JPH0696111B2 - 界面活性剤、スパッタ防止剤およびその製造方法並びにスパッタ防止剤を含むマーガリン - Google Patents

界面活性剤、スパッタ防止剤およびその製造方法並びにスパッタ防止剤を含むマーガリン

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JPH0696111B2
JPH0696111B2 JP1281593A JP28159389A JPH0696111B2 JP H0696111 B2 JPH0696111 B2 JP H0696111B2 JP 1281593 A JP1281593 A JP 1281593A JP 28159389 A JP28159389 A JP 28159389A JP H0696111 B2 JPH0696111 B2 JP H0696111B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、食品産業において、例えば、パンまたはマー
ガリンの製造のために、また、農業、化学、化粧品、医
薬品、建築、繊維および製革産業において有用な界面活
性剤に関し、一層詳細にはPCT特許出願GB第88/00321
号、およびニュージーランド特許出願第224382号に示さ
れたものを改良した界面活性剤、スパッタ防止剤および
その製造方法並びにスパッタ防止剤を含むマーガリンに
関する。
[従来の技術] 上記特許出願には、オート麦の溶剤抽出により得られた
粘度降下剤が示されている。例えば、オート麦は許容さ
れた極性溶剤(例えば、エタノールまたはイソプロパノ
ール等の脂肪族アルコール)を用いて抽出され、また粘
度降下剤である油は上記極性溶剤抽出物から分離され
る。このような方法の好適な実施例においては、極性溶
剤抽出物はメタノール等の異なる極性溶剤で抽出され、
後者の溶剤は蒸発され、ポリグリセロール−ポリリシノ
ール酸エステル型乳化剤(PGPR型乳化剤)が得られる。
上記特許出願に示された他の方法では、オート麦が許容
無極性有機溶剤(例えば、ヘキサン)を用いて抽出さ
れ、次に許容脂肪族アルコール、最も好適にはエタノー
ル、またはイソプロパノールを用いて再抽出され、極性
溶剤抽出物が生成される。この極性溶剤抽出物から溶剤
の一部を分離するまで蒸発させることにより、油が分離
される。この油は粘度降下剤である。
英国特許出願GB−A−1527101号およびGB−A−1552012
号には、オート麦ふすま、オート麦粉末(oat flou
r)、オート麦油を製造するための粉砕されたオート麦
の処理プロセスが示されている。この処理プロセスにお
いては、油部分の回収は、1〜4個の炭素原子を有する
アルコールを使用してもよいとしているが、ヘキサン等
の溶剤により粉砕オート麦を抽出し、次にヘキサンを十
分に除去して溶剤抽出物から油を回収するようにしてい
る。さらに、得られた油は濁りがあり、またこのような
油はイソプロパノールを混合、撹拌し、例えば、遠心分
離機により固形分を除去することにより透明になる。こ
のように遠心分離により除去された固形分はかなりの量
の燐脂質を含有すると考えられ、例えば、乳化剤として
の使用に適している。然しながら、このような乳化剤を
応用する分野に関しては何も示唆されていない。実際、
ヘキサンを用いてオート麦を抽出し、得られた濁り油を
遠心分離し、ゴム質を除去すると、残った油もゴムも乳
化剤として特別には活性でないことが見出されている。
[発明が解決しようとする課題] 本発明は上記に関連してなされたものであって、汎用の
界面活性剤を提供することを目的とする。
さらに、水溶性界面活性剤を提供することを第2の目的
とする。
[課題を解決するための手段および作用] 上記の目的を達成するために、本発明の第1の目的は、
少なくとも二つの炭素原子(好適にはエタノールまたは
イソプロパノール)を含む許容された脂肪族アルコール
を用いてオート麦を抽出し、アルコール抽出物を生成
し、メタノールによりこのアルコール抽出物を抽出して
メタノール抽出物を生成し、さらにこのメタノール抽出
物からメタノールを蒸発させて界面活性剤を抽出するス
