JPH0690760A - アミロイドペプチド前駆体のrna - Google Patents

アミロイドペプチド前駆体のrna

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JPH0690760A
JPH0690760A JP3069366A JP6936691A JPH0690760A JP H0690760 A JPH0690760 A JP H0690760A JP 3069366 A JP3069366 A JP 3069366A JP 6936691 A JP6936691 A JP 6936691A JP H0690760 A JPH0690760 A JP H0690760A
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rna
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brain tissue
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Michael Peter Vitek
マイケル・ピーター・ビテク
Jack Steven Jacobsen
ジヤツク・スチーブン・ジエイコブセン
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 アルツハイマー病及びダウン症患者の脳由来
のヒト アミロイド ペプチド前駆体のRNAの提供。 【構成】 上記RNAはマウスまたはラツト脳組織には
実質上存在しないがヒト脳組織には多量ある。そのRN
Aに相当するcDNAクローンから先に記載されたアミ
ロイドペプチド前駆体(APP770)のアミノ末端に
類似するが、ベータアミロイドペプチドまたは疎水性膜
貫通ドメイン(trnsmembrane spanning domain)を欠く3
65アミノ酸のタンパク質の存在が考えられる。これら
の特徴からそのヒトRNAがクニツツプロテアーゼイン
ヒビターを含む可溶性タンパク質をコードすることが示
唆される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の背景】本発明はアルツハイマー病及びダウン症
患者の脳から単離した新規ヒトアミロイドペプチド前駆
体のRNAに関する。
【0002】アルツハイマー病は通常中年から老人に見
られる記憶及び知的機能の進行的喪失を特徴とするヒト
中枢神経系の病変である。65才以上の人口の10%が
この病気にかかつており(ハーデイ、J.A.(Hardy,
J.A.)ら、7 ニユーロバイオエイジンク(Neurobio Ag
ing)489(1986))、痴呆の第1原因であり米国
における志望の主原因である(カツツマン、R.(Katz
man, R.)、33 アーカイブズ ニユーロル(Arch. Neu
rol.)217(1976))。
【0003】アルツハイマー病の原因は不明である。こ
の病気は世界的に見られ、栄養要因、伝染、毒、または
他の環境要因との明確な関係は何ら示唆されていない。
約4分の1の患者については患者家族員にその病歴が見
られる。このことはダウン症患者のほとんど全員が脳に
アルツハイマーの病変を起すという事実と合わせて、お
そらく21番染色体上の常染色体優性素質として遺伝す
る遺伝的罹病性を示唆する(セント ジヨージ ハイス
ロツプ、P.H.(St. George-Hyslop, P.H.)ら、23
5、サイエンス(Science)885(1987)、ウイン
ガーデン、J.B.(Wyngaarden, J.B.)及びスミス、
L.H(Smith, L.H.)編、セシル テキストブツク オ
ブ メデイシン(Cecil's Textbook of Medicine)、第1
8版、W.B.サウンダース(W.B.Saunders)、198
8、2089−90ページの要約も参照)。しかし、一
卵性双子の病気の同調は50%以下であり、かかる病状
が現われる場合、患者の徴候及び症候の始まりには数年
の開きがあることがあることから(同書)、他の影響が
重要であるに違いない。
【0004】アルツハイマー病は連合野及び大脳皮質の
記憶領の選ばれた細胞に進行性の神経異変をある種の皮
質下核における同様の異常と併合して引き起す。神経損
失は特に海馬、扁桃及び前頭及び側頭の連合野の巨大錐
体細胞に起こる。組織病理学的には異変した神経細胞の
多くは変質した神経原線維タンパク質と関連する特異な
タンパク質構造を持つねじれのある細胞間線維の濃縮体
を含有し(セシル(Cecil's)、上述)、細胞間不溶性線
維タンパク質から成るアミロイド斑点及び大脳脈管アミ
ロイドが異常に多量に沈着する(ハーデイ(Hardy)ら、
上述及びウオング、C.(Wong, C.)ら、82 プロシ
ーデイング ナチユラル アカデミツクサイエンス イ
ン U.S.A.(Proc. Nat. Acad. Sci. U.S.A.)87
29(1982))。これらの所見はこの病気の特徴と
なつている。
【0005】アルツハイマー病の病理学的変化は単なる
老化を含む他の病気に見られるものとは異なり、質的と
言うより量的なものである。神経損失、斑点及び濃縮体
は通常少量ではあるが、多くの知性が正常な老人の脳に
見出される。しかし、患者の知性喪失の度合は皮質上の
神経斑点の頻度と関連しているようである(ロツク、
M.(Roch, M.)ら、209 ネイチヤー(Nature)109
(1966))。
【0006】アルツハイマー病は通常潜行的に始まり、
異常行動の徴候は一様の臨床的な変化が診断される数年
前に見られる。診断は一般的には消去法的に個別に行わ
れる。心内性鬱病、薬物中毒、広汎性脈管病のいくつ
か、代謝欠損、慢性軟膜炎、ピツク病、または初期の広
汎性の一次的または転移性の脳腫瘍は誤診を招く。アル
ツハイマー病に対する特別な実験的決定要因はない(セ
シル(cecil's)上述2090ページ)。 イノシンジアルキルアミノアルコロ(inosine dialkylam
inoalcolo)誘導体は記憶及び学習事項の喪失にいくらか
の効果を持つことが示唆され(米国特許3,646,00
7号、ゴードン(Gordon))、神経伝達を選択的に促進し
増強するある種の薬物を投与することによつて症状を緩
和することが示唆されているが(米国特許4,469,7
07号リンドバーグ(Lindberg)及びオエグレン(Oegre
n)、米国特許4,511,570号トウトル(Tuttle)、及
び米国特許4,711,891号アウフデンブリンケ(Auf
dembrinke)ら)、アルツハイマー病に対する治療は特に
ない。しかし、食事及び薬物いずれによつても変ること
がない知的痴呆化を遅らせることができない。病気の初
期及び中間期においては治療は通常、家族または社会的
機関が行う。患者が正に植物人間的になれば、後期にお
いてしばしば特殊施設に収容する必要がある。
【0007】アルツハイマー病の悲劇は世界中の社会に
おいて老人人口の割合が増加するにつれより頻繁に起こ
る可能性があるため深刻化する。それゆえ、主な研究努
力は診断及び経済的援助と同様に処置及び治療に対して
向けられる。
【0008】近年この病気の生化学的根拠を明らかにす
る研究が始まっている。アルツハイマー病患者の脳アミ
ロイド斑点及び沈着物の主要構成成分として42アミノ
酸のペプチドが単離された(グレンナー、G.G.(Gle
nner, G.G.)及びウオング、C(Wong, C.)、 112 バ
イオケミストリー バイオフイジクス リサーチ コミ
ニケーシヨン(Biochem. Biophys. Res. Commun.)113
1(1984)及びマスターズ、C.(Masters, C.)
