JPH0692068A - 磁気可視カード - Google Patents

磁気可視カード

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JPH0692068A
JPH0692068A JP4268010A JP26801092A JPH0692068A JP H0692068 A JPH0692068 A JP H0692068A JP 4268010 A JP4268010 A JP 4268010A JP 26801092 A JP26801092 A JP 26801092A JP H0692068 A JPH0692068 A JP H0692068A
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JP4268010A
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English (en)
Inventor
Masao Goto
正男 後藤
Nobuhiko Kanae
宣彦 金江
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nok Corp
Original Assignee
Nok Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】マイクロカプセル層の剥離強度を高める。 【構成】磁界に応じて配向方向が変化する磁性フレーク
34がオイル33とともに収容され、磁性フレーク34
の配向方向に応じて可視入射光Lの反射方向が変化する
複数のマイクロカプセル32を、透明基材20の表面に
配置されたバインダ31中に分散させて、可視表示領域
となるマイクロカプセル層30を形成する。バインダ3
1は、アクリルスチレンエマルジョンである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、情報を磁気的に繰り返
し記録し、記録された情報を視認可能に表示する磁気可
視カードに関し、特に、マイクロカプセル層の剥離強度
を高めた磁気可視カードに関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、カードに磁気記録部、ICチッ
プ、あるいはレーザ記録部を設け、使用目的とする場所
に配置されたカードリーダで、これら磁気記録部、IC
チップ、あるいはレーザ記録部に記録された情報を読み
取り、種々の情報処理を行うことが試みられている。
【0003】これと同時に、カードに表示部を設けて、
かかるカードの記録部に入力された情報の内容等を表示
することにより、カード使用の便に供することも提案さ
れている(例えば、実開昭61−105,178号公報
参照)。
【0004】従来、この種の磁気可視カードとしては、
オイルと磁性フレークを含有するマイクロカプセルを透
明バインダを用いてコーティングすることにより、透明
基材の表面にマイクロカプセル層を形成したものが知ら
れている。
【0005】この磁気可視カードでは、磁性フレークを
透明基材の表面に対して平行に配向させると、可視入射
光は磁性フレークによって反射され、これによって磁性
フレークのもつ明るい色彩が可視表示される。一方、磁
性フレークを透明基材の表面に対して垂直に配向させる
と、可視入射光は磁性フレークでは反射せずにマイクロ
カプセル層を通過し、該マイクロカプセル層の裏面に形
成された磁性シートで反射して、磁性シートのもつ暗い
色彩(例えば、黒色)が可視表示される。そして、これ
ら磁性フレークの配向方向によって生じる反射光のコン
トラストを利用して情報の可視表示を行うようにしてい
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】かかる磁気可視カード
にあっては、長期間過酷な条件下で使用されることを前
提とするため、マイクロカプセル層と、その表裏に設け
られたPETフィルムなどの基材との剥離強度が重要と
なるが、この剥離強度は、主にマイクロカプセル層を構
成するバインダの材質、すなわち、基材との間に塗布さ
れる接着剤とバインダ材料との相性に影響される。
【0007】しかしながら、バインダは、磁気可視カー
ドを製造する際には水溶性であるが、乾燥後は非水溶性
となる必要がある。そのため、従来の磁気可視カードに
用いられていたバインダは、この要求を満たすために、
例えばシリコーンエマルジョンや酢酸ビニルエマルジョ
ンであったため、基材との剥離強度に問題があった。こ
