JPH068875U - 調圧弁 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】 ピストン弁が弁座から離れて開いたとき、乱
流が発生し難くなって弁鳴りの発生を抑圧でき、かつ各
部品の摩耗や圧力変動を抑えることができるようにす
る。 【構成】 圧液流入口１２と余水口１６を有する調圧室
１７と、円形開口部１９を有する弁座２０と、調圧室１
７及び円形開口部１９を縦貫するように配設された案内
棒２２と、頭部に着座面部２４が形成され案内棒２２に
摺動可能に外嵌されて円形開口部１９を閉塞するピスト
ン弁２５と、ピストン弁２５を弁座２０側へ付勢するば
ね２７と、ピストン弁２５の抜落を防ぐため案内棒２２
の先端に形成された拡径部３１，３２とを具備する。ピ
ストン弁２５の頭部に余水口１６内に突出する円筒状の
水流案内部３０が連設し、水流案内部３０と着座面部２
４との境内付近の外周が内側に凹む湾曲面３５を形成す
る。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、例えばポンプから圧送されて来る圧液を所定の液圧に調整して送り 出すような機能を備えた調圧弁に関する。

【０００２】

【従来の技術】

この種の調圧弁の従来例を図４に示す。図において、調圧弁１は、圧液流入口 １２，圧液流出口１４，及び余水口１６を有する調圧室１７と、円形開口部１９ を有し前記余水口１６の始端部に配された弁座２０と、前記調圧室１７及び前記 弁座２０の円形開口部１９を縦貫するように配された案内棒２２と、頭部に円錐 状の着座面部２４が形成され前記案内棒２２に摺動可能に外嵌されて前記円形開 口部１９を閉塞すべく前記弁座２０に前記着座面部２４が当接せしめられるピス トン弁２５と、このピストン弁２５を前記弁座２０側へ向けて付勢するコイルば ね２７と、前記ピストン弁２５の抜落を防ぐべく前記案内棒２２の先端に螺合せ しめられた本ナット３１及びロックナット３２とで形成された拡径部を備えてい る。 なお、前記圧液流出口１４は説明の都合上図示したが、必ずしも前記調圧室１ ７自体に設ける必要はない。

【０００３】 かかる構成を有する調圧弁１においては、調圧室１７の液圧が所定圧以下のと きには、コイルばね２７の付勢力によりピストン弁２５が閉じた状態にされてそ の着座面部２４が弁座２０に当接せしめられる。また、調圧室１７の液圧が所定 圧を越えるときには、図４に示される如くに、ピストン弁２５がコイルばね２７ の付勢力に抗して軸線方向に移動して開いた状態にされ、調圧室１７から圧液が 着座面部２４と弁座２０の内周端との間に形成される隙間から余水口１６側に排 出される。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】 ところが、前記した従来の調圧弁１においては、ピストン弁２５が弁座２０か ら離れて開いたとき、図の矢印で示される如くに、調圧室１７から余水口１６側 へ流出する圧液が噴流となって案内棒２２及び拡径部のナット３１，３２に当た り、それによリ乱流が発生してピストン弁２５がチャタリング現象を引き起こし 、いわゆる弁鳴りが発生し易くなるという問題があった。

【０００５】 また、圧液が噴流となって案内棒２２やナット３１，３２に当たって乱流が発 生することから、各部品が摩耗し易く、さらに、圧力変動が発生し易いといった 問題も生じていた。 かかる点に鑑み本考案は、ピストン弁が弁座から離れて開いたとき、乱流が発 生し難くされて弁鳴りの発生を抑圧でき、かつ、各部品の摩耗や圧力変動をも抑 えることができるようにされた調圧弁を提供することを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

前記の目的を達成すべく、本考案に係る調圧弁は、圧液流入口及び余水口を有 する調圧室と、円形開口部を有し前記余水口の始端部に配された弁座と、前記調 圧室及び前記弁座の円形開口部を縦貫するように配された案内棒と、頭部に先す ぼまり状の着座面部が形成され前記案内棒に摺動可能に外嵌されて前記円形開口 部を閉塞すべく前記弁座に前記着座面部が当接せしめられるピストン弁と、この ピストン弁を前記弁座側へ向けて付勢するばねと、前記ピストン弁の抜落を防ぐ べく前記案内棒の先端に形成せしめられた拡径部とを具備し、 前記ピストン弁の頭部に前記余水口内に突出する円筒状の水流案内部が連設さ れ、かつ、少なくとも前記水流案内部と前記着座面部との境界付近の外周が内側 に凹む湾曲面で形成されていることを特徴としている。

【０００７】

【作用】

前述の如くの構成とされた本考案に係る調圧弁においては、ピストン弁の頭部 に連設された水流案内部と、この水流案内部と前記ピストン弁の着座面部との少 なくとも境界付近の外周に形成された内側に凹む湾曲面と、の相互作用によって 、ピストン弁が弁座から離れて開いたとき、調圧室から余水口側へ流出する圧液 が整流されるので、案内棒や拡径部には当たらなくなる。