ら、82 プロシーデイング ナシヨナル アカデミツ
ク サイエンス イン U.S.A.(Proc. Nat. Aca
d. Sci. U.S.A.)4245(1985))。このペプチ
ドは配列決定され、一部β構造をなしており、それゆえ
ベータアミロイドペプチドまたはBAPと呼ばれてい
る。ダウン症患者の脳由来のベータアミロイドペプチド
の単離物は類似しており、一致した28アミノ酸のスト
レツチを持ち、このことは両方の病気で起こるアミロイ
ドシスは共通の機構であることを示している(タンツ
イ、R.(Tanzi, R.)ら、331ネイチヤー(Nature)5
28(1988))。
【0009】分子遺伝学的研究(先ずcDNAのクロー
ニング、またイムノ染色)によつてベータアミロイドペ
プチドはAPPと呼ばれるより大きいアミロイド前駆体
タンパク質から派生することが示されている。胎児脳の
ライブラリー及びアミノ酸配列から作成されたオリゴヌ
クレオチドプローブを用いて、前駆体タンパク質と推定
される695アミノ酸の読み取り枠を持つ全長にわたる
cDNAクローンと思われるものを単離しAPP695
と名付けられた(カング、J.(Kang, J.)ら、325ネ
イチヤー(Nature)733(1987))。オープンリー
デイングフレームを持つ他のアミロイドペプチド前駆体
のcDNAが続けて他のライブラリーから単離された:
SV40によつて形質転換された線維芽細胞のライブラ
リー及び前子骨髄白血病細胞ライン(HL60)のライ
ブラリーの両者が751アミノ酸の推定前駆体(APP
751)(それぞれポンテ、P.(Ponte, P.)ら、33
1ネイチヤー(Nature)525(1988)及びタンツイ
(Tanzi)、 上述)、及びヒト神経膠芽細胞ライブラリー
から770アミノ酸の推定前駆体(APP770)(カ
タグチ、N.(Kitaguchi, N.) ら、331ネイチヤー(N
ature)530(1988))。さらに最近、第4のタン
パク質前駆体、APP563が記載され、(デサウベー
ジ、F.(Desauvage, F.)、及びオクタブ、J.N.(O
ctave, J.N.)、245サイエンス(Science)651(1
989))、それは新規の20アミノ酸の挿入によつて
置換されたAPP751のBAPドメインを含む208
アミノ酸のカルボキシ末端を持っていた。これら一致は
しないが類似する前駆体はおそらく転写物のスプライシ
ングが異なるためであろう(タンツイ(Tanzi)及びポン
テ(Ponte)、上述、及びレメイレ、H.G.(Lemaire,
H.G.)ら、17ヌクレイツクアシツドリサーチ(nucleic
Acid Res.)517(1989))。
【0010】アルツハイマー病患者におけるアミロイド
ペプチドの過剰生産は前駆体タンパク質をコードする遺
伝子内でフレームシフト変異によりペプチドの翻訳が繰
り返されることによつて起こることが示唆されている(D
Er. Pat. Ap. No.341,491スキヤンゴス(Scangos)
ら)。 この変異は上述のカンゲ(Kange)らが発表したc
DNA配列のヌクレオチド1897と1921の間で起
きると考えられている。 アミロイド前駆体タンパク質
のDNAのオープンリーデイングフレームにはベータア
ミロイドペプチドに加え他の機能因子がコードされてい
るようである。APP751及びAPP770の両者は
セリンプロテアーゼインヒビターのクニツツ(Kunitz)ド
メインと構造的及び機能的に類似性のある56アミノ酸
のドメインを含んでいる。クニツツインヒビターはトリ
プシンのようなセリンプロテアーゼに特異的なポペプチ
ドインヒビターの一群である(ラスコウスキー、M.(L
askowski, M.)、及びカトー、I、(Kato, I.)49 ア
ニユアル レケビユー オブ バイオケミストリー(An
n. Rev. Biochem.)593、610−613(198
0)の総説)。クニツツ型インヒビターの生理的機能は
分つていないが、このドメインの存在によつておそらく
セリンプロテアーゼによる分解から分子を保護し、アミ
ロイド前駆体タンパク質の代謝が変化することが示唆さ
れるている(タンツイ、r.E.(Tanzi, r. E.)ら、上
述)。コンピユーターモデル及びin vitroの分析によつ
てAPPドメインはまた構造膜貫通アンカードメイン(S
tructuraltransmembrane spanning anchor domain)を含
むことが強く示唆されている(セルコエ、D.J.(Sel
koe, D.J.)ら、85 プロシーデイグ ナシヨナル
アカデミツク サイエンス U.S.A.7341(1
988)及びデイルクス、T.(Dyrks, T.)ら、7 エ
ンボ(EMBO)949(1988))。
【0011】脳組織におけるアミロイドペプチドの沈着
に至る生化学的過程に関する理解は他の知見によつて複
雑化している。アミロイド前駆体タンパク質のRNA及
びタンパク質はゲツ歯類に見られる(ノーザンブロツ
ト、cDNAクローニング及びイムノ染色によつて示さ
れている)が、それらの脳にはアミロイド斑が見出され
ていない(カング、J.(Kang, J.)、及びミユラーヒ
ル、B.(Muller-Hill, B.)、 17 ヌクレイツク ア
シツド リサーチ(Nucleic Acid Res.)2130(19
89)、ベンドツテイ、C.(Bendotti, C.)ら、85
プロシーデイング ナシヨナル アカデミツク サイエ
ンス U.S.A.(Proc. Nat. Acad. Sci. U.S.A.)3
628(1988)、及びカード、J.P.(Card, J.
