JPH0696008B2 - 超音波診断用探触子接触媒質 - Google Patents

超音波診断用探触子接触媒質

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JPH0696008B2
JPH0696008B2 JP61140290A JP14029086A JPH0696008B2 JP H0696008 B2 JPH0696008 B2 JP H0696008B2 JP 61140290 A JP61140290 A JP 61140290A JP 14029086 A JP14029086 A JP 14029086A JP H0696008 B2 JPH0696008 B2 JP H0696008B2
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昌生 南部
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和恵 斉藤
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Description

【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> 本発明は、生体組織へ超音波を照射する場合、探触子と
生体組織間に介在させる、不可欠の接触媒質として好適
な、透明・粘着性ゲルに関する。
<従来の技術及び問題点> 超音波を生体組織へ照射して、密度(ρ)または音響伝
播速度(c)を異にする異種組織間界面からの反射波
(エコー)を検出し、これを電気信号へ変換・増幅後、
輝度変調を経てブラウン管に表示される映像に基づく診
断(すなわち超音波診断)法は、重要な非侵襲的検査と
して、既に、乳癌、卵巣癌、子宮筋腫、乳腺症、前立腺
癌、肝癌、膵癌、脾癌、胆癌、肝硬変症、膵炎症、眼球
内腫瘍、硝子体出血、胆石の診断を初め、胎児頭計測、
胎盤計測、眼軸長計測、血腫、結節、眼内異物、腹水、
血流の検出、更には、心室、心房、中隔、三尖弁、冠動
脈などの観察に広く使用されている。
この場合の問題点として、超音波発振放射部分(探触
子、プローブ)を生体組織表面へ完全に密着させ難いこ
とが挙げられる。即ち、両者の接触面には、しばしば空
気層(気泡)が介在し、この空気の音響インピーダンス
(ρc)が400rayl〔kgm-2s-1〕、即ち体軟組織のρc
(=1,600,000rayl)の1/4,000にすぎないことから、空
気と生体組織界面において超音波の大分部(99.9%)が
反射され、診断の目的は達成されない(F.W.Kremkau
(小林利次訳);“超音波診断の原理と演習”(1981)
金芳堂)。
この難点を回避する試みには、空気排除材(探触子・生
体組織間密着材)としての水、ひまし油、オリーブ油
(ρc=1,450,000〜1,500,000)などを接触媒体(coup
ling media,contact surface)に用いる方式が著名であ
る。これらの素材のρcは生体組織の値に近く、従って
その界面における超音波反射率は1%程度以下と算出さ
れるが、生体組織が完全平坦でないかぎり、この空気侵
入は避け難い。この場合、探触子を生体組織へ強く圧迫
することも試みられるが、生体組織を自然な形態のまま
診断するのに不都合であり、また、開心術中の心臓など
を圧迫することは、血圧低下、不整脈などを招くため避
けなければならない。他の試みとして、water bag meth
od(水嚢法)が周知である。即ち、脱気水を充填した袋
を探触子と生体組織間に介在させる方式であり、水の充
填厚みを10〜20mmとしても、超音波の水中減衰(吸収)
がほとんど無視できることから、生体組織(水)と同程
度のρcを具えた袋材(薄膜)を選択するかぎり、超音
波の反射・吸収をほとんど回避することができる。本法
は、例えば仰臥位または座位での乳癌診断等に広く用い
られているが、water bagが不都合な方向へ変形・移動
し易い難点があり、診断操作時の介助(ナーシングタイ
ム)に手間取る。この難点を避けるため、水浸法(水槽
法、water bath method)も採用されている。これは水
