JPH0693802A - ガスタ−ビン静翼 - Google Patents

ガスタ−ビン静翼

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JPH0693802A
JPH0693802A JP24462092A JP24462092A JPH0693802A JP H0693802 A JPH0693802 A JP H0693802A JP 24462092 A JP24462092 A JP 24462092A JP 24462092 A JP24462092 A JP 24462092A JP H0693802 A JPH0693802 A JP H0693802A
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Japan
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wall plate
expansion space
gas turbine
film cooling
gas
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JP24462092A
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Tetsuya Chiba
哲也 千葉
Isao Takehara
竹原  勲
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Hitachi Ltd
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Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 冷却ガス流量を多くすることなく、インピン
ジ冷却及びフィルム冷却効果を効率良く行う。 【構成】 静翼壁板20に形成されるフィルム冷却孔3
0の流路が屈曲していると共に、その屈曲箇所に拡張空
間35が形成されている。拡張空間35には、静翼壁板
20の内表面21から拡張空間35までの入口側流路3
1を通過してきた冷却ガスGcの流れに対向し、且つ冷
却ガスGcの流れを乱す対向面36が形成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、静翼壁板に形成されて
いるフィルム冷却孔から該静翼壁板の外側に冷却ガスを
噴出するガスタービン静翼に関する。
【0002】
【従来の技術】一般的に、ガスタービンの第1段静翼
は、高温ガスに直接接触するほか、燃焼器からの熱放射
を受けるために、空気等で冷却する必要がある。このた
め、従来においては、例えば、図13及び図14に示す
ように、翼内の中空コアプラグ1に複数のインピンジ冷
却孔2,2,…を形成して、このインピンジ冷却孔2か
ら翼壁板3の内表面3aに冷却ガスGcを吹き付けると
共に、翼壁板3に直線的な流路のフィルム冷却孔4を形
成して、ここから冷却ガスGcを吹き出して翼壁板3の
外表面3bに空気の膜(フィルム)を形成するものがあ
る。
【0003】また、フィルム冷却孔の構造としては、例
えば、特開昭62−165504号公報や特開昭62−
168903号公報に記載されているものがある。前者
のものは、フィルム冷却孔の流路中に、円筒上の拡張空
間を形成し、この拡張空間内で冷却ガスを旋回させた
後、翼壁板の外表面に噴出するというものである。後者
のものは、フィルム冷却孔の流路を屈曲させ、翼壁板の
外表面に沿って冷却ガスが噴出されるようにしたもので
ある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】フィルム冷却効率η
は、一般的に、図10に示すように、高温の作動ガスG
gと冷却ガスGcの質量流量比Mに大きく影響される。な
お、フィルム冷却効率ηは、作動ガスGgの温度をTg、
冷却ガスGcの温度をTc、断熱壁温度Tadを、とする
と、(数1)のように表すことができる。
【0005】 η=(Tg−Tad)/(Tg−Tc)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(数1) また、質量流量比Mは、作動ガスGgの流速をVg、作動
ガスGgの密度をρg、冷却ガスGcの噴出速度をVC3
冷却ガスGcの密度をρC3、とすると、(数2)のように
表すことができる。 M=(ρg・Vg)/(ρC3・VC3)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(数2) ところで、フィルム冷却孔は、図12に示すように、静
翼の背側では、最も圧力が低い位置に設けられている。
これは、最も圧力が低い位置、つまりタービン作動ガス
