JPH0697923B2 - 植物の種苗の増殖方法 - Google Patents
植物の種苗の増殖方法Info
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- JPH0697923B2 JPH0697923B2 JP30854086A JP30854086A JPH0697923B2 JP H0697923 B2 JPH0697923 B2 JP H0697923B2 JP 30854086 A JP30854086 A JP 30854086A JP 30854086 A JP30854086 A JP 30854086A JP H0697923 B2 JPH0697923 B2 JP H0697923B2
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- Japan
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- tissue
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- Breeding Of Plants And Reproduction By Means Of Culturing (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は植物を特定の方法によつて組織培養することに
より、種苗を大量に増殖する方法に関する。
より、種苗を大量に増殖する方法に関する。
キヤベツ、トマト、キユウリなどの野菜類やイネは食用
として利用されており、またチユーリツプ、ヤグルマギ
ク、ルドベキアなどは園芸植物として鑑賞用に愛好され
ている。これらの植物の増殖は、従来、播種、球根分
割、塊茎分割によつて行われてきた。しかし、このよう
な増殖法は多くの土地と人手を必要とするばかりでな
く、近年ではウイルス病の蔓延により種苗の生育速度の
低下や花の品質低下が問題となつている。また、優良形
質を持つ品質を育成維持するためには、栄養繁殖を行わ
せることが有効である。これらの問題点を改良し、増殖
効率の向上を目的として近年植物組織培養技術を利用し
た方法も報告されている(例えば特開昭55-15734号公
報)。組織培養技術による増殖は搭載組織片、培養細胞
からの不定芽、不定胚、球根等の分化を経て達成され、
またこれらの分化は植物ホルモンであるサイトカイニン
とオーキシンの濃度比によつて制御されていると考えら
れてきた(例えばAnnals of Botany vol 45.321-327,19
80年)。しかし、植物ホルモンのみでは分化が起こらな
い植物種や分化が起こつたとしてもその頻度が非常に低
い植物種も多数存在し、より直接的かつ効果的な分化誘
導方法の確立が期待されている。
として利用されており、またチユーリツプ、ヤグルマギ
ク、ルドベキアなどは園芸植物として鑑賞用に愛好され
ている。これらの植物の増殖は、従来、播種、球根分
割、塊茎分割によつて行われてきた。しかし、このよう
な増殖法は多くの土地と人手を必要とするばかりでな
く、近年ではウイルス病の蔓延により種苗の生育速度の
低下や花の品質低下が問題となつている。また、優良形
質を持つ品質を育成維持するためには、栄養繁殖を行わ
せることが有効である。これらの問題点を改良し、増殖
効率の向上を目的として近年植物組織培養技術を利用し
た方法も報告されている(例えば特開昭55-15734号公
報)。組織培養技術による増殖は搭載組織片、培養細胞
からの不定芽、不定胚、球根等の分化を経て達成され、
またこれらの分化は植物ホルモンであるサイトカイニン
