JPH0694882A - 原子炉出力の不安定性監視方法 - Google Patents

原子炉出力の不安定性監視方法

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JPH0694882A
JPH0694882A JP4243613A JP24361392A JPH0694882A JP H0694882 A JPH0694882 A JP H0694882A JP 4243613 A JP4243613 A JP 4243613A JP 24361392 A JP24361392 A JP 24361392A JP H0694882 A JPH0694882 A JP H0694882A
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Tomoaki Suzudo
知明 鈴▲ど▼
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 原子炉出力信号の雑音信号を含む時系列デー
タに基づいて、過度のフィードバック等の原因により生
ずる非線形不安定性を含めて、原子炉の不安定性の度合
いを評価し、監視する方法を提供する。 【構成】 原子炉の1出力信号である中性子束に関する
データにおける振動が徐々に変化して不安定性が発生
し、やがてその出力信号の振動がリミットサイクルに達
する中性子束時系列データに基づいて、これにカオス理
論を適用してその次元が0又は1であるかを測定するこ
とにより原子炉の安全性を評価する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、原子炉出力信号の雑音
信号を含む時系列データに基づいて、過度のフィードバ
ック等の原因により生ずる非線形不安定性を含めて、原
子炉の不安定性の度合いを評価し、監視するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来原子炉の出力信号の時系列データに
基づいて安定性を評価するためには、減衰比及びパワー
スペクトル密度が使われてきた。減衰比は時系列データ
から線形の自己回帰モデルを同定し、それを時間発展さ
せたものから得られる。またパワースペクトル密度はブ
ラックマン、ターキー法や高速フーリエ変換法により容
易に得られる。しかし、これらの方法は原理的に線形理
論に基づいているため、非線形効果がある場合の安定性
を正しく評価できない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】原子炉のあるパラメー
タが徐々に変化し、不安定性が発生しやがて振動がリミ
ットサイクルに達する過程を考える。不安定性発生の第
一段階では振動は間欠的であり、振動の周波数、振動の
発生頻度等が重要な情報になる。これにはパワースペク
トル密度による監視が有効である。
【0004】不安定性発生の第二段階では振動は徐々に
連続的になり、基本波に対する安定性が有用な情報にな
る。この段階では時系列データは線形モデルによって近
似することができ減衰比による方法が有効である。
【0005】第三段階では振動は大振幅の連続振動にな
り非線形効果が出てきて振動は非正弦波的になり、第四
段階でリミットサイクルに達する。第三段階の連続振動
と第四段階のリミットサイクル振動においては減衰比を
正確に測定することは困難である。これは自己回帰モデ
ルが線形であることに原因がある。また、一般に非線形
性が増してくるとパワースペクトル密度の中で基本波に
対する高調波が増してくるが、これは相対的な情報であ
りリミットサイクルに達したかどうかという絶対的情報
は得られない。このように従来方法ではこれらの振動の
特徴を明確に知る手立てはない。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明においては、非線
形効果を含む不安定性を対象とするために、カオス理論
の観点から振動を考察する。
【0007】n次元の非線形系を長時間にわたって解を
求めた場合、その振る舞いの軌道はn次元空間内でその
非線形系特有の図形に引き込まれていき、この図形はア
トラクターと呼ばれている。すなわち非線形系の解の集
合がn次元空間内にアトラクターを形作る。カオス理論
によれば、アトラクターの次元によって非線形系を分類
することができる。この場合の次元とは通常のユークリ
ッド次元を指すのではなく、集合に属する点を正確に表
すために必要な情報量のことである。例えば、系が漸近
的に安定ならばアトラクターは点でありその次元は0で
ある。また、系の挙動がリミットサイクル的であればそ
のアトラクターは周期的軌道である。このとき1つの変
数によって周期的軌道上すべての点を表すことができる
のでその次元は1である。同様に系の挙動が準周期的、
すなわち2つの異なった基本周波数の振動の重ね合わせ
に分解できる場合はアトラクターはトーラスになりその
次元は2である。カオス的になると次元は2より大きい
非整数になる。
【0008】上述の例では不安定性発生の第一から第三
段階に対するアトラクターは漸近安定な点であり次元は
0であり、第四段階に対するアトラクターは周期的軌道
であり、その次元は1である。この第三段階から第四段
階への変化はホップ分岐と呼ばれている。よって原子炉
から得られる中性子束時系列データより次元を測定でき
れば振動がリミットサイクルに達したかどうかを評価す
ることができる。
【0009】本発明における評価方法は次のように行な
う。
【0010】〈ステップ1〉時系列データui (i=
1,2,3,…,M:Mは十分に大きな値、例えば50
00)が計算機内のメモリーに読み込まれているとす
る。原理的に有限の時系列データからアトラクターを得
ることはできないが、d次元空間内の軌道を時系列デー
タの時間遅れ成分から再構成することができるから、そ
れをアトラクターの近似とする。すなわち
【数1】 ここにxi は再構成された軌道である。(1)式の中の
パラメーターdは最大の時間遅れが少なくとも振動の周
期の(1/4)より大きくなるようにする。
【0011】〈ステップ2〉次にアトラクター(再構成