P.)ら、1 ニユーロン(neuron)835(198
8))。また、単個細胞内に存在するアミロイド前駆体
タンパク質の多重型を含めて記載されたcDNAクロー
ンでは説明されていない付加的なAPP転写物が存在す
ると思われる(H160細胞及びヒト脳RNAのノーザ
ンブロツトに対するAPP cDNAクローンのハイブ
リダイゼーシヨンによつて示されている、ドンネリー、
R.J.(Donnelly, R.J.)ら、9ニヤーロビオル エイ
ジング(Neurobiol. Aging)333(1988)、ビテツ
ク、M.P.(Vitek, M.P.)ら、モレキユラー ブレイ
ン リサーチ(Mol. Brain Res.)121(1988)、
及びザイン、S.B.(Zain, S.B.)ら、85 プロシー
デイング ナシヨナル アカデミツク サイエンス
U.S.A.(Proc. Nat. Acad. Sci. U.S.A.)929
(1988))。
【0012】
【発明の要約】本発明はアルツハイマー病患者のヒト脳
組織由来の特異的、新規アミロイドペプチド前駆体のR
NAの発見に基づく。APP770で記載された部分と
一致する115及び805の間及び818及び109の
間の位置を除いて(番号は上述のキタグチ(Kitaguchi)
ら及びドンネリー(Donnelly)らによる)、本発明の新規
RNAからクローン化した相補的DNAのヌクレオチド
配列は最近記載されたAPP563のクローン(デサウ
ベージ(DeSauvage)及びオクダブ(octave)、上述)のユ
ニークな領域を含めていかなる既知の配列との実質的な
相同性を欠いている。
【0013】量的に本発明の新規RNAはヒト脳におい
て主要なAPP RNAであり、APP770の4倍
量、APP751の少なくとも31倍量であるが、AP
P695よりは少量でネズミ及びラツトの脳のRNAに
は実質的に存在しない。
【0014】新規APP RNAに相当する1.6キロ
塩基対(kb)のcDNAクローンにはAPP770のアミ
ノ末端に類似するがベータアミロイドペプチドドメイン
または疎水的膜貫通ドメイン(transmembrane spanning
domains)を欠く365アミノ酸のタンパク質の存在が考
えられる。これらの特徴は新規APP RNAはクニツ
ツプロテアーゼインヒビターと接触する可溶性タンパク
質をコードすることを示唆する。
【0015】本発明はそれゆえ新規ヒトアミロイド前駆
体のRNAのみならず、新規RNAを鋳型として用いて
作製した相補DNAも提供し、これは本発明の新規RN
AまたはcDNAで形質転換または感染された細胞によ
つて新規の精製単離されたアミロイドタンパク質前駆体
生成物を得ることを意味する。
【0016】本発明はアルツハイマー病患者の脳組織か
ら単離した主要な種特異的ヒトアシロイドペプチド前駆
体のRNAに関する。特に、本発明は500アミノ酸以
下から成るタンパク質をコードする新規アミロイドペプ
チド前駆体のRNAに関する。本発明の新規RNAに相
当する1.6kbのCDNAクローンの配列からクニツ
ツプロテアーゼインヒビターから成り、ベータアミロイ
ドペプチド及び疎水性の膜貫通アンカー(transmembrane
spanning anchor)の両者を欠く可溶性タンパク質が考
えられる。
【0017】本発明の新規RNAは多くの個々の試験で
ヒトRNAのすべての調製物中に観察されており、全ア
ミロイド前駆体タンパク質(APP)RNAの18から
24%であると考えられる。量的に、前述のAPP69
5より少量であるがAPP770よりは多量である。本
発明の新規RNAはヒトにユニークであると思われ、ラ
ツト及びネズミの脳のRNA中には検出されない。さら
に、ゲツ歯類に存在する前述のAPP563及びAPP
751の両者はヒト成人の脳の皮質中には存在しないか
または非常に低レベルであると思われる。
【0018】本発明の新規RNAに対する相補DNAか
ら本発明のRNAが約365アミノ酸から成るタンパク
質をコードしていると考えられる。従つてここでは本発
明の新規RNAはAPP365をコードすると言うこと
にする。
【0019】本発明の新規RNAに対する相補的DNA
のヌクレオチド配列は種々のデータバンク(ゲンバンク
(Gen Bank)(リリース59.0、3/89)及びゲンエ
ンブル(Gen EMBL)(リリース18.0、2/89)。デ
ータバンクはウイスコンシン大学の「ジエネテイクス
コンピユーター グループ(“Genetics Computer Grou
p")による配列解析ソフトウエアパツケージをデバレア
ウクス、J.(Devereaux,J)、ら12ヌクレイツクアシツ
ドリサーチ(Nucleic Acids Res.)387(1986)に
記載されている方法に従つて検索した。)で、最近記載
されたAPP563のcDNAクローンのユニークな領
域を含むが、先に記載されているAPP770の115
と805の間の一致する位置、及び818と1090の
間(上述のキタグチ(Kitaguchi)ら及びドンネリー(Donn
elly)らの番号による)を除いて、既知のいかなる配列
との実質的な相同性を欠いている。本発明の新規RNA
に対する相補DNAはAPP770のヌクレオチド配列
の1090の位置以降に始まる新しい「挿入」配列を含
み、805と818の間の位置に見出される12塩基対
を欠いている。
【0020】これは先に記載されているAPP770と
比較して本発明の新規RNAの構成及びヌクレオチド配
列が表わされている図4に図説されている。図は慣習的
に5’から3’の方向に置かれている。ヌクレオチドの
位置1から865はカング(Kang)(カング、J(Kang,
J.)ら、上述)の番号系に従つている。クニツツプロテ
アーゼインヒビター(PI、866−1033、及び
C、1034−1090の位置)ドメインは上述のキタ
グチ(Kitahuchi)ら及びドンネリー(Donnelly)らによつ
て記載されている。12ヌクレオチドの欠失(806−
817の位置)及び新しいカルボキシ末端(1091−
1760の位置)が示されている。
【0021】カング(Kang、上述)の番号系に従う11
5の位置から始まり1630の追加したヌクレオチドが
続く本発明のRNAに対する相補DNAの完全ヌクレオ
チド配列は図5に与えられている。12ヌクレオチドの
欠失はヌクレオチド805と806の間に垂直矢印で示
されている。二重下線の残基はクニツツプロテアーゼイ
ンヒビター領域を示し、一本下線の残基は新規カルボキ
シ末端を示す。
【0022】cDNAから推定されるアミノ酸配列は本
発明の新規RNAがクニツツプロテアーゼインヒビター
に接触するAPPタンパク質の可溶性の短縮型をコード
することを示唆する。可変アミノ酸配列の開始はグリシ
ン39(Gly39)に相当し、スレオニン270(Thr
270)−セリン271(Ser271)−イソロイシン27
2(Ile272)−アラニン273(Ala273)の残基
は存在しないのだが、これらの残基までAPP770に
全く一致するまで続く。この4残基の欠失に続き、新規
RNAではクニツツプロテアーゼインヒビタードメイン
及びAPP770に見出されるようにクニツツプロテア
ーゼインヒビタードメインへの19アミノ酸のカルボキ
シ末端が続くが、ユニークな6アミノ酸残基で終結す
る。
【0023】クニツツプロテアーゼインヒビタードメイ
ンが存在する一方、本発明の新規RNAは他のアミロイ
ド前駆体タンパク質に見出される長い疎水性膜貫通アン
カー(transmembrane-spanning anchor)またはベータア
ミロイドドメインを欠いている。本発明のAPP365
はアルツハイマー病の脳において正常な脳より4倍量見
出される免疫沈降性の35キロダルトンのAPPタンパ
ク質と関連する(コーレ、G.(Cole, G.)ら、100ニユ
ーロサイエンスレターズ(Neurosci. Lett.)340(1
989))。