れにより、磁気可視カードを長期間使用していると、基
材が剥がれてしまうという問題が生じた。
【0008】本発明は、このような従来技術の問題点に
鑑みてなされたものであり、マイクロカプセル層の剥離
強度を高めることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の磁気可視カードは、磁界に応じて配向方向
が変化する磁性フレークがオイルとともに収容され、前
記磁性フレークの配向方向に応じて可視入射光の反射方
向が変化する複数のマイクロカプセルを、透明基材の表
面に配置されたバインダ中に分散させて、可視表示領域
となるマイクロカプセル層を形成した磁気可視カードに
おいて、前記バインダをアクリルスチレンエマルジョン
としたことを特徴としている。
【0010】
【作用】マイクロカプセル層と基材との剥離強度を高め
るためには、マイクロカプセル層を構成するバインダの
材質が重要となる。本発明の磁気可視カードでは、かか
るバインダをアクリルスチレンエマルジョンとしている
ので、磁気可視カードを製造する際は水溶性であり、乾
燥後は非水溶性となる。しかも、基材との剥離強度が、
従来のシリコーンエマルジョンや酢酸ビニルエマルジョ
ンに比べて、きわめて高くなる。
【0011】
【実施例】以下、本発明の一実施例を、[実施例の構
成]、[実施例の作用]、[実施例の製造方法]、およ
び[本発明のさらに詳細な具体例]の順で、図面に基づ
いて説明する。
【0012】図1は、本発明の一実施例に係る磁気可視
カードを示す部分断面斜視図であり、透明基材の一面に
可視表示領域として機能するマイクロカプセル層が配置
され、このマイクロカプセル層の表面には磁性シートが
可視表示のための磁界を形成するように配置された具体
例を示している。
【0013】図2(A)(B)は、図1に示す実施例の
拡大断面図であり、(A)は磁性シートの磁化方向が表
面に平行となったときの磁性シートの磁化方向とマイク
ロカプセルに収容された磁性フレークの配向方向との相
関関係を示し、(B)は磁性シートの磁化方向が表面に
垂直となったときの磁性シートの磁化方向とマイクロカ
プセルに収容された磁性フレークの配向方向との相関関
係を示している。
【0014】[実施例の構成]本実施例に係る磁気可視
カード10は、透明基材20、マイクロカプセル層3
0、および磁性シート40から構成されている。
【0015】透明基材20は、適宜の肉厚を有する透明
材料、例えば、ポリエチレンテレフタレートフィルム
(以下、PETと称する)などによって作成されてお
り、マイクロカプセル層30の保持体として機能してい
る。
【0016】マイクロカプセル層30は、透明基材20
の少なくとも一表面に可視表示領域を形成するために配
置され、バインダ31中に複数のマイクロカプセル32
を分散させることにより形成されている。本実施例の場
合、バインダ31は、アクリルスチレンエマルジョンか
ら構成されている。
【0017】各マイクロカプセル32中には、オイル3
3とともに磁性フレーク34が収容されており、本発明
に係る磁性フレーク34としては、鉄、ニッケル、鉄・
ニッケルや鉄・ニッケル・クロム、シリコン・ニッケル
等のステンレススチール、コバルト、コバルト・アルミ
ニウム合金、サマリウム・コバルト合金などの磁性金属
粉末を例示することができる。
【0018】磁性フレーク34の大きさや形状は、マイ
クロカプセル32の大きさなどに応じて適宜決定する必
要があるが、特に限定されず、長軸を5〜30μm、短
軸を1〜10μm、厚さを0.1〜2μmの板状とする
ことが望ましい。板状とすることにより、磁性フレーク
34の配向方向が基材表面に対して平行となったとき
に、透明基材20の外部へ出射される可視反射光の光量
が顕著に増加し、これによってもコントラストを向上さ
せることができる。
【0019】また、このような磁性フレーク34をマイ
クロカプセル32中に、多層に分散させることも可能で
ある。磁性フレーク34を多層かつ多量とすることによ
り、光の反射面を増大させ、磁性フレーク34が有する
色彩の明度を高めることができる。また、多層かつ多量
とすることにより、マイクロカプセル32内における外
乱による動きを抑止することができる。これにより、磁
性フレーク34の配向方向の相違に基づく可視表示領域
のコントラストを向上させることができ、しかも、経時
安定性も高めることができ、可視表示を鮮明化できる。
【0020】この場合の磁性フレーク34の含有量は、
75%以上であれば肉眼で観察したときでも可視表示領
