JPH0690575B2 - 静電写真装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この発明は、現像された静電潜像を像形成面からコピー
用紙上へ転写する転写手段を有し、該転写手段が現像さ
れた像をコピー用紙へ転写するのを促進する極性と電位
で動作するように配置された転写コロトロン、及び転写
コロトロンと像形成面の間の領域内へ又はその近くにま
で延び、転写コロトロンによって生じるコロナ放電用の
空間リミッターとして機能すると共にコピー用紙の像形
成面への接触を案内するガイドとして機能する導電性ガ
イド部材を備えて成り、該ガイド部材が転写中のコピー
用紙の表面電位とほゞ等しい所定の電位をその上に維持
する付設手段を有する静電写真装置に関する。このよう
な装置は、本出願人による英国特許第2,127,348号に記
載されている。

（従来技術） 上記係属出願の構成で解消した問題は、この種の従来装
置では良好な転写を達成するため、コピー用紙を比較的
低い導電度としなければならないことにあった。用紙の
導電度が高すぎると、用紙上の電荷が、用紙ガイド等用
紙と接触している機械部分を介しすぐにリークしてしま
う。また、ゼログラフィックコピー用紙に適した多くの
用紙は、用紙が乾燥しているとき満足し得る導電度を有
するが、用紙が湿ると良好な転写効率を得るのに導電度
が高くなりすぎる。従って、相対湿度が高い条件下で
は、多くのコピー用紙の導電度が正しく作動できないほ
ど上昇し、極端な場合には、コピー作業の転写工程にお
いて殆ど転写できなかった。そこで、コピーシートの導
電度が高くても低くても、前記英国特許第2,127,348号
に開示された装置のように、ハロー（像ぼけ）を生じな
い装置が望まれている。

また、転写部においては、転写コロトロンに隣接して分
離コロトロンが設けられている。この分離コロトロン
は、コピーシートに像形成面から現像された像を移す転
写コロトロンとは違って、転写後コピーシートを像形成
面から分離するためのものであり、転写コロトロンと分
離コロトロンとは、それぞれの動作が有効に機能するも
のでなければならない。

（発明が解決しようとする課題） 従って、本発明の目的は、コピーシートの導電度が高く
ても低くてもハロー（像ぼけ）を発生せず、転写コロト
ロンと分離コロトロンとがそれぞれの動作を有効に発揮
する静電写真装置を提供することにある。

（課題を解決するための手段） かかる目的を達成するため、本発明によれば、現像され
た静電潜像を像形成面からコピー用紙上へ転写する転写
手段を有する静電写真装置であって、前記転写手段が、
現像された像をコピー用紙へ転写するのを促進する極性
と電位で動作するように配置されており且つ電気的に自
己バイアスするシールドを有する転写コロトロンと、該
転写コロトロンに一体的に形成され、像が転写されたコ
ピー用紙を前記像形成面から分離するのを促進する分離
コロトロンと、前記転写コロトロンと像形成面の間の領
域内へ又はその隣接部にまで延び、転写コロトロンによ
って生じるコロナ放電用の空間リミッターとして作用す
ると共にコピー用紙の像形成面への接触を案内するガイ
ドとして作用する導電性ガイド部材とを備えており、該
ガイド部材と前記転写コロトロンのシールドとが、相互
に電気的に接続してあり且つ両部材の電圧を制御するよ
うに動作する回路手段を有し、転写中のコピー用紙の表
面電位とほゞ等しい所定の電位を該ガイド部材に維持し
ており、前記回路手段は、前記シールドとアースとの間
に設けられた第１のツェナーダイオードと第２のツェナ
ーダイオードとを包含し、第１ツェナーダイオードは、
前記ガイド部材の前記所定電位を提供するように該シー
ルドの自己バイアス電位を制限しており、第２ツェナー
ダイオードは、シールドの取得電位が前記所定電位と反
対の極性のとき該反対極性のシールド取得電位を制限し
ていることを特徴とする静電写真装置が提供される。

（実施例） まず第１図を参照すると、本発明を組入れたゼログラフ
ィック複写機が示してある。複写機は（第１図中時計方
向に）回転自在に装着された光受容体ドラム１を備え、
該ドラムがその光導電性像形成面を一連のゼログラフィ
ック処理ステーション；つまり帯電ステーション２、像
形成ステーション３、現像ステーション４、転写ステー
ション５及び浄化ステーション６、を通って順次搬送す
る。

