JPH0696667B2 - 熱硬化性樹脂組成物 - Google Patents

熱硬化性樹脂組成物

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JPH0696667B2
JPH0696667B2 JP8287888A JP8287888A JPH0696667B2 JP H0696667 B2 JPH0696667 B2 JP H0696667B2 JP 8287888 A JP8287888 A JP 8287888A JP 8287888 A JP8287888 A JP 8287888A JP H0696667 B2 JPH0696667 B2 JP H0696667B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (a)産業上の利用分野 本発明は熱硬化性樹脂組成物に関するものであり、更に
詳しくは、耐熱性,耐薬品性,機械的特性に優れ、速硬
化性でかつ優れた成形性を有する熱硬化性樹脂組成物に
関するものである。
(b)従来技術 一般に不飽和ポリエステル樹脂は、α,β−不飽和二塩
基酸および/または飽和二塩基酸の混合物と、多価アル
コールとの脱水縮合反応により得られる不飽和ポリエス
テルをスチレン,ビニルトルエン等の重合性単量体と相
互溶解させて調製されている。この不飽和ポリエステル
樹脂は有機過酸化物を重合触媒として、必要ならば重合
促進剤を用いて重合硬化させることができる。この様に
して得られた樹脂硬化物は、ガラス繊維を補強材として
用いたガラス繊維強化プラスチックとしての用途の他に
注型用,塗装用,化粧板用,レジンコンクリート,レジ
ンモルタル用,ボタン用等の広い分野で有効に使用され
ている。更に、近年、不飽和ポリエステル樹脂を用いる
各種の分野において、生産性の向上をはかるため該樹脂
の速硬化性が強く要求されており、重合触媒および/ま
たは重合促進剤についていくつかの提案がなされてい
る。
しかしながら、従来の不飽和ポリエステル樹脂は、成形
収縮が大きく、非強化で樹脂のみを成形した場合、割れ
が生じ易く、また耐熱性,機械的特性,耐薬品性等も充
分でなく、必ずしも充分な性能および成形性を有してい
るとはいえない。
(c)発明の目的 そこで、本発明者らは、上記の様な欠点を解決するた
め、鋭意研究を行なった結果、不飽和ポリエステルとポ
リ環状イミノエーテルとを特定の触媒の存在下、反応さ
せることにより非強化で樹脂のみを成形しても割れが生
じず、また、耐熱性,機械的特性,耐薬品性においても
優れた成形物が得られることを知見した。
更に驚くべきことに本発明における反応硬化時間は、従
来の不飽和ポリエステル組成物を反応させた場合により
も短縮されることも見い出し、本発明に到達した。
(d)発明の構成 すなわち、本発明は(A)不飽和ポリエステル、(B)
下記式(I) で表わされるポリ環状イミノエーテル、 (C)エチレン系不飽和単量体、および (D)触媒 を含有してなる熱硬化性樹脂組成物である。
以下、本発明について詳述する。
本発明に用いられる不飽和ポリエステル(A)は、α,
β−不飽和二塩基酸類、および/またはこれらのエステ
ル形成性誘導体、または飽和二塩基酸および/またはそ
れらのエステル形成性誘導体との混合物と多価アルコー
ルおよび/またはプロピレンオキサイド等の有機エポキ
サイドとから公知の方法で製造される分子量500〜10000
程度の不飽和ポリエステルである。
ここで、本発明で用いられるα,β−不飽和二塩基酸と
しては、マレイン酸,ハロゲン化マレイン酸,フマル
酸、シトラコン酸,イタコン酸,ハロゲン化イタコン
酸,5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸,メチル−5
−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸,テトラヒドロフ
タル酸,メチルテトラヒドロフタル酸,テトラクロルフ
タル酸,またはこれらの分子内酸無水物,アルキルエス
テル類等を挙げることができ、飽和二塩基酸としてはフ
タル酸,ハロゲン化フタル酸,無水フタル酸,ハロゲン
化無水フタル酸,イソフタル酸,テレフタル酸,ヘキサ
ヒドロフタル酸,ヘキサヒドロ無水フタル酸,メチルヘ
キサヒドロフタル酸,メチルヘキサヒドロ無水フタル
酸,ジブロモテトラヒドロフタル酸,ジブロモテトラヒ
ドロ無水フタル酸、コハク酸,無水コハク酸,アジピン
酸,グルタル酸,ピメリン酸,コハク酸,アゼライン
酸,セバチン酸等、あるいはこれらのアルキルエステル
類等を挙げることができる。また、必要に応じてアクリ
ル酸,メタクリル酸,プロピオン酸,酪酸,吉草剤,高
級脂肪酸,安息香酸,p−ヒドロキシ安息香酸,オクチル