【0024】本発明の新規RNAは膜結合型APPタン
パク質から加水分解によつて分泌または遊離してアルツ
ハイマー病のアミロイドシスにおけるある役割を担う可
溶性で分散可能なタンパク質わ提供する。それゆえ、本
発明はここで最初に明らかにされる種特異性アミロイド
ペプチド前駆体アミノ酸残基を全体的または部分的に複
製した配列を持つ可溶性ポリペプチドを提供する。これ
らの配列は天然に存在するアミロイドペプチド前駆体タ
ンパク質と一次、二次または三次構造及び立体的特徴及
び共通するため、天然に存在する生成物と共通する生物
学的活性及び/または免疫学的性質を持ち、そのためそ
れら及び/またはその抗体は診断、治療及び免疫学的方
法においてアミロイド前駆体タンパク質に替わる生物学
的活性性のまたは免疫学的な代替物として用いられる。
【0025】上述した通り、本発明は正しく推定したヒ
トポリペプチド配列のエクソンを明らかにしたクローン
化相補的DNA配列を説明するものであり、ヒト起源の
主要なアミロイド前駆体タンパク質の一次構造的なコン
フオーメーシヨンを示す。またここで記載した相補的D
NAに相同的または深く関連したDNA配列、すなわち
本発明のRNAに相補的なDNAに対して特に厳しい条
件下でハイブリダイズするDNA配列、及び本発明のR
NAに相補的なDNAにコードされるタンパク質を十分
に複製し該タンパク質の生物学的性質を持つようになる
タンパク質をコードするDNA配列も包含される。それ
ゆえ、本発明は限定はしないが、ヒト脳のアミロイド前
駆体タンパク質の可溶性クニツツプロテアーゼインヒビ
タードメインをコードするRNA及びDNA配列を含
む。
【0026】ここでヒト起源の主要アミロイド前駆体タ
ンパク質のアミノ酸残基の配列及びそれに相当するクロ
ーン化相補的DNAが明らかにされるため本発明はまた
常法によつて本発明のRNA及びDNA配列を導入した
新規の生物学的機能を持つウイルス及び環状プラスミド
RNA及びDNAを提供する。微生物(例えば、細菌、
酵母及び動物細胞)宿主生物はそのようなベクターで安
定に形質転換または感染される。相応して本発明によつ
て外来のベクター由来のDNAまたはRNA配列の大量
発現を容易にする条件下でそのような形質転換または感
染した微生物宿主の培養を特徴とする有用ポリペプチド
の生成方法及び生育培地、細胞破砕物または細胞膜画分
から所望のポリペプチドを単離する新規方法が提供され
る。そのような発現の例は実施例4で説明される。
【0027】本発明によつて提供される微生物的発現し
たポリペプチドの単離及び精製は一般的な方法によつ
て、例えば予備的なクロマトグラフによる分離及びモノ
クローナル及び/またはポリクローナル抗体調製物を含
む免疫学的な分離による。
【0028】本発明はアミロイド前駆体タンパク質36
5及びその相同タンパク質をコードするDNA配列の全
体的及び/または部分的な作製法を提供し、選ばれた非
動物宿主での発現に好ましいコドンの導入、制限酵素の
切断部位の導入及び簡単に発現させるベクターの構築を
容易にする付加的な開始、終結および中間DNA配列の
設置といつた有利な特徴も含む。相応して、本発明天然
存在型とは1つまたはそれ以上のアミノ酸残基の一致度
またはその位置が異り(すなわち、APP365に特異
的な残基のすべては持たない欠失類似物、及び/または
1つまたはそれ以上の残基がポリペプチドの終結または
中間部分に付加された置換類似物)、及び天然存在型の
性質といくらかまたは全く共通し、微生物発現するアミ
ロイドタンパク質前駆体のポリペブチド類似物または派
生物をコードするDNA配列の作製法(及びcDNA及
びゲノムDNAの部位特異的変異による開発法)を提供
する。
【0029】本発明の新規RNA配列はアミロイド前駆
体タンパク質365の少なくとも一部の一次構造を持
ち、そしてその生物学的性質のうちひとつまたはそれ以
上を持つポリペプチド生成物の原核または真核宿主細胞
における発現を保証するすべての配列をコードし、それ
は(a)図5で説明するDNA配列または相補鎖のDN
A配列、(b)(a)で定義したDNA配列またはそれ
らの断片とハイブリダイゼーシヨンする(ここに記載し
たハイブリダイゼーシヨン条件下またはそれより厳しい
条件下)DNA配列、及び(c)遺伝子コードが変化し
ていない場合、上の(a)及び(b)で定義したDNA
配列とハイブリダイゼーシヨンするDNA配列によつて
理解される。特にアミロイド前駆体タンパク質のRN
A、その断片、及びRNAまたはDNA配列に非動物宿
主において転写またはメツセンジヤーRNAのRNA複
製を容易にするコドンが導入された類似物をコードする
アミロイド前駆体タンパク質配列の遺伝子変異型をコー
ドするゲノムDNA配列によつて理解される。
【0030】本発明のポリペプチド生成物は検出可能な
マーカー物質で共有結合によつて標識し(例えば125
または蛍光抗体で放射標識)、組織切片または随液のよ
うな固体または液体サンプル中でヒトベータアミロイド
タンパク質前駆体タンパク質を検出及び定量するために
用いる試薬を提供する。本発明のRNAまたはDNA生
成物はまた検出可能なまーかーで標識し、ベータアミロ
イドタンパク質の位置付け及び/または動物種染色体地
図上における関連遺伝子群の位置付けを行うためにDN
Aハイブリダイゼーシヨン法において用いる。それらは
また隣接遺伝子及びその病気を同定するために用いられ
る。
【0031】それゆえ、本発明は診断(臨床化学と同よ
う組織病理学)及び研究、及び生化学を基礎とする処置
及び治療に用いられる。特に軸索突出(neurite outgrou
wth)の刺激に関する関連タンパク質のKPIドメインの
細胞外作用に対するその役割が提唱されている(モナー
ド(Monard)、1988、ツーン(Zurn)、1988)。そ
れゆえ、本発明のRNA及びDNA配列によつてコード
されるタンパク質はまたin vivo及びin vitroにおける
神経生育を直接的または間接的に促進するために用いら
れる。それゆえ、APP−365タンパク質またはその
活性部分は神経細胞培養における補充物及びin vivo
置及び神経組織の損傷に対する修復のための治療組成物
の活性成分として神経細胞の維持、生育及び修復のため
に用いられる。
【0032】以下の実施例は本発明及び用いた技術の特
徴を詳細に記載し説明するために示されるが、いかなる
意味においても制限するものではない。別に示さない限
り、すべての部数及びパーセンテージは重量であり、記
載した方法の特定の段階における重量に基づいている。
【0033】
【実施例1】S1ヌクレアーゼ保護方法 アスペリギルス オリザエ(Aspergillus oryzae)由来の
S1ヌクレアーゼは非常に特異的な一本鎖エンドヌクレ
アーゼである。S1ヌクレアーゼを適応するにあたつて
は(アウスベル、F.M.(Ausbel, F.M.)ら編、カレン
トブロトコールズ イン モレキユラー バイオロジー(Cu
rrent Protocols in Molecular Biology)、ジヨン ウ
イリー&サンズ(John Wily & Sons)、ニユーヨーク(New
York)、3.12.1から3.12.3により完全に記載
されている)この酵素が平滑二本鎖末端を突出させるこ
となるDNA及びRNAの突出一本鎖末端を刈り込む機
能を利用することによる。例えば、相補RNA及びDN
Aのハイブリダイゼーシヨンした転写物はS1耐性であ
り、近傍の非相補的ドメインをS1消化した後、単離し
解析することができる。
【0034】本実施例は後者の技術を用いて数種のAP
P転写物の性質と量について同時に特徴付けを行う。上
に引用したキタグチ(Kitaguchi)ら、及びドンネリー(Do
nnely)らが記載したAPP770の相補DNAの366塩
基対のDdeI−XboI(774から1139の位
置)断片から得た均一に標識したアンチセンスリボプロ
ーブを常法(サンブルツク、J.(Sambrook, J.)、E.
