JPH0689734B2 - 内燃機関用ノツク制御装置 - Google Patents

内燃機関用ノツク制御装置

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JPH0689734B2
JPH0689734B2 JP11171586A JP11171586A JPH0689734B2 JP H0689734 B2 JPH0689734 B2 JP H0689734B2 JP 11171586 A JP11171586 A JP 11171586A JP 11171586 A JP11171586 A JP 11171586A JP H0689734 B2 JPH0689734 B2 JP H0689734B2
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浩二 ▲榊▼原
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は内燃機関に発生するノックの発生状態に応じ
て、点火時期あるいは過給圧、空燃比、EGR等のノック
制御要因を制御するノッキング制御装置(以下、ノック
コントロールシステムと記す)に関するものである。
〔従来の技術〕
一般的にノックコントロールシステムとは、エンジンの
振動を検出するノックセンサからの電気的信号(以下、
ノックセンサ出力信号と記す)が、ある定められたレベ
ル(以下、ノック判定レベルと記す)を越えた場合にノ
ックが発生したものと判定し、点火時期を遅角させ、逆
に所定期間ノックが検出されない場合には点火時期を進
角させることにより、点火時期を常にノック限界付近に
制御し、エンジンの燃費、出力特性を最大限に引き出す
ものである。(例えば、特開昭56−115861号公報)。
〔発明が解決しようとする問題点〕
このようなノックコントロールシステムにおいて、ノッ
ク判定レベルは極めて重要な意味を持つ。ノック判定レ
ベルが大きすぎる場合には、ノックが発生しているにも
かかわらず検出されないので点火時期は進角し、ノック
が多発し、ひいてはエンジンの破損にもつながる。逆に
ノック判定レベルが小さすぎる場合には、ノックが発生
していないにもかかわらず点火時期は遅角し、エンジン
の出力を十分に引き出せなくなる。
従来は適切なノック判定レベルを作成するために、例え
ば、ノックセンサ信号を積分回路を通した後の出力に、
エンジン回転数ごとにあらかじめ綿密に適合した定数K
(以下K値と記す)を乗じて、さらにオフセット電圧を
加えて作成している。
しかしながら、同エンジン機種においても製作上の誤差
があるため、K値を綿密に適合したにもかかわらず、ノ
ック判定レベルが不適当なレベルに設定され、正確なノ
ック検出ができなくなる場合がある。
このように従来のノックコントロールシステムにおける
ノック判定レベルの作成法には、綿密なK値適合を要
し、しかもエンジンの製作誤差により正確なノック検出
ができなくなるという問題点がある。
本発明は上記問題点に鑑み、ノックセンサあるいはエン
ジンのバラツキ、経時変化等に左右されることなく、ノ
ックを精度良く検出し常に最適なノック状態を実現する
ノック制御装置の提供を目的とする。
このような目的を達成するために、本発明者らは、特開
昭60−243369号公報に記載されるごとく、ノック強度値
の対数値(LOG)変換値の分布形状が所定の形状になる
ように判定レベルを補正することをすでに発明してい
る。本発明は特開昭60−243369号公報の技術思想をさら
に発展させたものである。
〔問題点を解決するための手段〕
そのため本発明は、第1図に示すごとく、内燃機関Hに
発生するノッキングを検出するノックセンサAと、この
ノックセンサの出力信号によりノッキングを判定するノ
ック判定手段Eと、この判定結果に応じて点火時期ある
いは過給圧等のノック制御要因を制御するための制御値
を演算する制御値演算手段Fと、この制御値に応じて前
記ノック制御要因の値を変化させるイダナイタ等の駆動
手段Gとを備える内燃機関用ノッキング制御装置におい
て、前記ノックセンサ信号の所定区間におけるノック強
度値Vを検出するノック強度値検出手段Bと、このノッ
ク強度値Vと比較されるノック判定レベルを算出する判
定レベル作成手段Cと、このノック判定レベルを補正す