とオーキシンの濃度比によつて制御されていると考えら
れてきた(例えばAnnals of Botany vol 45.321-327,19
80年)。しかし、植物ホルモンのみでは分化が起こらな
い植物種や分化が起こつたとしてもその頻度が非常に低
い植物種も多数存在し、より直接的かつ効果的な分化誘
導方法の確立が期待されている。
本発明者らは従来の植物の組織培養方法には前記した種
々の問題点のあることを認知した上で、従来法とは異な
る新規な方法によつて植物を組織培養して該植物の種苗
を従来に比べて効率良く増殖する方法について検討し
た。
々の問題点のあることを認知した上で、従来法とは異な
る新規な方法によつて植物を組織培養して該植物の種苗
を従来に比べて効率良く増殖する方法について検討し
た。
その結果、下記方法を見出し本発明を完成するに到つ
た。すなわち本発明の方法によれば、ケシ目、ツルウリ
クサ属を除くナス目、セリ目、バラ目、ユリ属を除くユ
リ目、キク目、フウロソウ目、ウリ目、イネ目に属する
植物の組織片または培養細胞を嫌気処理した後に組織培
養することを特徴とする植物の種苗の増殖方法が提供さ
れる。
た。すなわち本発明の方法によれば、ケシ目、ツルウリ
クサ属を除くナス目、セリ目、バラ目、ユリ属を除くユ
リ目、キク目、フウロソウ目、ウリ目、イネ目に属する
植物の組織片または培養細胞を嫌気処理した後に組織培
養することを特徴とする植物の種苗の増殖方法が提供さ
れる。
本発明に係わる組織培養方法が適用できる植物は、ケシ
目、ツルウリクサ属を除くナス目、セリ目、バラ目、ユ
リ属を除くユリ目、キク目、フウロソウ目、ウリ目、イ
ネ目に属する植物から選択される。該植物として具体的
には、山岸編「植物系統分類の基礎」北隆館、1974年に
記載されている植物を例示でき、より具体的にはナス目
に属する植物としては、ナス、トマト、ジヤガイモ、サ
ツマイモ、シソなどが、ケシ目に属する植物として、ケ
シ、アブラナ、キヤベツ、ダイコン、ハクサイなどが、
セリ目に属する植物として、ニンジン、セリ、パセリな
どが、バラ目に属する植物として、バラ、イチゴ、ダイ
ズ、サクラなどがユリ属を除くユリ目に属する植物とし
て、タマネギ、チユーリップなどが、キク目に属する植
物として、キク、ヤグルマギク、ヒマワリなどが、フウ
ロソウ目に属する植物として、フウロソウ、テンジクア
オイ、アマなどが、ウリ目に属する植物としてキユウ
リ、カボチャなどが、イネ目に属する植物としてイネ、
トロモロコシなどが示される。本発明に係わるこれらの
植物の中でも好ましい植物として具体的にはトマト、ナ
ス、ジヤガイモ、ニンジン、キヤベツ、タマネギ、ダイ
ズ、ダイコン、シソ、ヤグルマギク、ルドベキア、チユ
ーリツプ、アマ、キユウリおよびイネ等を例示できる。
本発明では植物の組織培養は該植物の組織片または培養
細胞を用いて行うことができる。該組織培養片としては
具体的には子葉、胚軸、茎頂、茎、葉、リン片、根また
はその他の組織を小片に切断した植物の組織片を例示す
ることができ、これらの組織片は通常、次亜塩素酸ソー
ダやエチルアルコールによつて殺菌した後に使用され
る。しかし、無菌的に栽培した植物を使用する場合に
は、上記の殺菌操作は不要である。また、無病・無ウイ
ルスの植物の種苗を増殖する場合には、培養材料として
生長点近傍組織、生長点近傍組織から得られた植物の前
述した組織片などを用いることができる。本発明の植物
の組織培養において用いることのできる培養細胞とは、
前記組織片を公知の方法によつて組織培養することによ
つて得られるカルス組織を含めた未分化の不定形細胞で
ある。
目、ツルウリクサ属を除くナス目、セリ目、バラ目、ユ
リ属を除くユリ目、キク目、フウロソウ目、ウリ目、イ
