JPH0694877A - 高速炉の炉心 - Google Patents
高速炉の炉心Info
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- JPH0694877A JPH0694877A JP4244952A JP24495292A JPH0694877A JP H0694877 A JPH0694877 A JP H0694877A JP 4244952 A JP4244952 A JP 4244952A JP 24495292 A JP24495292 A JP 24495292A JP H0694877 A JPH0694877 A JP H0694877A
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- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
- Y02E30/00—Energy generation of nuclear origin
- Y02E30/30—Nuclear fission reactors
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- Monitoring And Testing Of Nuclear Reactors (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】炉心上部の簡素化と、冷却材密度係数を“負”
にする。 【構成】炉心燃料部11の外側に隣接した領域に反応度制
御用反射体12の領域を設け、かつ炉心燃料部11の内側に
隣接して上下方向に移動する反応度制御用反射体13を設
ける。外側反射体12の外側には外側中性子吸収体領域15
が設けられ、内側反射体13の内側には内側中性子吸収体
領域14が設けられている。
にする。 【構成】炉心燃料部11の外側に隣接した領域に反応度制
御用反射体12の領域を設け、かつ炉心燃料部11の内側に
隣接して上下方向に移動する反応度制御用反射体13を設
ける。外側反射体12の外側には外側中性子吸収体領域15
が設けられ、内側反射体13の内側には内側中性子吸収体
領域14が設けられている。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は高速炉の炉心に係り、特
に液体金属冷却材を使用する高速炉のアニュラー型大型
炉心を改良した高速炉の炉心に関する。
に液体金属冷却材を使用する高速炉のアニュラー型大型
炉心を改良した高速炉の炉心に関する。
【0002】
【従来の技術】プルトニウム等の核分裂性物質を燃料と
する高速炉では、冷却材に液体金属ナトリウムを使用す
る低圧原子炉システムが、実験炉クラス、原型炉クラ
ス、実証炉クラスと原子炉出力規模を増大させる開発が
行われ、燃料集合体を規則的に配列し、主に円柱状に炉
心を構成している。
する高速炉では、冷却材に液体金属ナトリウムを使用す
る低圧原子炉システムが、実験炉クラス、原型炉クラ
ス、実証炉クラスと原子炉出力規模を増大させる開発が
行われ、燃料集合体を規則的に配列し、主に円柱状に炉
心を構成している。
【0003】その結果、中性子の利用効率が改善されて
炉内で発生した中性子が炉心外に漏れ出ていく割合が減
少し、燃料物質の富化度(濃縮度)を減少させることが
でき、燃料中の親物質の割合が増加し、炉心部の内部転
換化が増大し、燃焼による反応度減少量を軽減し、運転
サイクルが長期化するなどのメリットが生じてくること
が知られている。
炉内で発生した中性子が炉心外に漏れ出ていく割合が減
少し、燃料物質の富化度(濃縮度)を減少させることが
でき、燃料中の親物質の割合が増加し、炉心部の内部転
換化が増大し、燃焼による反応度減少量を軽減し、運転
サイクルが長期化するなどのメリットが生じてくること
が知られている。
【0004】このように大型炉心では小型炉心に比べ大
幅に炉心特性が改善され、スケールメリットとして具体
化している。
幅に炉心特性が改善され、スケールメリットとして具体
化している。
【0005】高速炉では温度反応度係数、出力係数等の
炉心の安全性に関する基本特性は“負”となり従来の軽
水炉と同じく出力係数の“負値”性は達成されることが
実証されているが、炉心の大型化に伴い、冷却の密度係
数は“正”となることが知られている。
炉心の安全性に関する基本特性は“負”となり従来の軽
水炉と同じく出力係数の“負値”性は達成されることが
実証されているが、炉心の大型化に伴い、冷却の密度係
数は“正”となることが知られている。
【0006】炉心の出力上昇に伴う冷却材の密度減少効
果は反応度への寄与として“正”となるということであ
る。この点で、冷却材の密度係数としての“正”の寄与
を低減すること、または“ゼロ化”することは、多くの
検討が行われている。
果は反応度への寄与として“正”となるということであ
る。この点で、冷却材の密度係数としての“正”の寄与
を低減すること、または“ゼロ化”することは、多くの
検討が行われている。
【0007】その一つの手段は炉心を偏平化することが
有効なことは周知である。軸方向への偏平化、または半
径方向への偏平化がその代表例で両者の組み合わせ、炉
心の周辺に冷却材だけの領域を配置するなども周知例で
ある。
有効なことは周知である。軸方向への偏平化、または半
径方向への偏平化がその代表例で両者の組み合わせ、炉
心の周辺に冷却材だけの領域を配置するなども周知例で
ある。
【0008】図9は従来例として大型高速炉の冷却材密
度係数、冷却材ボイド反応度低減の目的で検討されたア
ニュラー型大型炉を示す例である。図9(a)は炉心を
