JPH0695285A - ハロゲン化銀カラー写真感光材料及びカラープルーフの作製方法 - Google Patents

ハロゲン化銀カラー写真感光材料及びカラープルーフの作製方法

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JPH0695285A
JPH0695285A JP4246871A JP24687192A JPH0695285A JP H0695285 A JPH0695285 A JP H0695285A JP 4246871 A JP4246871 A JP 4246871A JP 24687192 A JP24687192 A JP 24687192A JP H0695285 A JPH0695285 A JP H0695285A
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layer
image
silver halide
color
emulsion
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JP4246871A
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Keiichi Hoshino
啓一 星野
Susumu Okawachi
進 大川内
Yasuo Tosaka
泰雄 登坂
Yoshiyuki Nonaka
義之 野中
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Konica Minolta Inc
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    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
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    • G03C7/00Multicolour photographic processes or agents therefor; Regeneration of such processing agents; Photosensitive materials for multicolour processes
    • G03C7/30Colour processes using colour-coupling substances; Materials therefor; Preparing or processing such materials
    • G03C7/3041Materials with specific sensitometric characteristics, e.g. gamma, density
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ハロゲン化銀カラ−写真感光材料を用いて色
分解及び網点画像変換して得られた網点画像情報からカ
ラ−プル−フを作製する際に、印刷物との画質(色相、
網点再現性など)の近似度が改良されたカラープルーフ
を、作業性を落とさずに提供する。 【構成】 主としてイエロ−画像を形成する層、主とし
てマゼンタ画像を形成する層、主としてシアン画像を形
成する層を有し、該3層のうち任意の2層を第1、第2
の層と設定したときに、第1の層の主たる分光感度域
で、第1の層の画像濃度が最小濃度+0.2を与える露光
量の1/10〜10倍となる露光量で露光し現像したとき、
第2の層の画像の濃度が当該露光をしないときの現像後
の濃度よりも小である組合せを少なくとも一つ有し、現
像処理前の450nm、550nm、700nmにおける反射濃度が、
それぞれ0.8以上であるハロゲン化銀カラー写真感光材
料、及び該ハロゲン化銀カラー写真感光材料を用いたカ
ラープルーフの作製方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はカラー製版・印刷工程に
おいて色分解及び網点画像変換して得られる複数の白黒
網点画像から校正用カラー画像(カラープルーフ)を作
製するのに好適なハロゲン化銀カラー写真感光材料及
び、それを用いたカラープルーフの作製方法に関する。
【0002】
【発明の背景】従来、カラ−製版・印刷工程において色
分解及び網点画像変換して得られる複数の白黒網点画像
からカラ−プル−フを得る方法としては、フォトポリマ
−やジアゾ化合物を用いて色画像を形成するオ−バ−レ
イ法とサ−プリント法が知られている。
【0003】オ−バ−レイ法は非常に簡単であり、作成
コストも安く、4色(減法混色の原色及び黒)のフィル
ムシートを重ねるだけで校正用として使用できる利点を
有しているが、フィルムシートを重ねることによって光
沢を生じ、このため印刷物とは異なった質感のものとな
る欠点がある。
【0004】サープリント法は、一つの支持体上に着色
像を重ね合わせるものであり、この方法としては、光重
合材料の粘着性を利用してトナー現像によって着色画像
を得る方法が米国特許3,582,327 号、同3,607,264 号及
び同3,620,726 号で知られている。
【0005】又、感光性の着色シートを用いて支持体に
転写し、露光及び現像により画像を形成した後、この上
に別の着色シートを積層し、同様のプロセスを繰り返す
ことによってカラープルーフを作成する方法が特公昭47
-27441号及び特開昭56-501217号により知られている。
【0006】又、感光性の着色シートを用い、対応する
各色分解フィルムを露光及び現像して得られた各着色画
像を転写して一つの支持体上に形成する方法が特開昭59
-97140号で知られている。これらの画像を形成するトナ
ー及び着色シートの着色剤としては、印刷インキと同様
の着色材料を使用できる利点があるため、得られたカラ
ープルーフの色調は印刷物に近似したものとなる。
【0007】しかし、これらの方法は、カラープルーフ
を作成する工程で、画像を重ね合わせたり転写したりし
なければならず、操作に時間が掛かり、又、製作コスト
も高い欠点がある。
【0008】このような欠点を解消したものとして、白
色支持体を有する銀塩カラー写真感光材料を使用してカ
ラープルーフを作成する方法が特開昭56-113139 号、同
56-104335号、同62-280746号、同62-280747号、同62-28
0748号、同62-280749号、同62-280750号、同62-280849
号等に開示されている。
【0009】この方法においては、色彩原稿から色分解
された網点画像に変換された複数枚から成る色分解白黒
網画像を密着焼付け等の方法で逐次一枚のカラーペーパ
ーに焼き付け、発色現像により画像様にカプラーから生
成した色素で形成されるカラー画像が校正用画像として
用いられる。
【0010】しかしながら、この技術には、色彩画像を
印刷物に近似させると文字等の黒色画像の濃度が印刷物
に比べ不足し、文字等の黒色画像の濃度を印刷物に近似
させようとしてその濃度を高める手段を取ると、印刷物
の色彩画像の近似度が悪化し、両者を共に満足させるこ
とが難しいという欠点がある。
【0011】この欠点を改良するための技術として、イ
エロー発色層、マゼンタ発色層、シアン発色層の他に、
いずれの層とも分光感度を異にする第4の墨版層を設け
る技術が従来知られている。又、特開平2-289846号、同
2-183251号等にもこの問題を改良するための技術が開示
されているが、十分満足できる効果は得られていない。
【0012】又、いずれも、露光の回数が増大して生産
性を損なうことが、実用上大きな問題であり、更なる改
良が要望されている。
【0013】更に、銀塩カラ−感光材料を用いて色彩画
像を印刷物に近似させようとする際の大きな問題点とし
て、鮮鋭性(網点再現性)の劣化が挙げられる。カラ−
プル−フ用として用いる場合、鮮鋭性即ち網点再現性は
極めて重要な品質である。従来、銀塩カラー感光材料の
鮮鋭性を改良する方法として下記の方法が知られてい
る。
【0014】(1)水溶性染料によりイラジエーション
を防止する。
【0015】(2)基紙をポリオレフィン類でラミネー
トした反射支持体におけるポリオレフィン層の白色顔料
の充填密度を上げる。
【0016】(3)親水性コロイドを含む写真構成層を
薄膜化する。
【0017】(4)現像抑制化合物を現像時に放出する
化合物を写真構成層に含有させる。
【0018】(1)の方法については、一般に市販され
ているプリント用カラー感光材料に用いられているが、
水溶性染料の含有率が低く、カラー感光材料の現像処理
前の各波長450nm、500nm、700nmの反射濃度が0.5に満た
ない。このため、十分な鮮鋭性及び忠実なカラープルー
フが得られない。
【0019】(2)については、特開昭61-284763号、
同61-27049号、同61-270750号等に記載されているが、
カラープルーフとして満足できる画像は得られない。
【0020】(3)については、写真構成層の薄膜化に
は限界があり効果が小さい。
【0021】(4)については、低空間周波数において
エッジ効果が強調されるが、カラープルーフとして満足
できる画像は得られない。
【0022】
【発明の目的】従って本発明の目的は、ハロゲン化銀カ
ラ−写真感光材料を用いて色分解及び網点画像変換して
得られた網点画像情報からカラ−プル−フを作製する際
に、印刷物との画質(色相、網点再現性など)の近似度
が改良されたカラープルーフを、作業性を落とさずに提
供することにある。
【0023】
【発明の構成】本発明の上記目的は下記構成によって達
成された。
【0024】(1)主としてイエロ−画像を形成する層、
主としてマゼンタ画像を形成する層及び主としてシアン
画像を形成する層を有し、該3層のうち任意の2層を第
1、第2の層と設定したときに、第1の層の主たる分光
感度域で、第1の層の画像濃度が最小濃度+0.2を与え
る露光量の1/10〜10倍となる露光量で露光し現像した
とき、第2の層の画像の濃度が当該露光をしないときの
現像後の濃度よりも小である組合せを少なくとも一つ有
し、現像処理前の450nm、550nm、700nmにおける反射濃
度が、それぞれ0.8以上であるハロゲン化銀カラー写真
感光材料。
【0025】(2)支持体上にハレ−ション防止層を有
し、該ハレ−ション防止層上に主としてイエロ−画像を
形成する層、主としてマゼンタ画像を形成する層及び主
としてシアン画像を形成する層を有し、該3層のうち任
意の2層を第1、第2の層と設定したときに、第1の層
の主たる分光感度域で、第1の層の画像濃度が最小濃度
+0.2を与える露光量の1/10〜10倍となる露光量で露光
し現像したとき、第2の層の画像の濃度が当該露光をし
ないときの現像後の濃度よりも小である組合せを少なく
とも一つ有し、現像処理前の450nm、550nm、700nmにお
ける反射濃度が、それぞれ0.8以上であるハロゲン化銀
カラー写真感光材料。
【0026】(3)色分解されたイエロー画像情報、マゼ
ンタ画像情報、シアン画像情報及び黒色画像情報からな
る網点画像情報に基づいて、支持体上に主としてイエロ
ー画像形成層、主としてマゼンタ画像形成層及び主とし
てシアン画像形成層を有するハロゲン化銀カラー写真感
光材料に露光を行いカラープルーフを作製する工程にお
いて、該ハロゲン化銀カラー写真感光材料が前記請求項
1又は2に記載のハロゲン化銀カラー写真感光材料であ
るカラープルーフの作製方法。
【0027】尚、本発明における反射濃度は、試料を日
立製作所(株)製カラーアナライザー607型で測定した
値である。以下、更に本発明について詳述する。
【0028】本発明において、現像処理前の各波長450n
m、550nm、700nmにおける反射濃度を0.8以上にする方法
としては、イエロー、マゼンタ及びシアンの水溶性染料
を添加する方法、及び/又は最下層にアンチハレーショ
ン層を設ける方法が好ましい。
【0029】アンチハレ−ション層は非感光性親水性コ
ロイド層として存在させるのが好ましく、その層中には
該水溶性染料及び/又は非感光性コロイド銀を含有させ
ることができる。