テップからなる界面活性剤の製造方法を提供することに
ある。
このようにして生成された界面活性剤は、油相中に予め
溶解されたとき、油中水乳濁液の形成が容易になる乳化
剤および安定剤として特に有用である。この界面活性剤
はさらに製パン業においてパン塊の体積を増加させ、パ
ン中のパン粉粒の開度を増加させるのに有用である。従
って、本発明はパン製造においてこのような界面活性剤
を提供する。この界面活性剤は更に、マーガリン中の水
滴を小さくし、またマーガリン中の脂肪結晶凝集体を小
さくすることが見出されている。さらに、この界面活性
剤はマーガリン中のスパッタ防止剤としても有効であ
る。このように、本発明は、マーガリン製造に使用され
る界面活性剤に適用される。
本発明の第2の目的は、少なくとも二つの炭素原子を有
する許容された脂肪族アルコール(例えば、エタノール
またはイソプロパノール)によりオート麦を抽出してア
ルコール抽出物を生成し、メタノールによりこのアルコ
ール抽出物を抽出してメタノール抽出物を生成し、この
メタノール抽出物をアセトンにより抽出し、さらにアセ
トン不溶性材料を回収するステップからなる界面活性剤
の製造方法を提供するにある。
アセトンによる抽出は好適には、アセトンでメタノール
抽出物を反復洗浄することにより行われる。
回収後のアセトン不溶性材料は、好適には、例えば、真
空オーブン中で乾燥される。
本発明の第2の目的による方法で生成された界面活性剤
は、油相中に予め溶解されたときの油中水(例えば、野
菜油、炭化水素油等の鉱物油、または動物油)乳濁液、
および水溶相中に予め溶解されたときの水中油乳濁液を
補助する乳化剤として有用である。このようにして、本
発明はまた油中水乳濁液および水中油乳濁液における乳
化剤および/または安定剤として生成された界面活性剤
を用いることを特徴とする。
本発明の第2の目的に関連してなされた方法により製造
される界面活性剤はまたパン製造においてパン塊の体積
を増加させるとともにパン中のパン粉粒の開度を増加さ
せるのに有用である。従って、本発明はまたパン製造時
にこのような界面活性剤を使用することを特徴とする。
本発明の第2の目的に関連してなされた方法により製造
される界面活性剤はまた水溶性発泡体の形成と安定化を
補助する。従って、本発明はまた水溶性発泡体の形成と
安定化においてこのような界面活性剤を使用することを
特徴とする。
本発明の第2の目的に関連してなされた方法により製造
された界面活性剤はまたマーガリン中の水滴の大きさを
小さくし、従って、マーガリン中のスパッタ防止剤とし
て有効である。従って、本発明はまたマーガリン中で、
第2の目的に係る本発明の製造方法を用いて製造された
乳化剤を使用することを特徴とする。
本発明の第3の目的は、少なくとも二つの炭素原子を有
する許容された脂肪族アルコール(好適にはイソプロパ
ノール)を使用してオート麦を抽出してアルコール抽出
物を生成し、このようなアルコール抽出物から油を分離
することにより得られる、マーガリン用スパッタ防止剤
およびこのようなスパッタ防止剤を含有するマーガリン
用スパッタ防止剤を提供するにある。
水中での油または油中での水の乳化を補助するとともに
乳濁液を安定化する界面活性剤の機能は多くの製品にお
いて重要な性質である。乳濁液形成の場合に界面活性剤
は乳化剤と呼ばれることが多いが、この呼称は、界面活
性剤が乳化剤として特に使用されないときも、特に食品
産業では一般に使用されるようになっている。界面活性
剤の乳化特性は、この界面活性剤が界面に吸着したとき
行われる水と油相の間の界面張力の減少に起因する。こ
れは、乳濁液中に大きな界面領域を形成するのに必要な
機械的エネルギを減少させる。分散相の液体粒子周囲の
界面活性剤の吸着層は、凝集性界面膜を形成することに
より、また立体的、静電的反撥力を導入することにより
凝集を防止することが出来る。界面活性剤は、その構造
に基づいて溶剤中で異なる溶解度を与え、またHLBとし
て知られている分子の親水性(極性)および親油性(無
極性)の部分の間をバランスさせるように作用する。界
面活性剤は、極性で親水的であるほど水に易溶であり、
水中油の形成を促進するが、極性が小さく、親油的にな
