JPH0690234B2 - 微小電流測定回路 - Google Patents

微小電流測定回路

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JPH0690234B2
JPH0690234B2 JP1195296A JP19529689A JPH0690234B2 JP H0690234 B2 JPH0690234 B2 JP H0690234B2 JP 1195296 A JP1195296 A JP 1195296A JP 19529689 A JP19529689 A JP 19529689A JP H0690234 B2 JPH0690234 B2 JP H0690234B2
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勝夫 北島
芳一 田村
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日電アネルバ株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、ガスクロマトグラフ質量分析計や高速用途の
電離真空計の微小電流測定のように、特に、広いダイナ
ミックレンジと迅速な測定が共に同時に要求される激し
い条件の場合に使用される微小電流測定回路に関するも
のである。
[従来技術] 広いダイナミックレンジと迅速な測定が要求される微小
電流測定の場合に使用される電流測定回路としては、従
来は第5図に示すような、高入力インピーダンス演算増
幅器ICの非反転入力端子NTを接地、反転入力端子ITと出
力OTの間に帰還抵抗器Rfを挿入し、この反転入力端子IT
に被測定電流を入力する電流電圧変換回路が専ら使用さ
れている。
そして、測定のダイナミックレンジを広くするために
は、第6図に示すように、リレーの接点K1〜K3等を使用
して(または、電界効果トランジスタを用いる切り替え
器をここに使って)、抵抗値に大差を有する複数の帰還
抵抗器Rf1〜Rf4を遂次切り替えて測定を行なう方法が採
用されていた。
このほかに、ダイナミックレンジを広くし且つ迅速な測
定を行なう回路としては、第7図にその基本的な回路構
成を示すような、対数増幅器を使うものがあり、この回
路では最高感度で10-9A台の電流が測定できている。
[発明が解決しようとする問題点] しかしながら上記した従来の回路では、リレーまたは電
界効果トランジスタを用いて帰還抵抗器を切り替えると
き、特に高感度測定に測定を切り替えたときに、出力の
安定までに時間がかかって迅速な測定ができないという
欠点があった。
又、対数増幅器を使う回路でも、10-9A台の最高感度で
は、例えば質量分析計の場合等では感度に不足があって
採用することができなかった。
対策として、高感度用と低感度用の複数の電流電圧変換
回路を用意し、これらを切り替えて検出を行なうような
微小電流測定回路も考えられはしたが、2つの検出部を
単純に機械的に組み合わせて回路を構成することは徒ら
に回路を高価にし、やはり採用できなかった。
[発明の目的] 本発明は上記従来の問題を解決し、ダイナミックレンジ
が充分に広く、しかも迅速測定の可能な微小電流測定回
路を提供することを目的とする。
[問題点を解決するための手段] 本発明は、低感度用抵抗器と高感度用抵抗器の直列接続
よりなる帰還抵抗器を、入力端と出力端の間に挿入した
高入力インピーダンス演算増幅器で構成され、被測定電
流が入力される電流電圧変換回路と、 その低感度用抵抗器の両端の電圧を入力とする高入力イ
ンピーダンス差動増幅回路と、 前記高入力インピーダンス演算増幅器が飽和状態に達す
る前にバイパス電流を流してその飽和を防止するよう
な、前記高感度用抵抗器に並列に接続された電流バイパ
ス回路と、 の3者を備えて、前記電流電圧変換回路の出力端子に高
感度用電流検出値を出力すると同時に、前記高入力イン
ピーダンス差動増幅回路の出力端子に低感度用電流検出
値を出力するようにした微小電流測定回路によって前記
目的を達成したものである。
その高入力インピーダンス差動増幅回路の出力を低感度
用入力、電流電圧変換回路の出力を高感度用入力とし
て、該電流バイパス回路の導通、非導通に応じてこれら
2つの入力のいずれか一方を選択し、それを電流測定値
として出力する検出値選択回路を具えるとき、特に利用
価値の高い微小電流測定回路が得られる。
[作用] 微小電流値の高感度用検出値としては、電流電圧変換回
路の出力電圧を読み取るが、その出力電圧値は、帰還抵
