイズを３０秒
以下で記録可能な他の記録方式に比べて低速記録となっ
てしまう欠点があった。これを改善するためには、記録
ヘッドにおける吐出口数や吐出口ピッチを増やしたり最
高駆動周波数を上げれば良いが、これらを行うためには
製造上あるいは技術上の理由からコストアップが避けら
れず、せっかくのこの種記録方式による低コストの利点
が相殺されてしまうという問題があった。

【０００４】本発明の目的は、上述したような従来の問
題に着目し、インクジェット記録方式の利点を生かしつ
つ、等価的にその画像再現速度を速めることができる廉
価なファクシミリ用記録装置を提供することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めに、本発明は、画像送信装置の有する画像読取手段に
より読み取られ電送された画像データを受信し、該画像
データに基づく画像を記録シートに記録可能なファクシ
ミリ用の記録装置において、受信された画像データに基
づいて画像を縮小する画像縮小手段と、前記画像読取手
段の読取解像度より高い記録解像度を有し、前記画像縮
小手段により縮小された画像の記録が可能な記録ヘッド
とを具備したことを特徴とするものである。

【０００６】

【作用】本発明によれば、通常のファクシミリ装置で
は、その送信装置による読取解像度が低いのに対し、記
録ヘッドの方は解像度が例えば３６０ＤＰＩ程度まで
は、比較的低コストで製作できることに着目し、解像度
を低めることなく縮小画像を出力するようにしたことに
よって記録面積を減らし、等価的に記録スピードを向上
させることができる。

【０００７】また、本発明によれば、記録画像の副走査
方向を縮めたり、画像データを間引いて縮小記録するの
と異なり、画像情報を低減させることがないので記録シ
ートの節約と共に合せて原画に忠実な縮小記録が行える
という利点が得られる。

【０００８】

【実施例】以下に、図面に基づいて本発明の実施例を詳
細かつ具体的に説明する。

【０００９】図１は本発明を適用したファクシミリ用イ
ンクジェット記録装置を示し、１はそのインクジェット
記録ヘッド、２は記録ヘッド１を搭載してこれをガイド
軸３に沿った主走査方向に移動させるキャリッジ、４は
記録ヘッド１のインク吐出面１Ａと対向する位置に保持
され、給送ローラ５によって主走査方向とは直角の副走
査方向にシート送りされる記録シート、６は排出ロー
ラ、７は記録済の記録シート４を排出ローラ６との間に
挾持する拍車、７Ａは拍車軸である。なお、キャリッジ
２にはプーリ８および不図示のモータによって駆動され
るタイミングベルト９が取付けられていて、キャリッジ
２の摺動部２Ａがシートガイド１０に当接した状態で記
録ヘッド１の主走査が行われる。１１はキャリッジ２に
設けられた不図示のコネクタを介して記録ヘッド１に電
気的に接続されるフレキシブル配線板であり、フレキシ
ブル配線板１１を介して記録ヘッド１に記録信号が供給
される。

【００１０】また、本例の記録ヘッド１には好適例とし
てインクタンクと一体型のカートリッジ式インクジェッ
ト記録ヘッドが用いられ、インクが無くなると記録ヘッ
ドごと新品と交換してキャリッジ２に搭載替えされる。
しかして、そのインク吐出面１Ａには解像度が３６０Ｄ
ＰＩで６４個の吐出口が配列されていて、最高駆動周波
数３キロヘルツで駆動される。すなわち、本実施例はこ
のような通常の仕様によるインクジェット記録ヘッド１
の使用を特色とするもので、しかも送給されてきた画像
データを後述するような公知の手段により縮小記録する
ことで解像度変換を行うことなく短縮された記録時間で
画像を得ることができる。

【００１１】すなわち、通常のファクシミリ装置では８
ｐｅｌ（約２００ＤＰＩ）の解像度を有する読取手段に
より読み取りが行われて、これが送受信される。そし
て、このような画像を等倍記録するには解像度変換と呼
ばれている補間画像処理が前処理として多く行われる。
そこでもし仮に、上述したインクジェット記録ヘッド１
を用いてこのような方式に従ってＡサイズの記録シート
に記録を行うものとすると、純粋のインクドット形成時
間だけでも約４０秒、これにキャリッジ２の移動時間や
シート送り時間等を加算すると、約１２０秒もかかって
しまうことになる。