ネ目に属する植物から選択される。該植物として具体的
には、山岸編「植物系統分類の基礎」北隆館、1974年に
記載されている植物を例示でき、より具体的にはナス目
に属する植物としては、ナス、トマト、ジヤガイモ、サ
ツマイモ、シソなどが、ケシ目に属する植物として、ケ
シ、アブラナ、キヤベツ、ダイコン、ハクサイなどが、
セリ目に属する植物として、ニンジン、セリ、パセリな
どが、バラ目に属する植物として、バラ、イチゴ、ダイ
ズ、サクラなどがユリ属を除くユリ目に属する植物とし
て、タマネギ、チユーリップなどが、キク目に属する植
物として、キク、ヤグルマギク、ヒマワリなどが、フウ
ロソウ目に属する植物として、フウロソウ、テンジクア
オイ、アマなどが、ウリ目に属する植物としてキユウ
リ、カボチャなどが、イネ目に属する植物としてイネ、
トロモロコシなどが示される。本発明に係わるこれらの
植物の中でも好ましい植物として具体的にはトマト、ナ
ス、ジヤガイモ、ニンジン、キヤベツ、タマネギ、ダイ
ズ、ダイコン、シソ、ヤグルマギク、ルドベキア、チユ
ーリツプ、アマ、キユウリおよびイネ等を例示できる。
本発明では植物の組織培養は該植物の組織片または培養
細胞を用いて行うことができる。該組織培養片としては
具体的には子葉、胚軸、茎頂、茎、葉、リン片、根また
はその他の組織を小片に切断した植物の組織片を例示す
ることができ、これらの組織片は通常、次亜塩素酸ソー
ダやエチルアルコールによつて殺菌した後に使用され
る。しかし、無菌的に栽培した植物を使用する場合に
は、上記の殺菌操作は不要である。また、無病・無ウイ
ルスの植物の種苗を増殖する場合には、培養材料として
生長点近傍組織、生長点近傍組織から得られた植物の前
述した組織片などを用いることができる。本発明の植物
の組織培養において用いることのできる培養細胞とは、
前記組織片を公知の方法によつて組織培養することによ
つて得られるカルス組織を含めた未分化の不定形細胞で
ある。
本発明において植物の組織片又は培養細胞を組織培養し
て植物の種苗を形成させるに当たつて以下の方法が用い
られる。
て植物の種苗を形成させるに当たつて以下の方法が用い
られる。
すなわち本発明では、組織培養に供するために採取した
後の植物の組織片等を嫌気処理した後組織培養する方法
が用いられる。該方法によれば植物の組織片から不定
芽、不定胚および球根の分化が著しく促進される。該方
法は本発明者らに係わる新規な知見である。
後の植物の組織片等を嫌気処理した後組織培養する方法
が用いられる。該方法によれば植物の組織片から不定
芽、不定胚および球根の分化が著しく促進される。該方
法は本発明者らに係わる新規な知見である。
本発明に係わる嫌気処理は以下のようにして行うことが
できる。組織培養に供しようとする植物の組織片を採取
後、チツ素、アルゴン、CO2等の酸素を含有しないか、
あるいは酸素を通常5%以下含んでいてもよいガス雰囲
気にこの試料を置き、該試料を通常15〜30度の温度で30
〜90分間該ガスと接触させることによつて嫌気処理が行
われる。本発明では嫌気処理は組織片の採取直後に行う
ことが特に好ましく、このような組織片を用いて組織培
養を行つた場合には採取後しばらくしてから嫌気処理を
施したものを用いた場合に比べて植物の種苗を効率良く
増殖することができるので好ましい。
できる。組織培養に供しようとする植物の組織片を採取
後、チツ素、アルゴン、CO2等の酸素を含有しないか、
あるいは酸素を通常5%以下含んでいてもよいガス雰囲
気にこの試料を置き、該試料を通常15〜30度の温度で30
〜90分間該ガスと接触させることによつて嫌気処理が行
われる。本発明では嫌気処理は組織片の採取直後に行う