る判定レベル補正手段Dとを備える構成としている。
〔発明の概要〕
特開昭60−243369号公報で述べたように、ノックセンサ
信号の所定区間の最大値VMAXを多サイクルサンプリング
して、対数正規確率紙にプロットすると、ノックなしの
状態およびある頻度でノックが発生している状態ではそ
れぞれ第2図(a),(b)のようになる(これらは、
2000cc、過給機付6気筒内燃機関における、回転数4000
rpm、スロットル全開、第5気筒の特性を示すものであ
る)。
また、我々はこの性質が最大値VMAXに限られるものでな
く、ノック振動成分の強さに対応する量(以下、ノック
強度値Vと呼ぶ)に共通して成り立つものであることを
確認した。このような性質を有するノック強度値の例を
列挙すると以下のようになる。
第1は、所定区間(たとえば10°〜90°ATDC)の振動出
力を整流・積分した値である。この値は、積分器の時定
数を変えることにより、そのサイクルの平均振動出力あ
るいはそのサイクルの振動出力の積算値を表わすことに
なるが、いずれの場合もそのサイクルの振動の強度に対
応した値となる。
第2は、所定区間の振動出力をあるしきい値(例えば振
動中心よりやや上のレベル)と比較した場合に発生する
パルス列の数、あるいはパルス列の積算値である。この
値もそのサイクルの振動強度に対応した値である。この
強度値は、最大波高値VMAXのとり得る範囲に比べてその
変化する範囲が限られているため、精度的にやや劣る
が、その取り扱いが簡単だというメリットを持ってい
る。
第3の例は、やや実験室レベル的なもの(実現コストが
やや高い)であるが、所定区間の振動出力の実効値(RM
S)である。このRMSは時刻tの振動レベルをX(t)、
所定区間の時間長をTとして で表されるが、この値もまたそのサイクルの振動の強さ
に対応している。
以上3つの例から一般に振動の強さに対応する強度値V
について、ノックなしの状態での分布が略対数分布にな
ると考えるのは自然で合理的な考え方である。例えば、
ある強度値Vが、同じ強度値の仲間である最大波高値V
MAXに対しておよそV=a・(VMAX)n(a,nは任意の実
数)の関係で近似できるならば、logV=loga+nlogVMAX
となって、logVMAXと同様logVも正規分布(すなわちV
が対数正規分布)になることは明らかである。参考とし
て、RMSの実験データの一例を第4図に示す。
本発明はこの性質を利用して判定レベルを適切に補正す
るものである。
まず、本発明の基本的な考え方について第3図を用いて
説明する。ノック強度値Vの分布の中央値V50に対し、
ノック判定確率PK(詳細は後述)とほぼ同じ確率でV≦
VLとなる参考レベルVLを求める。そして、V50との比A
より判定レベルVrefとV50の比が少しだけ大きくなるよ
うにVrefを作成する。例えば、1より大きな数をDとし
て、Vref=A×D×V50 とする。
もし、現在がノックなしの状態(第3図(a))なら
ば、V≧Vrefとなる確率はV≦VLとなる確率、すなわ
ち、ノック判定確率PK(第3図の例では5%)より小さ
くなるため、点火時期は進角する(もし、Vref=A×V
50と作成するとVref≧Vの確率がPKと同じとなり、現在
の点火時期で安定してしまうこととなる)。
ノックなしの状態から点火時期が進角し、ノックが適度
に発生している状態(第3図(b))になると、Vref
Vの確率がPKとほぼ等しくなり、点火時期はこの状態で
安定する。もし、ノック状態がより大きくなり、第3図
(b)より分布の折れ具合が大きくなると、Vref≦Vの
確率がPKを越え、点火時期は遅角する。
すなわち、ノックの状態が小さすぎる場合も大きすぎる
場合も適切なノック状態へ収束させることができる。
ここで重要なことは、V≦V50/A(=VL)となる確率がP
Kとほぼ同じになるようにAを設定することである。
このノック判定確率PKとVLの設定法について説明する。
ここで言うノック判定確率とは、ノックの制御方法によ
って決まるものであり、ノック判定が平均的に何秒間に
何回あるいは何点火に何回行われるかを指すものであ
る。具体的に説明すると、ノックを制御するための点火
時期の進・遅角制御を、たとえば、1秒ごとに1°CAだ
け遅角量を減らし、ノックがあった場合1°CAだけ増す