るほど油中に溶け易く、油中水乳化剤の形成を促進す
る。
オート麦のイソプロパノール/メタノール(IPA/MeOH)
の油中で予め溶解された抽出物は広い温度範囲にわたっ
て優れた油中水乳化剤および安定剤であるが、水中で予
め溶解されたアセトン不溶部分は水中で油を良好に乳化
させる。
パンの製造に取り込まれた食品乳化剤は水中に油または
油中に水を乳化させる以上の機能を有している。製パン
時のこれらの乳化剤のより複雑な機能の幾つかのものを
示すために使用される用語には、例えば、「軟化剤」、
「ドウ・コンディショナー」、「澱粉複合化剤」、「パ
ン向上剤」、「アンチステーリング剤」、「蛋白複合化
剤」および「体積向上剤(volume improver)」があ
り、ヒューズ、イー.ジェー(Hughes,E.J.)(1975)
のベーキング・インダストリーズ・ジャーナル(Baking
Industries Journal)、2月、22に示されている。
「軟化剤」、「アンチステーリング剤」および「澱粉複
合化剤」等、上記の用語の幾つかは、この場合、乳化剤
分子により澱粉中のアミロースヘリックスの貫通により
形成された複合体に係わる乳化剤の同様な基本的な機能
を説明出来る。同様に、「蛋白複合化剤」、「パン向上
剤」および「体積向上剤」等の用語は、蛋白質、特に小
麦粉グルテン中のグルテニンやグリアジンと相互作用す
る乳化剤の機能に関係させることが出来る。
発酵時に生成される主として二酸化炭素などのガスを保
持する、酵母発酵製品における小麦粉の独自の機能は、
ダフタリー等(Daftary et al)(1968)のフード・テ
クノロジー(Food Technology)、22,327に示されるよ
うに、石油エーテル等の無極性溶剤による抽出により小
麦粉中の自由脂質が除去されるとき劣化される。この性
質は、主としてグリコリピッドからなる極性脂質フラク
ションが小麦粉に逆に付加されると回復する。自由な極
性脂質中のグリコリピッドは、ホースネイ等(Hosenay
et al)(1970)のセリアル ケミストリー(Cereal ch
emistry)、47,135に示されるように、親水結合により
グリアジンに、また、親水結合によりグルテニンに同時
に結合され得る。
本発明の第1乃至第3の側面に関連して生成される界面
活性剤の全ては、パン塊体積を増強させるとともにパン
中の粉組織の開度を増加させることが出来る。
簡単な空気/水発泡システムでは、界面活性剤の効果
は、水の表面張力を減らし、界面において吸着と分子配
向により界面膜を形成するそれらの機能により説明され
る。オート麦のIPA/MeOH抽出物のアセトン不溶性フラク
ションは、水可溶性であり、水の表面張力を減少させる
が、これはまた水溶液中で満足する発泡剤である。
乳化剤は、脂肪相の部分的結晶化以前に微細に分散され
た油中水乳濁液を生成し安定化するためにマーガリン中
で使用される。これは、組織や安定性、保存寿命等を改
善するために望ましく、また、あらゆる種類のマーガリ
ンに対して必要である。しかし、他の機能的性質は特殊
なマーガリンで必要とされる。それらの一つには開放さ
れたフライパンでのフライ調理時のスパッタを最小にす
る機能がある。スパッタは、溶融脂肪中の水滴が凝集
し、熱いフライパンの表面から没する時に発生する。こ
の時点で、水滴は激しく蒸発し、フライパンの外側で溶
融脂肪の飛沫がもたらされる。
オート麦のIPA/MeOH抽出物の取り込みによりマーガリン
に対しては水滴の大きさは小さくなり、脂肪結晶凝集体
の大きさも小さくなる。さらに、この特定の抽出物およ
びそのアセトン不溶性フラクションは優れたスパッタ防
止特性を与える。
[実施例] 本発明の実施例につき以下に示す例によりさらに詳細に
説明する。
例1(オート麦のIPA抽出物の生成) 押圧されたジャンボ(Jumbo)オート麦(25kg)をガラ
ス製カラム(直径22.9cm)に緩く充填し、次に、70℃に
加熱されたイソプロパノール(60)により40分間連続
抽出する。カラムは排水可能になされ、抽出手順をさら
に2回、各回毎に溶剤を新たにチャージして、反復し
た。イソプロパノール抽出物を真空下で濃縮し、1.6kg