中心から切断した斜視図であり、図9(b)は図9
(a)の炉心を上部から見た配置図である。図中符号1
は炉心燃料、2はブランケット燃料を示し、ブランケッ
ト燃料2は内外とも2層有している。炉心高さは 100cm
の例である。
度係数、冷却材ボイド反応度低減の目的で検討されたア
ニュラー型大型炉を示す例である。図9(a)は炉心を
中心から切断した斜視図であり、図9(b)は図9
(a)の炉心を上部から見た配置図である。図中符号1
は炉心燃料、2はブランケット燃料を示し、ブランケッ
ト燃料2は内外とも2層有している。炉心高さは 100cm
の例である。
【0009】炉心領域の領域幅を薄くして炉心領域の冷
却材密度係数を低減しようとするものである。同時に燃
料増殖比についても、 1.0以上を超え、 1.2程度を目指
すために炉心の周辺をブランケットで囲んでいる。
却材密度係数を低減しようとするものである。同時に燃
料増殖比についても、 1.0以上を超え、 1.2程度を目指
すために炉心の周辺をブランケットで囲んでいる。
【0010】定格運転時の炉心部の最大線出力が同一な
らば、図9に示すようなアニュラー型の炉心は、同一燃
料本数から構成される単純な円筒形状の炉心より炉心直
径が増大することになる。なお、図9(b)には、炉心
部に従来型の円筒形状の大型炉心で使用される制御棒チ
ャンネルを有する例で示している。
らば、図9に示すようなアニュラー型の炉心は、同一燃
料本数から構成される単純な円筒形状の炉心より炉心直
径が増大することになる。なお、図9(b)には、炉心
部に従来型の円筒形状の大型炉心で使用される制御棒チ
ャンネルを有する例で示している。
【0011】上述のようなアニュラー型炉心を用いるこ
とによって炉心部の冷却材密度係数を低減させる場合の
炉心部の領域幅と冷却材密度係数の大きさの関係を示し
たものが図10である。
とによって炉心部の冷却材密度係数を低減させる場合の
炉心部の領域幅と冷却材密度係数の大きさの関係を示し
たものが図10である。
【0012】この図はプルトニウム・ウラン混合酸化物
燃料を使用した 1000MWe級の大型炉で平均出力密度が約
300W/ccの例である。炉心高さを1mと固定して炉心領
域幅を変化させたときの炉心部ナトリウムボイド反応度
は炉心の実効領域幅が約30〜35cm以下でゼロ化すること
が示されている。
燃料を使用した 1000MWe級の大型炉で平均出力密度が約
300W/ccの例である。炉心高さを1mと固定して炉心領
域幅を変化させたときの炉心部ナトリウムボイド反応度
は炉心の実効領域幅が約30〜35cm以下でゼロ化すること
が示されている。
【0013】この図10は、核分裂生成物の炉内蓄積量が
多くなるサイクル末期がナトリウムボイド反応度評価上
は正側にシフトさせる要因となるので平衡サイクル末期
の評価結果である。
多くなるサイクル末期がナトリウムボイド反応度評価上
は正側にシフトさせる要因となるので平衡サイクル末期
の評価結果である。
【0014】炉心部のナトリウムボイド反応度がゼロと
なる炉心サイズは、この例では内側直径約 3.7m、外径
約 4.9mとなる。
なる炉心サイズは、この例では内側直径約 3.7m、外径
約 4.9mとなる。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】また、このようなゼロ
ナトリウムボイド反応度を有するアニュラー型炉心では
中性子の漏れが増加するのでPu富化度が増大する傾向
を示す他に、炉心がアニュラー形状であることに起因し
て、図9(b)の炉心のA,Bと図示した領域同志の中
性子結合が弱くなる。
ナトリウムボイド反応度を有するアニュラー型炉心では
中性子の漏れが増加するのでPu富化度が増大する傾向
を示す他に、炉心がアニュラー形状であることに起因し
て、図9(b)の炉心のA,Bと図示した領域同志の中
性子結合が弱くなる。
【0016】この結果、AまたはBの領域の制御棒1本
が定格運転中に誤落下して挿入された場合でも、A,B
の領域間の中性子結合が弱いので出力分布の歪みが大き
くなる現象として現れる。
が定格運転中に誤落下して挿入された場合でも、A,B
の領域間の中性子結合が弱いので出力分布の歪みが大き
くなる現象として現れる。
【0017】このような傾向は従来の円筒形状の大型炉
心においても見られる問題であるが、周方向の拡がりが
大きいアニュラー型炉心では出力分布の局所歪みがより
大きくなる。
心においても見られる問題であるが、周方向の拡がりが
大きいアニュラー型炉心では出力分布の局所歪みがより
大きくなる。
【0018】実際に、 1000MWe級のゼロナトリウムボイ
ド反応度を有する炉心高さ 100cm、炉心領域幅が30〜40
cmのアニュラー型炉心の制御棒価値は、見かけ上、数¢
と従来型円筒形状炉心の1本の制御棒価値約80¢のより
大幅に減少することがあり得る。
ド反応度を有する炉心高さ 100cm、炉心領域幅が30〜40
cmのアニュラー型炉心の制御棒価値は、見かけ上、数¢
と従来型円筒形状炉心の1本の制御棒価値約80¢のより
大幅に減少することがあり得る。
【0019】したがって、運転時の制御棒の動きと出力
分布の歪みが円筒形状の大型炉心の場合に比較して、制
御棒操作等に自由度が小さくなる可能性が指摘され、炉
心部のナトリウムボイド反応度のゼロ化という基本的な
ナトリウム密度係数の“正”の反応度フィードバック成
分を“ゼロ化”または“負化”するために、通常時の運
転,制御に制約が増大するデメリットが大きいと考えら
れ、炉心を制御棒により制御するアニュラー型大型炉心
は、その成立性に本質的な課題があると考えられてい
る。
分布の歪みが円筒形状の大型炉心の場合に比較して、制
御棒操作等に自由度が小さくなる可能性が指摘され、炉