抗器即ち低感度用抵抗値と高感度用抵抗値を加算したも
のに、被測定電流値を乗じたものである。
電流値の低感度検出が必要となるのは、高入力インピー
ダンス演算増幅器の出力が飽和するか飽和に近づいた時
であるが、この時は高感度用抵抗器に並列に挿入された
電流バイパス回路が動作して電流をバイパスさせ、高入
力インピーダンス演算増幅器の飽和が防止される。従っ
て低感度用帰還抵抗器を流れる電流は依然被測定電流に
等しく、低感度用検出抵抗器の両端に現れる電圧を高入
力インピーダンス差動増幅器の出力端子で、低感度用測
定値として誤差なく検出し読み取ることが可能である。
上記の低感度用測定値と高感度用測定値は、その両者を
入力とし、そのいずれか一方を選択して微小電流測定値
として出力する検出値選択回路を具える時、読み取りに
大きい便宜がある。
(実施例) 第1図は本発明の実施例であり、質量分析計の二次電子
増倍器の出力を被測定入力電流とする微小電流測定回路
の回路図である。その為、この回路は負の被測定入力電
流を検出する構成になっている。
本図において、入力端子Iに入力された負の被測定電流
iは、低感度用抵抗器R1と高感度用抵抗器R2の直列抵抗
(R1+R2)を帰還抵抗とする高入力インピーダンス演算
増幅器IC1の反転入力端子IT1(他方の入力端子NT1は接
地)に流入するが、被測定入力電流iが小さくて演算増
幅器IC1が飽和していない間は、IC1の入力インピーダン
スは無限大とは言えないまでも充分に大きいので、反転
入力端子IT1から演算増幅器IC1の内部へは電流は流れ込
まず、電流iは帰還抵抗器(R1+R2)を通ってIC1の出
力端子OHに達する。
それ故、被測定入力電流iが小さい間は、演算増幅器IC
1と帰還抵抗器(R1+R2)によって電流電圧変換回路CON
Vが形成され、測定感度が帰還抵抗器(R1+R2)の値で
決まるような出力、即ち高感度用電流検出出力が、出力
端子OHに得られる。
被測定入力電流iの絶対値が大きくなって若し演算増幅
器IC1が飽和すると、電流iが演算増幅器IC1の内部に流
れ込むようになるので、それを防止する目的で、帰還抵
抗器の一方である高抵抗値の高感度用抵抗器R2にはそれ
に並列に電流バイパス回路BDが挿入してあり、電流iの
一部がそれに分流しはじめるようにしてある。
演算増幅器IC1が飽和しないので、低感度用抵抗器R1に
は、依然として、電流電圧変換回路CONVの影響を受けな
い被測定電流iがそのまま流れることになる。従って検
出抵抗器R1の両端に現れる電圧は、R1の抵抗値に被測定
入力電流iの値を乗じた値である。
この電圧は、演算増幅器IC2、IC3およびIC4の三者で構
成される周知の回路構成の高入力インピーダンス差動増
幅回路DAに送られ、そしてその出力端子OLに低感度用出
力が得られる。
以上のようにして、抵抗器R2の値に対応した高感度用出
力が端子OHに、抵抗器R1と高入力インピーダンス差動増
幅回路DAの利得に対応した低感度用出力が端子OLに、こ
れらが同時に得られることになる。
この両出力は共に、第2図に示すように、アナログスイ
ッチASWを内蔵するマルチプレクサMUTI、A/Dコンバータ
ADC、マイクロプロセッサMPUで構成される検出値選択回
路DEDに入力される。そして、このマルチプレクサMUTI
内のアナログスイッチASWの切り替え、即ち前記両出力
のいずれを選択するかの切り替えをマイクロプロセッサ
MPUの出力するセレクト信号SLで制御し、出力端子OH
高感度用出力が飽和していなければOH側出力を、飽和し
た場合は出力OL側の低感度用出力を、それぞれ自動的に
選ぶように構成し、選択の結果を出力することで、等価
的にダイナミックレンジが極めて広く、また、迅速な測
定のできる、優れた性能の微小電流測定回路が得られ
る。
なお、A/Dコンアータの変換時間は、第6図で述べたリ
レー切り替えの場合の出力の安定までに要する時間に較
べれば格段に短い。測定が迅速なのはそのためである。
さらに別の例を挙げれば、第3図に示すように、検出値
選択回路DEDに演算増幅器を用いた比較器CMPを用意し
て、端子OHに得られる高感度用出力を、演算増幅器の飽
和即ち電流バイパス回路BDの導通、非導通に対応して設
けられた基準電圧VFと比較し、この比較器CMPの出力を
セレクト信号SLとして用いて、マルチプレクサMUTI内の
アナログスイッチASWを切り替え、同じセレクト信号SL
をマイクロプロセッサーMPUに与えるようにする。この
ようにすると、マイクロプロセッサーMPUは、A/Dコンバ