【００１２】しかし、本例では上述のような解像度変換
を用いる代りに、送給されてきた８ｐｅｌ（約２００Ｄ
ＰＩ）の画像データをそのまま３６０ＤＰＩの記録ヘッ
ド１で縮小記録することによって、記録画面を減らし、
それだけ記録時間の短縮を図ることができる。しかもこ
の場合、例えば図２の（Ａ）に示すような２枚分の画像
をこれと同じ大きさのシートを用いて（Ｂ）に示すよう
に１枚分に記録することができる。すなわち、一画像当
りの記録面積がほぼ半分となる上にさらに若干の余白が
周囲に生じることで、このような余白部分に対する高速
搬送やスキップを行うことが可能である。かくすること
によって、２枚分の記録を約１１０秒で実施することが
でき、等価的に見た場合、Ａ４画像データを約５５秒で
記録することが可能となり、大幅の時間短縮を行うこと
ができる。

【００１３】図３は本発明にかかる制御用の回路構成を
示す。ここで、２１は中央演算処理装置のＣＰＵ、２２
は表示装置を含む入出力装置からなる操作部、２３は送
信される原稿から例えば光学的手段によって画像データ
を読取り、黒白２値の電気的信号に変換する画像読取
部、２４は送受信される画像情報を一時格納する画像メ
モリ、２５はＣＰＵ１を動作させるための命令やプログ
ラム、制御のための数値等のシステムデータ、さらには
使用される先方の電話番号等を格納保持するデータメモ
リである。

【００１４】また、２６はモデム（変復調装置）であ
り、モデム２６では画像データを変調し、ＮＣＵ（ネッ
トワークコントロールユニット）２７を介して通信回線
２８によりその電気信号を送出したり、通信回線２８か
らＮＣＵ２７を介して受信された通信データを復調す
る。２９は本発明にかかる画像処理部、３０は先に述べ
たような解像度の記録ヘッドを具え、画像データをプリ
ントアウトする記録部であり、画像処理部２９において
は受信された画像データに対してこれを縮小したり、画
像の配置変換、解像度変換等を指示されたモードに従っ
て行う。

【００１５】なお、このように構成したファクシミリ装
置による送受信の動作については従来と特に変わりがな
いのでその説明は省略する。

【００１６】また、上述した実施例では記録ヘッドに３
６０ＤＰＩの解像度を持つインクジェット記録ヘッドを
用い、記録シート１枚に２枚分の画像を記録することに
より、約２倍の記録速度を実現したが、例えば、４００
ＤＰＩの記録ヘッドを用いれば、記録シート１に田型に
４枚分の記録を行うことも可能で、最大４倍の記録速度
を得ることもできる。また記録手段もインクジェット記
録に限らず、熱転写記録等の他の記録手段であっても構
わないことは言うまでもない。

【００１７】特に、本発明は、受信記録の枚数が多かっ
たり、受信記録容量自体が絶対的に多かったりする場合
により有効な手段であり、記録速度は遅くても等倍で受
信記録を行いたいユーザのために、縮小記録と等倍記録
とに切り替え可能なように構成することにより、ユーザ
が任意に記録モードを選択可能とすることも可能であ
る。

【００１８】（その他）なお、本発明は、特にインクジ
ェット記録方式の中でも、インク吐出を行わせるために
利用されるエネルギとして熱エネルギを発生する手段
（例えば電気熱変換体やレーザ光等）を備え、前記熱エ
ネルギによりインクの状態変化を生起させる方式の記録
ヘッド、記録装置において優れた効果をもたらすもので
ある。かかる方式によれば記録の高密度化，高精細化が
達成できるからである。