心部のナトリウムボイド反応度のゼロ化という基本的な
ナトリウム密度係数の“正”の反応度フィードバック成
分を“ゼロ化”または“負化”するために、通常時の運
転,制御に制約が増大するデメリットが大きいと考えら
れ、炉心を制御棒により制御するアニュラー型大型炉心
は、その成立性に本質的な課題があると考えられてい
る。
【0020】本発明は上記課題を解決するためになされ
たもので、低ナトリウムボイド反応度を有する大型炉心
の持つ運転制御性の困難さを解決し、炉心上部を簡素化
し、大型炉心の局所臨界性を阻止し、冷却材の密度係数
を負とすることができる高速炉の炉心を提供することに
ある。
たもので、低ナトリウムボイド反応度を有する大型炉心
の持つ運転制御性の困難さを解決し、炉心上部を簡素化
し、大型炉心の局所臨界性を阻止し、冷却材の密度係数
を負とすることができる高速炉の炉心を提供することに
ある。
【0021】
【課題を解決するための手段】本発明はプルトニウム等
の核分裂性物質を燃料として、高速中性子を主体とした
中性子スペクトルを有する高速炉のうち、出力発生とな
る炉心燃料部領域に燃料集合体を規則的に配列したアニ
ュラー型炉心を有する高速炉の炉心において、前記炉心
燃料部領域の径方向に隣接した少なくとも一方に反応度
制御用反射体領域を設け、この反応度制御用反射体領域
に上下方向に移動する反応度制御用反射体を設けてなる
ことを特徴とする。
の核分裂性物質を燃料として、高速中性子を主体とした
中性子スペクトルを有する高速炉のうち、出力発生とな
る炉心燃料部領域に燃料集合体を規則的に配列したアニ
ュラー型炉心を有する高速炉の炉心において、前記炉心
燃料部領域の径方向に隣接した少なくとも一方に反応度
制御用反射体領域を設け、この反応度制御用反射体領域
に上下方向に移動する反応度制御用反射体を設けてなる
ことを特徴とする。
【0022】
【作用】本発明は大型高速炉の“ゼロ”ナトリウムボイ
ド反応度化と運転サイクルの長期化等の炉心性能の向上
を同時に満足させ、炉心の中性子結合が弱くなった炉心
においても運転制御を可能とする。
ド反応度化と運転サイクルの長期化等の炉心性能の向上
を同時に満足させ、炉心の中性子結合が弱くなった炉心
においても運転制御を可能とする。
【0023】同時に、アニュラー型炉心に隣接する内側
または外側領域に反射体領域を設置して、炉心を下から
反射体で取り囲むように上方向にゆっくり移動すること
により炉心を臨界に保ち、温度出力補償反応度を調整す
るように反射体を移動するなどにより定格出力を達成
し、燃焼に伴う反応度補償を反射体を上方向にゆっくり
上昇することによって行う。
または外側領域に反射体領域を設置して、炉心を下から
反射体で取り囲むように上方向にゆっくり移動すること
により炉心を臨界に保ち、温度出力補償反応度を調整す
るように反射体を移動するなどにより定格出力を達成
し、燃焼に伴う反応度補償を反射体を上方向にゆっくり
上昇することによって行う。
【0024】反射体の制御方法は、反射体の異常な動き
を防止する機構を使用して1つの制御用反射体の反応度
価値を大きくし、また異常時には反射体が自重落下する
ことにより、負の反応度投入のみとなるフェイルセーフ
方式技術と組み合わせる。これにより、大型アニュラー
型炉心の制御棒方式による誤落下時のような中性子結合
が弱いということに起因する本質的な困難さを回避する
ことが可能である。
を防止する機構を使用して1つの制御用反射体の反応度
価値を大きくし、また異常時には反射体が自重落下する
ことにより、負の反応度投入のみとなるフェイルセーフ
方式技術と組み合わせる。これにより、大型アニュラー
型炉心の制御棒方式による誤落下時のような中性子結合
が弱いということに起因する本質的な困難さを回避する
ことが可能である。
【0025】さらに、大型アニュラー型炉心の出力の変
動要求に対しては、通常の円柱状炉心に比べて炉心支持
板の膨脹に伴う負の反応度係数が50%以上その絶対値が
大きくなるという炉心構造上の特長がある。
動要求に対しては、通常の円柱状炉心に比べて炉心支持
板の膨脹に伴う負の反応度係数が50%以上その絶対値が
大きくなるという炉心構造上の特長がある。
【0026】したがって、部分負荷運転など炉出力の変
動を制御用反射体の移動ではなく、一次系冷却材の入口
温度の変更を行うタービン系の調整機能を利用して行う
ことができる可能性がある。
動を制御用反射体の移動ではなく、一次系冷却材の入口
温度の変更を行うタービン系の調整機能を利用して行う
ことができる可能性がある。
【0027】
【実施例】図1から図8により本発明に係る高速炉の炉
心の第1から第5の実施例を説明するが、その前に反射
体制御によるアニュラー型炉心では反射体の駆動機構が
重要であるので、はじめに本発明のアニュラー型炉心で
使用する反射体駆動装置について説明し、次に本発明の
実施例を図面により説明する。
心の第1から第5の実施例を説明するが、その前に反射
体制御によるアニュラー型炉心では反射体の駆動機構が
重要であるので、はじめに本発明のアニュラー型炉心で
使用する反射体駆動装置について説明し、次に本発明の
実施例を図面により説明する。
【0028】反射体の駆動装置はプラントを起動(また
は原子炉停止後の再起動)および停止する際に反射体を
比較的高速で動作させる反射体炉停止機構と原子炉を起
動した燃焼補償のために反射体を微速で引き抜く機能を
有する反射体微調整駆動機構の各々独立した2系統の駆
動機構から構成される。
は原子炉停止後の再起動)および停止する際に反射体を
比較的高速で動作させる反射体炉停止機構と原子炉を起
動した燃焼補償のために反射体を微速で引き抜く機能を
有する反射体微調整駆動機構の各々独立した2系統の駆