酸の如き一塩基酸やトリメリット酸,ヘミメリット酸,
トリメシン酸,ベンゾールのテトラカルボン酸等の如き
多塩基酸を変性剤として上記α,β−不飽和二塩基酸あ
るいはこれと飽和二塩基酸との混合物と併用することが
できる。
多価アルコールとしてはエチレングリコール,ジエチレ
ングリコール,トリエチレングリコール,ポリエチレン
グリコール,プロピレングリコール,ジプロピレングリ
コール,トリプロピレングリコール,ポリプロピレング
リコール,1,3−または1,4−ブチレングリコール,テト
ラメチレングリコール,1,6−ヘキサンジオール,ネオペ
ンチルグリコール,水素化ビスフェノールA,ビスフェノ
ールAのエチレンオキサイドおよび/またはプロピレン
オキサイド付加物等を挙げることができ、酸成分に対し
て実質的に等量ないし、20モル%以下の過剰量で使用さ
れる。また、必要に応じてアミルアルコール,ヘキシル
アルコール,ペンチルアルコール,オクチルアルコー
ル,ノニルアルコール,デシルアルコール等の如き高級
脂肪族アルコール,テトラヒドロフルフリールアルコー
ルの如き1価アルコール,グリセリン,ペンタエリスリ
トール,トリメチロールエタン,トリメチロールプロパ
ン,トリメチロールブタン,ソルビット,エリトリッ
ト,メソエリトリット等の如き多価アルコールを変性剤
として上記多価アルコールと併用することもできる。
また、有機エポキサイドとしては、エチレンオキサイ
ド,1,2−プロピレンオキサイド,エピクロルヒドリン等
の如きアルキレンオキサイド,メチルグリシジルエーテ
ル,エチルグリシジルエーテル,アリルグリシジルエー
テル等の如きグリシジルエーテル,メチルグリシジルエ
ステル,エチルグリシジルエステル,アリルグリシジル
エステル等の如きグリシジルエステル等を挙げることが
できる。上記の不飽和ポリエステルは二種以上混合して
用いてもよい。
本発明方法において用いられる上記式(I)で表わされ
るポリ環状イミノエーテル(B)は、Zが直接結合であ
る場合には下記式(I)−1 で表わされるオキサゾリン類を示し、そしてZが である場合には、下記式(I)−2 で表わされるオキサジン類を示す。
上記式(I)(式(I)−1および(I)−2も含む)
において、Rはn価の炭化水素残基である。この炭化水
素残基は炭素原子以外の原子または炭素原子以外の原子
を含む基で中断または置換されていてもよい。nは2〜
4の整数である。それ故、n−価の炭化水素残基とは、
2価,3価または4価の炭化水素残基のことである。但
し、nが2のとき、Rは直接結合を表わすことができ
る。
炭化水素残基としては、例えば脂肪族,脂環族あるいは
芳香族性のいずれであってもよい。好ましくは炭素数1
〜10の脂肪族基、炭素数5〜10の脂環族基または炭素数
6〜12の芳香族基である。炭化水素残基としては、n=
2の場合、例えばメチレン,エチレン,トリメチレン,
1,2−プロピレン,テトラメチレン,ヘキサメチレン,
ネオペンチレン,デカメチレンの如き炭素数1〜10のア
ルキレン基;シクロヘキシレン, の如き炭素数5〜10の2価の脂環族基:p−フェニレン,m
−フェニレン,ナフチレン,ビフェニレンの如き炭素数
6〜12の2価の芳香族炭化水素基を好ましいものとして
挙げることができる。同様に、n=3の場合例えば、−
CH2−CH−CH2−, を好ましいものとして挙げることができる。
さらに、n=4の場合としては、例えば を好ましいものとして挙げることができる。
上記の如き炭化水素残基は炭素原子以外の原子例えば酸
素原子,硫黄原子あるいは−NRg−で中断されていても
よい。Rgは水素原子または1価の炭化水素例えばアルキ
ル基である。
また、上記の如き炭化水素残基は炭素原子以外の原子を
含む基で置換されていてもよい。
そのような置換基としては、例えばクロル,ブロム,ニ
トロ,メトキシ,シアノ,アミド,アセトアミド等であ
る。
また、上記式(I)において、Ra,Rb,Rc,Rd,ReおよびRf
は同一もしくは異なり、水素原子,メチル,エチル,プ
ロピル,フェニル,トリルまたはベンジルである。これ
らのうち、水素原子またはメチルが好ましく、特に全て
が水素原子であるかまたは1つがメチルであり他の全て
が水素原子であるのがより好ましい。
上記式(I)のポリ環状イミノエーテルとしては、例え
ば下記の化合物を例示することができる。
式(I)−1のオキサゾリン類の例;2,2′−ビス(2−
オキサゾリン),2,2′−エチレンビス(2−オキサゾリ
ン),2,2′−テトラメチレンビス(2−オキサゾリ
ン),2,2′−ヘキサメチレンビス(2−オキサゾリ
ン),2,2′−オクタメチレンビス(2−オキサゾリ
ン),2,2′−1,4−シクロヘキシレンビス(2−オキサ
ゾリン),2,2′−ビス(4−メチル−2−オキサゾリ
ン),2,2′−ビス(5−メチル−2−オキサゾリン),