の油を得た。
例2(オート麦のIPA/MeOH抽出物の生成) 例1で示したように生成した押ジャンボオート麦(1.6k
g)のイソプロパノール抽出物をメタノール(7.5)と
十分に混合した。混合物を2層に分離した。メタノール
上部層を除去し、下部層をメタノール(7.5)により
さらに2回抽出した。3つのメタノール抽出物を一緒に
し、真空下でメタノールを除去し、424gの粘性剤を得
た。メタノール中に抽出しなかった粘性剤は主としてト
リグリセリドで構成されていた。
例3(オート麦のIPA/MeOH抽出物のアセトン不溶性フラ
クションの生成) 例2で示したように生成した押オート麦(30g)のイソ
プロパノール抽出物のメタノール抽出物をアセトン(25
0ml)と十分に混合した。固形分を沈降させ、この固形
分からアセトン洗液をデカントした。250mlのアセトン
により固形分の抽出をさらに2度行い、続いて50mlのア
セトンで2度抽出し、真空下で残留アセトンを除去した
後、7.95gのアセトン不溶性固形分を得た。
例4(乳濁液の形成) 等量(100ml)のシクロヘキサンまたはトウモロコシ油
(シグマ・ケミカル(Siigma Chemical)社)のいずれ
かと、全体で5重量%の乳化剤を含む純水(ラスバーン
・ケミカル(Rathburn Chemical)社、HPLCグレード)
との混合物を栓付き250ml目盛シリンダに準備した。水
溶相または油相のいずれかに、これらの2組を混合する
前に、乳化剤を溶解させた。
各々のシリンダはその内容物とともに5℃または10℃に
冷却し、内容物を10回震動した。残り5分が経過した
後、乳濁液および分離した水溶相と油相の相容量を記録
した。次に、温度を5℃だけ上昇させ、上記手順を温度
65℃まで反復した。
上記の試験には下記の乳化剤をシクロヘキサンおよび水
とともに使用した。
1. オート麦のIPA/MeOH抽出物(例2の生成物)。
2. オート麦のIPA抽出物(例1の生成物)。
3. オート麦のIPA/MeOH抽出物のアセトン不溶性フラク
ション(例3の生成物)。
4. アドムルwol(ポリグリセロールポリリシノール酸
エステル)。
5. SN(大豆レシチン)。
6. SNのアセトン不溶性フラクション。
7. YN(ホスファチジン酸のアンモニウム塩)、カドベ
リー・リミテッド(Cadbury Ltd.) 8. SPS、蔗糖パルミチン酸ステアリン酸エステル15
(セルバ、フェインビオヘミカ(Seruva、Feinbiochemi
ca)、ハイデルベルグ)、パルミテート70%、ステアレ
ート30%、モノエステル70%、ジーナトリエステル30
%、HLB約15。
9. エピクロン(Epikuron)145V、(ルーカス・マイヤ
ー(Lucas Meyer、Gmbh&Co.))、51.6%のホスファチ
ジルコリンを含有する分別大豆レシチン。
10. エピクロン170、75.2%のホスファチジルコリンを
含有する分別大豆レシチン。
11. エピクロン200、51.5%のホスファチジルコリンを
含有する分別大豆レシチン。
これらの全てをシクロヘキサン中で10%になるように予
め溶解させた。オート麦のIPA/MeOH抽出物のアセトン不
溶性フラクションを初めに水中に予め溶解させ、次に、
シクロヘキサン中に溶解させた。エピクロン試料につい
ても夫々を水中に予め溶解させ、次にシクロヘキサン中
に溶解させた。トウモロコシ油を用いた実験は5%のIP
A/MeOH抽出物に、また、全混合物で2.5重量%のものに
限定し、乳化剤をトウモロコシ油中に予め溶解させた。
結果と検討 試験の結果、乳化剤の挙動を3種類に分類することが出
来た。すなわち、第1表に要約したように、油中水乳濁
液を促進するもの、水中油乳濁液を促進するもの、およ
び乳化能力を全く、または殆ど持たないものに分類出来
た。
油中水乳濁液促進剤の中の1つはオート麦のIPA/MeOH抽
出物である。この抽出物は、高温で分離する油の薄層だ
けでシクロヘキサン中における水の完全な乳化を可能に
した。トウモロコシの油/水混合物においては、IPA/Me
OH抽出物は全温度範囲にわたって優れた乳化能力を示
し、この挙動は、混合物中の乳化剤の濃度が5%から2.