槽中へ、腹臥位下垂乳房と探触子の双方を浸すことによ
り、両者間に、確実に水を介在させて、超音波を発振・
照射する方式であるが、顔面(頭部)、眼球更には術中
臓器などへ適用できない。
water bag法、water bath法の欠点を回避する目的か
ら、ヒドロゲル(ゼリー)または粘着性炭化水素ゲルの
層状体を介在させる試みもある。しかし、前者(ゼリ
ー)は破損流下し易く、また後者としてのシリコーン・
ゲル、スチレン−ブタジエン共重合体・パラフィン膨潤
ゲル、アクリル酸重合体・ポリエチレングリコール膨潤
ゲルなどは、生体組織との界面で1〜10%の反射損失を
招くうえ、ゲル(厚み10〜20mm)中の減衰(吸収)が激
しく、その損失は1〜3dBcm-1(20〜50%cm-1)にも達
する。寒天は、97〜98%の含水率を具えるため、インピ
ーダンスが生体組織に類似し、しかも水と同様、ゲル中
の減衰もきわめて少ないが、機械的強度に欠けるため、
破損し易い。
また、この超音波診断用接触媒質は、生体組織面に貼布
されることから、接触媒質自体が透明であることが望ま
れる。即ち、接触媒質が、皮膚面または臓器組織面の所
望位置(範囲)に正しく貼布されているか否かを直ちに
透視判定するには、この接触媒質自体が透明であること
が望ましい。
しかしながら、従来提案された各種接触媒質には、生体
組織(水)と類似のρcと減衰特性を示し、透明・柔軟
にして、破損し難く、しかも生体組織への貼用に至便な
粘着性と非流動性を具えた、生体に無害な素材は見当ら
ない。
<発明の目的> 本発明は、生体組織(水)とほぼ同じインピーダンス
(ρc)と、水類似の低減衰(吸収)性を具え、しかも
非流動性の、柔軟で透明かつ粘着性で、生体に無害な高
含水ゲルであることを特徴とする超音波診断用接触媒質
を提供する。
<問題点を解決するための手段> 本発明によれば、けん化度95モル%未満、75モル%以
上、平均重合度1,000以上のポリビニルアルコールを含
み、且つ、該ポリビニルアルコールの濃度が7wt%を越
え、30wt%以下の水溶液を、成形用鋳型へ注入後、これ
を−10℃以下の温度に冷却・固化・成形し、次に、これ
を解凍する一連の凍結・解凍操作を施して累積凍結回数
を3〜10とすることにより得られる透明・粘着性、非流
動性の高含水ゲルであることを特徴とする超音波診断用
探触子(プローブ)接触媒質が得られる。
以下、本発明を更に詳細に説明する。
本発明では超音波診断用接触媒質を、以下に詳述する特
定処法による高含水ゲルを用いて製作する。
本発明に用いるポリビニルアルコールは、そのけん化度
が95モル%未満、75モル%以上、好ましくは80〜93モル
%を要する。また、ポリビニルアルコールの重合度は1,
000以上を要する。
本発明では、まず、前述のポリビニルアルコールを含む
水溶液を調合する。ポリビニルアルコールの濃度として
は、7wt%を超え30wt%以下、好ましくは9〜25wt%と
する。
本発明においては、上記ポリビニルアルコール水溶液
を、平板または曲板成形用鋳型へ注入し、冷却・凍結
後、これを解凍する。この凍結・解凍の一連の操作を反
復し、累積凍結回数を3〜10とすることにより、本発明
に供しうる高含水ゲルを得ることができる。累積凍結回
数を高めとともに、得られる高含水ゲルの流動性が低下
し、硬度が向上するが、累積凍結回数11以降は、その効
果がほぼ消失することから、上述の3〜10が経済的であ
る。
前記成形用鋳型としては、例えば40×40mm、70×70mm、
50×50mmの平板、あるいは直径40mmの円板、曲板などが
得られることの他に特に制約はないが、臨床使用の実情
に応じ、適宜厚み(均一度または厚みの分布)寸法、形
状、曲率半径などを選択できる。現行のチタン酸バリウ
ムまたは水晶振動子が直径10〜36mmであることを考慮す
るならば、寸度としては、直径(または1辺)15mm以上
の円板(または正方形、長方形)が望ましい。開胸手術
中の心臓、開腹時の肝臓、腎臓などを診断対象とする場
合、あらかじめ、これらの形状を考慮して、前記鋳型を
製作することにより、所望形状の成形品が得られるが、
広い面積を有する成形品を得た後、不要部分を裁断し、