【0030】本発明に用いられるイエロー、マゼンタ及
びシアンの水溶性染料としては、オキソノール染料、シ
アニン染料、メロシアニン染料、アゾ染料、アントラキ
ノン染料、アリリデン染料等が挙げられるが、現像処理
液中での高分解性及びハロゲン化銀乳剤への非色増感性
の点から、特に好ましい染料はオキソノール染料、メロ
シアニン染料である。
【0031】オキソノール染料としては、米国特許4,18
7,225号、特開昭48-42826号、同49-5125号、同49-99620
号、同50-91627号、同51-77327号、同55-120660号、同5
8-24139号、同58-143342号、同59-38742号、同59-11164
0号、同59-111641号、同59-168438号、同60-218641号、
同62-31916号、同62-66275号、同62-66276号、同62-185
755号、同62-273527号、同63-139949号等に記載されて
いる。メロシアニン染料としては、特開昭50-145124
号、同58-120245号、同63-35437号、同63-35438号、同6
3-34539号、同63-58437号等に記載されている。
【0032】オキソノール染料及びメロシアニン染料の
代表的な具体例を以下に示すが、これに限定されない。
【0033】(水溶性イエロー染料)
【0034】
【化1】
【0035】
【化2】
【0036】
【化3】
【0037】
【化4】
【0038】
【化5】
【0039】(水溶性マゼンタ染料)
【0040】
【化6】
【0041】
【化7】
【0042】
【化8】
【0043】
【化9】
【0044】
【化10】
【0045】(水溶性シアン染料)
【0046】
【化11】
【0047】
【化12】
【0048】
【化13】
【0049】
【化14】
【0050】
【化15】
【0051】次にオキソノール染料及びメロシアニン染
料以外の水溶性染料の代表的な具体例を示すが、本発明
はこれらに限定されない。
【0052】
【化16】
【0053】
【化17】
【0054】
【化18】
【0055】
【化19】
【0056】本発明における水溶性染料の使用量は、カ
ラー感光材料の現像処理前の各波長450nm、550nm、700n
mにおける反射濃度が0.8以上になる量を添加する。反射
濃度は、好ましくは各々0.9〜1.2の範囲である。
【0057】本発明における水溶性染料は、感光性ハロ
ゲン化銀乳剤層及び/又は非感光性層に含有せしめる。
【0058】本発明の水溶性染料は、イエロー、マゼン
タ、シアンの水溶性染料の組合せで用いられ、各イエロ
ー、マゼンタ、シアンの水溶性染料は単独又は2種以上
の併用で用いられる。
【0059】本発明における最下層のアンチハレーショ
ン層は、光を吸収する化合物を含有する。前記光を吸収
する化合物としては、その作用を有する各種の有機化合
物及び無機化合物を用いることができるが、好ましくは
無機化合物である。
【0060】この前記無機化合物としては、コロイド
銀、コロイドマンガン等が好適であるが、コロイド銀が
特に好ましい。これらコロイド状金属は脱色性が良好な
ため、本発明のカラー感光材料に適用する場合にも有効
なものである。上記のコロイド銀、例えば灰色コロイド
銀は、硝酸銀をゼラチン中でハイドロキノン、フェニド
ン、アスコルビン酸、ピロガロールあるいはデキストリ
ンのような還元剤の存在下にアルカリ性に保って還元
し、その後、中和、冷却してゼラチンをセットさせてか
ら、ヌードル水洗法によって還元剤や不要な塩類を除去
することによって得られる。アルカリ性で還元する際、
アザインデン化合物、メルカプト化合物の存在下でコロ
イド銀粒子を作ると、均一な粒子のコロイド銀分散液を
得ることができる。
【0061】コロイド銀の付量としては、銀に換算して
好ましくは0.13g/m2以下であり、より好ましくは0.07g
/m2以下である。
【0062】これらの染料化合物は、実質的に(pH7以
下の水に対し)水不溶性でpH9以上で解離する親水性基
を持つ化合物であり、ボールミルやサンドミル等で微粒
子化する方法や有機溶媒中に溶かしてゼラチン溶液中に
分散する方法を用いて得られた固体微粒子分散体(顕微
鏡的寸法の団体粒子の形であり、平均粒径が好ましくは
10μm以下、より好ましくは1μm以下)の状態で、ゼラ
チン或は高分子バインダー中に存在させることにより、
写真構成層中の任意の感光性乳剤層、非感光性親水性コ
ロイド層中に含有させることができる。
【0063】この染料固体微粒子分散体は、カラー写真
感光材料中に水不溶性で安定に存在しているが、露光
後、発色現像液(pH9以上が望ましい)で処理されるこ
とにより、染料化合物中の親水性基が解離して水溶性と
なるか、或は脱色することにより、前記カラー写真感光
材料中から大部分が消失してしまう。
【0064】上記染料やコロイド銀を含有する層は特に
制限はないが、支持体と支持体に最も近い乳剤層との間
の非感光性親水性コロイド層に含有されるのが好まし
い。
【0065】本発明のカラー感光材料の写真構成層の支
持体よりハロゲン化銀乳剤を塗設した側の感光性乳剤層
及び非感光性親水性コロイド層中に含有されるゼラチン
の総量は、感光材料1m2当たり13g以下であり、好まし
くは5g以上12g未満である。
【0066】本発明におけるハロゲン化銀は、通常用い
られる増感色素によって光学的に増感することができ
る。内部潜像型ハロゲン化銀乳剤、ネガ型ハロゲン化銀
乳剤等の超色増感に用いられる増感色素を組み合わせて
用いることは本発明のハロゲン化銀乳剤に対しても有用
である。増感色素についてはリサーチ・ディスクロージ
ャ(Research Disclosure、以下RDと略す)15162号及
び17643号を参照することができる。
【0067】本発明に用いられるハロゲン化銀乳剤とし
ては、画像露光により表面に潜像を形成する表面潜像型
ハロゲン化銀乳剤を用いて、現像を行うことによりネガ
画像を形成するハロゲン化銀乳剤を用いてもよい。又、
粒子表面が予めかぶらされていない内部潜像型ハロゲン
化銀乳剤を用い、画像露光後カブリ処理(造核処理)を
施し、次いで表面現像を行うか、又は画像露光後、カブ
リ処理を施しながら表面現像を行うことにより直接ポジ
画像を得ることができるものも好ましく用いることがで
きる。
【0068】上記のカブリ処理は、全面露光を与えるこ
とでもよいし、カブリ剤を用いて化学的に行うのでもよ
いし、又、強力な現像液を用いてもよく、更に熱処理等
によってもよい。なお、前記内部潜像型ハロゲン化銀乳
剤粒子を含有する乳剤とは、ハロゲン化銀結晶粒子の主
として内部に感光核を有し、露光によって粒子内部に潜
像が形成されるようなハロゲン化銀粒子含有の乳剤をい
う。
【0069】この内部潜像型直接ポジの技術分野におい
ては、種々の技術がこれまでに知られている。例えば米
国特許2,592,250号、同2,466,957号、同2,497,875号、
同2,588,982号、同3,761,266号、同3,761,276号、同3,7
96,577号及び英国特許1,151,363号等に記載されている
方法が知られている。
【0070】ポジ画像の形成機構については、必ずしも
明らかではないが、例えばフォトグラフィック・サイエ
ンス・アンド・エンジニアリング(Photographic Scien
ce and Engineering )20巻、158頁(1976)には次のよ
うに記載されている。
【0071】画像露光によってハロゲン化銀結晶粒子内
に生じた光電子は粒子内部に選択的に捕獲され、内部潜
像が形成される。この内部潜像は伝導帯にある電子に対
し有効な捕獲中心として働くので、露光された粒子にお
いては、その後のカブリ現像過程で注入される電子は内
部に捕獲され潜像を補力することになる。この場合、潜
像は内部にあるので表面現像では現像されない。一方画
像露光を受けなかった粒子においては、注入された少な
くとも一部の電子は粒子表面に捕獲されて、そこに潜像
が形成されるので該粒子は表面現像によって現像され
る。
【0072】本発明に用いることのできる予めかぶらさ
れていない内部潜像型ハロゲン化銀粒子は、ハロゲン化
銀粒子の内部に主として潜像を形成し、感光核の大部分
を粒子の内部に有するハロゲン化銀粒子を有する乳剤で
あって、任意のハロゲン化銀、例えば臭化銀、塩化銀、
塩臭化銀、塩沃化銀、沃臭化銀、塩沃臭化銀等が包含さ
れる。
【0073】特に好ましくは、塗布銀量が約1〜3.5g
/m2の範囲になるように透明な支持体に塗布した試料の
一部を約0.1秒から約1秒迄のある定められた時間に亘
って光強度スケールに露光し、実質的にハロゲン化銀溶
剤を含有しない粒子の表面像のみを現像する下記の表面
現像液Aを用いて20℃で4分現像した場合に、同一の乳
剤試料の別の一部を同じく露光し、粒子の内部の像を現
像する下記の内部現像液Bで20℃で4分間現像した場合
に得られる最大濃度の1/5より大きくない最大濃度を示
す乳剤である。更に好ましくは、表面現像液Aを用いて
得られた最大濃度は内部現像液Bで得られる最大濃度の
1/10より大きくないものである。
【0074】(表面現像液A) メトール 2.5g L-アスコルビン酸 10.0g メタ硼酸ナトリウム(4水塩) 35.0g 臭化カリウム 1.0g 水を加えて 1000cc (内部現像液B) メトール 2.0g 亜硫酸ナトリウム(無水) 90.0g ハイドロキノン 8.0g 炭酸ナトリウム(1水塩) 52.5g 臭化カリウム 5.0g 沃化カリウム 0.5g 水を加えて 1000cc 又、本発明において好ましく用いられる内部潜像型ハロ
ゲン化銀乳剤は、種々の方法で調製されるものが含まれ
る。例えば米国特許2,592,250号に記載されているコン
バージョン型ハロゲン化銀乳剤、又は米国特許3,206,31
6号、同3,317,322号及び同3,367,778号に記載されてい
る内部化学増感されたハロゲン化銀粒子を有するハロゲ
ン化銀乳剤、又は米国特許3,271,157号、同3,447,927号
及び同3,53,291号に記載されている多価金属イオンを内
蔵しているハロゲン化銀粒子を有する乳剤、又は米国特
許3,761,276号に記載されているドープ剤を含有するハ
ロゲン化銀粒子の粒子表面を弱く化学増感したハロゲン
化銀乳剤、又は特開昭50-8524号、同50ー38525号及び同5
3-2408号等に記載されている積層構造を有する粒子から
成るハロゲン化銀乳剤、その他特開昭52ー156614号及び
同55-127549号に記載されているハロゲン化銀乳剤など
である。
【0075】本発明に好ましく用いられる内部潜像型ハ
ロゲン化銀粒子は、任意のハロゲン組成のハロゲン化銀
でよいが、塩化銀を含有している粒子は現像処理性に優
れ、迅速処理に適している。
【0076】本発明に用いられるハロゲン化銀粒子の形
状は立方体、八面体、(100)面と(111)面の混合から成る
14面体、(110)面を有する形状、球状、平板状等のいず
れであってもよい。平均粒径は0.05〜3μmのものが好
ましく使用できる。粒径の分布は粒径、及び晶癖が揃っ
た単分散乳剤でもよいし、粒径あるいは晶癖が揃ってい
ない乳剤でもよいが、粒径及び晶癖の揃った単分散性ハ
ロゲン化銀乳剤であることが好ましい。本発明におい
て、単分散性ハロゲン化銀乳剤とは、平均粒径rmを中
心に±20%の粒径範囲内に含まれるハロゲン化銀重量
が、全ハロゲン化銀粒子重量の60%以上であるものをい
い、好ましくは70%以上であるものをいい、更に好まし
くは80%以上である。ここに、平均粒径rmは、粒径ri
を有する粒子の頻度niとri3との積ni×ri3が最大と
なるときの粒径riと定義する。(有効数字3桁、最小
桁数字は4捨5入する)ここで言う粒径とは、球状のハ
ロゲン化銀粒子の場合は、その直径、又、球状以外の形
状の粒子の場合は、その投影像を同面積の円像に換算し
た時の直径である。粒径は例えば該粒子を電子顕微鏡で
1万倍〜5万倍に拡大して撮影し、そのプリント上の粒
子直径または投影時の面積を実測することによって得る
ことができる。(測定粒子個数は無差別に1000個以上あ
ることとする) 特に好ましい高度の単分散性乳剤は (粒径標準偏差/平均粒径)×100=分布の広さ(%) により定義した分布の広さが20%以下のものである。こ
