JPH066532B2 - 親水性コロイドにより変性したワックス性微粉末 - Google Patents

親水性コロイドにより変性したワックス性微粉末

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JPH066532B2
JPH066532B2 JP18133083A JP18133083A JPH066532B2 JP H066532 B2 JPH066532 B2 JP H066532B2 JP 18133083 A JP18133083 A JP 18133083A JP 18133083 A JP18133083 A JP 18133083A JP H066532 B2 JPH066532 B2 JP H066532B2
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は新規な薬物のワックスコーティング剤およびそ
の製造法に関するものである。
従来から行なわれている薬物のワックスコーティング法
は、あらかじめ適当な有機溶剤にワックス状物質を溶解
し、これを流動あるいは転動している物質にスプレーす
る方法であった。
この方法を用いると、溶剤の残留、薬物の変性等多くの
問題点がある。また、用いたワックス状物質は疎水性
で、単一の物性しか有していない。したがって、ワック
スの表面性質の改質によって、ワックス状物質のより広
範囲な有効利用が可能になる。
表面改質の技法は、一般に化学的、物理化学的または物
理的(機械的)処理による技法に大別されるが、以下の
6技法がある。
(1)コーテイングによる改質(2)トポケミカルな改
質(3)メカノケミカルな改質(4)カプセル化による
改質(5)高ネルギーの利用による改質(6)沈澱反応
による改質 本発明者は、コロイドを用いて改質する、トポケミカル
な改質法と沈澱反応による改質法の原理を組み合せた新
規な複合的技法よる表面処理の方法を検討した。その結
果、従来にみられない、優れた特性を見出し本発明を完
成した。
本発明を更に詳しく説明する。即ち、一種類または二種
類以上のワックス状物質からなる単品または混合のワッ
クス状物質を粉砕、微粉末化する。次に、このワックス
性微粉末を、親水性コロイドたとへばシリカゾルまたは
シリカゾルの粒子の表面を水溶性高分子で処理したシリ
カゾルあるいは水溶性高分子とシリカゾルとの複合体の
コロイド溶液で、表面処理した後、乾燥するものであ
る。
このようにして、表面処理したワックス性微粉末によっ
て被覆された薬物又は薬物を含有する薬剤の粉末、造粒
物又は錠剤等の剤形は、その表面性質が変わることによ
り含有薬物の初期放出速度を変化させることができる。
即ち、この表面処理したワックス性微粉末によって被覆
された剤形の表面層は、被覆するワックス性微粉末間に
形成された空隙部分によって多数の曲路が形成される。
これが毛細管となって、細孔制御ができ、薬物の初期放
出速度に著しい影響を与えることによるものと推測され
る。
また、親水性の低いワックス性微粉末の表面に親水性の
高いシリカサイトが多数沈積することにより、ワックス
性微粉末の表面層の親水−疎水のバランスを変化させる
ことが可能になった。さらに、ワックス性微粉末の表面
上に沈積したシリカサイトの密度を、シリカゾル類の添
加条件(例えば、添加と混合の時間、添加量、添加濃
度、添加、混合後の後処理条件)を変えることにより、
調節することが可能になったので、ワックス性微粉末の
表面の親水−疎水のバランスの調節が可能になった。
本発明に用いられるワックス状物質は、30〜180℃
の温度範囲で融解または軟化するものが好ましい。これ
らワックス性物質の例としては、脂肪、蝋、脂肪酸、脂
肪酸エステル、脂肪酸塩、脂肪族高級エステル、脂肪族
高級アルコール、多価アルコール等の固形の脂蝋状物
質、たとえばエチレンオキサイド重合物、塩化ビニール
重合物等の熱可塑性高分子物質または糖類の脂肪酸エス
テル等が挙げられる。
脂肪としては、カカオ脂、牛脂、豚脂、ラノリン等があ