2,2′−m−フェニレンビス(2−オキサゾリン),2,
2′−p−フェニレンビス(2−オキサゾリン),2,2′
−m−フェニレンビス(4−メチル−2−オキサゾリ
ン),2,2′−m−フェニレンビス(5−メチル−2−オ
キサゾリン),2,2′−p−フェニレンビス(4−メチル
−2−オキサゾリン),2,2′−p−フェニレンビス(5
−メチル−2−オキサゾリン),1,3,5−トリス(2−オ
キサゾリニル−2)ベンゼン等。
これらのうち2,2′−ビス(2−オキサゾリン),2,2′
−テトラメチレンビス(2−オキサゾリン),2,2−m−
フェンレンビス(2−オキサゾリン),2,2′−p−フェ
ニレンビス(2−オキサゾリン)が好ましい。
式(I)−2のオキサゾリン類の例;2,2′−ビス(5,6
−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジン),2,2′−エチレン
ビス(5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジン),2,2′−
テトラメチレンビス(5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサ
ジン),2,2′−ヘキサメチレンビス(5,6−ジヒドロ−4
H−1,3−オキサジン),2,2′−オクタメチレンビス(5,
6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジン,2,2′−1,4−シク
ロヘキシレンビス(5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジ
ン),2,2′−ビス(4−メチル−5,6−ジヒドロ−4H−
1,3−オキサジン),2,2′−ビス(5−メチル−5,6−ジ
ヒドロ−4H−1,3−オキサジン),2,2′−ビス(6−メ
チル−5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジン),2,2′−
m−フェニレンビス(5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサ
ジン),2,2′−p−フェニレンビス(5,6−ジヒドロ−4
H−1,3−オキサジン),2,2′−m−フェニレンビス(4
−メチル−5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジン),2,
2′−m−フェニレンビス(5−メチル−5,6−ジヒドロ
−4H−1,3−オキサジン),2,2′−m−フェニレンビス
(6−メチル−5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジ
ン),2,2′−p−フェニレンビス(4−メチル−5,6−
ジヒドロ−4H−1,3−オキサジン),2,2′−p−フェニ
レンビス(5−メチル−5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキ
サジン),2,2′−p−フェニレンビス(6−メチル−5,
6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジン)等。
これらのうち2,2′−ビス(5,6−ジヒドロ−4H−1,3−
オキサジン),2,2′−テトラメチレンビス(5,6−ジヒ
ドロ−4H−1,3−オキサジン),2,2′−m−フェニレン
ビス(5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジン),7−p−
フェニレンビス(5,6−ヒドロ−4H−1,3−オキサジン)
が好ましい。
本発明において、ポリ環状イミノエーテルは1種または
2種以上併用することができる。1種以上併用する際に
は、オキサゾリン類同志、オキサジン類同志あるいはオ
キサゾリン類とオキサジン類とを使用することができ
る。
本発明方法ではポリ環状イミノエーテルの他に、必要に
応じて、モノ環状イミノエーテルをポリ環状イミノエー
テルに対し30モル%以下、好ましくは25モル%以下、特
に好ましくは20モル%以下使用することができる。
かかるモノ環状イミノエーテルとしては、例えば下記式
(I)′−1 で表わされるオキサゾリン化合物、および下記式
(I)′−2 で表わされるオキサゾリン化合物が好適に使用される。
かかるモノ環状イミノエーテルを使用することにより、
反応の制御および架橋密度の調整を有利に実施すること
が可能となる。
上記式(I)′−1および(I)′−2中、R′は1価
の炭化水素残基である。炭化水素残基としては、例えば
脂肪族,脂環族あるいは芳香族のいずれであってもよ
い。好ましくは炭素数1〜10の脂肪族基,炭素数5〜10
の脂環族基または炭素数6〜12の芳香族基である。
