JPH0688073B2 - 線材コイルの潤滑装置および自動潤滑制御装置 - Google Patents

線材コイルの潤滑装置および自動潤滑制御装置

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JPH0688073B2
JPH0688073B2 JP31506188A JP31506188A JPH0688073B2 JP H0688073 B2 JPH0688073 B2 JP H0688073B2 JP 31506188 A JP31506188 A JP 31506188A JP 31506188 A JP31506188 A JP 31506188A JP H0688073 B2 JPH0688073 B2 JP H0688073B2
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rod coil
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] この発明は熱間圧延後の線材を同心円状のコイルにして
搬送し、結束機で結束する際に、線材に生じる圧縮疵や
取扱疵を潤滑処理で防止する線材コイルの潤滑装置およ
びその自動潤滑制御装置に関する。
[従来の技術] 熱間圧延線材の製造は、通常、線径5.5mm〜18mmφ程度
まではレーイングヘッドでコイリングされ、連続的に非
同心円状の線材リングがコンベアに乗せられて冷却され
た後、集束タブで結束機まで搬送される。また、線材径
が19mm〜55mmφの範囲の線材は、ボーリング捲取機でた
だちに同心円状のコイルに巻き取られた後、衝風設備等
で冷却された後、ハンガーフックで結束機まで搬送され
る。その後、フープを巻いて結束機で結束する。
上記結束の際、線材間の接触面が互いに圧迫され圧縮疵
を生じ、それが表面疵として製品に残り、その疵を起点
として、破断等のトラブルにつながることがある。ま
た、歩留り向上のためのコイルの大単重化や線材の細径
側へのサイズ拡大により、結束機のコイル高さが高くな
り、既存の熱処理炉への装入が炉高との関係で装入でき
なくなったり、更には酸洗槽にも入らなくなる等の問題
があった。
その対策として、特開昭56−151115号公報で開示された
熱間圧延材の結束処理法がある。この方法では、冷却搬
送過程あるいは結束時に圧延線材に潤滑材を塗布し圧縮
結束する。また、特開昭63−138918号公報では、循環剤
を含む泡沫を線材コイルにかけて潤滑する方法が示され
ている。更に、本件出願人が提出した特願昭62-70456
号、特願昭62-70457号では潤滑剤を含む泡沫を線材コイ
ルに供給する装置が提案されている。
[発明が解決しようとする課題] しかし、特開昭56−151115号公報で示された技術は、完
全に前記問題を解決するに至っていない。その理由は、
同心円状のタイトコイル線材に効率よく均一潤滑処理す
る方法がないためである。すなわち、現在もっとも普及
している潤滑処理方法として、エア・アトマイズ噴射方
式があるが、これはタイルコイル状線材の内部に噴霧が
入り込めないので、潤滑処理できる部分もコイルの表層
部に限られる。また、噴霧されたフュームが周囲に飛散
するので、排気装置等の設備も必要であった。また、他
の方法として潤滑剤を含む水溶液に浸漬する方法やシャ
ワー状にかけて処理する方法がある。しかし、これらの
方法ではコイル内部まで潤滑剤は入り込むが、コイル下
端部分に潤滑剤が流下して集中する。この結果、コイル
下端にある線材の潤滑剤厚みが厚くなる他、いずれもコ
イル内に付着滞留した水溶液の水切れが悪く、下工程ま
で水が滴たり、乾きが悪いため、結束時に水がにじみ出
て、周囲環境を悪化する問題がある。このことは、コイ
ルによる潤滑剤の持ち出し量も多くなり、部分的に回収