【０００８】 そのため、乱流が発生し難くなって弁鳴りの発生が抑圧され、かつ、各部品の 摩耗や圧力変動をも抑えられる。

【０００９】

【実施例】

以下に添付の図を参照して本考案の実施例を詳細に説明する。 図１は、本考案に係る調圧弁の一実施例を示し、この図１において前述した図 ４に示される従来の調圧弁１の各部に対応する部分には同一の符号を付してそれ らの重複説明を省略し、以下においては、従来の調圧弁１との相違点を重点的に 説明する。

【００１０】 図１に示される本考案実施例の調圧弁１０は、前記ピストン弁２５の頭部に前 記余水口１６内に突出する前記ナット３１，３２の外径と同一か、若干大きな径 の円筒状の水流案内部３０が連設されていて、この水流案内部３０及びその上方 に連なるピストン弁２５の着座面部２４の外周全域にわたって内側（案内棒２２ の中心側）に凹む断面円弧状の湾曲面３５が形成されている。 このように、ピストン弁２５の頭部に水流案内部３０が連設され、該水流案内 部３０と着座面部２４との外周が連続した湾曲面３５とされることにより、ピス トン弁２５が弁座２０から離れて開いたとき、図の矢印で示される如くに、調圧 室１７から余水口１６側へ流出する圧液が整流されるので、案内棒２２やナット ３１，３２には当たらなくなる。

【００１１】 そのため、乱流が発生し難くなって弁鳴りの発生が抑圧され、かつ、各部品の 摩耗や圧力変動をも抑えられる。 なお、前述した実施例では、水流案内部３０及び着座面部２４の外周全域にわ たって内側に凹む断面円弧状の湾曲面３５が形成されているが、それに代えて、 例えば、図２に調圧弁の変形例５０が、また、図３に図２におけるピストン弁２ ５の着座面部２４付近が拡大されて示される如くに、前記水流案内部３０と前記 着座面部２４との境界付近の外周にのみ内側に凹むようにアールを施して湾曲面 ４０を形成してもよい。このように比較的小さな湾曲面４０を形成するだけでも 、前述した例と同様な作用効果が得られる。 また、案内棒２２の先端部の拡径部は、ナット３１，３２を螺合せしめたもの に限定されるものではなく、案内棒２２と一体に形成されるフランジやロールピ ン等でも良い。

【００１２】

【考案の効果】

以上の説明から理解されるように、本考案に係る調圧弁によれば、ピストン弁 の頭部に水流案内部が連設され、該水流案内部と着座面部との外周が湾曲面とさ れるので、ピストン弁が弁座から離れて開いたとき、調圧室から余水口側へ流出 する圧液が整流されるので、案内棒や拡径部を形成するナット等には当たらなく なり、その結果、乱流が発生し難くできて弁鳴りの発生を抑圧でき、かつ、各部 品の摩耗や圧力変動をも抑えることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係る調圧弁の一実施例を示す断面図。

【図２】図１の実施例の変形例の説明に供される断面
図。

【図３】図２の変形例におけるピストン弁の説明に供さ
れる拡大要部断面図。

【図４】従来の調圧弁の一例を示す断面図。

【符号の説明】

１０ 調圧弁 １２ 圧液流入口 １４ 圧液流出口 １６ 余水口 １７ 調圧室 １９ 円形開口部 ２０ 弁座 ２２ 案内棒 ２４ 着座面部 ２５ ピストン弁 ２７ ばね ３０ 水流案内部 ３１，３２ ナット ３５，４０ 湾曲面 ５０ 調圧弁

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 圧液流入口１２及び余水口１６を有する
   調圧室１７と、円形開口部１９を有し前記余水口１６の
   始端部に配された弁座２０と、前記調圧室１７及び前記
   弁座２０の円形開口部１９を縦貫するように配された案
   内棒２２と、頭部に先すぼまり状の着座面部２４が形成
   され前記案内棒２２に摺動可能に外嵌されて前記円形開
   口部１９を閉塞すべく前記弁座２０に前記着座面部２４
   が当接せしめられるピストン弁２５と、このピストン弁
   ２５を前記弁座２０側へ向けて付勢するばね２７と、前
   記ピストン弁２５の抜落を防ぐべく前記案内棒２２の先
   端に形成せしめられた拡径部３１，３２とを具備する調
   圧弁１０において、 前記ピストン弁２５の頭部に前記余水口１６内に突出す
   る円筒状の水流案内部３０が連設され、かつ、少なくと
   も前記水流案内部３０と前記着座面部２４との境界付近
   の外周が内側に凹む湾曲面３５，４０で形成されている
   ことを特徴とする調圧弁。