こに平均粒径及び粒径標準偏差は前記定義のriから求
めるものとする。
【0077】単分散乳剤は種粒子を含むゼラチン溶液中
に、水溶性銀塩溶液と水溶性ハライド溶液をpAg及びpH
の制御下ダブルジェット法によって加えることによって
得ることができる。添加速度の決定に当たっては、特開
昭54-48521号、同58-49938号を参考にできる。更に高度
な単分散性乳剤を得る方法としては、特開昭60-122935
号に開示されたテトラザインデン化合物の存在下での成
長方法が適応できる。
【0078】本発明のハロゲン化銀カラー写真感光材料
における、主としてイエロー画像形成性ハロゲン化銀乳
剤層、主としてマゼンタ画像形成性ハロゲン化銀乳剤層
及び主としてシアン画像形成性ハロゲン化銀乳剤層は、
それぞれ互いに異なる分光感度波長領域を有するハロゲ
ン化銀乳剤を含有し、かつ、上記イエロー、マゼンタ、
シアン画像形成性ハロゲン化銀乳剤層の少なくとも1層
中に、前記イエロー、マゼンタ、シアン画像形成性ハロ
ゲン化銀乳剤層に含有されるそれぞれ互いに異なる分光
感度波長領域を有する乳剤のいずれとも共通部分を有す
る分光感度を有するハロゲン化銀乳剤が含有されてい
る。
【0079】本発明において、イエロー画像形成層、マ
ゼンタ画像形成層、シアン画像形成層は互いに分光感度
が異なる。これは各々の層の分光感度の波長域のいずれ
かの波長において、他の層の分光感度より少なくとも4
倍の感度を示す波長があればよく好ましくは少なくとも
8倍の感度を示す波長があるのが好ましい。
【0080】本発明において上記のイエロー、マゼン
タ、シアン画像形成性ハロゲン化銀乳剤層に含有される
それぞれ互いに異なる分光感度波長領域を有する乳剤の
いずれとも共通部分を有する分光感度を有するハロゲン
化銀乳剤について説明する。説明を簡略に行えるよう本
明細書においては、上記の互いに異なる分光感度を有す
るハロゲン化銀乳剤の内、イエロー画像形成層に含有さ
れるハロゲン化銀乳剤をY乳剤、マゼンタ画像形成層に
含有されるハロゲン化銀乳剤をM乳剤、そしてシアン画
像形成層に含有されるハロゲン化銀乳剤をC乳剤と称す
ることとする。また、イエロー、マゼンタ、シアン画像
形成性ハロゲン化銀乳剤層に含有されるそれぞれ互いに
異なる分光感度波長領域を有する乳剤のいずれとも共通
部分を有する分光感度を有するハロゲン化銀乳剤をP乳
剤と称することとする。本発明においては、P乳剤は、
Y乳剤の分光感度領域と共通部分を有する分光感度を有
しており、さらにM乳剤の分光感度領域と共通部分を有
する分光感度、C乳剤の分光感度領域と共通部分を有す
る分光感度を有している。
【0081】Y乳剤の分光感度領域内のいずれかの波長
で露光したときのY乳剤とP乳剤の感度の比が、好まし
くは1/10〜10の範囲である。同様に、M乳剤の分光感
度領域内のいずれかの波長で露光したときのM乳剤とP
乳剤の感度の比が、好ましくは1/10〜10の範囲であ
る。同様に、C乳剤の分光感度領域内のいずれかの波長
で露光したときのC乳剤とP乳剤の感度の比が、好まし
くは1/10〜10の範囲である。
【0082】本発明における好ましい一つの具体例にお
いては、イエロー画像形成層は青感性ハロゲン化銀乳剤
を含有し、マゼンタ画像形成層は緑感性ハロゲン化銀乳
剤層を含有し、シアン画像形成層は赤感性ハロゲン化銀
乳剤を含有している。更に上記イエロー画像形成性乳剤
層には、青色光、緑色光、赤色光のいずれに対しても感
光性を有するハロゲン化銀乳剤が混合されている。
【0083】上記マゼンタ画像形成性乳剤層及びシアン
画像形成性乳剤層にも同様に、青色光、緑色光、赤色光
のいずれに対しても感光性を有するハロゲン化銀乳剤が
混合されている。
【0084】別の好ましい一つの具体例においては、イ
エロー画像形成層は緑感性ハロゲン化銀乳剤を含有し、
マゼンタ画像形成層は赤感性ハロゲン化銀乳剤層を含有
し、シアン画像形成層は赤外感光性ハロゲン化銀乳剤を
含有している。更に上記イエロー画像形成性乳剤層に
は、緑色光、赤色光、赤外光のいずれに対しても感光性
を有するハロゲン化銀乳剤が混合されている。上記マゼ
ンタ画像形成性乳剤層及びシアン画像形成性乳剤層にも
同様に、緑色光、赤色光、赤外光のいずれに対しても感
光性を有するハロゲン化銀乳剤が混合されている。
【0085】更に別の好ましい一つの具体例において
は、イエロー画像形成層は青感性ハロゲン化銀乳剤を含
有し、マゼンタ画像形成層は緑感性ハロゲン化銀乳剤層
を含有し、シアン画像形成層は赤感性ハロゲン化銀乳剤
を含有している。更に該イエロー画像形成層及びシアン
画像形成性層には、青色光、緑色光、赤色光のいずれに
対しても感光性を有するハロゲン化銀乳剤が混合されて
いる。
【0086】上記の様な組合せの他にも、Y乳剤、M乳
剤及びC乳剤の感色性は自由に選択が可能であり、互い
に感色性が異なっていればどのような組合せも採ること
ができる。P乳剤は、イエロー層、マゼンタ層、シアン
層の少なくとも1層に含有されていればよい。
【0087】本発明のイエロー、マゼンタ、シアン画像
形成性ハロゲン化銀乳剤のそれぞれの分光感度と共通部
分を有する分光感度を有するハロゲン化銀乳剤(P乳
剤)は、分光増感色素の選択により実現する事ができ
る。例えば青色光、緑色光、赤色光に対しいずれにも感
度を有する乳剤は、例えば青感性増感色素、緑感性増感
色素、赤感性増感色素を併用する事により作製できる。
【0088】本発明に係るハロゲン化銀写真感光材料の
各乳剤層の粒径はその求められる性能、特に感度、感度
バランス、色分離性鮮鋭性、粒状性、等の諸特性を考慮
して広い範囲の中からの決定することができる。
【0089】本発明の好ましい一つの実施態様において
は、ハロゲン化銀の粒径は、赤感層乳剤は0.1μm〜0.6
μm、緑感層乳剤は、O.15μm〜0.8μm、青感性乳剤は0.
3〜1.2μmの範囲が好ましく使用できる。
【0090】本発明に係る前記P乳剤の粒径は、特に制
限はないが、好ましくはY乳剤、M乳剤、C乳剤の内の
最大の平均粒径に対し、0.4〜3.0の比率の平均粒径であ
ることが好ましい。更に好ましくは、0.7〜2.0の比率で
あることが好ましい。
【0091】本発明に係るハロゲン化銀写真感光材料に
はバインダーとしてゼラチンが好ましく使用される。特
にゼラチンの着色成分を除去するためにゼラチン抽出液
に過酸化水素処理をほどこしたり、原料のオセインに対
し過酸化水素処理を施したものから抽出したり、着色の
ない原骨から製造されたオセインを用いることで透過率
を向上したゼラチンが好ましく用いられる。
【0092】本発明のゼラチンはアルカリ処理オセイン
ゼラチン、酸処理ゼラチン、ゼラチン誘導体、変性ゼラ
チンのいずれでも良いが、特にアルカリ処理オセインゼ
ラチンが好ましい。
【0093】本発明に係るハロゲン化銀写真感光材料に
用いられるゼラチンの透過率は10%溶液を作製し、分光
光度計にて420nmで透過率を測定したときに、70%以上
であることが好ましい。ゼラチンの着色成分を除去し、
透過率を上げる方法は前記した方法がとられるが、過酸
化水素処理をオセイン調製段階で用いる方法、オセイン
をライミングする際のライミング槽に過酸化水素を添加
しライミング中のオセインに反応させる方法、あるいは
ゼラチン抽出液に用いる方法が好ましい。過酸化水素溶
液は市販のものが用いられる。過酸化水素の濃度、添加
反応時間、その後の水洗方法に付いては、最適化するこ
とで適宜決定される。
【0094】本発明のゼラチンのゼリー強度(パギー法
による)は、好ましくは250以上であり、特に好ましく
は270g以上である。
【0095】本発明のゼラチンの総塗布ゼラチンに対す
る比率は、特に制限はないが、多い比率でしようとする
事が好ましく具体的には、少なくとも20%以上100%ま
での比率で使用することで好ましい効果が得られる。
【0096】本発明に係る感光材料の画像形成面側に含
有されるゼラチン量の総和は、11g/m2未満であることが
好ましい。下限に付いては特に制限はないが、一般的に
物性もしくは写真性能の面から3.0g/m2以上であること
が好ましい。ゼラチンの量は、パギー法に記載された水
分の測定法で11.0%の水分を含有したゼラチンの重量に
換算して求められる。
【0097】本発明のイエロー画像形成層、マゼンタ画
像形成層、シアン画像形成層は支持体上に積層塗布され
るが支持体からの順番はどのような順番でもよい。一つ
の好ましい実施態様は、例えば支持体に近い側からシア
ン画像形成層、マゼンタ画像形成層、イエロー画像形成
層となる。この他に必要に応じ中間層、フィルター層、
保護層等を配置することができる。
【0098】本発明のハロゲン化銀写真感光材料におい
て、発色現像処理工程を有する写真処理を行った後のイ
エロー画像形成層、マゼンタ画像形成層及びシアン画像
形成層のイエロー、マゼンタ及びシアンそれぞれの単色
の最大濃度が1.50〜1.90の範囲にあり、かつ各単色の最
大濃度に黒色画像形成層の最大濃度を加えた黒色のそれ
ぞれの各色成分濃度が1.90以上であるハロゲン化銀カラ
ー写真感光材料が好ましい。
【0099】本発明のハロゲン化銀写真感光材料におい
て発色現像処理工程を有する写真処理を行った後のイエ
ロー画像形成層、マゼンタ画像形成層及びシアン画像形
成層のイエロー、マゼンタ及びシアンそれぞれの単色の
足元階調が1.7以上であるハロゲン化銀カラー写真感光
材料が好ましい。ここで足元階調とは、特性曲線におい
て最小濃度上0.15の濃度を示す点と、最小濃度上0.80を
示す点を結んだ直線の傾きの絶対値で表される。
【0100】足元階調を硬調とする方法としては、例え
ばハロゲン化銀乳剤粒子の粒径分布を狭くする方法があ
る。例えばカラー現像処理液であればカラー現像主薬を
増し、保恒剤としてのヒドロキシルアミンあるいは、亜
硫酸塩の量を減量し、キシロール、ソルビット等の弱い
還元剤で代替したり、浸透剤(例えばベンジルアルコー
ル)の増量、カブリ抑制剤、脚切り剤を添加しつつ処理
剤のpH、温度、現像時間を増すことによって得られる。
【0101】又、感材であれば、酸化された現像主薬を
還元する能力のあるハイドロキノン系誘導体が感材中に
有効に用いられる。この中でも現像性、色相その他に悪
い影響を与えず足元階調の硬調化に効果がある化合物と
して特に一般式〔AO−I〕又は〔AO−II〕の化合物
が挙げられる。
【0102】
【化20】
【0103】一般式〔AO−I〕において、R1,R2
水素原子又は、それぞれ炭素数8以下のアルキル基(例
えばメチル、エチル、t-ブチル、sec-ヘキシル)、アル
コキシ基(例えばメトキシ、エトキシ、ブトキシ)、ア
ルキルチオ基(例えばメチルチオ、ブチルチオ、オクチ
ルチオ)、アルキルアミド基(例えばメタンアミド、プ
ロパンアミド、2-エチルペンタノイルアミド)を表し、
3は水素原子又は炭素数11以下のアルキル基(例え
ばメチル、プロピル、ヘプチル、ウンデシル)を表す。
1,R2として好ましくは炭素数6以下のアルキル基で
あり、R3として好ましくは炭素数7以下のアルキル基
である。
【0104】R1,R2,R3の炭素数の合計は8〜22で
あり、好ましくは8〜17である。
【0105】一般式〔AO−II〕において、R11,R12
は水素原子又は炭素数5以下のアルキル基(例えばメチ
ル、エチル、i-プロピル、ブチル、t-ブチル、ペンチ
ル、t-ペンチル、neo-ペンチル)を表し、nは1〜3の
整数である。
【0106】一般式〔AO−I〕の化合物は特開昭52-14
6235号、特公昭56-21145号、同59-37497号などに記載の
方法に準じて合成でき、具体的化合物としては、例えば
特開平4-30164号の67〜69頁に記載されるI−(1)〜I
−(12)を挙げることができる。
【0107】一般式〔AO−II〕の化合物の代表的具体
例を以下に挙げるが、これに限定されるものではない。
【0108】
【化21】
【0109】〔AO−I〕の化合物の添加量は、2×10
-8〜2×10-2モル/m2、好ましくは2×10-7〜2×10-3
モル/m2、より好ましくは2×10-6〜2×10-4モル/m2
の範囲である。
【0110】又、〔AO−II〕の化合物の添加量は、0.