【００１９】その代表的な構成や原理については、例え
ば、米国特許第４７２３１２９号明細書，同第４７４０
７９６号明細書に開示されている基本的な原理を用いて
行うものが好ましい。この方式は所謂オンデマンド型，
コンティニュアス型のいずれにも適用可能であるが、特
に、オンデマンド型の場合には、液体（インク）が保持
されているシートや液路に対応して配置されている電気
熱変換体に、記録情報に対応していて核沸騰を越える急
速な温度上昇を与える少なくとも１つの駆動信号を印加
することによって、電気熱変換体に熱エネルギを発生せ
しめ、記録ヘッドの熱作用面に膜沸騰を生じさせて、結
果的にこの駆動信号に一対一で対応した液体（インク）
内の気泡を形成できるので有効である。この気泡の成
長，収縮により吐出用開口を介して液体（インク）を吐
出させて、少なくとも１つの滴を形成する。この駆動信
号をパルス形状とすると、即時適切に気泡の成長収縮が
行われるので、特に応答性に優れた液体（インク）の吐
出が達成でき、より好ましい。このパルス形状の駆動信
号としては、米国特許第４４６３３５９号明細書，同第
４３４５２６２号明細書に記載されているようなものが
適している。なお、上記熱作用面の温度上昇率に関する
発明の米国特許第４３１３１２４号明細書に記載されて
いる条件を採用すると、さらに優れた記録を行うことが
できる。

【００２０】記録ヘッドの構成としては、直線状液流路
または直角液流路の他に熱作用部が屈曲する領域に配置
されている構成を開示する米国特許第４５５８３３３号
明細書，米国特許第４４５９６００号明細書を用いた構
成も本発明に含まれるものである。加えて、複数の電気
熱変換体に対して、共通するスリットを電気熱変換体の
吐出部とする構成を開示する特開昭５９−１２３６７０
号公報や熱エネルギの圧力波を吸収する開孔を吐出部に
対応させる構成を開示する特開昭５９−１３８４６１号
公報に基いた構成としても本発明の効果は有効である。
すなわち、記録ヘッドの形態がどのようなものであって
も、本発明によれば記録を確実に効率よく行うことがで
きるようになるからである。

【００２１】加えて、上例のようなシリアルタイプのも
のでも、装置本体に固定された記録ヘッド、あるいは装
置本体に装着されることで装置本体との電気的な接続や
装置本体からのインクの供給が可能になる交換自在のチ
ップタイプの記録ヘッド、あるいは記録ヘッド自体に一
体的にインクタンクが設けられたカートリッジタイプの
記録ヘッドを用いた場合にも本発明は有効である。

【００２２】また、本発明の記録装置の構成として、記
録ヘッドの吐出回復手段、予備的な補助手段等を付加す
ることは本発明の効果を一層安定できるので、好ましい
ものである。これらを具体的に挙げれば、記録ヘッドに
対してのキャッピング手段、クリーニング手段、加圧或
は吸引手段、電気熱変換体或はこれとは別の加熱素子或
はこれらの組み合わせを用いて加熱を行う予備加熱手
段、記録とは別の吐出を行なう予備吐出手段を挙げるこ
とができる。

【００２３】また、搭載される記録ヘッドの種類ないし
個数についても、例えば単色のインクに対応して１個の
みが設けられたものの他、記録色や濃度を異にする複数
のインクに対応して複数個数設けられるものであっても
よい。すなわち、例えば記録装置の記録モードとしては
黒色等の主流色のみの記録モードだけではなく、記録ヘ
ッドを一体的に構成するか複数個の組み合わせによるか
いずれでもよいが、異なる色の複色カラー、または混色
によるフルカラーの各記録モードの少なくとも一つを備
えた装置にも本発明は極めて有効である。