Ggの流速が最も速い位置が、最も入熱量が多くなるか
らである。なお、同図において、縦軸は、静翼上流端の
圧力P01と該当部分の圧力Pとの比P/P01で、横軸
は、静翼の上流端から下流端までの幅Cと上流端から該
当部分までの幅Xとの比X/Cである。また、静翼の腹
側にも、図14に示すように、フィルム冷却孔5が設け
られているが、ここは、図12に示すように、比較的圧
力が高いので、コアプラグ1内の圧力は、少なくとも、
この静翼の腹側部分の圧力よりも高くなければ、腹側の
フィルム冷却孔5から冷却ガスGcを噴出させることが
できないばかりか、インピンジ冷却孔2からも冷却ガス
Gcを噴出させることができず、インピンジ冷却を行う
ことができなくなる。
【0006】一般的に、冷却ガスGcの噴出流速V
C3は、フィルム冷却孔4の入口部分の圧力PC1と出口部
分の圧力PC3と差に依存する。このため、以上のよう
に、背側のフィルム冷却孔4において、コアプラグ1内
の圧力が高く、冷却ガス噴出側(外側)の圧力が低く
て、静翼壁板3の内側と外側との圧力差が大きいと、冷
却ガスGcの噴出速度VC3は大きくなりがちである。し
たがって、従来の直線的な流路のフィルム冷却孔4で
は、噴出速度VC3が大きくなるため、(数2)に示すよ
うに、質量流量比Mが大きくなり、図10に示すよう
に、高いフィルム冷却効果を得ることができない。(図
10のフィルム冷却効率曲線において、従来のフィルム
冷却効率を表す点をA点として示す。)すなわち、フィ
ルム冷却効果を高めるために、コアプラグ1内の圧力を
低くして、冷却ガスGcの噴出速度VC3を低下させよう
とすると、インピンジ冷却を十分に行うことができなく
なり、逆に、インピンジ冷却を十分に行うために、コア
プラグ1内の圧力を高くすると、フィルム冷却孔から噴
出する冷却ガスGcの噴出速度VC3が高まり、フィルム
冷却効果が低下してしまう。
【0007】特開昭62−165504号公報に記載さ
ているものでも、円筒状の拡張空間の中では旋回流が生
じてしまうので、フィルム冷却孔の流路に入った冷却ガ
スは、このような拡張空間では流速を落すことができ
ず、前述したように、高いフィルム冷却効果を得ること
ができない。また、特開昭62−168903号公報に
記載されているものでも、フィルム冷却孔の流路中の屈
曲箇所において、流路内の冷却ガスの流れ方向が変わる
ものの、単に、屈曲箇所で冷却ガスの流れ方向が変わる
だけでは、冷却ガスの流速を減衰させることはできず、
結局、高いフィルム冷却効果を得ることができない。
【0008】ところで、フィルム冷却効果を高めるため
には、フィルム冷却孔の流路面積を大きくして、冷却ガ
ス流量を多くすることが考えられるが、これでは、ガス
タービン内に供給される冷却ガス量が多くなり、ガスタ
ービン全体の熱効率を下げることになるので、これは避
けるべきである。以上のように、従来技術では、冷却ガ
ス流量を多くすることなく、インピンジ冷却及びフィル
ム冷却効果を共に効率良く行うことができないという問
題点がある。
【0009】そこで、本発明の目的は、冷却ガス流量を
多くすることなく、インピンジ冷却を確実に行えると共
に、フィルム冷却効果を高めることができるガスタービ
ン静翼を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
のガスタービン用静翼は、静翼壁板に形成されるフィル
ム冷却孔の流路が屈曲していると共に、その屈曲箇所に
拡張空間が形成され、該拡張空間には、その内表面から
前記拡張空間までの入口側流路を通過してきた冷却ガス
の流れに対向し、且つ該冷却ガスの流れを乱す対向面が
形成されていることを特徴とするものである。
【0011】
【作用】冷却ガスがフィルム冷却孔の入口側流路から拡
張空間内に流入すると、対向面に衝突して流れが乱れ
る。この流れが乱れた状態で、冷却ガスが一時的に拡張
空間に滞留すると、冷却ガス流速が減衰し、拡張空間出
口における冷却ガス流速はほとんど0になる。すなわ
ち、拡張空間に流入してきた際の動圧分のエネルギーが
拡張空間により取り除かれてしまう。このため、冷却ガ
スの噴出速度は、翼壁板の内側と外側との圧力差に依存
せず、拡張空間から外側表面までの条件で決定してしま
うことになる。また、冷却ガスの拡張空間流入量(=冷
却ガスの噴出流量)は、入口側流路の断面積とこの流路
における流速(翼壁板内側の圧力と拡張空間内の圧力に
依存する。)によって定まる。
【0012】したがって、翼壁板の内側と外側との圧力
差に関係なく、出口側流路の出口端の流路面積を調整す
ることにより、フィルム冷却効率が最大となるような噴
出速度を得ることができる。このため、コアプラグ内の
圧力を高くしてインピンジ冷却を確保することができる
と共に、フィルム冷却効果を高めることができる。
【0013】