所望形状に合致させることもできる。
本発明においては、高含水ゲル板を探触子と生体組織間
に介在させるが、操作の便宜上、あらかじめ高含水ゲル
板を探触子周縁部へ接着して用いることもできる。
本発明の高含水ゲル板は、前述の処法により製作後、こ
れを生理食塩水へ浸漬することにより、ゲル内水分を生
理食塩水に置換することができるほか、あらかじめ、ポ
リビニルアルコール粉末を生理食塩水に溶解せしめるこ
とにより、生理食塩水を多量含有するヒドロゲルとする
ことも差支えない。
本発明の高含水ゲルの滅菌に関しては、ゲルをクロルヘ
キシジン水溶液等の殺菌剤に浸漬後、滅菌済み生理食塩
水により洗浄できる他、上述の殺菌剤浸漬操作を省略し
て、最終的に包装・密封後、γ線照射による滅菌を施す
こともできる。
<発明の効果> 本発明の超音波診断用接触媒質は、必要に応じ、診断現
場において所望形状に容易に裁断できる。また周知の接
触媒質に比し、含水率の点において遥かに勝り、含水率
70%以上、80〜93%に達することから、インピーダンス
(ρc)が水(または生体組織)にきわめて近く、従っ
て、生体組織との接触界面における超音波の反射率(損
失)を0.5〜1%以下にとどめることができる。即ち、
含水率70〜93%の全領域にわたり、ρcは1,450,000〜
1,700,000rayl、つまり生体軟組織の1,600,000〜1,700,
000raylにほとんど整合しており、反射損失は上記のと
おり、事実上無視されうる。これは、従来提案された接
触媒体としてのグリセリン(ρc=2,400,000)、流動
パラフィン(ρc=1,000,000〜1,300,000)、オリーブ
油(ρc=1,310,000)、シリコーン・ゴム(ρc=1,1
00,000〜1,200,000)、ブタジエン−アクリロニトリル
ゴム(ρc=2,100,000)のいずれと比較しても、生体
組織に近いインピーダンスを示し、本発明素材の大きな
利点と言える。
本発明の接触媒質(ゲル)は、例えば10〜30mmの厚みと
して用いる場合にも、ゲル内における超音波減衰がきわ
めて少ない。その減少率(1〜1.5dBcm-1.20〜28%c
m-1.5MHz)は、従来提案された接触媒質としてのブタジ
エン−アクリロニトリルゴム(70dBcm-1.99.9%c
m-1)、天然ゴム(155dBcm-1.99.9%cm-1)、ひまし油
(3〜15dBcm-1.50〜97%cm-1)、オリーブ油(8.3dBcm
-1.85%cm-1)、グリセリン(6dBcm-1.75%cm-1)のい
ずれよりも、遥かに低い。
本発明の接触媒質は、多量の水分を含むにかからわず、
非流動体性であるため、板状(層状)のまま長期保存で
きるほか、柔軟性に富み、小腸平滑筋相当(以下)の動
的弾性率(E′)を有することから、各種生体組織の形
状に応じて密着(自在変形密着)可能である。
本発明の接触媒質は、前述のとおり、単にポリビニルア
ルコール水溶液に、低温領域の熱履歴を与えることによ
り容易に得られ、生体組織に有害な酸、アルカリ、その
他の化学試薬、架橋試薬などを全く用いない。したがっ
て、製品から有害物を除くための多大の労力を要せず、
しかも、心臓、肝臓、腎臓等の生体組織に直接長時間接
しても、細胞浸潤、炎症などの異物反応を惹起しない。
本発明の接触媒質は、前述のとおり非流動性で、長時間
の反復使用に耐えるが、製法が単純であることから、量
産によるコスト低下に適しており、手術室、診断室(検
診室)における細菌、真菌による汚染回避の観点から、
“使い捨て方式”に最も適している。
本発明の接触媒質は、無色透明であることから、皮膚
(体表)面または臓器などの生体組織面に貼布後、貼布
面を透視することができ、したがって、接触媒質貼布部
位、即ち、超音波照射(予定)部位を正しく知ることが
容易である。
また、本発明の接触媒質は粘着性に富むことから、生体
組織に貼布された接触媒質は、故意に剥離させないがき
り脱落しない。
<実施例> 以下、本発明を実施例につき説明する。なお、%は重量
基準である。
実施例1 平均重合度1,000、けん化度87%のポリビニルアルコー
ルの10%水溶液を、厚み18mmのガラス製スリット(20×
