JPH0696517B2 - 変性したワックス性微粉末で被覆された薬剤及びその製造法 - Google Patents

変性したワックス性微粉末で被覆された薬剤及びその製造法

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JPH0696517B2
JPH0696517B2 JP5692593A JP5692593A JPH0696517B2 JP H0696517 B2 JPH0696517 B2 JP H0696517B2 JP 5692593 A JP5692593 A JP 5692593A JP 5692593 A JP5692593 A JP 5692593A JP H0696517 B2 JPH0696517 B2 JP H0696517B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】本発明はワックスコーティング剤で被覆さ
れた薬物又は薬剤の粉末、造粒物又は錠剤等の成型体及
びその製造法に関するものである。従来から行なわれて
いるワックスコーティング法は、予め適当な有機溶剤に
ワックス状物質を溶解し、これを流動或いは転動してい
る物質にスプレーする方法であった。
【0002】この方法を用いると、溶剤の残留、薬物の
変性等多くの問題点がある。又、用いたワックス状物質
は疎水性で、単一の物性しか有していない。従って、ワ
ックスの表面性質の改質によって、ワックス状物質のよ
り広範囲な有効利用が可能になる。表面改質の技法は、
一般に化学的、物理化学的又は物理的(機械的)処理に
よる技法に大別されるが、以下の6技法がある。 (1)コーティングによる改質、(2)トポケミカルな
改質、(3)メカノケミカルな改質、(4)カプセル化
による改質、(5)高エネルギーの利用による改質、
(6)沈澱反応による改質。
【0003】本発明者は、コロイドを用いて改質する、
トポケミカルな改質法と沈澱反応による改質法の原理を
組合せた複合的技法による表面処理の方法を検討した。
その結果、従来にみられない、優れた特性のワックスコ
ーティング剤を見出し種々検討の結果、このワックスコ
ーティング剤で被覆された薬物又は薬剤の粉末、造粒物
又は錠剤等の成型体及びその製造法に関する発明を完成
するに至った。
【0004】本発明について更に詳しく説明する。即
ち、一種類又は二種類以上のワックス状物質からなる単
品又は混合のワックス状物質を粉砕、微粉末化する。次
に、このワックス性微粉末を、親水性コロイド、例えば
シリカゾル又はシリカゾルの粒子の表面を水溶性高分子
で処理したシリカゾル或いは水溶性高分子とシリカゾル
との複合体のコロイド溶液で、表面処理した後、乾燥す
る。
【0005】次に、この表面処理したワックス性微粉末
を用いて、薬物又は薬物を含有する薬剤の粉末、造粒物
又は錠剤等の表面を被覆するものである。このようにし
て、表面処理したワックス性微粉末によって被覆された
剤形は、その表面性質が変わることにより、含有薬物の
初期放出速度が変化することを見出した。
【0006】即ち、この表面処理したワックス性微粉末
によって被覆された剤形の表面層は、被覆するワックス
性微粉末間に形成された空隙部分によって多数の曲路が
形成される。これが毛細管となって、細孔制御ができ、
薬物の初期放出速度に著しい影響を与えることによるも
のと推測される。
【0007】又、親水性の低いワックス性微粉末の表面
に親水性の高いシリカサイトが多数沈積することによ
り、ワックス性微粉末の表面層の親水・疎水のバランス
を変化させることが可能になった。更に、ワックス性微
粉末の表面上に沈積したシリカサイトの密度を、シリカ
ゾル類の添加条件(例えば、添加と混合の時間、添加
量、添加濃度、添加、混合後の後処理条件)を変えるこ
とにより、調節することが可能になったので、ワックス
性微粉末の表面の親水−疎水のバランスの調節が可能に
なった。