【実施例】以下、本発明の各種実施例について、図面を
用いて説明する。まず、第1の実施例について説明す
る。
【0014】ガスタービン静翼は、図2に示すように、
中空のコアプラグ10,15と、このコアプラグ10,
15を覆う翼壁板20とを有して構成されている。コア
プラグ10,15には、図1に示すように、内側から外
側へ貫通する複数のインピンジ冷却孔11,11,…が
形成されている。また、翼壁板20には、その背側部分
及び腹側部分に内側から外側へ貫通する複数のフィルム
冷却孔24,30が形成されている。
【0015】背側部分のフィルム冷却孔30は、図1に
示すように、その流路の途中で屈曲しており、この屈曲
箇所に拡張空間35が形成されている。翼壁板20の内
側表面21から拡張空間35までの入口側流路31は、
翼壁板20の内側表面21に対してほぼ直角に形成さ
れ、拡張空間35から翼壁板20の外側表面22までの
出口側流路32は、翼壁板20の外側表面22に対して
30°以下で、且つここから噴出する冷却ガスGcが静
翼の下流方向に向くように形成されている。また、出口
側流路32は、その出口端における流路面積Soutが入
口側流路の流路面積Sinよりも大きくなるよう形成され
ている。拡張空間35は、直方体形状を成しており、そ
の一の面(対向面)36と入口側流路31の流路方向と
がほぼ直角になるよう形成されている。
【0016】次に、本実施例の作用について説明する。
ガスタ−ビン圧縮機により加圧された空気は、冷却ガス
Gcとして、静翼のコアプラグ10,15内に供給され
る。冷却ガスGcは、コアプラグ10,15に形成され
ているインピンジ冷却孔11,11,…からコアプラグ
10,15外に噴出し、翼壁板20の内表面21に衝突
する。この衝突噴流により翼壁板20は冷却される。翼
壁板20を冷却した冷却ガスGcは、熱を吸収してある
程度温度が上昇し、翼壁板20に形成されているフィル
ム冷却孔30,30,…から翼外に噴出し、高温の作動
ガスGgと翼壁板20の外側表面21との間に低温のガ
ス膜を形成して、静翼を冷却している。
【0017】ここで、フィルム冷却孔30からの冷却ガ
ス噴出速度VC3について、ここで説明する。例えば、前
述した特開昭62−168903号公報に記載されてい
るものや、図5に示すように、フィルム冷却孔の流路を
単に屈曲させものにおける各位置の流速と圧力との関係
は、ベルヌーイの定理により、(数3)に示すように表
すことができる。
【0018】 PA1=PA2+ρA2・VA2 2/2=PA3+ρA3・VA3 2/2・・・・・・(数3) PA1;翼壁板の内側圧力、PA2;屈曲箇所の圧力、
ρA2;屈曲箇所の冷却ガス密度、VA2;屈曲箇所の流
速、PA3;翼壁板の外側圧力、ρA3;噴出冷却ガスの密
度、VA3;噴出冷却ガスの流速。
【0019】この(数3)を冷却ガス噴出速度VA3でま
とめると、(数4)に示すようになり、結局、冷却ガス
噴出速度VA3は、翼壁板の内側と外側との圧力差(PA1
−PA3)に依存してしまい、冷却ガス噴出速度VA3を十
分に落すことができない。 VA3=f(PA1−PA3)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(数4) 一方、本実施例のように、屈曲部分に拡張空間35を設
けた場合の各位置の流速と圧力との関係は、(数5)及
び(数6)に示すように表すことができる(図4参照の
こと。)。
【0020】 PC1=PC2+ρC2・VC2 2/2・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(数5) PC2=PC3+ρC3・VC3 2/2・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(数6) PC1;翼壁板の内側圧力、PC2;拡張空間内の圧力、ρ
C2;拡張空間内の冷却ガス密度、VC2;拡張空間内の流
速、PC3;翼壁板の外側圧力、ρC3;噴出冷却ガスの密
度、VC3;噴出冷却ガスの流速。
【0021】入口側流路21から拡張空間35に冷却ガ
スGcが入った瞬間の流速VC2は、(数5)を満足する
値の流速であるが、その後、冷却ガスGcが拡張空間3
5の対向面36に衝突して、流れの向きが急激に変わ
り、拡張空間35内で流れが乱れてしまうと、流速が急
激に減衰してしまい流速がほとんどなくなってしまう。
すなわち、拡張空間35の出口においては、(数5)に
示す動圧の項(ρC2・VC 2 2/2)が0となり、冷却ガス
噴出速度VC3は、(数6)及び(数7)に示すように、
拡張空間35内の圧力と翼壁板20の外側圧力との圧力
差(PC2−PC3)に依存することになる。 VC3=f(PC2−PC3)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(数7) 一方、フィルム冷却孔の流路を単に屈曲させた場合に