ものとする。こうすると、最進角・最遅角時を除けば、
遅角量は平均的に1秒間に1回の割合でノック判定をす
る点で安定することとなる。この1回/1秒をノック判定
確率と呼ぶ。
VLの設定法は、上と同様に、たとえば1秒ごとにAの値
を0.1だけ小さくし、1回のV≦VLにつきAを0.1だけ増
すようにすれば、V≦VLという確率をPKと同じにするこ
とができる。このように、一般に遅角量の増減と同様に
Aの増減を行えば、V≦VLの確率をノック判定確率PK
ほぼ同じにすることができる。
以上述べたことは一例であるが、実質的にVrefとV50
比がV50とVLの比より少しだけ大きくなるようにVref
設定することができれば、適切なノック制御ができる。
上の例では(D−1)だけVrefとV50の比がV50とVLの比
より大きいこととなる。
〔実施例〕
以下、本発明を図に示す実施例により説明する。第5図
は本発明の一実施例を示す構成図である。第5図におい
て、1は4気筒4サイクルエンジン、2はエアクリー
ナ、3はエンジンの吸入空気量を検出しこれに応じた信
号を出力するエアフローメータ、4はスロットル弁、5
はエンジンの基準クランク角度位置(たとえば上死点)
を検出するための基準角センサ5Aと、エンジンの一定ク
ランク角度毎に出力信号を発生するクランク角センサ5B
を内蔵したディストリビュータである。6はエンジンの
ノック現象に対応したエンジンブロックの振動を圧電素
子式(ピエゾ素子式)、電磁式(マグネット、コイル)
等によって検出するためのノックセンサ、7はノックセ
ンサの出力を気筒毎にピークホールドするピークホール
ド回路部である。9はエンジンの冷却水温に応じた信号
を発生する水温センサ、12はスロットル弁4が全閉状態
であるときに信号を出すための全閉スイッチ(アイドル
スイッチ)、13はスロットル弁4がほぼ全開状態である
ときに信号を出力するための全開スイッチ(パワースイ
ッチ)、14は排気ガスの空燃比(A/F)が理論空燃比に
比べて濃い(リッチ)か薄い(リーン)かに応じて出力
信号を発生するO2センサである。
8は前記各センサ及び各スイッチからの入出力信号状態
に応じてエンジンの点火時期及び空燃比を制御するため
の点火時期制御回路、10は制御回路8から出力される点
火時期制御信号を受けてイグニッションコイルへの通電
遮断を行うイグナイタ及びイグニッションコイルであ
る。イグニッションコイルで発生した高電圧はディスト
リビュータ5の配電部を通して適切な時期に所定の気筒
の点火プラグに印加される。11は制御回路8で決定され
た燃料噴射時間(τ)に基づいて吸気マニホールドに燃
料を噴射するためのインジェクターである。
次に第6図を用いてピークホールド回路部7の詳細構成
を説明する。第6図の701はノックセンサ6の出力信号
をノック周波数成分のみ選別して取出すためのバンドパ
ス、ハイパス等のフィルタ、702は増幅器、703は制御回
路8からの気筒切換信号を基に増幅器702より出力され
るノックセンサの信号を例えばコンデンサ等によりピー
クホールドしてノック強度値を出力するピークホールド
回路である。
次に制御回路8の詳細構成及び動作を第7図に従って説
明する。第7図において8000は点火時期及び燃料噴射量
を演算するための中央処理ユニット(CPU)で8ビット
構成のマイクロプロセッサを用いている。8001は制御プ
ログラム及び演算に必要な制限定数を記憶しておくため
の読出し専用の記憶ユニット(ROM)、8002はCPU8000が
プログラムに従って動作中演算データを一時記憶するた
めの一時記憶ユニット(RAM)である。8003は基準角セ
ンサ5Aの出力信号を波形整形するための波形整形回路、
8004は同じくクランク角センサ5Bの出力信号を波形整形
するための波形整形回路である。
8005は外部あるいは内部信号によってCPUに割り込み処
理を行わせるための割込制御部、8006はCPU動作の基本
周期となるクロック周期毎にひとつずつカウント値が上
がるように構成された16ビットのタイマである。このタ
イマ8006と割込制御部8005によってエンジン回転数、及
びクランク角度位置が次のようにして検出される。すな
わち基準角センサ5Aの出力信号により割込みが発生する
ごとにCPUはタイマのカウント値を読出す。タイマのカ
ウント値はクロック周期(たとえば1μs)毎に上って