帯電ステーション２は、光受容体上に一様な静電荷を被
着するコロトロンを備えている。複写すべき書類がプラ
テン13上に置かれ、移動する光走査系によって走査さ
れ、ドラム上の位置３に連続的な光像を生じる。この光
像が光導電面を像の形状に選択的に放電することによ
り、対象の静電潜像がドラムの表面上に置かれる。現像
ステーション４では、静電潜像が光受容体の帯電領域に
付着するトナー粒子と接触させられ、可視像に現像され
る。裁断用紙がドラム表面上の像と同期して転写ステー
ション５に移動され、現像済の像が転写ステーション５
においてコピー用紙に転写され、そこでは転写コロトロ
ン７がトナー粒子の用紙上への転写を促進する電場を与
える。次いで、コピー用紙はドラム１から引剥され、こ
の引離しは分離コロトロン８から与えられる電場によっ
て促進される。現場済の像を有するコピー用紙はその
後、搬送ベルト系９によって定着ステーション10へと運
ばれる。

現像済の像がドラムから転写された後も、通常一部のト
ナー粒子はドラム上に留まり、これらトナー粒子は浄化
ステーション６で除去される。浄化後、ドラム上に残っ
ている静電荷は全て、消去コロトロン11によって除去さ
れる。これで光受容体は、次のコピーサイクルの第１工
程として、帯電コロトロン２で再び帯電される準備が整
う。

像形成ステーション３における光像は、光学系12によっ
て形成される。コピーすべき原稿（図示せず）がプラテ
ン13上に置かれ、鏡16を支持した走査キャリッジ15上に
取付けられているランプ14で照射される。鏡16は、全・
半速走査系のうちの全速走査鏡である。全速鏡16が、コ
ピーすべき原稿のストリップ状態を半速走査鏡17上に反
射する。この像は固定鏡19による反射を介し、レンズ18
によってドラム１上へ集束される。動作時、全速鏡16と
ランプ14が複写機を横切り定速で移動される一方、これ
と同時に半速鏡17は同一方向に半分の速度で移動する。
走査の終了時、各鏡は第１図の左側に破線で示した位置
にくる。これらの鏡の移動が一定の光路長を保ち、走査
全体を通じて鮮明な焦点の像をドラム上に維持する。

現像ステーション４においては、磁気ブラシ現像系20が
静電潜像を現像する。つまり、トナーが回転発泡体ディ
スペンサ22により、ホッパ21から現像剤ハウジング23内
へ分与される。ハウジング23は磁気的に吸引可能なキャ
リヤとトナーから成る２成分混合現像剤を含み、この現
像剤が２ローラ形磁気ブラシ現像装置によりドラム１と
現像接触させられる。

現像された像は転写ステーション５において、用紙供給
系25によりドラムと接触するように給送されたコピー用
紙（図示せず）へドラムから転写される。コピー用紙は
２つの用紙トレイ、つまり上方の主トレイ26と下方の補
助トレイ27内に貯えられている。いずれかのトレイの頂
部用紙が必要に応じ、通常の固定位置にある用紙フィー
ダ28と送り係合される。用紙フィーダ28は湾曲ガイド29
に沿って用紙を送り、整合点30に整合させる。整合され
た用紙は、転写ステーション５で像を受取るように、像
と同期してドラムに接触させられる。

転写像を有するコピー用紙は、真空搬送ベルト９によ
り、加熱ロール定着器である定着器10へ搬送される。定
着器の２つのロール間のニップで加熱・加圧することに
よって、像がコピー用紙に固定される。最終コピーは定
着器のローラにより出口ガイド31に沿って、傾斜キャッ
チトレイであるのが適するキャッチトレイ32内に送り込
まれる。

現像済の像のドラムからコピー用紙への転写後、ドラム
表面は浄化ステーション６で浄化される。浄化ステーシ
ョンにおいては、ハウジング33がドラム１と協働して密
閉空間を形成し、この内部にドクターブレード34が装着
されている。ドクターブレード34が残留トナー粒子をド
ラムから拭き取り、剥ぎ取られた粒子はハウジングの底
に落下し、そこからオーガ35によって除去される。

次に第２図を参照すると、浄化系のハウジング33は固定
構造体で、これにエンドプレートが固定されている。光
受容体ドラム１は軸受に支えられたシャフトに装着され
ており、これら軸受はバネクリップでエンドプレートに
支持される。コロトロン２、７、８及び11の各端部も、
バネクリップでエンドプレートに支持されている。

浄化系、光受容体及びコロトロンを含む組体全体が１つ
のモジュールを構成し、これがエンドプレートと係合す
る複写機前面の２本のノックピン背面の２本のノックピ
ンによって、複写機内に取付けられる。モジュールの除
去及び交換を容易とするために側面装置が設けられ、こ
れは浄化系ハウジング33の一部として形成された２本の
チャネル41を有する。これらのチャネル41はハウジング
33の頂部に位置し、ハウジングのほゞ平坦な頂面から直
立し次いで相互に接近するように延びた２部材によって
画成されている。これらの内側延出部が、本体フレーム
の背面から前面へ延びた適切な支持レールと係合する。
モジュールが完全に複写機内にあってノックピンに一致
して位置するとき、チャネル41は支持レールと接触しな
い。本体フレーム上のクリップ装置が、モジュールを所
定位置に固定する。