ことが特に好ましく、このような組織片を用いて組織培
養を行つた場合には採取後しばらくしてから嫌気処理を
施したものを用いた場合に比べて植物の種苗を効率良く
増殖することができるので好ましい。
嫌気処理後に行われる組織培養において使用される培地
としては以下に詳述する培地が用いられる。
としては以下に詳述する培地が用いられる。
本発明で使用することのできる培地は無機成分および炭
素源を必須成分とし、これに植物ホルモン類、ビタミン
類を添加し、更に必要に応じてアミノ酸類を添加した培
地である。該培地の無機成分としては、窒素、リン、カ
リウム、ナトリウム、カルシウム、マグネシウム、イオ
ウ、鉄、マンガン、亜鉛、ホウ素、モリブデン、塩素、
ヨウ素、コバルト等の元素を含む無機塩を挙げることが
でき、具体的には硝酸カリウム、、硝酸ナトリウム、硝
酸アンモニウム、塩化アンモニウム、塩化カリウム、塩
化カルシウム、リン酸1水素カリウム、リン酸2水素ナ
トリウム、硫酸マグネシウム、塩化マグネシウム、硫酸
ナトリウム、硫酸第1鉄、硫酸第2鉄、硫酸マンガ、硫
酸銅、モリブデン酸ナトリウム、三酸化モリブデン、ヨ
ウ化カリウム、硫酸亜鉛、ホウ酸、塩化コバルト等の化
合物を例示できる。
素源を必須成分とし、これに植物ホルモン類、ビタミン
類を添加し、更に必要に応じてアミノ酸類を添加した培
地である。該培地の無機成分としては、窒素、リン、カ
リウム、ナトリウム、カルシウム、マグネシウム、イオ
ウ、鉄、マンガン、亜鉛、ホウ素、モリブデン、塩素、
ヨウ素、コバルト等の元素を含む無機塩を挙げることが
でき、具体的には硝酸カリウム、、硝酸ナトリウム、硝
酸アンモニウム、塩化アンモニウム、塩化カリウム、塩
化カルシウム、リン酸1水素カリウム、リン酸2水素ナ
トリウム、硫酸マグネシウム、塩化マグネシウム、硫酸
ナトリウム、硫酸第1鉄、硫酸第2鉄、硫酸マンガ、硫
酸銅、モリブデン酸ナトリウム、三酸化モリブデン、ヨ
ウ化カリウム、硫酸亜鉛、ホウ酸、塩化コバルト等の化
合物を例示できる。
該培地の炭素源としては、シヨ糖等の炭水化物とその誘
導体、脂肪酸等の有機酸およびエタノール等の1級アル
コールなどを例示できる。
導体、脂肪酸等の有機酸およびエタノール等の1級アル
コールなどを例示できる。
該培地の植物ホルモン類としては、例えば、ナフタレン
酢酸(NAA)、インドール酢酸(IAA)、p-クロロフエノ
キシ酢酸、2,4-ジクロロフエノキシ酢酸(2,4-D)、イ
ンドール酪酸(IBA)およびこれらの誘導体等のオーキ
シン類およびベンジルアデニン(BA)、カイネチン、ゼ
アチン等のサイドカイニン類を例示できる。
酢酸(NAA)、インドール酢酸(IAA)、p-クロロフエノ
キシ酢酸、2,4-ジクロロフエノキシ酢酸(2,4-D)、イ
ンドール酪酸(IBA)およびこれらの誘導体等のオーキ
シン類およびベンジルアデニン(BA)、カイネチン、ゼ
アチン等のサイドカイニン類を例示できる。
該培地のビタミン類としては、ビオチン、チアミン(ビ
タミンB1)、ピリドキシン(ビタミンB6)、ピリドキサ
ール、ピリドキサミン、パントテン酸カルシウム、アル
コルビン酸(ビタミンC)、イノシトール、ニコチン
酸、ニコチン酸アミドおよびリボフラビン(ビタミン
B2)などを例示できる。
タミンB1)、ピリドキシン(ビタミンB6)、ピリドキサ
ール、ピリドキサミン、パントテン酸カルシウム、アル
コルビン酸(ビタミンC)、イノシトール、ニコチン
酸、ニコチン酸アミドおよびリボフラビン(ビタミン
B2)などを例示できる。
該培地のアミノ酸類としては、例えばグリシン、アラニ
ン、グルタミン類、システイン、フエニルアラニンおよ
びリジンなどを例示できる。
ン、グルタミン類、システイン、フエニルアラニンおよ