5%に低減されても維持された。
油中水乳濁液の他の促進剤として、シクロヘキサン中に
予め溶解されたIPA/MeOHオート麦抽出物のアセトン不溶
性フラクション、アドムルwol、YN、およびエピクロン2
00(水中に予め溶解)が挙げられる。これらの中、アド
ムルwolはIPA/MeOHオート麦抽出物のものと比較し得る
最大乳化能力を示したYNは上記2者と同様に略良好であ
ったが、エピクロン200およびIPA/MeOHオート麦抽出物
のアセトン不溶性フラクションは、低温ではともに機能
が低く、夫々約30℃以上および約50℃以上の温度では改
善が見られた。
水中油乳濁液を促進する乳化剤としては、IPA/MeOHオー
ト麦抽出物のアセトン不溶フラクション、SPS、および
エピクロン145Vおよび170が挙げられ、全て水中に予め
溶解されるものである。これらは全て高温で良好な乳化
機能を示した。一般的に、オート麦抽出物のアセトン不
溶性フラクションおよびSPSはエピクロン試料より良好
な乳化剤であった。
最後に、乳化剤が良好でない場合は全ての温度で水相と
油相が殆ど完全に分離され、また、それらの乳化剤の二
つ、オート麦のIPA抽出物とSNは界面沈澱物を与えた。
例5(パン) 手順 チョーリーウッド(Chorleywood)の製パン方法により
各種乳化剤を取り込んでパンの小塊を生成した。
次の成分をボウルに秤量した。
1kg カナダ産春小麦粉(水分14.6%) 18g 塩 25g 新鮮パン酵母 7g ラード 100mg アスコルビン酸 10g 乳化剤 これらをZミキサーに仕込み、100秒間低速で混合し
た。620mlの温水(32℃)を付加する間、混合を続け
た。ドウを側部から掻き取り、18ワット時の間、高速で
Zミキサー中に展開した。このドウを除去し、460gのド
ウ片に分割し、その各々を成形機を通して配置した。初
期プルービング(Proving)を40℃、10分間行い、その
後、これらのドウ片を再成形し、グリース付パン型内に
配置した。40℃で48分間、他のプルービング(Provin
g)を行い、その後、ドウをオーブン中で232℃、27〜30
分間焼き付けた。次に、パンを型から取り出し、冷却し
た。
一日当たり3個のパン塊からなる四つまたは五つのバッ
チを焼き付けた。第1のバッチと最後のバッチは対照で
乳化剤は付加せず、中間のバッチには2種または3種の
異なる乳化剤を使用した。これらは次のようであった。
1. オート麦のIPA/MeOH抽出物(例2の生成物)。
2. オート麦のIPA抽出物(例1の生成物)。
3. オート麦のIPA/MeOH抽出物のアセトン不溶性フラク
ション(例3の生成物)。
4. アートダン(Artodan)SP55(グリンステッドプロ
ダクツ(Guinstead Products Ltd.)−ナトリウムおよ
びカルシウムステアロイル−2−ラクチレート。
5. ディモダン(Dimodan)PV(グリステッドプロダク
ツ(Guinstead Products Ltd.)−蒸留モノグリセリ
ド。
6. パノダン(Panodan)10Vグリステッドプロダクツ
(Guinstead Products Ltd.)−モノグリセリドのジア
セチル酒石酸エステル。
7. トリオダン(Triodan)55(グリステッドプロダク
ツ(Guinstead Products Ltd.)−脂肪酸のポリグリセ
ロールエステル。
試験手順 パン塊の冷却後、パン塊重量と体積の測定ナタネ変位法
(rapeseed displacement method)を行った。さらに、
各バッチから一つのパン塊をスライスし、内部小片の詳
細を記録した。
結果と検討 パン塊の大きさに関するデータを用い乳化剤の存在に起
因する平均比体積のパーセンテージ増加を決定した。こ
れは、 として計量した。但し、比体積はパン塊の単位重量当り
の体積として定義した。結果は第2表に示した通りであ
る。