かかるモノ環状イミノエーテルとしては、例えば、2−
メチル−2−オキサゾリン,2−エチル−2−オキサゾリ
ン,2−プロペニル−2−オキサゾリン,2−フェニル−2
−オキサゾリン,2−トリル−2−オキサゾリン,2,5−ジ
メチル−2−オキサゾリン,2,4−ジメチル−2−オキサ
ゾリン,2−フェニル−4−メチル−2−オキサゾリン,2
−フェニル−5−メチル−2−オキサゾリンの如きモノ
オキサゾリン類;および2−メチル−5,6−ジヒドロ−4
H−1,3−オキサジン,2−エチル−5,6−ジヒドロ−4H−
1,3−オキサジン,2−プロペニル−5,6−ジヒドロ−4H−
1,3−オキサジン,2−フェニル−5,6−ジヒドロ−4H−1,
3−オキサジン,2−トリル−5,6−ジヒドロ−4H−1,3−
オキサジン、2−フェニル−4−メチル−5,6−ジヒド
ロ−4H−1,3−オキサジン,2−フェニル−5−メチル−
5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジン,2−フェニル−6
−メチル−5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジンの如き
オキサジン類を挙げることができる。
これらのうち2−フェニル−2−オキサゾリン,2−トリ
ル−2−オキサゾリン,2−フェニル−5,6−ジヒドロ−4
H−1,3−オキサジン,2−トリル−5,6−ジヒドロ−4H−
1,3−オキサジンが好ましい。
本発明で用いられるエチレン系不飽和単量体(C)とし
ては、例えばスチレン,α−メチルスチレン,t−ブチル
スチレン,クロルスチレン,ビニルトルエン,ジビニル
ベンゼン,酢酸ビニル,アクリル酸またはメタクリル酸
とメチルアルコール,エチルアルコール,プロピルアル
コール,オクチルアルコール,ヘキサノール,テトラヒ
ドロフルフリルアルコール,エチレングリコール,プロ
ピレングリコール等の如き脂肪族アルコールとのエステ
ル,ジアリルフタレート,ジアリルイソフタレート,ト
リアリルイソシアヌレート,トリアリルシアヌレート等
が挙げられる。これらは一種または二種以上用いてもよ
い。
不飽和ポリエステル,ポリ環状イミノエーテルおよびエ
チレン系不飽和単量体の配合割合は、それぞれ25〜99.9
重量%;0.1〜50重量%;0〜74.9重量%であり、上記範囲
を逸脱すると樹脂組成物の粘度が高くなり成形時に困難
をきたしたり、該組成物の反応性が低下し反応に高温を
要したり、得られた成形物の物性が十分でなくなる等好
ましくない。不飽和ポリエステル,ポリ環状イミノエー
テルおよびエチレン系単量体の配合割合は上記範囲の中
でも好ましくは、それぞれ35〜85重量%;0.5〜45重量
%;0〜65重量%であり、特に好ましくはそれぞれ45〜75
重量%;1〜40重量%;0〜55重量%である。
本発明においては、不飽和ポリエステル,ポリ環状イミ
ノエーテルおよびエチレン系不飽和単量体の他に、該化
合物類と付加反応し得る他の成分を少量添加しても差し
支えない。
本発明に用いられる触媒としては、下記化合物群を例示
できる。
(i) pKaが2.5以下のプロトン酸, (ii) pKaが1.0以下のプロトン酸のエステル, (iii) pKaが2.5以下のプロトン酸の塩, (iv) ルイス酸およびその錯体, (v) アルキルハライド, (vi) ヨウ素, (vii) ラジカル重合開始剤, (viii) 下記式(III) で表わされるハロゲンフェノール類 (ix)下記式(IV) で表わされるハロゲノフタル酸類および/または下記式
(V) で表わされるハロゲノフタル酸無水物。
pKaが2.5以下のプロトン酸(i)としては、有機スルホ
ン酸,スルホン酸又は無機酸が好ましく、例えばトルフ
ルオロメタンスルホン酸,メタンスルホン酸,エタンス
ルホン酸,ベンゼンスルホン酸,p−トルエンスルホン酸
の如き有機スルホン酸;の如きホスホン酸,硫酸,リン
酸,亜リン酸,ホスフィン酸,過塩素酸の如き無機酸を
挙げることができる。
pKaが1.0以下のプロトン酸のエステル(ii)としては、
有機スルホン酸のエステルおよび無機プロトン酸のエス
テルが好ましい。該エステルを形成するアルコール成分
としては炭素数1〜10の脂肪族アルコールが好ましく用
いられる。該エステルとしては、例えばトルフルオロメ
タンスルホン酸メチル,トリフルオロメタンスルホン酸
エチル,ベンゼンスルホン酸メチル,ベンゼンスルホン
酸エチル,p−トルエンスルホン酸メチル,p−トルエンス
ルホン酸エチル,トリフロロメタンスルホン酸エチルの
如きスルホン酸エステル類;硫酸ジメチル,硫酸ジエチ
ルの如き無機プロトン酸のエステルを挙げることができ
る。
pKaが2.5以下のプロトン酸の塩(iii)としては、上記