域のコントラストを明瞭に視認することができ、好まし
いといえる。層数は、2〜50層とすることが好まし
い。ただし、本発明の磁気可視カード10の磁性フレー
ク34は、多層構造である必要はなく、一層構造であっ
ても良い。
【0021】また、磁性フレーク34の周囲に磁性フレ
ーク34およびオイル33と反応しにくい界面活性剤
(例えば、オレイン酸)などを配置することもできる。
このようにすれば、磁性フレーク34の凝集、あるいは
磁性フレーク34のマイクロカプセル32の壁面への付
着を防止することができ、マイクロカプセル32内にお
ける磁性フレーク34の安定性を高めることができる。
【0022】マイクロカプセル32は、磁性シート40
に含まれた磁気記録領域の記録内容を視認可能に表示す
るにあたり、可視入射光を十分に反射して明瞭に表示で
きるように、その大きさを30〜100μmとすること
が好ましい。マイクロカプセル32の材質は特に限定さ
れないが、例えば、ゼラチン/アラビアゴム系、ナイロ
ン系などを例示することができる。
【0023】また、マイクロカプセル32中に封入する
オイル33としては、流動パラフィンなどを例示するこ
とができるが、特に限定はされない。
【0024】磁性シート40は、プラスチックフィルム
などの適宜の材料により形成された基材42の表面に、
磁気皮膜(磁性層)41が配置されて周知の要領で作成
されており、また、マイクロカプセル層30の近傍に
は、磁気記録領域が設けられている。そして、磁性シー
ト40のもつ色彩、すなわち、磁性層41あるいは基材
42の色彩が可視表示のコントラストを確保するよう
に、例えば黒色に着色されている。
【0025】なお、透明基材20および基材42には、
マイクロカプセル層30との接着を確保するために予め
接着剤が塗布されている。この接着剤としては、例えば
エチレンビニルアセテート重合体などのホットメルト系
接着剤を用いることができるが、特に限定はされない。
【0026】[実施例の作用]次に作用を説明する。磁
性シート40の磁気記録領域中の磁化方向が、その表面
に対して平行する方向(図2(A)参照)から直交する
方向(図2(B)参照)に変化すると、磁性シート40
の表面、すなわち磁性層41の表面に平行する方向に配
向していたマクロカプセル32中の磁性フレーク34
は、磁性シート40の表面に直交する方向に配向方向が
変化し、透明基材20を介して入射された可視入射光L
を透明基材20の外部に向けて殆ど反射しなくなる。
【0027】このため、可視入射光Lは、磁性シート4
0を構成している基材42を通過し磁性シート40を構
成している磁性層41の表面、すなわち、マイクロカプ
セル層30の表面に対向する表面(以下、一表面とい
う)によって反射されることにより、可視反射光L”と
して透明基材20の外部へ出射されることになる。
【0028】したがって、この場合には磁性層41の一
表面が有する色彩が可視表示領域に可視表示されること
になる。ちなみに、磁性層41の一表面では、可視入射
光Lが比較的多く吸収され、可視反射光L”として透明
基材20の外部へ出射される量が少ない。磁性層41の
表面が黒色である場合には、可視入射光Lの吸収量が多
くなり、実質的に可視反射光L”として透明基材20の
外部へ出射されないことになる。
【0029】これに対して、磁性シート40の磁気記録
領域中の磁化方向が、その表面に対して直交する方向
(図2(B)参照)から当初の平行する方向(図2
(A)参照)に変化すると、磁性シート40の表面、す
なわち磁性層41の表面に直交する方向に配向していた
マクロカプセル32中の磁性フレーク34は、磁性シー
ト40の表面に平行する方向に配向方向が変化し、透明
基材20を介して入射された可視入射光Lを透明基材2
0の外部に向けて十分に反射することとなる。この様子
を図2(A)に可視反射光L’として示す。したがっ
て、このときは磁性フレーク34が有する色彩が可視表
示領域に可視表示されることとなる。
【0030】また、マイクロカプセル32中の磁性フレ
ーク34を多層分散構造とすれば、さらに本効果を助長
することができる。
【0031】[実施例の製造方法]次に、図3および図
4を参照しながら、上述した磁気可視カードの製造方法
の一例を説明する。図3および図4は、図1に示す実施
例の製造方法を説明するための工程図である。磁性フレークの分散 周知の方法で作成されたニッケルを適当量だけ含有す
る、例えば板状の磁性金属粉末34を、オレイン酸など
適宜の界面活性剤とともにオイル33に対して分散した
