JPH0697403B2 - 生産システム監視システム - Google Patents

生産システム監視システム

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JPH0697403B2
JPH0697403B2 JP16217589A JP16217589A JPH0697403B2 JP H0697403 B2 JPH0697403 B2 JP H0697403B2 JP 16217589 A JP16217589 A JP 16217589A JP 16217589 A JP16217589 A JP 16217589A JP H0697403 B2 JPH0697403 B2 JP H0697403B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、プラントの運転において異常の前兆を検知
し、異常の有無および異常があった場合のその原因を推
論して異常対策を実行すると共に、その異常対策が実行
されたことによってその後のスケジュールの実施に不都
合が生じるような場合にはスケジュールを再立案し、該
再立案されたスケジュールにしたがってプラントの制御
を行う生産システム監視システムに関する。
(従来技術) 従来技術における生産管理システムには以下のようなも
のがあった。
(1)特開昭63−77537号公報に記載されるように、コ
ンピュータによって常にプロセスデータの監視を行い、
異常の有無の推論、および異常が有ると推論された場合
にはその原因を推論させ、かつ、その結果をオペレータ
に通報するようにしたもの。
(2)特開昭63−118907号公報に記載されるように、異
常徴候を検知するための状況把握知識ベースと、異常原
因を推論するための診断知識ベースと、異常原因に応じ
た対策を決定する対策決定知識ベースとを具備し、異常
が発生した場合には、診断知識ベースによって異常原因
を推論し、その後、対策決定知識ベースによって該異常
原因に応じた対策を決定し、その結果をオレペータに通
報するようにしたもの。
(3)特開昭62−282850号公報に記載されるように、ペ
トリネット手法によって生産ラインの稼動条件および設
備情報を求め、その後、該稼動条件および設備情報に基
づいてシュミレーションを実施する。そして、そのシュ
ミレーションの結果と実際の生産ラインの稼動状態とを
比較することによって異常原因を推論し、その結果をオ
ペレータに通報するようにしたもの。
このように、従来技術においては、(a)異常の有無を
検知すること、(b)異常があった場合にその原因を推
論すること、(c)異常原因の推論結果に基づいて対策
を決定し、その結果をオペレータに通報すること、が行
われる。
また、上記のようにして異常対策が決定したならば、オ
ペレータはその異常対策を実行するための処理、すなわ
ち予定外シーケンスを割込み処理により実行して異常対
策をはかり、異常が回復すると、引き続いてそれまでの
処理を継続して実行させていた。
なお、予定外シーケンスは、当初に立案されたスケジュ
ールには含まれない処理であるため、該予定外シーケン
スが実行されるとその後のスケジュールに乱れが生じ、
生産ライン間において競合が発生してしまう場合があ
る。このような場合には、予定外シーケンス終了後にプ
ラントにおける処理を一時中断し、競合などの問題が発
生する可能性がなくなるのを待って、以後の処理を実行
させていた。
(発明が解決しようとする課題) 上記したように、従来技術における生産監視システム
は、予定生産量を生産するための生産計画(スケジュー
ル)、生産計画に基づいた生産工程実施機能、および工
程進捗状況によって起こり得る予定外処理の大きく3つ
の処理機能から成り立っている。
このような従来技術による生産監視システムでは、次の
ような問題が発生する。
(1)予定外処理は、予め予想可能な処理、すなわち現
在生産している品種、生産量、生産設備状況等を予測し
た異常処理を多種用意しているものの、実施の可否は全
てオペレータの判断によるため、このシステムの運用に
はオペレータの存在が不可欠であり、また、その適確な
判断を実現するためにはオペレータに熟練が要求される
と共に、オペレータの負担が増大してしまう。
(2)1度でも予定外処理が実行されると、予め登録さ
れていた生産計画をそのまま利用できるケースは極めて
少なく、生産工程遅れによる生産量不足等が発生するこ