5cm)へ流し込み、このスリットを−30℃に冷却するこ
とにより得られた凍結体を解凍した。この凍結・解凍操
作を8回繰り返して、含水率90%の粘着性透明ゲルを得
た。この平板を裁断(四当分)し、5×5cmの断片を得
た。これらに、2.5M Radのγ線照射滅菌を施したが、ゲ
ルの透明度(可視光透過率97%(1mm))、柔軟性、粘
着性に支障をきたさなかった。これらを滅菌済みガラス
びんへ、無菌操作のもとに1枚ずつ収め、密栓した。
このうちの1枚をブイヨン培地へ移し、7日間37℃で培
養を試みたが、微生物は検出されなかった。
他の1枚につき、比重(密度)を測定した処、27℃にお
いて1.03を得た。更に、これにつき、水中において超音
波全反射角を測定する手法(日本超音波医学会編;“超
音波医学"p.180(1973)医学書院)を用いて伝播速度を
求め、水の場合に近い値、1,500ms-1を得た。したがっ
て、そのρcは1,550,000rayl、即ち水(ρc=1,500,0
00)、生体組織(ρc=1,600,000)にきわめて近く、
反射損失がほとんど無いことを知った。次に、放射圧に
基づく超音波出力計測法(日本超音波医学会編;“超音
波医学"p.68(1973)医学書院により、このゲル1cmあた
りの吸収係数が1dBcm-1(5MHz)と求められ、減衰率と
して約20%cm-1程度にすぎないことを知った。
このゲル板の動的弾性率(E′)を測定したところ0.01
×105Nm2であり、小腸平滑筋(0.2×105Nm2)等に比し
柔軟で、体表面または開胸、開腹時の諸臓器のいずれの
表面にも密着適合しうるに足る自在変形性を示した。一
方、このゲル板を、密閉容器内に3ヵ月放置したが、容
器底面に密着したまま、厚み18mmの形状が維持されてお
り、流動・分散する懸念のないことを確かめた。
このゲル板から18×20×20mmの断片を切取り、ウサギの
背皮下に1年間留置後、摘出したが、細胞浸潤、炎症な
どの異物反応は検出されなかった。同じく0.3×30×30m
mの断片を、イヌの心膜と心外膜間に1年間留置したが
異物反応は認められなかった。
比較例1 既に提案されている接触媒質5種につき、実施例1に準
じ、密度ρ(kgm-3)、音響伝播速度c〔mS-1〕、イン
ピーダンスρc〔rayl.kgm-2s-1〕、減衰係数α′〔dBc
m-1〕を測定し、生体組織(ρc=1,600,000)との界面
における反射率R〔%〕及び接触媒質1cmあたりの減衰
(吸収)率A〔%cm-1〕を求めた。
グリセリン(ρ=1260,c=1920,ρc−2,419,000,R=4,
α′=6,A=75)、流動パラフィン(ρ=835,c=1420,
ρc=1,186,000,R=3,α′=5,A=68)、シリコーン油
(ρ=960,c=985,ρc=945,600,R=6,α′=1,A=2
0)はいずれも反射率が3%を超え、生体組織のρcと
の類似性に難があった。オリーブ油(ρ=904,c=1450,
ρc=1,311,000,R=1,α′=8.3,A=85)の反射率は低
いが、減衰が激しく、不適当であった。ひまし油(ρ=
960,c=1500,ρc=1470,R=0.2,α′=10,A=90)は、
反射回避に問題はないものの、減衰がきわめて著しく、
やはり不適当であった。
以上すべてが、流動性を示し、顔面、頸、項、腰腹、背
狭細部、腰、股、上腹、下腹などの、必ずしも平坦でな
い生体組織表面、さらには開胸、開腹時の心臓、肝臓な
どの表面に貼布(塗布)して探触子を密着させるには不
都合であった。
実施例2 平均重合度1,200、けん化度86.5%のポリビニルアルコ
ールの15%水溶液を、厚み8mmのガラス製スリット(10
×5cm)へ流し込み、10回の凍結・解凍を施して得た成
形板を裁断し、5×5cmの断片とした。この1枚につ
き、実施例1に準じてρ,c,ρc,R,α′,Aを求めた。反
射率(R)は0.35%にすぎず、また、減衰率も25%cm-1
と算出された。即ち、反射損失の点に全く問題無く、減
衰率も、オリーブ油(85%cm-1)、グリセリン(75%cm
-1)、流動パラフィン(68%cm-1)、ひまし油(90%cm
-1)に比し、遥かに低い。