F.,フリツシユ(E.F.,Fritsch)、 及びT.マニアテ
イス(T.マニアテイス)、モレキユラークローニング
(Molecular Cloning):ラボラトリー マニユアル(A La
boratory Manual)、第2版、コールド スプリング ハ
ーバー ラボラトリー プレス(Cold Spring Harbor La
boratory Press)、1989年、10.29から10.3
7)によつて「リボジエネシスII、イン ビトロトラン
スクリプシヨン バイオシステム(“Ribogenesis II, I
n Vitro Transcription Biosystem")キツト(インター
ナシヨナル バイオテクノロジーズ社、ニユーヘブン、
コネチカツト(internationalBiotechnologies, Inc., N
ew Haven, CT)を用いて調製する。本プローブはクニツ
ツプロテアーゼインヒビタードメイン(上に引用したタ
ンツイ(Tanzi)ら、キタグチ(Kitaguchi)ら、及びポテ(Po
nte)ら)をコードするエクリンのヌクレオチドを含むか
マタハそれに隣接するAPP RNAの内部の断片を正
確に測定することが可能である。
【0035】32Pで標識した410塩基のプローブは図
1のAに図説してある。pAPP770−DXは366
塩基のDdeI−XhoI断片(APP770cDNA
クローン由来)をリボプローブベクターpIBI30
(インターナシヨナル バイオテクノロジーズ社、ニユ
ーヘブン、コネチカツト(International Biotechnologi
es, Inc., New Heven, CT))のSmaI−XhoI部位
に挿入して構築したプラスミドの一部分を表す。T3
NAポリメラーゼでEcoRI線状化鋳型を転写するこ
とによつて付随するベクター配列(斑点部)と同様にA
PP関連RNAのクニツツプロテアーゼインヒビター
(黒染り部)、C(垂直平行線部)及び隣接(白抜き
部)ドメインに相補する配列を含む410塩基のアンチ
センスリボプローブが生じる。リボプローブはAPP7
70転写物に相補する全370塩基を含み、関連する配
列の長さは与えられている。
【0036】標識リボプローブはヒト、ラツト、または
マウス脳のポリ−(A+)(クローテツク ラボラトリ
ーズ社、パロアルト、カリフオルニア(Colontech Labor
atories, Inc., Palo Alto, CA)より入手)またはHL
60のポリ−(A+)(フルヤ、H.(Furuya, H.)ら、
150 バイオケミストリー バイオフイジツクスリサ
ーチ コミユニケーシン(Biochem. Biophys. Res. Comm
un. 75(1988)、マードツク、G.(Murdoch,
G.)ら、16ヌクレイツク アシツド リサーチ(Nuclei
c Acids Res.)357(1988)、ポドリスニイ、
M.(Pldlisny, M.)ら、238 サイエンス(Science)
669(1987)、及びセント ジヨージ ハイスロ
ツプ、P.(St. George Hyslop, P)ら、上述に従つて
調製)に対してハイブリダイゼーシヨンする。リボプロ
ーブはまた全細胞脳組織またはHL60のRNA(チヤ
ーグウイン(Chirgwin)の方法(チオーグウイン(Chirgwi
n)ら、24 バイオケミストリー(Biochem.)5294
(1979)、グアニジン イソチオシアネート(guani
dine isothiocyanate)による組織のホモジナイズ、カゼ
インクロライドのクツシヨンの上へのホモジエネートの
重層、及び超遠心分離によるRNAの回収を含む)によ
つて調製)に対してハイブリダイゼーシヨンする。
【0037】RNA(10−15μg)、過剰量の放射
標識したリボプローブ(3−5×105cpm)及び大腸菌
t−RNA担体(100μg)を沈殿し、μLのハイブ
リダイゼーシヨン緩衝液(80%ホルムアミド、40m
M PIPES(pH6.4)、0.4M NaCl、1
mM EDTA)に再懸濁し、80℃で5分間加熱し4
4℃で16時間アニーリングする。280mM NaC
l、50mM NaOAc(pH4.5)、4.5mM
ZnSO4、及び加熱変性したサケ精子DNA(40μ
g/ml)を含む0.3mlの衝撃液中でS1ヌクレアーゼ
(300ユニツト、ベーリンガー モンハイム(Boehrin
ger-Mannfeim))を添加することによつてRNAを37℃
で1時間消化する。
【0038】これによつて図1のBに説明した保護断片
を生じる。放射標識したリボプローブにハイブリダイゼ
ーシヨンしたAPP RNAからそれぞれAPP77
0、751及び695RNAの存在を示す長さ370、
261及び93塩基のS1耐性プローブ断片が生じると
思われる。
【0039】消化は80μlの停止緩衝液(4M酢酸ア
ンモニウム、20mM EDTA(Ph8.0)及び4
0μg/ml t−RNA)を添加して終結する。サンプ
ルをエタノールで沈殿し、沈殿物を8μlのロード用緩
衝液(95%ホルムアミド、20mM EDTA、0.