いくため、今回の割込時のカウント値と先回の割込時の
カウント値との差を計算することにより、基準角センサ
信号の時間間隔すなわちエンジン1回転に要する時間が
計測できる。こうしてエンジン回転数が求められる。ま
た、クランク角度位置は、クランク角センサ5Bの信号が
一定クランク角度(たとえば30℃A)毎に出力されるの
で基準角センサ5Aの上死点信号を基準にしてそのときの
クランク角度を30℃A単位で知ることができる。この30
℃A毎のクランク角度信号は点火時期制御信号発生の基
準点と、ピークホールド回路の気筒切換信号に使用され
る。
8007は複数のアナログ信号を適時切換えてアナログ−デ
ジタル変換器(A/D変換器)8008に導くためのマルチプ
レクサであり、切換時期は出力ポート8010から出力され
る制御信号により制御される。本実施例においては、ア
ナログ信号としてノックセンサ信号のピークホールド回
路部7からの出力信号と、エアフローメータ3からの吸
入空気量信号及び水温センサ9からの水温信号が入力さ
れる。8008はアナログ信号をデジタル信号に変換するた
めのA/D変換器である。8009はデジタル信号のための入
力ポートであり、このポートには本実施例の場合アイド
ルスイッチ12からのアイドル信号、パワースイッチ13か
らのパワー信号、O2センサ14からのリッチ、リーン信号
が入力される。8010はデジタル信号を出力するための出
力ポートである。この出力ポートからはイグナイタ10に
対する点火時期制御信号、インジェクタ11に対する燃料
噴射信号、ピークホールド回路7に対する気筒切換信
号、マルチプレクサ8007に対する制御信号が出力され
る。8011はCPUバスであり、CPU8000はこのバス信号線に
制御信号及びデータ信号を乗せ、周辺回路の制御及びデ
ータの送受を行う。
以上、本発明を実現するための装置の構成について説明
したので、以下、フローチャートを例として点火時期の
演算、ノック判定及びノック判定レベルの補正について
説明する。
本発明をまず第8図のフローチャートを例として全体的
な流れについて説明し、その後本発明の特徴となるステ
ップについて詳しく説明する。
ステップ100よりノックコントロールルーチンが始まる
と、ステップ101でノックセンサ信号の所定区間でのノ
ック強度値Vをとりこむ。ステップ102でノックコント
ロールをする条件か否かを吸入空気量、エンジン回転数
等により判断し、YESの場合はステップ103へ、NOの場合
はステップ107へ進む。ステップ103ではノック判定レベ
ルVrefおよび参考レベルVLを作成する。このノック判定
レベルVrefをもとに、ステップ104にてノック判定およ
び遅角量の算出をする。ステップ105ではエンジンが定
常状態であるか否かを、吸入空気量、エンジン回転数の
変動等により判断し、YESの場合はステップ106へ進みノ
ック判定レベルの補正を行い、NOの場合はステップ107
へ進む。ステップ107でVの分布の%点の更新を行い、
ステップ108でノックコントロールルーチンが終わる。
次に、本発明の特徴であるステップについて第9図を用
いて詳細に説明する。
まず、ステップ103−1において、ノック強度Vの分布
の中央値V50、所定の変数Aおよび1より大きな所定の
数Dにより、ノック判定レベルVrefを、 Vref=A×D×V50 と作成する。次にステップ103−2へ進んで、ノック強
度の分布の中央値V50および所定の変数Aにより、参考
レベルVLを、 VL=V50/Aと作成する。
次に、ステップ104へ進み、ステップ104−1でノックあ
りか否かを、VとVrefの大小比較により判断し、ありの
場合はステップ104−2、なしの場合はステップ104−3
へ進む。ステップ104−2では、遅角量Rを所定量ΔR
だけ増す。ステップ104−3では、タイマーあるいはカ
ウンターにより時間が所定期間Tを経過したか否かを判
断し、YESの場合はステップ104−4へ進む。(この時、
タイマーあるいはカウンターはリセットされる。)ステ
ップ104−4では、遅角量Rを所定量ΔRだけ減じる。
続いてステップ104−5へ進み、遅角量Rがエンジン回
転数、吸入空気量等のエンジン条件により定まる最大遅
角量RMAXを越えたかの判断を行い、YESの場合はステッ
プ104−6へ進みRにRMAXを代入する。また、ステップ1