001〜0.50g/m2が好ましく、より好ましくは0.005〜0.2
0g/m2である。化合物は単独で用いてもよく、2種以上
を併用してもよい。更に炭素数5以上のキノン誘導体を
〔AO−II〕の化合物に添加して使用することもでき
る。しかし、これらいずれの場合でも、その使用量は全
体として0.001〜0.50g/m2の範囲にあることが好まし
い。
【0111】本発明に好ましく用いられる内部潜像型直
接ポジ画像形成におけるカブリ処理は、全面露光を与え
るか又はカブリ核を生成する化合物即ちカブリ剤を用い
て行うことができる。
【0112】全面露光は画像露光した感光材料を現像液
もしくはその他の水溶液に浸漬するか、又は湿潤させた
後、全面的に均一露光することによって行れる。ここで
使用する光源としては、上記写真感光材料の感光波長領
域の光を有するものであればどの様な光源でもよく、
又、フラッシュ光の如き高照度光を短時間当てることも
できるし、弱い光を長時間当ててもよい。又、全面露光
の時間は上記写真感光材料、現像処理条件、使用する光
源の種類等により、最終的に最良のポジ画像が得られる
よう広範囲に変えることができる。又、全面露光の露光
量は、感光材料との組合せにおいて、ある決まった範囲
の露光量を与えることが最も好ましい。通常、過度に露
光量を与えると最小濃度の上昇や減感を起こし、画質が
低下する傾向がある。
【0113】次に本発明に好ましく用いるカブリ剤につ
いて述べる。
【0114】本発明において使用するカブリ剤としては
広範な種類の化合物を用いることができ、このカブリ剤
は現像処理時に存在すればよく、例えば写真感光材料の
支持体以外の構成層中(その中でも特にハロゲン化銀乳
剤層中が好ましい)、あるいは現像液あるいは現像処理
に先立つ処理液に含有せしめてもよい。又、その使用量
は目的に応じて広範囲に変えることができ、好ましい添
加量としては、ハロゲン化銀乳剤層中に添加するとき
は、ハロゲン化銀1モル当たり1〜1,500mg、好ましく
は10〜1,000mgである。又、現像液等の処理液に添加す
るときの好ましい添加量は0.01〜5g/リットル、特に
好ましくは0.05〜1g/リットルである。
【0115】本発明に用いるカブリ剤としては、例えば
米国特許2,563,785号、同2,588,982号に記載されたヒド
ラジン類、あるいは米国特許3,227,552号に記載された
ヒドラジド又はヒドラジン化合物;米国特許3,615,615
号、同3,718,479号、同3,719,494号、同3,734,738号及
び同3,759,901号に記載された複素環第4級窒素塩化合
物;更に米国特許4,030,925号記載のアシルヒドラジノ
フェニルチオ尿素類の如きハロゲン化銀表面への吸着基
を有する化合物が挙げられる。又、これらのカブリ剤は
組み合わせて用いることもできる。例えば前出のRD1516
2には非吸着型のカブリ剤を吸着型のカブリ剤と併用す
ることが記載されており、この併用技術は本発明におい
ても有効である。
【0116】本発明に用いるカブリ剤としては、吸着
型、非吸着型のいずれも使用することができるし、それ
らを併用することもできる。
【0117】有用なカブリ剤の具体例を示せば、ヒドラ
ジン塩酸塩、4-メチルフェニルヒドラジン塩酸塩、1-ア
セチル-2-フェニルヒドラジン、1-ホルミル-2-(4-メチ
ルフェニル)ヒドラジン、1-メチルスルホニル-2-フェニ
ルヒドラジン、1-メチルスルホニル-2-(3-フェニルスル
ホンアミドフェニル)ヒドラジン、1-ベンゾイル-2-フェ
ニルヒドラジン、ホルムアルデヒドフェニルヒドラジン
等のヒドラジン化合物;3-(2-ホルミルエチル)-2-メチ
ルベンゾチアゾリウムブロマイド、3-(2-アセチルエチ
ル)-2-ベンジル-5-フェニルベンゾオキサゾリウムブロ
マイド、3-(2-アセチルエチル)-2-ベンジルベンゾセレ
ナゾリウムブロマイド、2-メチル-3-〔3-(フェニルヒド
ラジノ)プロピル〕ベンゾチアゾリウムブロマイド、1,2
-ジヒドロ-3-メチル-4-フェニルピリド[2,1-b]ベンゾチ
アゾリウムブロマイド、1,2-ジヒドロ-3-メチル-4-フェ
ニルピリド[2,1-b]ベンゾセレナゾリウムブロマイド、
4,4′-エチレンビス(1,2-ジヒドロ-3-メチルピリド[2,1
-b]ベンゾチアゾリウムブロマイド等のN-置換第4級シ
クロアンモニウム塩;5-(3-エチル-2-ベンゾチアゾリニ
リデン)-3-〔4-(2-ホルミルヒドラジノ)フェニル〕ロー
ダニン、1,3-ビス〔4-(2-ホルミルヒドラジノ)フェニ
ル〕チオ尿素、7-(3-エトキシチオカルボニルアミノベ
ンズアミド)-9-メチル-10-プロパギル-1,2,3,4-テトラ
ヒドロアクリジニウムトリフルオロメタンスルホナー
ト、1-ホルミル-2-〔4-{3-(2-メトキシフェニル)ウレ
イド}フェニル〕ヒドラジン等が挙げられる。
【0118】本発明に係るハロゲン化銀乳剤層を有する
写真感光材料は、画像露光後、全面露光するか又はカブ
リ剤の存在下に現像処理することによって直接ポジ画像
を形成する。
【0119】本発明に係る写真感光材料の現像に用いる
現像液において使用することのできる現像剤としては、
通常のハロゲン化銀現像剤、例えばハイドロキノンの如
きポリヒドロキシベンゼン類、アミノフェノール類、3-
ピラゾリドン類、アスコルビン酸とその誘導体、レダク
トン類、フェニレンジアミン類等、あるいはその混合物
が含まれる。具体的にはハイドロキノン、アミノフェノ
ール、N-メチルアミノフェノール、1-フェニル-3-ピラ
ゾリドン、1-フェニル-4,4-ジメチル-3-ピラゾリドン、
1-フェニル-4-メチル-4-ヒドロキシメチル-3-ピラゾリ
ドン、アスコルビン酸、N,N-ジエチル-p-フェニレンジ
アミン、ジエチルアミノ-o-トルイジン、4-アミノ-3-メ
チル-N-エチル-N-(β-メタンスルホンアミドエチル)ア
ニリン、4-アミノ-3-メチル-N-エチル-N-(β-ヒドロキ
シエチル)アニリン、4-アミノ-N-エチル-N-(β-ヒドロ
キシエチル)アニリン等が挙げられる。これらの現像剤
を予め乳剤中に含ませておき、高pH水溶液浸漬中にハロ
ゲン化銀に作用させるようにすることもできる。
【0120】本発明に係るカラー感光材料には、下記一
般式〔XI〕で表されるメルカプト基を有する含窒素複素
環化合物(以下、メルカプト化合物と称する)を含有す
るのが好ましい。
【0121】
【化22】
【0122】式中、Mは水素原子、アルカリ金属原子、
アンモニウム基又はメルカプト基の保護基を表し、Zは
複素環を形成するに必要な非金属原子群を表す。該複素
環は置換基を有してもよく、縮合してもよい。
【0123】Mで表されるメルカプト基の保護基として
は、アルカリにより開裂してメルカプト基を形成する基
で、具体的にアシル基、アルコキシカルボニル基、アル
キルスルホニル基などが挙げられる。
【0124】含窒素複素環基としては、炭素原子、窒素
原子、酸素原子、硫黄原子、セレン原子などを環構成原
子として有してもよく、5〜6員環が好ましい。複素環
の具体例としては、イミダゾール、ベンゾイミダゾー
ル、ナフトイミダゾール、チアゾール、チアゾリン、ベ
ンゾチアゾール、ナフトチアゾール、オキサゾール、ベ
ンゾオキサゾール、ナフトオキサゾール、セレナゾー
ル、ベンゾセレナゾール、ナフトセレナゾール、トリア
ゾール、ベンゾトリアゾール、テトラゾール、オキサジ
アゾール、チアジアゾール、ピリジン、ピリミジン、ト
リアジン、プリン、アザインデン等が挙げられる。
【0125】これら複素環が有してもよい置換基として
は、例えばハロゲン原子並びにヒドロキシル、アミノ、
ニトロ、メルカプト、カルボキシル及びその塩、スルホ
及びその塩、アルキル、アルコキシ、アリール、アリー
ルオキシ、アルキルチオ、アリールチオ、アシルアミ
ノ、スルホンアミド、カルバモイル、スルファモイル等
の基が挙げられる。
【0126】一般式〔XI〕で示される化合物の中で、特
に好ましく用いられる化合物は下記一般式〔XII〕、〔X
III〕及び〔XIV〕で示すことができる。
【0127】
【化23】
【0128】一般式〔XII〕〜〔XIV〕において、Mは一
般式〔XI〕におけるMと同義である。又、R21及びR22
はベンゼン環に置換可能な基を表し、Arはフェニル基
を表し、R23はハロゲン原子並びにヒドロキシル、アミ
ノ、ニトロ、メルカプト、カルボキシル及びその塩、ア
ルキル、アルコキシ、アリール、アリールオキシ、アル
キルチオ、アリールチオ、アシルアミノ、スルホンアミ
ド、カルバモイル等の基を表し、Z21及びZ22は酸素原
子、硫黄原子又は−NH−を表す。
【0129】一般式〔XI〕で表される化合物の具体例と
しては、例えば特開昭64-73338号11〜15頁に記載される
化合物(1)〜(39)を挙げることができる。
【0130】これら化合物は公知の方法により容易に合
成することができる。例えば米国特許2,403,927号、同
3,376,310号、特開昭55-59463号あるいはジャーナル・
オブ・ザ・ケミカル・ソサイァティ(J.Chem.Soc.),1
952年、4237頁等に記載の方法に準じて得られる。又、
一部の化合物は市販品として入手できる。
【0131】本発明のメルカプト化合物は、水又は水と
親和性のある有機溶媒、例えばメタノール、アセトンな
どに溶解するか、又は弱アルカリもしくは弱酸に溶解す
るかして感光材料中に添加することができる。添加量と
しては使用する化合物の種類や添加する層によって適宜
に変化してよく、一般にはハロゲン化銀乳剤層に添加す
る場合、ハロゲン化銀1モル当たり10-8〜10-2モルの範
囲で、より好ましくは10-6〜10-3モルである。
【0132】本発明において使用される現像液は、更に
特定のカブリ防止剤及び現像抑制剤を含有することがで
き、あるいはそれらの現像液添加剤を写真感光材料の構
成層中に任意に組み入れることも可能である。
【0133】本発明におけるハロゲン化銀写真感光材料
には公知の写真用添加剤を使用することができる。
【0134】公知の写真用添加剤としては例えば以下に
示したRD17643及びRD18716に記載の化合物が挙げられ
る。
【0135】 添 加 剤 RD17643 RD18716 頁 分類 頁 分類 化学増感剤 23 III 648 右上 増感色素 23 IV 648 右上 現像促進剤 29 XXI 648 右上 カブリ防止剤 24 VI 649 右下 安 定 剤 〃 〃 色汚染防止剤 25 VII 650 左−右 画像安定剤 25 VII 紫外線吸収剤 25〜26 VII 649右〜650左 フィルター染料 〃 〃 増 白 剤 24 V 硬 化 剤 26 X 651右 塗布助剤 26〜27 XI 650右 界面活性剤 26〜27 XI 650右 可 塑 剤 27 XII 650右 スベリ剤 〃 〃 スタチック防止剤 〃 〃 マット剤 28 XVI 650右 バインダー 29 IX 651右 本発明に係る感光材料の乳剤層には、発色現像主薬の酸
化体とカップリング反応を行い色素を形成する色素形成
カプラーを用いることができる。該色素形成カプラーは
各々の乳剤層に対して乳剤層の感光スペクトル光を吸収
する色素が形成されるように選択されるのが普通であ
り、青感性乳剤層にはイエロー色素形成カプラーが、緑
感性乳剤層にはマゼンタ色素形成カプラーが、赤感性乳
剤層にはシアン色素形成カプラーが用いられる。しかし