【００２４】さらに加えて、以上説明した本発明実施例
においては、インクを液体として説明しているが、室温
やそれ以下で固化するインクであって、室温で軟化もし
くは液化するものを用いてもよく、あるいはインクジェ
ット方式ではインク自体を３０℃以上７０℃以下の範囲
内で温度調整を行ってインクの粘性を安定吐出範囲にあ
るように温度制御するものが一般的であるから、使用記
録信号付与時にインクが液状をなすものを用いてもよ
い。加えて、熱エネルギによる昇温を、インクの固形状
態から液体状態への状態変化のエネルギとして使用せし
めることで積極的に防止するため、またはインクの蒸発
を防止するため、放置状態で固化し加熱によって液化す
るインクを用いてもよい。いずれにしても熱エネルギの
記録信号に応じた付与によってインクが液化し、液状イ
ンクが吐出されるものや、記録媒体に到達する時点では
すでに固化し始めるもの等のような、熱エネルギの付与
によって初めて液化する性質のインクを使用する場合も
本発明は適用可能である。このような場合のインクは、
特開昭５４−５６８４７号公報あるいは特開昭６０−７
１２６０号公報に記載されるような、多孔質シート凹部
または貫通孔に液状又は固形物として保持された状態
で、電気熱変換体に対して対向するような形態としても
よい。本発明においては、上述した各インクに対して最
も有効なものは、上述した膜沸騰方式を実行するもので
ある。

【００２５】

【発明の効果】以上説明してきたように、本発明によれ
ば、画像送信装置の有する画像読取手段により読み取ら
れ電送された画像データを受信し、該画像データに基づ
く画像を記録シートに記録可能なファクシミリ用の記録
装置において、受信された画像データに基づいて画像を
縮小する画像縮小手段と、前記画像読取手段の読取解像
度より高い記録解像度を有し、前記画像縮小手段により
縮小された画像の記録が可能な記録ヘッドとを具備した
ので画像データに特別の画像処理をすることなく縮小記
録が可能になり、記録面積の減少によって等価的に記録
速度を向上することができる。しかもこれによって得ら
れる画像はその画像情報がまったく低減されていないの
で画像劣化が起きず、画像データを間引いて縮小を実現
する従来の縮小画像よりはるかに優れた情報伝達能力を
有するという特徴を持っている。

【００２６】また、これにより記録の高速化が難しいと
いうシリアル型インクジェット記録方式による記録の問
題点を解消することができ、さらに１枚の記録シートに
多数枚を記録する手段を付加すれば記録シートの節約に
もなり、廉価でしかも低ランニングコストのファクシミ
リ装置を実現することに大きく寄与することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明を適用したファクシミリ用インクジェッ
ト記録装置の構成を示す斜視図である。

【図２】本発明による縮小画像記録の一例を縮小前
（Ａ）と縮小後（Ｂ）とで示す説明図である。

【図３】本発明にかかるファクシミリ装置の回路構成を
示すブロック図である。

【符号の説明】

１ 記録ヘッド １Ａ インク吐出面 ２ キャリッジ ４ 記録シート ５ 給送ローラ ６ 排出ローラ ２１ ＣＰＵ ２２ 操作部 ２３ 画像読取部 ２４ 画像メモリ ２５ データメモリ ２６ モデム ２９ 画像処理部 ３０ 記録部

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 画像送信装置の有する画像読取手段によ
   り読み取られ電送された画像データを受信し、該画像デ
   ータに基づく画像を記録シートに記録可能なファクシミ
   リ用の記録装置において、 受信された画像データに基づいて画像を縮小する画像縮
   小手段と、 前記画像読取手段の読取解像度より高い記録解像度を有
   し、前記画像縮小手段により縮小された画像の記録が可
   能な記録ヘッドとを具備したことを特徴とするファクシ
   ミリ用記録装置。
2. 【請求項２】 前記記録ヘッドは、インクを吐出するた
   めのエネルギーを発生する素子として前記インクに膜沸
   騰を生じさせる熱エネルギーを発生する電気熱変換体を
   有し、前記記録ヘッドの前記記録シートに対する相対的
   走査により記録がなされることを特徴とする請求項１に
   記載のファクシミリ用記録装置。
3. 【請求項３】 前記受信された画像データは前記縮小さ
   れた画像を記録するモードまたは等倍画像を記録するモ
   ードに切換えて記録可能であることを特徴とする請求項
   １または２に記載のファクシミリ用記録装置。
4. 【請求項４】 前記縮小された画像を記録するモードに
   より記録される画像は前記等倍モードにより記録される
   ときに使用される１枚の記録シート上に複数が記録可能
   であることを特徴とする請求項１ないし３のいずれかの
   項に記載のファクシミリ用記録装置。