04−5でNOと判断された場合には、ステップ104−7へ
進み、Rがエンジン条件により定められる最少遅角量RM
INより小さいかの判断を行う。この判断がYESの場合は
ステップ104−8へ進み、RにRMINを代入する。
続いてステップ105へ進み、エンジンが定常状態である
かの判断を行い、YESの場合はステップ106−1へ、NOの
場合はステップ107−1へ進む。ステップ106−1では、 V≦VL の判断を行い、YESの場合はステップ106−2へ、NOの場
合はステップ106−3へ進む。
ステップ106−2でAを所定量ΔAだけ増し、ステップ1
06−3へ進む。ステップ106−3では、時間が所定期間
Tを経過したかの判断を行い、YESの場合はステップ106
−4へ、NOの場合はステップ107−1へ進む。ステップ1
06−4ではAを所定量ΔAだけ減じる。
続いてステップ107−1へ進み、V>V50の判断を行い、
YESの場合はステップ107−2へ、NOの場合はステップ10
7−3へ進む。ステップ107−2ではV50を所定量ΔVだ
け増す。また、ステップ107−3では、V<V50の判断を
行い、YESの場合はステップ107−4へ進み、NOの場合は
ステップ108へ進む。
ステップ107−4では、V50を所定量ΔVだけ減じる。続
いてステップ108へ進み、ノックコントロールのルーチ
ンが終わる。
〔その他の実施例〕 ステップ103−1のノック判定レベルVrefは、第10図
のように Vref=(A+B)×V50 ただし、Bは正の所定数 として作成してもよい。
この場合、その他のステップは第9図のものと同じで差
しつかえない。
Vの分布の%点の算出は50%点(中央値V50)に限ら
ずともよい。例えば、第11図のように、66%点を用いて
もよい。すなわち、ステップ103においてノック判定レ
ベルVrefをVref=A×V66として作成し、ステップ107に
おいてV66の増減量の比を2にすると、V>V66、V>V
66となる確率の比が1/2、すなわち、累積66%点の値に
なる。このようにしてもよい根拠を説明すると、V66>V
50なので、 A×V66/V50>A×V50/V66 Vref/V50>V50/VL となり、VrefとV50の比がV50とVL(この場合はV66/A)
の比より少しだけ多くなるという条件を満足するからで
ある。
遅角量の増減は、第9図の例のように、ノックあり・
なしにかかわらず所定期間ごとに遅角量を減らす方式だ
けに限らず、例えばノックなしが所定期間続いた場合に
遅角量を減らす方式でもよい。その場合は、ステップ10
4,106が変わってくるので、改めて第12図を用いて説明
する。
まず、ステップ103でノック判定レベルVrefが作成さ
れ、ステップ104−1へ進む。ステップ104−1でノック
あり・なしの判断を行い、ありの場合はステップ104−
2へ進み、なしの場合はステップ104−3へ進む。ステ
ップ104−2では遅角量RをΔRだけ増す。また、ステ
ップ104−3では、所定期間ノックなしが続いたかの判
断を行い、YESの場合はステップ104−4へ進み、NOの場
合はステップ104−5へ進む。ステップ104−4では遅角
量RをΔRだけ減らす。ステップ104−5〜8は遅角量
の最大・最小のガードであり、第7図にて説明済みであ
るので説明を省略する。
その後、ステップ105で定常状態と判断された場合はス
テップ106−1へ進み、V≦VLの判断を行う。そこで、Y
ESの場合はステップ106−2へ進み、AをΔAだけ増
す。また、ステップ106−3では、V≦VLが所定期間な
かったかの判断を行い、YESの場合はステップ106−4へ
進み、AをΔAだけ減らす。こうすることにより、V≦
VLの確率がほぼPKと等しくなるようにできる。このよう
に、遅角量の増減とAの増減を同様に行うようにすれ
ば、遅角量の増減の方式にかかわらず、本発明を実施す
ることができる。
定数D,Bの値は例えば第13図(A),(B)のように
エンジン条件(吸入空気量、エンジン回転数)により変
えてもよい。
定数D,Bは表1a,1bのように気筒ごとに変えてもよい。
定数D,Bは表2,表3および第14図,第15図のように、
エンジン条件、気筒の双方に応じて変えてもよい。
また、PKより小さな確率でV≦VL2となる参考レベルV