ながら、目的に応じて上記組合せと異なった用い方でハ
ロゲン化銀カラー写真感光材料を作ってもよい。
【0136】これら色素形成カプラーは分子中にバラス
ト基と呼ばれるカプラーを非拡散化する炭素数8以上の
基を有することが望ましい。又、これら色素形成カプラ
ーは1分子の色素が形成されるために4分子の銀イオン
が還元される必要がある4等量性であっても、2分子の
銀イオンが還元されるだけでよい2等量性のどちらでも
よい。現像に伴って現像抑制剤を放出し、画像の鮮鋭性
や画像の粒状性を改良するDIRカプラーや、現像主薬
の酸化体とカップリング反応し無色の化合物を生成する
と同時に現像抑制剤を放出するDIR化合物を用いても
よい。
【0137】用いられるDIRカプラー及びDIR化合
物には、カップリング位に直接抑制剤が結合したもの
と、抑制剤が2価基を介してカップリング位に結合して
おり、カップリング反応により離脱した基内での分子内
求核反応や、分子内電子移動反応等により抑制剤が放出
されるように結合したもの(タイミングDIRカプラー
及びタイミングDIR化合物と称する)が含まれる。
【0138】又、芳香族第1級アミン現像剤の酸化体と
カップリング反応を行うが、色素を形成しない無色カプ
ラー(競合カプラーとも言う)を色素形成カプラーと併
用して用いることができる。
【0139】本発明におけるマゼンタカプラーとしては
特に下記一般式〔M−I〕のマゼンタカプラーが好まし
い。
【0140】
【化24】
【0141】式中、Zは含窒素複素環を形成するに必要
な非金属原子群を表し、該Zにより形成される環は置換
基を有してもよい。
【0142】Xは水素原子又は発色現像主薬の酸化体と
の反応により離脱しうる基を表す。又、Rは水素原子又
は置換基を表す。
【0143】前記一般式〔M−I〕において、Rの表す
置換基としては特に制限はないが、代表的には、アルキ
ル、アリール、アニリノ、アシルアミノ、スルホンアミ
ド、アルキルチオ、アリールチオ、アルケニル、シクロ
アルキル等の各基が挙げられるが、この他にハロゲン原
子及びシクロアルケニル、アルキニル、複素環、スルホ
ニル、スルフィニル、ホスホニル、アシル、カルバモイ
ル、スルファモイル、シアノ、アルコキシ、アリールオ
キシ、複素環オキシ、シロキシ、アシルオキシ、カルバ
モイルオキシ、アミノ、アルキルアミノ、イミド、ウレ
イド、スルファモイルアミノ、アルコキシカルボニルア
ミノ、アリールオキシカルボニルアミノ、アルコキシカ
ルボニル、アリールオキシカルボニル、複素環チオの各
基、ならびにスピロ化合物残基、有橋炭化水素化合物残
基等も挙げられる。
【0144】Rの表す置換基、Xの表す発色現像主薬の
酸化体との反応により離脱しうる基、Zにより形成され
る含窒素複素環及びZにより形成される環が有していて
もよい置換基の好ましい範囲及び具体例、並びに一般式
〔M−I〕で表されるマゼンタカプラーの好ましい範囲
は、欧州公開特許0327272号5頁23行〜8頁52行に記載
のものと同じである。
【0145】以下に一般式〔M−I〕で表されるマゼン
タカプラーの代表的具体例を示す。
【0146】
【化25】
【0147】
【化26】
【0148】
【化27】
【0149】
【化28】
【0150】
【化29】
【0151】更に他の具体例としては欧州公開特許0273
712号6〜21頁に記載されている化合物M−1〜M−61
及び同0235913号36〜92頁に記載されている化合物1〜2
23の中の上述の代表的具体例以外のものがある。
【0152】又、前記カプラーはジャーナル・オブ・ザ
・ケミカル・ソサイアティ(Journalof the Chemical So
ciety),パーキン(Perkin)I(1977),2047〜2052、米
国特許3,725,067号、特開昭59-99437号、同58-42045
号、同59-162548号、同59-171956号、同60-33552号、同
60-43659号、同60-172982号、同60-190779号、同62-209
457号及び同63-307453号等を参考にして合成することが
できる。
【0153】上述したカプラーは他の種類のマゼンタカ
プラーと併用することもでき、通常ハロゲン化銀1モル
当たり1×10-3モル〜1モル、好ましくは1×10-2モル
〜8×10-1モルの範囲で用いることができる。
【0154】本発明のカラー写真感光材料は、マゼンタ
画像の分光吸収のλL0.2が580〜635nmであることが好ま
しい。
【0155】又、λL0.2が580〜635nmであるハロゲン化
銀カラー写真感光材料は、マゼンタ画像の分光吸収のλ
maxが530〜560nmであることが好ましい。
【0156】ここで、本発明におけるハロゲン化銀カラ
ー写真感光材料のマゼンタ画像の分光吸収のλL0.2及び
λmaxは次の方法で測定される量である。
【0157】(λL0.2及びλmaxの測定方法)ポジ型の
場合、ハロゲン化銀カラー写真感光材料を、シアン画像
の最低濃度が得られる最小限の光量の赤色光で均一に露
光し、かつ黄色画像の最低濃度が得られる最小限の光量
の青色光で均一に露光した後、NDフィルターを通して
白色光を当てた後現像処理した時に、分光光度計に積分
球を取り付け、酸化マグネシウムの標準白板でゼロ補正
して500〜700nmの分光吸収を測定した時の吸光度の最大
値が1.0となるようにNDフィルターの濃度を調節して
マゼンタ画像を作製する。
【0158】ネガ型の場合、NDフィルターを通して緑
色光を当て現像処理しマゼンタ画像を形成した時、上記
のポジと同様の最大吸光度が得られるようにNDフィル
ターの濃度を調節する。λL0.2とは、このマゼンタ画像
を分光吸光度曲線上において、最大吸光度が1.0を示す
波長よりも長波で、吸光度が0.2を示す波長をいう。
【0159】本発明に係るハロゲン化銀写真感光材料の
マゼンタ画像形成層には、マゼンタカプラーに加えてイ
エローカプラーが含有される。これらのカプラーのpKa
の差は2以内であることが好ましく、更に好ましくは1.
5以内である。
【0160】本発明のマゼンタ画像形成性層に含有させ
る好ましいイエローカプラーは下記一般式〔Y−Ia〕
で表されるカプラーである。一般式〔Y−Ia〕で表さ
れるカプラーのうち特に好ましいものは、一般式〔M−
1〕で表されるマゼンタカプラーと組み合わせる場合、
組み合わせる〔M−1〕で表されるカプラーのpKaより
3以上低くないpKa値より3以上低くないpKa値を有する
カプラーである。
【0161】
【化30】
【0162】一般式〔Y―Ia〕において、R31はハロ
ゲン原子またはアルコキシ基を表す。R32は水素原子、
ハロゲン原子または置換基を有してもよいアルコキシ基
を表す。R33は、それぞれ置換基を有してもよいアシル
アミノ基、アルコキシカルボニル基、アルキルスルファ
モイル基、アリールスルファモイル基、アリールスルホ
ンアミド基、アルキルウレイド基、アリールウレイド
基、サクシンイミド基、アルコキシ基又はアリールオキ
シ基を表す。
【0163】Z30は水素原子、発色現像主薬の酸化体を
カップリングする際離脱し得る1価の有機基又はハロゲ
ン原子を表す。
【0164】具体的な化合物例は、下記に示すY−1及
びY−2の他、特開平2-139542号の(13)頁〜(17)頁
記載の化合物(Y−1)〜(Y−58)を好ましく使用で
きるが勿論これらに限定されることはない。
【0165】
【化31】
【0166】
【化32】
【0167】本発明のハロゲン化銀カラー写真感光材料
のマゼンタ画像形成層中におけるマゼンタカプラーとイ
エローカプラーとの含有量の比率は、該マゼンタ画像形
成層の発色現像処理によって得られる色素画像の分光吸
収がマゼンタの印刷インキによる印刷画像の分光吸収に
近似するように決められればよい。具体的には、通常マ
ゼンタカプラー1モルに対してイエローカプラーが0.02
〜0.5モルの範囲が適当である。
【0168】本発明のハロゲン化銀カラー写真感光材料
のマゼンタ画像形成層中に含有させるイエローカプラー
として、前記一般式〔Y−Ia〕で表されるイエローカ
プラーが好ましく用いられる。
【0169】本発明において、シアン画像形成層中に含
有されるシアンカプラーとしては、フェノール系、ナフ
トール系のシアン色素形成カプラーが用いられる。
【0170】これらのうち、好ましくは、下記一般式
〔C―I〕又は〔C―II〕で示されるカプラーが用いら
れる。
【0171】
【化33】
【0172】一般式〔C―I〕において、R41はアリー
ル基、シクロアルキル基又は複素環基を表す。R42はア
ルキル基又はフェニル基を表す。R43は水素原子、ハロ
ゲン原子、アルキル基またはアルコキシ基を表す。
【0173】Z40は水素原子又は芳香族第1級アミン系
発色現像主薬の酸化体との反応により離脱し得る基を表
す。
【0174】
【化34】
【0175】一般式〔C―II〕において、R44はアルキ
ル基(例えばメチル、エチル、プロピル、ブチル、ノニ
ル等)を表す。R45はアルキル基(例えばメチル、エチ
ル等)を表す。R46は水素原子、ハロゲン原子(例えば弗
素、塩素、臭素等)又はアルキル基(例えばメチル、エチ
ル等)を表す。Z47は一般式〔C−I〕のZ40と同義で
あり、水素原子又は芳香族第1級アミン系発色現像主薬
の酸化体との反応により離脱し得る基を表す。
【0176】これらのシアンカプラーは、米国特許2,30
6,410号、同2,356,475号、同2,362,596号、同2,367,531
号、同2,369,929号、同2,423,730号、同2,474,293号、
同2,476,008号、同2,498,466号、同2,545,687号、同2,7
28,660号、同2,772,162号、同2,895,826号、同2,976,14
6号、同3,002,836号、同3,419,390号、同3,446,622号、
同3,476,563号、同3,737,316号、同3,758,308号、同3,8
39,044号、英国特許478,991号、同945,542号、同1,084,
480号、同1,377,233号、同1,388,024号および同1,543,0
40号の各明細書並びに特開昭47‐37425号、同50‐10135
号、同50‐25228号、同50‐112038号、同50‐117422
号、同50‐130441号、同51‐6551号、同51‐37647号、
同51‐52828号、同51‐108841号、同53‐109630号、同5
4‐48237号、同54‐66129号、同54‐131931号、同55‐3
2071号、同59‐146,050号、同59‐31,953号及び同60‐1
17,249号などに記載されている。
【0177】本発明に用いられるカプラーは通常各ハロ
ゲン化銀乳剤層において、ハロゲン化銀1モル当り1×
10-3〜1モル、好ましくは1×10-2〜8×10-1モルの範
囲で用いることができる。
【0178】上記のカプラーは通常、沸点約150℃以上
の高沸点有機溶媒に必要に応じて低沸点および又は水溶
性有機溶媒を併用して溶解し、ゼラチン水溶液などの親
水性バインダー中に界面活性剤を用い乳化分散した後、
目的とする親水性コロイド層中に添加すればよい。分散
液又は分散と同時に低沸点有機溶媒を除去する工程を入
れてもよい。
【0179】本発明において、本発明に係る高沸点有機
溶媒と低沸点有機溶媒の比率は1:0.1〜1:50、更に
は1:1〜1:20であることが好ましい。
【0180】本発明に係る高沸点有機溶媒は、誘電率6.