して使用するにしても、フィルターや、循環ポンプ、下
滴った水溶液を集めるピット等が必要になり、全体とし
て設備が大形化する問題がある。
次に、特開昭63-13818号公報では、線材コイル上部に固
定されたフィルター式の発泡器から泡沫を供給する方法
が示されているが、これは、発泡器が固定であるため、
発泡器から潤滑剤を含む水溶液が滴りおちて、潤滑を必
要としない線材コイルを汚す問題がある。またフィルタ
ーは目詰まりを起こしやすく、均一に発泡させることが
できなくなる等の問題がある。また、線材コイルの直径
方向に泡沫を均一塗布するには、多数の発泡器を線材コ
イルの直径方向に密に並べる必要があり、設備が大形化
する問題がある。
更に、特願昭63-70456号は、線材コイル内部にエアバッ
グを装入し、エアバッグと線材コイルの間に泡沫を供給
し、次いでエアバッグにエアを供給して膨張させ、泡沫
を線材コイル内に圧入する技術を提案しているが、これ
ではエアバッグの装入、膨張、収縮、引き出しを線材コ
イルの搬送ピッチに合わせ、極めて短時間で実行させる
ために、大容量で高圧のエア供給・吸引装置が必要とな
り、設備が大型化する問題がある。また、線材コイル内
部には、Cフックや線材リングの飛び出し等があり、エ
アバッグを十分に膨張させられない問題がある。
又、特願昭63-70457号の第1の発明において、泡沫を線
材コイルに効率的に供給するため、線材コイル軸方向に
泡沫噴射ノズルを配置した発泡器と線材コイル周面の泡
沫を保持するカバーを取付けることが提案されている
が、これも線材コイル上部に固定するため、泡沫噴射ノ
ズルからの滴りが潤滑を必要としないコイルを汚す問題
や、泡沫を保持するカバーが搬送中の線材コイルに衝突
する等の問題がある。また第2の発明では発泡器に取付
けたブラシで線材コイル周面を掃くように公転させる技
術が提案されている。さらに、第3の発明では発泡器の
外周全面にブラシを取付け、発泡器を自転させながら、
線材コイル周面上を公転させる技術が提案されている。
これら第2、第3の発明は、発泡器が線材コイル周面上
を公転する際に、Cフックや線材コイルから飛び出した
リングと衝突する問題がある。
[課題を解決するための手段] 本発明は、上述の問題点を解決する理想的な泡沫潤滑装
置を提案するものである。
第1の本発明の線材の潤滑装置は、線材コイルを結束す
る前に、線材コイルに潤滑剤を供給して線材コイルのリ
ング間を潤滑する装置において、線材コイルの軸方向に
沿って移動可能な泡沫噴射ノズルに接続された発泡器
と、泡沫噴射ノズルを線材コイル軸方向に沿って移動さ
せる駆動装置と、発泡器に潤滑剤を含む水溶液を供給す
る潤滑剤供給装置と、発泡器に圧縮空気を供給するエア
供給装置とからなっている。発泡器は泡沫噴射ノズルと
ともに移動させても良いし、伸縮自在なパイプや継手等
を用いて泡沫噴射ノズルと接続し、泡沫噴射ノズルのみ
を移動させてもよい。泡沫噴射ノズルを線材コイル軸方
向に移動させる駆動装置として、電動モータ、エアモー
タ、油圧モータ、あるいはエアシリンダー、油圧シリン
ダー等が適宜減速装置等と組合わせて用いられる。前記
発泡器を線材コイル軸方向に沿って移動可能な台車に固
定して、該台車を上記駆動装置により移動させることに
してもよい。
第1図は第1の発明の実施例を示すもので潤滑装置の斜
視図である。
潤滑装置11は主として発泡器12,13、泡沫噴射ノズル17,
18、駆動装置19、台車20、潤滑剤供給タンク31、および
エアタンク35とからなっている。発泡器12,13には泡沫
噴射ノズル17,18が泡沫導管を介して接続されている。
泡沫器および泡沫噴射ノズルは線材コイル上部に2器、
内部に2器を水平に線材コイルの内径よりも小さな間隔
で配置して、台車20に固定している。台車20は駆動装置
19により線材コイルの軸方向に往復運動が可能である。