る。その他、アセトグリセライド、ワセリン、固形パラ
フィン、天然樹脂、ポリフェノール類も使用できる。
蝋物質としては、黄蝋、鯨蝋、白蝋、木蝋、カルナバ蝋
等が挙げられる。
脂肪酸としては、ステアリン酸、パルミチン酸、ラウリ
ン酸等の高級脂肪酸ならばいずれも用いうる。脂肪酸エ
ステルとしては、グリセリンモノステアレート、グリセ
リルジステアレート、グリセリンモノパルミテール等の
高級脂肪酸のグリセリンエステル等がある。
脂肪酸塩としては、ステアリン酸カルシュウム、ステア
リン酸マグネシュウム等がある。
高級アルコールとしては、ラウリルアルコール、セチル
アルコール、ステアリルアルコール等がある。多価アル
コールとしては、マンニット、ソルビット、蔗糖等があ
る。
熱可塑性高分子物質としては、塩化ビニール重合物のよ
うなビニール樹脂、メタアクリル酸重合物のようなアク
リル酸樹脂、スチレン重合物のようなスチレン樹脂、エ
チルセルローズのようなセルローズ誘導体、エチレンオ
キサイド重合物等がある。
また、以上の重合物、糖類脂肪酸エステル等の固形の界
面活性剤等も挙げられる。
前記のワックス状物質は、単独はもとより2種以上の物
質を選択使用することもできる。
これらワックス状物質の微粉末化後の微粉末の粒径は、
0.1〜1000μであり、1〜100μが好ましい。
本発明に用いられる親水性コロイドとしてはシリカゾ
ル、またはシリカゾルのシリカ粒子の表面を水溶性高分
子で処理したシリカゾルあるいはシリカゾルと水溶性高
分子のコロイド溶液が挙げられる。
シリカゾルとしては、粒子径が3〜100mμ、SiO
濃度が0.1〜50重量%で、かつSiO/Na
O(モル比)が50〜2000であるシリカゾルであ
り、水または含水のメタノール、エタノール、プロパノ
ール、ブタノールを溶媒とするシリカゾルでよく、実例
としてスノーテックス〔日産化学工業(株)製〕があ
る。
シリカゾルのシリカ粒子の表面を水溶性高分子で処理し
たシリカゾルあるいはシリカゾルと水溶性高分子のコロ
イド溶液は、前記シリカゾルにポリビニルアルコール、
ポリビニルピロリドン、ヒドロキシプロピルセルロー
ス、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、セルロース
アセテートフタレート、ポリエチレングリコール等が混
合処理したものであり、添加量としてはSiO100
重量部に対し0.1から50重量部であり、好ましくは
2〜15重量部である。
ワックス性微粉末に親水性コロイドを処理する時の温度
は、ワックス性微粉末が融合または著しく変性しない範
囲の温度である必要があり、使用するワックスの融点ま
たは軟化点によって異なる。通常は、0℃から使用する
ワックス性微粉末が融合または著しく変形しない範囲の
温度であり、15℃からワックス性微粉末が融合または
著しく変形しない範囲の温度が好ましい。
このように、表面処理したワックス性微粉末は、ワック
ス性微粉末が融合または著しく変形しない範囲の温度
で、過剰の水溶液が除去された後、通常の乾燥法例えば
風乾、向流乾燥、減圧乾燥等により乾燥され、微粉末と
なる。
又、表面処理次いで乾燥処理されたワックス性微粉末
で、薬物または薬物を含有する剤形の粉末、造粒物また
は錠剤等の表面を被覆するに際しての条件は、下記の如
くである。即ち、温度はワックス性微粉末が融合しない
範囲の温度であり、上記剤形との混合方法は常法によ
る。
なお、一度上記の方法により被覆した後、加熱により、
被覆されたワックス性微粉末をお互いに半融合させた
後、再度上記の方法により被覆することもある。
本発明の内容を、下記の実施例により更に詳しく説明す
る。
実施例1 平均粒子径64mμ、SiO含量20重量%、SiO
/NaO(モル比)が165であるシリカゾル15
mlを水で希釈し、3.0重量%のゾル分散液100m
lとする。
平均粒子径15μのカルナウバ蝋10gに、上記ゾル分
散液を10ml宛3〜5回に分けて加え、各回ごとに良
く練合しペースト状とする。残りのゾル分散液を全部加