0以下の化合物であればいずれもよい。下限について
は、特に限定はしないが誘電率が1.9以上が好ましい。
例えば誘電率6.0以下のフタル酸エステル、燐酸エステ
ル等のエステル類、有機酸アミド類、ケトン類、炭化水
素化合物等である。より好ましくはフタル酸エステル類
又は燐酸エステル類である。
【0181】本発明に係る感光材料の乳剤層には、発色
現像主薬の酸化体とカップリング反応を行い色素を形成
する色素形成カプラーを用いることができる。該色素形
成カプラーは各々の乳剤層に対して乳剤層の感光スペク
トル光を吸収する色素が形成されるように選択されるの
が普通であり、青感性乳剤層にはイエロー色素形成カプ
ラーが、緑感性乳剤層にはマゼンタ色素形成カプラー
が、赤感性乳剤層にはシアン色素形成カプラーが用いら
れる。しかしながら、目的に応じて上記組合せと異なっ
た用い方でハロゲン化銀カラー写真感光材料を作っても
よい。
【0182】これら色素形成カプラーは分子中にバラス
ト基と呼ばれるカプラーを非拡散化する炭素数8以上の
基を有することが望ましい。又、これら色素形成カプラ
ーは1分子の色素が形成されるために4分子の銀イオン
が還元される必要がある4等量性であっても、2分子の
銀イオンが還元されるだけでよい2等量性のどちらでも
よい。現像に伴って現像抑制剤を放出し、画像の鮮鋭性
や画像の粒状性を改良するDIRカプラーや、現像主薬
の酸化体とカップリング反応し無色の化合物を生成する
と同時に現像抑制剤を放出するDIR化合物を用いても
よい。
【0183】用いられるDIRカプラー及びDIR化合
物には、カップリング位に直接抑制剤が結合したもの
と、抑制剤が2価基を介してカップリング位に結合して
おり、カップリング反応により離脱した基内での分子内
求核反応や、分子内電子移動反応等により抑制剤が放出
されるように結合したもの(タイミングDIRカプラー
及びタイミングDIR化合物と称する)が含まれる。
【0184】又、芳香族第1級アミン現像剤の酸化体と
カップリング反応を行うが、色素を形成しない無色カプ
ラー(競合カプラーとも言う)を色素形成カプラーと併
用して用いることができる。
【0185】イエロー色素形成カプラーとしては、公知
のアシルアセトアニリド系カプラーを好ましく用いるこ
とができる。これらのうち、ベンゾイルアセトアニリド
系及びピバロイルアセトアニリド系化合物は有利であ
る。
【0186】本発明においては、イエロー画像のλL0.2
が515nmであることが好ましい。
【0187】本発明におけるλL0.2とは、下記に定義す
るイエロー画像の分光吸光度A(λ)における560〜650nm
の吸光度の平均値Am
【0188】
【数1】
【0189】を基準とし、上記分光吸光度の最大値Am
axに対応する波長λmaxにおける吸光度AmaxがAmより
1.0±0.05高いイエロー画像において、上記λmaxより長
波側で、かつ吸光度A=0.8×Am+0.2×Amaxに対応す
る波長をいう。又、λL0.8は、上記分光吸光度におい
て、A=0.2×Am+0.8×Amaxを示す波長をいう。
【0190】Amaxはイエロー画像のλmaxにおける吸光
度であり、通常400nm以上で見られるものであるが、UV吸
収剤等の他の要因の介在により発色画像の極大値が見ら
れない場合、400〜500nmの間でdA/dλの絶対値│dA
/dλ│が最も小さい波長での吸光度つまり肩部での吸
光度を表す。
【0191】上記イエロー画像は、分解露光の条件を、
Amax―Amが1.0±0.05の特に最低となるように最大とす
るように調整し、現像することによって形成されたもの
である。
【0192】本発明において、上記イエロー画像の分光
吸収は、λL0.8>450nmであることが好ましく、λL0.8
455nmであることがより好ましい。又、λL0.2は、好ま
しくは510以下である。又、λmaxは430nm以上であること
が好ましい。
【0193】本発明では日立320型分光光度計に積分球
を付けて分光吸光度の測定を行った。
【0194】本発明の感光材料がイエロー画像を形成す
る物質としてカプラーを用いるものである場合、上記の
条件を満足するものであればどのようなカプラーをも用
いることができるが、好ましいカプラーとして下記一般
式〔Y−I〕で表されるカプラーが挙げられる。
【0195】
【化35】
【0196】上記式中、R51はアルキル基又はシクロア
ルキル基を表し、R52はアルキル基、シクロアルキル
基、アシル基又はアリール基を表し、R53はベンゼン環
に置換可能な基を表し、nは0又は1を表し、Y50は1
値のバラスト基を表し、Z50は水素原子又はカップリン
グ時に離脱し得る基を表す。上記カプラーの具体例とし
ては、例えば特開平3-241345号の5頁〜9頁に記載の化合
物、Y−I−1〜Y−I−55で示される化合物が好ましく
使用できる。更に、特開平3-209466号の11〜14頁に記載
の化合物、Y−1〜Y−30で示される化合物も好ましく
使用できる。
【0197】これらイエローカプラーは通常ハロゲン化
銀乳剤層において、ハロゲン化銀1モル当たり1×10-3
〜1モル、好ましくは1×10-2〜8×10-1モルの範囲で
用いることができる。
【0198】シアン色素形成カプラーとしては、公知の
フェノール系、ナフトール系又はイミダゾール系カプラ
ーを用いることができる。例えば、アルキル基、アシル
アミノ基、或いはウレイド基などを置換したフェノール
系カプラー、5-アミノナフトール骨格から形成されるナ
フトール系カプラー、離脱基として酸素原子を導入した
2等量型ナフトール系カプラーなどが代表される。
【0199】本発明の感光材料において、カプラーと組
合せて用いられる高沸点溶剤はどのようなものでもよい
が、前記一般式〔M−I〕で表されるマゼンタカプラー
及び一般式〔Y−I〕で表されるイエローカプラーには
下記一般式〔HBS−I〕又は〔HBS−II〕で表され
る有機溶剤が好ましく用いられる。
【0200】
【化36】
【0201】〔HBS−I〕式中、R54、R55及びR56
は各々アルキル基又はアリール基を表し、R54、R55
びR56の少なくとも二つは炭素数が16以下のアルキル基
を表す。
【0202】
【化37】
【0203】〔HBS−II〕式中、R57、R58及びR59
は各々、脂肪族基又は芳香族基を表し、p、q及びrは
各々0又は1を表す。ただし、p、q及びrは同時に1
であることはない。一般式〔HBS−I〕又は〔HBS−
II〕の具体的化合物としては、例えば特開平2-124568号
53〜68頁に記載される化合物I−1〜II−95を挙げるこ
とができるが、勿論これに限定されない。
【0204】本発明のカラー写真感光材料のマゼンタ画
像形成層には、印刷インクの色調に近づけるために、マ
ゼンタカプラーと組み合わせてイエローカプラーを用い
ることが好ましい。
【0205】本発明に好ましく用いることができる油溶
性染料とは、20℃での水への溶解度[g/水100g]
(水100gに溶ける物質の重量)が、1×10-2以下の有
機染料を云い、代表的な化合物としてアントラキノン系
化合物、アゾ系化合物などが挙げられる。
【0206】本発明に係る油溶性染料は、波長400nm以
上での最大吸収波長の分子吸光係数が(溶媒クロロホル
ム)が5000以上である事が好ましく、20000以上である
事が好ましい。
【0207】本発明の感光材料に好ましく用いる事ので
きる油溶性染料は、0.01〜10mg/m2の塗布量で使用され
るのが好ましく、更には0.05〜5mg/m2である事がより
好ましい。
【0208】本発明に用いられる油溶性染料は、写真乳
剤層のいづれにも使用する事ができるが、カプラー含有
層以外の非感光性層に添加させるのがより好ましい。
【0209】本発明に係わる油溶性染料の特に好ましい
使用方法は、波長400nm以上での最大吸収波長の分子吸
光係数が、20000以上である油溶性染料を0.05〜5mg/m2
の塗布量でカプラー添加層以外の非感光性層に含有させ
ることである。
【0210】本発明において使用される好ましい油溶性
染料としては、特開平2-842の(8)頁〜(9)頁に記
載の化合物1〜27、或は特願平4-226014段落0116〜0119
に記載の化合物1〜27が挙げられるが、これらに限定さ
れるものではない。
【0211】本発明の感材及び/又は感材を処理するた
めの処理を行う処理液中に蛍光増白剤を含有させること
が好ましい。
【0212】蛍光増白剤としてはスチルベン系、トリア
ジン系、イミダゾロン系、ピラゾリン系、トリアゾール
系、クマリン系、アセチレン系、オキサゾール系、オキ
サジアゾール系の蛍光増白剤を好ましく用いることがで
きる。これらの蛍光増白剤は、米国特許2,571,706号、
同2,581,057号、同2,618,636号、同2,702,296号、同2,7
13,054号、同2,715,630号、同2,723,197号、同3,269,84
0号、同3,513,102号、同3,615,544号、同3,615,547号、
同3,684,729号、同3,788,854号、同3,789,012号、英国
特許669,590号、同672,803号、同712,764号、オランダ
特許74,109号、ドイツ特許911,368号、ドイツ公開公報
(OLS)2,525,680号、特公昭34-7127号等に記載されて
いる。これらの化合物は水溶性のものでもよく、又、不
溶性のものを分散物の形で用いてもよい。
【0213】本発明のハロゲン化銀写真感光材料を処理
する現像液、漂白定着液、安定化液はそれぞれ補充用現
像液、補充用漂白液、補充用定着液、補充用漂白定着
液、補充用安定化液等を補充しながら継続的に現像処理
することができる。本発明においては現像液の補充量
が、感材1m2当たり700cc以下の場合により有効に本発
明の効果を発揮できる。更に好ましくは、500cc以下の
場合により有効に本発明の効果を発揮できる。その他の
処理液に付いても現像液と同様であり、補充量が感材1
m2当たり700cc以下、より好ましくは500cc以下である場
合に本発明の効果をより有効に発揮できる。
【0214】本発明においては、常温で液体である液状
紫外線吸収剤が用いられる。本発明において常温で液体
とは、25℃において、「化学大辞典(1963)共立出版」等
に定義される如く、一定の形を持たず、流動性があり、
ほぼ一定の体積を有するものを示す。従って、上記性質
を有するものであれば、融点は特に限定されないが、融
点30℃以下、特に好ましくは15℃以下である化合物が好
ましい。
【0215】本発明の液状紫外線吸収剤は上記を満足す
れば如何なる構造をも採ることができるが、紫外線吸収
剤自身の光堅牢性の点から2-(2-ヒドロキシフェニル)
べンゾトリアゾール系化合物が好ましい。本発明におい
て使用される好ましい紫外線吸収剤としては、特願平4-
107780段落0027〜0028に記載の化合物UV-1L〜UV-27Lが
挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0216】上記本発明に係る液状紫外線吸収剤の添加
量としては、如何なる量で用いることもできるが、紫外
線吸収剤を含有する写真構成層のバインダーに対して重
量で0.1〜300%の範囲で用いることができ、好ましくは
1〜200%、更に好ましくは5〜100%の範囲である。
又、塗布量としては0.01〜100mg/100cm2が好ましく、
更には0.1〜50mg/100cm2、特に0.5〜30mg/100cm2で用
いることが好ましい。
【0217】本発明の液状紫外線吸収剤を含有する層
は、本発明の写真構成層のいずれでもよいが、好ましく