のち、例えば超音波攪拌装置などの攪拌装置に収容する
ことによって十分な攪拌を行い磁性フレーク分散液を得
る(ステップ1)。
【0032】マイクロカプセルの作成 水とゼラチンとアラビアゴムとを適宜の割合で混合して
十分に攪拌することにより、マイクロカプセル層30の
バインダ31となるゼラチンゴム混合液を作製する。ゼ
ラチンゴム混合液は、例えば、仕込水150ccと、ゼ
ラチン(等電点pH4.5)10gと、アラビアゴム1
0gとを互いに混合して十分に攪拌することによって得
られる(ステップ2)。
【0033】ゼラチンゴム混合液の攪拌が十分に進行す
ると、これを反応容易とするために、攪拌を継続しなが
ら、適宜の温度、例えば40〜45℃まで加熱する(ス
テップ3)。
【0034】ついで、攪拌中のゼラチンゴム混合液に上
述した磁性フレーク分散液を少量づつ添加して混合し、
さらに適宜の時間にわたって攪拌することにより、磁性
フレーク分散液の微粒子を分散し、中間分散液を得る
(ステップ4)。
【0035】ここで、マイクロカプセル32中の磁性フ
レーク34を多層に形成する場合は、分散液を30〜9
0分攪拌し、ついで、40〜45℃の仕込水を3.0〜
4.5倍加えて攪拌する(ステップ5)。このように仕
込水をはじめ少なくするのは、水と油の量比を少なく
し、結果として高速攪拌時において、油が適当な大きさ
を保持しつつ分散可能とするためである。また、磁性フ
レーク34の量も確率的にマイクロカプセル32中に多
量に入ることになる。
【0036】さらに攪拌を続行しながら、中間分散液に
例えば10重量%の酢酸水溶液を滴下して、中間分散液
のpHを4とする(ステップ6)。これにより磁性フレ
ーク分散液(実質的には、ニッケルと流動パラフィン)
の微粒子の周囲に、ゼラチンおよびアラビアゴムのコア
セルベート膜が形成されることになる。
【0037】ついで、磁性フレーク分散液の微粒子の周
囲に形成されたゼラチンおよびアラビアゴムのコアセル
ベート膜を凝固させる目的で、酢酸水溶液が滴下された
中間分散液を攪拌しながら、適度の温度まで冷却する
(ステップ7)。
【0038】さらに、この冷却された中間分散液にホル
ムアルデヒドを適当量だけ添加する(ステップ8)。こ
れにより、ゼラチン中の脱プロトン化したアミノ基にホ
ルムアルデヒドが結合して、磁性フレーク分散液の微粒
子の周囲に形成されたゼラチンおよびアラビアゴムのコ
アセルベート膜をさらに凝固させることができる。
【0039】このようにしてゼラチンおよびアラビアゴ
ム中にマイクロカプセルが分散された状態となる(これ
をマイクロカプセル液と称する)。マイクロカプセル3
2には、磁性フレーク34およびオイル33からなる磁
性フレーク分散液が収容されている。
【0040】ついで、ゼラチンのアミノ基からプロトン
の離脱を促進する目的で、攪拌を続行しながらマイクロ
カプセル液に、例えば20重量%の炭酸ナトリウム水溶
液を滴下し、pHを9.5とする(ステップ9)。
【0041】このマイクロカプセル液をさらに十分な時
間(例えば、3〜30時間)にわたって攪拌したのち
(ステップ10)、マイクロカプセルを沈降させて沈降
カプセルを得るために、適宜の時間(例えば、0.5時
間)だけ静置する(ステップ11)。
【0042】空カプセルの除去 本発明のマイクロカプセル32には磁性フレーク34が
収容されているためマイクロカプセル液中では沈降す
る。ところが、適切に磁性フレーク34が収容されてい
ないマイクロカプセル32はマイクロカプセル液に浮遊
することになる。この性質を利用して、静置したマイク
ロカプセル液の上部に位置することとなる空カプセルを
除去する。空カプセルが除去された沈降カプセル液に純
水を添加し、洗浄する(ステップ12〜14)。
【0043】この沈降カプセル液について、空カプセル
の残留量が所定値以下となったか否かを、空カプセルの
残留量判定工程で判定する(ステップ15)。もし、空
カプセルの残留量が所定値以下となっていない場合に
は、所定値以下となるまで、上述した純水の添加工程か
ら空カプセルの残留量判定工程までを繰り返す。
【0044】透明基材への配設 沈降カプセル液の空カプセル残留量が所定値以下になる
と、適宜の濃度(例えば、マイクロカプセルの含有濃度
が50重量%)となるよう調整したのち、適当な濃度の
アクリルスチレンエマルジョン水溶液と混合して攪拌し
(ステップ16〜17)、別途作成された透明基材20
(例えば、PETフィルム)の表面に適宜の肉厚、例え
ば、30〜200μmとなるように塗布し、これを乾燥