ータADCで変換され入力されて来たデータが、端子OL
低感度出力か端子OHの高感度出力かを容易に判別するこ
とができる。
上記の第1図は、エレクトロンが入力される場合の微小
電流検出回路なので、負の入力電流を検出する構成にし
てあるが、イオンが入力される場合は正の入力電流を検
出する構成にしなくてはならない。この場合は、演算増
幅器IC1の出力は負電圧出力となるので回路構成では、Q
1はPチャンネル電界効果トランジスタとし、バイアス
を正電圧にするためにVDD部は正の定電圧電源となる。
第4図には、イオン電流検出の場合のNチャンネル電界
効果トランジスタQ2を使用した例を示す。この場合は出
力端子OHの出力が負電圧なので、演算増幅器IC5を用い
た符号反転回路ICCにより符号を反転させてからNチャ
ンネル電界効果トランジスタQ2に制御信号を供給してい
る。
さらに、OL、OHの出力をそれぞれ増幅器L1〜L3、H1〜H3
で後段増幅し、それらの出力値O1〜O6を8倍づつ上昇す
るように設定することで、マルチプレクサを経由しA/D
コンバータでディジタル変換された測定値を、2進数で
3ビットづつシフトして読めばよいものにでき、一層の
簡略化と使用の便宜を図ることができる。
(発明の効果) 本発明によれば、1入力の微小電流検出回路で、同時に
低感度出力と高感度出力の両方を得ることができ、また
さらに、自動的に有効な方の出力を選択するようにする
ことで、広い入力電流範囲に亘り迅速に測定することが
可能な有能な装置が得られる。この回路は質量分析計の
用途の中でも特に迅速測定が要求されるもの例えばガス
クロマトグラフ質量分析装置等で有効である。ガスクロ
マトグラフ質量分析装置で計測したい電流値範囲は約1
×10-5Aから1×10-12Aであり、大小の信号が混交して
入力されている為従来の方法では電流電圧変換回路の帰
還抵抗器をリレー等で切り替えていたので迅速な測定は
できなかった。強いて迅速な測定をしようとすれば、一
定の感度にしておいて測定することでその分ダイナミッ
クレンジは犠牲にしていたのが本発明では完全に解決さ
れる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の電流検出部の回路図。 第2図は、それを組み込んだ本発明の実施例の微小電流
測定装置のブロック図。 第3図と第4図はそれぞれ、別の実施例のブロック図で
ある。 第5図は従来の微小電流測定回路の回路図。 第6図は、そのダイナミックレンジを広くしたものの回
路図。 第7図は、従来の対数増幅器を使用する微小電流測定回
路の回路図。 I……入力端子、OT……出力端子、 OH……高感度用出力端子、OL……低感度用出力端子、i
……被測定入力電流、MUTI……マルチプレクサ、ADC…
…A/Dコンバータ、MPU……マイクロプロセッサー、SL…
…セレクト信号、DED……検出値選択回路、ICC……演算
増幅器IC4を用いた符号反転回路、Q1……Nチャネル電
界効果トランジスタ、R1……低感度用抵抗器、R2……高
感度用抵抗器、R3〜R11……抵抗器。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】低感度用抵抗器と高感度用抵抗器の直列接
    続よりなる帰還抵抗器を入力端と出力端の間に挿入した
    高入力インピーダンス演算増幅器で構成された、被測定
    電流が入力される電流電圧変換回路と、 該低感度用抵抗器の両端の電圧を入力とする高入力イン
    ピーダンス差動増幅回路と、 該高入力インピーダンス演算増幅器が飽和状態に達する
    前にバイパス電流を流してその飽和を防止するような、
    該高感度用抵抗器に並列に接続された電流バイパス回路
    と、 の3者を備えて、 該電流電圧変換回路の出力端子に高感度用電流検出値を
    出力すると同時に、該高入力インピーダンス差動増幅回
    路の出力端子に低感度用電流検出値を出力するように構
    成したことを特徴とする微小電流測定回路。
  2. 【請求項2】該高入力インピーダンス差動増幅回路の出
    力を低感度用入力、該電流電圧変換回路の出力を高感度
    用入力とし、該電流バイパス回路の導通、非導通に応じ
    てこれら2つの入力のいずれか一方を選択してそれを電
    流測定値として出力する検出値選択回路を具えたことを
    特徴とする請求項(1)記載の微小電流測定回路。
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