は感光材料中に含有される全液状紫外線吸収剤の少なく
とも60重量%が、更に好ましくは少なくとも80重量%
が、支持体から最も遠い感光性ハロゲン化銀乳剤層より
遠い位置にある写真構成層中に含有されていることが好
ましい。
【0218】本発明においては、非感光性層の少なくと
も1層に一般式〔H−I〕で示される化合物を含有す
る。
【0219】
【化38】
【0220】一般式〔H−I〕において、R61及びR62
で表される炭素数1〜5のアルキル基としては、例えば
メチル、エチル、プロピル、i-プロピル、ブチル、sec-
ブチル、ペンチル、ネオペンチル等の基が挙げられる。
nは1〜20の整数を表し、好ましくは2〜15の整数であ
る。kは1又は2を表す。Aは−CO−XR63(ここでXは
−O−又は−N(R64)−を表し、R63は水素原子、アルキ
ル基、アルケニル基、シクロアルキル基又はアリール基
を表し、R64は水素原子、アルキル基又はアリール基を
表す。)、−OY(ここでYはR63又は−CO−R63を表
し、R63は上記と同義。)、−N(R64)R65(ここでR64
は上記と同義、R65は水素原子、アルキル基、アリール
基又は−CO−R63を表し、R63は上記と同義。)、−
PO−(OR63)−{(O)lR66}(ここでlは0又は1を表し、
63は上記と同義、R66は水素原子、アルキル基、シク
ロアルキル基、アルケニル基又はアリール基を表す。)
又はシアノ基を表す。Bはアルキル基、アルケニル基、
シクロアルキル基、アリール基、複素環基又は
【0221】
【化39】
【0222】で表される基(ここでR61,R62,n,k
及びAは、それぞれ上記と同義。)を表すが、R63で表
されるアルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、
アリール基、R64で表されるアルキル基、アリール基、
65で表されるアルキル基、アリール基、R66で表され
るアルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アリ
ール基、更にBで表されるアルキル基、アルケニル基、
シクロアルキル基、アリール基、複素環基は、それぞれ
置換基を有するものを含み、上記アルキル基の置換基と
しては、例えばハロゲン原子、シクロアルキル基、アル
ケニル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ
基、アシル基、複素環基、シアノ基等が挙げられ、上記
アルケニル基、シクロアルキル基、アリール基、複素環
基の置換基としては、例えばハロゲン原子、アルキル
基、シクロアルキル基、アルケニル基、アリール基、ア
ルコキシ基、アリールオキシ基、アシル基、複素環基、
シアノ基等が挙げられる。
【0223】R63,R64,R65,R66及びBで表される
アルキル基としては、例えばメチル、エチル、プロピ
ル、ブチル、sec-ブチル、ヘキシル、2-エチル-ヘキシ
ル、ドデシル、ヘキサデシル、ベンジル等の基が挙げら
れ、R63,R66及びBで表されるアルケニル基として
は、例えばアリール基等が挙げられ、R63,R66及びB
で表されるシクロアルキル基としては、例えばシクロア
ルキル基等が挙げられ、R63,R64,R65,R66及びB
で表されるアリール基としては、例えばフェニル、ナフ
チル基等が挙げられる。
【0224】前記一般式〔H−I〕で示される化合物
は、更に下記一般式〔H−I−1〕で示される化合物又
はその前駆体が好ましい。
【0225】
【化40】
【0226】式中、R61,R62,R63,X及びnは一般
式〔H−I〕のR61,R62,R63,X及びnと同義であ
る。
【0227】以下、本発明に用いられる一般式〔H−
I〕で示される化合物の具体例を示すが、本発明にはこ
れらに限定されない。
【0228】
【化41】
【0229】
【化42】
【0230】
【化43】
【0231】
【化44】
【0232】
【化45】
【0233】
【化46】
【0234】上記一般式〔H−I〕で示される化合物
(以下、本発明に係る一般式〔H−I〕で示される化合
物という)については、特開昭58-24141号に記載の化合
物が基本的に包含され、同号に記載の合成法が参照でき
る。
【0235】本発明に係る一般式〔H−I〕で示される
化合物は、ハロゲン化銀写真感光材料の非感光性層(例
えば中間層、保護層、下引層、フィルター層等)から選
ばれる少なくとも一層に含有させることができ、その添
加量は特に限定はないが、好ましくは1×10-6〜1×10
-2モル/m2である。
【0236】本発明に係る一般式〔H−I〕で示される
化合物は1種を単独で用いても2種以上を組み合わせて
用いてもよい。
【0237】本発明の感光材料に用いることのできる支
持体としては、例えば前述のRD17643の28頁及びRD18716
の647頁に記載されているものが挙げられる。適当な支
持体としては、ポリマーフィルム、紙などで、これらは
接着性、帯電防止性などを高めるための処理がなされて
いてもよい。
【0238】
【実施例】以下に本発明を実施例により詳細に説明する
が、本発明はこれに限定されるものではない。
【0239】(乳剤EM−1の調製)オセインゼラチン
を含む水溶液を40℃に制御しながら、アンモニア及び硝
酸銀を含む水溶液と、臭化カリウム及び塩化ナトリウム
(モル比でKBr:NaCl=95:5)を含む水溶液とを、コン
トロールダブルジェット法で同時に添加して、粒径0.30
μmの立方体塩臭化銀コア乳剤を得た。その際、粒子形
状として立方体が得られるようにpH及びpAgを制御し
た。得られたコア乳剤に更にアンモニア及び硝酸銀を含
む水溶液と、臭化カリウム及び塩化ナトリウム(モル比
でKBr:NaCl=40:60)を含む水溶液とをコントロール
ダブルジェット法で同時に添加して、平均粒径0.42μm
となるまでシェルを形成した。その際、粒子形状として
立方体が得られるようにpH及びpAgを制御した。
【0240】水洗を行い水溶性塩を除去した後、ゼラチ
ンを加え乳剤EM−1を得た。この乳剤EM−1の分布
の広さは8%であった。
【0241】(乳剤EM−2の調製)オセインゼラチン
を含む水溶液を40℃に制御しながら、アンモニア及び硝
酸銀を含む水溶液と、臭化カリウム及び塩化ナトリウム
(モル比でKBr:NaCl=95:5)を含む水溶液とを、コン
トロールダブルジェット法で同時に添加して、粒径0.18
μmの立方体塩臭化銀コア乳剤を得た。その際、粒子形
状として立方体が得られるようにpH及びpAgを制御し
た。得られたコア乳剤に更にアンモニア及び硝酸銀を含
む水溶液と、臭化カリウム及び塩化ナトリウム(モル比
でKBr:NaCl=40:60)を含む水溶液とをコントロール
ダブルジェット法で同時に添加して、平均粒径0.25μm
となるまでシェルを形成した。その際、粒子形状として
立方体が得られるようにpH及びpAgを制御した。
【0242】水洗を行い水溶性塩を除去した後、ゼラチ
ンを加え乳剤EM−2を得た。この乳剤EM−2の分布
の広さは8%であった。
【0243】(青感性乳剤EM−Bの作製)EM−1に
増感色素D−1を加えて色増感後、T−1を銀1モル当
たり600mg添加して青感性乳剤EM−Bを作製した。
【0244】(緑感性乳剤EM−Gの作製)EM−1に
増感色素D−2を加えて色増感した他は青感性乳剤と同
様にして緑感性乳剤EM−Gを作製した。
【0245】(赤感性乳剤EM−Rの作製)EM−2に
増感色素D−3及びD−4を加えて色増感した他は青感
性乳剤と同様にして赤感性乳剤EM−Rを作製した。
【0246】(汎感性乳剤EM−Pの作製)EM−1に
増感色素D−1、D−2、D−3及びD−4を加えて色
増感した他は青感性乳剤と同様にして汎感性乳剤EM−
Pを作製した。
【0247】(赤外感光性EM−Iの作製)EM−1に
増感色素D−5を加えて色増感した他は青感性乳剤と同
様にして赤外感光性乳剤EM−Iを作製した。
【0248】T−1:4-ヒドロキシ-6-メチル-1,3,3a,
7-テトラザインデン
【0249】
【化47】
【0250】上記EM−B、EM−G、EM−R及びE
M−Pを用い下記の構成からなるカラー写真感光材料を
作製した両面にポリエチレンでラミネ−トした支持体の
表面に第1層〜第10層を、裏面に第11層を下記の構成で
塗布した。尚、塗布助剤としてSA−1及びSA−2を
用い、又、硬膜剤としてH−1、H−2を用いて、以下
の試料1を作製した。
【0251】なお、塗布液の調製において、第3層、第
5層、第9層に含有されている汎感性乳剤を、別に調製
された汎感性乳剤を除いて調製された塗布液に混合し、
その直後に塗布を行った。なお用いたゼラチンはオセイ
ンのライミング後期に過酸化水素水を添加し、オセイン
の着色を低下させた後、抽出することにより透過率の向
上したゼラチンである。
【0252】SA−1:スルホ琥珀酸ジ(2-エチルヘキ
シル)エステル・ナトリウム SA−2:スルホ琥珀酸ジ(2,2,3,3,4,4,5,5-オクタフ
ルオロペンチル)エステル・ナトリウム H−1:2,4-ジクロロ-6-ヒドロキシ-s-トリアジン・
ナトリウム H−2:テトラキス(ビニルスルホニルメチル)メタン 層 構 成 塗布付量(g/m2) 第10層 ゼラチン 0.78 (紫外線吸収層) 紫外線吸収剤(UV−1) 0.065 紫外線吸収剤(UV−2) 0.120 紫外線吸収剤(UV−3) 0.160 油溶性染料1 0.5×10-3 油溶性染料2 0.5×10-3 溶媒(SO−2) 0.1 シリカマット剤 0.03 第9層 ゼラチン 1.43 (青感層) 青感性乳剤EM−B(塗布銀量) 0.4 汎感性乳剤EM−P(塗布銀量) 0.1 イエローカプラー(YC−1) 0.82 ステイン防止剤(AS−2) 0.025 溶媒(SO−1) 0.82 抑制剤(ST−1,ST−2,T−1) 第8層 ゼラチン 0.54 (中間層) 混色防止剤(AS−1,AS−3,AS−4等量) 0.055 溶媒(SO−2) 0.072 第7層 ゼラチン 0.42 (イエロー イエローコロイド銀 0.03 コロイド銀層) 混色防止剤(AS−1,AS−3,AS−4等量) 0.04 溶媒(SO−2) 0.049 ポリビニールピロリドン(PVP) 0.047 第6層 ゼラチン 0.54 (中間層) 混色防止剤(AS−1,AS−3,AS−4等量) 0.055 溶媒(SO−2) 0.072 第5層 ゼラチン 1.43 (緑感層) 緑感性乳剤EM−G(塗布銀量) 0.40 汎感性乳剤EM−P(塗布銀量) 0.10 マゼンタカプラー(MC−1) 0.25 イエローカプラー(YC−2) 0.06 ステイン防止剤(AS−2) 0.019 溶媒(SO−1) 0.31 抑制剤(ST−1,ST−2,T−1) 第4層 ゼラチン 0.75 (中間層) 混色防止剤(AS−1,AS−3,AS−4等量) 0.055 溶媒(SO−2) 0.072 第3層 ゼラチン 1.38 (赤感層) 赤感性乳剤EM−R(塗布銀量) 0.24 汎感性乳剤EM−P(塗布銀量) 0.06 シアンカプラー(CC−2) 0.44 溶媒(SO−1) 0.31 ステイン防止剤(AS−2) 0.015 抑制剤(ST−1,ST−2,T−1) 第2層 ゼラチン 0.54 (中間層) 混色防止剤(AS−1,AS−3,AS−4等量) 0.055 溶媒(SO−2) 0.072 第1層 ゼラチン 0.54 (HC層) ポリビニルピロリドン(PVP) 0.03 第11層 ゼラチン 6.00 (裏面層) シリカマット剤 0.65 塗布銀量は銀換算による。
【0253】次に上記試料1と同様にして上記EM−
B、EM−G、EM−R及びEM−Iを用い下記の構成