次に、上記断片の動的弾性率(E′)を測定したとこ
ろ、0.005×105Nm2、即ち平滑筋よりも更に柔軟で、自
在変形性に富むことを知った。この断片をポリエチレン
製袋に収めて、γ線滅菌(5.0Mrad)を施し、3ヵ月後
に開封したが、厚み8mmの形状が維持されており、流動
分散しないことが確かめられた。
また、上記断片の可視光線透過率は97%(1mm)であ
り、通常市販のソフトコンタクトレンズに匹敵する透明
性を示した。
なお、上記断片を、起座位の胸部、前屈位の背部、頚部
前屈位の項部、頚部過伸張位の咽喉部などにそれぞれ貼
布しても、少なくとも30分以上脱落しないことを確かめ
た。
比較例2 軟質材料として著名なシリコーン・ゴム、天然ゴム、ブ
タジエン−アクリロニトリルゴムの3種につき、超音波
特性を測定したが、シリコーンゴム(ρc=1,100,000,
R=4)とブタジエン−アクリロニトリルゴム(ρc=
2,160,000,R=2)では反射率が2%以上に達し、天然
ゴム(ρc=1,500,000,R=0.2)では反射率は問題ない
ものの、減衰がきわめて激しいこと(A=99.9%cm-1
を知った。
また、これら3種のゴムは、すべて動的弾性率(E′)
が5×105Nm-2以上にも達し、その硬さは生体軟組織
(E′=0.05〜1.〔105Nm-2〕)を超え、軟骨と同等以
上であった。
また、これら3種のゴムは全て不透明であり、厚さわず
か1mmの膜においても、皮膚に貼布後、これを透視する
ことは不可能であった。
比較例3 心臓を強く圧迫することなく、心臓の拍動に追随・密着
しうる接触媒質として、提案されている2種の炭化水素
ゲルの超音波特性を25℃、6MHzにおいて測定した。
シリコーンゲル(ρ=970,c=1050,ρc=1,000,000,反
射率5%,α′=2.7dBcm-1,減衰率45%cm-1)、パラ
フィンゲル(スチレン−ブタジエン・ゴムの流動パラフ
ィン含浸ゲル)(ρ=870,c=1460,ρc=1,270,000,反
射率1%,α′=7.3dBcm-1,減衰率82%cm-1)は反射
損失または減衰のいずれかに難があり、また、粘着性に
は一応問題ないものの、透明性に難があり(可視光線透
過率40〜80%(1mm))、本発明の接触媒質(反射損失
1%以下、減衰率30%cm-1、可視光線透過率97%(1m
m))のほうが優れることが自明である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】けん化度95モル%未満、75モル%以上、平
    均重合度1,000以上のポリビニルアルコールを含み、且
    つ、該ポリビニルアルコールの濃度が7wt%を越え、30w
    t%以下の水溶液を、成形用鋳型へ注入後、これを−10
    ℃以下の温度に冷却・固化(凍結)し、次に、これを解
    凍する一連の凍結・解凍操作を施し、累積凍結回数を3
    〜10とすることにより得られる透明・粘着性、非流動性
    の高含水ゲルであることを特徴とする超音波診断用探触
    子接触媒質。
JP61140290A 1986-06-18 1986-06-18 超音波診断用探触子接触媒質 Expired - Lifetime JPH0696008B2 (ja)

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JPH01288242A (ja) * 1988-05-17 1989-11-20 Nippon Oil Co Ltd 体腔内診断用超音波探触子
JPH01288243A (ja) * 1988-05-17 1989-11-20 Nippon Oil Co Ltd 超音波探触子音響カプラ
JP3167649B2 (ja) * 1997-07-25 2001-05-21 株式会社資生堂 タンパク質を除去したβ−1,3グルカン及びこれを主成分とするゲルからなる超音波診断装置のプローブ用接触媒体
JP2009297456A (ja) * 2008-06-17 2009-12-24 Jms Co Ltd 血流測定補助具

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