【0008】ワックス状物質は、30〜180℃の温度
範囲で融解又は軟化するものが好ましい。これらワック
ス性物質の例としては、脂肪、蝋、脂肪酸、脂肪酸エス
テル、脂肪酸塩、脂肪族高級エステル、脂肪族高級アル
コール、多価アルコール等の固形の脂蝋状物質、例えば
エチレンオキサイド重合物、塩化ビニール重合物等の熱
可塑性高分子物質又は糖類の脂肪酸エステル等が挙げら
れる。
【0009】脂肪としては、カカオ脂、牛脂、豚脂、ラ
ノリン等がある。その他、アセトグリセライド、ワセリ
ン、固形パラフィン、天然樹脂、ポリフェノール類も使
用できる。蝋物質としては、黄蝋、鯨蝋、白蝋、木蝋、
カルナバ蝋等が挙げられる。脂肪酸としては、ステアリ
ン酸、パルミチン酸、ラウリン酸等の高級脂肪酸ならば
何れも用いうる。
【0010】脂肪酸エステルとしては、グリセリンモノ
ステアレート、グリセリンジステアレート、グリセリン
モノパルミテート等の高級脂肪酸のグリセリンエステル
等がある。脂肪酸塩としては、ステアリン酸カルシウ
ム、ステアリン酸マグネシウム等がある。
【0011】高級アルコールとしては、ラウリルアルコ
ール、セチルアルコール、ステアリルアルコール等があ
る。多価アルコールとしては、マンニット、ソルビッ
ト、蔗糖等がある。熱可塑性高分子物質としては、塩化
ビニール重合物のようなビニール樹脂、メタアクリル酸
重合物のようなアクリル酸樹脂、スチレン重合物のよう
なスチレン樹脂、エチルセルロースのようなセルローズ
誘導体、エチレンオキサイド重合物等がある。
【0012】又、以上の重合物、糖類脂肪酸エステル等
の固形の界面活性剤等も挙げられる。前記のワックス状
物質は、単独はもとより2種以上の物質を選択使用する
こともできる。これらワックス状物質の微粉末化後の微
粉末の粒径は、0.1〜1000μであり、1〜100
μが好ましい。
【0013】親水性コロイドとしてはシリカゾル、又は
シリカゾルのシリカ粒子の表面を水溶性高分子で処理し
たシリカゾル或いはシリカゾルと水溶性高分子のコロイ
ド溶液が挙げられる。シリカゾルとしては、粒子径が3
〜100mμ、SiO2 濃度が0.1〜50重量%で、
且つSiO2 /Na2 O(モル比)が50〜2000で
あるシリカゾルであり、水又は含水のメタノール、エタ
ノール、プロパノール、ブタノールを溶媒とするシリカ
ゾルでよく、実例としてスノーテックス〔日産化学工業
(株)製〕がある。
【0014】シリカゾルのシリカ粒子の表面を水溶性高
分子で処理したシリカゾル或いはシリカゾルと水溶性高
分子のコロイド溶液は、前記シリカゾルにポリビニルア
ルコール、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシプロピル
セルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、セ
ルロースアセテートフタレート、ポリエチレングリコー
ル等を混合処理したものであり、添加量としてはSiO
2 100重量部に対し0.1から50重量部であり、好
ましくは2〜15重量部である。
【0015】ワックス性微粉末に親水性コロイドを処理
する時の温度は、ワックス性微粉末が融合又は著しく変
形しない範囲の温度である必要があり、使用するワック
スの融点又は軟化点によって異なる。通常は、0℃から
使用するワックス性微粉末が融合又は著しく変形しない
範囲の温度であり、15℃からワックス性微粉末が融合
又は著しく変形しない範囲の温度が好ましい。
【0016】このように、表面処理したワックス性微粉
末は、ワックス性微粉末が融合又は著しく変形しない範
囲の温度で、過剰の水溶液が除去された後、通常の乾燥
法、例えば風乾、向流乾燥、減圧乾燥等により乾燥さ
れ、微粉末となる。次に、表面処理次いで乾燥処理され
たワックス性微粉末で、薬物又は薬物を含有する剤形の
粉末、造粒物又は錠剤等の表面を被覆するに際しての条
件は、下記の如くである。