動機構から構成される。
【0029】(a)反射体炉停止機構 反射体炉停止機構は油圧を用いて反射体を一定ストロー
ク引き抜くことにより反射体を定格出力位置まで引き抜
いて原子炉を起動する機能を有する。この起動操作の際
に誤操作等による異常な反応度挿入(TOP事故)が発
生するため油圧系による昇降ストロークを機械的に制限
し、異常な反応度挿入(TOP事故)が原理的に起こり
得ない構成としている。
ク引き抜くことにより反射体を定格出力位置まで引き抜
いて原子炉を起動する機能を有する。この起動操作の際
に誤操作等による異常な反応度挿入(TOP事故)が発
生するため油圧系による昇降ストロークを機械的に制限
し、異常な反応度挿入(TOP事故)が原理的に起こり
得ない構成としている。
【0030】さらに反射体炉停止機構はプラントに何ら
かの異常が発生した際に、反射体を定格出力位置から挿
入して原子炉を停止させる機能を有する。この炉停止動
作は反射体炉停止機構の油圧系に設けられた解放弁の励
磁電源を遮断して油圧を解放することにより反射体が自
重で挿入されるフェイルセーフな方式を採用する。
かの異常が発生した際に、反射体を定格出力位置から挿
入して原子炉を停止させる機能を有する。この炉停止動
作は反射体炉停止機構の油圧系に設けられた解放弁の励
磁電源を遮断して油圧を解放することにより反射体が自
重で挿入されるフェイルセーフな方式を採用する。
【0031】(b)反射体微調整駆動機構 反射体微調整駆動機構は反射体炉停止機構によって起動
が完了したのちに、炉心の燃焼補償のために反射体を微
速度で徐々に引き抜く機能を有している。このため、駆
動モータにより非常に高い減速比のギヤ(サイクロ)を
介してボールネジを駆動することにより反射体を起動完
了位置から微速で引き抜くことができる。
が完了したのちに、炉心の燃焼補償のために反射体を微
速度で徐々に引き抜く機能を有している。このため、駆
動モータにより非常に高い減速比のギヤ(サイクロ)を
介してボールネジを駆動することにより反射体を起動完
了位置から微速で引き抜くことができる。
【0032】この際、駆動モータの電源はプラントの発
電機の出力から取ることにより燃焼が進むプラント運転
時だけ一定速度で燃焼補償動作を行うことができ、運転
員の操作を介すことなく、燃焼補償運転を安定に自動的
に行うことができる。
電機の出力から取ることにより燃焼が進むプラント運転
時だけ一定速度で燃焼補償動作を行うことができ、運転
員の操作を介すことなく、燃焼補償運転を安定に自動的
に行うことができる。
【0033】次に、図1から図4を参照して本発明に係
る高速炉の炉心の第1の実施例を説明する。図1は本実
施例に係る高速炉のアニュラー型大型炉心の基本構成の
概略を平面的に示し、図2に図1の垂直断面を分解図的
に示している。
る高速炉の炉心の第1の実施例を説明する。図1は本実
施例に係る高速炉のアニュラー型大型炉心の基本構成の
概略を平面的に示し、図2に図1の垂直断面を分解図的
に示している。
【0034】図1および図2において、符号11は燃料集
合体が円環状に沿う12角形状に配列された炉心燃料部
で、この炉心燃料部11の領域の外側と内側に隣接する領
域に外側反射体12と内側反射体13が設置されている。炉
心燃料部11と外側および内側反射体12,13の領域の間に
は、図示してないが冷却材の流量領域を区分する仕切
板、反射体の移動を支える構造物などがある。なお、図
中符号15は外側中性子吸収体領域を示し、i1からi6
は内側反射体セクター番号であり、o1からo6は外側
反射体セクター番号を示している。
合体が円環状に沿う12角形状に配列された炉心燃料部
で、この炉心燃料部11の領域の外側と内側に隣接する領
域に外側反射体12と内側反射体13が設置されている。炉
心燃料部11と外側および内側反射体12,13の領域の間に
は、図示してないが冷却材の流量領域を区分する仕切
板、反射体の移動を支える構造物などがある。なお、図
中符号15は外側中性子吸収体領域を示し、i1からi6
は内側反射体セクター番号であり、o1からo6は外側
反射体セクター番号を示している。
【0035】なお、図2中符号16は下部軸ブランケッ
ト、17は上部軸ブランケット、18は内側ブランケット、
19は外側ブランケット、20は反射体引き抜き時上限位
置、21は反射体引き下げ時位置をそれぞれ示している。
ト、17は上部軸ブランケット、18は内側ブランケット、
19は外側ブランケット、20は反射体引き抜き時上限位
置、21は反射体引き下げ時位置をそれぞれ示している。
【0036】ここで、炉心の大きさを説明する。原子炉
熱出力1500MW(電気出力約600MWe級)の炉心では、次の
炉心基本仕様のもとで炉心のナトリウムボイド反応度の
ゼロ化を達成することができる。 炉心高さ 2m アニュラー型炉心の等価内半径 2m アニュラー型炉心の等価外半径 2.4m
熱出力1500MW(電気出力約600MWe級)の炉心では、次の
炉心基本仕様のもとで炉心のナトリウムボイド反応度の
ゼロ化を達成することができる。 炉心高さ 2m アニュラー型炉心の等価内半径 2m アニュラー型炉心の等価外半径 2.4m
【0037】燃料集合体は図3に示したように六角筒状
ラッパ管22内に規則的に燃料ピン23が配列されたものか
らなっている。六角筒状の燃料集合体が規則的に配置さ
れ円環形状のアニュラー型炉心を構成し、その燃料集合
体ピッチ内で燃料の割合を定義する燃料体積比を約35%
と設計すると燃料の最大線出力約350W/cmで反応度寿命
約 3.5年となる。
ラッパ管22内に規則的に燃料ピン23が配列されたものか
らなっている。六角筒状の燃料集合体が規則的に配置さ
れ円環形状のアニュラー型炉心を構成し、その燃料集合