この実施例では台車は線材コイルの軸方向に対面して2
台配置されている。発泡器12,13は内部に潤滑剤を含む
水溶液の噴射ノズルと金属性のネット(図示しない)を
備え、ノズルから噴射された水溶液がネットを通過する
過程で圧縮空気と混合され、発泡する構造になってい
る。
発泡器12,13には潤滑剤供給装置31が止め弁32を介して
供給管33により接続されている。潤滑剤供給装置31は潤
滑剤を含む水溶液を収容し発泡器へ供給する。この実施
例での水溶液は、脂肪酸複合アミン塩とアルコール系ア
ミンを水に溶かしてそれぞれの濃度を約0.1wt%とした
ものである。さらに、発泡器12,13にはエア供給装置35
が止め弁36を介して供給管37により接続されている。エ
ア供給装置35にはコンプレッサ(図示しない)により圧
縮空気を充填させて、発泡器へ供給する。
つぎに、上記のように構成された装置により線材コイル
を潤滑する方法について説明する。熱間圧延線材の製造
ラインでは、鋼材を加熱炉によって所定温度に加熱した
のち、粗圧延機および中間圧延機をへて、高速ブロック
ミルで所定の寸法径の線材にする。ついで、レーイング
ヘッド捲線機によって非同心円状のコイル線材として捲
線され、調整冷却ラインで所定温度まで冷却されたの
ち、自動結束機によってフープで結束されて次の処理工
程に移送される。線材コイルの潤滑は上記結束の直前に
行われる。
ハンガーフック5に吊るされた線材コイル1が潤滑装置
に搬送されてきた時、線材コイル検出器50からコイル有
りの信号がシーケンサー51に伝達され、シーケンサー51
が台車20の駆動装置19を起動させる。第1図は台車20が
駆動装置19により線材コイルの軸方向に移動した状態を
示す。
台車20の移動距離は実施例のように台車を線材コイルの
軸方向に対面して2台配置する場合には線材コイルの軸
方向距離の1/2程度でよいが、1台のみ配置する場合に
は、線材コイルの長さと同等以上にする。次に止め弁32
を開いて潤滑剤を含む水溶液を発泡器12,13にそれぞれ
約5/minで供給するとともに、止め弁36を開いて圧縮
空気を両発泡器12,13に約75/minで吹き込む。水溶液
は両発泡器12,13内で発泡して泡沫となり、両発泡器12,
13に接続した泡沫噴射ノズル17,18から線材コイル1の
外、内周面に向かって噴射される。泡沫は線材コイルの
外周面および内周面から線材コイル1のリングの間の間
隙に入り込む。入り込んだ泡沫は線材表面に一様に付着
して潤滑の作用をする。台車20は泡沫噴射開始と同時に
一定速度で後退を始め、待機位置に到達して停止する。
このように、泡沫で潤滑処理された線材コイル1は、線
材自体のもつ熱間圧延余熱によって即乾されつつ結束機
によって圧縮結束を行う。
以上の潤滑装置の動作はシーケンサー51により制御さ
れ、自動的に運転可能である。また、この実施例で、泡
沫噴射ノズルの先端位置と合わせて取付けた線材コイル
位置検出器49が台車の移動により泡沫噴射ノズルの先端
が線材コイルの端部に達したことを検出して、潤滑装置
の動作を制御するシーケンサー51に信号を伝達し、泡沫
の噴射を停止させれば、より効率的に泡沫を供給でき
る。
本発明の第2の発明では、泡沫噴射ノズルは線材コイル
軸方向ばかりでなく、上下方向および、水平方向にも移
動可能である。すなわち、第2図に示す実施例の如く、
泡沫噴射ノズル17,18は発泡器12,13と接続され、さらに
線材コイル軸方向に移動可能な台車20に泡沫噴射ノズル
の方向可変駆動装置21,22を介して配置され、線材コイ
ルの直径や飛び出しリングの有無等により上下方向、水
平方向に自在に移動させるものである。
また、本発明の第3の発明は同じく、泡沫噴射ノズルに
関するもので、泡沫噴射ノズルの泡沫噴射端部側の泡沫
導管外周に軸方向相互に摺動可能な外筒を嵌合させ、該