固化することによりマイクロカプセル層30を形成する
(ステップ18〜19)。
【0045】磁性シートの配設 透明基材20に配設されたマイクロカプセル層30の表
面には、別途作成された基材42(例えば、PETフィ
ルム)の表面に磁性層41を有する磁性シート40を適
宜の方法で配設することにより(ステップ20)、本発
明の磁気可視カードを得ることができる。
【0046】[本発明のさらに詳細な具体例]次に、本
発明の磁気可視カードについて、さらに具体化した実施
例を挙げて説明するが、本発明は以下の具体例に何ら限
定されることはなく、本発明の技術的範囲を画定するに
あたっても、これを減縮解釈の根拠とすべきものではな
い。
【0047】実施例 ニッケルの含有率が100重量%である板状ニッケル粉
60gを、界面活性剤としてのオレイン酸6gととも
に、オイルとしての流動パラフィン150ccに対して
分散したのち、超音波攪拌装置に収容して4時間にわた
って攪拌し、磁性フレーク分散液とした。ここで用いた
ニッケルの平均粒径は、約13μmであった。
【0048】磁性フレークのマイクロカプセル化は以下
の手順で行った。まず、ゼラチン(等電点pH4.5)
10g、およびアラビアゴム10gを初期仕込水150
ccに混合して攪拌したのち、反応容易とするために4
0℃まで加熱し、マイクロカプセル層のバインダとなる
ゼラチンゴム混合液を得た。
【0049】このゼラチンゴム混合液を1000rpm
の回転速度で攪拌しつつ、上記磁性フレーク分散液を除
々に少量づつ添加したのち、70分間にわたり攪拌を継
続し、さらに、40℃の水を500cc加えて、pH
6.0の中間分散液を得た。
【0050】この中間分散液の攪拌速度を500rpm
に低下させ、10%の酢酸水溶液を添加してpH4.0
としたのち、さらに500rpmの回転速度で30分間
にわたって攪拌を継続し、中間分散液を得た。これによ
り、磁性フレーク分散液(実質的には、ニッケルと流動
パラフィン)の微粒子の周囲に、ゼラチンおよびアラビ
アゴムのコアセルベートの膜が形成された。
【0051】さらに、30分経過したのち、中間分散液
を10℃まで冷却することにより、磁性フレーク分散液
の微粒子の周囲に形成されたゼラチンおよびアラビアゴ
ムのコアセルベートの膜を凝固させた。
【0052】この状態から、コアセルベートの膜をさら
に凝固させる目的で、すなわち、ゼラチンの脱プロトン
化したアミノ基にホルムアルデヒドを結合させてカプセ
ル壁を硬化させる目的で、10℃まで冷却された中間分
散液にホルムアルデヒドを適当量だけ添加し、マイクロ
カプセル液を得た。
【0053】さらに攪拌を続行しつつ、ゼラチン中のア
ミノ基からプロトンの離脱を促進する目的で、マイクロ
カプセル液に20重量%の炭酸ナトリウム水溶液をpH
が9.5となるまで滴下したのち、さらに24時間にわ
たって攪拌を続行し、マイクロカプセルが沈降するよう
に24時間だけ静置した。
【0054】次に、空カプセルを含んだ上部液を除去す
ると共に、沈降したマイクロカプセル(すなわち、沈降
カプセル)を取り出し、これに純水を添加して沈降カプ
セル液とした。この空カプセルが除去された沈降カプセ
ル液について、ふるいによって、50μm以下の沈降カ
プセルと50μm以上の沈降カプセルとに分け、本実施
例では、50μm以下の沈降カプセルを用いた。
【0055】空カプセルが十分に除去され、かつ50μ
m以下のものに分類された沈降カプセル液に、アクリル
スチレンエマルジョンを17重量%、水を50重量%加
え、マイクロカプセル含有濃度が33重量%となるよう
に調整したのち、透明基材としてのPETフィルムの一
表面(予め接着剤が塗布されている)にコータを用いて
塗布し、80℃まで加熱して30分間にわたって熱処理
することにより、乾燥固化させて、厚さ75μmのマイ
クロカプセル層を形成した。
【0056】次に、透明基材としてのPETフィルムに
配設されたマイクロカプセル層の表面に、黒色の磁性層
が配設されたPETフィルムの他表面を接着剤(予め塗
布されている)によって接着したのち、120℃に加熱
し30分間にわたって熱処理することにより磁気可視カ
ードを得た。
【0057】このようにして得られた磁気可視カードを
用いて、まず、磁性シートの磁気記録領域中の磁化方向
を外部磁石によって、その表面に平行する方向とし、マ
イクロカプセル中の磁性フレークを磁性シートの表面に
対して平行する方向に配向させた。このときの明度指数
P を、明度差計(スガ試験機株式会社製、エスエムカ
ラーコンピュータ・SM−5、測光面積が0.20cm