ともあり、それまでの生産計画を変更しなければならな
い場合があるが、従来技術においては予定外処理実行後
における生産計画の乱れに対する回復処理や、当初の生
産計画への復旧方法に関する考慮が全くなされていな
い。
また、予定外処理実行後に生産計画を再立案しようとし
ても、立案にあたっては計画立案者の経験や勘に頼らざ
るを得ず、適確な判断を実現するためにはオペレータに
熟練が要求される。さらに、複雑なシステムにおいては
再立案に長時間を要するために制御対象への運用が遅れ
てしまったり、特に複雑なシステムにおいては再立案が
できない可能性もある。
このように、従来技術においては、プラントの異常発生
時における回避処理(予定外処理)が整備されているに
もかかわらず、その実行および実行後におけるプラント
安定化のための回復手段が十分でないところに問題があ
る。
本発明の目的は、上記した問題点を解決し、プラントの
異常発生時における回避処理おび該回避処理実行後にお
けるプラント安定化のための回復手段が整った生産シス
テム監視システムを提供することにある。
(課題を解決するための手段) 上記した問題点を解決するために、本発明は、対象プラ
ントにおいて複数のバッチ処理工程を予定のシーケンス
に従って実行し、異常発生時には予定外シーケンスを実
行して異常回復処理を実行する生産システム監視システ
ムにおいて、以下のような手段を講じた。
(1)対象プラントのプロセス量に基づいてプロセス項
目の異常を検知する異常検知手段と、前記異常内容に応
じて異常原因を推論し、該異常原因に応じた第1の予定
外シーケンス推論起動命令を発行する異常予測推論機構
と、バッチ処理工程の開始タイミングで、該バッチ処理
工程に応じた第2の予定外シーケンス推論起動命令を発
行し、終了タイミングでその推論停止命令を発行する推
論命令発行手段と、前記第1および第2の推論起動命令
に応じた推論を前記プロセス量に基づいて実行し、異常
が検知された場合に、該異常に応じた予定外シーケンス
を検索して実行する予定外シーケンス実行手段。
(2)予定外シーケンスの実行後に各工程の競合の有無
を検出し、競合が検出された場合に、互いに競合する工
程の少なくとも一方の工程開始時刻を、競合が解消され
るまでずらすリスケジュール手段。
(作用) 前記(1)の構成によれば、バッチ処理の工程ごとに最
適な推論が起動され、該工程の終了と共に前記推論が停
止されるので、監視時間、監視対象設備を限定した推論
が可能になり、その時々のシーケンス処理に最適な異常
検出推論が正確かつ短時間で行えるようになる。また、
最適な異常検出推論が可能となることによって、その異
常を回避するために最適な予定外シーケンスを簡単に選
択・実行できるようになる。
さらに、前記(2)の構成によれば、待機時間が少なく
競合の発生しないスケジュールの再立案が極めて容易に
行われるようになるので、予定外シーケンスが実行され
ても当初の生産スケジュールに近い内容で、その後の生
産を帰属することができるようになる。
(実施例) 第1図は本発明の一実施例であるプラントシステムのブ
ロック図、第2図は第1図のプラントシステムによって
管理され、バッチ処理によって製品を生産するプラント
10(第1図)の構成を示した図である。
第2図において、仕込みタンク30a、30bにはそれぞれ原
料X、Yが格納されており、該仕込みタンクは輸送管32
a、32b、バルブ31a〜31fを介して重合缶33a(釜1)、3
3b(釜2)に接続されている。釜1、2内部には、原料
を撹拌するための撹拌機34a、34bが取り付けられてい
る。なお、このような構成のプラントでは、複数の釜
に、同時に同じ原料を仕込むことはできない。
一方、第1図において、本実施例のプラントシステム
は、(1)対象プラントの運転スケジュールが登録され
たバッチシーケンス情報部2と、(2)前記バッチシー
ケンス情報部に登録されたスケジュールに基づいて対象
プラントを運転するプロセス制御機構3と、(3)対象
プラントの異常発生の有無を判断すると共に、異常が発
生した場合にはその回復処理を実行する知識処理機構1
とによって構成されている。
(1)バッチシーケンス情報部2において、バッチスケ
ジュールデータベース27には、第3図(a)に示したよ
うに、生産品種、生産開始時刻、生産量、使用釜、納期
といったバッチごとの生産スケジュールが登録されてい
る。
処方マスタデータベース28には、同図(b)に示したよ