体ピッチ内で燃料の割合を定義する燃料体積比を約35%
と設計すると燃料の最大線出力約350W/cmで反応度寿命
約 3.5年となる。
【0038】この時の炉心24に隣接する反射体は例えば
図4に示すような基本構造とする。反射体の構造は上部
に空隙部の多いキャビティ領域26をもち、ステンレスス
チール等反射体スチール部25の反射物質を 1.3〜 1.5m
の長さ、厚さ約15cmである。
図4に示すような基本構造とする。反射体の構造は上部
に空隙部の多いキャビティ領域26をもち、ステンレスス
チール等反射体スチール部25の反射物質を 1.3〜 1.5m
の長さ、厚さ約15cmである。
【0039】反応度寿命は炉心燃料を1バッチの全交換
を想定すると約 3.5年で取出し燃焼度は約5万Mwd /+
程度(酸化物燃料)であった。Pu富化度は約27%とな
り、従来の燃料製造実値のPu富化度以下である。
を想定すると約 3.5年で取出し燃焼度は約5万Mwd /+
程度(酸化物燃料)であった。Pu富化度は約27%とな
り、従来の燃料製造実値のPu富化度以下である。
【0040】このアニュラー型炉心の燃料交換方式は、
1年〜2年の運転サイクルで3〜4バッチなどの従来の
大型炉心と同様にすることも可能である。
1年〜2年の運転サイクルで3〜4バッチなどの従来の
大型炉心と同様にすることも可能である。
【0041】炉心の基本仕様である炉心高さはナトリウ
ムボイド反応度への要求条件、運転サイクル長さなどに
より最適化することができる。
ムボイド反応度への要求条件、運転サイクル長さなどに
より最適化することができる。
【0042】また、外側および内側反射体12,13の外側
に内側および外側中性子吸収体領域14,15を配置するこ
とはナトリウムボイド反応度への要求条件、運転サイク
ル長さ、反射体有効部分の有効長さ等と関係しており、
反応度寿命などを長期化するために有効な工夫である。
に内側および外側中性子吸収体領域14,15を配置するこ
とはナトリウムボイド反応度への要求条件、運転サイク
ル長さ、反射体有効部分の有効長さ等と関係しており、
反応度寿命などを長期化するために有効な工夫である。
【0043】この第1の実施例では中性子吸収体領域に
B4 C(10Bの含有率は天然存在比)を、領域内で水平
断面内の体積比約35%とし、実効領域幅約3cmとし、反
射体領域を取り囲むように配置している。
B4 C(10Bの含有率は天然存在比)を、領域内で水平
断面内の体積比約35%とし、実効領域幅約3cmとし、反
射体領域を取り囲むように配置している。
【0044】また、上記の実施例では、炉心領域の内側
/外側領域に設置した反射体の反応度価値は、その比率
で示すと内側:外側=4:6であった。この事実より、
炉心領域の内側,外側の反射体を原子炉の運転制御のた
めに使用する上で、反応度の粗調整用、微調整用と分け
て使用するように炉心および反射体を最適化することが
可能である。
/外側領域に設置した反射体の反応度価値は、その比率
で示すと内側:外側=4:6であった。この事実より、
炉心領域の内側,外側の反射体を原子炉の運転制御のた
めに使用する上で、反応度の粗調整用、微調整用と分け
て使用するように炉心および反射体を最適化することが
可能である。
【0045】また、内側反射体と外側反射体をそれぞれ
主炉停止系、後備炉停止系としての機能を持たせること
が可能である。
主炉停止系、後備炉停止系としての機能を持たせること
が可能である。
【0046】内側反射体または外側反射体は分割した複
数個から成り立つものとし、それぞれの反射体領域内で
複数セクターを協調して駆動することとし、それぞれの
機能として運転用の反応度調整用の微調整,粗調整反射
体に分割すること、主炉停止系、後備炉停止系として機
能を持たせることができる。
数個から成り立つものとし、それぞれの反射体領域内で
複数セクターを協調して駆動することとし、それぞれの
機能として運転用の反応度調整用の微調整,粗調整反射
体に分割すること、主炉停止系、後備炉停止系として機
能を持たせることができる。
【0047】これらのセクター形状に分割した反射体の
場合は要求される機能によって反射体の厚さ,長さを最
適化することで別々の形状を有することで対応できる。
場合は要求される機能によって反射体の厚さ,長さを最
適化することで別々の形状を有することで対応できる。
【0048】次に反射体による炉心の起動から停止まで
の運転方法について説明する。原子炉の起動はまず例え
ば約 200℃の低温状態から1次,2次の主循環ポンプを
起動してポンプ入熱により昇温する。これにより反射体
の異常引き抜きによる反応度挿入(TOP事故)に対す
る反応度の余裕を確保している。
の運転方法について説明する。原子炉の起動はまず例え
ば約 200℃の低温状態から1次,2次の主循環ポンプを
起動してポンプ入熱により昇温する。これにより反射体
の異常引き抜きによる反応度挿入(TOP事故)に対す
る反応度の余裕を確保している。
【0049】系統昇温後は反射体炉停止機構の油圧系の
起動制御弁を操作して、反射体を一定速度で引き抜く。
反射体は機械的なストッパー機構により一定ストローク
以上引き抜くことができない構造になっているため、ス
トッパーに当る位置で引き抜きが停止する。
起動制御弁を操作して、反射体を一定速度で引き抜く。
反射体は機械的なストッパー機構により一定ストローク
以上引き抜くことができない構造になっているため、ス
トッパーに当る位置で引き抜きが停止する。
【0050】原子炉臨界は反射体を引き抜く途中段階で
達成される。臨界点からさらに反射体を引き抜くことに
より、所定の反応度が加えられ、負の出力係数を有する
体系を定格出力まで達する。
達成される。臨界点からさらに反射体を引き抜くことに