は、屈曲部分で冷却ガスGcの流れ方向を変えることが
できるものの、流速を減衰させるためのバッファー空
間、つまり拡張空間35がないので、流速は低下せず、
(数3)に示す動圧の項(ρA2・VA2 2/2)を0にする
ことができず、前述したように、翼壁板の内側と外側と
の圧力差(PA1−PA3)に依存してしまう。
【0022】拡張空間35内の圧力PC2は、図6に示す
ように、翼壁板20の内側圧力PC1(=PA1)よりも、
当然低いから、拡張空間35内と翼壁板20の外側との
圧力差(PC2−PC3)は、翼壁板20の内側と外側との
圧力差(PC1−PC3)(=(PA1−PA3))よりも小さ
くなる。したがって、単にフィルム冷却孔の流路を屈曲
させて翼壁板の内側と外側との圧力差(PA1−PA3)に
流速が依存してしまうものより、本実施例のように拡張
空間35を設けて拡張空間35内と翼壁板20の外側と
の圧力差(PC2−PC3)に流速が依存するものの方が、
冷却ガス噴出速度VC3を低下させることができる。
【0023】なお、図6に示すように、フィルム冷却孔
30の流路内における圧力降下量を大きくすべく、単
に、フィルム冷却孔の流路に、例えば、オリフィス等の
抵抗を設けても、本実施例と同様の効果を得ることがで
きない。これは、オリフィスにより、圧力を低下させる
ことはできるものの、逆に動圧が増加してしまうからで
ある。
【0024】また、拡張空間35内に流入する冷却ガス
Gcの流量Qinを拡張空間35内に流入した直後の流速
C2と入口側流路31の断面積Sinとで表すと、(数
8)に示すように、表すことができる。 Qin=VC2・Sin=Qout・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(数8) この流量Qinは、当然、冷却ガスGcの噴出流量Qoutに
等しい。
【0025】一方、出口側流路32の出口流速(噴出速
度VC3)は、翼壁板20の内側と外側との圧力差に依存
せず、拡張空間35から外側表面22までの条件で決定
してしまうので、入口側流路31の流路面積Sinに対す
る出口側流路32の流路面積Soutを変えることによ
り、冷却ガス噴出速度VC3を自由に調整することができ
る。そこで、(数2)に示す質量流量比Mが小さくなっ
て、図10に示すフィルム冷却効率ηが最大となるよう
に(同図中、フィルム冷却効率ηが最大となる点をB点
として示す。)、入口側流路31の流路面積Sinに対す
る出口側流路32の流路面積Soutを大きくすることに
より、フィルム冷却効果を高めることができる。
【0026】また、本実施例では、フィルム冷却効率η
に影響のある冷却ガス噴出速度VC3が翼壁板20の内側
と外側との圧力差(PC1−PC3)に依存しないので、コ
アプラグ10内の圧力を高めることができ、インピンジ
冷却を十分に行うことができる。したがって、冷却ガス
の流量を増加させることなく、図11に示すように、静
翼を冷却することができる。なお、同図中、実線が本実
施例を示しており、破線が図13及び図14の従来例を
示している。
【0027】次に、本発明に係るガスタービン静翼の第
2の実施例について図7を用いて説明する。本実施例
は、拡張空間35aの対向面36aを傾斜させたもので
ある。本発明における対向面の役割は、拡張空間内に流
入してきた冷却ガスの流れを乱すものである。したがっ
て、この役割を果たすことができれば、第1の実施例の
ように、入口側流路31の流路方向に対してほぼ直角な
対向面36を形成しなくてもよい。但し、本実施例のよ
うに、対向面36aを傾斜させる場合、拡張空間35a
内に流入してきた冷却ガスが拡張空間35a内で一時的
に溜ることなく、出口側流路32へ流れ出てしまって
は、冷却ガスの流速を拡張空間35aで減衰させること
ができないので、傾斜の方向が出口側流路32の流路方
向に近くなる方向に傾けることは避けるべきである。
【0028】拡張空間の対向面は、以上の実施例のよう
に、平坦である必要はなく、図8に示す第3の実施例の
ように形成してもよい。すなわち、この実施例は、対向
面36bがでこぼこになるよう形成してものである。こ
のように、対向面36bを形成すると、拡張空間35b
内に流入してきた冷却ガスの流れをより効果的に乱すこ
とができる。但し、対向面36bをでこぼこに形成する
ため、製作工数が嵩むことは言うまでもない。
【0029】次に、本発明に係るガスタービン静翼の第
4の実施例について図9を用いて説明する。本実施例
は、1の拡張空間35に対して複数の出口側流路32
c,32cを形成したものである。出口側流路32c
は、第1の実施例で説明したように、冷却ガス噴出速度
C3を調整すべく、その出口端における全流路面積が入
口側流路31の流路面積より大きくなるよう、形成され