うに、前記バッチスケジュールデータベース27に登録さ
れた生産品種を生産するための工程順序、工程内容、工
程所要時間等のデータが登録されている。
バッチ実績データベース29には、同図(c)に示したよ
うに、生産スケジュールに従って生産されたバッチ実績
が登録されている。
なお、これらのデータベースは、それぞれアクセス機構
12−1〜12−3によってアクセスされる。
(2)プロセス制御機構3において、プロセスデータ入
出力装置9は制御対象となっているプラント10とのプロ
セスデータの入出力を行う。プロセスデータ処理部8は
プロセスデータの収集および処理を実行する。プラント
データベース13には対象プラント10を制御するためのデ
ータが登録されている。ヒストリカルデータ処理部23は
プロセスデータの一部を一定時間ごとに入力し、これを
ヒストリカルデータとして後述するヒストリカルデータ
ベース24に出力する。ヒストリカルデータベース24はヒ
ストリカルデータを登録する。
プラントデータ収集機構部25は、前記プラントデータベ
ース13およびヒストリカルデータベース24に登録された
データを必要に応じて収集し、知識処理機構1に出力す
る。シーケンス実行管理部6は、前記バッチシーケンス
情報部2に登録されたバチスケジュール27に基づいてバ
ッチ処理を起動し、起動後においては、前記処方マスタ
28から製品品種ごとに用意された制御パラメータを入手
し、該制御パラメータに従ってバッチ処理を実行する。
なお、バッチ処理の実行結果はバッチ実績29に出力さ
れ、そこで登録される。予定外シーケンス起動機構22
は、後述するリスケジュール推論機構20の推論結果に従
って異常回避のための予定外シーケンスを実行する。
(3)知識処理機構1は、異常予測推論機構18、予定外
シーケンス検索推論機構19、およびリスケジュール推論
機構20によって構成される推論機能部14と、前記推論機
構18〜20の知識ベースであるプロセス監視異常予測知識
15、予定外シーケンス起動知識16、およびリスケジュー
ル知識17とによって構成されている。
さらに、これらに付随するものとして、異常発生時にメ
ッセージを表示する表示手段4、各種推論の実行および
実行タイミングを管理する推論管理機構7を具備してい
る。この推論管理機構7はプロセス制御機構から送られ
てくる推論実行要求を一手に引き受け、推論実行要求が
複数あった場合には、どの推論実行要求を実行させるか
を推論要求優先度データベース5に基づいて決定し、常
に制御対象の動向に対して最適推論を行わせる。
以下、前記推論機能部14を構成する3つの推論機構につ
いて詳細に説明する。
(a)異常予測推論機構18は、プラントデータ収集機構
部25を介して前記プラントデータベース13、ヒストリカ
ルデータベース24を、前記プロセス監視異常予測知識15
に基づいて活用することによって最新のプラント状況を
知識処理内で認識しながら、プラントのどこかに異常と
思われる事態が発生していないかどうかを、バッチシー
ケンスの状態に拘らず検索推論する機構であって、対象
プラントの各プロセス項目の状態を監視する部分的監視
処理群、制御対象全体を監視する全体監視処理群、およ
びプロセス情報を解析する解析処理群から成っている。
部分的監視処理群は、対象プラントの各プロセス項目ご
とに設置されており、プロセス制御機構における最小プ
ロセスデータ単位であるプロセス変数(TAG)に対応さ
せることによって、常時プロセス変数単位に監視するこ
とができる。
この部分的監視処理において、対応するプロセス変数が
ある異常状態になった場合は、この処理が推論実行要求
をする。極端ではあるが、制御対象が異常状態の末期状
態であると仮定すると、制御対象に付けられた数多くの
プロセス変数では、各々の部分的監視処理が各々に推論
実行要求をする。
そこで、このように複数の推論実行要求を管理するのが
前記推論管理機構7であり、この推論管理機構7では、
推論要求優先度データベース5に登録された知識に基づ
いて、全体監視処理群に格納されている推論群の中から
制御対象にとって最適な推論がどれであるかを選択して
実行する。
全体監視処理群は、制御対象全体を見渡すため、部分的
監視処理群から出されている推論要求の状態や、プラン
トデータ収集機構部25を介して前記プラントデータベー
ス13やヒストリカルデータベース24を参照したり、これ
らのプロセス情報と解析処理群を使うことによって、更
に詳細な異常予測を行うことが可能となる。全体監視処