05%ブロモフエノールブルー及び0.05%キシレン
シアノールFF)に再懸濁する。サンプルは高い分解能
の6%ポリアクリルアミド−8M尿素の配列決定用ゲル
電気泳動によつて分画する。S1保護バンドはオートラ
ジオグラフイ(コダツク XARフイルム)によつて視
覚化する。
【0040】オートラジオグラフは図2(上)に示す。
サンプルはヒト脳側頭皮質由来の全RNA(第2及び3
レーン)、ヒト前骨髄白血病(HL60)細胞ポリ−
(A+)RNA(第4レーン)、及びそれぞれ第5から
クレーンにはヒト、マウス、及びラツト脳ポリ−(A
+)RNAを含む。APP770、APP695及び新
規APP365に相当するバンドは第2から3レーンに
見られる。第4から7レーンにはAPP751RNAが
見られる。マーカー(第1レーン)は32P標識したφX
174由来のHaeIII制限断片である。(本糸におい
ては、標識リボプローブ由来の保護RNA断片は標識D
NAマーカーより速く移動する)。
【0041】本方法のラツト及びマウス脳RNAのSl
保護によつてAPP695、751及び770のRNA
のcDNAクローンの配列に基づいて、その長さがそれ
ぞれ93、261及び370ヌクレオチドであるプロー
ブ断片を表す3つのバンドが得られる。ヒト脳RNAは
ほとんど一致するバンドパターンを生じるが、APP7
51領域のバンドはゲツ歯類で対応するものより遅く移
動する(1図のD)。前骨髄白血病細胞ライン、HL6
0由来のヒトRNAではAPP695はほとんど検出不
可能、APP770は存在、及びAPP751は二重バ
ンドというパターンを与える(1図のD、第4レー
ン)。この二重バンドの下はゲツ歯類脳APP751R
NA(1図のD、第6及び7レーン)及び先にHL60
cDNAライブラリーから単離されたAPP751クロ
ーン(ドンネリー(Donnelly)ら、上に引用)を用いて保
護した標識断片と同様に移動する。二重バンドの上のバ
ンドはヒト脳RNAによつて保護されたゆつくり移動す
る断片と同様に移動する(図2、第5レーン)。本発明
の新規RNAを表す上のバンドは多数の個体由来のヒト
脳RNA、22個の調製物中22個に見られた。
【0042】
【実施例2】S1 オートラジオグラムの定量 実施例1のS1解析に供した複製RNAサンプルのオー
トラジオグラムはモデル300Aコンピユーテイングデ
ンシトメータ(Model 300A Computing Densitomete
r)(モレキユラーデイアンミクス、サニーベール、カリ
フオルニア(Molecular Dyanmics, Sunnyvale,(A))を用
いたデンシトメトリーによつて定量分析する。APP7
70、751さらに563、695及び新規RNAを表
すバンドはバツクグラウンド消去後一本化する。それぞ
れのAPP RNAの比はそれぞれのサンプル中のAP
P770RNAの量を1.0に設定することによる。値
は2回測定の±標準偏差を表す。
【0043】本方法を用いて、以下に示す培養ヒト前骨
髄白血病(HL60)細胞及びヒト、マウス及びラツト
の脳由来の組織で発現したAPP RNAの量比が得ら
れる。
【0044】
【表1】
【0045】
【実施例3】詳細な特徴 実施例1で記載したAPP751二重バンドの上の方の
バンドを生じるS1保護15を施した新規RNAを詳細
に特徴付けるため、HL60cDNAライブラリーを再
スクリーニングし、クニツツプロテアーゼインヒビター
に特異的なオリゴヌクレオチドにハイブリダイゼーシヨ
ンするクローンを単離する(デービス、L.G.(Davi
s, L.G.)、 デイブナー、M.D.(Dibner, M.D.)、 及び
バテリー、J.F.(Battery, J.F.)、ベイシツク メ
ソツドイン モレキユラー バイオロジー(Basic Metho
ds in Molecular Biology)、エルゼビア(Elsevier)、ニ
ユーヨーク(New York)、1986年67−78ページに
記載され、ドンネリー(Donnelly)ら、上に引用した33
4ページに要約されている標準的な技術による)。元の
APP751及びAPPcDNA単離物を含む候補のク
ローン由来のラムダDNAを実施例1に概説した通りに
S1保護解析に供する。
【0046】結果を図2(下)に示す。3種の長さが異
なる標識リボプローブ断片を保護する。多くの候補はA
PP751及び770型であるが、3つのクローンは新
規バンドの位置に移動する保護断片である。代表的なラ
ムダcDNAクローン単離物はAPP770(第6及び
7クレーン)、APP751(第3及び5レーン)、及
び新規RNA(第4レーン)と思われる断片の長さを持
つバンドで示される。APP770(第7レーン)及び
751(第5レーン)cDNA単離物は先にサブクロー
ン化及び配列決定されている(同書)。S1処理してい
ないリボプローブ(1及び2)及びマーカー(第1レー
ン)も示されている。
【0047】それぞれの新規ラムダクローンは1.6kb
のEcoRI断片を含むことが見出された。サブクロー
ン化し、アルカリ変性及びマルチオリゴヌクレオチドプ
ライマーを用いて行なった配列解析によつてその断片は
同一であることが見出された(アウスベル(Ausubel)
ら、上述に記載)。
【0048】
【実施例4】タンパク質の発現 本発明のアミロイドペブチド前駆体をコードするcDN
AクローンはHB101細菌内のプラスミドとしてブダ
ペスト条約(Budapest Treaty)の条件に準じ1990年
1月22日アメリカン タイプ カルチヤー コレクシ
ヨン(A.T.C.C.)、12301パークローン
ドライブ、ロツクビレ、メリーランド(Parklawn Drive,
Rockville, Maryland)20852に寄託した。ここで
はpCLL365と呼ぶ本プラスミドのA.T.C.
C.登録番号は68207である。DNA及びクローン
は本出願が米国特許として請求発布された後米国におい
て公的に及び他の法的に認められた基準に従つて入手で
きる。
【0049】pCLLは本発明の新規アミロイドタンパ
ク質を発現するために用いられる。そのためにはpCL
L365のcDNA挿入物を適当な制限酵素で除去し、
プラスミドpET−3a(ローゼンバーグ、A.H.(R
osenberg, A.H.)ら、56 ジーン(Gene)125(198
7))に導入する。pET−3aのNdeI部位をタン
パク質のアミノ末端に用い、BamHI部位をタンパク
質のカルボキシ末端に用いる。APP365cDNAを
含むキメラル pET−3aをBL−21、LysS細
菌(シユテユデイア、F.W.(Studier, F.W.)及びモ
フアト、B.A.(Moffatt, B.A.)、 189 ジヤーナ
ル オブ モレキユラー バイオロジー(J. Mol. Bio
l.)113(1986))に形質転換した後、タンパク
質の発現をラクトースまたはイソプロピルチオガラクト
ピラノシド(isopropylthiogalactopyranoside)を添加す
ることによつて誘導する。全細菌を溶菌し、APPタン
パク質を従来のタンパク質精製方法に従つて精製する。
【0050】前述の詳細な記載及び実施例はさらに図を
用いて説明及び例証される。図1はヒト前骨髄白血病
(HL60)細胞及びヒト、マウス及びラツト脳におけ
るAPP転写物のS1ヌクレアーゼ保護(実施例1)解
析について図説する。(A)は(B)及び(C)のS1
保護法において表わされ、図2のS1解析において用い
られる410塩基の32P標識したリボプローブの構築を
表わす。pAPP770−DXは366塩基のDdeI
−XhoI断片(APP770cDNAクローン由来)
をリボプローブベクターpIBI30のSmaI−Xh
oI部位に挿入することによつて構築したプラスミドの
一部分を示す。T3RNAポリメラーゼでEcoRI線
状化鋳型を転写することによつて、付随するベクター配
列(斑点部)と同様にAPP関連RNAのクニツツプロ
テアーゼインヒビター(黒染り部)、C(垂直平行線
部)及び隣接(白抜き部)ドメインを相補する配列を含
む410塩基のアンチセンスリボプローブを生じる。リ
ボプローブはAPP770転写物を相補する全370塩
基を含み、関連する配列の長さは与えられている。
【0051】図1の(B)は図1の(A)に記載された