外筒をまたは該泡沫導管を移動させることによりスリッ
ト状の開口口の面積を可変して泡沫噴射量を変化させる
発明である。第3図にその本発明の泡沫噴射ノズルの一
実施例を示す。第3図の(a)は斜視図であり、(b)
は(a)で示すa−a′線の断面図で、(c)は(a)
で示すb−b′線の断面図である。
この実施例図では円筒形の泡沫導管34の泡沫噴射端部側
の外周に軸方向に摺動可能な同形の外筒62を嵌合し、該
泡沫導管34の泡沫噴射端側を軸方向に一部開口64しさら
にその端側端に外筒62の円筒形断面の開口部を覆う遮蔽
板63を固着して設ける。なお、この実施例でノズル先端
をθなる傾斜角度をもたせているのは、泡沫噴射がノズ
ル先端からより先方へ噴射できる吐出力を与えるためで
ある。θの角度は必要に応じ適宜決めるとよい。また、
泡沫導管34の軸方向開口64の切除に際し、第3図の
(c)に示す如く軸方向面の肉厚部の切除角度γをある
程度持たせると泡沫を安定して噴出させることができ
る。この切除角度γについて調査した結果、30〜60度の
範囲が最も良好な泡沫の拡がりが得られる。
また、さらに開口64となす周方向の切除量は、ここでは
周全体の1/2(180度)としたが、この切除量は線材コイ
ルの直径等により所望の泡沫拡がりに応じ決定すればよ
く、また軸方向の切除長さ量についても必要とする最大
泡沫量が噴出可能な範囲長さに決定すると良い。
以上のような泡沫噴射ノズルの発明により、泡沫導管34
に設けたスリット状の開口口65のスリット幅wが外筒62
の移動または外筒62を固定し泡沫導管34の移動で可変さ
れ、泡沫噴射量を必要に応じた量に制御することができ
る。
なお、上述した実施例では泡沫導管を軸方向に開口し遮
蔽板を固着しているが、これを外筒側にしても何らさし
つかえない。
第5図は開口部スリットを泡沫導管周方向の1/2(180
度)に設けたときの、スリット幅wと泡沫の拡がり角度
δの関係を測定した結果である。この図に示すように、
スリット幅によって泡沫の拡がり角度を制御できる。従
って、第2の発明で説明したように、線材コイルの直径
や飛び出しリング有無により泡沫噴射ノズルの位置を上
下方向、水平方向に移動させたときにも、スリット幅の
変更で泡沫の拡がり角度を制御し、泡沫線材コイルの周
面に均一に塗布できる。また、泡沫の噴射量を増減させ
る時にもスリット幅の変更で泡沫の拡がり角度を一定に
保つことができる。
この実施例では、泡沫は泡沫噴射ノズルの軸方向に直角
な断面の垂直軸について対称角度δ/2をもって噴射され
るが、これをノズルの向きを変えずに、何方かに偏らせ
て噴射させたい場合には、外筒または泡沫導管を回転さ
せることで泡沫の噴射方向を偏らせることもできる。
本発明の第4の発明は、線材圧延機で圧延され巻取装置
で巻取られた線材コイルごとの潤滑処理実施可否を識別
させる計算機を設け、該計算機から潤滑装置の動作を制
御するシーケンサーで潤滑処理が可の場合、潤滑装置を
自動的に起動させること。さらに該計算機には線材コイ
ルの軸方向長さを記憶させ、その軸方向長さに合わせた
潤滑処理の泡沫噴射時間を演算し、これをシーケンサー
に組み込んだタイマーに泡沫噴射時間を設定することを
特徴としたものである。
すなわち、搬送ラインを搬送される全ての線材コイルに
付与されている線材コイル識別番号に付加して、潤滑処
理の必要、不要の区別を数値化したデータを計算機53に
記憶され、また、さらに圧延線材の巻取装置付近等で計
測した、線材コイルの軸方向長さが線材コイル識別信号
と合わせて記憶させ、線材コイルが圧延線材の巻取装置
から搬送ラインに移送される度に、計数カウンターから
計算機に信号が伝達され、計算機の記憶装置上で線材コ
イル識別番号と線材コイルの位置が正確に把握される。
潤滑装置の位置に搬送されてきた線材コイルが潤滑処理
対象コイルに指定されていれば、計算機から潤滑装置の