理群は、このようにして制御対象に対して異常事態があ
るか否かを監視する。
(b)予定外シーケンス検索推論機構19は、前記異常予
測推論機構18において異常事態が発見された場合にその
異常内容を理解し、制御対象に対して最も適切で、かつ
異常事態の波乃効果が少なくなるような予定外処理を、
予定外シーケンス起動知識16に基づいて検索推論すると
共に、該予定外処理を前記予定外シーケンス起動機構22
によって起動させる機構であって、予定外シーケンス
群、異常事態レベル(緊急度)知識群、異常事態レベル
に対応した回避処理検索推論群、回避処理実行群からな
る。
予定外シーケンス群には、予め予想される制御対象のい
ろいろな異常事態に対応して実際に実施しなければなら
ない異常処理に関する知識が格納されている。
異常事態レベルとは、前記異常予測推論によって導き出
された結論であり、その内容は、たとえば制御対象全部
の停止、制御対象の部分的停止等の緊急性と制御対象に
与える影響度合、製品の完成度等を十分に加味したもの
である。
回避処理検索推論群は、異常事態レベルと異常発生場所
とに基づいて予定外シーケンス群の中のどの処理を実行
すれば、異常予測推論で出された結論に対して満足でき
るかを推論するものである。
回避処理実行群は、回避処理検索結果に基づいて予定外
シーケンスを実行する。
(c)リスケジュール推論機構20は、異常事態発生後に
おける制御対象の運用計画、すなわち生産スケジュール
の再編成処理をリスケジュール知識17に基づいて行い、
新たな生産スケジュールにしたがって制御対象運用を行
わせるものである。
本発明では、このような生産スケジュールを予めプロセ
ス制御機構3に入力し、生産計画を登録することによ
り、入力されたデータにしたがって制御対象を運用して
ゆく。
以下に、第1図に示した本発明の一実施例であるプラン
トシステムの制御方法を詳細に説明する。
第2図にその構成を例示した対象プラント10において、
バッチスケジュール27に登録されたバッチスケジュール
に従ってバッチ処理が開始されると、シーケンス実行管
理機構6は処方マスタ8を検索し、これに登録された工
程順序、工程内容にしたがって製品の生産を実行する。
このとき、処方マスタ28に登録された個々の工程の開始
タイミングには、推論起動ブロックが設定されており、
さらにその工程の終了タイミングには前記推論起動ブロ
ックに対応した推論停止ブロックが設定されており、該
推論ブロックによって推論要求の発行、解除等の推論操
作が行われる。
また、推論起動ブロックおよび推論停止ブロックには、
それぞれの工程に最適な推論内容を指定するための推論
番号が付加されており、推論起動ブロックに実行トーク
ン(処理実施ポインタ)が到達すると、そのブロックに
設定された推論番号がシーケンス実行管理6を介して推
論管理機構7に出力される。
推論起動ブロックに基づいて推論要求を受けた推論管理
機構7は、その推論番号に応じて推論を実行する推論機
構を選択する。上記した場合では、推論管理機構7は予
定外シーケンス検索推論機構19に対して推論要求を発行
する。
予定外シーケンス検索推論機構19には、前記推論番号で
指定された内容の推論を、対象プラントの各プロセス項
目の状態を表すTagデータ(プラントデータ)に基づい
て実行するためのルールが登録されている。なお、対象
プラントの各プロセス項目はTag名称で表され、それぞ
れのTag名称は、たとえばT200、T201、…Tnとして区別
される。
推論要求を受けた予定外シーケンス検索推論機構19は、
前記推論番号で推定された内容の推論を実行し、実行中
の工程において何等かの異常が発生していないかどうか
を判断する。このとき、推論に必要なプラントデータお
よびヒストリカルデータは、プラントデータ収集機構25
を介して、それぞれプラントデータベース13およびヒス
トリカルデータベース24より入手される。
以下、予定外シーケンス検索推論機構19による推論内容
を具体的に説明する。
いま、釜内の原料を撹拌する工程の開始タイミングにお
いて実行トークンが推論起動ブロックを検知し、予定外
シーケンス検索推論機構19に推論要求が発行されると、
該予定外シーケンス検索推論機構19は以下のような推論
を実行する。
IF(釜1で生産中の品種がA品種であり) ……(1) IF(釜1で実行中の工程が撹拌であり) ……(2) IF(T100の測定値<40℃) ……(3) THEN(釜1の原料Yの投入量が不十分である) そして、前記仮定条件(1)〜(3)が満足されたなら