光受容体ドラム１はアルミ製円筒体から成り、炉内で焼
付けによりその表面上に成長された酸素バリヤ層を有
し、この上に真空蒸着によってセレン被覆が被着されて
いる。光受容体はエンドベルを介し、シャフトに装着さ
れる。ドラムは、本体駆動系によって駆動されるシャフ
ト後端のギヤによって駆動される。光受容体は、エンド
ベルのバネクリップにより、ドラムシャフトにアースさ
れている。

各コロトロンは半円筒状のアルミ製押出成形体から成
り、絶縁性エンドブロックと両エンドブロック間に延び
たコロトロンワイヤを備えている。帯電コロトロン２と
消去コロトロン11は別個のユニッドある一方、転写コロ
トロン７と分離コロトロン８は、２本の半円筒状チャネ
ルを内部に有する共通の押出形成体を共用している。帯
電コロトロン２は、コロトロンの電流とワイヤの半径方
向間隔に依存し、光受容体の表面に約900Vの電位を持つ
正味の正電荷を保持するようにワイヤに印可された正電
位を有する。

ドラム１が回転すると、光受容体の帯電領域が像形成ス
テーション３を通過し、そこで原稿の非像領域からの光
子が（露出レベルに応じて）光受容体を約200Vに放電
し、光受容体上に静電潜像を残す。余分な電位の発生
は、フラッド露出系（図示せず）からの適切なフラッド
露出によって排除される。

静電潜像が現像ステーション４でトナーによって現像さ
れた後、トナー像は転写ステーション５へ送られ、そこ
で、正確に位置合せされて像が用紙上へ転写されるよう
に用紙送り機構内の整合位置30に整合された用紙と接触
させられる。転写コロトロン７は、用紙を光受容体ドラ
ムへ接着させ且つそれによって搬送されるように成す電
荷を用紙に与える。輪郭の汚れやにじみ、像ハロー（ぼ
け）間は不整合を伴わずに優れた転写を保証するため、
用紙は正しい角度と位置で与えられねばならない。コピ
ー用紙の先端が光受容体ドラムにぶつかる角度と位置
は、ハローバッフル42によって達成される。

ハローバッフル42は、転写コロトロン７に近接して両エ
ンドプレー間に装着されたアルミ製押出成形体で、転写
コロトロン７と光受容体ドラム１の間のキャップ領域内
へ延びドラム周囲における転写コロトロンの電場を所定
の角度範囲に正確に限定するほゞ水平の電場制限部43
と、コピー用紙を正しい位置且つ正しい角度でドラムに
案内接触させる領域ガイド部44とを備えている。

ハローバッフル42は、第３、４図を参照して後述するバ
イアス装置によって電気的にバイアスされると共に、そ
こに印加される電位を維持できるように、複写機の周囲
部分から電気的に絶縁されている。コピー用紙が転写ス
テーションへ向かって送られるとき、用紙はハローバッ
フルの傾斜ガイド部44上をそれに接触しながら通過する
ことによって、ハローガイドに印加されるのと実質上同
じ電位を得る。このようにして、現像済潜像のドラムか
らコピー用紙への完全で正確な転写を保証するため、コ
ピー用紙は適切な電位、一般に約15000Vに維持される。

次に第３図を参照すると、転写コロトロン７のシールド
50が自己バイアスされ、このバイアスがハローバッフル
42を適切な電位へバイアスするのに使われる。図面に示
した構成において、転写コロトロン７のシールド50は分
離コロトロン８のシールドと共通構造として形成されて
いる。従って対状シールドは、転写及び分離両コロトロ
ンに印加される電位に応じ、任意の一定時に同じ電圧と
なる。分離コロトロン８には第5b図に示すようなDCバイ
アスのAC電位が供給される一方、転写コロトロン７には
第5a図に示すような半波整流電位を供給するのが都合よ
い。第３図の構成において、シールド50はそれぞれ約＋
1500Vと−500Vの降服電圧を有する２個のツェナーダイ
オード51、52を介してアースされている。この構成によ
り、シールド50は第5c図に示すごとく、約＋1500Vと−5
00Vの間で変動するバイアスを得ることができる。この
構成の利点は、両コロナ電極からシールドへの電位が減
じられ、両コロトロンでアークが発生する危険を減少し
得る点にある。つまり、シールドへの正バイアスはハロ
ー（ほけた転写像）を生じる恐れがある尚早の転写を避
けるため＋1500Vに制限され、負バイアスは分離コロト
ロンの安定な動作条件を保証するため−500Vに制限され
ている。またダイオード53により、正の電位だけがハロ
ーバッフル42に印加されて、分離コロトロンに印加され
る電位の正の半サイクル中ハローバッフルを約＋1500V
に保持し、第5d図に示すごとく負の半サイクル中のリー
クによる減少をわずかとする。