動作を制御するシーケンサーに潤滑装置の起動信号が送
られる。また、線材コイルの軸方向長さに合わせて泡沫
噴射時間を計算し、潤滑装置の動作を制御するシーケン
サーに組み込んだタイマーに泡沫噴射時間を設定する。
この場合、第1図の実施例で説明したように、泡沫噴射
ノズルの先端と合わせて取付けた線材コイル位置検出器
49により泡沫噴射ノズル17,18の先端が線材コイル1の
端部に達したことを検出して、泡沫の噴射を停止させる
ようにしてもかまわない。
第4図はこの第4の発明の実施例を示すもので、潤滑装
置を組み込んだ潤滑設備全体の配置図である。
潤滑装置11本体は線材圧延ライン2の巻取装置3に連続
した線材コイルの搬送ライン41の途中に設けられ、発泡
器12,13、泡沫噴射ノズル17,18およびこれらを固定した
台車20とその駆動装置19とからなる。また発泡器12,13
には止め弁36、供給管37を介してエアタンク35が接続さ
れ、また止め弁32、供給管33を介して潤滑剤供給装置31
が接続されている。線材コイル検出器50は潤滑装置11の
直前のハンガーフックに吊るされている線材コイルを検
出し、線材コイル有りの信号を計算機53に伝達する。計
算機53は、シーケンサー51にも接続されている。シーケ
ンサー51は駆動装置19、止め弁32,36にも接続されてい
る。
潤滑対象コイルの判定方法は、前述したように計算機53
が搬送ラインに沿って搬送される線材コイルを識別番号
で識別しているので、計数カウンター52より計測される
ハンガーフックの送り回数と1送り分の移動距離とか
ら、搬送ライン41に沿った移動距離を逐次算出し、この
算出距離と計数カウンター52から線材コイル検出器50ま
での距離を比較して、両者が一致した場合に線材コイル
検出器50の位置にある線材コイルを潤滑対象コイルと判
定する。さらに、計算機には圧延線材の巻取装置3の位
置で計測した線材コイルの軸方向長さが線材コイル識別
番号と合わせて記憶されている。計算機53は線材コイル
検出器50から線材コイル有りの信号を受けて、このコイ
ルが潤滑対象コイルであれば、線材コイル軸方向の長さ
と下記(1)式から泡沫噴射時間を計算する。
t=(h/n)/v+TLAG ‥‥(1) t:泡沫噴射時間 h:線材コイル軸方向長さ n:台車の数 v:台車の移動速度 TLAG:発泡器で泡沫が生成されてから実際に泡沫噴射ノ
ズルから線材コイルに噴射されるまでの遅れ時間 次いで、泡沫噴射時間tを潤滑装置の動作を制御するシ
ーケンサー51に組み込んだタイマー(図示しない)に設
定したあと、シーケンサー51に潤滑装置の起動信号を伝
達し、潤滑処理を開始する。
以上により泡沫は線材コイルの軸方向長さに対して一様
に無駄無く供給される。
なお、上記潤滑処理において、発泡倍率(泡容積()
/水溶液容積())が低い程、すなわち、泡中の水分
が高い程泡沫は粘性が低い、このため、泡沫は線材表面
をつたって滴り落ち、線材表面に付着せず、十分な潤滑
効果が得られない。一方、粘性を高くすると泡沫の流動
性が悪くなるので、線材コイルのリング間の間隙を泡沫
で完全に埋めることは困難になる。したがって、線材の
潤滑に適した泡沫倍率が選ばれる。
一般に線材径の細いほど、また、充填密度の大きいほど
コイル内部の潤滑処理が難しくなるが、潤滑剤を含む泡
沫の中の水分量を増加して泡沫の流動性を増加すること
で容易に潤滑できる。逆に線材径の太いほど、また、充
填密度の小さい程、コイルにかけた泡沫がコイル下端か
ら滴り易くなるので、泡沫中の水分量を減ずるととも
に、供給量も下げて潤滑する。線材コイル下端からの滴
り落ちを防止するため、泡沫の発泡倍率を高く(>50
倍)すると、線材コイル内部への浸透性が悪くなり疵低
減率が低下する。
ここで使用する潤滑剤を含む水溶液は、界面活性剤や水
溶性ポリマーからつくられる。界面活性剤そのものが潤