したプロトン酸(i)の塩,ヘキサメチレンジアミン,
ピペラジン,m−キシレンジアミン,4,4′−ジアミノジフ
ェニルメタン,ピリジン,2,2′−m−フェニレンビス
(2−オキサゾリン)等の有機アミン化合物の塩,トリ
フロロメタンスルホン酸等が好ましく用いられる。
ルイス酸およびその錯体(iv)としては、例えば四塩化
チタン,四塩化スズ,塩化亜鉛,塩化アルミニウム,三
弗化ホウ素の如きルイス酸;あるいはこれらのルイス酸
とエーテルもしくはフェノールとの錯体例えば三弗化ホ
ウ素エーテル錯体等を好ましいものとして挙げることが
できる。
アルキルハライド(v)としては、ヨウ化アルキルまた
は臭化アルキルが特に好ましい。また、そのアルキル基
の炭素数は1〜10が好ましく、該アルキル基はフェニル
で置換されていてもよい。アルキルハライド(v)とし
ては、例えばヨウ化メチル,ヨウ化エチル,ヨウ化プロ
ピル,ヨウ化ブチル,ヨウ化ベンジル,臭化ベンジルを
好ましいものとして例示することができる。
ヨウ素(vi)はヨウ素単体である。
ラジカル重合開始剤(vii)としては、有機過酸化物が
好ましく用いられ、具体的には、メチルエチルケトンパ
ーオキシド,シクロヘキサノンパーオキシド,メチルイ
ソブチルケトンパーオキサイド等の如きケトンパーオキ
シド,キュメンハイドロパーオキシド,ターシャリーブ
チルハイドロパーオキシド等の如きハイドロパーオキシ
ド,ターシャリーブチルパーオキシオクトエート,ター
シャリーブチルパーオキシベンゾエート等の如きパーオ
キシエステル,1,3−ビス(t−ブチルパーオキシイソプ
ロピル)ベンゼン,ジクミルパーオキサイド,トリス−
(ターシャリーブチルパーオキシ)トリアジン等の如き
ジアルキルパーオキサイド,イソブチリルパーオキサイ
ド,ラウロイルパーオキサイド,ベンゾイルパーオキサ
イド等の如きジアシルパーオキサイド,1,1−ジーターシ
ャリーブチルパーオキシ−3,3,5−トリメチルシクロヘ
キサン,1,1−ジーターシャリーブチルパーオキシシクロ
ヘキサン,2,2−ジ−(ターシャリーブチルパーオキシ)
−ブタン等の如きパーオキシケタール,ターシャリーブ
チルパーオキシイソプロピルカーボネート,ビス(4−
ターシャリーブチルシクロヘキシル)パーオキシジカー
ボネート,ジ−3−メトキシブチルパーオキシジカーボ
ネート等の如きパーカーボネート等を挙げることができ
る。上記式(III)で表わされるハロゲノェノール類(v
ii)も好適な触媒の一つである。
上記式(III)において、X1およびX2は、同一もしくは
異なり、ハロゲン原子である。ハロゲン原子としては、
例えば塩素原子および臭素原子が特に好ましい。mは0.
1または2の数である。mは1であるのが好ましい。ま
た、その場合(m=1)、式(III)中の水酸基に対し
てX2はオルト位に結合しているのが特に好ましい。
Yは−SO2R1,−COR2,−CNまたはNO2である。
上記式(III)は、これらのYの定義に応じて、それぞ
れ下記式で表わすことができる。
上記式(III)−1において、R1の炭素数1〜20のアル
キルは直鎖状であっても分岐鎖状であってもよい。炭素
数1〜10のアルキルが好ましい。かかるアルキルとして
は、例えばメチル,エチル,n−プロピル,iso−プロピ
ル,n−ブチル,iso−ブチル,sec−ブチル,tert−ブチル,
n−ペンチル,n−ヘキシル,n−ヘプチル,n−オクチル,n
−ノニル,n−デシル,n−ドデシル等を挙げることができ
る。これらのアルキル基は、例えばハロゲン,ヒドロキ
シル基,カルボキシル基,ニトロ基,シアノ基,アミノ
基,アルコキシ基,アルコキシカルボニル基,アシル
基,アシルオキシ基等の置換基で置換されていてもよ
い。
R1の炭素数6〜12のアリールとしては、例えばフェニ
ル,トリル,ナフチル等を挙げることができる。これら
のアリール基は、アルキル基の置換基として例示した上
記置換基と同じ置換基で置換されていてもよい。
R1が表わす基−NR3R4のR3またはR4の置換されていても
よい炭素数1〜12のアルキルおよび炭素数6〜12のアリ
ールとしては、R1について例示した上記基と同じものを
例示できる。また、R3またはR4の炭素数5〜10のシクロ
アルキルとしては、例えばシクロペンチル,シクロヘキ
シル, を挙げることができる。
上記式(III)−1の化合物としては、例えば、ビス
(3,5−ジクロル−4−ヒドロキシフェニル)スルホ
ン,ビス(3,5−ジブロム−4−ヒドロキシフェニル)
スルホン,3,5−ジクロル−4−ヒドロキシベンゼンスル
ホン酸アミド,3,5−ジブロム−4−ヒドロキシベンゼン
スルホン酸アミド,3,5−ジブロム−4−ヒドロキシベン
ゼンスルホン酸N−メチルアミド等を挙げることができ
る。
上記式(III)−2において、R2の置換されていてもよ