L2(=V50/A)を作成し、Vref=A×V50としても、実質
的に本発明を実施することができる。すなわち、PKと同
じ確率でV≦VLとなるレベルVLに対し、VL2<VLである
ので、 Vref/V50>V50/VL という関係を実質的に成り立たせているのである。この
実施例としては第9図のステップ103−1,106−3をそれ
ぞれ第16図のステップ103−1,106−3と代えればよい。
すなわち、ステップ103−1にて判定レベルVrefをVref
=A×V50と作成し、かつ、ステップ106−3においてA
を減らす周期を遅角量を減らす周期よりも大きく、例え
ば2倍にすればよい。
以上の実施例ではノック判定により遅角量だけを増減
したが、これと同時にA/F、過給圧等を制御しても何ら
さしつかえない。
以上の実施例では、ノック強度値として最大値を用い
たが、前述したごとく整流・積分値、ノックパルスの
数、ノックパルス列の積算値、実効値等を用いてもよい
ことは勿論である。
〔発明の効果〕
以上述べたように本発明は、実質的にノック判定レベル
Vrefとノック強度値Vの分布の中央値V50の比が、V50
ノック判定確率PKとほぼ同じ確率でV≦VLとなるレベル
VLとの比より少しだけ大きくなるようにすることによ
り、エンジン、ノックセンサ等の製作誤差、経時変化等
により変わるノック判定レベルを常に最適値に修正する
ことができ、最適なノック制御を可能とする。
さらに、本発明の基本となる特開昭60−243369号公報で
は、ノックの発生状態に応じてノック判定レベルを補正
するようにしているので、ノックの発生が少ない運転状
態が継続した場合あるいはノックの発生が少ない高オク
タン価の燃料使用時においてはノック判定レベルが次第
に高くなってしまい、この状態においてノックの発生が
多い運転状態になった場合あるいは低オクタン価の燃料
に切換えた場合には、その直後におけるノックの検出が
不可能になるのに対し、本発明では、ノック判定確率PK
とほぼ同じ確率でノック強度値V以上となる参考レベル
をもとにしてノック判定レベルが作成されるため、ノッ
クの発生が少ない運転状態等においても、ノック判定レ
ベルが必要以上に上昇することはなく、ノックの発生が
少ない運転状態からノックの発生が多い運転状態に移っ
ても、ノックの発生を確実に検出することができるとい
う優れた効果がある。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明のクレーム対応図、第2図(a),
(b)および第3図(a),(b)はLOG(V)の実験
データの一例を示す累積%特性図、第4図はLOG(RMS)
の実験データの一例を示す累積%特性図、第5図は本発
明装置の一実施例を示す部分断面構成図、第6図は第5
図図示装置におけるピークホールド回路部のより詳細な
ブロック図、第7図は第5図図示装置における点火時期
制御回路のより詳細なブロック図、第8図および第9図
は第7図図示回路の作動説明に供するフローチャート、
第10図〜第12図および第16図はそれぞれ本発明装置の他
の実施例における要部のフローチャート、第13図
(A),(B)、第14図および第15図は本発明装置の他
の実施例におけるエンジン回転数−吸入空気量に対応す
るD値,B値,D1値,B1値のそれぞれの特性図である。 1…エンジン,6…ノックセンサ,7…ピークホールド回路
部,8…点火時期制御回路,10…駆動手段を構成するイグ
ナイタ及びイグニッションコイル。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】内燃機関のノックを検出するためのノック
    センサと、このノックセンサの信号から所定区間のノッ
    ク強度値Vを検出するノック強度値検出手段と、ノック
    判定レベルVrefを作成する判定レベル作成手段と、前記
    ノック強度値Vとノック判定レベルVrefとの比較により
    ノックの有無を判定するノック判定手段と、この判定結
    果に応じて点火時期あるいは空燃比等のノック制御要因
    を制御する駆動手段とを備える内燃機関ノック制御装置
    において、前記ノック強度値検出手段により検出したノ
    ック強度値Vに応じてノック判定確率PKとほぼ同じ確率
    でノック強度値V以上となる参考レベルVLを作成する参