ば、THEN以下に示された内容が中間結論として導き出さ
れる。
そして、2つの釜でのバッチ処理が平行して実行される
システムにおいては、さらに以下のような推論が実行さ
れる。
IF(釜2で実行中の工程が原料Y仕込みでなく) ……
(5) IF(釜1の原料Yの投入量が不十分である)……(6) THEN(釜1に原料Yを追加投入する予定外シーケンスを
起動する) そして、前記仮定条件(5)、(6)が満足されたなら
ば、THEN以下に示された内容の予定外シーケンス起動要
求が予定外シーケンス起動機構22に発行され、バルブ31
b、31eが開かれて原料Yの追加投入が行われる。なお、
予定外シーケンスの起動による処理実績も、シーケンス
実行管理6を介してバッチ実績29に登録される。
本実施例によれば、バッチ処理の工程ごとに推論が起動
され、該工程の終了と共に前記推論が停止されるように
したので、監視時間、監視対象設備を限定した推論が可
能になる。
換言すれば、時刻をパラメータとして推論開始あるいは
推論停止を定義する必要がなく、また、管理する範囲を
限定することができるようになるので、その時々のシー
ケンス処理に最適な異常検出推論が正確かつ短時間で行
えるようになる。
さらに、最適な異常検出推論が可能となることによっ
て、その異常を回避するために最適な予定外シーケンス
を簡単に選択・実行できるようになる。
ところで、生産システムにおいては、直接バッチ処理と
は関係の無い部分において異常が発生する場合があるの
で、前記異常徴候を検出してオペレータに警報等を発す
る異常予測推論システムが必要となる。
以下、異常予測推論方法について説明する。
異常予測推論は、対象プラントにおいて異常が発生した
場合に、その異常原因がどこにあるのかを予測推論する
もので、第1図に示した本実施例の生産システムでは、
異常予測推論機構18がプロセス監視異常予測知識15に登
録されたルールにしたがって実行する。
前記プロセス監視異常予測知識15には、バッチシーケン
スの実行状態に拘らず対象プラントの異常内容に応じて
異常原因を推論するためのルールが登録されている。
一方、対象プラント10の異常検知は、プロセスデータ処
理8がプラントデータベース13に登録された知識に基づ
いて行う。該プラントデータベース13には、対象プラン
ト10の各プロセス項目の状態を表すTagデータに基づい
て異常を検知するためのルールが登録されている。
それぞれのTag名称におけるTagデータの下限値および上
限値は前記プラントデータベース13に登録されており、
プロセスデータ処理8は、Tagデータがその範囲を外れ
ると、そのプロセス項目に異常が発生したものと判断す
る。
すなわち、Tag名称T200が温度に関するデータであるな
らば、たとえばその下限値が10℃、上限値が100℃とし
てプラントデータベース13に登録されており、Tagデー
タが10℃〜100℃の範囲外になると、そのプロセス項目
に異常が発生したものと判断される。
ただし、プラントの起動時および停止時のような過渡状
態においてはこの測定レンジが補償されるものではない
ため、異常予測推論の対象となるのは、プラントの運転
状態が定常状態にあるときである。
上記のようにして異常発生が検知されると、プロセスデ
ータ処理8は推論管理機構7に推論要求を発行する。こ
のとき、プロセスデータ処理8は推論要求と共に推論番
号も併せて発行する。この推論番号は一種のイベント番
号であり、Tag名称T200に関する推論を行わせるために
用いられる。また、異常予測推論には複数の異なった推
論を登録することが可能であり、この推論番号は該複数
の推論のうち、どの推論を行わせるべきかを振り分ける
ためにも用いられる。
推論要求を受けた推論管理機構7は、その推論要求内容
(推論番号)に応じて推論を実行する機構を選択する。
上記した場合では、対象プラント10の異常発生に対する
推論要求であるために、推論管理機構7は異常予測推論
機構18に対して推論要求を発行する。
推論要求を受けた異常予測推論機構18は、前記推論番号
で推定された内容の推論を、プロセス監視異常予測知識
15に予め登録された知識に基づいて推論する。このと
き、推論に必要なプラントデータおよびヒストリカルデ
ータは、プラントデータ収集機構25を介して、それぞれ
プラントデータベース13およびヒストリカルデータベー