い炭素数1〜20のアルキル、炭素数5〜10のシクロアル
キル、炭素数6〜12のアリールとしては、式(III)−
1について例示した上記基と同じ基を例示することがで
きる。また、基−NR6R7としても、基−NR3,R4について
例示した上記基と同じ基を例示することができる。R2
基−OR5のR5としても、基R3,R4について例示した上記基
と同じ基を例示することができる。
上記式(III)−2の化合物としては、例えばビス(3,5
−ジクロル−4−ヒドロキシフェニル)ケトン,ビス
(3,5−ジブロム−4−ヒドロキシフェニル)ケトン,3,
5−ジクロル−4−ヒドロキシ安息香酸メチル,3,5−ジ
ブロム−4−ヒドロキシ安息香酸メチル,3,5−ジブロム
−4−ヒドロキシ安息香酸メチル,3,5−ジブロム−4−
ヒドロキシ安息香酸アミド,3,5−ジブロム−4−ヒドロ
キシ安息香酸N−エチルアミド,3,5−ジブロム−4−ヒ
ドロキシ安息香酸等を挙げることができる。
上記式(III)−3の化合物としては、例えば3,5−ジク
ロル−4−ヒドロキシベンゾニトリル,3,5−ジブロム−
4−ヒトロキシベンゾニトリル等を挙げることができ
る。
上記式(III)−4の化合物としては、例えば3,5−ジク
ロル−4−ヒドロキシニトロベンゼン,3,5−ジブロム−
4−ヒドロキシニトロベンゼン等を挙げることができ
る。
上記式(III)で表わされるハロゲノフェノール類のう
ち、4−ヒドロキシ−3,5−ジクロロフェニル骨格また
は4−ヒドロキシ−3,5−ジブロモフェニル骨格を有す
るものが好ましく、とりわけ、上記式(III)−1で表
わされる化合物、就中(3,5−ジブロム−4−ヒドロキ
シフェニル)スルホンが特に好ましい。
上記式(IV)で表わされるハロゲノフタル酸類および/
または上記式(V)で表わされるハロゲノフタル酸無水
物(viii)も好適な触媒の一つである。
式(IV)において、X3およびX4は、X1について定義した
と同じハロゲン原子例えば塩素または臭素である。lは
0,1,2または3の数である。これらのうち、lは1,2また
は3が好ましく、就中2または3が特に好ましい。式
(IV)中、R8は上記式(III)のR2の定義と同じ定義で
あり、それ故、R8としてはR2について例示した基と同じ
基を例示できる。
また、式(V)において、X3,X4およびlの定義は上記
式(III)における定義と同じである。
式(IV)および式(V)で表わされる化合物としては例
えば下記化合物を例示することができる。
(i) ジカルボン酸およびその無水物;例えば3,4,5,
6−テトラブロム(またはテトラクロル)フタル酸,3,4,
5,6−テトラブロム(またはテトラクロル)フタル酸無
水物,3,4,5−トリブロム(またはトリクロル)フタル
酸,3,4,5−トリブロム(またはトリクロル)フタル酸無
水物,3,4,6−トリブロム(またはトリクロル)フタル
酸,3,4,6−トリブロム(またはトリクロル)フタル酸無
水物等。
(ii) ジカルボン酸モノエステル;例えば3,4,5,6−
テトラブロム(またはテトラクロル)−フタル酸モノメ
チルエステル,3,4,5,6−テトラブロム(またはテトラク
ロル)−フタル酸モノエチルエステル,3,4,5,6−テトラ
ブロム(またはテトラクロル)−フタル酸モノプロピル
エステル,3,4,5,6−テトラブロム(またはテトラクロ
ル)−フタル酸モノイソプロピルエステル,3,4,5,6−テ
トラブロム(またはテトラクロル)−フタル酸モノベン
ジルエステル,3,4,5,6−テトラブロム(またはテトラク
ロル)−フタル酸モノフェニルエステル等。
(iii) ジカルボン酸モノアミド;例えば3,4,5,6−テ
トラブロム(またはテトラクロル)−フタル酸モノアミ
ド,N−メチル−3,4,5,6−テトラブロム(またはテトラ
クロル)−フタル酸モノアミド,N−エチル−3,4,5,6−
テトラブロム(またはテトラクロル)−フタル酸モノア
ミド,N−デシル−3,4,5,6−テトラブロム(またはテト
ラクロル)−フタル酸モノアミド,N−フェニル−3,4,5,
6−テトラブロム(またはテトラクロル)−フタル酸モ
ノアミド等。
(iv) ケトカルボン酸;例えば2−カルボキシ−3,4,
5,6−テトラブロム(またはテトラクロル)−フェニル
メチルケトン,2−カルボキシ−3,4,5,6−テトラブロム
(またはテトラクロル)−フェニルエチルケトン等。
これらのうち、上記ジカルボン酸およびその無水物が好
ましく、テトラクロロフタル酸類,テトラブロモフタル
酸類およびそれらの無水物がより好ましく、就中3,4,5,
6−テトラブロム(またはテトラクロル)−フタル酸,3,
4,5,6−テトラブロム(またはテトラクロル)−フタル
酸無水物が特に好ましい。
これらの触媒は一種または二種以上を併用することもで