2 )によって測定したところ、54.0であった。
【0058】ついで、この磁気可視カードについて、磁
性シートの磁気記録領域中の磁化方向を外部磁石によっ
て、その表面に直交する方向とし、マイクロカプセル中
の磁性フレークを磁性シートの表面に対して直交する方
向に配向させた。このときの明度指数LV を測定したと
ころ20.0であった。したがって、本磁気可視カード
のコントラストK(=LP −LV )は、34.0とな
る。
【0059】さらに、本磁気可視カードの剥離強度を測
定した。試験片は、磁気可視カードを1cm×8.6c
mに切断し、長さ方向に対して透明基材であるPETフ
ィルムと基材であるPETフィルムの端面を3cmだけ
強制的に剥離した。この剥離部分をオートグラフのチャ
ックに把持し、50mm/minの速度で90゜剥離強
度試験を行った。サンプル数はn=3とした。その結
果、剥離強度は平均値で560g/cmであった。
【0060】比較例1 バインダ材料(上記実施例におけるアクリルスチレンエ
マルジョン)を、シリコーンエマルジョンとした以外
は、上述した実施例と同様にして磁気可視カードを作成
した。この磁気可視カードの90゜剥離強度試験を実施
したところ、250g/cm(n=3)であった。
【0061】比較例2 バインダ材料(上記実施例におけるアクリルスチレンエ
マルジョン)を、酢酸ビニルエマルジョンとした以外
は、上述した実施例と同様にして磁気可視カードを作成
した。この磁気可視カードの90゜剥離強度試験を実施
したところ、330g/cm(n=3)であった。
【0062】以上の結果を表1に示す。
【表1】 バインダ材質 剥離強度(g/cm) 実施例 アクリルスチレン 560 比較例1 シリコーン 250 比較例2 酢酸ビニル 330
【0063】上述した実施例と比較例の結果からも明ら
かなように、本発明では磁性フレークの磁界に対する応
答性が優れていることに加えて、マイクロカプセル層の
接着強度にも優れているので、長時間にわたり過酷な環
境下で使用してもカードが破損することはない。
【0064】
【発明の効果】本発明の磁気可視カードは、バインダを
アクリルスチレンエマルジョンとしているので、マイク
ロカプセル層の接着強度を高めることができ、これによ
って磁気可視カードの耐久性を向上させることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る磁気可視カードを示す
部分断面斜視図である。
【図2】(A)(B)は図1に示す実施例の拡大断面図
であり、(A)は磁性シートの磁化方向が表面に平行と
なったときの磁性シートの磁化方向とマイクロカプセル
に収容された磁性フレークの配向方向との相関関係を示
し、(B)は磁性シートの磁化方向が表面に垂直となっ
たときの磁性シートの磁化方向とマイクロカプセルに収
容された磁性フレークの配向方向との相関関係を示して
いる。
【図3】図1に示す実施例の製造方法を説明するための
工程図である。
【図4】図1に示す実施例の製造方法を説明するための
工程図である。
【符号の説明】
10…磁気可視カード 20…透明基材 30…マイクロカプセル層 31…バインダ 32…マイクロカプセル 33…オイル 34…磁性フレーク 40…磁性シート 41…磁性層 42…基材 L…可視入射光 L’,L”…可視反射光
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C09D 133/00 PGA 7921−4J G11B 23/40 Z 7201−5D

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】磁界に応じて配向方向が変化する磁性フレ
    ーク(34)がオイル(33)とともに収容され、前記
    磁性フレーク(34)の配向方向に応じて可視入射光
    (L)の反射方向が変化する複数のマイクロカプセル
    (32)を、透明基材(20)の表面に配置されたバイ
    ンダ(31)中に分散させて、可視表示領域となるマイ
    クロカプセル層(30)を形成した磁気可視カードにお
    いて、 前記バインダ(31)は、アクリルスチレンエマルジョ
    ンからなることを特徴とする磁気可視カード。
JP4268010A 1992-09-10 1992-09-10 磁気可視カード Pending JPH0692068A (ja)

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