【0017】即ち、温度はワックス性微粉末が融合しな
い範囲の温度であり、上記剤形との混合方法は常法によ
る。尚、一度上記の方法により被覆した後、加熱によ
り、被覆されたワックス性微粉末をお互いに半融合させ
た後、再度上記の方法により被覆することもある。本発
明の内容を、下記の実施例により更に詳しく説明する。 実施例1 転動造粒法で調製した粒子径1〜2mmのアスピリン含
有乳糖粒100gと参考1、2、3又は4の方法で処理
された粉末10gとを径が100mmの遠心回転皿型方
式の混合器:メルカプトMM−10型(岡田精工製)に
入れ、内皿の回転速度500r.p.mとし、20分間
室温で混合した。
【0018】上記処理された乳糖粒を100kg/cm
2 の条件で打錠し、打錠した試料表面に対し水0.1m
lの液滴を付着させ、常法により接触角を測定した。参
考例1、2、3、4で得られた表面処理したワックス性
微粉末により処理された上記乳糖粒の接触角はそれぞれ
70°、65°、55°、85°であった。 比較例1 実施例1において、参考例1、2、3、4におけるコロ
イド処理を行わない他は、同様に処理した乳糖粒に対す
る接触角はそれぞれ110°、105°、110°、1
20°であった。 参考例1 平均粒子径64mμ、SiO2 含量20重量%、SiO
2 /Na2 O(モル比)が165であるシリカゾル15
mlを水で希釈し、3.0重量%のゾル分散液100m
lとする。
【0019】平均粒子径15μのカルナウバ蝋10g
に、上記ゾル分散液を10ml宛3〜5回に分けて加
え、各回ごとに良く練合しペースト状とする。残りのゾ
ル分散液を全部加え、更に30分間かき混ぜカルナウバ
蝋が十分に液中分散されたサスペンションとする。この
操作の後、濾過し、過剰の水溶液を除去した後、風乾し
た。 参考例2 重量比3:1のカルナウバ蝋とステアリルアルコールの
均質な混合溶融混合物を粉砕し、平均粒子径15μの粉
末を得た。
【0020】この粉末に参考例1と同様の処理を行っ
た。 参考例3 平均粒子径64mμ、SiO2 含量20重量%、SiO
2 /Na2 O(モル比)が165であるシリカゾル10
0gに平均分子量40,000であるポリビニルピロリ
ドンの10%水溶液25gを撹拌下に添加し、ポリビニ
ルピロリドンにより処理されたシリカゾルを用意した。
【0021】このゾル18.8gに水を添加して、3.
0wt%のゾル分散液100mlを調整した後、参考例
1と同様にして、平均粒子径15μのカルナウバ蝋10
gを処理した。 参考例4 平均粒子径15μのステアリン酸カルシウム10gに参
考例1と同様の処理を行った。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 30〜180℃の温度範囲で融解又は軟
    化するワックス状物質の一種又は二種以上から成り、粒
    径が0.1〜1000μであるワックス性微粉末の表面
    層に、親水性コロイドの粒子が沈積している変性したワ
    ックス性微粉末により、表面が被覆され、薬物の初期放
    出速度が制御された薬剤の粉末、造粒物又は錠剤等の成
    型体。
  2. 【請求項2】 30〜180℃の温度範囲で融解又は軟
    化するワックス状物質の一種又は二種以上から成り、粒
    径が0.1〜1000μであるワックス性微粉末の表面
    層に、親水性コロイドの粒子が沈積している変性したワ
    ックス性微粉末を用いて、薬剤の表面を被覆し、薬剤の
    初期放出速度が制御された薬物の粉末、造粒物又は錠剤
    等の成型体の製造法。
JP5692593A 1993-03-17 1993-03-17 変性したワックス性微粉末で被覆された薬剤及びその製造法 Expired - Lifetime JPH0696517B2 (ja)

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