からなる試料2を作製した。
【0254】 層 構 成 塗布付量(g/m2) 第12層 ゼラチン 0.78 (紫外線吸収層) 紫外線吸収剤(UV−1) 0.065 紫外線吸収剤(UV−2) 0.120 紫外線吸収剤(UV−3) 0.160 溶媒(SO−2) 0.1 シリカマット剤 0.03 第11層 ゼラチン 1.14 (青感層) 青感性乳剤EM-B(塗布銀量) 0.4 イエローカプラー(YC−1) 0.656 ステイン防止剤(AS−2) 0.02 溶媒(SO−1) 0.656 抑制剤(ST−1,ST−2,T−1) 第10層 ゼラチン 0.54 (中間層) 混色防止剤(AS−1,AS−3,AS−4等量) 0.055 溶媒(SO−2) 0.072 第9層 ゼラチン 0.42 (イエロー イエローコロイド銀 0.1 コロイド銀層) 混色防止剤(AS−1,AS−3,AS−4等量) 0.05 溶媒(SO−2) 0.049 ポリビニールピロリドン(PVP) 0.047 第8層 ゼラチン 0.54 (中間層) 混色防止剤(AS−1,AS−3,AS−4等量) 0.055 溶媒(SO−2) 0.072 第7層 ゼラチン 1.14 (緑感層) 緑感性乳剤EM−G(塗布銀量) 0.40 マゼンタカプラー(MC−1) 0.20 イエローカプラー(YC−2) 0.05 ステイン防止剤(AS−2) 0.0152 溶媒(SO−1) 0.248 抑制剤(ST−1,ST−2,T−1) 第6層 ゼラチン 0.75 (中間層) 混色防止剤(AS−1,AS−3,AS−4等量) 0.055 溶媒(SO−2) 0.072 第5層 ゼラチン 1.10 (赤感層) 赤感性乳剤EM−R(塗布銀量) 0.24 シアンカプラー(CC−2) 0.352 溶媒(SO−1) 0.248 ステイン防止剤(AS−2) 0.012 抑制剤(ST−1,ST−2,T−1) 第4層 ゼラチン 0.75 (中間層) 混色防止剤(AS−1,AS−3,AS−4等量) 0.055 溶媒(SO−2) 0.072 第3層 ゼラチン 1.05 (赤外感光層) 赤外感光性乳剤EM−I(塗布銀量) 0.30 イエローカプラー(YC−1) 0.21 マゼンタカプラー(MC−1) 0.063 シアンカプラー (CC−1) 0.110 ステイン防止剤 (AS−2) 0.019 溶媒(SO−1) 0.615 第2層 ゼラチン 0.54 (中間層) 混色防止剤(AS−1,AS−3,AS−4等量) 0.055 溶媒(SO−2) 0.072 第1層 ゼラチン 0.54 (HC層) ポリビニルピロリドン(PVP) 0.03 第13層 ゼラチン 6.00 (裏面層) シリカマット剤 0.65 各層に使用した添加剤は以下の如くである。
【0255】SO−1:トリオクチルホスフェート SO−2:ジオクチルフタレート AS−1:2,5-ジ-t-オクチルハイドロキノン AS−2:2,5-ジ-t-ブチルハイドロキノン AS−3:2,5-ジ(1,1-ジメチル-4-ヘキシルオキシカル
ボニルブチル)ハイドロキノン AS−4:2,5-ジ-sec-ドデシルハイドロキノン,2,5-
ジ-sec-テトラデシルハイドロキノン,2-sec-ドデシル-
5-テトラデシルハイドロキノンの混合物 ST−1:1-(3-アセトアミドフェニル)-5-メルカプト
テトラゾール ST−2:N-ベンジルアデニン
【0256】
【化48】
【0257】
【化49】
【0258】このようにして得られた試料1及び2に対
して、最下層にアンチハレ−ション層を設けた試料及び
/又は水溶性染料を添加した試料を各々、試料1A〜1
E、試料2A〜2Eとし、表1に示すように作製した。
【0259】
【表1】
【0260】得られた試料1A〜1Eに対し、網点オリ
ジナル原稿のうち墨版とシアン版を密着させて下記に示
す露光条件−1で露光した。次に墨版とマゼンタ版を試
料に密着させて、下記に示す露光条件−2で露光した。
次に墨版とイエロ−版を試料に密着させて、下記に示す
露光条件−3で露光した。
【0261】又、試料2A〜2Eに対し、試料1A〜1
Eと同様に露光条件−1〜3までを順次露光し、更にオ
リジナル原稿のうち墨版のみを密着させ、下記に示す露
光条件−4で露光した。
【0262】この様に露光を施した感光材料を下記に示
す現像処理工程によって処理し、得られた色素画像の濃
度を測定し、更に上記の網点オリジナル原稿4版から得
られた校正刷りの濃度と比較した。又、得られた網点画
像の画質と色近似性を評価した。尚、濃度測定はコニカ
株式会社製PD−65を使用した。
【0263】網点画質は次の尺度により評価した。
【0264】○・・・印刷物に一致した網点画質を有す
るカラープルーフ △・・・印刷物に対し、色バランスのずれたカラープル
ーフ ×・・・印刷物に対し、小点部の潰れたカラープルーフ ××・・・印刷物に対し、小点部及び大点部の潰れたカ
ラープルーフ 色近似性は○(印刷物に極めて近似)、△(色相によっ
ては近似しない)、×(印刷物とは異った色相)の3段
階評価をした。
【0265】得られた結果を併せて表2に示す。
【0266】(露光条件−1)各々の感光材料を赤色フ
ィルター(ラッテンNo. 26)及びNDフィルターを通し
白色光を露光するときにNDフィルター濃度を調整し
て、下記現像処理後の赤色光濃度が最小となる最低限の
露光量で0.5秒間露光する。
【0267】(露光条件−2)各々の感光材料を緑色フ
ィルター(ラッテンNo.58)及びNDフィルターを通し
白色光を露光するときにNDフィルター濃度を調整し
て、下記現像処理後の緑色光濃度が最小となる最低限の
露光量で0.5秒間露光する。
【0268】(露光条件−3)各々の感光材料を青色フ
ィルター(ラッテンNo. 47B)及びNDフィルターを通
し白色光を露光するときにNDフィルター濃度を調整し
て、下記現像処理後の緑色光濃度が最小となる最低限の
露光量で0.5秒間露光する。
【0269】(露光条件−4)各々の感光材料を上記露
光条件−1〜3で順次露光した試料に対し、次に赤外フ
ィルター及びNDフィルターを通しタングステン光を露
光するときにNDフィルター濃度を調整して、下記現像
処理後の可視光濃度が最小となる最低限の露光量で0.5
秒露光する。赤外フィルターを通しての露光のみを露光
条件−4とする。なお、露光条件−1〜3の光源として
は昼光色用蛍光灯を用いた。
【0270】現像処理工程は以下の如くである。但し、
カブリ露光は現像液に浸漬したままで、厚みが3mmの現
像液の層を通して、感光材料表面に均一に全面露光され
た。
【0271】 処理工程1 温度 時間 浸漬(現像液) 37℃ 12秒 カブリ露光 − 12秒(1
ルックス) 現 像 37℃ 95秒 漂白定着 35℃ 45秒 安定化処理 25〜30℃ 90秒 乾 燥 60〜85℃ 40秒 処理液組成 (発色現像液) ベンジルアルコール 15cc. 硫酸第一セリウム 0.015g エチレングリコール 8.0cc. 亜硫酸カリウム 2.5g 臭化カリウム 0.6g 塩化ナトリウム 0.2g 炭酸カリウム 25.0g T−1 0.1g ヒドロキシルアミン硫酸塩 5.0g ジエチレントリアミン五酢酸ナトリウム 2.0g 4-アミノ-N-エチル-N-(β-ヒドロキシエチル)アニリン硫酸塩 4.5g 蛍光増白剤(4,4′-ジアミノスチルベンジスルホン酸誘導体) 1.0g 水酸化カリウム 2.0g ジエチレングリコール 15.0cc. 水を加えて全量を1リットルとし、pHを10.15に調整す
る。
【0272】 (漂白定着液) ジエチレントリアミン五酢酸第2鉄アンモニウム 90.0g ジエチレントリアミン五酢酸 3.0g チオ硫酸アンモニウム(70%水溶液) 180cc. 亜硫酸アンモニウム(40%水溶液) 27.5cc. 3-メルカプト-1,2,4-トリアゾール 0.15g 炭酸カリウム又は氷酢酸でpHを7.1に調整し、水を加え
て全量を1リットルとする。
【0273】 (安定化液) o-フェニルフェノール 0.3g 亜硫酸カリウム(50%水溶液) 12cc. エチレングリコール 10g 1-ヒドロキシエチリデン-1,1-ジホスホン酸 2.5g 塩化ビスマス 0.2g 硫酸亜鉛7水塩 0.7g 水酸化アンモニウム(28%水溶液) 2.0g ポリビニルピロリドン(K−17) 0.2g 蛍光増白剤(4,4′-ジアミノスチルベンジスルホン酸誘導体) 2.0g 水を加えて全量を1リットルとし、水酸化アンモニウム
又は硫酸でpHを7.5に調整する。尚、安定化処理は2槽
構成の向流方式にした。
【0274】
【表2】
【0275】表2の結果から明らかなように、本発明の
試料1B〜1Eは網点画質(網点再現性)、色相ともに
良好な結果を示している。又、作業性としても本発明で
は3回の露光で済むので申し分ない。
【0276】以上のことから、本発明の目的は達成され
た。
【0277】
【発明の効果】本発明によれば、色分解及び網点画像変
換して得られた網点画像情報から、カラープルーフ用ハ
ロゲン化銀カラー写真感光材料を用いて、印刷物との色
相や網点再現性などの近似度が改良されたカラープルー
フを作業性良く得ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 野中 義之 神奈川県小田原市堀ノ内28番地コニカ株式 会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 主としてイエロ−画像を形成する層、主
    としてマゼンタ画像を形成する層及び主としてシアン画
    像を形成する層を有し、該3層のうち任意の2層を第
    1、第2の層と設定したときに、第1の層の主たる分光
    感度域で、第1の層の画像濃度が最小濃度+0.2を与え
    る露光量の1/10〜10倍となる露光量で露光し現像した
    とき、第2の層の画像の濃度が当該露光をしないときの
    現像後の濃度よりも小である組合せを少なくとも一つ有
    し、現像処理前の450nm、550nm、700nmにおける反射濃
    度が、それぞれ0.8以上であることを特徴とするハロゲ
    ン化銀カラー写真感光材料。
  2. 【請求項2】 支持体上にハレ−ション防止層を有し、
    該ハレ−ション防止層上に主としてイエロ−画像を形成
    する層、主としてマゼンタ画像を形成する層及び主とし
    てシアン画像を形成する層を有し、該3層のうち任意の
    2層を第1、第2の層と設定したときに、第1の層の主
    たる分光感度域で、第1の層の画像濃度が最小濃度+0.
    2を与える露光量の1/10〜10倍となる露光量で露光し現
    像したとき、第2の層の画像の濃度が当該露光をしない
    ときの現像後の濃度よりも小である組合せを少なくとも
    一つ有し、現像処理前の450nm、550nm、700nmにおける
    反射濃度が、それぞれ0.8以上であることを特徴とする
    ハロゲン化銀カラー写真感光材料。
  3. 【請求項3】 色分解されたイエロー画像情報、マゼン
    タ画像情報、シアン画像情報及び黒色画像情報からなる
    網点画像情報に基づいて、支持体上に主としてイエロー
    画像形成層、主としてマゼンタ画像形成層及び主として
    シアン画像形成層を有するハロゲン化銀カラー写真感光
    材料に露光を行いカラープルーフを作製する工程におい
    て、該ハロゲン化銀カラー写真感光材料が前記請求項1
    又は2に記載のハロゲン化銀カラー写真感光材料である
    ことを特徴とするカラープルーフの作製方法。
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