オート麦抽出物は、一般に、パン塊比体積のかなりの増
加をもたらした。これらについて、IPA/MeOH抽出物は最
高で9.4%になった。この値は、最良の二つの市販乳化
剤アートダン(Artodam)およびパノダン(Panodan)の
約12〜13%から生成されたものに近く、ディモダン(Di
modan)およびトリオダン(Triodan)により生成された
ものより良好であった。
一般に、パン塊の比体積が増加すると、パン小片組織の
開度が付随して増加した。
例6(発泡形成) 手順 プール(Poole)等(1984)ジャーナル・オブ・サイエ
ンティフィック・フード・アグリカルチャ(J.Sd.Food
Agric)、38、701に示されるように、レザーヘッド・フ
ード・研究所(Leatherhead Food R.A.)において蛋白
質に対して開発された方法に従い発泡試験を行った。界
面活性剤試料(1.25g)をマグネチックスターラを使用
して250mlの純粋(ラスバーン・ケミカル社(Rathburn
Chemical Co.Ltd.)HPLCグレード)に溶解させた。これ
らの溶液をケンウッド・シェフ(Kenwood Chef)モデル
A901ミキサー中で5分間最大速度(200回転/分)で撹
拌した。必要に応じてキチンスパチュラを使用して1ま
たは2測定用シリンダに気泡を移し、さらに気泡体積
と液体排水量を5分間隔で30分まで測定した。
次に、次のパラメータを計算し、時間の関数としてプロ
ットした。
試験は2回実施し、平均により結果を得た。
この試験では下記の水溶性試料を使用した。
1. オート麦のIPA/MeOH抽出物のアセトン不溶性フラク
ション(例3の生成物)。
2. SPS、蔗糖パルミチン酸ステアリン酸エステル 3. SDS、ナトリウムドデシルサルフェート 4. エピクロン145V 5. エピクロン170 6. エピクロン(Epikuron)200 結果と検討 オート麦のIPA/MeOH抽出部のアセトン不溶性フラクショ
ンの溶液の%FE値は、初めは約300%で、時間の経過と
ともに減少し、30分後に約250%の定常レベルに達した
(第3表参照)。SPS溶液の%FLS値はオート麦のIPA/Me
OH抽出物のアセトン不溶性フラクションのものより大き
かったが、%FE値は小さかった。SDS溶液は、800および
900%の間で非常に大きな初期発泡膨張度を示したが、
発泡液体の安定度はオート麦抽出物とSPSに比較して劣
っていた。3種のエピクロンの溶液は非常に劣る発泡特
性を示した。
例7(マーガリン) マーガリン試料の調整 以下の処方によりマーガリン試料1kgを調整した。これ
は、リーネル・イー(Riiner,)(1971)レーベンス
ム・ビッセンシャフト・ウント・テフノロギー(Lebens
m,−Wiss.u.Technol.)、,175に使用されたものに類
似している。
816g 脂肪ブレンド 104ml 水 58ml セミ スキム ミルク 19g 塩 3g 乳化剤 脂肪ブレンドは主としてひまわりおよび大豆油で構成さ
れている。水に可溶の場合は、水、セミ スキム ミル
クおよび乳化剤を含む水溶相を、ウルトラ・ターラック
スUltra-Turrax)高剪断ミキサーを最大速度の2/3で1
分間動作させ、50℃で調整した。pHは6.5と7.0の間とし
た。乳化剤が脂肪可溶性の場合は、50℃で溶解乳化剤を
脂肪ブレンドに溶解させた。次に、溶解脂肪ブレンドを
50℃で上記衰容相に加え、高剪断ミキサーを2/3最大速
度で5分間動作させ混合した。さらに、得られた乳濁液
を水温制御装置を用い調質容器内で激しく撹拌しつつ冷
却し、若干の脂肪を結晶化させた。最低水温は15℃、最
低マーガリン温度は一般に約16℃にし、これは約16分で
実現された。全冷却時間はおよそ20分であった。得られ
たマーガリンは周囲温度で密封プラスチックカートンに
貯蔵した。
マーガリン調整に使用した乳化剤は次の通りである。