ハローバッフル電位のより優れた制御を与える別の制限
装置を第４図に示す。この構成において、シールド50は
ツェナーダイオード54とダイオード55を介してアースさ
れ、ツェナーダイオード54は−500Vの降服電圧を有す
る。またハローバッフル42は、＋1500Vの降服電圧を有
するツェナーダイオード57を介してアースされている。
前記の構成と同様、ダイオード56が正の電圧だけをシー
ルド50からハローバッフル42へ印可可能とする。

（発明の効果） このように、ハローバッフル42は追加の電源を必要とせ
ず、しかもアーク発生の危険減少という追加の利点を得
ながら所望の電位に維持される。さらに、ハローバッフ
ルをバイアスすることで、転写コロトロンによって発生
されるコロナに鋭い遮断を与えるため、バッフルをドラ
ムから更に遠くへ移動しても、ハローの危険を減少でき
ることが見い出されている。これらの因子により、コロ
トロンのアーク発生やハローの危険を伴うことないく、
より速い処理速度が可能となる。

上記のように、シールドへの自己バイアスによって、コ
ピーシートの導電度に関わりなく、ハロー（像ぼけ）を
防止でき、更に、本発明においては、シールドとアース
との間に第１のツェナーダイオードと第２のツェナーダ
イオードとが設けられ、第１ツェナーダイオードは、ガ
イド部材の所定電位を提供するようにシールドの自己バ
イアス電位を制限しており、第２ツェナーダイオード
は、シールドの取得電位が前記所定電位と反対の極性の
とき該シールド取得電位を制限しているので、第１ツェ
ナーダイオードによって転写コロトロンにおけるハロー
（像ぼけ）の惧れのある早過ぎる転写を防止し、第２ツ
ェナーダイオードによって分離コロトロンの安定な動作
を確保している。すなわち、本発明によれば、ハロー
（像ぼけ）の防止と転写後のコピーシートの分離を確実
にして、コピーシートへの転写作業を良好に行ってい
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明を組入れたゼログラフィック複写機の概
略断面図； 第２図は第１図のゼログラフィックドラムを、複写機中
のそれに近い関連部品を含めて示す拡大図； 第３、４図は本発明の装置に含まれる転写手段の異なっ
た２つの実施例の概略図；及び 第５図は転写手段の動作中に生じる典型的な電圧波形を
示す。 ５……転写ステーション、７……転写手段（転写コロト
ロン）、８……分離コロトロン、42……導電性ガイド部
材（ハローバッフル）、43……空間リミッター（電場制
限部）、44……ガイド部材、50……シールド、51、52、
54、55、57……ツェナーダイオード、53、56……ダイオ
ード。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】現像された静電潜像を像形成面からコピー
   用紙上へ転写する転写手段を有する静電写真装置におい
   て、 前記転写手段が、現像された像をコピー用紙へ転写する
   のを促進する極性と電位で動作するように配置されてお
   り且つ電気的に自己バイアスするシールドを有する転写
   コロトロンと、該転写コロトロンに一体的に形成され、
   像が転写されたコピー用紙を前記像形成面から分離する
   のを促進する分離コロトロンと、前記転写コロトロンと
   像形成面の間の領域内へ又はその隣接部にまで延び、転
   写コロトロンによって生じるコロナ放電用の空間リミッ
   ターとして作用すると共にコピー用紙の像形成面への接
   触を案内するガイドとして作用する導電性ガイド部材と
   を備えており、該ガイド部材と前記転写コロトロンのシ
   ールドとが、相互に電気的に接続してあり且つ両部材の
   電圧を制御するように動作する回路手段を有し、転写中
   のコピー用紙の表面電位とほゞ等しい所定の電位を該ガ
   イド部材に維持しており、 前記回路手段は、前記シールドとアースとの間に設けら
   れた第１のツェナーダイオードと第２のツェナーダイオ
   ードとを包含し、前記第１ツェナーダイオードは、前記
   ガイド部材の前記所定電位を提供するように該シールド
   の自己バイアス電位を制限しており、前記第２ツェナー
   ダイオードは、前記シールドの取得電位が前記所定電位
   と反対の極性のとき該反対極性のシールド取得電位を制
   限していることを特徴とする静電写真装置。