びリジンなどを例示できる。
本発明の前記培地は、通常は、前記無機成分を約0.1μ
Mないし約100mM、前記炭素源を約1g/ないし約100g/
、前記植物ホルモン類を約0.01mg/ないし約10mg/
、前記ビタミン類を約0.1mg/ないし約150mg/およ
び前記アミノ酸類を0ないし約1000mg/含ませて使用
されることが望ましい。
Mないし約100mM、前記炭素源を約1g/ないし約100g/
、前記植物ホルモン類を約0.01mg/ないし約10mg/
、前記ビタミン類を約0.1mg/ないし約150mg/およ
び前記アミノ酸類を0ないし約1000mg/含ませて使用
されることが望ましい。
本発明に係わる組織培養に用いられる前記培地として具
体的には、従来から知られている植物の組織培養に用い
られている培地、例えば、ムラシグ・スクーグ('62)
〔Murashige & Skoog〕の培地、リンスマイヤー・スク
ーグ(RM−1965)〔Linsmaier & Skoog〕の培地、ホワ
イト('63)〔White〕の培地、ガンボルグ(Gamborg)
のB−5培地、三井のM−9培地、ニツチ・ニツチの培
地〔Nitch & Nitch〕等に前記した炭素源および植物ホ
ルモンを添加し、更に必要に応じて前記したビタミン
類、アミノ酸類を添加して調製される培地を例示できる
が、本発明ではこの中でも特にニツチ・ニツチ、リンス
マイヤー・スクーグ又はムラシゲ・スクーグの培地を用
いて調製される培地が好ましい。なお、上記した従来公
知の培知の組成に関しては、例えば、竹内、中島、古谷
著の「新植物組織培養」P386〜P391、朝倉書店、1979年
に記載されている。
体的には、従来から知られている植物の組織培養に用い
られている培地、例えば、ムラシグ・スクーグ('62)
〔Murashige & Skoog〕の培地、リンスマイヤー・スク
ーグ(RM−1965)〔Linsmaier & Skoog〕の培地、ホワ
イト('63)〔White〕の培地、ガンボルグ(Gamborg)
のB−5培地、三井のM−9培地、ニツチ・ニツチの培
地〔Nitch & Nitch〕等に前記した炭素源および植物ホ
ルモンを添加し、更に必要に応じて前記したビタミン
類、アミノ酸類を添加して調製される培地を例示できる
が、本発明ではこの中でも特にニツチ・ニツチ、リンス
マイヤー・スクーグ又はムラシゲ・スクーグの培地を用
いて調製される培地が好ましい。なお、上記した従来公
知の培知の組成に関しては、例えば、竹内、中島、古谷
著の「新植物組織培養」P386〜P391、朝倉書店、1979年
に記載されている。
本発明で使用できる前記培地は液体培地又は寒天を通常
0.5〜1%含有させた固型培地である。
0.5〜1%含有させた固型培地である。
本発明では必要に応じて前記した培地にカルシウムイオ
ノフオア、サイクリツクAMPおよびポリアミンからなる
群から選ばれた少なくとも1種の化合物を含む培地を用
いて前記した本発明の方法に係わる嫌気処理を施して植
物の組織培養を行うことも出来る。この場合の培地に添
加されるカルシウムイオノフオアの培地における濃度は
通常10-8〜10-4M/、好ましくは10-7〜10-5M/の範囲
にあり、カルシウムイオノフオアの中ではA23187を用い
ることが好ましい。ここでA23187とは6S−〔6α(2
S*,3S*)、8β(R*)、9β、11α〕‐5-(methyl
amino)‐2-〔〔3,9,11-trimethyl-8-〔1-methyl-2-oxo
-2-(1H-pyrrol-2-yl)ethyl〕‐1,7-dioxaspiro〔5,
5〕‐un--dec-2-yl〕methyl〕‐4-benzoxazolecarboxyl