1. オート麦のIPA/MeOH抽出物(例2の生成物)。
2. オート麦のIPA/MeOH抽出物のアセトン不溶性フラク
ション(例3の生成物)。
3. オート麦のIPA抽出物(例1の生成物)。
4. アシダン(Acidan)Nに(グリンステッド・プロダ
クツLtd.)、モノグリセリドのクエン酸エステル。
5. エピクロン(Epikuron)200 6. アドムルwol 7. ヨルキン(Yolkin)80(アールース・オリーファブ
リク(Aarhus Oliefabric)A/S、デンマーク)、ホスフ
ァチジン酸のアンモニウム塩。
8. SN 乳化剤なしの対照試料も調整した。オート麦のIPA抽出
物のマーガリン中への取込量は、IPA/MeOH抽出物のもの
に対して活性成分の濃度を増加させるため、3gではなく
10.2gにした。この場合、脂肪ブレンドの重量は余分の
乳化剤を補償するため808.8gに減らした。乳化剤の全て
は、水溶相に予め溶解させた乳化剤2.4を除いて脂肪ブ
レンドに予め溶解させた。オート麦のIPA/MeOH抽出物を
含む第2マーガリン試料を、配合中に塩を含有させずに
調整した。
スパッタ防止試験 マドセン・ジェー(Madsen,J.)(1987)ファット・サ
イエンス・テクノロジー(Fat Science and Technolog
y)、4,165に示されたものと同様の方法により、マーガ
リン試料中の乳化剤のスパッタ防止特性を評価した。フ
ローラ(FLORA)の市販試料も試験を実施した。
英国産PTFEコーティングフライパン(直径22cm)を、内
部平坦面の温度が170℃になるように、電熱板上で予備
加熱した。プラスチック製キッチンスパチュラによりマ
ーガリンの秤量済(40g)試料を導入し、1分間、フラ
イパン上部にわたって1枚の紙を配置した。乳化剤のス
パッタ防止特性を紙に付着した脂肪量により評価した。
これらの試験は2回実施した。
結果と検討 光学顕微鏡により水滴の大きさ、それらの平均値、およ
び脂肪結晶凝集体の大きさを決定した(第4表)。オー
ト麦のIPA/MeOH抽出物の場合のマーガリンでは、水滴の
最小径は2〜5μm、脂肪結晶凝集体の最小の大きさは
10μmまであった(脂肪結晶が識別されないFLORAは除
いて)。この抽出物により調整された無塩マーガリンの
場合、上記の大きさは夫々最低2〜20μmに増加した。
乳化剤が賦課されなかった対照試料では水滴の大きさが
5〜20μm、脂肪結晶凝集体の大きさが35μmであっ
た。これらの結果は、乳濁試験の場合例4)と同様に、
油中水乳濁液を生成するためのIPA/MeOH抽出物の優れた
乳化特性を示した。
アシダン(Acidan)、エピクロン(Epikuron)200、お
よびアドムルwolを含有するマーガリンも小さな水滴お
よび小さな脂肪結晶凝集体を与えた。アシダン(Acida
n)はFLORAのものと同様の水滴サイズを与えた。一方、
3gおよび10.2gのIPAオート麦抽出物、およびヨルキン
(Yolkin)80とSNの作用は一般に大きな水滴により識別
された。
スパッタ防止試験においては、オート麦のIPA/MeOH抽出
物、IPA/MeOH抽出物のアセトン不溶性フラクション、高
濃度(10.2g)のオート麦のIPA抽出物およびエピクロン
(Epikuron)200を含有する調整マーガリンは殆ど、ま
たは全くスパッタ作用は示さなかった。これらのマーガ
リンは、FLORAマーガリンの市販試料と少なくとも同等
か時には良好であった。特に、オート麦のIPA/MeOH抽出
物は、スパッタ防止特性をそれ自体で示す塩を配合から
省略したときは、スパッタ作用を完全に抑制した。これ
に対して、アドムルwolおよびヨルキン(Yolkin)80の
スパッタ防止特性は非常に劣っていたが(界面活性剤の
ない対照試料と同程度)、アシダン(Acidan)、標準重
量(3g)のオート麦の改質IPA抽出物、およびSNは中間