された軌道)上の点の距離相関関数の積分(相関積分)
C(r)を次式により計算する。
【0012】
【数2】 ここでxi はアトラクター上の点の位置を表し、rは相
関の長さ、Nはアトラクター上の点の対の数である。こ
のようにして求められた相関積分は単調増加関数にな
る。
【0013】〈ステップ3〉相関積分を対数スケールに
表してその傾き
【数3】 を計算し、横軸rのグラフとして表す。図1,2に求ま
るグラフの例を示した。C(r)は単調増加関数である
ことからこれらのグラフの値は非負である。またrがア
トラクターの最大の直径r1 より大きいところではC
(r)は変化しないのでグラフの値は常に0になる。
【0014】原則的には、グラフの値がrに依存しない
領域、すなわちグラフが平坦な領域でrの最も大きい領
域を選択し、そのときのグラフの値を次元の値とする。
図1において平坦な部分はr1 より小さい領域では現わ
れず、従って次元は0とする。また図2においては次元
が1.3程度に出ている。これは雑音によって次元1が
やや大きめに出たものであり、正しい次元は1とする。
また図2のグラフのr1 より少し小さいところにピーク
が現われる。これは振動がリミットサイクル的な場合す
なわちホップ分岐後にはxi は周期的軌道に分布するの
で、必ず距離相関が強くなるrが存在することによる。
雑音レベルが高いときには図2の平坦な部分が狭くなっ
てしまうことがあり、このような場合にはピークの存在
の有無によって次元を0か1に決定する。
【0015】現在までに原子炉出力の準周期的またはカ
オス的な振動は見つかっていないので、以上の場合にあ
てはまらないときはデータが短すぎるか、過渡的すぎる
ものと考える。
【0016】
【作用】本発明における方法では、相関積分の傾きを評
価することにより不安定性の性質を分類するものであ
る。
【0017】
【実施例】図3に本発明を実施する場合の簡単な概念図
を示す。また、数式モデルの解析では計算機内ですべて
の処理が可能である。
【0018】図4は原子炉モデルに雑音を付加して得ら
れた中性子束n(t)である。ここで雑音を付加しない
場合には(a)は安定(すなわちホップ分岐前)、
(b)は周期的(すなわちホップ分岐後)になるように
パラメータが調整されている。また2つのケースにおい
てモデルに加えられた雑音のレベルは等しい。2つの時
系列データは一見振幅のみが違うように見え、またこれ
らの振動の減衰比を自己回帰モデルを用いて計算した結
果は(a)においては0.98、(b)においては0.
99となりほぼ等しい。またパワースペクトル密度を図
5に示したがこれらにも有意なかつ特徴的な差は得られ
ない。すなわち従来の評価方法ではこの2つのデータは
定性的に同一視される。
【0019】図6は2つのデータから測定された相関積
分C(r)の傾きを表している。この図ではrが比較的
小さいところではグラフの値は一致している。これは加
えられた雑音レベルが等しいことに起因している。理想
的な場合、すなわち雑音の影響が非常に小さい場合、相
関積分の傾きが(a)及び(b)でそれぞれ0及び1と
なるrの領域がrの比較的大きいところに存在し、それ
ぞれが時系列データの次元に対応する。この例では雑音
レベルが大きいためそのようなrの領域は存在しない。
しかし相関積分の傾きに有意な差が現われているrの範
囲が存在する。その範囲のグラフの値から、そして2以
下の非整数次元が存在しないことから、次元が0から1
に変化したことがうかがえる。またホップ分岐前のグラ
フは単純減少関数であるのに対して、ホップ分岐後のグ
ラフでは右端にピークが見られる。このピークは振動が
リミットサイクルに達したことを裏付けている。
【0020】
【発明の効果】以上のように本発明による次元測定方法
によって原子炉の出力不安定性の発展段階に関してより
詳細な情報を得ることができ、より適切な出力不安定性
の監視が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】原子炉出力の不安定性発生の第一段階から第三
段階における相関積分の傾き(次元0の場合)を表す図
である。
【図2】原子炉出力の不安定性発生の第四段階における
相関積分の傾き(次元1の場合)を表す図である。
【図3】本発明を実施する場合の簡単な概念図である。
【図4】原子炉モデルより得られた中性子束信号を表す
図である。
【図5】2つのケース(ホップ分岐前と後)に対するパ
ワースペクトル密度の比較を示す図である。
【図6】2つのケース〔ホップ分岐前(a)と後
(b)〕の相関関係の傾きの比較を表す図である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 原子炉出力の不安定性をカオス理論の観
    点から時系列データの次元測定に基づいて評価し、監視
    する方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1996021929A1 (de) * 1995-01-09 1996-07-18 Siemens Aktiengesellschaft Verfahren und vorrichtung zum betrieb eines reaktors im instabilen zustand

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1996021929A1 (de) * 1995-01-09 1996-07-18 Siemens Aktiengesellschaft Verfahren und vorrichtung zum betrieb eines reaktors im instabilen zustand
EP0928007A1 (de) * 1995-01-09 1999-07-07 Siemens Aktiengesellschaft Verfahren und Vorrichtung zum Betrieb eines Reaktors im instabilen Zustand

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