icacidである。同様にサイクリツクAMPについては通常
は10-9〜10-5M/、好ましくは10-8〜10-6M/の範囲に
ある。ポリアミンについては通常は10-6〜10-3M/、好
ましくは10-5〜10-4M/の範囲にある。ここで本発明に
おいて培地に加えられるポリアミンとはポリメチレン基
〔−(CH2)n-、nは整数〕の両端にアミノ基及び/又
はイミノ基を有する構造単位をもつ化合物であつて、具
体的にはスペルミン〔Bis(amino--propyl)‐tetramet
hylenediamine;H2N(CH2)NH(CH2)4NH(CH2)3N
H2〕、スペルミジン〔H2N(CH2)3NH(CH2)4NH2〕およ
びプトレシン〔H2N(CH2)4NH2〕などのテトラメチレン
ジアミン類を例示できる。
ノフオア、サイクリツクAMPおよびポリアミンからなる
群から選ばれた少なくとも1種の化合物を含む培地を用
いて前記した本発明の方法に係わる嫌気処理を施して植
物の組織培養を行うことも出来る。この場合の培地に添
加されるカルシウムイオノフオアの培地における濃度は
通常10-8〜10-4M/、好ましくは10-7〜10-5M/の範囲
にあり、カルシウムイオノフオアの中ではA23187を用い
ることが好ましい。ここでA23187とは6S−〔6α(2
S*,3S*)、8β(R*)、9β、11α〕‐5-(methyl
amino)‐2-〔〔3,9,11-trimethyl-8-〔1-methyl-2-oxo
-2-(1H-pyrrol-2-yl)ethyl〕‐1,7-dioxaspiro〔5,
5〕‐un--dec-2-yl〕methyl〕‐4-benzoxazolecarboxyl
icacidである。同様にサイクリツクAMPについては通常
は10-9〜10-5M/、好ましくは10-8〜10-6M/の範囲に
ある。ポリアミンについては通常は10-6〜10-3M/、好
ましくは10-5〜10-4M/の範囲にある。ここで本発明に
おいて培地に加えられるポリアミンとはポリメチレン基
〔−(CH2)n-、nは整数〕の両端にアミノ基及び/又
はイミノ基を有する構造単位をもつ化合物であつて、具
体的にはスペルミン〔Bis(amino--propyl)‐tetramet
hylenediamine;H2N(CH2)NH(CH2)4NH(CH2)3N
H2〕、スペルミジン〔H2N(CH2)3NH(CH2)4NH2〕およ
びプトレシン〔H2N(CH2)4NH2〕などのテトラメチレン
ジアミン類を例示できる。
本発明では前記した植物の組織片又は培養細胞は、本出
願人に係わる特願昭60-128348号と同様に酸素含有気体
を通気させた液体培地を用いて組織培養することもでき
る。
願人に係わる特願昭60-128348号と同様に酸素含有気体
を通気させた液体培地を用いて組織培養することもでき
る。
本発明の方法によれば、植物の組織片または培養細胞か
ら不定芽、不定胚、子球(小球根)などを効率良く多量
に得ることができる。この点について更に言及すると、
本発明の方法によつて得られる不定芽は、これを発根さ
せ植物体とした後に細断して組織片とし、また子球のリ
ン片も同様に切断して、これらを更に本発明に係わる前
記した培養方法によつて組織培養し、種苗を大量に増殖
するとこができる。尚、本発明で得られた植物は通常の
栽培を行うと、性質が一定で健全な植物体に生長させる
ことができる。
ら不定芽、不定胚、子球(小球根)などを効率良く多量
に得ることができる。この点について更に言及すると、
本発明の方法によつて得られる不定芽は、これを発根さ
せ植物体とした後に細断して組織片とし、また子球のリ
ン片も同様に切断して、これらを更に本発明に係わる前