であった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ジィー、ミカエル ヘンリー イギリス国、バークシャー アールジー3 3エヌエフ、レディング、サウスコー ト、アンダーウッド ロード、72 (72)発明者 サンダース、ナイジェル ヒュー イギリス国、バークシャー アールジー3 2エヌエヌ、レディング、ウォーター ロード、2

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】界面活性剤を製造する方法において、 少なくとも二つの炭素原子を有する許容された脂肪族ア
    ルコールを使用し、オート麦を抽出してアルコール抽出
    物を生成するステップと、 メタノールによりアルコール抽出物を抽出してメタノー
    ル抽出物を生成するステップと、 当該メタノール抽出物からメタノールを蒸発させて界面
    活性剤を生成するステップと、 からなることを特徴とする界面活性剤の製造方法。
  2. 【請求項2】請求項1記載の方法において、 少なくとも二つの炭素原子を有する許容された脂肪族ア
    ルコールはエタノールまたはイソプロパノールであるこ
    とを特徴とする界面活性剤の製造方法。
  3. 【請求項3】請求項1または2記載の方法により製造さ
    れた、界面活性剤であって、前記界面活性剤はパンまた
    はマーガリンの製造のために用いられることを特徴とす
    る界面活性剤。
  4. 【請求項4】界面活性剤を製造する方法であって、 少なくとも二つの炭素原子を有する許容された脂肪族ア
    ルコールを使用してオート麦を抽出し、アルコール抽出
    物を生成するステップと、 メタノールにより前記アルコール抽出物を抽出してメタ
    ノール抽出物を生成するステップと、 アセトンにより前記メタノール抽出物を抽出するステッ
    プと、 アセトン不溶性材料を回収するステップと、 からなることを特徴とする界面活性剤の製造方法。
  5. 【請求項5】請求項4記載の方法において、少なくとも
    二つの炭素原子を有する許容された脂肪族アルコールは
    エタノールまたはイソプロパノールであることを特徴と
    する界面活性剤の製造方法。
  6. 【請求項6】請求項4または5記載の方法において、ア
    セトンによる抽出はアセトンによってメタノール抽出物
    を反復して洗浄することにより行われることを特徴とす
    る界面活性剤の製造方法。
  7. 【請求項7】請求項4乃至6のいずれか1項に記載の方
    法において、回収後のアセトン不溶性材料を乾燥するこ
    とを特徴とする界面活性剤の製造方法。
  8. 【請求項8】請求項4乃至7のいずれか1項に記載の方
    法により製造され、 (a)油中水浮濁液、または水中油浮濁液における乳化
    剤および/または安定剤として、または、 (b)パン製造における界面活性剤として、または、 (c)水溶性発泡体の形成および安定化における界面活
    性剤として、または、 (d)マーガリン中の乳化剤として用いることを特徴と
    する界面活性剤。
  9. 【請求項9】マーガリン用スパッタ防止剤であって、 該マーガリン用スパッタ防止剤は、少なくとも二つの炭
    素原子を有する、許容された脂肪族アルコールを用いて
    オート麦を抽出してアルコール抽出物を得、前記アルコ
    ール抽出物から油を分離することにより得ることを特徴
    とするスパッタ防止剤。
  10. 【請求項10】請求項9記載のスパッタ防止剤におい
    て、脂肪族アルコールはイソプロパノールであるスパッ
    タ防止剤。
  11. 【請求項11】請求項9または10記載のスパッタ防止剤
    を含むことを特徴とするマーガリン。
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