より、所定の反応度が加えられ、負の出力係数を有する
体系を定格出力まで達する。
【0051】原子炉が起動を完了して定常運転に入る
と、炉心燃料の燃焼が進むことにより原子炉出力が徐々
に低下してくる。このため、反射体微調整駆動機構によ
り反射体を微速度で徐々に引き抜くことにより燃焼補償
を行う。
と、炉心燃料の燃焼が進むことにより原子炉出力が徐々
に低下してくる。このため、反射体微調整駆動機構によ
り反射体を微速度で徐々に引き抜くことにより燃焼補償
を行う。
【0052】反射体の引き抜き速度を一定にするため、
発電機の出力を利用する構成としている。発電機周波数
および出力電圧は制御装置によりコントロールされてい
る。
発電機の出力を利用する構成としている。発電機周波数
および出力電圧は制御装置によりコントロールされてい
る。
【0053】しかしながら、万一、制御装置が故障した
場合を想定し、反射体の異常な引き抜きが発生すること
に対する対策の一例として駆動モータの負荷側にカップ
リングを設け、回転数が増大した場合にカップリングの
結合トルクを解放して、一定回転数以上に増大すること
を防止する方法が考えられる。
場合を想定し、反射体の異常な引き抜きが発生すること
に対する対策の一例として駆動モータの負荷側にカップ
リングを設け、回転数が増大した場合にカップリングの
結合トルクを解放して、一定回転数以上に増大すること
を防止する方法が考えられる。
【0054】プラントの計画停止時も電源喪失時にも同
様な手順で原子炉を停止することができる。原子炉停止
の際には、反射体炉停止機構の油圧系の解放弁を操作す
ることにより油圧シリンダの圧力を解放して、反射体を
一定速度で挿入させる。電源喪失の場合も、同様の動作
を行う。
様な手順で原子炉を停止することができる。原子炉停止
の際には、反射体炉停止機構の油圧系の解放弁を操作す
ることにより油圧シリンダの圧力を解放して、反射体を
一定速度で挿入させる。電源喪失の場合も、同様の動作
を行う。
【0055】図1,図2には内側ブランケット,外側ブ
ランケット領域を設置した例が示されている。これは大
型炉として増殖比に対する要求をゼロボイド反応度要求
に加えて満足させるための方策の一つである。
ランケット領域を設置した例が示されている。これは大
型炉として増殖比に対する要求をゼロボイド反応度要求
に加えて満足させるための方策の一つである。
【0056】次に図5により本発明の第2の実施例を説
明する。この第2の実施例では炉心燃料部を正12角形の
環状に構成したものである。
明する。この第2の実施例では炉心燃料部を正12角形の
環状に構成したものである。
【0057】外側反射体12,内側反射体13とともに板状
体にして各々の辺に配置している。この実施例では炉心
のアニュラー形状も内外周に沿って完全な円環形状であ
る必要はなく反射体の形状との組合せは任意性がある。
体にして各々の辺に配置している。この実施例では炉心
のアニュラー形状も内外周に沿って完全な円環形状であ
る必要はなく反射体の形状との組合せは任意性がある。
【0058】図6は、アニュラー型炉心燃料部11に隣接
して外側に径ブランケット領域27を配置し、炉心燃料部
11の内側に制御用内側反射体13を隣接して設置した第3
の実施例を示している。図6中、符号28は中性子吸収体
領域、29は燃料ラック領域でそれぞれ内側に配置されて
いる。
して外側に径ブランケット領域27を配置し、炉心燃料部
11の内側に制御用内側反射体13を隣接して設置した第3
の実施例を示している。図6中、符号28は中性子吸収体
領域、29は燃料ラック領域でそれぞれ内側に配置されて
いる。
【0059】図7は図6と反対にアニュラー型炉心燃料
部11の内側に隣接して径ブランケット27を配置し、制御
用外側反射体領域30を外側に隣接させた第4の実施例で
ある。図7中、符号15は外側中性子吸収体領域である。
部11の内側に隣接して径ブランケット27を配置し、制御
用外側反射体領域30を外側に隣接させた第4の実施例で
ある。図7中、符号15は外側中性子吸収体領域である。
【0060】図8は内部ブランケット31を炉心燃料部11
の内部に配置した第5の実施例である。図8は炉心燃料
部11の両側に反応度制御用反射体12,13の領域を設置し
ているが、炉心設計によっては内側のみ、または外側の
みに反応度制御用反射体を設置することも可能である。
の内部に配置した第5の実施例である。図8は炉心燃料
部11の両側に反応度制御用反射体12,13の領域を設置し
ているが、炉心設計によっては内側のみ、または外側の
みに反応度制御用反射体を設置することも可能である。
【0061】図6から図8のアニュラー型炉心の内側の
領域の利用の一方法として、内側の中性子吸収体領域の
内側スペースにはアニュラー型炉心部から使用済燃料の
一時的冷却のための燃料ラックとして利用できる。
領域の利用の一方法として、内側の中性子吸収体領域の
内側スペースにはアニュラー型炉心部から使用済燃料の
一時的冷却のための燃料ラックとして利用できる。
【0062】燃料ラックの周辺は中性子吸収体領域で囲
むことにより燃料ラック領域の未臨界度を十分低くする
ことが可能で炉心部から漏れ出す中性子の遮蔽の役割も
果たされる。
むことにより燃料ラック領域の未臨界度を十分低くする
ことが可能で炉心部から漏れ出す中性子の遮蔽の役割も
果たされる。
【0063】図1,図6から図8には反応度制御用反射
体領域の炉心の反対側に中性子吸収体領域を設置し、制
御用反射体領域と中性子吸収体領域を対として配置する
ことにより、ナトリウムボイド反応度に対する要求条件
と炉心基本形状、燃料仕様との関係の選択幅を大きくす
る。結果として反射体の軸方向、厚さ仕様、反応度寿命