え、さらに30分間かき混ぜカルナウバ蝋が十分に液中
分散されたサスペンジヨンとする。
この操作の後、濾過し、過剰の水溶液を除去した後、風
乾した。
実施例2 重量比3:1のカルナウバ蝋とステアリルアルコールの
均質な混合溶融混合物を粉砕し、平均粒子径15μの粉
末を得た。
この粉末に実施例1と同様の処理を行った。
実施例3 平均粒子径64mμ、SiO含量20重量%、SiO
/NaO(モル比)が165であるシリカゾル10
0gに平均分子量40,000であるポリビニルピロリ
ドンの10%水溶液25gを撹拌下に添加し、ポリビニ
ルピロリドンにより処理されたシリカゾルを用意した。
このゾル18.8gに水を添加して、3.wt%のゾル
分散液100mlを調整した後、実施例1と同様にし
て、平均粒子径15μのカルナウバ蝋10gを処理し
た。
実施例4 平均粒子径15μのステアリン酸カルシュウム10gに
実施例1と同様の処理を行った。
参考例1 転動造粒法で調製した粒子径1〜2mmのアスピリン含有
乳糖粒100gと実施例1、2、3または4の方法で処
理された粉末10gとを径が100mmの遠心回転皿型方
式の混合器:メカノミルMM−10型(岡田精工製)に
入れ、内皿の回転速度500r.p.mとし、20分間
室温で混合した。
上記処理された乳糖粒を100kg/cm2の条件で打錠
し、打錠した試料表面に対し水0.1mlの液滴を付着
させ、常法により接触角を測定した。
実施例1、2、3、4で得られた表面処理したワックス
性微粉末により処理された上記乳糖粒の接触角はそれぞ
れ70°、65°、55°、85°であった。
参考例2 参考例1において、実施例1、2、3、4におけるコロ
イド処理を行わない他は、同様に処理した乳糖粒に対す
る接触角はそれぞれ100°、105°、110°、1
20°であった。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】30〜180℃の温度範囲で融解または軟
    化するワックス状物質の一種または二種以上から成り、
    粒径が0.1〜1000μであるワックス性微粉末の表
    面層に、親水性コロイドの粒子が沈積している、変性し
    たワックス性微粉末。
  2. 【請求項2】ワックス状物質が、脂肪、蝋、脂肪酸、脂
    肪酸エステル、脂肪酸塩、脂肪族高級エステル、脂肪族
    高級アルコール、多価アルコール、熱可塑性高分子物質
    または糖類の脂肪酸エステルである特許請求の範囲第
    (1)項記載のワックス性微粉末。
  3. 【請求項3】親水性コロイドが、粒子径が3〜100m
    μ、SiO濃度が0.1〜50重量%、かつSiO
    /NaO(モル比)が50〜2000であるシリカゾ
    ルである特許請求の範囲第(1)項記載のワックス性微粉
    末。
  4. 【請求項4】親水性コロイドが、粒子径が3〜100m
    μ、SiO濃度が0.1〜50重量%、かつSiO
    /NaO(モル比)が50〜2000であるシリカゾ
    ルに水溶性高分子を添加することにより改質されたコロ
    イド水溶液である特許請求の範囲第(1)項記載のワック
    ス性微粉末。
  5. 【請求項5】30〜180℃の温度範囲で融解または軟
    化するワックス状物質の一種または二種以上から成り、
    粒径が0.1〜1000μであるワックス性微粉末に、
    親水性コロイドの水溶液を混合せしめることによる、ワ
    ックス性微粉末の表面層に、親水性コロイドの粒子が沈
    積している、変性したワックス性微粉末の製造法。
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JP2538134B2 (ja) * 1991-04-08 1996-09-25 田辺製薬株式会社 徐放性製剤およびその製造法
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