滑効果を持つものであれば、別に起泡剤を添加すること
なく発泡させることができる。潤滑剤に起泡性のない場
合には、起泡剤として界面活性剤や水溶性ポリマーを添
加する。また、線材の温度が高く、泡沫がすぐ消えるよ
うな状況にあっては、アルキル硫酸エステル塩に高級ア
ルコールを微量添加する等の対応をとることで、潤滑用
泡沫を安定して供給することができる。
なお、これら発泡剤を使用せず強制撹拌等の機械力のみ
により泡を形成させることも考えられるが、このように
して形成された泡は表面エネルギーが高く、表面粘度も
低いために泡も不均一で、安定性が悪い。このため、線
材の潤滑条件が一定せず、ロット振れ、品質振れが生じ
目標とする品質の鋼材を安定して製造することは困難で
ある。
[作用] この発明の線材の潤滑装置は、線材コイルを結束する前
に、線材コイルに潤滑剤を供給して線材コイルのリング
間を潤滑する装置として用いられる。潤滑剤を含む泡沫
は発泡器の泡沫ノズルから線材コイルの周面に向かって
噴射される。
第1の発明の線材の潤滑装置では、泡沫噴射ノズルを線
材コイルの軸方向に沿って移動させ線材コイルの搬送中
や潤滑処理を必要としない線材コイルが搬送されてきた
場合には、その搬送経路外で待機しているので、線材コ
イルと泡沫噴射ノズルの衝突や上部泡沫噴射ノズルから
の滴りが線材コイル上に落ちるのを防止できる。
第2の発明においては潤滑処理が必要な線材コイルの長
さやコイル直径および線材リングの飛び出し等に合わせ
て泡沫噴射ノズルを自在に移動させるので、線材コイル
と泡沫噴射ノズルの衝突やノズルからの滴りが線材コイ
ル上に落ちるのを防止でき、また線材コイル外に泡沫を
無駄に噴射することがなく、より一層効果的である。
第3の発明の泡沫噴射ノズルにおいては泡沫噴射量が所
望通りに可変でき、泡沫の拡がりを最適に制御すること
ができる。
第4の発明では圧延線材の巻取装置に連続した搬送ライ
ンに沿って搬送されてくる線材コイルの内、潤滑を必要
とする線材コイルのみに選択的に潤滑装置が起動し、泡
沫噴射時間は計算機が設定機が設定するので、潤滑装置
の運転を全て自動化できる。
[発明の効果] この発明では、泡沫噴射ノズルが線材コイルの軸方向に
移動可能や上下方向や水平方向に自在に移動可能なの
で、線材コイルと泡沫噴射ノズルとの衝突や泡沫噴射ノ
ズルからの滴り落ちにより潤滑対象材以外のコイルを汚
すことがない。また線材コイルの長さや直径に対して不
足することなく、線材コイル外に泡沫を無駄に噴射する
こともないので、塗布効率の高い潤滑処理が可能であ
る。更に、計算機と接続して使用することで、完全に自
動化が可能である。
従来、もっとも普及しているエア・アトマイズ噴射方式
で潤滑処理して圧縮結束したものに比べて、この発明の
装置による泡沫潤滑された線材コイルは、圧縮結束の
際、泡沫で内部まで均一に潤滑されている。従って、結
束時の圧縮疵を大幅に低減することができ、コイル高さ
も低くなる。このことより、圧縮疵を起点とした破断等
のトラブルを皆無にすることができる。さらに、コイル
の大単重化や線材の細径側へのサイズ拡大を実施して
も、既存の熱処理炉への装入、並びに需要家でのサプラ
イスタンドおよび酸洗槽での、結束後のコイル高さによ
るトラブルを引き起こすことなく実施可能である。さら
にまた、線材コイル下端からの水溶液の滴りやフューム
等の発生がなく、滴り落ちた潤滑剤の処理設備や飛散し
た潤滑剤の処理設備は不用である。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の第1の発明の実施例を示す潤滑装置の
斜視図、第2図は第2の発明の実施例を示す潤滑装置の
斜視図、第3図は第3の発明の実施例を示す泡沫噴射ノ
ズルで、(a)は斜視図、(b)は(a)のa−a′線
の側面図、(c)は(a)のb−b′線の断面図、第4