ス24より入手する。
なお、プラントデータおよびヒストリカルデータに基づ
く具体的な異常予測推論方法は、従来技術と同様であり
当業者にとっては明らかであるので、その説明は省略す
る。
また、上記のようにして推論が実行され異常原因が判明
すると、異常予測推論機構18は、該異常原因を回復する
ための予定外シーケンスの実行要求を予定外シーケンス
検索推論機構19に発行する。
実行要求を受けた予定外シーケンス検索推論機構19は、
その実行要求の内容を判断して最適な予定外シーケンス
を推論によって検索し、その結果を予定外シーケンス起
動機構22に出力する。
予定外シーケンス起動機構22は、予定外シーケンスを起
動すると共に、それによる処理実績をシーケンス実行管
理6を介してバッチ実績29に登録する。
ところで、前記のようにして予定外シーケンスが起動さ
れると、それ以後の工程に遅れが発生し、当初の生産量
を確保できなくなったり、それぞれの工程間において競
合が発生するなどの問題が発生し、生産スケジュールを
再立案しなければならない場合が起こる。
第4図は、予定外シーケンスが実行されたことによって
工程の開始時刻がずれ、それによって競合が発生する場
合を説明するための図である。
同図(a)は当初のスケジュールを示しており、製品A
を生産する釜1で原料Xの仕込み工程(図中、ハッチン
グ部分)が終了した後に、製品Bを生産する釜2で原料
Xの仕込み工程が行われるようになっており、原料Xの
仕込み工程が釜1、釜2において競合することはない。
ところが、何等かの異常が発生し、同図(b)に示した
ように釜1の工程において予定外シーケンス(図中、斜
線部分)が実行された場合、その後、予定外シーケンス
に費やした時間だけ各工程の開始時刻を後にずらすと、
釜1の原料X仕込み工程と釜2の原料X仕込み工程とが
競合してしまう場合がある。
このとき、競合を避けるためには同図(c)に示すよう
に、釜1の原料X仕込み工程を後へずらす方法と、同図
(d)に示すように釜2の原料X仕込み工程を後へずら
す方法があるが、いずれの工程を後へずらすかによっ
て、全体としての遅れ時間が変わる。
すなわち、第4図に示した実施例では、同図(c)と同
図(d)との比較から明らかなように、釜2の工程を後
へずらした方が、全体としての遅れ時間が短くなる。
そこで、本発明においては、競合が発生せず、かつ遅れ
時間が最も少なくなるようなスケジュールを推論によっ
て再立案する。
以下に、上記したようなスケジュールの再立案方法につ
いて詳細に説明する。
予定外シーケンスが実行されると、初めにリスケジュー
ル推論機構20はリスケジュール知識17に従って、競合が
発生したか否かを以下のようにして推論する。
IF(バッチスケジュールの使用釜が釜1であり) IF(バッチスケジュールの品種名がA品種である) THEN(A品種の原料X仕込みの開始時刻をS1とする) THEN(A品種の原料X仕込みの終了時刻をE1とする) さらに、 IF(バッチスケジュールの使用釜が釜2であり) IF(バッチスケジュールの品種名がB品種である) THEN(B品種の原料X仕込みの開始時刻をS2とする) THEN(B品種の原料X仕込みの終了時刻をE2とする) さらに、 IF(S1<S2<E1またはS1<E2<E1) IF(S2<S1<E2またはS2<E1<E2) THEN(A品種とB品種との原料X仕込み工程が競合) 以上のような推論の結果、競合が発生していると判断さ
れると、リスケジュール推論機構20は、さらに以下のよ
うな推論を実行する。
IF(P1をE1−S2とし) IF(P2をE2−S1とし) IF(P1<P2) THEN(バッチスケジュールの使用釜が釜2であり、品種
名がB品種であるバッチ開始時刻をP1だけ遅らせる) IF(P1≧P2) THEN(バッチスケジュールの使用釜が釜1でり、品種名
がA品種であるバッチ開始時刻をP2だけ遅らせる) 第4図に示したように、P1<P2である場合には、釜2の
原料X仕込み工程をP1だけ後へずらし、同図(c)に示
したスケジュールが再立案されることになる。
このように、本発明によれば共通工程が競合した場合で
も、該競合を避けるために後ろへずらす時間が最短とな
るスケジューリングが可能になるので、待ち時間を最短
にするようなスケジューリングが可能になる。
(発明の効果) 以上の説明から明らかなように、本発明によれば以下の
ような効果が達成される。
(1)バッチ処理の工程ごとに最適な推論が起動され、