記した培養方法によつて組織培養し、種苗を大量に増殖
するとこができる。尚、本発明で得られた植物は通常の
栽培を行うと、性質が一定で健全な植物体に生長させる
ことができる。
本発明の植物の組織培養方法を用いれば、植物の組織又
は培養細胞から従来法に比べて効率良く高品質の植物体
を多量に培養することができ、種苗を多量に増殖するこ
とができる。
は培養細胞から従来法に比べて効率良く高品質の植物体
を多量に培養することができ、種苗を多量に増殖するこ
とができる。
以下、実施例を用いて本発明の構成および効果を具体的
に説明する。
に説明する。
実施例 1〜10 材料にトマト胚軸切片、ナス胚軸切片、ニンジン胚軸切
片、タマネギリン葉切片、ダイズ葉切片、ダイコン胚軸
切片、キヤベツ胚軸切片、シソ葉切片、ヤグルマギク葉
切片、ルドベキア茎切片を用いて、該材料を70%エタノ
ールおよび次亜塩素酸ソーダ水溶液(有効塩素量1%)
で殺菌して、約1cm長あるいは約1cm径に切断した後に、
シヨ糖3%,ナフタレン酢酸10-7M、ベンジルアデニン1
0-6Mを有するpH5.6の無菌のムラシゲスクーグ(1962
年)の寒天培地(寒天濃度0.8%)を調製し、これに先
の切片を培養開始直後に培養物を無菌のチツ素ガス雰囲
気下に室温で30分間放置(嫌気処理)した後に25℃、明
所で3週間培養した所、切片当たりの不定芽および植物
の形成数として表1に示す結果を得た。
片、タマネギリン葉切片、ダイズ葉切片、ダイコン胚軸
切片、キヤベツ胚軸切片、シソ葉切片、ヤグルマギク葉
切片、ルドベキア茎切片を用いて、該材料を70%エタノ
ールおよび次亜塩素酸ソーダ水溶液(有効塩素量1%)
で殺菌して、約1cm長あるいは約1cm径に切断した後に、
シヨ糖3%,ナフタレン酢酸10-7M、ベンジルアデニン1
0-6Mを有するpH5.6の無菌のムラシゲスクーグ(1962
年)の寒天培地(寒天濃度0.8%)を調製し、これに先
の切片を培養開始直後に培養物を無菌のチツ素ガス雰囲
気下に室温で30分間放置(嫌気処理)した後に25℃、明
所で3週間培養した所、切片当たりの不定芽および植物
の形成数として表1に示す結果を得た。
比較例 1〜10 実施例1〜10において嫌気処理を行わなかつた以外は該
実施例1〜10と同様に行つた結果を表1に示した。
実施例1〜10と同様に行つた結果を表1に示した。
実施例 11〜15 実施例1において、材料としてジヤガイモ葉切片、アマ
胚軸切片、チユーリツプリン片切片、イネ未熟胚由来カ
ルス細胞、キユウリ葉切片などを用いた以外は実施例1
と同様にして行つた。
胚軸切片、チユーリツプリン片切片、イネ未熟胚由来カ
ルス細胞、キユウリ葉切片などを用いた以外は実施例1
と同様にして行つた。
比較例 11〜15 実施例11〜15において、嫌気処理を行わなかつた以外は
該実施例11〜15と同様に行つた結果を表2に示した。
該実施例11〜15と同様に行つた結果を表2に示した。
Claims (1)
- 【請求項1】ケシ目、ツルウリクサ属を除くナス目、セ
リ目、バラ目、ユリ属を除くユリ目、キク目、フウロソ
ウ目、ウリ目、イネ目に属する植物の組織片または培養
細胞を嫌気処理した後に組織培養することを特徴とする
植物の種苗の増殖方法。
Priority Applications (9)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30854086A JPH0697923B2 (ja) | 1986-12-26 | 1986-12-26 | 植物の種苗の増殖方法 |
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