きる。これらの触媒の使用量は不飽和ポリエステルに対
して0.05〜15重量%、好ましくは0.1〜10重量%、特に
好ましくは0.2〜5重量%程度の量である。上記ラジカ
ル重合開始剤に、コバルト,マンガン,鉄,銅,その他
の重金属のオクチル酸塩あるいはナフテン酸塩の如き多
価金属の有機酸塩および必要ならばジメチルアニリン,
ジメチルパラトルイジン等の如き第3級アミン等の重合
促進剤やハイドロキノン,ナフトキノン,ターシャリー
ブチルカテテール,p−ベンゾキノン,ブチレーテッドヒ
ドロキシトルエン,ニトロキシドラジカル類等の重合禁
止剤を少量加えることも、反応速度の制御,ポットライ
フの改善の為好ましく実施しうる。
本発明の樹脂組成物を反応させて成形物とする方法とし
ては、例えば不飽和ポリエステル,ポリ環状イミノエー
テル,エチレン系不飽和単量体および触媒のそれぞれ固
体および/または液体を物理的に緊密に混合し、該混合
物を必要に応じて加熱溶解し、所望形状の金型に充填し
て、該金型中で加熱反応せしめる方法(一液法),不飽
和ポリエステル,ポリ環状イミノエーテルおよびエチレ
ン系不飽和単量体を任意の割合に分けてそれぞれ別に緊
密に混合、さらに必要により溶解せしめ、これをミキシ
ングヘッド等の混合手段により混合後、予め反応温度に
加熱した所望の形状の金型に直接注入して反応せしめる
方法(二液混合法)等を挙げることができる。上記二液
混合法の場合、ポリ環状イミノエーテルを主とし、不飽
和ポリエステルを従とし、こを必要に応じてエチレン系
不飽和単量体に溶解した成分、および不飽和ポリエステ
ルを主とし、ポリ環状イミノエーテルを従とし、これを
必要に応じてエチレン系不飽和単量体に溶解した成分の
それぞれを予め加熱し、得られた二液を用いることもで
きる。また、二液混合法の場合には、ラジカル重合開始
剤以外の上記触媒を不飽和ポリエステルを主とする成分
の方に含有せしめることが好ましく、ラジカル重合開始
剤をポリ環状イミノエーテルを主とする成分の方に含有
せしめることが好ましい。
反応温度は、用いるポリ環状イミノエーテル,不飽和ポ
リエステル,エチレン系不飽和単量体および触媒の種
類、その使用割合等により異なるが、好ましくは35〜28
0℃、より好ましくは45〜240℃特に好ましくは55〜200
℃程度である。
反応時間は、目的とする樹脂が十分に硬化するに足る時
間であればよく、またこの時間は用いる原料の種類,使
用割合,反応温度等によっても異なるが、好ましくは10
秒〜60分、より好ましくは20秒〜30分、特に好ましくは
30秒〜15分程度である。
反応は常圧〜加圧で行なうことができるが、この際大気
中の水や樹脂の酸化劣化を防ぐ為、窒素,アルゴン等の
不活性ガス雰囲気下で実施することが好ましい。
また、必要に応じて反応成形物を反応温度より高い温度
で熱処理することにより物性の向上を計ることも好まし
く実施しうる。
尚、本発明の熱硬化性樹脂には必要に応じて、炭素繊
維、ガラス繊維等の補強材,各種フィラー,充填剤,顔
料,着色剤,酸化安定剤,紫外線吸収剤,離型剤等の添
加剤を適宜配合してもよい。
(e)発明の効果 本発明の熱硬化性樹脂組成物は同じラジカル開始剤を用
いれば不飽和ポリエステル樹脂より反応時間が短縮で
き、サイクルアップが可能であるし、得られた成形物の
機械物性等物性面や耐薬品性も向上しており、耐熱性も
成形条件の設定によっては向上させうるし、成形物を後
熱処理することでさらに向上させうる。また強化材を添
加しない系でも割れが生じない等極めて優れた特性を有
する。
(f)実施例 以下、実施例を挙げて本発明を詳述するが、実施例は説
明のためであって、本発明はこれに限定されるものでは
ない。
尚、実施例中「部」は「重量部」を意味し、熱変形温度
は成形板を150℃で5時間熱処理した物をDMA(動的熱機
械特性測定装置)により10℃/分の昇温速度で測定し
た。
実施例1〜5および比較例1,2 不飽和ポリエステル(日本ユピカ製「ユピカ3464」;ス
チレン希釈済)2.00部、表1に示す2,2′−m−フェニ
レンビス(2−オキサゾリン)の所定量および表1に示
す触媒の所定量とをガラス反応器に仕込み、よく混合し
た後窒素置換し、所定の温度のオイルバス中に浸漬し
た。反応混合物は一旦均一に溶解し、その後表1に示し
た時間で硬化し、いずれも淡茶ないし淡黄色で透明な樹
脂となった。比較として実施例から2,2′−m−フェニ
レンビス(2−オキサゾリン)および触媒の一部を除い
た系について同様の実験を行なった。
表1には得られた樹脂の熱変形温度を示すが、いずれも
耐熱性に優れていることがわかる。また、いずれの樹脂
も強靭であり、アセトン中に浸漬しても溶解乃至膨潤を
ほとんど起こすことなく耐溶剤性に優れていた。
実施例6 不飽和ポリエステル(日本ユピカ製「ユピカ8542」)1.