    考レベル作成手段と、実質的にノック判定レベルVref
    ノック強度値Vの分布の中央値V50との比が、この中央
    値V50と参考レベルVLとの比より少しだけ大きくなるよ
    うにノック判定レベルを補正する判定レベル補正手段と
    を備えることを特徴とする内燃機関用ノック制御装置。
  2. 【請求項2】前記参考レベル作成手段は、前記ノック強
    度値Vの分布の少なくとも1つ以上の%点の値を算出す
    る%点値算出手段と、前記参考レベルVLを前記%点の値
    VPとある変数Aとにより、VL=VP/Aとして作成するレベ
    ル演算手段と、前記ノック判定確率PKとほぼ同じ確率で
    ノック強度値Vが参考レベルVL以上となるように変数A
    を補正する変数補正手段とを含んでなることを特徴とす
    る特許請求の範囲第1項記載の内燃機関用ノック制御装
    置。
  3. 【請求項3】前記判定レベル補正手段は、ノック強度値
    Vの分布の中央値V50を算出する中央値算出手段を含
    み、ノック判定レベルVrefと分布の中央値V50との比
    が、中央値V50と参考レベルとの比より少しだけ大きく
    なるようにノック判定レベルVrefを補正することを特徴
    とする特許請求の範囲第1項又は第2項記載の内燃機関
    用ノック制御装置。
  4. 【請求項4】前記判定レベル補正手段は、前記変数Aと
    前記分布の中央値V50と1より大きな所定の数Dとによ
    り、ノック判定レベルVrefを、Vref=A×D×V50とし
    て作成するものであることを特徴とする特許請求の範囲
    第3項記載の内燃機関用ノック制御装置。
  5. 【請求項5】前記所定の値Dは内燃機関の運転条件と気
    筒との少なくとも一方に応じて変化するものであること
    を特徴とする特許請求の範囲第4項記載の内燃機関用ノ
    ック制御装置。
  6. 【請求項6】前記判定レベル補正手段は前記変数Aと前
    記分布の中央値V50と所定の正の数Bとにより、ノック
    判定レベルVrefを、Vref=(A+B)×V50として作成
    するものであることを特徴とする特許請求の範囲第3項
    記載の内燃機関用ノック制御装置。
  7. 【請求項7】前記正の数Bは内燃機関の運転条件と気筒
    との少なくとも一方に応じて変化するものであることを
    特徴とする特許請求の範囲第6項記載の内燃機関用ノッ
    ク制御装置。
  8. 【請求項8】前記判定レベル補正手段は、ノック強度値
    Vの分布の中央値V50より大きな値VMHを算出する大値算
    出手段を含み、前記ノック判定レベルVrefと中央値より
    大きな値VMHとの比と、この中央値より大きな値VMHと参
    考レベルVLとの比とがほぼ等しくなるようにノック判定
    レベルVrefを補正することを特徴とする特許請求の範囲
    第1項あるいは第2項記載の内燃機関用ノック制御装
    置。
  9. 【請求項9】内燃機関のノックを検出するためのノック
    センサと、このノックセンサの信号から所定区間のノッ
    ク強度値Vを検出するノック強度値検出手段と、ノック
    判定レベルVrefを作成する判定レベル作成手段と、前記
    ノック強度値Vとノック判定レベルVrefとの比較により
    ノックの有無を判定するノック判定手段と、この判定結
    果に応じて点火時期あるいは空燃比等のノック制御要因
    を制御する駆動手段とを備える内燃機関用ノック制御装
    置において、前記ノック強度値Vの分布の中央値V50
    求める中央値算出手段と、ノック判定確率PKより小さな
    確率でノック強度値V以上となる参考レベルVL2を作成
    する参考レベル作成手段と、ノック判定レベルVrefと分
    布の中央値V50との比が、この中央値V50と参考レベルV
    L2との比とほぼ等しくなるようにノック判定レベルVref
    を補正する判定レベル補正手段とを備えることを特徴と
    する内燃機関用ノック制御装置。
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