(サイクル長さ)などを改善することにつながる。
体領域の炉心の反対側に中性子吸収体領域を設置し、制
御用反射体領域と中性子吸収体領域を対として配置する
ことにより、ナトリウムボイド反応度に対する要求条件
と炉心基本形状、燃料仕様との関係の選択幅を大きくす
る。結果として反射体の軸方向、厚さ仕様、反応度寿命
(サイクル長さ)などを改善することにつながる。
【0064】次に反応度制御に関係して反射体運用につ
いての基本的な条件の実施例を示す。既に述べたアニュ
ラー型大型炉心で低ナトリウムボイドまたはゼロナトリ
ウムボイド反応度化することにより、炉心領域間の中性
子結果が弱くなり、制御棒または制御ドラム方式では本
質的に回避することができない局所臨界性の課題を反射
体の運用方式で解決することを実施例図1により説明す
る。
いての基本的な条件の実施例を示す。既に述べたアニュ
ラー型大型炉心で低ナトリウムボイドまたはゼロナトリ
ウムボイド反応度化することにより、炉心領域間の中性
子結果が弱くなり、制御棒または制御ドラム方式では本
質的に回避することができない局所臨界性の課題を反射
体の運用方式で解決することを実施例図1により説明す
る。
【0065】本発明では既に説明した反射体のフェイル
セーフ方式の駆動機構を前提としているが、大型炉心に
適用できる反射体運用には満足すべき条件が存在する。
セーフ方式の駆動機構を前提としているが、大型炉心に
適用できる反射体運用には満足すべき条件が存在する。
【0066】炉心に何らかの反応度外乱などにより異常
が生じたとき、炉の温度補償反応度分に相当するだけ反
射体が落下して全炉心にわたって十分に負の反応度が投
入されることが必要である。
が生じたとき、炉の温度補償反応度分に相当するだけ反
射体が落下して全炉心にわたって十分に負の反応度が投
入されることが必要である。
【0067】まず、図1の制御用反射体が内側または外
側で一体協調駆動の場合は、15cm程度の落下で約−1$
の反応度が投入される。一体協調駆動の場合はこの負の
反応度が全炉心にわたって投入されるので局所臨界とな
ることはない。酸化物燃料の場合には約−3$が典型的
な定格出力からゼロ出力までの出力低下に必要となる大
きさであり、金属燃料炉心を想定すれば約−1$がそれ
に対応する値となる。
側で一体協調駆動の場合は、15cm程度の落下で約−1$
の反応度が投入される。一体協調駆動の場合はこの負の
反応度が全炉心にわたって投入されるので局所臨界とな
ることはない。酸化物燃料の場合には約−3$が典型的
な定格出力からゼロ出力までの出力低下に必要となる大
きさであり、金属燃料炉心を想定すれば約−1$がそれ
に対応する値となる。
【0068】したがって、図1の実施例では大きくても
約45cmの落下が所定時間内に生ずれば炉の安全性を確保
できる。
約45cmの落下が所定時間内に生ずれば炉の安全性を確保
できる。
【0069】炉心まわりのセクター状の分割された反射
体が落下して、全炉心にわたってできるだけ均等に負の
反応度効果を最大に投入するためには、炉心の周方向の
1/2が影響を受けるように協調駆動することである。
図1の内側反射体のi1−i3−i5またはi2−i4
−i6の記号の分割されたセクターが落下することであ
る。
体が落下して、全炉心にわたってできるだけ均等に負の
反応度効果を最大に投入するためには、炉心の周方向の
1/2が影響を受けるように協調駆動することである。
図1の内側反射体のi1−i3−i5またはi2−i4
−i6の記号の分割されたセクターが落下することであ
る。
【0070】酸化物燃料を使用したアニュラー型大型炉
心では約90cmの反射体落下で約−3$の反応度が投入さ
れ、金属燃料を使用した炉心では約30cmの反射体落下を
必要とする。
心では約90cmの反射体落下で約−3$の反応度が投入さ
れ、金属燃料を使用した炉心では約30cmの反射体落下を
必要とする。
【0071】この反射体落下の必要の量は、炉心高さ
1.5〜 2.0mの現実的な高さの反射体制御のアニュラー
型大型炉心にとって、炉心高さとの調和が十分な大きさ
である。金属燃料とすることで、炉心高さと反射体落下
必要量との組合せ選択幅は大幅に拡がることも示されて
いる。
1.5〜 2.0mの現実的な高さの反射体制御のアニュラー
型大型炉心にとって、炉心高さとの調和が十分な大きさ
である。金属燃料とすることで、炉心高さと反射体落下
必要量との組合せ選択幅は大幅に拡がることも示されて
いる。
【0072】図6および図7に示した実施例については
片側に制御用反射体が設置しても、考え方は図1と同じ
である。すなわち、反応度補償のうち出力ゼロから定格
出力レベルまでの分については炉心の運転サイクル長さ
など燃焼特性に直接伴う特性と異なり、炉心の最大線出
力の選定などの定格出力特性の選定により決まる共通因
子なので、考え方は同一であれば、図1と図6および図
7の実施例ともに上記の議論が適用できる。
片側に制御用反射体が設置しても、考え方は図1と同じ
である。すなわち、反応度補償のうち出力ゼロから定格
出力レベルまでの分については炉心の運転サイクル長さ
など燃焼特性に直接伴う特性と異なり、炉心の最大線出
力の選定などの定格出力特性の選定により決まる共通因
子なので、考え方は同一であれば、図1と図6および図
7の実施例ともに上記の議論が適用できる。
【0073】本発明の実施態様は次のとおりである。 (1) 炉心と隣接する反応度制御用反射体領域をアニュラ
ー型炉心の内側または外側のみに設置すること。 (2) 運転用制御棒を炉心または隣接する領域に有しない
こと。
ー型炉心の内側または外側のみに設置すること。 (2) 運転用制御棒を炉心または隣接する領域に有しない
こと。