リボプローブを用いたAPP RNAに対する予想され
るS1保護機構を図説する。放射標識したリボプローブ
にハイブリダイゼーシヨンするAPP RNAからそれ
ぞれAPP770、751及び695RNAの存在を示
す370、261及び93塩基の長さを持つS1耐性プ
ローブ断片を生じると思われる。
【0052】図1の(C)は(A)に記載されたリボプ
ローブを用いた本発明の新規RNAに対する推定S1機
構を示す。図2の変ったS1パターン及びそのcDNA
クローンから検出される新規RNAから273塩基のS
1耐性プローブ断片を生じると思われる。
【0053】図2(上)は(A)のAPPリボプローブ
及びポリ−(A+)または全RNAを用いたS1ヌクレ
アーゼ保護解析のオートラジオグラフを示す。サンプル
は全RNAを含む。サンプルはヒト脳側頭皮質由来の全
RNA(第2及び3レーン)、ヒト前骨髄白血病(HL
60)細胞ポリ−(A+)(第4レーン)、及びそれぞ
れ第5〜7レーンにはヒト、マウス及びラツト脳ポリ−
(A+)RNAを含む。APP770、APP365、
及びAPP695に相当するバンドは第2〜3レーンに
示されている。第4レーンには、変種APP365及び
APP751RNAのS1保護断片に相当する関連した
バンドをより視覚化するためにAPP751領域が拡大
されている。マーカー(第1レーン)は32P標識したφ
X174由来のHaeIII制限断片である。
【0054】図2(下)もまたS1ヌクレアーゼ保護解
析に供したAPP365、APP751及びAPP77
0cDNAの移動度を比較している(実施例3に記
載)。HL60cDNAライブラリーをクニツツプロテ
アーゼインヒビター特異的プローブでスクリーニング
し、ラムダDNAのポジテイブな単離物をS1ヌクレア
ーゼ保護解析に供する。代表的なラムダDNAcDNA
クローン単離物はAPP770(第6及び7レーン)、
APP751(第3及び5レーン)及び新規APP36
5(第4レーン)と思われる。断片の長さを持つバンド
を示す。マーカー(第1レーン)は上に記載した通り、
S1処理をしていないリボプローブも示されている(第
2レーン)。
【0055】図3は本発明の新規APP365cDNA
のヌクレオチド及び推定されるアミノ酸配列を図説する
(より完全には下に記載)。その構成は5’から3’の
方向になつている。PIと表されるクニツツプロテアー
ゼインヒビターは866から1033の位置に見出さ
れ、Cドメインは1034から1090の位置である。
12ヌクレオチドの欠失(806から817の位置)及
び新規カルボキシ末端(1091から1760の位置)
が示されている。線の下の表記はそれぞれのドメイン由
来のアミノ酸残基数を示す。
【0056】図4はカルボキシ末端における新規6アミ
ノ酸配列と共に図3で表わされた挿入物の最初の670
ヌクレオチドを示す。
【0057】図5は本発明の新規APP365cDNA
のヌクレオチド及び推定されるアミノ酸配列を示す。1
15の位置(カンゲ(Kange)ら、325ネイチヤー(Natu
re)733(1987)が記載した番号系による)から
始まり付加した1630ヌクレオチドが続くように5’
から3’に構成されている。12ヌクレオチドの欠失は
ヌクレオチド805及び806の間の垂直矢印で示され
ている。二重下線を施した残基はクニツツプロテアーゼ
インヒビター領域を示し、一本下線は新規6残基のカル
ボキシ末端を示す。
【0058】上述の記載は本技術分野における平均的な
技術者に対して本発明の実行方法を教えるためのもので
あり、記載を読んで技術者が明らかにするであろう修正
及び変法のすべてを詳述するものではない。しかし、そ
のようなすべての修正及び変法は付随する請求項で定義
する通り本発明の範囲内に含まれる。
【0059】
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【0076】レメイヤー、H.G.(Lemaire, H.G.)
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イス(T. Maniatis)、モレキユラー クローニング(Mole
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びモフフアツト、B.A.(Moffatt, B.A.)、189 ジヤー
ナル オブ モレキユラー バイオロジー(J. Mol. Biol.)
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【0088】セルコエ、D.J.(Selkoe, D.J.)ら、85
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【0089】タンツイ、R.(Tanzi, R.)ら、331
ネイチヤ(Nature)528(1988)。
【0090】トウトル、R.R.(Tuttle, R.R.)、米国
特許第4,511,570号(1985)。
【0091】ビテツク、M.P.(Vitek, M.P.)ら、4
モレキユラー ブレイン リサーチ(Mol. Brain Re
s.)121(1988)。
【0092】ウオング、C.(Wong, C.)ら、82 プロ
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イン U.S.A.(Proc. Nat. Acad. Sci. U.S.A.)8
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【0093】ウインガーデン、J.B.(Wyngaarden,
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キストブツク オブ メデイシン (Cecil's Textbook
of Medicine)、第18版、W.B.サウンダース(W.B.S
aunders)、1989年、2089から2090ページ。
【0094】ザイン、S.B.(Zain, S.B.)ら、85
プロシーデイン ナシヨナル アカデミツク サイエン
ス イン U.S.A.(Proc. Nat. Acad. Sci. U.S.
A.)929(1988)。
【0095】ツアーン、A.D.(Zurn, A.D.)ら、デペ
ロツプメント ニユロサイエンス(Dev.Newrosci.)10:
17−24、1988年。
【0096】本発明の主な特徴及び態様は以下のとおり
である。
【0097】1.可溶性ヒト脳組織アミロイドペプチド
前駆体タンパク質をコードする精製単離されたRNA配
列。
【0098】2.(a) 図5で説明されるDNA配列
にハイブリダイゼーシヨンするRNA配列、及び(b)
タンパク質の生物学的性質を持つように図5のDNA
にコードされるタンパク質を十分に複製しうる可溶性脳
組織アミロイドタンパク質前駆体をコードする、RNA
配列、(c) 図5で説明されるDNA配列によつてコ
ードされるRNA配列、から成る群から選ばれた精製単
離されたRNA配列。
【0099】3.可溶性ヒト脳組織アミロイドペプチド
前駆体タンパク質をコードする精製単離されたDNA配
列。
【0100】4.(a) 図5で説明されるDNA配列
にハイブリダイゼーシヨンするDNA配列、及び(b)
タンパク質の生物学的性質を持つように図5のDNA
にコードされるタンパク質を十分に複製しうる可溶性脳
組織アミロイドタンパク質前駆体をコードするDNA配
列、及び(c) 図5で説明されるDNA配列に相当す
るDNA配列、から成る群から選ばれた精製単離された
DNA配列。
【0101】5.上記3または4項に従うDNA配列か
ら成る生物学的機能性を持つ環状プラスミドまたはウイ
ルスDNAベクター。
【0102】6.宿主細胞にヒトアミロイド前駆体タン
パク質を発現させるために上記4項によるDNA配列に
よつて形質転換または感染された原核または真核の宿主
細胞。
【0103】7.生物学的機能性プラスミドpCLL3
65、A.T.C.C.,ロツクビレ(Rockville)、メ
リーランド(Maryland)、登録番号68207。
【0104】8.上記7項に従うプラスミド中にコード
されているDNAによつて形質転換された細菌宿主細胞