該工程の終了と共に前記推論が停止されるので監視時
間、監視対象設備を限定した推論が可能になり、その時
々のシーケンス処理に最適な異常検出推論が正確かつ短
時間で行えるようになる。
また、最適な異常検出推論が可能となることによって、
その異常を回避するために最適な予定外シーケンスを簡
単に選択・実行できるようになる。
(2)予定外シーケンスの実行後に各工程の競合の有無
を検出し、競合が検出されると互いに競合する工程の少
なくとも一方の工程開始時刻を、競合が解消され、かつ
待ち時間が最短となるようにずらすので、待機時間が少
なく、競合の発生しないスケジュールの再立案が極めて
容易に行われるようになる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例であるプラントシステムのブ
ロック図である。 第2図は第1図のプラントシステムで管理されるプラン
トの構成を示した図である。 第3図はバッチシーケンス情報部に登録された情報の内
容を説明するための図である。 第4図はスケジュールの再立案方法を説明するための図
である。 1……知識処理機構、2……バッチシーケンス情報部、
3……プロセス制御機構、6……シーケンス実行管理、
7……推論管理機構、8……プロセスデータ処理、10…
…プラント、14……推論機能部、22……予定外シーケン
ス起動機構
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−282850(JP,A) 特開 昭63−118907(JP,A) 特開 昭63−77537(JP,A) 特公 昭48−8068(JP,B1)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】予定のシーケンスに従ってバッチ処理を実
    行し、異常発生時には予定外シーケンスを実行して異常
    回復処理を実行する生産システム監視システムであっ
    て、 対象プラントにおいて複数のバッチ処理工程を予定のシ
    ーケンスに従って実行するシーケンス実行手段と、 対象プラントからのプロセス量を取り込むためのプロセ
    ス量入力装置と、 プロセス量に基づいてプロセス項目の異常を検知する異
    常検知手段と、 前記異常内容に応じて異常原因を推論し、該異常原因に
    応じた第1の予定外シーケンス推論起動命令を発行する
    異常予測推論手段と、 前記バッチ処理工程の開始タイミングで、該バッチ処理
    工程に応じた第2の予定外シーケンス推論起動命令を発
    行し、終了タイミングでその推論停止命令を発行する推
    論命令発行手段と、 前記第1および第2の予定外シーケンス推論起動命令に
    応じた推論を前記プロセス量に基づいて実行し、異常が
    検知された場合に、該異常に応じた予定外シーケンスを
    検索する予定外シーケンス検索推論手段と、 検索された予定外シーケンスを起動する予定外シーケン
    ス起動手段とを具備した生産システム監視システム。
  2. 【請求項2】予定外シーケンスの実行後に各工程の競合
    の有無を検出し、競合が検出された場合に、互いに競合
    する工程の少なくとも一方の工程開始時刻を、競合が解
    消されるまでずらすリスケジュール手段を、さらに具備
    したことを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の生産
    システム監視システム。
  3. 【請求項3】前記リスケジュール手段は、比較対象とな
    る一方の工程の開始時刻および終了時刻をそれぞれS1、
    E1、他方の工程の開始時刻および終了時刻をそれぞれS
    2、E2としたときに、 (S1<S2<E1)、(S1<E2<E1)、(S2<S1<E2)、お
    よび(S2<E1<E2)のいずれかの条件が満足された場合
    に互いの工程が競合したと判断し、この場合に(E1−S
    2)<(E2−S1)の条件が満足されると他方の工程の開
    始時刻を(E1−S2)だけ遅らせ、(E1−S2)≧(E2−S
    1)の条件が満足されると一方の工程の開始時刻を(E2
    −S1)だけ遅らせることを特徴とする特許請求の範囲第
    2項記載の生産システム監視システム。
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