【0074】(3) 反応度制御用反射体は炉心の内側また
は外側に隣接する領域において一体駆動して反応度制御
すること。 (4) 炉心の内側または外側に隣接する領域において、反
応度制御用反射体は周方向に4つ以上の複数個の分割部
から構成され、互いに隣り合わない分割部が協調して駆
動し、炉心を見込む角度の合計が炉心の周方向の約1/
2となる反射体を構成すること。 (5) 反応度制御用反射体領域の周辺位置でかつ炉心領域
と反対側の位置に中性子吸収体領域を設置すること。
は外側に隣接する領域において一体駆動して反応度制御
すること。 (4) 炉心の内側または外側に隣接する領域において、反
応度制御用反射体は周方向に4つ以上の複数個の分割部
から構成され、互いに隣り合わない分割部が協調して駆
動し、炉心を見込む角度の合計が炉心の周方向の約1/
2となる反射体を構成すること。 (5) 反応度制御用反射体領域の周辺位置でかつ炉心領域
と反対側の位置に中性子吸収体領域を設置すること。
【0075】
【発明の効果】本発明によれば炉心上部に燃料集合体と
同じサイズの制御棒を設ける必要がないので炉心を簡素
化でき、また反射体を連動させることにより大型炉心の
局所臨界性を阻止し、さらに冷却材の密度係数を負とす
ることができ、よって運転制御が安定した炉心を提供で
きる。
同じサイズの制御棒を設ける必要がないので炉心を簡素
化でき、また反射体を連動させることにより大型炉心の
局所臨界性を阻止し、さらに冷却材の密度係数を負とす
ることができ、よって運転制御が安定した炉心を提供で
きる。
【図1】本発明に係る高速炉の炉心の第1の実施例を示
す平面図。
す平面図。
【図2】図1における炉心の軸方向を示す配置図。
【図3】図1における燃料集合体を示す平面図。
【図4】図1における炉心と反射体との関係を示す概念
図。
図。
【図5】本発明に係る高速炉の炉心の第2の実施例を示
す平面図。
す平面図。
【図6】本発明に係る高速炉の炉心の第3の実施例を示
す平面図。
す平面図。
【図7】本発明に係る高速炉の炉心の第4の実施例を示
す平面図。
す平面図。
【図8】本発明に係る高速炉の炉心の第5の実施例を示
す平面図。
す平面図。
【図9】(a)は従来の高速炉の炉心を一部断面で示す
概念図。(b)は(a)の炉心を拡大して示す平面図。
概念図。(b)は(a)の炉心を拡大して示す平面図。
【図10】図9の炉心における炉心の領域幅とナトリウ
ムボイド反応度の関係を示す特性図。
ムボイド反応度の関係を示す特性図。
11…炉心燃料部、12…外側反射体、13…内側反射体、14
…内側中性子吸収体領域、15…外側中性子吸収体領域、
16…下部軸ブランケット、17…上部軸ブランケット、18
…内側ブランケット、19…外側ブランケット、20…反射
体引き抜き時上限位置、21…反射体引き下げ時位置、22
…ラッパ管、23…燃料ピン、24…炉心、25…反射体スチ
ール部、26…キャビティ領域、27…径ブランケット領
域、28…中性子吸収体領域、29…燃料ラック領域、30…
外側反射体領域、31…内部ブランケット、i1〜i6…
内側反射体セクター番号、o1〜o6…外側セクター番
号。
…内側中性子吸収体領域、15…外側中性子吸収体領域、
16…下部軸ブランケット、17…上部軸ブランケット、18
…内側ブランケット、19…外側ブランケット、20…反射
体引き抜き時上限位置、21…反射体引き下げ時位置、22
…ラッパ管、23…燃料ピン、24…炉心、25…反射体スチ
ール部、26…キャビティ領域、27…径ブランケット領
域、28…中性子吸収体領域、29…燃料ラック領域、30…
外側反射体領域、31…内部ブランケット、i1〜i6…
内側反射体セクター番号、o1〜o6…外側セクター番
号。
Claims (1)
- 【請求項1】 プルトニウム等の核分裂性物質を燃料と
して、高速中性子を主体とした中性子スペクトルを有す
る高速炉のうち、出力発生となる炉心燃料部領域に燃料
集合体を規則的に配列したアニュラー型炉心を有する高
速炉の炉心において、前記炉心燃料部領域の径方向に隣
接した少なくとも一方に反応度制御用反射体領域を設
け、この反応度制御用反射体領域に上下方向に移動する
反応度制御用反射体を設けてなることを特徴とする高速
炉の炉心。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4244952A JPH0694877A (ja) | 1992-09-14 | 1992-09-14 | 高速炉の炉心 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4244952A JPH0694877A (ja) | 1992-09-14 | 1992-09-14 | 高速炉の炉心 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0694877A true JPH0694877A (ja) | 1994-04-08 |
Family
ID=17126402
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4244952A Pending JPH0694877A (ja) | 1992-09-14 | 1992-09-14 | 高速炉の炉心 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0694877A (ja) |
-
1992
- 1992-09-14 JP JP4244952A patent/JPH0694877A/ja active Pending
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