で、該宿主細胞はヒトアミロイド前駆体タンパク質を発
現する。
【0105】9.精製単離した可溶性ヒト脳組織アミロ
イドペプチド前駆体タンパク質。
【0106】10.図5のDNAにコードされている可
溶性脳組織アミロイドタンパク質前駆体を十分に複製し
該タンパク質の生物学的性質を持ち、または図5のDN
Aにコードされているアミノ酸配列から成る精製単離さ
れた可溶性脳組織アミロイドタンパク質前駆体。
【0107】11.可溶性ヒト脳組織アミロイドペプチ
ド前駆体タンパク質をコードする精製単離されたDNA
配列によつて形質転換または感染された宿主細胞を該宿
主細胞が該タンパク質前駆体を発現するための十分な条
件下一定時間培地で増殖させ、次に該培地、該宿主細胞
の溶解物及び該宿主細胞の膜画分から成る群から選ばれ
た材料から可溶性脳組織アミロイドタンパク質前駆体を
回収することを特徴とする可溶性脳組織アミロイドタン
パク質前駆体を生成する方法。
【0108】12.可溶性ヒト脳組織アミロイドペプチ
ド前駆体タンパク質をコードするDNA配列によつて原
核または真核宿主細胞を感染または形質転換し、該宿主
細胞に該DNAによつてコードされるタンパク質を発現
させることを特徴とする可溶性脳組織アミロイドタンパ
ク質前駆体を発現する原核または真核細胞を作成する方
法。
【0109】13.神経細胞に効果的な量のAPP−3
65タンパク質またはその活性部分を添加することを特
徴とするin vivoまたはin vitroで神経細胞の生育を
刺激する方法。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は(A)APPプローブを用いたS1ヌク
レアーゼ保護解析、(B)既知APPを用いた分析によ
る推定される保護機構、及び(C)本発明の新規RNA
に対する推定される保護機構について図説している。
【図2】図2はS1ヌクレアーゼ保護解析のオートラジ
オグラフ(上)及びS1ヌクレアーゼ保護解析を施した
APPcDNAクローンの移動度の比較(下)を示す。
【図3】3図は本発明の新規APPcDNAのヌクレオ
チド及び推定されるアミノ酸配列の構成を表わす。
【図4】図4は新規挿入物の最初の670ヌクレオチ
ド。
【図5】図5は本発明の新規RNAに相当するcDNA
の完全なかヌクレオチド及び推定されるアミノ酸配列を
図説している。
【手続補正書】
【提出日】平成5年6月2日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図面の簡単な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は(A)APPプローブを用いたSIヌク
レアーゼ保護解析、(B)既知APPを用いた分析によ
る推定される保護機構、及び(C)本発明の新規RNA
に対する推定される保護機構について図解したものであ
る。
【図2】図2はSIヌクレアーゼ保護解析のオートラジ
オグラフ(上)及びSIヌクレアーゼ保護解析を施した
APPcDNAクローンの移動度の比較(下)を示す電
気泳動の図である。
【図3】図3は本発明の新規APPcDNAのヌクレオ
チド及び推定されるアミノ酸配列の構成を表わす。
【図4】図4は新規挿入物の最初の670ヌクレオチド
の配列である。
【図5】図5は本発明の新規RNAに相当するcDNA
の完全なヌクレオチド及び推定されるアミノ酸配列を図
解したものである。(図6につづく)
【図6】図6は本発明の新規RNAに相当するcDNA
の完全なヌクレオチド及び推定されるアミノ酸配列を図
解したものである。(図5からつづく)
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】全図
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C12P 21/02 C 8214−4B G01N 33/53 D 8310−2J 33/60 7055−2J // C12Q 1/68 A 7823−4B G01N 33/58 A 7055−2J (72)発明者 ジヤツク・スチーブン・ジエイコブセン アメリカ合衆国ニユージヤージイ州07011 クリフトン・イーストクリフトンアベニユ ー111

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】可溶性ヒト脳組織アミロイドペプチド前駆
    体タンパク質をコードする精製単離されたRNA配列。
  2. 【請求項2】(a) 図5で説明されるDNA配列にハ
    イブリダイズするRNA配列、及び (b) タンパク質の生物学的性質を持つように図5の
    DNAにコードされるタンパク質を十分に複製しうる可
    溶性脳組織アミロイドタンパク質前駆体をコードする、
    RNA配列、 (c) 図5で説明されるDNA配列によつてコードさ
    れるRNA配列、から成る群から選ばれた精製単離され
    たRNA配列。
  3. 【請求項3】 可溶性ヒト脳組織アミロイドペプチド前
    駆体タンパク質をコードする精製単離されたDNA配
    列。
  4. 【請求項4】(a) 図5で説明されるDNA配列にハ
    イブリダイゼーシヨンするDNA配列、及び (b) タンパク質の生物学的性質を持つように図5の
    DNAにコードされるタンパク質を十分に複製しうる可
    溶性脳組織アミロイドタンパク質前駆体をコードするD
    NA配列、及び (c) 図5で説明されるDNA配列に相当するDNA
    配列、から成る群から選ばれた精製単離されたDNA配
    列。
  5. 【請求項5】宿主細胞にヒトアミロイド前駆体タンパク
    質を発現させるために請求項4によるDNA配列によつ
    て形質転換または感染された原核または真核の宿主細
    胞。
  6. 【請求項6】生物学的機能性プラスミドpCLL36
    5、A.T.C.C.,ロツクビレ(Rockville)、メリ
    ーランド(Maryland)、寄託番号68207。
  7. 【請求項7】請求項6によるプラスミド中にコードされ
    ているDNAによつて形質転換されたヒトアミロイド前
    駆体タンパク質を発現しうる、細菌宿主細胞。
  8. 【請求項8】精製単離した可溶性ヒト脳組織アミロイド
    ペプチド前駆体タンパク質。
  9. 【請求項9】図5のDNAにコードされている可溶性脳
    組織アミロイドタンパク質前駆体を十分に複製し該タン
    パク質の生物学的性質を持ち、または図5のDNAにコ
    ードされているアミノ酸配列から成る精製単離された可
    溶性脳組織アミロイドタンパク質前駆体。
  10. 【請求項10】可溶性ヒト脳組織アミロイドペプチド前
    駆体タンパク質をコードする精製単離されたDNA配列
    によつて形質転換または感染された宿主細胞を該宿主細
    胞が該タンパク質前駆体を発現するための十分な条件下
    一定時間培地で増殖させ、次に該培地、該宿主細胞の溶
    解物及び該宿主細胞の膜画分から成る群から選ばれた材
    料から可溶性脳組織アミロイドタンパク質前駆体を回収
    することを特徴とする可溶性脳組織アミロイドタンパク
    質前駆体を生成する方法。
  11. 【請求項11】可溶性ヒト脳組織アミロイドペプチド前
    駆体タンパク質をコードするDNA配列によつて原核ま
    たは真核宿主細胞を感染または形質転換し、該宿主細胞
    に該DNAによつてコードされるタンパク質を発現させ
    ることを特徴とする可溶性脳組織アミロイドタンパク質
    前駆体を発現する原核または真核細胞を作成する方法。
  12. 【請求項12】神経細胞に効果的な量のAPP−365
    タンパク質またはその活性部分を添加することを特徴と
    するin vivoまたはin vitroで神経細胞の生育を刺激
    する方法。
JP3069366A 1990-03-12 1991-03-11 アミロイドペプチド前駆体のrna Pending JPH0690760A (ja)

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