ている。
【0030】このように、1の拡張空間35に対して複
数の出口側流路32c,32cを形成することにより、
翼壁板20cの外表面22におけるフィルム冷却孔30
cの数量が多くすることができ、翼壁板外表面22をよ
り均一に冷却することができる。また、拡張空間35の
数量を減らすことができるので、製作工数を低減させる
こともできる。なお、本実施例では、1の拡張空間35
に対する複数の出口側流路32c,32cを上下流方向
に並べたが、上下流方向に対して直角方向に並べるよう
にしてもよい。
【0031】
【発明の効果】本発明によれば、翼壁板の内側と外側と
の圧力差に関係なく、出口側流路の出口端の流路面積を
調整することで、冷却ガスの噴出速度を変えることがで
きる。したがって、冷却ガスの噴出速度を変えてフィル
ム冷却効率を向上させることができると共に、コアプラ
グ内の圧力を高くしてインピンジ冷却を確保することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図2におけるI部拡大図である。
【図2】本発明に係る第1の実施例のガスタービン静翼
の断面図である。
【図3】図1におけるIII矢視図である。
【図4】本発明に係る第1の実施例のガスタービン静翼
における冷却ガス噴出速度を説明するための説明図あ
る。
【図5】従来のガスタービン静翼における冷却ガス噴出
速度を説明するための説明図である。
【図6】本発明に係る第1の実施例のガスタービン静翼
における各部位の圧力を示すグラフである。
【図7】本発明に係る第2の実施例のガスタービン静翼
の要部断面図である。
【図8】本発明に係る第3の実施例のガスタービン静翼
の要部断面図である。
【図9】本発明に係る第4の実施例のガスタービン静翼
の要部断面図である。
【図10】作動ガスと冷却ガスとの質量流量比とフィル
ム冷却効率との関係を示すグラフである。
【図11】静翼表面の温度分布を示すグラフである。
【図12】静翼表面の圧力分布を示すグラフである。
【図13】図14におけるXIII部拡大図である。
【図14】従来のガスタービン静翼の断面図である。
【符号の説明】
10,15…コアプラグ、11…インピンジ冷却孔、2
0,20a,20b,20c…静翼壁板、21…(静翼
壁板の)内表面、22…(静翼壁板の)外表面、30,
30a,30b,30c…フィルム冷却孔、31…入口
側流路、32,32c…出口側流路、35,35a,3
5b…拡張空間、36,36a,36b…対向面。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】静翼壁板の内表面から外表面に向かって貫
    通するフィルム冷却孔が該静翼壁板に形成され、該フィ
    ルム冷却孔から該静翼壁板の該外表面側に冷却ガスを噴
    出するガスタービン静翼において、 前記静翼壁板に形成される前記フィルム冷却孔の流路が
    屈曲していると共に、その屈曲箇所に拡張空間が形成さ
    れ、 前記拡張空間には、前記内表面から前記拡張空間までの
    前記フィルム冷却孔の入口側流路を通過してきた前記冷
    却ガスの流れに対向し、且つ該冷却ガスの流れを乱す対
    向面が形成されていることを特徴とするガスタービン静
    翼。
  2. 【請求項2】前記拡張空間から前記外表面までの前記フ
    ィルム冷却孔の出口側流路は、その出口端の流路面積が
    前記入口側流路の流路面積よりも大きくなるよう形成さ
    れていることを特徴とする請求項1記載のガスタービン
    静翼。
  3. 【請求項3】前記拡張空間から前記外表面までの前記フ
    ィルム冷却孔の出口側流路は、一の前記拡張空間に対し
    て複数形成されていることを特徴とする請求項1記載の
    ガスタービン静翼。
  4. 【請求項4】複数の前記出口側流路は、それらの出口端
    の全流路面積が前記入口側流路の流路面積よりも大きく
    なるよう形成されていることを特徴とする請求項3記載
    のガスタービン静翼。
  5. 【請求項5】前記対向面は、前記入口側流路方向に対し
    てほぼ垂直な平面であることを特徴とする請求項1、
    2、3又は4記載のガスタービン静翼。
  6. 【請求項6】前記対向面は、凹凸を有することを特徴と
    する請求項1、2、3、4又は5記載のガスタービン静
    翼。
  7. 【請求項7】前記翼壁板の内側には、中空のコアプラグ
    が設けられ、 前記コアプラグには、その内側から外側へ貫通するイン
    ピンジ冷却孔が形成されていることを特徴とする請求項
    1、2、3、4、5又は6記載のガスタービン静翼。
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