1部,スチレン部0.9部,2,2′−p−フェニレンビス(2
−オキサゾリン)0.10部をガラス反応器に仕込み80℃オ
イルバス中で均一に混合した。ここに「パーブチルZ」
(化薬ヌーリー製)0.02部およびp−トルエンスルホン
酸メチル0.002部を加えただちに140℃オイルバス中に浸
漬したところ80秒後に硬化し、淡黄色で透明な樹脂を得
た。樹脂の熱変形温度は140℃であった。また、何れも
樹脂も強靭であり、アセトン中に浸漬しても溶解乃至膨
潤をほとんど起こすことなく耐溶剤性に優れていた。
実施例7 不飽和ポリエステル(日本ユピカ製「ユピカ8524」)60
部,スチレン50部およびベンゼンスルホン酸0.5部より
なるA成分および不飽和ポリエステル(日本ユピカ製
「ユピカ8524」)50部,スチレン50部,2,2′−m−フェ
ニレンビス(2−オキサゾリン)10部および「パーブチ
ルZ」(化薬ヌーリー製)3部よりなるB成分をそれぞ
れ窒素気流中80℃で溶融させ、A液,B液とした。
上記A液およびB液を100℃に加熱したミキシングヘッ
ドに注入して混合し、直ちに140℃に加熱した金型に充
填し90秒間反応させた。得られた成形物は透明で泡はな
く強靭であり、熱変形温度は142℃であった。
実施例8〜10 無水マレイン酸200モル%,イソフタル酸100モル%,プ
ロピレングリコール300モル%より合成した不飽和ポリ
エステル(粘度/ストークス:5.6,酸価/mgKOH/g:38、不
飽和結合含有量(ドデシルメルカプタン法で測定/mol/
g:0.295)2.00部,2,2′−m−フェニレンビス(2−オ
キサゾリン)0.60部,および日本油脂(株)製ナイパー
BMT−M 0.02部と表2に示す触媒の所定量をガラス反応
器に仕込み、よく混合した後、窒素置換し、所定の温度
のオイルバス中に浸漬した。反応混合物は一旦均一に溶
解し、その後表2に示した時間で硬化し、いずれも淡茶
ないし淡黄色で透明な樹脂となった。
表2には得られた樹脂の熱変形温度を示すが、いずれも
耐熱性に優れていることがわかる。また、いずれの樹脂
も強靭であり、アセトン中に浸漬しても溶解乃至膨潤を
ほとんど起こすことなく耐溶剤性に優れていた。
実施例11 無水マレイン酸100モル%,プロピレングリコール100モ
ル%より合成した不飽和ポリエステル(粘度/ストーク
ス:3.6,酸価/mgKOH/g:39,不飽和結合含有量/mol/g:0.41
7)2.00部,2,2′−m−フェニレンビス(2−オキサゾ
リン)0.66部,および日本油脂(株)製ナイパーBMT−M
0.04部とトリフルオロメタンスルホン酸エチル0.03部
をガラス反応器に仕込み、よく混合した後、窒素置換
し、90℃のオイルバス中に浸漬した。反応混合物は一旦
均一に溶解し、その後101秒で硬化し、淡黄色透明な樹
脂となった。
得られた樹脂の熱変形温度は141℃と耐熱性に優れてい
ることがわかる。また得られた樹脂は強靭であり、アセ
トン中に浸漬しても溶解乃至膨潤をほとんど起こすこと
なく耐溶剤性に優れていた。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)不飽和ポリエステル、 (B)下記式(I) で表わされるポリ環状イミノエーテル、 (C)エチレン系不飽和単量体、および (D)触媒 を含有してなる熱硬化性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】上記(A)の不飽和ポリエステル,上記
    (B)のポリ環状イミノエーテルおよび上記(C)のエ
    チレン系不飽和単量体の使用割り合いが(A)不飽和ポ
    リエステル25〜99.9重量%,(B)ポリ環状イミノエー
    テル0.1〜50重量%,(C)エチレン系不飽和単量体0
    〜74.9重量%であることを特徴とする請求項1記載の熱
    硬化性樹脂組成物。
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