図は第4の発明の実施例を示す潤滑制御装置の配置図、
第5図は第3の発明の泡沫噴射ノズルの特性図を示す。 1……線材コイル、2……線材圧延ライン、3……圧延
線材巻取装置、5……ハンガーフック、10……泡沫、11
……潤滑装置、12,13……発泡器、17,18……泡沫噴射ノ
ズル、19……台車駆動装置、20……台車、21,22……方
向可変駆動装置、31……潤滑剤供給装置、32,36……止
め弁、35……エア供給装置、33,37……供給管、41……
搬送ライン、49……線材コイル位置検出器、50……線材
コイル検出器、51……シーケンサー、52……計数カウン
ター、53……計算機、62……外筒、63……泡沫遮蔽板、
64……開口、65……スリット状の開口口。
フロントページの続き (72)発明者 金須 貴之 北海道室蘭市仲町12番地 新日本製鐵株式 会社室蘭製鐵所内 (56)参考文献 特開 昭63−238925(JP,A) 特開 昭63−238924(JP,A)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】線材コイルを結束する前に、線材コイルに
    潤滑剤を供給して線材コイルのリング間を潤滑する装置
    において、線材コイルの軸方向に沿って移動可能な泡沫
    噴射ノズルに接続された発泡器と、泡沫噴射ノズルを線
    材コイル軸方向に沿って移動させる駆動装置と、発泡器
    に供給管を介して潤滑剤を含む水溶液を供給する潤滑剤
    供給装置および圧縮空気を供給するエア供給装置とから
    なる泡沫潤滑装置に、さらに搬送されてきた線材コイル
    を検出するコイル検出器を設け、該コイル検出器からの
    線材コイル検出信号によって前記の泡沫潤滑装置の動作
    を制御するシーケンサーとを組合せ構成したことを特徴
    とする線材コイルの潤滑装置。
  2. 【請求項2】泡沫噴射ノズルが、方向可変駆動装置によ
    り線材コイルの軸方向長さおよび線材コイルの直径に応
    じて自在に移動可能な構造からなる請求項1記載の線材
    コイルの潤滑装置。
  3. 【請求項3】泡沫噴射ノズルの泡沫噴射端部側の泡沫導
    管外周に軸方向相互に摺動可能な外筒を嵌合させ、該泡
    沫導管または該外筒のどちらか一方の泡沫噴射端部側を
    一部軸方向に開口し、さらに一部軸方向に開口した端部
    側端に開口しなかった該泡沫導管または該外筒の先端開
    口部を覆う大きさの遮蔽板を固着して、該泡沫導管また
    は該外筒を移動させることによりスリット状の開口口の
    面積を可変し、泡沫噴射量を変化させる請求項1および
    2記載の線材コイルの潤滑装置。
  4. 【請求項4】線材圧延機で圧延され巻取装置で巻取られ
    た線材コイルごとの潤滑処理実施可否の判別、および線
    材コイルごとの軸方向長さに合わせた潤滑処理の泡沫噴
    射時間を演算する計算機と、該計算機からの信号伝達に
    より潤滑装置の動作の起動および前記の泡沫噴射時間を
    設定するタイマーを有するシーケンサーとから構成して
    請求項1、2および3記載の線材コイルの潤滑装置を自
    動制御することを特徴とする自動潤滑制御装置。
JP31506188A 1988-12-15 1988-12-15 線材コイルの潤滑装置および自動潤滑制御装置 Expired - Lifetime JPH0688073B2 (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
TWI633946B (zh) * 2017-07-17 2018-09-01 中國鋼鐵股份有限公司 潤滑劑淋灑系統

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